04/08/11 02:14
アケミの保健室での一件以来,保健委員のマサコちゃんも後輩のカナちゃんもそのことを口外しないしできる限りその手の話題が出ないように心がけてくれているようだった.
保健室の先生もアケミがぶちまけた汚物の処理をいやな顔一つしないでやってくれたし,始終優しい言葉をかけて励ましてくれた.
それでもやっぱり,浣腸が恐ろしくて保健室には行けなかった.
放課後,後輩のカナちゃんと一緒になった
「先輩一緒に返りましょう!」
カナちゃんとは家も近いため,登下校が一緒になることが多かった.
「あれ?先輩,元気ないですね.どうしたんです?」
「・・あ,うん,ちょっと最近便秘がひどくて・・」
「・・ぁ・・」
「ああ,カナちゃん,そんなにあのときのこと気にしなくてもいいから」
「ごめんなさい・・,それで先輩大丈夫ですか?」
「・・うん,帰りちょっと薬局よってく,いい?」
「あ,はい」
アケミは帰りに薬局で下剤を買っていくことにした.
薬局では下剤はいつ出るか分からないから浣腸の方がいいと何度も勧められたが,結局押し切った.たとえ自分でやるとしても浣腸だけはさけたかった.
「そういえば,カナちゃんって便秘する?」
帰りの電車の中,アケミは聞いてみた.
「私はなったことないです~.ほら,私ってちっこいくせにいっぱい食べるじゃないですか!だから,出る分もいっぱいで・・・あっ」
電車の中で思わず大きな声でしゃべってしまい,注目を浴びてしまう.カナはちょっと不器用だけど,いつも元気いっぱいですばしっこく走り回っているような印象があった.
『そういう元気な子には便秘なんて無関係なのかな・・・』
少し,そんなカナちゃんがうらやましく思えてしまう.
「あ,ごめんなさい.こんなこと言ったら便秘で苦しんでる人に恨まれますね」
「ああ,いいのよ,気にしないで,人それぞれだから・・」
『この下剤を使えば,明日から少しは楽になるかな・・』
アケミは便秘をしやすい体質であったが,これまでは薬に頼るほどではなかったため.下剤を使うのも初めてだった.そのため,CMで見ているように,この薬で明日からすっきりだせると期待していた.