04/12/12 00:26:29
美哉はその尿瓶を見つめて、これにするんですか?
と目で聞いている。
足下ろしていいですよ。
男はそう言うと黙ってその尿瓶を床に置いた。
さっきまでとうってかわって沈黙したムードである。
しかし彼女の便意は弱まることはないのだ。
男は美哉を、彼女は尿瓶を見つめたまま数分が過ぎた。
時折彼女のお腹からグルグルと腸内を便とガスが移動する音が聞こえた。
その度に彼女の表情は歪み、体を硬直させる。
このムードを割ってトイレにいくなど不可能のような状況だ。
床にはただ尿瓶が一つ置かれ、ただ段々と増す便意が迫ってくる。
もうこうなると後は結果を待つだけなのだ。
男は自分から何も話しかけないことを心の中で決めた。
この雰囲気で彼女から排泄に関わる話題を切り出させようとしたのだ。
もちろん彼女の羞恥心を煽るためである。
尿瓶を持ち出した際に足を下ろしてから今までずっと会話をしていない。
この沈黙が彼女にとってどんなに辛く長い時間なのだろう。
顔とお腹に交互に目をやりながら考えていると、ついに彼女から言葉を発した。