08/01/24 18:59:25
祖父は俺の提案を受け入れ湯船から出ようとした。体が不自由だから
一人で出ることができない祖父は、ひっぱりあげられる形で
立ち上がった。そのとき、のぼせていたからか祖父は湯に足をとられ
体勢を崩した。さすがに祖父の全体重をささえるのは難しく、
俺も体勢をくずして倒れかけた。倒れようとした瞬間、背後から誰かが
俺と祖父を支えた。風呂場には俺と祖父しかいなかったはずだ。
一体誰だろう?と振り返ると、そこには普段祖父を風呂にいれるために
きてくれていた、介護福祉の後藤さんが立っていた。
後藤さんは40代中盤の熟した女性で、目じりの皺や化粧の濃さから
老いは感じるものの、肌の白さと今風の脱色した髪が相まって
まだ女の色気をわずかながらに残しているといった風貌だ。
「あとは私にまかせて、寒いでしょう?風呂につかっていてください」
そう言われてから自分が全裸だったことに気づいた。途端に恥ずかしくなる。
普通なら風呂場から早急に立ち去るのだろうが、後藤さんの強気な口調に
気圧されて素直に従ってしまった。祖父と入れ替わりで湯船につかる。