~ 選択形式で進めていくスレッドXXXVII ~at LEAF
~ 選択形式で進めていくスレッドXXXVII ~ - 暇つぶし2ch7:すんません勘違いしていました。こっちが前スレのラストです
07/12/28 19:16:33 qy9dzikL0
「では……手始めに、彼女のスリーサイズでも教えてもらいましょうか」
 僕はまず場を和ませるため、あまり品が良いとはいえない冗談で攻めてみた。
 そこ、変人だと思わないでくれ。信頼を込めたジョークだ。
 まだ少ししか話していないが、彼女は割りと冗談の通じる人間だ。
 この程度の話を軽く受け流せるだけのスキルはあると見ている。
「それも操作の一環ですか、久瀬さん?」
「うむ。僕は事件に重大な関係があると見越しているのだ」
「なら言わなくちゃいけませんね……ってなるわけないですよ。そんなこと言う人嫌いです」
 予想通り彼女は精神的に大人だった。
 僕が本気で言っていないのを見越して、冗談に乗ってくれる。
 やはり会話を弾ませるのなら彼女のように、
 ある程度以上こちらの真意を察することの出来る人物がいい。
 こんな感じでこの話題は終わるはずだった。ところが……
「う~ん……俺の見たところ、79・53・80って所か」
「ははは、そんな当てずっぽうで言われても」
 彼が数字を適当に羅列した瞬間、彼女がぴしりと固まった。
 ……待て、ちょっと待て。まさかとは思うが……当たってしまったのか。
 どれだけ低い確率を引き当てたというのだ、この男は。
 彼女の肩は小刻みに震えている。……何やら嫌な予感がするのは気のせいか。
「お、当たった?
 やっぱりな~。俺さ、目もかなり良い方だから自信あったんだよ」
 この男、空気を全く読めていない。
 駄目だこいつ、早くなんとかしないと……。
 だが、僕がフォローを考え付くよりも早く、彼女は恐ろしい形相で彼に詰め寄った。
「嫌いです嫌いですそういうこと言う人大嫌いですっっっ!!」
「ま、まさかマジで当たってたの!?
 ゴメン! 悪かった、俺が悪かったよっ!!」
「……あんまりですっ! 気にしていたのにっ、しかも暴露までされて!!
 さては一昨日の夜お風呂場で私がうっかり洩らしちゃったの聞いてましたね!?
 最低です、人類の敵です! 乙女の秘密も台無しです!!」
「い、いやそれは誤解だって! まさか俺も完全に一致するとは思わなくて……!!」
 彼女が凄い剣幕で次々に要らぬことまでまくしたてる。

8:名無しさんだよもん
07/12/28 19:17:33 qy9dzikL0
 本当に隠したいのなら、知らん振りしておけばばれなかったものを。
 気にしているところを突かれたからか、そんな簡単な事実にも気付けないのだろうな。
 この男も災難だな。天文学的な運の悪さだ。
 この話題を振った僕にも責任の一端がある気がしないでもないが、とにかく忘れよう。
 ちなみに、まともに話が出来るようになるまで数十分の時間を要した。
「……で、聞きたいことって? アリバイなら俺はずっと部屋にいたからないよ」
 彼女に散々変態扱いされたからか、ふてくされ気味で男性従業員が答えた。
 ちなみにまだ誤解は解けていない。まあ、僕が気にすることじゃないが。
 彼の質問の答え方が投げやりになっているが、それは仕方の無いことと割り切ろう。
「アリバイはなし……か。犯人の特定には遠いな」
「あ、そうだ。そういえば、宿泊客の一人に医者がいてさ、
 さっきその人がオーナーの検死をしたって言ってたんだ。話を聞いてみたらどうだい?」
 医者と検死結果か……。確かに聞く価値は十分にある。
 例え検死から何も分からなかったとしても、一人でも多くの人間に話を聞いたほうがいい。
 僕はその医者の部屋番号を聞き、男性従業員の個室を後にした。

 時計を確認してみると、もう11時30分近くになっている。
 今日中には次で回る場所は最後だな。これ以上遅くなっては相手にも失礼だろう。

A もう一人の男性従業員の部屋に行く
B 検死をしたという医者の部屋に行く
C 電話を修理している電気工の様子を見る
D 第一発見者の女性の様子が気になる
E 今日はもう寝てしまおう

251 名前:名無しさんだよもん:2007/12/26(水) 02:55:38 ID:s5a404rL0
選択は「D」でお願いします。

とりあえずEはフラグだよなぁ。

9:名無しさんだよもん
07/12/29 03:37:28 uHMzNmmB0
 そういえば、あの第一発見者の女性はどうしてるだろうか。
 彼女からは既に大体の話は聞いている。
 アリバイは無いが、動機も無い。
 おそらく先ほどと違う答えは返ってこないとは思うが、僕は彼女のことが気になった。
「……これから第一発見者の方の部屋へ行ってみようと思いますが」
 部屋を出てすぐに、僕は一緒に部屋を出た従業員の女性に提案した。
「どうしてですか? その人の話はもうとっくに……」
 もちろんそれには理由がある。
 一番最初にオーナーの死体を見たということもあり、彼女は酷く動揺していた。
 一人で思いつめている可能性もなきにしもあらずだ。
 無論僕は自分が生き残るのが最優先だが、犠牲者の数もなるべく減らしたい。
 これ以上無駄な犠牲を出したくは無かった。
 そのことを彼女に話すと、
「確かにそうかもしれないです。……久瀬さんって、意外と思いやりのある人ですね」
 どうやら良い印象を抱かれたらしい、好意的な返事が返ってきた。
 意外とという言葉が妙にひっかかるが、元来僕は人に好かれるタイプじゃない。
 だからその言葉は当たらずも遠からずじゃないか。と妙に納得してしまい自嘲した。

 そういうわけで、僕は第一発見者の女性の部屋の前までやってきた。
 従業員の女性も一緒についてきてもらっている。
 夜分遅くに男一人が女性の宿泊部屋に訪れるのは体裁が悪いし、
 くどいようだが一人で行動して死亡フラグを立てたくない。
 さて、どうしようか。
 先ほどの彼女は大分動揺していた。
 そして自慢じゃないが、僕はそういう人間を元気付けるのは不得意なのだ。
 だからここは天の声に任せよう。一番最適な方法はなんだろうか。

A 「少し様子を見に来た」という形で、雑談でも促す
B 「事件の真相を調べている」と話し、少し真面目な雰囲気を形作る
C 従業員の女性に打ち解けてもらう
D いきなりドアを開けてワイワイ騒げば不安も消えるだろう

10:名無しさんだよもん
07/12/29 04:33:38 Dh/fVeV10
C

11:名無しさんだよもん
07/12/29 13:33:52 uHMzNmmB0
「……彼女とは、まずあなたが話をしてもらえませんか?」
「私ですか?」
 天の声を聞いて、僕はひらめいた。
 何も僕が苦労する必要は無い。ここに従業員の女性がいるのだ。
 同じ女性なのだ、僕よりも話を合わせやすいに違いない。
 彼女にまずは任せるのが一番の得策だろう。
「ええ。僕だと警戒心を持たれる恐れがありますからね、同じ女性のあなたにしか頼めないことです」
「私にしか出来ない……ですか。分かりました、なんとかやってみます」
 よし、作戦成功。
 人に頼みごとをする場合は「その人にしか出来ない」などと言葉を付け加えて、
 相手の自尊心を擽るのが一番だ。大抵は二つ返事で了承してくれる。
「それじゃ、まず準備が要りますね」
「準備……ですか?」
「相手のところにおしかけるんです。お茶とお菓子ぐらいは用意するのが礼儀です」
 なるほど、そういう部分には全く目が向かなかった。
 流石彼女は僕とは違う。気配りというものを心得ていると見える。
 僕らは二人で台所へ向かい、紅茶と人数分のケーキを用意してから戻ってきた。
 ちなみに、台所のオーナーの死体は下ろしてから彼の部屋に寝かせてある。
 流石に吊るしっぱなしにはしてないさ。
 ……まあ、それでもここで殺人があったわけだから、
 誰も好き好んで台所に足を運ぼうとする人など皆無なんだろうが。
 そういう意味でも彼女の神経は図太い。彼女の精神力は僕も見習うべきだろう。

 用意済ませ、落ち着いてノックする。
 すると、数秒の沈黙の後に「どうぞ」という声が聞こえてきた。
 どうやらまだ起きてくれてはいたらしい。妙な疑心暗鬼にも陥っていないようだ。
 中に入ると、椅子に悲痛な面持ちで腰掛けている女性がまず目に付いた。
 どうやらあれからずっとこうやって塞ぎこんでいたらしい。
 そういう意味でも、訪れて正解だったと言える。

12:名無しさんだよもん
07/12/29 13:34:25 uHMzNmmB0
「従業員さん……こんな時間に、どうかしたんですか?」
「いえ、大した用じゃないんです。ただ、少しお話しようかと思いまして。
 お茶とケーキも持ってきましたから、一緒に食べましょう?」
 従業員の彼女は努めて明るい声で、優しく語り掛けるように話した。
 なるほど、そうやって相手の警戒心を解くわけか。今度僕も使ってみよう。
 発見者の女性は僕らに敵意がないことが分かると、少し表情が柔らかくなった。
 おそらくは今まで恐怖で泣いていたのだろう。
 彼女の掛けている眼鏡の奥に、涙の痕がうっすら見える。

 それからは、持ってきた菓子を食べながらの雑談となった。
 上手く明るい雰囲気を作れたのは、従業員の彼女の力が大きい。
 彼女は相手を上手く自分のペースに引き込むのが得意なようだ。
 正直、彼女がいれば僕にはやることがあまり無い。精々たまに話を振られて相槌を打つぐらいだ。
「ところで、従業員さんは学校では、何かクラブなどをやってらしてるんですか?」
「あはは、残念ですけど何もやってないんです。あなたはどうですか?」
 大分打ち解けたらしい彼女らが、そんな話題で盛り上がる。
 従業員の彼女の返事は、事情を知っている僕としては意味深に聞こえてならなかったが。
「私は、一応生徒会に所属してます」
「……ほう、それは奇遇ですね。僕も学校では生徒会長を務めさせてもらってますよ」
「えっ、そうだったんですか!?」
 いや、これは奇妙な偶然もあるものだ。
 僕がその事を話すと、従業員の女性も一緒に驚く。
 ……そういえば、話していなかったか?

13:名無しさんだよもん
07/12/29 13:34:59 uHMzNmmB0
「言われてみれば、確かに久瀬さんにはそんな雰囲気があります」
「そうですね、どこと無く雰囲気も私のところの会長に似てる気もしますし」
「ははは、生徒会長をやろうとする人間など少ないですからね。
 どうしても同じような人間が生徒会長を務めてしまうものなんですよ」
「……久瀬さん、今度私の学校の生徒会と親睦会をやりませんか?」
「え?」
「ここで会ったのも何かの縁だと思いますし……どうでしょうか?」
 大分彼女も元気になっている。
 やはりこんな時に、彼女のような芯の弱そうな人間を一人にしてはいけないのだろう。
 とすると、僕も彼女の雰囲気を壊すようなことはいえない。
 今の雑談で少しだが彼女の心を開くことは出来たと思う。
 こんな時は、まず彼女を安心させるようなことを話してやるのが一番だと思う。
 無論、僕は心理学者などではないから、それが本当に彼女にとって一番なのかは知らない。
 だが人としては、それが最も正しい選択であることは言える筈だ。
 ……はは、僕らしくも無いな。人の気遣いなんて。
 だが、この状況の中で、人間関係の維持はかなり重要な要素のはずだ。
 だからやっていて損は無い。それに犠牲を増やしたくないというのは紛れも無い本心だ。
「そうですね……」

A 考えておきましょうか
B ここから生き残れたら是非やりましょう
C 前向きに検討しておきますよ


14:名無しさんだよもん
07/12/29 14:47:27 JLZp15b0O
A

15:名無しさんだよもん
07/12/29 15:49:30 uHMzNmmB0
「考えておきましょうか」
「良い返事を期待してますよ?」
 僕は無難にそう答えたが、正直あまり乗り気じゃない。
 なにせ、僕の学校は今いろいろ問題を抱えているからね。
 とても他校との交流会をやってる余裕は無い。
 冬休みが開けたら舞踏会もあるし、卒業式やなんやらで生徒会は無茶苦茶忙しい。
 加えて不良生徒の問題もあるからな。
 川澄さんめ、学校のガラスを何だと思ってるんだ。
 そういえば冬休み明けに転校生が一人来るらしい。その転校生が問題児でないことを切に願おう。

 それから暫く雑談に興じて、この日はお開きとなった。
 従業員の彼女はこの部屋で一夜を明かすそうだ。
 すっかり目撃者の女性と仲良くなったらしい。
 確かに一人でいるのは不安がある。それは悪い判断じゃないだろう。
 僕は僕で、眠たくなってきた頃にお暇することにした。
 僕も誰かと一緒にいた方が安全だとは思ったが、
 流石に女性の部屋に泊まるのは抵抗がありすぎる。
 とりあえず運良く彼女の部屋と僕の部屋は近かったので、
 一人で戻ってもどうにか死亡フラグで殺されずには済んだ。
 こんな僅かな時間一人になっていただけで殺されたら、僕としてはたまったものじゃないが。
 さて、明日にはいろいろやることがあるぞ。
 電気工の人に電話について聞きたいし、医者に検死結果も確認したい。
 更にまだ他の従業員や客に聞き込みは終わっていないのだ。
 明日はどれから片付けるか……僕はそんなことを考えながら眠りにつくことにした。



16:名無しさんだよもん
07/12/29 15:50:30 uHMzNmmB0
「……さん、久瀬さん!!」
「ん……?」
 誰かに呼ばれて、僕は目を覚ました。
 ベッドから起き上がると、カーテンから朝日が差し込んでいる。
 どうやらもう朝だ、少し寝過ごしてしまったらしい。
 眼鏡を掛け、僕を呼ぶ声の主が誰か確かめると、
 それは昨日僕が一緒に行動してもらった従業員の女性だった。
「どうしました? まだ、朝食には早い時間帯だと思うのですが」
「それどころじゃないんです! とにかくこっちへ!!」
 彼女の様子は変だった。顔色は真っ青で、妙に焦って僕の腕を引っ張る。……なにか、あったのだろうか。
 彼女に引っ張られて、僕はとある客室に足を運んだ。
 何人かが客室の入り口に屯している。……おや、この部屋は確か。
 僕がそう思っていたところ、昨夜話した従業員の男性と目が合った。
「……ああ、君か。大変なことになっちまったよ……」
 昨夜の能天気ともとれる明るさがどこにもなくなってしまっている。
 どうしたことかと思い、僕は部屋の中を覗きこんだ。
 すると……僕の目に信じられないものが飛び込んできた。
 ベッドで倒れているらしい電気工の男と、そして何かを調べているらしい白衣を着た女性。
 白衣の女性はおそらく昨日従業員の彼が話してくれた医者なのだろう。女性とは思わなかったが。
 電気工の男の頭部に、殴られたような痕。
 そして、医者の診るのではなく、調べているような挙動。
 ……僕はそれで全てを理解した。
「私が昨日の電話の件についてお話を聞こうと、部屋を訪ねたときにはもう……。
 ……帰ったら結婚するって言っていたのに、どうしてこの人がこんな目に」
 言い難そうに、従業員の彼女が言葉を濁した。
 とうとう出てしまった、二人目の犠牲者が。いや、僕を二人目と数えれば彼は三人目か。
 改めて、自分達が危機の真っ只中にいることを再確認する。今更ながらに、それに恐ろしさを感じてきた。

A 医者の女性に死因を聞く
B 電話がどうなったか調べに行く
C 成り行きに任せる
D まずこの場を離れる

17:名無しさんだよもん
07/12/29 20:53:43 opkN5xL0O
B

18:名無しさんだよもん
08/01/01 02:38:17 U2zSd14s0
変にキャラ伏せるから皆誰として書いていいか自信なくて続き書けないんだね……

19:名無しさんだよもん
08/01/01 02:44:27 mUTnPtLM0
年末年始に書き込みが減るのは当たり前ではないか。

20:名無しさんだよもん
08/01/01 05:04:26 Q/3jfhJP0
でも本当に誰が誰やら分からん。
芳野以外はサッパリだ。

21:名無しさんだよもん
08/01/01 17:40:22 98wLQr8Z0
実験中らしいから黙って分かるまでは様子見ようぜ!

22:名無しさんだよもん
08/01/01 22:02:49 mUTnPtLM0
 ……そうだ、彼が昨夜直していた電話はどうなったのだろうか。
 嫌な予感しか浮かばなかったが、僕はまずそのことが気になった。
 もしも電話が直っていれば、外部との連絡を取ることが出来る。
 そう考えて、僕は弾かれたように部屋を飛び出した。

 やはりというか、なんというか、
 大方の予想通り電話は壊されていた。
 しかも今度はグシャグシャに壊されている。これでは修理の仕様がないだろう。
 ……まあ、あの電気工の男性以外に、電話を修理できるような人間がいるとは思えないが。
「この電話は今朝にはもうこうなってたらしい。……犯人の奴め、今度は念入りに壊しやがって」
 僕を追ってきたらしい、従業員の男性が忌々しげに、吐き捨てるようにそう言った。
 くそっ、こんなことなら、昨日彼と一緒にいれば……彼は無駄に命を落とさずに済んだかもしれないのに。
 僕は自分の迂闊さを呪う。……どうする、一度死んでやり直すか?
 いやいや待て待て。僕はふと頭によぎった恐ろしい考えを振り払う。
 もしも今がラストチャンスなのだとしたらどうする? そんな恐ろしい手段実行できるはずがない。
 僕は黙って電気工の彼のことを考えた。
 昨日微笑みながら、嬉しそうに結婚相手の話をしていたことが思い出される。
 さぞや無念だったろう。……きっとあなたを殺した相手は僕が突き止めますよ。



23:名無しさんだよもん
08/01/01 22:03:17 mUTnPtLM0
「彼の頭部に殴られたような痕があったが、直接の死因はこれじゃない。
 おそらくそれは倒れた拍子に出来たものだと私は推測する。
 致命傷となっているのは左胸を刺し貫いた傷だ。それによる失血死で亡くなったものだと思う。
 それに体のあちこちに弄られたような切り傷があった。犯人は彼にそれほど恨みでもあったのか、それとも……」
 朝食が出来るまでロビーで、医者が検死結果を僕らに説明する。
 医者の説明は実に分かりやすかった。医学知識のない僕らのためにと、専門用語は避けて説明してくれている。
 それに推測もなかなか参考になる。上着の下に通天閣と書かれた怪しげなTシャツを着ていて、
 外見は怪しい女以外の何者でもないが、内面はマトモな医者のようだ。
 医者は最後に言葉を濁していたが、言いたいことは何となく分かる。
 やはりこの事件の犯人は殺人自体が目的なのだ。
 被害者の共通点の無さから言っても、もはやこれは疑いようが無いだろう。
 そして……このロッジの宿泊客・従業員の中に犯人が潜んでいることも。
 オーナーについては自殺に見えたこともあり、昨夜の時点では皆どこか余裕があった。
 だが、今度の電気工殺しについては、明らかに他殺。つまりは、この中に殺人者がいるかもしれないのだ。
 表面上はさして問題は起こっていないようだが、皆の中に懐疑と恐怖が着々と根付いていっている。
 ……そして、それは僕も例外じゃない。
 この場にいるのは、何年来からの友人ではない。昨日今日あった者ばかりだ。
 どんな人間かも分からないし、迂闊に信用は出来ない。
 もしも犯人と二人きりになどなってしまったら、間違いなく殺されてしまうだろう。
 くっ……頭がどうかなってしまいそうだ。疑い出したらきりが無い。
 

24:名無しさんだよもん
08/01/01 22:03:41 mUTnPtLM0
 もう一度落ち着いて考えてみよう。
 まず宿泊客は僕を含めて四人だ。僕、生徒会役員の彼女、医者、そして……電気工の男。
 従業員も四人いた。オーナー、昨日話を聞いた女性、少し軽い雰囲気の男性。それから、話を聞きそびれた男性。
 きのう話を聞けなかった従業員の男性は僕の前の席に座っている。ちなみに他の二人の従業員は朝食の準備中だ。
 年は僕と同じくらいだろう。その割りに、ポケットから取り出したタバコで一服しているが。
 生徒会長としては見過ごせる行為じゃないが、
 彼は僕の学校の生徒ではないし、ここは学校じゃないので黙認することにする。
 彼はかなり落ち着いている。生徒会役員の子は泣き出しそうな顔で俯いていて、
 医者ですら落ち着かないようにロビーを行ったりきたりしているというのに、彼に動じている雰囲気は無い。
 気だるげにタバコを咥え、吹雪いている窓の外を眺めたままだ。
「皆さん、とりあえず朝食にしましょう。準備できましたから」
「後のことは食べながらでも考えようぜ」
 と、そこへ朝食の準備に行っていた従業員の二人が戻ってきた。
 僕はここでも違和感を覚える。
 この従業員達の落ち着きようはなんだ?
 人が殺され、次が自分かもしれないと言うのに、何故こうも落ち着いていられる?
 彼女については一応理由が無いわけじゃない。だが他の二人はどうしてだ?
 どうしてこの状況で余裕のあるような、明るい態度を崩さずにいられる?
 何故こうも大したことが起こっていないかのような、そんな態度でいられる?
 従業員達の怪しさに、僕は思わず身構えてしまう。
「はい、久瀬さんの分ですよ。しっかり食べて、しっかり考えてくださいね」
 彼女が自然に僕の前に朝食を出す。
 この自然な態度は演技なのか、それとも……。

A とにかく朝食を取る。後のことはそれから考えよう
B 従業員……明るい態度を崩さない彼に話を聞く
C 先ほどから気だるげな態度の従業員を問い詰める
D この中に殺人犯がいるかもしれない。一緒に食事をとるのは危険だ

25:名無しさんだよもん
08/01/01 22:38:57 jjoadKgn0


26:名無しさんだよもん
08/01/05 01:23:58 ae3pupoL0
76 名前:名前を選択してください:2008/01/04(金) 21:22:48 ID:s8YKlKKM0
自分が書くSSなら、そういったお遊びもいいだろうけどさ。
選択形式は他の人が選び手になることを前提としている以上
必要以上に無駄に情報をクローズドにするのは
百害あって一利なしだと思うがどうだろうか。




だから続きが書かれないでFA
せいぜいお遊び大好きな今の書き手はシコシコひとりで頑張ってチョ
自分から他の人が書く道を絶ったんだから今更キャラ名書いたり
吐いた唾飲まないように

27:名無しさんだよもん
08/01/07 21:56:06 N4XVtwKA0
この程度でやる気無くすんなら妙な試み混ぜなきゃいいのに


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