07/08/20 00:28:31 qWxYDTMZ0
【告知】
第六十五回投稿テーマ:『昼寝』
投稿期間: 8 月 20 日の午前 0:00 から 9 月 3 日の午前 0:00 まで。
テーマを見て、思いついたネタがあればどんどん投稿してみましょう。
面白い作品だったら、感想がたくさんついてきて(・∀・)イイ!!
もちろん、その逆もあるだろうけど……(;´Д`)
※投稿される方は >>4-6 にある投稿ルール、FAQ をよく読んでください。
※特に重要なのが
・テーマに沿った SS を*匿名*で投稿する
・投稿期間中は作品に対して一切感想をつけない
の二点です。他の各種 SS スレとは異なりますのでご注意を。
それでは、投稿開始っ!
32: ◆jDSrDt4dys
07/08/20 00:46:04 qWxYDTMZ0
次回のテーマは一票同士で並んだので、最初に推薦頂いていた
『秘密』にしたいと思います。
開催時期は 9 月中旬を予定していますので、「二週間じゃ書けない」
「昼寝でネタが思いつかない」という方は、こちらのテーマで
ネタを考えてみてください。
あと今後は基本的に総括期間以外は告知しないようにしますが、
進行役も随時募集していますので、変わってやろうという方が
いましたら書き込みの程、宜しくお願いします。
33:名無しさんだよもん
07/08/20 08:32:56 71qfs4I50
ちょうど前スレが過去ログ送りになってた。
34:名無しさんだよもん
07/08/24 12:24:57 6ugtm5p20
ところで、誰かスレ16、17って保管してる?(前、前々スレ)
コンペスレ保管所もしばらく機能して無いみたいだし。
どっかにwikiベースでうpできるほうがいいのかなあ。
35:名無しさんだよもん
07/08/24 18:12:06 x2nW/SFX0
17はhtmlで持ってるよ。
16はテキスト形式でしか持ってない。
うpが必要なら素人の俺にも扱いやすいうpろだを指定してください。
36:名無しさんだよもん
07/08/25 18:41:31 Y28sfmsf0
うpロダかぁ・・・
流れにくい所でどこかあったかな?
37:名無しさんだよもん
07/08/26 00:01:11 rPniAIRh0
16持ってないから17だけ上げてみた
URLリンク(www11.axfc.net)
ここのHe_28997.lzh
keyはkonpe
38:名無しさんだよもん
07/08/26 01:10:34 D8GCdAlP0
16datでよければドゾー
|д゜)ノ URLリンク(monoganac2.sakura.ne.jp)
39:名無しさんだよもん
07/08/26 01:35:14 FSCJMzd90
俺は>>34じゃないけどサンクス。
利用させて頂きます。
40:午睡の窓に、夏の歌(1/9)
07/08/26 09:55:45 f/b0q6+s0
人は寝ている時ほど無防備な状態はない……いや、もっと無防備になっていることも多
々あるかも知れないが、少なくとも今の俺にとっては、それで十分だった。
穏やかな寝息と、かすかに上下する胸。
閉じられた瞼と、わずかに開かれた唇。
閑静な住宅街に射す午後の日射しも心なしか柔らかい気がするし、窓越しの蝉の声もお
となしい。
普段がやかましいヤツだけに、こうした静かなひとときと言うのは、このまま絵か写真
にして収めておきたいくらいのシーンだとさえ思う。
細かい経緯はこの際伏せておくが、なし崩しに真琴の昼寝に付き合わされる形になった
俺としては、意外にも悪くない午後の過ごし方だ。
ある一点を除いて、だが。
暑いのだ。
や、それはもう洒落にならないくらいに。
確かに冷房は効いている。が、「冷えすぎて風邪ひかないようにね」と、秋子さんが気
を利かせて冷房設定を弱めにしてくれたおかげで、すでに気持ちよく寝ている真琴はとも
かく、別に眠くも何ともない俺はひたすら弱冷房の部屋の窓際で背中に夏の日射しを受け
てるわけだ。
さっきは「心なしか柔らかい気がする」と言ってたのは誰だって? そうでも思わなきゃ、
こんなのやってられねえ。
日射しを避ければいいじゃないかって? それが出来ればそうしてる。出来ない理由が
あるから、こうなってるんだ。
41:午睡の窓に、夏の歌(2/9)
07/08/26 09:56:40 f/b0q6+s0
そもそも、真琴が何故昼寝をしてるのかと言うと、ここ最近真琴が夜に寝られなくなっ
たのが一番の原因だ。それには俺も大いに関係してるのが、今の状態に至る理由でもある
んだが。自分が蒔いた種とは言いながら、今回は秋子さんが珍しく怒ってたから、俺とし
てはここで真琴を放って逃げるわけにもいかないのだ。あ、怒ると言っても、秋子さんの
はそこらのオバサンと違って怒鳴り散らすとかヒステリックにわめくと言うものじゃない。
ただ、本当に諭すように親身になって叱られる感覚で、それだけに何故か堪える……。ま
あ、俺が悪いんだよ、確かにな。
「ん…」
不意に真琴が小さく声を上げて、体を動かした。しかし、ちょっと頭の向きを変えただ
けで、体勢にさほどの変化はない。
やれやれ……。
コイツはこれで暑くないんだろうか。まあ、俺と違って日射しを受けてるわけでもない
し、それだけ眠たかったって事なんだろうけどな。
まったく、相変わらずガキだな、コイツは。
「んー…」
おおっと。
何で微妙に反応するんだ、コイツは。別に俺はお前の悪口言ってるわけじゃないんだか
ら、いちいち反応するなっての。
それにしても、だ。
本当にこうして眠っている姿は可愛いのに、起きてる間は憎まれ口ばっかり叩きやがる
んだから困ったもんだな。……や、ほら、可愛いってのは、あれだ。イタズラ小僧でも寝
顔は天使だって言うようなのと同じだけどな。
42:午睡の窓に、夏の歌(3/9)
07/08/26 09:57:30 f/b0q6+s0
ま、しばらく付き合ってやるか……と、あまりにヒマなので真琴の結んだ髪でもイタズ
ラしてやろうと手を伸ばした時。
いきなり、俺の体がズルリと横に動いた。や、俺は動かしていない。あくまでも真琴の
頭の少し下の方に手を伸ばしただけだ。
不意にそれまで部屋にあったのとは違う明らかな熱風が俺の顔に当たる。そうか、俺が
動いたのではなくて、俺の背中を支えていた窓が動いていたわけだ。
真琴が起き出す気配はないものの、いきなり外からの熱風が入り込んでしまってはよく
ないだろう。それ以前にまず俺が暑くてかなわない。
と、背中を押し当てながら、動いた方とは逆に体を引き起こすようにした直後、わずか
な隙間を縫って、外から何かが部屋に入ってきた。
「うわっ!」
思わず俺も声を上げてしまったが、そんな俺よりもはるかに大きい声の持ち主は侵入と
同時にその存在を知らしめてくれる。
『ジジジジジジジジッ』
蝉だ、蝉だ! 窓越しでは結構おとなしい感じがしたのに、さすがにすぐ近くで鳴かれ
るとたまったもんじゃない。
とにかく追い出さないと真琴が起きるのも時間の問題だ。だが、今の俺の体勢では蝉を
追い出すために動くことが出来ない。何故なら、真琴の頭が俺の片膝に乗っているからだ。
さらに、俺の片方の手は真琴に握られている。
『ジジジジジジジ』
む……。蝉のヤツは適当な柱に止まったとたんに本格的に鳴き出す体勢に入ったようだ。
蝉が鳴き出せば真琴は起きる。蝉をどうにかするには、俺は真琴を降ろして、しっかり
と握られている手を解かなくてはいけない。
43:午睡の窓に、夏の歌(4/9)
07/08/26 09:58:27 f/b0q6+s0
どうする、祐一よ。悩んでいる時間はあまりない。や、真面目に悩んでいるよりは、静
かに真琴を降ろすのが先決だよな、と方針を決めたのと同時に。
『ジーージーージーージジジジジジジジ…』
蝉のヤツが本気を出しやがった。
「っ! な、なにっ?」
さすがにその声の大きさに真琴はすぐに目を開けて、頭を上げた……って、待て待て、
人の手を握ったまま無理に動こうと……。
「イテテッ」
「え? 何なのよっ!」
「手を離せって」
「え? 手?」
蝉の鳴き声と、俺の叫び(と言うほど大げさではないつもりなんだが)が重なる中、寝
起き状態にある真琴は一層頭に疑問符を飾り立てている様子だ。
「えーっ、何で蝉がここにいるのよっ! それに何で祐一が」
軽いパニック状態とでも言うのか、これは。まあ、気持ちよく寝てたところにいきなり
蝉の鳴き声を間近で聞くことになって、それで起こされたら今度は俺が「痛い痛い」って
騒いだりして(て、別に大騒ぎしたつもりはないんだが)状況がまったく理解出来ないっ
てのはしょうがないだろう。
「あー、いちいち大声でわめくなって」
俺は相変わらず落ち着きのない真琴に向かって言った。だが、それは蝉と真琴のわめき
声に負けじと、知らないうちに大きめの声になったらしい。
「あぅ」
俺に怒鳴られているかのように真琴が一瞬だけ体をすくませた。そんなつもりは微塵も
ないんだが、こうなっては何が原因で何が結果だとか言ってる場合でもない。
44:午睡の窓に、夏の歌(5/9)
07/08/26 09:59:42 f/b0q6+s0
「別に怒ってるわけじゃないから、落ち着けって」
まあ、よく分からなくて騒いでるヤツに落ち着けって言ってもほとんど意味はないだろ
うな。現に真琴は落ち着く気配なんてこれっぽっちもない。
「うー、蝉がうるさいー」
小さい子供が昼寝を邪魔されてむずがるのと同じ……と言うか、実際そのまんまだな。
やれやれ。
こうなったら、俺に出来ることはあまりない。真琴が暴れるのを抑えることに専念して、
せいぜい余計な怪我をしないようにするくらいだ。
と、そこでドアを開けて救いの手が差し伸べられた。
「どうしたの? いきなり大騒ぎになってるみたいだけど」
秋子さんだ。これだけ大騒ぎになって、様子を見に来たのは間違いないのだが、その割
には表情にはさほど緊張と言うものがない。や、むしろ、笑っているくらいだ。
「秋子さん、蝉です、蝉!」
「あら、窓を開けたんですか。冷房弱めにしたのに、祐一さんには冷えすぎたのかしら」
極めて簡潔に状況説明をしたつもりだったが、それだけでは足りなかったらしい。
「そうじゃなくて。窓が開いたのは単なる事故で、蝉が入ってきたのも偶然で、真琴がこ
うなってるのは」
「いきなり起こされて、どうしようもなくなってるわけね」
回転が早いのか遅いのか。秋子さんのペースは相変わらず謎だが、状況の理解はしてく
れたらしい。ともあれ、理解してくれたなら後は簡単だ。
「真琴、大丈夫よ」
秋子さんは優しく諭すように真琴に近づいて、そっと体を寄せていった。
まあ、秋子さんだから、ってのは一番大きいところだとは思うのだが、真琴はそのひと
言だけで急に落ち着きを取り戻していく。
45:名無しさんだよもん
07/08/26 10:05:23 SdcMT9XV0
ここって支援が必要だったりするっけ?
46:午睡の窓に、夏の歌(6/9)
07/08/26 10:07:39 f/b0q6+s0
「あ、秋子さん…蝉……」
なるほど。
真琴自身に「落ち着け」と連呼したところで、何がどうなってるのか分かってないんだ
から、それだけでは効果なんてあるわけないってことか。
「蝉に驚いちゃったのね? 真琴の昼寝が邪魔されちゃったのは残念だけど、蝉は短い夏
を精一杯生きてる証に、精一杯歌うのよ。だから、許してあげてね」
秋子さんに優しく抱きしめられながら、真琴は肯定の反応をしてみせる。
「あぅー……」
あっと言う間に落ち着きを取り戻した真琴は、少しだけ照れくさそうにしながら秋子さ
んの抱擁に身を任せていた。
見事だなと思う。実にいい場面だなとも思う。ただ、こうしてる最中でも蝉のヤツはそ
の鳴き声を止めようとせず、ひたすら蝉の暑苦しい鳴き声が響いてるってことさえなけれ
ば、最高だったろう。
ごめんなさい、秋子さん。どうしても俺はこのやかましい鳴き声を「歌う」なんて優雅
な表現は出来ません。
それからしばらくして。
気を取り直してしっかりと起きた真琴と俺は、蝉を部屋から追い出したのだが、その後
何故か俺に対する糾弾が始まった。
「そもそも、祐一が悪いんだからね」
「蝉のことは偶然だ。それを俺のせいにされても……、ねえ? 秋子さん」
「真琴が言いたいのは、蝉のことじゃないのよね?」
秋子さんにさりげなく同意を求めた俺に対して、秋子さんは真琴の味方に回ったようだ。
くそう。三人と言う構成は結局二対一の構図になってしまうのだが、今は俺が一になって
しまった。
47:午睡の窓に、夏の歌(7/9)
07/08/26 10:08:49 f/b0q6+s0
「うん。真琴が昼寝するようなことになったのは、誰のせいだって言ってるのよっ」
「そりゃお前が夜更かししてるからだろ」
「違う!」
「祐一さん、まだ反省してなかったんですか?」
反論を試みる俺に対して、秋子さんが心なしか冷たい反応を見せてくれる。その言わん
とするところはさすがに理解してるので、俺に反論の余地などない。
「う……そう言う訳ではないんです、はい……」
「じゃ、これからも真琴の昼寝にはちゃんと祐一さんが付き合ってくれるのよね」
「真琴、祐一よりも秋子さんがいい」
「あら…そんなことを言ってていいのかしら? 夜にわたしのところに来て、寝付けない
からと色々な話をしてたこと、言っていいの?」
「あ、あぅーっ! それ絶対ダメーっ」
何も言い返せずにうつむく俺をよそに、真琴と秋子さんは何と言うか、ごく普通の母子
のありがちながら実に平和な会話なんぞを展開してくれている。まあ、真琴が秋子さんに
何を話していたのか興味は尽きないものの、どうせ「秘密よ」と言う返事で終わるだろう。
相変わらず秋子さんの懐の深さに感服するとともに、こうまで仲のいい母子を見ると、
名雪のヤツはどうなるんだろうと、ちょっとばかりどうでもいい感想を抱かずにはいられ
なかった。ま、それもたぶん杞憂だろうけどな。
「はいはい。勿論祐一さんには内緒にしておくわね。と言うわけで、祐一さん、これから
も真琴の昼寝の時は、ちゃんと面倒見てあげてね」
「ええ、それは構わないですが……」
と、そこで俺がばつの悪さを感じて、言葉尻を濁らすと、秋子さんは少しだけ表情を曇
らせた。
48:午睡の窓に、夏の歌(8/9)
07/08/26 10:09:46 f/b0q6+s0
「祐一さん」
「はい?」
「真琴の部屋で大人げないイタズラを仕掛けて、夜に大騒ぎになったこと。責めるつもり
はないですけど、あなたはちゃんと面倒見ないといけないでしょ?」
「あはは」
笑うしかない。責めるつもりはないって言いながら、日頃の秋子さんの言動からすれば、
これは十分な責めであって、それだけ秋子さんが本気で怒ってたってことだ。
「それに、単にそれを償いなさいと言うわけでもないのは、あなたにも分かってるでしょ
うしね」
「う……」
勿論、それも分かっている。だからこそ、俺は真琴の昼寝に付き合ったわけだし。や、
それ以前に真琴が俺の横と言うか、俺の膝枕で寝付いていたことだって、俺には嬉しいこ
となわけだし。
「祐一、何カンチガイしてるのよっ!」
秋子さんと俺の反応を見て、真琴が食って掛かるものの、それも何と言うか織り込み済
みの反応だ。
「ま、それはいいんですが、さしあたっての問題は俺は昼寝とかするような習慣はなくて
一人ぼけーっとしてるのもなぁっと」
「それもそうね」
「本でも読んでればいいんだろうけど」
「それなら」
俺がごく当たり前の方法を挙げると、秋子さんは何やら思いついたように笑顔を見せた。
「何かいい案でもあるんですか?」
49:午睡の窓に、夏の歌(9/9)
07/08/26 10:12:22 f/b0q6+s0
「昼寝じゃなくて、夜も一緒に寝ちゃえばいいのよね」
「あ、秋子さんっ」
「え……」
俺は思わず叫んでいた。その言葉に隠された意味と言うものを一瞬であれこれ考えてし
まったからだが、叫んだ理由はほとんど照れ隠しに近いものだったろう。ちなみに、絶句
して、一瞬硬直したのは真琴だ。
「うふふ、冗談ですよ、冗談」
俺たちの反応を見てから、秋子さんが笑う。しかし、それは真琴の耳には届いていない
らしかった。
「何で真琴が祐一と一緒にーーーーーーーっ!」
さっきの蝉にも負けないくらいの大声で叫ぶと、部屋中を駆け回ると言うまさに全身を
使った表現までしてみせる。分かりやすいヤツだ。
「や、すでに『冗談ですよ』で収まる状態にないんですけど?」
俺と秋子さんの周りをバタバタと走り回ったままの真琴を見ながら苦笑すると、秋子さ
んはこれまた実に穏やかな笑みを浮かべていた。
「あらあら、真琴ったらはしゃいじゃって」
「笑い事ではないと思いますが……」
真琴が本気で嫌がってるのかどうなのかはまあともかくとして、これだけ大騒ぎしてる
のを平然と受け止めてる秋子さんはさすがだ。や、本当にそう思った。
ちなみに、その日の夜、俺は結局……いや、これ以上は言わないでおこう。そうだな、
俺と真琴だけの秘密と言うことで。ただ、翌日の昼寝の時は俺も真琴同様にぐっすりと眠
ることになった、それだけだ。
50:午睡の窓に、夏の歌
07/08/26 10:14:17 f/b0q6+s0
以上、投稿おわり。
>>40-44,46-49 『午睡の窓に、夏の歌』(Kanon・真琴)
5/9で連投規制に引っかかってしまいましたが、支援感謝!
ところで、アンカーってこれでいいんだっけ?
51:名無しさんだよもん
07/08/27 11:00:43 MIpgOaRV0
それでいいんじゃないかな。
一番いいのは>>5にある通り、
・投稿前宣言
・投稿
・投稿終了宣言、〆のアンカー
の順だけどね。
あと最初の投稿前宣言で総レス数がどれぐらいになるかを書きこむのが
締めきり間際だと意外と重要。
(他の人と被った場合、どれぐらい待てばいいのかの目安になる)