06/10/05 22:42:12 0PJwPh0K0
「祐一さんだけにしか、こんな事しませんよ。佐祐理がこんなになったのは、
祐一さんのせいですから。佐祐理が嫌な娘になった責任、取って下さいね」
上目遣いで、その笑顔と台詞は反則だと思う。完全に落ちたよ。
「負けたよ、佐祐理さん。でもせめてさ、プロポーズは俺からさせてくれよ」
就職斡旋の話をおいても、間違いなく俺は落ちていた。その証拠に
「俺が自力で就職決めたらさ、その時は結婚しよう」
「喜んで。頑張って下さいね」
佐祐理さんは意外な程あっさりと、職斡旋の話を無かった事にしていた。
罠に頼らずとも職場に縛らずとも、俺を惚れさせる自信はあったんだろう。
そう考えていた俺の唇に、佐祐理さんの唇が重なった。
「おまじない、です」
何に関するおまじないかは言わなかった。俺も敢えて聞かなかった。
<FIN>