04/08/03 23:04 K4Pq+GaK
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「おいコラ祐樹っ!!」
ごちん、と頭の中に星が飛び散った。
「ん……? あ、川村」
僕は机に突っ伏した姿勢から顔を上げて、ぼんやりと、目の前の親友を見やった。
何か変な夢を見ていたような気がする。全身に汗をかいている。シャツがなんだかべっとりとしていて気持ちが悪い。それと……なんだか胸がドキドキする。まさか……恋?
……………それはないな、絶対。
僕は、目の前で怒鳴っている親友を改めて眺める。多少怒りっぽいところを除けば、イイヤツだ。イイヤツだけど、別に僕にはイイヤツなら性別を超越して惚れるというような性癖はない。
「川村? じゃねぇ。もう放課後だろーが! いつからお前は眠り姫にジョブチェンジしたんだっ!!」
「……うーん。僕は男だから、『姫』にはなれないね」
ごちん!
「屁理屈言うなっ!」
訂正。無茶苦茶怒りっぽい。
「馬鹿言ってないで、帰るぞ」
「はいはいはいはい。川村が怒るからかーえろっと」
そういうわけで、僕は今普通に高校生活を送っているのだった。
まさか、またあの悪夢がよみがえろうとは思いもせずに……。