04/07/20 08:44 JtEO1KVV
Pi、Pi、Pi、Pi―
「う……ん…………」
枕元で鳴り響く耳障りな電子音は、否応なく微睡みにたゆたっていた意識を現世へと引き戻す。
すっぽり潜った布団から伸ばした爪先が、
カツン―
硬いモノに当たり乾いた音を小さく発てる。
爪を伝わって感じる微かな衝撃。そのまま掴み布団の中に引きずり込むと、手探りにスイッチを押さえた。
再び訪れた静寂中、布団越しに感じる朝日に気怠げに重い瞼を上げた。
「ふぁわぁ~」
小さめに上げるあくび。
寝ぼけ眼は目尻に浮かんだ涙で霞み視界は白い。まだ覚醒しきっていないのか、身体は鉛のように重く、感覚が酷く鈍い。
まるで、意識が身体の隅々に染み渡っていない―そんな感じだ。
視界のぼやけを取り除くように手の甲で瞼を擦りながら身を起こ―
!?
見開いた瞳に映る世界に、思考が一瞬停止した。