05/09/11 19:06:05
最終章2
ちひろ「こ、この子には手を出すな!」ちひろは有海の前に立ちはだかるが、相当のダメージが残っており、片ひざをつく。
ちひろの攻撃魔法はゴルゴや望、謙二郎のような飛び道具系ではなく、魔法力を拳や武器に込めて、直接叩き込むタイプ。今のちひろにはアリサに触れることもできない。
それどころか、氷の剣で首を斬り落とされるのがオチだ。有海はもうMPがほとんど残ってはいない。優秀だが、経験値が少ない。有海が主戦力になり得ない理由だ。
誰かの援護が必要だ。ああ、望を殺すんじゃなかった。あんなパンチ一発で死ぬなんて。第一、望はHPとMPのバランスが悪すぎる。
今回のようにMPをたっぷり残して戦闘不能というパターンが多すぎるのだ。実際、回復要員の愛美や樹音が側にいないと最前線で戦えない。
それなのに感謝の言葉を述べることなく、「いや~、やっぱり僕の魔法は天才的なんだよね」と自慢しまくる。だから二人に総スカンをくらうのだ。
有海「ちひろさん、下がってください!」ちひろ「有海、無理をするな!」
アリサ「ちひろの言う通りじゃ。MPが底をつき、ろくな召還獣も呼べまい」
有海「召還魔法、ドーヨ!!」アリサ「召還魔法、ターボクン!!」ドーヨの二人はターボクンにわずか10秒で絞め殺された。
有海「ああ・・・!!」アリサ「オ~ホホホ、だんだん召還獣がショボくなってきよるわ!」
アリサ「お主、新人じゃの?魔法使いの先輩に対して恐れを知らぬ振る舞いじゃ。今後の為にもお仕置きをすることにしよう」
有海「うう・・・」有海はもう戦意を喪失している。猫に睨まれたハムスターのように小刻みに震えている。
ちひろ「やめろ!やるんなら私をやれ!」アリサ「安心せい、この小娘はわらわの愛玩奴隷にすると言ったであろう。ただ、逃げられぬようにアキレス腱を切っておく必要があるがな」
ターボクンはそのまま消滅することなく、有海を小脇に抱えてアリサの元へ連れていく。
有海「放して、放してください!」ちひろ「有海!」アリサは有海の尖った顎に手をかけ自分の目の前に引き寄せた。
アリサ「さあ、お主はどんなかわいい声で鳴くのかのう・・・」
(つづく)