07/06/20 15:24:27 WRK01ZrT0
「柴又って東京でしょ?そう遠くはないわよねぇ?」
「そうね。ここから電車で……1時間ぐらいかしら」
一区切り付いたところで皆が思い思いに口を開く。
そんな中、夢お嬢様がポツリとつぶやいた。
「会いにいったら、やっぱり、マズイのかな」
気持ちは、痛いほどわかる。俺だって会いにいきたい。でも……
「いや、せっかく私たちから離れて自分を見つめなおしているのに
こちらから接触するのはマズイだろう」
「そ、そうだね……」
「では、続きを読むぞー。
『ところで、まえにベニが言っていたとおり
ここ北海道は食べ物がとても美味しいです』……?」
「北海道!?」「柴又じゃないの!?」「消印は葛飾……だな」「だからあれほど地理を……!」
「ウホン!『ここでの修行がおわったら、七浜にもどるつもりです。
帰りの飛行機が決まったら、また手紙を書きます。
それではみなさま、ごきげんよう。
美味しい北海道のお土産待っていてください』……」
「どうやったら東京の柴又を北海道と勘違いできるのよ……」
夢お嬢様が、またポツリとつぶやいた。今度はちょっと嬉しそうに。
「や、やっぱり迎えに行ってあげた方がいいかな?」