07/05/10 02:48:51 2SfeH2z20
「渡良瀬さん、僕、あなたのことが本気で好きなんです! どうか僕と付き合ってください!」
「――はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」
すぐに物陰に引っ込んで、必死で息を整える俺――小日向雄真(こひなた ゆうま)。
「なんだ。今俺はなにを見てしまったんだ?」
気付かれないようにひそめた声で一人ごちる。
見た風景を脳が認識してくれない。てのひらに集めた砂や水のように、どれだけ留めようとしても消えていってしまう。そうか、これが泡沫の夢というやつなのか。
……もう一度、そーっと顔を出してみる。