07/05/02 00:39:14 NsQcgm2N0
ガツッ!
不意に鈍い音が響きわたったと思うと同時に俺の視界はぐらりと揺らぎ、
身体は僅かな間をおいて地面に力無く崩れ落ちた。
頭が、後頭部が、割れるように痛かった…いや、ひょっとしたら本当に割れているのかもしれない。
地面を掴んでいた俺の右手が半ば無意識のうちに頭に伸びると、ぬるりとした嫌な感触がその手を覆った。
血だ。実際に見てるわけではないのだが、俺は直感的にそれが真っ赤な血であることを認識した。
う…う…と声にならない声を挙げながら、俺は何でこんな事になってしまったのだろうと考えた。
ちょっと前まで…そう、ちょっと前まで、俺は魔法の演習が終わったばかりの部室に居たはずだ。
御薙先生が不意の呼び出して部室を出ていって、それでも準が居れば僕が抱いている疑問は解決する
かもしれないからかまわないだろうと思って、二人で…
二人で?
そう、この部室には、俺と…準の二人しかいないはずだ。何で俺は倒れてるんだ?
そして…準は?それだけ思うと俺は準の姿を求めて、地に突っ伏したままだった顔を上げた。
脚があった。黄色いサンダルを履いていた。スカートが目に入った。そして…準は立っていた。
左手に、赤く血の色に染まった鉄パイプを持って。
一瞬の間をおいて、それが静かに、持ち上がっていくのが分かった。
それを目で追っていく内に自然と準の表情が伺えた。朦朧とした意識。
そんな意識の中としては結構はっきりと理解できたほうなんじゃないかなと、頭の片隅で俺は考えていた。
なんでそんな怖い顔してるんだ準?
「フン!」
何かが振り下ろされる音と、何かが砕けて潰れる音が聞こえたような気がしたが、
俺にはもうそれが何なのか理解することは出来なかった。
(バッドエンド12「真犯人2」ラストシーンより)