07/03/15 19:41:24 7QvLsuVj0
なんでだろう。最近やけにアイツを意識するようになった。
ちらっと教科書を盾にして居眠りしてるアイツを見る。
あ。やっぱり御剣達も優しい顔で同じ人物を見つめてるや。
ふー。と何故かため息。意味、はあんまりないけど。
まあ言うなればアイツがモテモテ君なのがちょっと。
「……はぁあ。なーんでこんなに競争率高いかなぁ」
思わず背伸びして天井を見る。と、同時になんで急にアイツを意識するようになったのか考えた。
……うーん。
やっぱり思い当たる節が無い。本当にある日突然好意、というか好きになっちゃったんだよねぇ。
ヒトメボレって言う訳では無いと思うんだけどー……うーん?
授業が終わり、カバンを片手に席を立つ。
「さ、タケル帰ろう」
「武様。帰りましょう」
「武ちゃんかえろ~!」
ヤレヤレ……毎日毎日お暑いことで。
くいっくいっ
……?
「あ、あえ? 社ちゃんどしたの?」
あたしのスカートの裾をくいくい引っ張っているのは転入生の社霞ちゃんだった。
「……晴子さんも、一緒に、帰りましょう……?」
思いもよらぬ人物からの思いもよらぬ提案に驚きながらも、まあ、その、悪い提案じゃなかったし。
白銀一家と一緒に私は帰宅の途についた。
「ふむ。ばるじゃーのんと言うのは中々に興味深い」
寄り道で行ったゲームセンター。そこでやったゲームの話で盛り上がる。
「あー。しかし柏木、お前ホントに初心者なのか? 無茶苦茶手強いかったんだが」
「へ!? あ、うーん。まあ、初心者なんだけど……慣れちゃってるっていうかなんていうか」
「……? なんだか良くわかんないけど、とにかく柏木さん凄いよ!」
そう言いながら目を輝かせる鎧衣兄。
……なんだか良くわからないけど、バルジャーノンっていうゲームをやった事があるような錯覚。
あたし、どうしちゃったんだろう……?