07/04/08 21:51:48 ja0GoRTF0
―矛盾、があった。
俺の垣間見たいくつかの物語は時系列がバラバラでとりとめがなく、
けれど。
それは確かに起きた事実で、
そして「今」という結果を補完するかのように
起こり得ない事象を全て俺の目の前に並べたてる。
それは満漢全席のようでもあり、
―いや。
どちらかといえばそれは日常という料理を補完するために
和洋中全ての食材と技法とが混然と半ば強引に
殆ど無理矢理にひとつの料理に集約した形と言おうか
そう、あのカレーのように―、
「…よりによって、例えで思い浮かぶのがアレとはな…。」
あの日、生と死の境界線を潜り抜けた感覚が胃を襲って
俺は脇腹が軋むような幻覚に身をくねらせた。
「難しい顔をしているな、お主人ちゃん。
考え事か?」
「ふたみ―。」
ひょいと。
横から大きな瞳が覗き込む。
唯井…いや雲戌亥ふたみ。俺の嫁。
この空明市を統べる豪族、雲戌亥総家嫡流。
…女の子つかまえて摘流っておかしいな。