【姉しよ】きゃんでぃそふとSSAAスレ15【つよきす】at EROG
【姉しよ】きゃんでぃそふとSSAAスレ15【つよきす】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:11:16 W2juhzRB0

┏━━━━━━━━━
┃ きゃんでぃそふとSSAAスレの星5つの誓い
┃1つ、スレはむやみに上げない
┃2つ、作者への感謝を忘れずに。読者への感謝を忘れずに。
┃3つ、SS投下とのリアルタイム遭遇では支援を推奨
┃4つ、気にいらなくても荒らさない、荒らされても反応しない
┃5つ、いつも笑顔でいること

┗━━   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   ━
     _ < ここはテンプレの村です      、,
   '´,  `ヽ\_________     '´ '`´ ゙ヾ
   !爪リリ从)ゞ                   { ソ从从シ}
  ノwリ゚ ヮ゚ノル   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    メ(リ;-__-ノリ
   ⊂)个iつ  既にセリフが     \  ノ,'くj `i´lヽ
  .  く/_|j〉  パターン化しちまったな>((  ll_ハ_iJ
      し'ノ    ________/  ゙  i_7、」


3:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:11:55 W2juhzRB0
        _)___
      '´  ヽ_ヽ
      l、lノノ八l )  <柊家の長女、皆のお姉さん
   ´\ リl|.゚ ヮ゚ノ<⌒> 柊雛乃である。
  ( ● ⊂[ .ヽソ/ ]⊃  .疑問にずばり答えてやろう
.   ヽ/ .└|--|┘
.      . ノl__」
Q、職人さんのSS投下最中に張ってある支援とか、④、私怨etcってなんですか?荒らし?
A、うむ。あれは総じてしえんと呼ばれるものである。
世の中には荒らし対策用の連投規制なるものがあってな。時間によるのだが、
だいたい3回くらい連投すると、規制がかかってしまうのじゃ。これにかかると職人さんが、
続きを書き込めなくなってしまうのでな。すれ住人による手助けが必要になってくるわけじゃ。
お主がりあるたいむでSSが投下される瞬間に出会った時には、是非支援をして差し上げるが良い。
Q、スレにあるSS、AAだけじゃもの足りないです。
A、で、あるか。お主も欲張りな奴よのう。そういう奴のために>>1に書いてあるように、
過去すれのSS、AAを集めた保管庫というものがある。
保管庫の中の人に感謝を忘れずに読みふけるが良い。それでも物足りなければ、
いっそ自分で書いてみるのも我的には面白いと思うがのう。
Q、お嬢ちゃん賢いねー。ほら、キャラメルをあげよう。
おぉ・・・これがまた美味でな・・・って違うわ!我をあなどるでないぞ
         __
           | |  ̄ `ヽ
         ||_    ` 、 粛清……淘汰……
        __)_∩ `ヽ    l
      〃 ,^i^ ヾ  l   i
     i ,ノノ八)〉  i   i ガッ
 .    ゙ヾl#"-ノゝ  l .人_∧∩
      /ヽソ _ン. ノ<  >Д´)/
       l_/r==l l ´-‐'∨   /
       く/l_ゝ


4:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:12:31 W2juhzRB0
  【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
 投下の際は2分以上間隔をあけないと連投規制にあって書き込めなくなるので注意。
 名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
 なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
 自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
 恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
 ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。

6.書き手の方々へ。
 心構えとして「叩かれても反応が無くても泣かない」位の気概で。
 何を書こうが作者の自由。どんな反応を返そうが読者の自由。
 的確な感想・アドバイスレスをしてくれた人の意見を取り入れ、更なる作品を目指しましょう。


5:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:28:50 W2juhzRB0
前スレのみなとそふと作品受け入れ議論のまとめ

【受け入れ賛成派】
・同じタカヒロ作品なので、スレタイを変えれば受け入れられる
・どうせ投稿が減っているので受け入れていい

【受け入れ反対派】
・いずれメーカー別に専用スレが立つ

【様子見派】
・とりあえず、専用スレが立つまでは受け入れておくか
・専用スレが立つかどうか様子見をしながら、このスレの終盤で議論しよう

6:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:37:28 wp6WN0qc0


7:名無しさん@初回限定
06/12/14 20:38:46 19C9BYA10
>>1


8:名無しさん@初回限定
06/12/15 01:10:47 g0LkVs4m0
>>1
乙です

9:名無しさん@初回限定
06/12/15 01:30:51 aWg3QrME0
つよきす(きゃんでぃそふと)part221
スレリンク(hgame2板)

10:名無しさん@初回限定
06/12/15 18:13:33 m6/zvAoWO


11:名無しさん@初回限定
06/12/15 20:59:31 BkXrRcie0
>>9
30レスいかないうちに
次スレになるに50ドラクマ

12:名無しさん@初回限定
06/12/16 23:35:38 oJw2M+Bz0
この板では、スレの保守は出だし30レスが何時間以内でつかないと、とかは関係ないのか?

13:名無しさん@初回限定
06/12/17 00:03:21 XI9QcauR0
20分以内にレスがつかなかったらカニは俺の妹でスバルは俺の兄で乙女さんが姉

14:名無しさん@初回限定
06/12/17 00:15:29 xsTS9Uqe0
レオ乙

15:名無しさん@初回限定
06/12/17 00:33:46 SZKHVV+G0
20分以内にレスがつかなかったら、フカヒレは>16のもの

16:名無しさん@初回限定
06/12/17 00:35:37 V7UEHmoO0
ここでそういうことはやめなさい

17:名無しさん@初回限定
06/12/17 22:56:45 jjmtzxQp0
333 :名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 22:53:20 ID:dqVkhRqd0
 断る。姫を諦めきれない
 受け入れる
→断る。誠実たれ

佐藤さんの気持ちは凄く嬉しいが姫の事を諦めきれていないまま付き合うのも気が引ける。
俺は佐藤さんの申し出を断った。

翌日
yp「ねぇエリー、私対馬君にフラれちゃった・・・
   エリーの事諦めきれてないんだって。もっと対馬君を突き放してよ、
   だって振ったんでしょ?良いよね?裏切らないもんね?」

yp(エリーが対馬君をもっと傷つけて、他の親しい子を排除すれば・・・)

yp分がもっと欲しかったせいで夢膨らむ膨らむ、黒yp強いよ強いよ。


18:名無しさん@初回限定
06/12/17 23:51:35 FY72zja00
これ以上レオをドロドロ愛憎劇に巻き込むのはやめてくれ
カニが可哀そうで見てらんねぇよ。

19:名無しさん@初回限定
06/12/18 14:57:41 eGZo2sNhO
つよきすより姉しよの愛憎劇の方がえげつない件について

ヒロインが主人公を殺すエンディングがあるんだぜ

20:名無しさん@初回限定
06/12/18 16:30:28 2w0ZRduF0
酷い事は出来ても、悪い事は出来ないのがypの限界。

21:名無しさん@初回限定
06/12/18 16:39:16 kaTdwxuTO
だれかMighty Heartを耳コピした人いる?

22:名無しさん@初回限定
06/12/18 16:42:40 eGZo2sNhO
>>21
ゲームちゃんと買え
もしくは体験版やるよろし
書いてるから

23:名無しさん@初回限定
06/12/18 16:45:52 kaTdwxuTO
>>22
どゆこと?ゲームなら持ってるが

24:名無しさん@初回限定
06/12/18 17:00:03 kaTdwxuTO
スマンここはPCのほうだった
友人に借りてくる!
ホントスマン

25:名無しさん@初回限定
06/12/18 17:00:45 eGZo2sNhO
ゲーム持ってるのに何故意味が分からない?
君のは箱も説明書もCDもないつよきすなのか?

26:名無しさん@初回限定
06/12/18 17:04:59 kaTdwxuTO
自分のミスなのにごめんなさい
以後注意します
もう一つ質問をおねがいします
どこに載ってるかを教えてもらえませんか?

27:名無しさん@初回限定
06/12/18 17:09:26 xCSZKh1E0
話がかみ合ってない希ガス
耳コピって歌詞じゃなくてメロディだよな?

28:名無しさん@初回限定
06/12/18 17:12:20 kaTdwxuTO
はい。そうです


29:名無しさん@初回限定
06/12/18 20:46:18 MN/h9BGJ0
ようするにこれが欲しいのか
URLリンク(www.geocities.jp)

30:名無しさん@初回限定
06/12/18 23:14:23 OXDpzwImO
つよきすキャラでエースコンバットは面白そうだな

31:名無しさん@初回限定
06/12/19 00:10:04 pTk2mQNIO
>>29
本当にありがとうございます

32:名無しさん@初回限定
06/12/19 00:12:50 pTk2mQNIO
>>31すまんテンションMAXでsage忘れた

33:名無しさん@初回限定
06/12/19 00:42:07 5itCOvhq0
>>30
つよきすキャラでドッグファイトさせるのか?
<<ああっ、フカヒレがやられた!>>
<<落ち着けカニ!お前が指揮を引き継ぐんだ>>

俺はアーマード・コアの方が面白そうな気がするようなしないような…

34:名無しさん@初回限定
06/12/19 00:43:09 5itCOvhq0
スマン!俺もテンションに身を任せてたらageちまった…

35:名無しさん@初回限定
06/12/19 17:21:10 kjuxNlnc0
上げてわざわざ謝る奴、久々に見たな

36:名無しさん@初回限定
06/12/19 18:35:58 o9zCeJf2O
やっぱり乙女さんって某キャラに似てる…………
アニメ見てたら重なって見えて萌えてしまった俺はどうするべき?

37:名無しさん@初回限定
06/12/19 21:03:41 ZBTUNl0F0
素奈緒ルートやったけど素奈緒かっこいいな…
ひょっとしたら心は乙女さんより強いかもしれん。

しかしこんな偉大な人物レオにはもったいねぇ。
ナイトくんは姫とでもよろしくやってればいいよ ( ゚д゚)、ペッ
こんないい女見捨てて逃げといて何が騎士だ。氏ね。

38:名無しさん@初回限定
06/12/19 21:06:17 ZBTUNl0F0
本スレと間違えて盛大に誤爆したw
しかしレオにはマジでガッカリだよ…
良い友達に恵まれてラッキーなだけじゃんこいつ。
あれぐらいの気合なら誰でも持ってるっつーの。

39:名無しさん@初回限定
06/12/19 21:22:46 L7WejxFA0
素奈緒マンセールートみたいで嫌いだけどな。
素奈緒を上げるとどうしてもレオが下がる形になったから本編は没だったんだと思う。
PS2版決定したからしょうがなく出馬させたんだろうな。

40:名無しさん@初回限定
06/12/19 21:48:45 StWUwVle0
素奈緒ってつよきすで唯一「いらない子」だからボツになったんでしょ?

41:名無しさん@初回限定
06/12/19 22:18:50 qRAs1Prx0
>>40
「いらない子」というよりは
「あると邪魔なルート」って感じかな

タイプ的にも乙女さんとかぶる部分があっていらないっていえばいらないんだが

42:名無しさん@初回限定
06/12/19 22:20:31 t+AtrCIG0
そろそろやめよーぜ
本スレじゃないんだし
SSこないかなー

43:名無しさん@初回限定
06/12/19 22:24:22 ReicLFIt0
まぁまぁ二人とも、要らないとか言ったら素奈緒ファンの人が可哀想でしょ

44:名無しさん@初回限定
06/12/19 23:13:47 HbFYLcES0
クリスマスネタ妄想

45:名無しさん@初回限定
06/12/20 00:58:34 qCN7tMh50
>>43
いや全然。

46:名無しさん@初回限定
06/12/20 01:27:07 oc+bKPaM0
んじゃ俺が素奈緒を頂いていくよ

47:名無しさん@初回限定
06/12/20 01:32:42 NQA6piVD0
>>46
どうぞ~

48:名無しさん@初回限定
06/12/20 02:39:08 twyWdZgL0
>>46
おまえには姫をやろう

49:名無しさん@初回限定
06/12/20 03:41:20 t/UbkY8W0
> あれぐらいの気合なら誰でも持ってるっつーの。

そもそも熱血モードとかいうの自体陳腐だよなw

50:名無しさん@初回限定
06/12/20 05:12:24 LAqHEGEt0
ここはいつから雑談スレになったんだ?

51:名無しさん@初回限定
06/12/20 08:19:33 ohFLjqfs0
SSも投下されないことだし、このくらいいいんでない?

52:名無しさん@初回限定
06/12/20 10:28:59 r+4XzzB80
雑談が続いてるだけで、雑談スレにはなってない。スレタイ見ろ

53:名無しさん@初回限定
06/12/20 10:36:27 LAqHEGEt0
>スレタイ見ろ

   俺 の セ リ フ だ



54:名無しさん@初回限定
06/12/20 10:39:19 7VGrWXrh0
SSが投下されないのは保管庫見れば、物凄い量あるのでネタ切れが原因でないかと思ってしまう。
みなとでもいいからSSかもん


55:名無しさん@初回限定
06/12/20 13:06:54 E5NbqH4u0
また議論でもすれば?

56:名無しさん@初回限定
06/12/20 17:19:08 lvTsypRE0
>>50>>53
自分だってここで雑談をしてる一人だってことを自覚しろよ

57:名無しさん@初回限定
06/12/20 17:45:26 gpMCpyNh0
まぁ気長にSS投下待とうぜ。これも雑談になっちまうが

58:名無しさん@初回限定
06/12/20 18:06:26 IjjGCfdb0
じゃーこの際雑談スレでいいじゃない

59:名無しさん@初回限定
06/12/20 23:35:50 P9RNLWB70
じゃあ生産的に、シチュ妄想の雑談しようぜ!

60:名無しさん@初回限定
06/12/21 00:14:05 67cv7OJt0
俺個人としては、カニと子作りできるのはいいんだが
肝心の孕ませる過程がスキップされてるのがどうしても納得いかんのだよ。

61:名無しさん@初回限定
06/12/21 00:17:20 oF22qII20
俺はそこら辺をFDに期待してたよ


エリカBADルートでypとエリカ、どちらかを選べて物凄い修羅場を見れるとか

62:名無しさん@初回限定
06/12/21 00:33:51 RmsCh9BIO
>>61
さぁ、飴に入社するんだ!

63:名無しさん@初回限定
06/12/21 00:57:43 67cv7OJt0
>>62
何年かかるんだw

しかしカニはレオ次第で婚期が凄い変わるなぁ…
カニルートだと絶対本編終了後に音速で妊娠してるw

64:名無しさん@初回限定
06/12/21 02:36:49 Mp0L3I9+O
>>61
PS2版つよきすで追加されてるよ>姫バッドルートで姫とよっぴーを選択
姫がマジ泣きするシーンはオススメ

つよきす2は数十年後の話でレオやカニや乙女さんの孫がヒロインになります
ただし館長は今だ現役という怪

65:名無しさん@初回限定
06/12/21 04:15:38 oTZRPXA0O
>>64
2はあるかね?タカヒロ氏はいないからできても、別物じゃないか・・

66:名無しさん@初回限定
06/12/21 14:45:02 LzH2Ogz6O
レオ入院のSS希望するぜー

67:名無しさん@初回限定
06/12/21 14:46:46 67cv7OJt0
もうシナリオはryoでいいよ
だからこれで終わりなんて言わないでくれ…

68:名無しさん@初回限定
06/12/21 15:03:26 04gg7AiL0
>>63
>音速で妊娠

「……やべ、ゴム切れてる」
「ん……ボク、確か今日安全日?ってやつだから」
「疑問型なのかよ」

数日後

「レオー……あれ、安全日?じゃなくって、危険日?だったかも」
「逆かよ!?」

69:名無しさん@初回限定
06/12/21 15:26:57 67cv7OJt0
すんげぇサラブレッドだよ!

70:名無しさん@初回限定
06/12/21 16:07:27 zX2Beb390
>>66
「レオー、具合はどうだー?」
「おー、毎日悪いなきぬ。もう大分いいぞー」
「ふーん……な、レオ……溜まってない?」
「それはお前のほうじゃないのか」
「だってさー……もう1週間だぜ?」
「まあ、な……で、どうしてくれるんだ?」
「ん……レオは、じっとしてて、いいよ……」

中略

ガチャ
「レオ、見舞いに来て……やってる!?」
「ひぎぃっ!?」「うわ、お、乙女さぐわ!?イデデデデデデデッ!?」
「ア、イタ、イタッ!ぬ、抜いて抜いてレオ!」
「ちょ、締めイデデ、痛ぇっつーの!締めるなきぬ!抜けないっつーの!」
「……何をやっとるんだお前らは……」
「おと、乙女さん呆れてないで医者!医者!」

「 こ こ は 病 院 だ 」


71:名無しさん@初回限定
06/12/21 18:19:32 wbAYKYoz0
ワロスwwwww

72:名無しさん@初回限定
06/12/21 23:07:37 tMepUrGN0
膣痙攣ktkrw

73:名無しさん@初回限定
06/12/22 01:42:49 9mSHYjZO0
「レオ、お前、私に隠し事をしてないか?」

「何言ってんのさ、乙女さん。隠し事なんかしてないよ」

「最近、学校の帰りが遅いし、たまに外泊するじゃないか」

「俺が浮気してるとでも?」

「それだけじゃない。…その…なんだ……私の体を求める回数が減ったじゃないか。
 破廉恥な雑誌やビデオなんかも、この前の掃除で全部捨ててしまったし、
 まるで獣のように旺盛な、お前の性欲はどう発散してるんだ?」

「ああ、それなら大丈夫だよ乙女さん。
 新しい発散相手として、なごみが………あっ、言っちゃった………
 今の発言、なかったことにならないかな。弱ったね」

「なるかっ!!この不埒者が!!!
 ぬああ、あたたたたたた!!あたぁっ!!

「ほげえ!!ひ、ひぃ、たたずげべば!!」

「………浮気者に…墓標はいらん」



74:名無しさん@初回限定
06/12/22 01:58:20 Jp4+hb7JO
お前は犬サポの俺を怒らせた(´・ω・`)

75:名無しさん@初回限定
06/12/22 02:52:32 mck8hhf/0
>>73
ぬるぽ

>>70
実はこの時、すでにきぬのお腹には新しい命が宿って(ry

76:名無しさん@初回限定
06/12/22 16:56:48 5LEwb/la0
犬サポって何?
犬専というか、犬フェチのことか?
何の略や

77:名無しさん@初回限定
06/12/22 18:26:04 tNAs77nq0
犬サポはJリーグジェフユナイテッドの市原サポーターのこと。
チームのマスコットが犬であることから犬サポと呼ばれる。

怒った(?)のは

>………あっ、言っちゃった………
>今の発言、なかったことにならないかな。弱ったね

この台詞が日本代表の監督にオシムを内定していたとき
川渕キャプテンがうっかり漏らしてしまった失言のパロディだから?かな?
(オシムはそのときジェフの監督)

78:名無しさん@初回限定
06/12/22 18:27:19 mck8hhf/0
サッカー?
って書き込もうとしたら先に言われたw

79:名無しさん@初回限定
06/12/22 22:11:14 cUaK0jw/O
>>77
すんげー回りくどいけどたしかにって感じだ
じゃ俺も

「アイデアのないねらーはねらーになることは出来ても職人になることは出来ない」

80:名無しさん@初回限定
06/12/23 00:50:58 AgERI+f90
>>77

81:名無しさん@初回限定
06/12/23 05:23:49 DnM2yga+0
>>77
今年J1に復帰した某Jリーグクラブサポからひとつ訂正だ
今はジェフユナイテッド市原ではなく、ジェフユナイテッド千葉だ

82:ツインを愛して
06/12/23 20:06:37 XLDhJG0L0
近衛の、夢を見ていた。
格好は見慣れた竜鳴館の制服ではなく、中学のときのそれだった。
近衛の顔は険しく、それ以上に悲しかった。
(これは……あのときの)
レオは夢の中にあるにも関わらず、はっきりとそれを夢だと自覚していた。
「どうして、アタシを助けてくれた対馬君がそういう事を言うの?」
近衛は声を震わせて訴えていた。それまで味方だと信じていた俺に、思いも寄らぬことを言われて、
よほどショックだったのだろう。
正しいことでも、貫けないことがある。あのころの俺はそう思って、近衛を止めようとした。
誰も喜ばないことをして近衛が傷つくのを観たくなかったから。
「出張る……って。そもそも誰も矢面に立たないからアタシがここまでやってるのよ!」
でも、あれは本当に近衛のことを気遣っていただけだったのか? レオは夢の中で自問していた。
すでにカニ、スバル、フカヒレという親友はいたが、それ以外のクラスメイトとも仲良くしたかった。
互いに干渉しすぎることもなく、日常という名のぬるま湯に浸かるためには、近衛という存在が邪魔だったのではないか?
ほかの奴が『ウザイ』という理由で近衛の正論に耳を貸さなかったのと同じように、俺もまた近衛のことを……。
「早くアンタの正体が分かっただけでも良かった。危うく騙される所だったわ!」
違う、それは誤解だ。なんでもかんでも正論を通そうとするのが無理なんだよ。もっと上手く立ち回れよ。
ついていけねえ。当時の俺はそう思って、近衛に背を向けた。叫び続ける近衛を、ボーダーラインの
向こう側に独り置き去りにしたんだ。
中坊の俺はそれこそ本気の殴り合いをした後のような形相で、近衛から離れていった。
……おい、本当にそれでいいのかよ。
レオはかつての自分に問いかけた。
……振り返ってみろよ。近衛のやつ、今にも泣きそうな顔してるじゃねえか。
するとレオは、ゆっくりと俺のほうに振り返って、こう言いやがった。
「泣かせとけばいいのさ。いつか自分の間違いに気づいて、むこうから謝ってくる」
気づけば、俺はそいつの顔面にキツイ一撃を見舞っていた。

83:ツインを愛して
06/12/23 20:11:30 XLDhJG0L0
「……しま。ねえ、対馬ったら」
「ん…大丈夫。もう起きた」
悲しい夢が終わり、甘やかな現実が目を覚ます。
自分の部屋のベッドにすっくと上体を起き上がらす。横ではちょっとびっくりしたような顔の近衛がいた。
「な、なによ。うなされてたみたいだから心配してたのに、やたら引き締まった顔つきで」
近衛はレオと同じく一糸まとわぬ格好だったが、やはり少々気恥ずかしいのか、腕を組むようにして可憐な乳房を隠している。
「夢、見てた」
「夢? なんの?」
「中学のときの。データタイトルには『史上最大の喧嘩』となっていた」
「タイトルってなによそれ……ああ、あのときの喧嘩ね」
近衛は「な~に言ってんだか」と、やさしい苦笑を浮かべながらレオにしなだれかかった。
真剣な顔をしているレオと違って、こちらはいたって楽しげである。
「ごめんな…本当にすまんかった」
「もう、やめてよ。……アタシ、あれはあれで良い鍛錬になったと思ってるから」
「鍛錬?」
「そりゃ心の中でヒーローだった男の子に裏切られたと思ったんだもん。
これからは全部独りでがんばんなきゃって。心に誓ったのよ」
困ったように笑いながら、目だけを悲しげに伏せた近衛を見て、レオは顔面にキツイの一発では足りなかったことを悟った。
「ん? 難しい顔でなに考えてるの」
「……いや、バッティングセンターでひたすらデッドボールを受けまくったあと松笠公園の噴水にダイブしてこようかなと思って」
「なっ! そんな恥ずかしいことしてみなさい! 二度と口きかないんだから!」
指でビシィとポーズを決めながら言う。
「そっか…なら別の方法で償わせてもらうしかないな」
「へえ、どんな?」
近衛はいたずらっぽく目を輝かせた。
「近衛のことをずっと守り続ける」
「これはまた大きくでたわね」
「かつてちっぽけと言われたレオ君も今ではこんな大きくなりましたから」
近衛の指をそっと自分の一物に導いた。


84:ツインを愛して
06/12/23 20:22:56 XLDhJG0L0
「そ、そんなところばっかり成長させてどうすんの!?」
「こうすんの」
レオは近衛の華奢な体を抱きしめ、そっとベッドに押し倒した。すでにいきり立っていた男の象徴を、
近衛の柔らかな太ももにこすりつけた。途端に近衛の頬が赤くなり、瞳が潤んでいく。
「……なにが守るよ。アンタが一番危険じゃない」
「乙女さんが拳法部の合宿から戻るまで、ずっと愛し合いたい。だめかな?」
「そ、そんな風にいうなんて卑怯よ…あぅ」
つき合い始めたころより幾分大きくなったような乳房を優しく揉み包むと、近衛は言葉が続かなくなった。
それでもレオの愛撫に負けてなるかと、男のたくましい首に抱きつき、耳元でそっとつぶやいた。
「……もう夢なんて見る余裕もなくなるくらい、愛してもらうんだからね」
レオはその言葉に、ありったけのキスで返した。



そのころ一階では
「うぅ、またギシギシ鳴り始めたか……」
自分の部屋で独り寂しく、乙女はひざを抱えていた。
「私としては予定より早く帰ってレオを喜ばせるつもりだったのだが…これも小姑の悲哀というやつか」
乙女はがっくりとうなだれ、愛の巣となった二階が静まるのを待った。




85:豆鉄砲
06/12/23 20:30:54 XLDhJG0L0
ツインを愛して>>82-84
近衛がなかなかツボにはまるキャラだったので書いてみました。
これからもこのスレが長く続くよう願っています。

86:名無しさん@初回限定
06/12/23 20:33:55 aGZXfPqE0
なんつーか、ときめいた
>>83のラストあたりで大笑いして家族に不審に思われましたw

とっても乙です

87:名無しさん@初回限定
06/12/23 20:41:25 rmJlSyxB0
>>85
乙です
アナザー姫での乙女さんの名言
「私はこんな役ばっかりだな」

88:37
06/12/23 20:47:57 kUZCbC+D0
>>85
心からGJ!
怒りのあまりここに誤爆(>>37)するほど厨レオにキレてた俺だけど
このレオなら応援できるぜ。 一生かけて償うがいいさ!(*´ω`)

89:名無しさん@初回限定
06/12/23 21:18:08 AuNbVuoaO
やっぱ素奈緒いいわ~
保管庫見ててもまだ少ないし、もっと素奈緒書いてくれる職人さん増えないかなー

90:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:05:01 YRaOGaye0
長めの投下します

91:願いを込めて・1
06/12/23 23:07:21 YRaOGaye0
「それじゃ、後はお願いします」「悪いね、姫、乙女さん」

一通り仕事を片づけた後
俺と良美はまだオフィスに残っている姫と乙女さんに軽く頭を下げた。

「あ~あ、よっぴーも年貢の納め時かぁ~」

姫がデスクにだー、と突っ伏して
わざとらしくハァ~、とため息をつく。
ていうか、それって男の方が言われるもんじゃないんか?

「そう言うな、姫。足かけ10年も交際を続けたのだ。
 レオだってそろそろ『ケジメ』というものをつけなければな」

乙女さんが重そうなファイルをいくつも重ねて持ち上げると
手際よくキャビネットに収納していく。
秘書兼ボディガードとしてキリヤにスカウトされたばかりの頃の乙女さんは
正直見ていて不安になることもあったが
今はすっかりオフィスワークにも慣れてきていた。

「ま、特に重要なプロジェクトもないから
 休暇ぐらいはいいんだけど……それにしても急な話よねー」

すでにキリヤカンパニーの全てを手中にし
後は世界のトップを目指すだけという段になって
このところ姫は少し慎重だ。小さな失敗も許されないレベルになったということか。
まあ、おかげで少し仕事に余裕ができて休暇も取りやすくなったわけで。

「いや、前々から考えてはいたんだよ。
 ただなんて言うか……踏ん切りがつかなくてさ」

踏ん切りがつかなかったのは、俺ではなく良美のほうだけどね。

92:願いを込めて・2
06/12/23 23:11:36 YRaOGaye0
ガタタン……ガタタン……

車内には他にあまり乗客もいない。
ゆっくりした列車のリズムだけが響く。
ボックスシートの隣に座った良美は
ずっと窓の外の風景を眺めていた。
ときおり、目線を通り過ぎたものに送っているのは
何か見覚えのあるものを見つけたのだろうか。

不意に良美が振り向き、ぽつりと告げる。

「もうじき、だよ」

「そうだな。駅から何分ぐらいだっけ?」

「歩いて30分ぐらい、かな。バスの時間があえばいいんだけど」

「なに、それぐらいなら歩くさ。
 良美だっていろいろ見て回りたいところあるんじゃないの?」

「……そんなところ、ないよ」

10年以上帰っていない、良美の実家へ
今、二人で彼女の両親に会いに向かう。

結婚の許しを得るために。

黙って結婚してしまうことだってできる。
それでも、やはり知らせるだけは知らせておくべきだと思ったし
できることなら、祝福してやってほしかった。
渋る良美を何とか説得し、休暇を取り、実家に電話をさせて
今……駅についた。

93:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:13:14 EGn69Ry20
しえん

94:願いを込めて・3
06/12/23 23:15:49 YRaOGaye0
駅を出て、途中すれ違う人たちが
皆一様に目を見張り、そして良美に会釈をする。
そして一様に俺に目をくれて
『何かしらこの馬の骨は』みたいなオーラを出している。気がする。

「良美ってこの辺じゃすごいお嬢様?」

「そんなことないよぅ」

「……ずっとこっち側が塀になってるけど、公園か何か?」

「あ、ううん、もう塀の向こう側がウチ」

「……そうですか」

こともなげに良美が答える。
お屋敷じゃん。お嬢様じゃん。
5分ほど、佐藤邸の塀ぎわを歩く。まだ門は見えない。

「ずいぶん広いお屋敷なんだね」

「そんなことないよぅ」

「いや広いって!竜鳴のグラウンドより広いぞこれ」

「……広くても、中は空っぽだよ」

そんなはずないだろ、これだけのお屋敷だったら
さぞかし色んなものが詰まって、と言いかけて見返した良美の顔は
まるで能面のように表情がなくなっていた。
空っぽなのだ、この家は。少なくとも良美にとっては。
俺たちはその後は黙って門まで歩いていった。

95:願いを込めて・4
06/12/23 23:19:55 YRaOGaye0
馬鹿でかい門をくぐり長い小道を歩いてようやっとたどりついた玄関では
しわくちゃのお婆さんが俺たちを出迎えてくれた。

「お帰りなさいませ、お嬢様。
 旦那様は書斎でお待ちでいらっしゃいます」

「わかりました」

出迎え、といってもなんか事務的だった。
婆やさんがチラ、と俺を見る。

「……対馬様、でいらっしゃいますね?」

「え?……ああ、はい、対馬レオ、です……ども、えと……」

「対馬様はこちらへ。お荷物は下男がお持ちいたします」

いつの間にか近づいていた男性に
良美はそれが当然であるように荷物を預ける。

「ああ、その、俺の荷物はいいです。自分で持ちますから」

「左様でございますか。では、こちらへどうぞ」

こちらへ、って……俺も良美のお父さんに挨拶するつもりだったんだが
なんか予想してた手順と違ってきた。
とまどう俺に、良美が

「……お父様にご挨拶をすませたら、部屋に行くから」

と、この場は指示に従うようなことを言う。
逆らっても仕方がない。成り行きに任せることにした。

96:願いを込めて・5
06/12/23 23:24:08 YRaOGaye0
静かな部屋の中で待つことしばし。
やがてノックされるドア。

『レオくん、良美です』

飛びつくようにして開けたドアの向こうで
良美は静かに笑いを浮かべていた。
人形のように。

「ど……どうだった?」

「お父様に紹介するから、ついてきて」

「あ……はい」

部屋を出て、先を歩く良美の後をついて長い廊下を進む。
その間、良美は一言もしゃべらない。
この家に戻ってきてからの良美は
まるで……人形だった。
実家に戻ったことで条件反射のように
良美は自ら作り上げた仮面をかぶる。
そうしなければ、この家では壊れてしまうから。

両開きの、重そうな木製のドアの前で良美が立ち止まる。

「お父様、対馬さんをお連れいたしました」

『入りなさい』

ガチャリと音を立ててドアが開く。
広い書斎の奥
開け放たれた窓のそばに、その人はいた。

97:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:25:00 vjlHvYuf0
 

98:願いを込めて・6
06/12/23 23:28:14 YRaOGaye0
もっと尊大な人物を想像していた。
もっと横柄で、強引そうな人物だと思っていた。

だが、窓辺にたたずんで俺を待っていたのは
ただのくたびれたオッサンだった。
そう、この人は……疲れている……

「どうぞ、おかけなさい」

「あ、はい」

いかにも高価そうなソファに浅く座り
俺は良美の父親に頭を下げる。

「初めまして、対馬レオと申します。
 お嬢さんの良美さんとは竜鳴館の同級生で
 現在は同じ職場の……」

カチンコチンになりながら始めた自己紹介が
柔らかな声に遮られる。

「あー、対馬くん。そう畏まらなくてもいい。
 君のことは……まあ、だいたいわかっとるつもりだ」

はて?
良美が俺のことをそう詳しく伝えていたとも思えないが。

「いや、失礼だとは思ったが……
 娘の交際相手ということで、人を使って君のことを調べさせた。
 これも娘を思う親心ということで、勘弁してくれたまえ」

隣に座った良美の肩が、ピクン、と震えた。

99:願いを込めて・7
06/12/23 23:32:18 YRaOGaye0
俺はといえば、調べられていたことには
さして驚きもしなかったし腹も立たなかった。
まあ、ありそうな話だよな。

「なかなか、将来有望ですな。
 何より……良美を、大事にしてくれている。感謝しています。
 これからも、娘のことをよろしくお願いします」

「は……はいっ!ありがとうございます!」

……やった。
拍子抜けするほどあっけなく
あちらの方から良美との交際を認めてくれた。
喜びで、顔面が紅潮するのがわかる。

「ありがとうございます、お父様」

そして良美も微笑みながら頭を垂れる。
仮面のような笑みで。

「対馬くんのご両親は、まだ海外かな?
 一度、ご挨拶させていただきたいものだが」

そこまで調べられてたか。いいけど。

「あー、いやスイマセン。
 なかなか帰国の都合がつかないらしくて、連絡もままならないんですよ。
 そのうち帰るみたいなことは聞いてるんですが」

和やかな雰囲気で会話が進む。
その間、良美は相づちを打つ程度でほとんど喋らず
ただ、ずっと人形のように微笑んでいた。

100:願いを込めて・8
06/12/23 23:35:36 YRaOGaye0
とりとめもない話をしばらく続け
一段落付いたところで
不意にお父さんが身を乗り出してきた。

「さて……対馬くん。
 妻にも、会ってやってくれるかね?」

それまでの温和な表情が
一転して真剣なものに変わった。

「は?……はい。よろしければ、是非」

そういえばお母さんはまだ一度も顔を見せない。
出かけているのかと思っていたが、屋敷内にいるのだろうか。

「良美も。いいね?」

良美の心の傷を作った張本人。
立ち直りつつあるとはいえ
良美にはまだ母親の存在はプレッシャーを与えているのだろう。
仮面から、作った笑顔さえ消して
良美がゆっくりと頭を垂れる。

「はい、お父様。
 お母様はどちらにいらっしゃるのですか?」

良美が拒絶しなかったことにホッとしたのか
それとも覚悟を決めでもしたのか
大きく一つ息を吐き出すと
絞り出すように俺たちに居場所を告げた。

「新しく作った離れにいる。私も、行こう」

101:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:38:00 AgERI+f90
 

102:願いを込めて・9
06/12/23 23:38:55 YRaOGaye0
「あらかじめ、伝えておくことがある」

長い廊下を俺たちを先導するように歩きながら
振り返ることなく話し出す。

「今、あれは病気なのだ」

「ご病気、ですか?」

それで顔を出さなかったのか。

「3年ほど前になる。
 ……事故で頭を打ってね。
 体の方はもういいようなんだが……記憶に、混乱があってね」

「記憶?」

「私と結婚したすぐ後、同じように頭に怪我をしたんだが
 そのときの記憶に戻ってしまっているんだ。
 ……良美、お前を産む、ちょっと前の頃の記憶にな」

「私が……産まれる、前……?」

「うむ。だから、お前を見ても誰だかわからない。
 二人のことは、私の方の遠い親戚と、その婚約者、ということにしておく。
 そのつもりでいてくれ」

「わかりました」

わかりました、と言いながらも
こんな再会に意味があるのか
疑問を感じずにはいられなかった。

103:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:42:53 AgERI+f90


104:願いを込めて・10
06/12/23 23:43:01 YRaOGaye0
良美のお母さんは、静かな、日当たりのいい和室にいた。
俺たちが入ってきたことにもしばらくは気づかず
中央に布かれた布団の上で
上体を起こしてガラス窓の外をぼんやりと眺めている。
やがて、ゆっくりと首をこちらに向けた。
優しい、それは優しい……笑顔だった。

「あ……おかえりなさい、あなた」

「ただいま。具合はどうだい?」

「ええ、もうほとんど頭も痛まないのよ。
 あの……そちらはお客様?」

「親戚の良美ちゃんじゃないか。忘れたのかな?」

「あらやだ……ごめんなさいね、ちょっと頭がまだ混乱してて。
 んー、良美さん良美さん……いやだ、全然思い出せないわ。
 ホント、こんなんじゃ困っちゃうわねぇ」

「今度ね、こちらの対馬くんと結婚するんだそうだ。
 それで、挨拶がてらに見舞いに来てくれたんだよ」

「まあ!おめでとう!そぉ~、いいわねぇ。
 予定はいつ?私、結婚式までには治せるかしら?」

「だいじょうぶ、すぐに良くなるよ。
 結婚式だって……出られるさ……」

お父さんの言葉が、かすかに震えていることでわかった。
治らないのだ。
たぶん、この先、ずっと。

105:願いを込めて・11
06/12/23 23:46:36 YRaOGaye0
この人は、おそらく一番幸せだった記憶の中にとどまって
この先の人生を過ごすのだろう。
この先起こるはずだった嫌なことも
今のこの人にはまだ起きていないことなのだ。

「でも、ちょっと困ったわねぇ」

「何がだい?」

「お腹の赤ちゃん。
 私、女の子だったら『良美』ってつけるつもりだったのよ。
 ねえ、良美さん、同じ名前をいただいてもいいかしら?」

「え……あ、あの……はい……」

「よかった、ずっとどんな名前にしようか考えてたの。
 きっと、貴女のご両親も……」

「……あのっ!……ちょ、ちょっと……
 しっ……失礼しますっ!」

耐えきれずに
抑えきれずに
良美が部屋を飛び出す。
きょとんとしているお母さんを残して
俺もその後を追った。

良美はすぐに見つかった。
部屋を出てすぐの廊下で
うずくまって何かブツブツとつぶやいていた。

「……どうして……どうして……どうして……」

106:名無しさん@初回限定
06/12/23 23:48:16 AgERI+f90


107:願いを込めて・12
06/12/23 23:49:43 YRaOGaye0
声を、かけなければ。
引き戻して、またお母さんと話をさせなければ。

「……良美?」

声をかけたとたん、爆発した。

「どうしてぇっ!?なんでよ、なんでこんなあぁっ!?
 どうすればいいの、どうすればいいのよぉっ!?」

「ちょ、声デカイ!落ち着けって!」

喚き始めた良美を慌てて廊下の端まで引きずっていくが
爆発した感情は収まらない。

「あんまりよ、あんまりじゃないの!
 あんな……あんなヒドイことして、ずっと忘れられないようなヒドイことして
 どうして覚えてないのよぉっ!なんでなかったことになってるのよぉっ!」

「だから、それは頭を打って……!」

「ズルイよ、ズルイよ!
 なんで!?なんで私だけ!?ずっと恨んできたんだよ、ずっと憎んできたんだよ!?
 なのになんで覚えてないの!?私、バカみたいじゃない!
 後悔も反省もなしで、なかったことにするなんてズルイじゃないのよぉっ!」

もう俺の言うことも耳に入っていないのか
良美は積もり積もったものを吐き出し続ける。
この家に来て、ずっとかぶっていた仮面も
今は全部脱ぎ捨てていた。

「私どうすればいいのよぉっ!?」

108:願いを込めて・13
06/12/23 23:53:02 YRaOGaye0
どうすればいいのか
どうすることが正しいのか
正直、俺にはわからない。
だから
そうしてほしい、そうあってほしい、と思うことを言ってみる。

「許せば、いいんじゃないかな」

「ゆる…許す!?許せって言うの!?
 あんな……あんなことされたのに、許せって!?」

「うん。
 このまま、憎みながら、恨みながら生きていくよりは
 ずっとその方が楽なんじゃないかな」

「で……できない、よ……そんなの、無理だよ……」

「できるさ。良美は、本当に優しい、いい子なんだから」

「でも……それ、私だけ酷い目にあって損してる気がする……
 反省とか、後悔とかしてほしかったのに……」

「それなら、私がする」

「えっ?」

不意に後ろからかけられた声。

「お、お父様……」

いつの間にか、お父さんも部屋を出て
俺たちのすぐ後ろに立っていた。

109:願いを込めて・14
06/12/23 23:56:29 YRaOGaye0
「お前があれに……虐待を受けていたことは
 薄々は、気づいていた……だが、確かめようとはしなかった。
 怖かったんだ。見かけだけでも幸せそうな家庭の
 その見かけさえも壊れてしまうのが……」

うつむき加減のその顔が青ざめて見える。

「お前がこの家を出てしばらくして
 婆やが、何が起きていたのか教えてくれた。
 私が家庭だと思っていたところで
 何が起きていたのか、そこがお前にとって何だったのかを」

良美は喚き散らすのをやめ
今は凍り付いたように動かない。
告白は続く。

「だが、私にはあれを責める資格がなかった。
 私の……浮気が、あれをそう追いやったのだから。
 お前を呼び戻すこともできなかった。
 お前が……怖かったんだ」

「罪は私にある。今更遅いかもしれないが
 後悔も、反省も私が二人分しよう、だから……
 あれを、許してやってはくれないか」

良美は黙っていた。
黙ったまま、表情を変えずに立っていた。
やがて、くるりと向きを変え
飛び出した和室にまた足を向けた。

許してほしいという父親の願いに
答えないまま。

110:願いを込めて・15
06/12/23 23:59:38 YRaOGaye0
襖をあけ、つかつかと部屋に入っていく良美に続き
俺たちも部屋に戻る。
お母さんは明らかに困惑していた。
無理もない、いきなり部屋を飛び出したんだから。

「あの……ごめんなさいね?
 お名前のこと、何か気に障っちゃったみたいで」

いかにも申し訳なさそうなお母さんに

良美が、微笑んだ。

本当の、笑顔で。

「いいえ、私こそ急に取り乱してしまってすいませんでした。
 私の……母のことを、思い出したものですから」

「お母様の?……そう……」

「どうぞ、こんな私と同じ名前でよかったら
 つけてあげてください。良美という、名前を」

「そう……ありがとう、私ね、この名前ずっと考えてたのよ。
 貴女みたいに きれいな いい子に なりますように、って
 そうしたら、きっと、幸せになれるから」

「!」

「……貴女のお母様も
 そう願いながらお名前をつけたんでしょうね」

「はい……きっと……そうだと、思います」

111:願いを込めて・16
06/12/24 00:03:07 HoqeyIaM0
許して
許されて

今、ここに一組の家族がいる。
それは記憶が失われたことで生まれた
儚い、仮初めのものかもしれない。

だけど、偽りではないと感じた。

だから、俺は提案する。
残しておきたかったから。何か形にして残しておきたかったから。

「あの、良かったら……写真撮りませんか?」

「え、写真?だ、ダメよ、こんな……
 ろくにお化粧もしてないし」

「大丈夫だよ、そのままでお前は十分、綺麗だから」

「じゃ、お二人で並んで……良美はその前、そうそう……」

取り出したケータイのカメラ機能を起動する。

「?最近のカメラは、変わってるのねぇ」

「お前はそういうの弱いからなぁ」

「はい、撮りますよー」

液晶画面の中の家族の肖像は
はい、チーズ、なんて言う必要がないほどに
楽しげで、幸せそうだった。

112:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:05:59 AgERI+f90


113:願いを込めて・17
06/12/24 00:06:03 YRaOGaye0
「赤ちゃん、欲しいね」

帰りの電車の中で、唐突に良美が話し出す。

「ま、そのうち、かな。
 それより前に結婚、ちゃんとしないと」

「うん。レオくんのご両親にもまだご挨拶してないしねー」

「あれはもう放っておいてもいい気がする」

「そんなわけいかないよぅ。
 ちゃんとご挨拶して、ウチのお父さんお母さんにも会ってもらって
 祝福されて式あげるんだもん」

「なんとか連絡とらないとなー」

「スッゴイ豪華な結婚式あげてもいいよねー。
 エリーに言えばなんとかしてくれそうだよね」

良美は帰省の結果ちょっぴり……欲張りになったかもしれない。

「それでー、子供はいーっっっぱい欲しいなー。
 ほら、私一人っ子だったじゃない?
 あ、レオくんもそうだよね?やっぱり子供はさ……」

まあ頑張ってみるか。大好きな、この笑顔のために。

「……そしたらスッゴイ幸せな家族になれるよ!」

 (Fin)

114:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:08:17 HoqeyIaM0
家族を大切にしていますか?メリークリスマス。

115:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:11:26 tmfQkk9E0
>>114GJ PC2台使ってるのか。支援が遅れてすまない。

>>85GJ すなお作品が少ないのはまだすなおルートやった人が少ないからだろ
俺もみにきすの評判がもひとつなんで躊躇してるんだ
PSはもともと持ってないしな

116:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:12:52 mZ9mjNrg0
>>114
 。・゚・(ノ∀`)・゚・。
なんつーか…色々考えさせられた。GJ。

117:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:12:56 flo3A3KO0
>>114
長編乙!
家族って大事だよ…
みんな親孝行してるかい?

>>115
PS3買っちゃえよ

118:名無しさん@初回限定
06/12/24 00:48:13 4JlfVNI50
>>114
GJ
つよきすは友情がメインなせいか
家族愛ってあまり書かれないけど
こういうのもいいなと思った。てかちょっと泣いた。

119:名無しさん@初回限定
06/12/24 03:08:59 XdVbJkNE0
>>114
GJなんだけどよっぴーのふるさとがまんま大正時代で吹いたw

120:シャーク
06/12/24 15:28:49 8fPg+/lT0
('A`)「お前ら。メリークルシミマス」

121:名無しさん@初回限定
06/12/24 18:04:52 qsPZjTMi0
晩飯を買いに外に出ても何故か見かけるのはカップルばかり………クリスマスだとか言って浮かれやがって……
いや、いいんだ。別に寂しくなんか、寂しくなんか…………(´っω;)

>>114
GJ! クリスマスの寒い心にじーんときたぜ。おいらも独り者だけど親孝行しなきゃな

122:名無しさん@初回限定
06/12/25 14:01:15 npA6jkFLO
>>114乙! ウルウルしてしまった ありがとう

123:Iwahara
06/12/26 22:37:01 euBYIUBO0
Fate×つよきすのSS描いてみた。
誤字脱字はスマソ。

124:Iwahara
06/12/26 22:47:44 euBYIUBO0
「つようん」注意Fate×つよきすなのでだめな方は注意してください
男女混同ドッチボールにて。
(スバル)「乙女さんが来たな……警戒しなけりゃなぁ」
(姫)「対馬クン、大きくリードしていても貴方が当てられたら負けなんだから。外野へ戻りなさい」
確かにその通りだ、しかし。
(弓レオ)「ふむ、しかしな姫。別に倒してしまっても構わんのだろうアレは?」
(一同)「なっ!!!!」
(よっぴー)「津島君が壊れたよ~~!」
(カニ)「おいおい、ドーしたんだよレオ!。何で熱血モード入ってるんだ?」
(なごみ)「先輩何言ってるんですか?、カニの蛆にでも寄生されたんですか」
(カニ)「レオお前がいくら熱血モードだからって、乙女さんは無理だろ!」
(スバル)「レオ、何がスイッチだったのかは知らねぇが、やれるだけやってみな」
(洋平)「はっ!!、対馬ごときが鉄先輩の全力投球を、止められるとでも思ってるのか!!、お前には無理だ」
立ち上がる怒気。仲間からは嘲笑を受け其れでも尚――
それを前にして赤い獅子はニヒルに笑う。
(弓レオ)「お前には無理だ?、 はっ、笑わせないでくれ村彦。汚れなど成果で洗い流せる、そんな余分なプライドはフカヒレにでも喰わせてしまえ」
(洋平)「村田だ!!」
(乙女)「良いのかレオ?。下手をすると骨折くらいはするかも知れんぞ」
(弓レオ)「構わない。元より何時か越えねば為らぬ壁だ」
その瞬間、空気が熱を帯びる――。
(乙女)「そうか…、判った。それでは、行くぞ!」
つづく。続きが見たいなら言ってくれ。初SSなんで糞かも知れんけどOTZ

125:名無しさん@初回限定
06/12/26 22:51:36 bey/cSiA0
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 カム!カム!
 ⊂彡

126:名無しさん@初回限定
06/12/26 22:51:44 9lzdLgG+0
>>124
続き云々の前に、文章が読みにくい
改行を挟むだけで大分変わるよ

>続きが見たいなら
これも違うレスにした方が良いと思う


あと津島はねぇだろ…

127:Iwahara
06/12/26 22:53:40 euBYIUBO0
この場合どうすれば?

128:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:01:36 M859mEOT0
もういいから型月スレへ行ってくれ

129:Iwahara
06/12/26 23:09:17 euBYIUBO0
大きく後退する乙女さん。
まるで嵐の前の静けさ。
(姫)「……まずい、本気だわ」
(スバル)「やべぇぞ想像以上だ、レオ止めておけ骨折じゃすまねぇぞ!」
乙女さんが一瞬にして離れた距離は8m、最早ボールを投げる距離ではない。
ギリギリまでラインの近くで、獣のように大地に肢体をつける。
(弓レオ)「――――」
誰もが理解した、乙女さんの次の攻撃が、文字通り必殺なのだと。
(乙女)「行くぞレオ!、この一撃が取れるかな!」
青髪の乙女が走る。
残像すら残す、突風の如き速さ。
半分を一息でかけた乙女はそのまま大きく跳躍する。
風に舞う身体。
大きく振りかぶった一撃はまさに投げるのではなく――投擲!。
魔弾が迫る。
その刹那―。赤き獅子は自己へと埋没する。
(弓レオ)「―――I am the bone of my bottle ship」
咆哮する光の龍、顎を開き正に喰らい付こうとする刹那、

(弓レオ)「‘熾天覆う七つの円冠’」

つづく。嫌、型月では無いと思うんだが…、それに保管庫にも似た話あるしだめかねぇ?

130:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:19:58 M859mEOT0
保管庫を見たことがあるならそれに倣った書き方をしてみな
だめかねぇとか聞くぐらいなら止めとけ
自分で糞とか言う作品なんて読む気無くすのが大多数の意見

あとsageろ
わざとやってんのか?

131:Iwahara
06/12/26 23:23:40 euBYIUBO0
その様みたいですね、もう一度練り直してきます

132:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:29:01 dKTIUNn10
たとえば

>「ふむ、しかしな姫。別に倒してしまっても構わんのだろうアレは?」

みたいなセリフをパラパラとおりまぜるのは割とアリだと思うんだけど
(というか実際ゲームでもやってる)
元をFateに限定するとちょっと苦しいかな

133:Iwahara
06/12/26 23:29:43 euBYIUBO0
なるほど

134:Iwahara
06/12/26 23:32:26 euBYIUBO0
アドバイス、ありがとうございます。
もうすこし全体的に織り交ぜてみます

135:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:35:44 M859mEOT0
>>2をよく読め
特に1つ目


136:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:39:29 zwjsleQ10
「ふむ、しかしな姫。別に倒してしまっても構わんのだろうアレは?」

30秒後


:::::::::::::::::...... ....:::::::゜::::::::::..   (___ )(___ ) ::::。::::::::::::::::: ゜.::::::::::::
:. .:::::。:::........ . .::::::::::::::::: _ i/ = =ヽi :::::::::::::。::::::::::: . . . ..::::
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::::::...゜ . .:::::::::  /ヽ ノ    ヽ__/  ....... . .::::::::::::........ ..::::
:.... .... .. .     く  /     三三三∠⌒>:.... .... .. .:.... .... ..
:.... .... ..:.... .... ..... .... .. .:.... .... .. .... . .... . ..... .... .. ..... ............. .. 
:.... . ∧∧   ∧∧  ∧∧   ∧∧ .... .... .. .:.... .... ..... .... .. .
... ..:(   )ゝ (   )ゝ(   )ゝ(   )ゝ なんて――無様――
....  i⌒ /   i⌒ /  i⌒ /   i⌒ / .. ..... ................... .. . ...
..   三  |   三  |   三  |   三 |
...  ∪ ∪   ∪ ∪   ∪ ∪  ∪ ∪


なんとなく思いついた

137:Iwahara
06/12/26 23:41:13 euBYIUBO0
すみません、次回からは気をつけます

138:名無しさん@初回限定
06/12/26 23:45:40 zwjsleQ10
しまった、自分までageてしまったorz

139:Iwahara
06/12/26 23:58:05 euBYIUBO0
では、でなおしてきます。
ご意見どうもありがとうございました。

140:名無しさん@初回限定
06/12/27 00:00:37 gt0/6eCJ0
Fateキャラをつよきすヒロインズで演じる場合

「姫は凛だろうな」「凛だね」「アクマだもんね」
「そこ、何か言った?」
(地獄耳だ)(やっぱりアクマだ)(青いほうのアクマか。金髪だし)

「セイバーは乙女さん?」「やたらよく食うしね」「食いしん坊だしね」
「失礼な!そんなに人より多く食べてはいない!」
(ウソだ)(ウソだよな)(乙女センパイでもウソをつくのね)

「桜はよっぴーよね」「よっぴーだね」「佐藤センパイですね」
「ひ、ひどいよみんな……」

 「 ヒ ド イ の か よ 」

141:名無しさん@初回限定
06/12/27 00:42:41 SwUDOoha0
「じゃあこの俺がシロウだろ」

「フカヒレのクセに調子こくなよ」
「キモッ」
「フカヒレ君はワカメでいいんじゃない?」
「エリー、それはワカメの人に失礼だよ」
「私はわかめのおにぎり好きだぞ?」

142:名無しさん@初回限定
06/12/27 01:28:34 w6/TC7MP0
岩原クン、ここは未成年は来ちゃいけないよ。
そんな阿呆な態度でツラ出しといて、まさか成人年齢達してるなんて言わないよねえ、空気の読めない岩原クン。

143:名無しさん@初回限定
06/12/27 03:48:04 K2YX5RzO0
>>142すでに撤退しとるのに追撃したるなよ。お前もかなり寒いぞ

144:名無しさん@初回限定
06/12/27 05:12:55 8opDmHz90
>>130
>自分で糞とか言う作品なんて読む気無くすのが大多数の意見
これには同意しかねる。勝手に大多数にするな。

他作品うんぬんは別にいいけど、いかんせん読みづらさがある。
作品とコメントは別にして欲しい。
誤字脱字は校正した後なら仕方ないが、誤字脱字スマソと書いてあると校正を行ってないように見える

  (弓レオ)「‘熾天覆う七つの円冠’」  のところで改行入れているので、強調効果を入れたかったのだと思う。
地の文と台詞で1改行、強調のとこで数改行いれるといいかもしれない。あくまで、かもしれないの域。

台詞でキャラがわかるのが多かったので、地の文と台詞にキャラ認識の補助でも入れとけば
(登場人物)は要らなかった。弓レオと判断するのは、絶対フォローがいるけど
工夫の余地はあるということで>>139
124と129で文章の質が異なるように感じる。Fateっぽさは感じた。頑張ってね

と書いた後で同様のレスがあることを知ったorzま、いいよね

>>140GJ

145:名無しさん@初回限定
06/12/27 07:49:03 w6/TC7MP0
キ、キモ!
朝っぱらから気色悪すぎ!!

>>143
な?
こういう擁護月厨が湧きかねないからこそ、あーいうのは早期の駆除が大事なんだよ。

146:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 1/7
06/12/27 09:42:52 0CU+T7UX0
 ここは松笠にある私立校・竜鳴館。
 この学校は館長から生徒までいい意味でも悪い意味でも個性的。
 そんな学校ならば、毎日が騒がしいのも必然であるからして。
 今日、私対馬レオが語る話も、その騒がしい日常の1つなのです。
 …………………………………………
 今日も今日とて生徒会。
「ちいーっす」
「えー、カニっち、卓球部の助っ人に行ってくださーい。……あ、レオ。目安箱の中身、取ってきてくれた?」
「うん。取ってきたよ」
 目の前の金髪美人は霧夜エリカ。自慢だが俺の彼女だ。
 付き合い始めた当初は単なるパシリでしかなかったが、今じゃすっかり相思相愛だ。
「それにしても寒くなってきたね」
「もう秋も終わりだからね」
 竜鳴祭も終わると、冬の足音が聞こえ始める。佐藤さんにはつらい季節だろうなぁ。
「そんなわけでレオ、お茶入れてー」
「いいよ、今日は何にしようか」
「んーそうね、ロシアンティーを一杯。もちろん……」
「ジャムではなくマーマレードでもなく蜂蜜で、でしょ」
「ふふ、わかってるじゃない」
「まあ、お約束ですわな」
 カップを温め、お湯を沸かす。ポットにちょっと大目の葉を入れ、沸いたお湯を注ぎ、十分に蒸らす。
 蒸らしたら、スプーンでポットを一混ぜ。茶漉しで茶殻を漉しながら、濃さが均一になるように注ぐ。
 そしてエリカの好みの温度に水で調整して、っと。おっと、蜂蜜を忘れていた。
「お待たせいたしました」
「……うん、おいしい。また腕を上げたわね」
「お褒めに預かり恐縮です、フロイライン(お嬢さん)」
 ……なんか女主人と執事みたいだな。まあ、エリカの笑顔が見れるんならそんなことは細かいことだ。
 ティーブレイクの後は仕事。でもそんなに大変ではなく、15分もあれば終わってしまう。
 もう今学期は大きな行事は無い。言ってしまえば暇をもてあましている。
 今日もこれで帰ろうか、と思ったんだが。

147:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 2/7
06/12/27 09:44:14 0CU+T7UX0
「ねえ、レオ。久しぶりに……してくれない?」
「え、今ここで」
「そ。今ここで」
「……いいよ。しようか……」
 …………………………………………
「じゃあ、エリカ……」
「うん、お願い……」
 エリカがソファーに横になる。
 俺はエリカの負担にならないように上に乗り、体に手を伸ばす。
 服の上からでもわかる、弾力のある肌。俺は遠慮なく、その魅力ある肌を撫でていく。
「……あっ、ねえ、レオ。なんかいつもと違わない?」
「うん、マンネリは、よくないからね」
 最初は軽く、だんだん強く。緩急をつけて、刺激を与えていく。
「あっ……、へ、へぇ、なかなかやるじゃないの……」
「ふふん、これからもっと激しく行くよ……」
 そして俺の手がとある一点に進んだとき、エリカの体がピクッとした。
「んっ、あっ、気持ちいい……」
「ここ? ここがいいの?」
 エリカが反応した場所。そこに刺激を集中させる。
「あっ! そこっ! そこいいっ! そこをもっと!」
「よし、じゃあここを重点的に攻めようか……」
 気持ちよさそうに声をあげるエリカ。普段の彼女とはまた違う姿に、軽く興奮を覚える。
「あっ、あっあっ、はぁっ、ああぁっ!!!」
 快感に耐えられないのだろうか、髪を振り乱し、感じるままに声を出している。
 ……どのくらいの時間が経ったのだろう。俺の手も少し疲れてきた。
 エリカもそれを察したのか、まだ続けようとする俺を制し、体を起こした。
「はぁはぁ……。ふふ、すごくよかったわ」
「本当?」
「ええ、ホント、上手くなったわよね」
「エリカを満足させてあげたくてさ、日々勉強したんだよ」

148:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 3/7
06/12/27 09:44:59 0CU+T7UX0
「うれしいこと言ってくれるじゃない。じゃあ、そんなレオにご褒美。レオが横になって」
「うん、任せるよ、エリカ……」
 エリカの手が、俺の下半身に伸びる。
「レオは……、ここが弱かったわよね」
「くうっ、そ、それいい……」
 エリカのやわらかい手による断続的な刺激。それはとてつもない快感だった。
「ふふっ、ここ? ここが気持ちいいの?」
「くうっ、うあっ……」
 思わず声が出てしまう。
「レオったらそんな声をあげて……、かーわいいんだー」
「く、エリカが上手すぎるんだよ……」
「ふふっ……。じゃあ、どうしてほしいか言ってみて」
「え……。じゃあ、もっと強く……」
「ええ、いいわよ」
 さっきよりも強い刺激。
「くううっ!!!」
 こそばゆいような、痛いような、気持ちいいような。
 そんな感覚が幾重にも重なり、それがとてつもない快感となって俺の全身を貫いた。
「ぅくっ!」
「レオったら……、結構溜まってるみたいね。やっぱり定期的にしないと駄目よね」
「ハァハァ……、そうだね。お互いに……」
「じゃ、そろそろ仕上げを……」
「ふたりともー!!」
 突然の声。竜宮の入り口に立っていたのは……佐藤さん。
「あ、佐藤さん」
「あら、よっぴー。どう、よっぴーも一緒にしない?」
「え、あ、えと、あのそうじゃなくて」
「気持ちいいわよー、遠慮しないでほら」
「うん、おいでよ佐藤さん」
「え、あ、あのね」

149:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 4/7
06/12/27 09:52:33 0CU+T7UX0
「お い ! お 前 達 ! !」
 竜宮に響き渡るその声の主は。そう、鋼鉄の大姉上こと。
「乙女さん」
「乙女センパイ」
「お前達! 何をやってるんだ!!」
 そう問い詰める乙女さんは、明らかに怒っていた。
「何って……、ねえ?」
「見ればわかるじゃないですか。っていうかなんでそんなに怒ってるんです?」
 要領をえない俺たちを見て、乙女さんはあきれたようにため息をついた。
「……お前達は、何をしたのかわかってないようだな」
 ? わけがわからない。
「何をしたのかって……」
「私達はただマッサージをしてただけですよ? 別に怒られるようなことをした覚えはありませんけど?」
 そう、さっきまで俺たちがやっていたのはマッサージ。
 俺が上半身の指圧、エリカが足ツボ。溜まってたのは疲れ。
「別にそれを咎めているわけではない。なんださっきの破廉恥な会話は」
「破廉恥って……」
 まあ、確かに端から聞けばそう聞こえるかもしれないが。
「あ、もしかして乙女センパイ、盗み聞きしてたんですか!?」
「あ、そうだぜ乙女さん! 盗み聞きなんて悪趣味だよ!?」
「誰が盗み聞きなんてするか! お前達が校内に流していたんだろうが!」
「ハァ!? 何言ってるんですか?」
「エリー、それ、それ」
 佐藤さんが指差している先は……竜宮備え付けのマイク?
 ……もしかして!
「あ、スイッチがONだ……」
「…………!! ってことは!?」

150:名無しさん@初回限定
06/12/27 09:52:54 K2YX5RzO0
>な?

俺に同意求めんな
俺はFATEも最近のガンダムも知らんから、元ネタを知らなきゃぜんぜん楽しめないような
作品を肯定するつもりもないが、せっかく作品を書いてみようとしてるやつを叩いて
追い出すのはもっと嫌いなんだ
>>144みたいな作家を育てる姿勢にむしろ共感を覚える

>>139は確かにもっと頑張らなきゃいけない子だが、礼儀正しく引きさがっとるんやから
無下に叩いてやらんでもええがな
このスレは2chにしては紳士的に運営されている良スレだよ
仮にいいことを言ってたとしても、あんまり粗野で乱暴な発言だと他者の共感を得にくい
ということも考慮したほうがええで・・・


151:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 5/7
06/12/27 09:53:24 0CU+T7UX0
 …………………………………………
・1年フロア
「…………超絶バカが2人…………」
・校庭
「ま、まったく、なんて人騒がせな……」
「オイ洋平ちゃん、前かがみになってるぜ?」
「な、そんなわけ、ないだろう!」
「くー……」(じーっ)
「そんな純真な目で僕を見るなッ!」
・体育館
「ウヌガァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
「なんかカニっちがいろんな意味でキレてどっかに走っていった、みたいな!」
・カフェ
「これが、若さかのう……」
「はあ、やれやれ、ですわね」
「まったくよぅ。くだらなすぎてトサカにもこねえぜ」
「ところで土永さん。さっきの会話、覚えましたか?」
「おうよ祈。我輩はダブル録音もオーケーだ」
・2-C
「な、なんや、えらいことになっとるかと思ってもうたわ。ホンマびっくりしたで」
「マナ、そういう発言すると……」
「フ、フカヒレ……、オイラもう、最高にハイ! ってやつだべ……」
「うろたえるんじゃあない、俺たちはうろたえない。冷静になれ。冷静になって……トイレに行こう」
「マナもあの人たちと同レベルだと思われるヨ」
「カフッ」
・2-A
「……………………バカ」

152:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 6/7
06/12/27 09:54:01 0CU+T7UX0
 …………………………………………
「もしかして、校内中にさっきの会話が……!?」
「ぬ、ぬかった!!」
「まったく! 校内が大騒ぎだぞ!」
「ぬかっちゃった、テヘッ☆」
「可愛さをアピールしてごまかそうとするな!」
「ぬかっちゃったぜ!!」
「ちょっとかっこよく言っても駄目だ!」
 うーむマズイ展開だ。お姉ちゃん怒りメーターが78ぐらいに達している。
「今日という今日は反省してもらうぞ!!」
「そー言われましてもねー、私達はただマッサージをしてただけだし……、それで怒られるってのも癪です」
「問答無用!!」
「お嬢様エスケープ!」
 あ、エリカが逃げた! ……こういう時、俺がやることは1つ。エリカが俺を残していったということは。
「ちっ、待て、姫!」
「おっと、行かせないぜ乙女さん!」
「な!? どけ、レオ!」
「どくわけには行かない!」
「だったら実力行使に出るぞ!?」
「男なら、エリカのナイトなら引いてはいけない時ってものがある!!」
 そう、この場面で俺がやるべきことは、エリカの逃走時間を稼ぐこと! たとえ相手が乙女さんでも!
「ほほう……いい目だ。だが、心だけではどうにもならないことがあると知るがいい!!」
 そして、乙女さんの拳が俺の眼前に迫り─。
「…………あれ?」
 当たるかと思われた乙女さんの拳は空を切っていた。
 何故なら─エリカが俺を抱えて横に飛んでいたからだ。
「エリカ……どうして」
「……一緒にやったのに、レオだけ怒られるってのも癪だと思ってね」
「エリカ……」
「まったく、あんな恥ずかしい事を大声で……。顔から火が出るかと思ったわよ」

153:名無しさん@初回限定
06/12/27 09:58:22 K2YX5RzO0
 

154:薔薇の騎士(ローゼンリッター) 7/7
06/12/27 09:58:28 0CU+T7UX0
「……ごめん」
「……ま、いいけど」
 そう言うエリカの声には、わずかなテレと、愛が感じられたような気がした。
「ふふ……姫も成長したな。では、お前達の心意気に免じて……」
 おお!? 説教免除か?
「今までの分も含めてみっちりと説教してやろう」
「……そこは『お前達の心意気に免じて勘弁してやろう』とか言うところじゃないの?」
「それとこれとは別だ。それに誰がそんな一昔前の漫画の悪役みたいな台詞を言うか」
「あ、乙女センパイノリ悪ーい」
 と言ってるものの、お姉ちゃん怒りメーターは50くらいにまで下がっている様子。
 これで意見落着かな……。
「あのー」
 あ、佐藤さんの存在を忘れてた。
「ん? どしたの、よっぴー」
「エリー、対馬君、あのね?」
「どうしたの、佐藤さん」
「言いにくいんだけど……マイク」
 ? マイク……? ……………………!!!!!!!!
「え…………!?」
「あ…………!!」
『ぬかったぁぁぁぁ!!』
 俺たちの叫びは全校中に轟き─
 そして当然のごとく翌日の週刊ドラゴン特別号には、
『熱烈恋愛!! 霧夜エリカと対馬レオの愛の劇場!!』
 として特集が組まれ、全部の会話が掲載され、俺たちはしばらく顔から火の出る思いをすることになったとさ。

155:名無しさん@初回限定
06/12/27 10:02:49 0CU+T7UX0
年始まで来ないとか言ったが……スマンありゃウソだった。
でもまあ即興だが一本書いたんでよしとするって事でさ……こらえてくれ。
それはそれとしてまあ、古典的なネタです。
オチが読めた人もいるでしょうが、何、気にすることはない。では今度こそ年始に。よいお年を。

156:名無しさん@初回限定
06/12/27 10:04:31 K2YX5RzO0
変なタイミングで変なレスを放り込んでしまってすまん GJ

157:名無しさん@初回限定
06/12/27 10:05:12 0CU+T7UX0
ぬかりました……。
>これで意見落着かな……。
一件落着の間違いです。

158:名無しさん@初回限定
06/12/27 14:46:30 lDgpLC8B0
誰かバラライカ姫を や ら な い か ?

159:名無しさん@初回限定
06/12/27 19:05:17 15dPtq7MO
絶望先生…

160:名無しさん@初回限定
06/12/28 01:51:17 B+RESe9n0
アクアタイムズの「千の夜を越えて」を聴いてると
素奈緒ルートのレオがちらつく

161:名無しさん@初回限定
06/12/28 06:35:30 125FEDnbO
銀英伝キター。
作者乙。


>>77
遅レスだが補足サンクス。
あー、本スレのカオスっぷりはどうにかならんものか('A`)

162:名無しさん@初回限定
06/12/29 01:29:55 23kWo15O0
氷もほっときゃ流れるぜ

163:名無しさん@初回限定
06/12/29 10:09:41 OUKcWKOrO
「闘う闘う闘う闘う闘う闘う……闘う!!」
「この一週間、わ、私はレオに何をした!?」



反省という言葉は俺の辞書にはない

164:名無しさん@初回限定
06/12/29 18:35:53 KciAFVZ60
>>162
海へ 海へ

165:名無しさん@初回限定
06/12/29 19:17:24 h9wJxkMxO
>>163
反省はしなくても良い……
だが、死ねよやー!

166:名無しさん@初回限定
06/12/29 21:53:37 OUKcWKOrO
「乳揉む乳揉む乳揉む乳揉む乳揉む乳揉む……乳揉む!!」
「エ、エリー、この一週間鮫氷君と何してたの!?」
「何って姫と俺がシンクロしただけだよ」



触発されてやった
俺は反省する

167:名無しさん@初回限定
06/12/29 21:56:16 OUKcWKOrO
あれ?言葉使いがおかしいな?
今度は反省しているのつもりだったんだが……

168:名無しさん@初回限定
06/12/29 22:01:30 P1lj2Kru0
>>155
gj、良いお年を

169:名無しさん@初回限定
06/12/29 22:02:47 P1lj2Kru0
<<163-6www

170:名無しさん@初回限定
06/12/30 01:05:57 QspiFAqd0
ツンデレでしょでしょ?/近衛素奈緒

答えはいつも態度のウラに
なんでだろう アンタにイラつくアタシです
もうたまらない 情けないのはあきらめたけど
I hate you! ダメすぎてほっとけないの
You like me...? 感じるなら感じることだけをしてよ
ツンデレでしょでしょ キライがスキに変わる途中で
本気でなんて思わないでよ アンタのためじゃない
いっしょについてきなさい いつまでもヘタレなアンタじゃないよね?
明日デレになった今日のツンな気持ち

171:名無しさん@初回限定
06/12/30 02:08:21 mx94Vvm70
はいつまんない次

172:名無しさん@初回限定
06/12/30 03:43:58 InrIw2dZ0
>>171次はお前の番なんだよおお

173:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 10:53:59 Rit0ad6C0
『―事件の現場、松笠の竜鳴館学園の前からお送りします。
本日、二十四日の午後、竜鳴館に銃器で武装した十数人のグループが侵入、
多数の生徒や教員を人質に立て篭もりました。
竜鳴館は既に冬期休暇に入っていますが、
部活や補習のために多くの生徒や教員が登校しており、
当時校舎内にいたほとんどが人質にされてしまったようです。
犯人グループは、警察やマスコミ各社に対し、犯行声明分を発表しています。
その内容を読み上げます。

“我々は、校内にいる竜鳴館関係者を人質として、ここに要求する。
竜鳴館館長・橘平蔵は、本日二十四時までに、竜鳴館グラウンドにて自決せよ。
これが成されない場合、人質は全員、殺害する”

以上が声明の全文です。グループ名などはなく、彼らが何者なのかは未だ判っておりません。
警察の発表によると、人質はいくつかの教室に分けられていて、
それぞれに数人の見張りがいるようです。
そのため、無理な救出作戦では人質が危険に晒される恐れがあり、
また交渉の窓口もない事から、解決の目処は立っておりません。
なお、声明文に出てくる橘平蔵氏の所在については、
冬期休暇開始直後から松笠を離れている、という事以外、何も判っていないそうです。
事件発生から既に数時間、人質の安否が気遣われます。
以上、現場からでした』


携帯電話のディスプレイに映し出された男性アナウンサーを睨み付け、
目出し帽を被った男が舌を打つ。

「チッ…橘のジジィ、来ねーとよ」
「そう焦るなって。時間はまだあるんだ」

174:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 10:56:57 Rit0ad6C0
なだめるのは、マスクとサングラスを着用した男。
二人とも、右手には小型の拳銃を握っている。
ここは竜鳴館の美術室。
コンクールの〆切りに間に合わせるため、五人の女子生徒が顧問の指導の下、
キャンバスや石膏に向かい合っていた。
そこに乱入したのが、二人の男。
たった二人とは言え、銃器を持った屈強な男達に立ち向かえる訳がなく、
六人は教室の隅で震える事しか出来なかった。

「チッ…退屈で仕方ねぇ。暇潰しに女子校生でも犯すか。
おい、そこの巨乳。死にたくなかったらパンツ脱げ。
いいか!脱ぐのはパンツだけだ!間違ってもスカートは脱ぐなよ!!
もう一度言う!パンツを脱ぐのは許可するゥゥゥゥゥ!!
しかしスカートは許可しないィィィィ!!!」

銃口を一人の女子生徒に向け、目出し帽が凄む。

「ヒッ…!?」

青い顔の女子生徒は、突き付けられた凶器と狂気が理解出来ず、呼吸困難に陥ってしまった。
口をパクパクとさせるだけで一向に行動を起こさない女子に、
目出し帽が更なる怒声を上げようとした、その時。

「まって!」

男と女子の間に、美術部顧問が両手を広げて割り込んだ。

「わたしが、かわりに、ぬぎ、ます!」
「西崎、先生…」

息も絶え絶えに、かばわれた女子生徒が顧問の名を呼ぶ。
西崎紀子は肩越しに微笑み返してから、正面に向き直り、目出し帽の男をキッと睨み付けた。

175:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:00:50 Rit0ad6C0
「だから、この子たちには、手を出さないで!」
「へぇ~、いいねぇ、教師の鑑だねぇ。しかも巨乳でスカート。
しかし、パンストか…脱がすか、自分で破くか…ぬぅ…
すまん、ちょっと考えさせてくれ」

拳銃を向けたまま、目出し帽が唸り声を上げて首を傾げる。
その間も手を下ろさず、睨み続ける紀子の背中へ、女子生徒が涙声を掛けた。

「ごめんね、先生…私の代わりに…」
「だい、じょうぶ。みんなは、わたしがまもる、から。
それに、ね」

言葉はたどたどしいが、その声に怖れはなく。

「せんせいは、しんじてる」

細い体は震えているが、瞳の輝きは揺るがない。

「クリスマスには、きせきが、おこるよ」

葛藤に決着が付いたのか、目出し帽の男が口を開きかけた、刹那。


美術室に、赤い風が吹いた。


開け放たれた窓から、真冬の夜気が流れ込む。
床には、二人の男が伸びている。
その傍らに立つのは…

「さんたく、ろーす?」

176:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:07:57 Rit0ad6C0
赤い帽子。赤い服。赤いズボン。そして、白くて豊かな髭。
恰幅がいいとは言えず、大きな袋も持っていないが、見た目は確かにサンタクロースだ。
音もなく窓から侵入したサンタは、男二人に断末魔を上げる暇すら与えず仕留めてしまった。
人質だった生徒達は、この状況を飲み込めずに目を白黒させるばかり。
サンタは室内を見渡し、他に見張りがいない事、人質に怪我がない事を確認すると、
廊下に繋がるドアへと駆け寄った。

「まって!」

紀子の叫びに、サンタが足を止める。

「よー、へー?」
「…メリークリスマス、西崎」

振り返らずにそう呟いて、サンタは廊下へ飛び出していった。


時は同じく、所は変わり、竜鳴館・道場にて。

「大丈夫か、えーと…久遠寺?」
「その間違い方、ひどくない!?村田だ、村田洋平!
…っと、こんな事をしている場合じゃ…グッ!?」

立ち上がろうとした洋平が、苦悶の表情で蹲った。
白い拳法着に身を包んでいるが、右大腿の部分だけが赤く染まっている。

「無理すんなって。足、撃たれたんだろ?」

心配そうに眺めるのは、やはりサンタクロース…の格好をした、若い男。
白い付け髭は既に外してあるため、洋平はこのサンタの正体を、既に悟っていた。

177:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:11:39 Rit0ad6C0
「…隙を見て取り押さえようとしたんだが、気付かれてこのザマだ。
しかし、弾は抜けているし止血もしてあるから問題ない。後は気合でなんとかなる!」
「流石、竜鳴館で体育教師をやってるだけあるな。
でもさ、そんなに焦らなくていいって。
…ん、もしかして、誰か気になる人が校舎にいるのか?」
「ににっ、西崎は関係ないだろう!?俺が心配なのは生徒達でだな!!」

自ら『西崎』という名を絶叫する洋平に、サンタがニヤリ、と嫌らしく微笑む。

「ああ、西崎さんね。そう言えば、美術教師だったっけ。
相変わらず、不器用な生き方してるんだな…アナスタシア?」
「日本人ですらなくない!?村田だ!村田洋平!
…まったく、お前も相変わらずだな、対馬」
「おぉっと!今の俺は『鉄(くろがね)レオ』だぜ?
それに、あの頃よりは結構成長したと思うけどな」
「そうだったな…うん、そうだ。貴様は、強くなったよ」

洋平が視線を向けた先では、武装した男達が泡を吹いて転がっている。
負傷しながら、なおも隙を狙っていた洋平の目でも、何が起こったのか捉え切れなかった。
どうにか認識出来たのは、赤い何かが道場に入ってきた事だけ。
気が付けば、拳銃を構えていたはずの男達が床に伏せ、
代わりにサンタの格好をした何者かが立っていたのだ。
間もなくサンタが号令を掛け、人質だった拳法部員達は道場の外へと逃げ出した。
当分の間、意識がお花畑から帰って来なさそうな男達はいるものの、
道場内は実質、サンタと洋平の二人きり。
足の負傷と、正体不明のサンタへの警戒で動けない洋平の前で、
「ま、お前なら黙っててくれるだろ」と付け髭を外すまで、
洋平はその人物がかつてのライバル、レオだと気付けなかった。
悪党達の傍らに佇むレオの背中は、かつてリングで拳を交わした男のものではなく、
どう足掻いても勝てそうにない、武道を極めし漢のものに見えたのだから―

178:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:15:29 Rit0ad6C0
「しかし、それとこれとは話が別だ。
俺には竜鳴館教員として、生徒達を救いにいく義務があるんだ」

まだ校舎には、銃器に怯える人質が大勢残されているはずだ。
そして、今日は美術部も、顧問の指導の下で活動を…
痛みを堪え、再び立ち上がろうとする洋平を、レオが苦笑して押し留める。

「だから、もういいっての。校舎はあの人に任せておけば。
…今宵のあの人は怖いぞー?
姫の呼び掛けで、かつての生徒会の面子が集まってクリスマスパーティーを開いてたんだが、
その最中にニュースを見て、飛び出して来たからな。
ケーキがオアズケになって相当気が立ってた。
正直、俺も事が終わるまで近付きたくないのでここに居させて下さいオネガイシマス」
引き攣った笑顔の表面に、見て判るほどの脂汗を浮かべるレオ。
更には、体も震えている。暖房がよく効いている道場内だ、寒さの所為ではないだろう。
「あの人?…まさか、あの人って、あの人?」
「そ。クール…いや、ホットでイナセなあのお人」


竜鳴館を、赤い風が吹き抜けた。
闇を裂き、遍く教室を渡り。
肉を切り、骨を断ち、時には臓物さえも砕きながら。
人質には、聖夜の奇跡を与え。
悪党には、正義の鉄槌を下す。
風の名は、鉄乙女。
歴代最強、古今無双の風紀委員。

179:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:18:55 Rit0ad6C0
人質だった者達が、校門目掛けて我先にと駆けていく。
入れ違いに、紺色の服を着た人々が校舎へと押し寄せる。
その様子を記録しようと、カメラのフラッシュが瞬き続けている。

「…ふぅ」

屋上のフェンスの傍から下界の喧騒を眺め、乙女が軽くため息を吐いた。
それを臨戦態勢の解除だと判断したレオが、背後から恐る恐る声を掛ける。

「乙女さん、お疲れ様」
「来たか。道場の方はどうだった?」
「顧問の村田が名誉の負傷。でもまぁ、大した事はなさそうだったよ。
他に怪我人はいないし、俺も無傷であります!」

事件の解決と、乙女の態度に安堵して、微笑みながら敬礼をするレオ。
それに対する乙女は、同じく微笑んではいるものの、気配に憂いを帯びている。

「私も、美術室で西崎と会ったよ」
「へぇ、やっぱりいたんだ。村田が心配してたから、俺も気になってたんだ」
「なぁ、レオ。私は、男に見えるか?」
「…は?」

突拍子もない質問に、レオが上手く切り返せないでいると、
まとわりつく何かを払うように、乙女が軽く首を振った。

「いや、なんでもない。…全部、この格好が悪いんだ。
正体を悟られないためとはいえ、何故私がこんな格好を…
さっさと帰って、着替えるぞ。返り血も臭くて敵わん」
「か、返り血!?気絶させるだけでいいのに?それって大丈夫なの?」
「心配するな。鮫氷には洗って返すさ。
まったく、怒りで八つ当たりとは、私もまだまだ未熟だな」
「いや、俺が心配なのは…」

180:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:21:44 Rit0ad6C0
犯人達の命だよ、と言い掛けたレオを置いて、乙女がフェンスから距離を取った。
それを助走の準備だと悟ったレオは、慌てて乙女を追い掛ける。

「警察やマスコミに捕まる訳にはいかないからな、跳ぶぞ。
――付いて来い!」

再び風になろうとする赤い背中に、軽くため息。
それでもすぐに満面の笑みとなり、力強く答える。

「わかった、付いていくよ」

貴女が、背中を任せてくれる限り。
どこまでだって、付いていく。
何とだって、戦える。
…貴女以外となら、ね。
心の中でそう付け加え、レオは脚に力を込めた。




そして、二つの赤い風が、聖夜の松笠を駆け抜けた…

181:聖夜に駆ける赤い風
06/12/30 11:24:44 Rit0ad6C0
『………昨日発生した“松笠・竜鳴館立て篭もり事件”は、
怪我人を出しつつも、謎のサンタクロースの活躍により、解決に至りました。
犯人のほとんどが意識不明の重体ですが、一部軽傷の者もいるため、
容態が落ち着き次第、事情聴取が始められる模様です。
なお、警察は乱入したサンタクロースについても、
立て篭もり犯への傷害、あるいは殺人未遂の容疑で捜査を進める、としていますが、
手掛かりは乏しく、正体解明は難航を極めそうです。
また、竜鳴館周辺の住民から、事件解決前後、
屋根伝いに空を往くサンタクロースを目撃した、
との証言が多数出ていますが、事件との関連性は不明です。
…続いてもう一つ、別のサンタクロースにまつわる話題です。
ここ数年、恒例となっていますが、クリスマスである今朝、
北は北海道から、南は沖縄までの日本全国各地の児童養護施設で、
プレゼントの詰まった大きな袋が相次いで発見されました。
昨年までと同じく、幾つかの施設では、サンタクロースの格好をした大柄の男性が、
袋を残して去っていく姿が目撃されています。
このプレゼントに、施設の子供達は「サンタクロースが来てくれた」と大喜びです。
サンタの正体に関しては、各施設を一晩で行き来するのは物理的に不可能なので、
志を同じくする複数のボランティアが行っているのではないか、との説が有力ですが、
「顔に傷があった」「野太い声で『めるぃぃぃぃぃ』と叫んでいた」等、
目撃証言があまりに似通っており、施設の職員達でさえ、
「実は同一人物の仕業で、本物のサンタクロースではないか」と首を傾げています………』

182:名無しさん@初回限定
06/12/30 11:32:25 Rit0ad6C0
聖夜に駆ける赤い風
>>173-181

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『おれはクリスマスに投下するつもりで書いていたと
思ったらいつの間にか一週間近くも(ry』
逆に考えるんだ。「年内に間に合っただけマシさ」と考えるんだ

兎に角、乙女さんを活躍させたかったのに、
なんとなくクーを登場させた辺りから、段々妙な方向に…
肝心のバトルシーンが、気が付けば変な詩みたいになってた時は、
リアルに頭がどうにかなりそうだった…
ここは橘館長の声で脳内再生して、某次回予告っぽくしてくれれば助かります
館長といえば、オチ…ちゃんとオチてますかね?

最後になりましたが、読んで頂いた皆様、
貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました

183:名無しさん@初回限定
06/12/30 11:37:12 gnAc+oJO0
オナニー臭い、臭すぎる。
小学生が書いたドラゴンボールなみに恥ずかしい。
読んでるこっちがこっぱずかしくなった。

184:名無しさん@初回限定
06/12/30 11:54:35 InrIw2dZ0
>>182GJ!

>>183頼むから二度とレスしないでくれ

185:名無しさん@初回限定
06/12/30 12:07:40 gmPfWFF40
>183
小説ってのは盛大なオナニーなんだぜ?

186:名無しさん@初回限定
06/12/30 12:17:02 C0itJimp0
>「野太い声で『めるぃぃぃぃぃ』と叫んでいた」

脳内再生されてここだけちょっとワロタ

187:名無しさん@初回限定
06/12/30 12:41:02 YInXI3UP0
>>182
一部場面がわかりにく箇所もあったけどGJ

188:名無しさん@初回限定
06/12/30 12:57:12 guMojEN/0
>>182

メインが誰なのかハッキリしない
犯人グループの動機が最後までわからないなど
いろいろ消化不良の感じ

189:名無しさん@初回限定
06/12/30 13:08:44 wE4QfKprO
>>182

お願いだから乙女さんとレオを殺人未遂犯にしないでくれ…………

館長のところはワロタ

190:名無しさん@初回限定
06/12/30 23:06:20 Szg0kYWy0
>>181を元にして投下


191:サンタが空から降ってきた・1
06/12/30 23:09:22 Szg0kYWy0
「儂にサンタを?」

「はい、橘さんにこのようなお願いは
 まことに失礼だとは思いますが
 他に頼れる方も思いつけず……いかがでしょうか?」

竜鳴館館長・橘平蔵のもとを
古くからの知り合いである教会のシスターが訪れたのは
12月も半ばを過ぎた頃であった。

教会が運営する孤児院のクリスマス会で
サンタクロース役を務めるはずだった同じ教区の神父が
急な病で倒れてしまったのだという。

「儂のような無骨者でよろしければ、喜んでお引き受けしましょう」

平蔵は躊躇なくサンタ役を引き受けた。
普段頼み事をしてこないこのシスターがわざわざやってきたのは
よほど困った上でのことと承知していたからだった。

「まあ!ありがとうございます!
 ええ、大丈夫、橘さんならとても素敵なサンタさんになれますわ。
 後は衣装の準備ね、橘さんご立派な体格だから
 少しサイズを直さないとお召しになれませんわね」

「ふむ。この際、今からでも
 そちらにお伺いしてもよろしいかな?」

「それは助かりますけど、よろしいのですか?
 学校のお仕事もいろいろお忙しいのでは……」

「何、かまいません。では、参りましょうか」

192:サンタが空から降ってきた・2
06/12/30 23:12:24 Szg0kYWy0
平蔵は恥じた。己の不明を恥じた。
孤児院に着くまで、子供たちの暮らしぶりをなんとなく想像し
どんな遊びをしているか、自分がどんな遊び相手になれるかと
そんなことを考えていた。

実際には、誰一人遊んでなどいなかった。

ある子供は裏庭の菜園で働き
ある子供は鶏の世話をし、ある子供は洗濯をしていて
ほんの5、6歳程度の子供ですら
自分より小さな子供の世話をしていた。

「この孤児院は、みなさんの善意の寄付で運営されていますが
 こうして自給できるところは自給で賄い
 子供たちにも手伝ってもらって運営しています」

自然と厳しい表情になってしまっていた平蔵に
シスターが努めて明るく説明をする。
皆、生きるために働いているのだ。
まるで平蔵が子供だった頃の
いわゆる丁稚奉公のような暮らしぶりだった。

「さあ、橘さんはこちらへ。
 衣装を皆に見られないようにしないといけませんからね」

シスターの私室に通され、採寸をされている時に
平蔵は部屋の片隅に大きな布袋を見つけた。

「あれは、クリスマスのプレゼントですかな?」

「ええ、何とか人数分用意できました。
 当日は、これを橘さんに配っていただきます」

193:サンタが空から降ってきた・3
06/12/30 23:15:28 Szg0kYWy0
「失礼だが、中身を見せてもらってもよろしいですか?」

「は……はい。どうぞ」

ほんの少し躊躇いを見せてからシスターがうなずく。
平蔵はおもむろに袋の中身に手を伸ばした。

小さな体をさらに縮こまらせて
シスターがつぶやく。

「こんなつまらないものを配っていただくのは
 本当にお恥ずかしいやら申し訳ないやら……」

「……決してつまらないものではありませんし
 恥じねばならんのは、儂のほうです」

手編みのセーターやマフラー。厚紙でできた飾りもの。
廃品を再利用した手作りのおもちゃ。

おそらくはほとんど金のかかっていない
そしてその分だけ手間と労力がかかっているプレゼントが
シスターの愛情と一緒に袋に入っていた。

暖かく湿った感情とともに
腹立たしいような何ともいえない気分になって
平蔵は袋の口を閉じた。

何とかしたい。
何とかしなければ。

そして、そう思ったら必ず実際に何とかする。
それが、橘平蔵という人間だった。

194:サンタが空から降ってきた・4
06/12/30 23:19:34 Szg0kYWy0
12月24日。クリスマス・イヴ。
今日も子供たちが働く教会に
若い男女数名の来客があった。

「ごめんください。緑が丘カトリック教会はこちらですね?」

一行の中の輝くようなブロンドの髪の少女がにこやかにシスターに尋ねる。

「はい、そうですけど……どちら様、ですか?」

「私たち、竜鳴館生徒会のものです。
 今日は橘館長の依頼でこちらにお伺いしました」

「まあ、橘さんの教え子の方たち?
 それはどうも……
 あの、橘さんご本人は?ご都合がつかなかったのかしら?」

「いいえ、橘館長は必ず参ります。
 私たちはその準備のために参りました。
 レオ、子供たちを集めて。カニっちとなごみんはロープの設営。
 スバルくんとフカヒレくんはライトの設置よろしく」

てきぱきと指示を出していく少女に
唖然としていたシスターがおずおずと尋ねる。

「……あの、ライトとか何に?」

「準備です。サンタクロースを呼ぶための、ね」

「エリー、予定の時間だよ」

「OK、それじゃ、そろそろ始めましょうか!」

195:サンタが空から降ってきた・5
06/12/30 23:22:48 Szg0kYWy0
「皆さーん、こんにちはー!
 今日が何の日かは、知ってるわねー?」

中庭に集められた子供たちを前に並べ
少女がスピーチを始めた。

「そう、クリスマスイヴ。
 今日はサンタクロースが世界中の子供たちに
 プレゼントを配って回る日なの。
 世界中に配って回らないといけないから、サンタは大忙しね」

「……だから、ここにはこないの?」

一人の幼い子供がポツリとつぶやく。
一瞬、少女の眼が悲しげに曇るが
すぐに元の明るさを取り戻してまた声を上げた。

「さあ、どうかしら?
 ねえ皆、皆はサンタクロースに来てほしい?」

子供たちが顔を見合わせる。
ぼそぼそと何か囁きあう。
そして、一番年長らしい子供が代表するように答えた。

「サンタさんがお忙しいのなら、ボクたちはいいです」

少女の顔が悲しそうにきゅ、と歪んだ。
そしてまたすぐに持ち直す。

「そう……皆、いい子ね。
 でも!今日は特別に、少し早い時間にサンタさんが来てくれることになったの!
 だから、皆で呼んでみましょう!サンタクロースを!」

196:サンタが空から降ってきた・6
06/12/30 23:26:27 Szg0kYWy0
高いビルの屋上。
冷たい風の吹き抜ける中、一人の男が立っていた。
屈強な体を、白いエリのついた真っ赤な衣装で包み
長い髭と髪が風にあおられるのも
全く意に介さない風だった。
腕を組み、目をつぶり
じっと何かを待っている。

やがて、その眼がカッと見開かれた。

聞こえる。
自分を呼ぶ、子供たちの声が
乾いた風に乗って遙か遠く、眼下の町から。
最初はかすかに、やがて強く、ハッキリと。

男は傍らにあった布袋を肩に担ぐ。
自分がすっぽり入ってしまいそうなほどその袋は大きく
そしてぎっしりと何かが詰まっていた。

男が後ずさりを始める。

「誘導灯、確認!風向き、北北西3メートル!追い風です!
 館長……ご武運を!」

「うむ!」

傍らに控えていた少女が告げた声にうなずくと
男は目にも留まらぬスピードでフェンスめがけて走り出し
そしてビルそのものが揺れるほどの力でジャンプすると
フェンスを越え屋上から冬の空へと飛び出した。

「ぅうおおぉぉぉ!」

197:サンタが空から降ってきた・7
06/12/30 23:29:28 Szg0kYWy0
『サンタクロース!』『サンタクロース!』

子供たちは呼び続けていた。
待っていた。本当は、子供たちは待っているのだ。
サンタクロースが来てくれることを。

たとえどんな形であっても
たとえどんなささやかであってもいい。
自分たちが、見捨てられたわけではないと
まだ誰かに愛されていると、教えてほしいのだ。

「OK、乙女センパイ……
 みんな、サンタクロースを呼ぶのはもういいわ!
 それより、そろそろサンタがやってこないか
 耳を澄ませてごらんなさい!」

少女がかかってきた携帯電話で誰かとの通話を終え
子供たちに呼びかけをやめさせる。
キョロキョロとあたりを見回す子供たち。
少女はといえば、残りのメンバーに
慌ただしく指示を出し続けている。

やがて、一人の子供が空を見上げた。

「……なんか聞こえない?」「えー?」「どこからー?」
「ほら……上から、なんか……声が」

子供たちが一斉に空を見上げ、耳を澄ませる。
その見上げた空の彼方から
遠い雷のような声が、確かに聞こえた。

『……んんむぅぅぇぇえええるぃぃぃぃぃいいいいいい!!』

198:サンタが空から降ってきた・8
06/12/30 23:33:34 Szg0kYWy0
ズドォーン!!!

冬の空を突き抜けて
冷たい風を切り裂いて
それは空からやってきた。

着地の衝撃で立木を揺らし
もうもうと土埃を巻き上げて
それは孤児院の中庭に降ってきた。

やがて静まりはじめた土埃の中で
一つの、赤い人影が身を起こす。

「めるぃぃぃぃぃ!
 くりぃすまぁぁぁーーーす!!」

着地の衝撃に勝るとも劣らない大音声で
窓ガラスをビリビリと震わせて
赤い人影がおかしなアクセントで叫ぶ。
呆気にとられていた子供たちの間で
やがてささやき声が漏れ始める。

「……サンタ?」「……サンタだ」「……空から?」

ポカンとしていた表情に、驚きと、興奮と、喜びが混じり始める。

「サンタだ!」「サンタクロースだ!」「降ってきた!サンタが空から降ってきた!」
「スゲー!サンタ、スゲー!」「サンタクロース!サンタクロース!」

子供たちが張られたロープを乗り越えて、サンタクロースに駆け寄っていく。
子供たちの興奮のるつぼの中で
サンタクロースもまた、嬉しそうに笑っていた。

199:名無しさん@初回限定
06/12/30 23:35:33 IZwrydezO
しえん

200:サンタが空から降ってきた・9
06/12/30 23:38:39 Szg0kYWy0
「先日は、本当にありがとうございました。
 子供たち、まだサンタクロースの話ばかりしてるんですよ」

「……ちょっと、登場が派手すぎましたかな」

数日後。
再び平蔵の元を訪れたシスターが
孤児院の状況を教えてくれる。
照れくさそうに、ぽりぽりと頭をかく平蔵に
シスターはにこやかに笑いかける。

「いいえ。貴方は、私があの子たちに与えられなかった
 大事なものを与えてくれました。夢、を」

「はて?生徒たちが各家庭から勝手に集めた
 使わなくなった物などはプレゼントにして袋に入れてありましたが
 そんな素敵なものを儂には送れたものかどうか……」

まだ照れている平蔵にシスターがさらに追い打ちをかける。

「今、子供たちが大きくなったらなりたいもののトップは
 『サンタクロース』なんですよ。
 皆、大きくなったらサンタクロースになりたい、ですって」

「あー、ウホン!これは、お借りしていた衣装です。お返しして……」

「橘さん……よろしければ、それはお持ちになっていてくださいませんか?」

拒む理由はなかった。

この年から、松笠ではサンタは空から降ってくる。いい子にしていれば、きっと貴方のところにも。

201:名無しさん@初回限定
06/12/30 23:40:46 Szg0kYWy0
おしまいです。勝手にネタ元にして>>182さんスイマセン。

202:名無しさん@初回限定
06/12/30 23:59:14 LcwUZWPK0
>>201
ちきしょう、目から汗が出やがるぜ・・・
GJ

203:名無しさん@初回限定
06/12/31 00:12:55 fXW4veLO0
>>201GJ! すばらしい。
一つだけ。パラシュートを使わないほうが断然面白いのは事実だが、
パラシュートを使わないことのうまい説明が一行あったほうが、より自然だと思う

乙女さんが館長にパラシュートを手渡す
→おや、穴が空いているではないか
→館長、もう時間です!
→ええい、こんなものはいらん!

ってかんじかな

204:名無しさん@初回限定
06/12/31 00:20:56 WF3ep9bSO
>>201
館長スゲェwwww
降ってくるのが目に見えるようだ。
爆笑してしまった。GJ!

205:名無しさん@初回限定
06/12/31 00:44:15 6dwQWxYF0
>「……だから、ここにはこないの?」
とか
>「サンタさんがお忙しいのなら、ボクたちはいいです」
とか

実際んなこと言われたら泣けるだろうなぁ・・・

>>201
GJ

206:名無しさん@初回限定
06/12/31 03:34:05 snNU6+Pq0
仕事早い>>201さんGJ

207:名無しさん@初回限定
06/12/31 03:40:12 c/RRh24n0
>>201
おまえ、良い妄想してんナ

208:名無しさん@初回限定
06/12/31 03:41:01 c/RRh24n0
GJ忘れてたGJ

209:名無しさん@初回限定
06/12/31 07:04:36 zzP/WZVv0
>>201
GJ!!!
>『……んんむぅぅぇぇえええるぃぃぃぃぃいいいいいい!!』
に笑いつつ、ポロポロと泣いてしまった

210:名無しさん@初回限定
06/12/31 12:02:45 kdUBNnw8O
>>201
すごくいい GJ

211:名無しさん@初回限定
06/12/31 12:22:50 n2/hmMkG0
>>201
姫はこういう役回りは引き受けたがらなくて
むしろ乙女さんあたりが喜んでやりそうだと思ったが
読み返してみると「レオ」と呼びかけていて
これが姫ルート後の話なのだとすると
レオとの恋愛が姫に影響を与えた結果なのかなと思うと
姫スキーな俺としてはちょっとうれしかった

GJ

212:名無しさん@初回限定
06/12/31 16:07:00 Z3yhxjn5O
実際のところ、館長昔からサンタしてそうな気がしてきたよ!

GJ!

213:大掃除1/5
06/12/31 16:09:40 4NXPCpEt0
 すっかり晴れ渡った空。太陽もさんさんと輝いてるから
新しい空気を入れようと雨戸を開けると、
「あぅ・・・・・・やっぱり寒い」
 そんな年末のある日。
 クリスマスも終り、年越しに向けて皆で大掃除をすることになった。
 居間に集まったみんなの前には雛乃姉さんが自分で作ったという
抽選箱を掲げて立っている。
「では皆の者、これから大掃除の担当決めくじ引きを執り行うぞ。
ではまずかなめからだ」
 要芽姉さん、瀬芦里姉さんが抽選箱から紙を引く
「あら、私は台所ね。フフ、空也と巴が普段から掃除してるから楽ね」
「えー!私庭掃除やだよー。もっとコタツの中とか、暖かいところがいいにゃー」
「馬鹿を申すな!ほれ、次はともえだぞ」
 雛乃姉さんが抽選箱を私の前に差し出した。
 抽選箱に手を突っ込み、ごそごそとかき混ぜてから指先に当たった紙を引く。
 引いた紙に書かれていたのは・・・・・・
「ともねえはどこの担当?」
「わっ、私は仏間だって」
「そうか、ともえよ、母上の事、よろしく頼むぞ」
 仏間にはお母さんの遺影が飾ってある。雛乃姉さんはその事を言ってるんだろう。
「うん。任せておいて」
 空也や妹達も引き終えたらしく、再び雛乃姉さんがみんなの前に出てきた。
「それでは各々、担当の場所に散らばるのだ。我はここで監督をするから、
困った事が有ったらいつでも頼るがよいぞ。では、散れ!」
 号令とともに、皆が散らばっていく。私も仏間に行かなきゃな。

 襖を開けると、仏間の中の線香の匂いが私の鼻を衝いた。
 お母さんが亡くなったのが私が小学校の頃。
 当時は私、寂しくて高嶺と二人でこの仏間にいつづけてたことがある。
 だから今でも線香の匂いを嗅ぐと少し寂しい気持ちになる。

214:大掃除 2/5
06/12/31 16:13:03 4NXPCpEt0
「さて、と。お掃除頑張ろう」
 自分自身にえいえいおーと気合を入れてから、まずはお母さんの遺影を
布巾で丁寧に拭く。
 外の廊下では担当の空也が雑巾がけをしている音が聞こえる。
「こうやって見ると、要芽姉さんはお母さんに似てきたな。
お父さんが姉さんにべ、べったりなのも分かる気がする」
 少しだけ要姉さんに甘える自分の姿を想像すると、顔が赤くなるのがわかった。
 遺影を拭いた後、部屋の窓を開けて窓際に遺影を置く。こうしておくと何だか
お母さんが見てくれてるみたいでなんか嬉しい。
 実際、仏間も定期的に掃除しているから、普段とあまり掃除の仕方も・・・・・・
そうだ。押入れの中も掃除しよう。大掃除だしね。
 押入れの中の物を取り出して床に並べ、ハタキをかける。
 パタパタとやってるうちに目に入ったのが
「うわぁ。アルバムだ」
 一度開いて中を見てしまったら掃除が遅れると思いながらも、ついつい開いてしまう。
「あは、懐かしいな。これ」
 写真は空也がウチに来た当事のもので、皆で近くの海に遊びに行った時のだ。
 水着に麦藁帽子をかぶった私と、手を繋いだ空也が写っている。
「あれー?ともねえ何やってるの?」
 声に振り返ると、空也が廊下から仏間に顔だけ覗かしている。
「アルバムが見つかって、つ、ついつい見ちゃってたんだ」
「へぇー。アルバムなんかずいぶん見てないからね。あれ、写ってるの俺?」
 空也が仏間に入って来て私の後ろからアルバムを覗き込む。
「うん、そうだよ。これは空也がウチに来たばかりの頃の写真だよ」
「ふーん、ともねえ、この頃は特別背が大きいわけじゃなかったんだね」
「あぅ・・・・・・当たり前じゃないか」
「く~や~!新しい水バケツに汲んできたよ~」
 廊下から海の声が聞こえる、と思って振り返ると、
今度は海が仏間に顔を覗かせている。


215:名無しさん@初回限定
06/12/31 16:13:58 uBpkaft80


216:大掃除 3/5
06/12/31 16:16:40 4NXPCpEt0
「二人とも、何してるの~?あっ、アルバムだ~」
 海も空也の隣からアルバムを覗き始めた。
「今のくーやはかっこいいけど、この頃のくーやはかわいかったよね~。
お姉ちゃん、どっちのくーやにしたらいいか迷っちゃうよ~」
「いや、お姉ちゃん、意味わかんないよそれ」
「ちょっと海!アンタ人に掃除押し付けておいて自分は何してんのよ!」
 今度は高嶺がやってきて、アルバムを目に留めると
「あら、懐かしいもの見てるじゃないの。アタシも混ぜなさいよ」
と言って輪に入ってきた。
 そうこうしている内に、姉さん達もいつの間にか仏間にやってきて、
皆でアルバムを囲んで談笑していた。
「ほらっ、これ見て見て!私とモエが学年対抗リレーでお互いアンカーやった時の
写真!アレは結局私の勝ちだったんだよねー、モエ」
「あはは、瀬芦里姉さんには勝てないよ」
「おお、我の写真もあるぞ。これを撮った時は調子が良かったのだろうなぁ。
我は今でも美しいが、小さい頃から花の妖精のようにかわいらしかったのだな」
「ホラこれを御覧なさい。私が習字で県の金賞を取った時の写真よ」
 皆で集まって一つのアルバムを見て思い出話をする。
 何だかこう言うのもたまにはいいなぁ。
 ふと窓際を見ると、お母さんの遺影が薄らと微笑んでいるように見えた。
「これ、イカが沖縄行く前の日に撮った写真じゃない?」
「あー、多分そうだ。海お姉ちゃん、写真の中で俺にべったりだね」
「当たり前だよ~。だって愛しのくーやと会えなくなる前の日の写真だよ。
私は今でもこの日の悲しみを忘れないよ~」
 その写真をよく見ると、皆どことなくしょんぼりとした顔で写っている。
 写真の中の私も、空也も、悲しげな顔でこっちを見ている。
「おっ、これ要芽姉の中学校時の写真じゃない?」
「そうね。生徒会の委員長をやっていた時の写真だわ」
「あは、私と犬のマルが写ってるよ。かわいい犬だったね」
「おおっ!タカのピアノの発表会だ。これ小学校の時の写真だっけ?」
「高校よ!悪かったわね。幼く見えて」

217:大掃除 4/5
06/12/31 16:21:25 4NXPCpEt0

「これは!モエの高校卒業記念で川原でやったバーベキューの写真だ。
なんかモエが川に落ちたよね?この時」
「あぅ、アレは瀬芦里姉さんが突き落としたんだよ」
「そうだっけ?ごめんごめん、アハハハハ!」
 アルバムのページをめくりながら皆で思い出にふけっていると、
空也が、気のせいかもしれないけど、寂しそうに笑ってる。
 どうしたのかな?と思っていると、不意に空也が立ち上がって仏間を出て行った。
 空也があんな表情を見せたのは、写真が空也が柊の家を出ていった後の
時期に撮られたものに移ってからだ。
 もしかすると空也、自分がいなかった時間の事を私達が楽しそうに話してるから、
寂しくなっちゃったのかもしれないな。
 ちょっとだけ心配になって、空也に続いて私も廊下に出る。
「くっ、空也」
 仏間から少し離れたところで空也を呼び止める。
「何?どうしたのともねえ?」
「あの・・・・・・その・・・・・・ごっ、ごめんな」
「えっ?」
「私がアルバムなんかみっ、見始めたから、空也に寂しい思いさ、させちゃって」
「・・・・・・何のこと?」
 空也は私の言っていることがよくわからないという風だ。
「えっ?くっ、空也は、私達が空也が柊家にいない時の思い出を、
たっ、楽しそうに話してるから、寂して居たたまれなくなって仏間を出たのかな?
って思ったんだけど・・・・・・」
 私が言い切ると、空也はフフフと軽く笑って
「なんだ、違うよ。俺はトイレに行こうかと思って仏間を出たんだよ」
「あぅ・・・・・・ごめん。いっ、今のは忘れて」
 勘違いしたと気がついて、耳まで真っ赤になるのが感覚で分かる。
「でも、言われて見れば確かに少し寂しいって感じてたかもしれない。
ありがとうね。ともねえ。心配してくれて。俺、トイレ行ってくるから先に戻っててよ」
「うん」
 トイレに向かう空也を見送って、私は自分の部屋に寄ってから仏間に戻った。


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