SS投稿スレッド@エロネギ板 #11at EROG
SS投稿スレッド@エロネギ板 #11 - 暇つぶし2ch400:Active?/Passive?(UMA敗北編)(11/27)
07/01/04 12:04:17 Z+qvXe2/0

「あはぁぁ……っ!!!!」

確かにあの時、俺は女神を見た。
あまりの強烈な快感に、射精していることにすら気づかなかったほどだ。
「んぐ……むぅ……ゅぅま……くぅ……ん」
口内に放たれた灼熱に、涙を湛えながら堪える春姫。
「っぷ……はぁ」
やがて春姫が俺のものから口を離し、嬉しそうに微笑んだ。
「ふふ……雄真くん……いっぱい出たね……」
「ぁ……あぁっ……はぁぁ……」
俺の欲望を唾液と共に掌に吐き出し、満足そうに微笑む春姫。
対する俺は、放心のあまり言葉も出ない。
……もしかして、これも魔法の力なのか?
ちょっと今俺、本気で腰抜けそうになったんだが……ι
「……ねぇ、雄真くん……」
春姫は妖しく微笑むと、俺の目の前に胸を突き出し、見せつけるようにボタンを外し始めた。
「あ……春姫……」
春姫の服がしどけなくはだけてゆく様を、俺は呆然とした面持ちで見つめている。
やがて俺の目の前に、ピンクのブラに覆われた春姫の乳房が顔を見せた。
窮屈な下着に阻まれて、春姫の乳房が苦しそうにふるふると揺れる。
「どう? 雄真くん……雄真くんの好きな、おっぱいだよ……」
「……春姫……」
熱に浮かされたかのように微笑む春姫に、俺も頭の芯がぼーっとしてくる。
「ね、中……見たい? 見たいよね……?」
そう言いながらブラのホックに手をかけ、焦らすように指を動かす春姫。
あまりの期待感に、出したばかりの俺のあそこも情けなく反応を始める。
「ねぇ……雄真くん……見たい……?」
「……見たいに……決まってるだろ……? そんなの……」
念を押すかのように問いかける春姫に、俺はわずかに苛立ちを込め答える。

401:Active?/Passive?(UMA敗北編)(12/27)
07/01/04 12:07:54 Z+qvXe2/0
「うん……じゃあ、見せてあげるね……」
春姫は顔をぽっと紅潮させながら、ブラのホックをぱちんと外した。
束縛を解かれた春姫の乳房が、その重さを主張するかのようにゆさりと揺れ動く。
「あ……」
吸い込まれそうなその綺麗な肌に、俺は思わず息を呑む。
春姫の胸なんて……もう何度も見てきてるはずなのに……
こうやってじれったくはだけられると……何だか……すごく神秘的なものに見えて……
「雄真くん……どう? 私の胸……」
「あぁ……綺麗だ……とても、信じられねぇくらい……」
「フフ。雄真くんに褒めてもらえて、私……すごく嬉しい」
自慢の胸を褒めてもらえたことが、本当に嬉しかったのだろう。
春姫がふわっと、満面の笑みを浮かべる。
「ね? 雄真くん……また、ここで……してあげよっか?」
春姫はおのが胸をゆったり揺らしながら、俺に問いかける。
「え……?」
たった今口でしてもらったばかりなのに……いいのか? 俺……
そう思いながらも、俺の目は春姫の美しい胸を前に釘づけになっていた。
このあたたかな胸に、包んでもらえたら……
思わずそんな邪な思いが、俺の脳裏をよぎるのがわかる。
「……いいのか? 春姫」
「うん……今日は何だか、いっぱいしてあげたい気分だから」
「春姫……」
春姫にここまで可愛く求められたら、俺も断れるわけなどない。
「じゃあ……してもらおうかな。春姫……」
「うん。私……頑張るね」
春姫は頷くと、それまで右手に溜めていた俺の欲望を両の掌にまぶした。
「いっぱい……気持ちよくしてあげるね……雄真くん」
そう言いながら、春姫は手に取ったそれを乳房全体にたっぷりと塗りたくってゆく。

402:Active?/Passive?(UMA敗北編)(13/27)
07/01/04 12:11:38 Z+qvXe2/0
(あ、あれ……?)
思わず俺は、その光景に奇妙な既視感を感じていた。
何かこの光景……どっかで見たことあるような……
……いや。見覚えあって当然だし。
春姫にこうやって胸でしてもらうなんて、1度や2度のことじゃないんだから……
やがて春姫の乳房は、俺の欲望と春姫の唾液でぬるぬるになっていた。
濡れた表皮が、そのやわらかさを強調するかのようにてらてらと妖しく光る。
あのぬるぬるの中で愛でてもらえたら……すごく気持ちがよさそうだ。
「……じゃ、行くよ。雄真くん……」
春姫はゆっくりと胸を近づけ、その谷間に俺のものを正面からそっと挟み込んだ。
ねっとりとした感触と、春姫の胸の豊かな重みが伝わって……とても気持ちいい。
「はぁ……雄真くんの、挟んじゃった……」
「何だかねとねとして……気持ちいいな。春姫の胸」
「ふふ……喜んでもらえて、すごく嬉しい」
春姫は軽く微笑むと、俺のものを手に掴み、粘液にまみれたおのが乳房に擦りつけ始めた。
「はぁ……雄真くんの……すごく……あったかい……」
掌で俺の先端を優しく包みながら、俺のそこをおのが乳房全体に摺りつける春姫。
亀頭に絡む粘液の感触と包み込むような春姫の乳肉が、俺のそこに絶え間ない快楽を与えてゆく。
「……」
だが俺は快感に浸るでもなく、その様に妙な違和感を感じ始めていた。
やっぱり……そうだ……
この光景、俺は……見たことある……
「いっぱい……気持ちよくなって……雄真くん……」
やがて春姫が俺のものを挟んで前後にスライドさせだした時、俺の違和感は頂点に達していた。
いつもなら両手で胸を抱え、俺のを胸でふにふに揉みしだいたりするのに。
わざわざこんないつもと違う動きをしだすなんて、やっぱりおかしい……
(……間違いない……)
この光景を、俺は知ってる。
これと全く同じ光景を、俺はハチと一緒に……

403:Active?/Passive?(UMA敗北編)(14/27)
07/01/04 12:12:56 Z+qvXe2/0
「フフ。気持ちいいでしょ? 雄真くん」
得意げに微笑む春姫に、俺は思わず問いかけていた。
「……春姫……この動き、まさか……」
「うん。その『まさか』だよ」
俺がその事実に気づいたのがよほど嬉しかったのか、春姫がにやにやといやらしい笑みを浮かべる。
「雄真くんったら、あんなわかりやすいところに隠すんだもん。すぐわかっちゃうよ」
(やっぱり……)
俺の疑問は、ようやく確信に変わった。
春姫はさっきから、とあるエロビデオの女の子の真似をしてるのだ。
そう……こないだハチと一緒に見た(正確には「付き合わされた」)あのビデオの。
「ふふ……あの女の子と、同じことしてるんだね……私」
春姫がうっとりと、陶酔に満ちた溜め息をこぼす。
「ねぇ……気持ちいい? 雄真くん……」
「は、春姫……」
「本やビデオで見るより……ずっと……気持ちいいよね? 雄真くん……」
「……ι」
口調こそ穏やかだったけど、目は明らかに笑ってなかった。
たとえエロビデオといえど、俺が自分以外の女の子で気持ちよくなってるのが許せない……
春姫の目は、そんな彼女の女心を何よりも雄弁に物語っていた。
「……春姫ぃ……ι」
だって……仕方ないだろ?
男ってのは、愛情と下半身が別の生き物なんだから……

404:Active?/Passive?(UMA敗北編)(15/27)
07/01/04 12:16:03 Z+qvXe2/0
「んっ、ん……雄真……くん……んっ、ふぅ……っ」
春姫はなおも、両の乳房で俺のものを必死に扱き上げる。
その動きは、さすがにプロ仕込みなだけあって……すごく気持ちがいい。
何より春姫が、あのビデオと同じことを俺にしてくれてると思うだけで……
興奮で、頭が熱くなってゆく。
「んんっ、んっ、ふぅぅ……っ、はぁ……んっ、んん……っ」
春姫の谷間でぬちゃぬちゃと響く、俺の欲望に満ちたそれ。
いつの間にか溢れてきた俺の先走りが谷間に垂れ落ち、更にその滑りをよくしてゆく。
その潤滑に煽られ……俺の先端が、じんじんと熱く響きだすのがわかる。
もう一刻も、我慢できない……!!
「はぁ……春姫……そろそろ、イッて……いいか……!!」
「あ……雄真くん……」
春姫が一瞬、焦燥感にも似た表情を見せる。
だがそんな春姫の気持ちに構っている余裕など、俺にはもうない。
「っく……俺、もう……イク……!!!」
高く宣言し、腰をつんと突き上げる俺。
後は俺の欲望に任せ、その想いを一気にぶちまけるだけだ……
だが。
「ディア・ダ・オル……アムギア!!!!」
コォォォ……
「!!?」
射精は、できなかった。
目前の輝きに合わせ、俺のそこがびくりと虚しい叫びを上げる。
「あ、あれ……? 俺……」
俺、今……確かに……イッたはずなのに……
俺のそこは射精寸前のむず痒さを保ったまま、ひくひくと悲しそうに震えている。
「はぁ、はぁ……よかった……間に合った……」
事態を掴めない俺の前で、春姫が何故か安堵の表情を見せる。

405:Active?/Passive?(UMA敗北編)(16/27)
07/01/04 12:20:44 Z+qvXe2/0
「……はる……ひ……?」
「このまま行ってたら……一番気持ちいいところ、見逃すところだったよ……危ない危ない」
「……まさか……」
俺は改めて、自分のそこを眺めた。
びくびくそびえ立つ俺の根元に、鈍く輝く無彩色の蔦蔓がひとつ。
間違いなく……俺がイク寸前に春姫が唱えた、射精妨害のための魔法だ。
「そんな……春姫……何で……」
半ば涙目になりながら、俺は春姫に問いかけた。
「だって、イッたら……雄真くんのここ……ちっちゃくなっちゃうもん。
 雄真くんのおっきなの……私も、いっぱい楽しみたいから……」
「春姫……」
「ね? 雄真くん……今度は……私が楽しむ番だよ……?」
そう言うと、春姫はまた俺のものを胸で扱き始めた。
「あ……は……ぁうぅぅっ!?」
頭のひっくり返りそうな衝動に、俺は思わず呻く。
そしてまた俺のそこに、2回目の絶頂が訪れようとするのがわかった。
「っぐぅ……っ、俺、また……イク……!!」
気の狂わんばかりの衝動に、俺はまた全身をびくりと震わせる。
……だけど、やっぱり出ない。
俺のそこはしんと静まり返り、特有の腹を締めつけるような衝撃だけ俺に与えてゆく。
「んっ……雄真くん……」
春姫はそんな俺の反応を確かめると、俺のそこをそっと自分の乳首に絡ませてきた。
「んんっ……これ……あつぅい……んぁ、あぁ……っ」
絶頂寸前のその熱が、よほどお気に召したのだろうか。
春姫はぼうっと火照った顔で、膨張する俺のそこを必死におのが乳首に押しつける。
「ぁん……はぁ、あぁ……ぁっ、はぁ、あぅぅ……っ」
俺のそこを先端に押しつけたまま、ぐりぐりと回す春姫。
だらしなく涎を垂らしながら、胸を伝う淫れた熱を楽しんでいるかのようだ。

406:Active?/Passive?(UMA敗北編)(17/27)
07/01/04 12:22:32 Z+qvXe2/0
「っぐ……ぅぅ……っ」
対する俺は切なさの余り、まともに声をあげられないでいた。
……想像してみてほしい。
射精寸前のあの苦しみが、延々と続くさまを。
言葉に表せないが、これはまさに……地獄だ。
このまま出させてもらえないなら……いっそ、全くいじらないでくれとすら思う。
「んん……あ……雄真くん……」
俺の快感が遠のく度、その快感を呼び戻そうと手で乱暴にいじりだす春姫。
そうして俺が再び絶頂に至りそうになるのを確認して……また乳首で、その熱を味わい始める。
「んんぅっ、はぁ、あぁあっ……ぁつぃ……あついよぉ……ゆうま……くぅ……ん」
……春姫が射精を止めさせたのは、これが理由だったのだ。
春姫はきっと、イク直前でぱんぱんに膨れ上がった俺のここが一番好きなのだろう。
だけど普通にやってたら、その一番好きな状態は射精によってあっと言う間に解除されてしまう。
だったらいっそ射精さえ止めてしまえば、延々とその大好きな状態を保持できると……そんなところだ。
「ぅぅ……ぁっ、うぐ……っ」
延々とこの苦しみを味わわされるこちらとしては、正直たまったものじゃない。
どうでもいいから、早く……イッてくれとすら思う。
「あぁ……雄真くん……ふむ、はむぅ……っ」
更に春姫は欲望に任せ、俺の先端部を唇で覆い隠した。
そのままはち切れんばかりになってる俺のそこを、夢中になって貪り食う。
「んむ、むちゅ、ちゅる……っ、はぁ……むぐ、ふむ……っ」
俺をよくするためじゃなく、ただその部分を味わいたいがためだけにされる身勝手なフェラ。
あまりに理不尽なその快楽に……徐々に苛立ちが募ってくる。
どうせ最初から、イカせてくれるつもりなんてないんだろ……?
だったら、中途半端に気持ちよくさせるの……本気で、やめてほしい……

407:Active?/Passive?(UMA敗北編)(18/27)
07/01/04 12:23:53 Z+qvXe2/0
「んむ、ぷはぁ……ぁぁ……雄真くん……」
やがて春姫は名残惜しそうに俺のを口から放すと、再び俺のそこをおのが乳首に押し当て始めた。
雁首のところをそっとくすぐるように、おのが先端で愛撫する春姫。
「はぁぁ……ん……雄真くん……気持ち、いい……いいよぉ……」
俺の快感を保ちながら自身も気持ちよくなれる術を、ようやく思いついたのだろう。
俺の竿を手で軽く扱きながら、乳首でカリの段差や鈴口……俺の弱いところを的確にくすぐってくる。
「ぁあん……はぁ……ぁぁ……ぁっ、あぁっ……はぁぁっ……」
こうすれば自身の先端も程よい刺激を得られて、一石二鳥というところだ。
(っぐ……ったく……)
こういう事にまでその頭の良さを活かさなくったっていいだろ……? 春姫……
「あぁ、あぁぁっ……はぁぁぁっ……私……イク……イッちゃう……ぁぁ……」
春姫は段々と表情を崩し、体全体をひくひく動かし始めた。
気のせいか、俺のをくすぐる乳首の動きもどんどん激しくなってきている気がする。
「あぁあっ、あぁ……はぁぁ……雄真くん……雄真くぅ……ん……!!」
「うぁっ、ぁぁ……春姫……」
俺はそんな春姫の動きに、胸を裂くような切なさを感じていた。
このまま……イッちゃうのか……? 春姫……
このまま……俺を置いて……一人だけ……
「春姫……あぁ……春姫……」
「んぅぅっ、ぅぅっ……あぁ……はぁぁ……」
「お願いだ……春姫……一緒に……イカせてくれ……」
「ぁぁ……雄真くん……」
切なく哀願する俺の声に、春姫がうっすらと虚ろな目を開く。
呆然とした表情で、俺の声がちゃんと届いているかすら定かではない。
「なぁ……頼むよ……春姫……なぁ……」
「雄真……くん……」

408:Active?/Passive?(UMA敗北編)(19/27)
07/01/04 12:27:58 Z+qvXe2/0
春姫は一瞬だけ俺のことを哀れむような表情をし、一言つぶやいた。
「ディ・マーサロス・フェミス……!!」
シュゥゥゥ……
「あ……」
あれだけ俺を苦しめた根元の蔦蔓が、静かにかき消えてゆく……
と同時に、俺のそこにこれまでにない強烈な射精感が沸き起こるのがわかった。
「あぁ……春姫……!!」
ようやく出すことを許された喜びに、俺は瞳を潤ませながら腰を天高く突き上げる。
「雄真……くん……きて……いっしょに……イッて……!!」
「春姫……っぐっ、ぅああぁ……っ!!!!」
俺は快楽に身を任せ、全身をびくりと後ろへ仰け反らせ……
びくっ、びゅくっ……!!!
呻き声と共に、普通の何倍にも濃縮されたかのような精液が春姫の顔を汚すのがわかった。
これまで感じたことのなかった、強い轟き。
今まで出せそうで出させてもらえなかった抑圧が、この強烈な射精を生み出しているのだろう。
「ひゃあああ……っ、ぁっ、ぁぁ……雄真くん……」
春姫はその熱い粘液の感覚すら、おのが快楽に変換しているようだった。
俺の熱い欲望が体に降りかかる度、体をひくひくさせながら快楽に咽ぶ春姫。
「ぁぁ……雄真くん……」
やがて春姫はぼんやりと目を開け、欲望塗れになった俺のものを感慨深げに眺めていた。
「凄いね……雄真くん……こんなに、いっぱい出るんだ……」
「はぁ……春姫……」
頭の芯が、ぼーっと冷たく霞んでくる。
あまりに強烈過ぎた射精の衝撃で、俺は指1本動かすことすらままならない。
つかもう俺……さすがに……限界かも。
春姫の膣内を味わえないまま終わるのは、ちょっと寂しいけど……

409:名無しさん@初回限定
07/01/04 12:29:35 YFfp8aOp0
支援。

410:Active?/Passive?(UMA敗北編)(20
07/01/04 12:29:38 Z+qvXe2/0
「ねぇ……雄真くん……」
「? 今度は何だ……春姫……」
春姫はゆっくり身を起こすと、おのが下着をじわじわと下ろし始めた。
そのまま下着を片足に引っ掛けると、露になったおのがそこを覆うように手を添える。
「雄真くんのをいっぱい浴びてたら……ここ、寂しくなってきちゃった。
 ね? 雄真くん……ここも……雄真くんのでいっぱいにして……」
「は、春姫……ι」
あれだけたくさん出した後でまだ出せとおっしゃいますか、春姫さん……ι
「ね? お願い……雄真くん……」
「……悪ぃ……春姫……少し……休ませてくれないか……?」
てかもうこれ以上したら……俺のあそこ、真剣にヤバイかも……ι
「……」
そんな俺を前に春姫は少しだけつまらなそうな顔をしたが、すぐに何かを思いついたかのように囁いた。
「ね……見て……雄真くん……」
そのまま瞳を閉じ、秘部に当てる指先にそっと気を集中させる春姫。
春姫の指先が、ほわっと柔らかな光に包まれ始める。
「ディ……アムンマルサス」
「!?」
ぽわぁぁ……
春姫の秘部の前に、見覚えのある魔法陣が展開されるのがわかった。
さっき春姫が自分の唇の前に展開したのと同じ回復魔法のフィールド。
「あ……」
その光景に、俺は思わず見惚れていた。
と同時に、しばらく息を吹き返しそうになかった俺のそこが徐々に反応を始める。
「これならきっと……いっぱいできるよ。雄真くん」
「春姫……」
未だ体の疲れは取れないけど。
春姫がこうまでして求めてくれるんだから、期待に応えなきゃ……

411:Active?/Passive?(UMA敗北編)(21/27)
07/01/04 12:31:36 Z+qvXe2/0
「じゃあ……きてくれるか? 春姫……」
「うん……雄真くん……いっぱい、してね……」
春姫は嬉しそうに微笑むと、俺の上にまたがり、おのが秘裂を俺の先端に近づけてきた。
股間の魔法陣が先端に近づくにつれ、まるで引き合うかの如く屹立を始める俺の逸物。
確かにこれなら、1回くらいなら出してやれるかな……?
「あふ……雄真くん……」
俺の先端がそっと、春姫の秘裂に触れる。
割れ目に伝わる俺の熱に春姫は一瞬ぴくりと体を震わせ躊躇したが、
やがてじわじわと俺のものを中に収めだした。
「あぁぁ……雄真くん……熱いの……入って、きてるぅ……」
「気持ちいいか……? 春姫……」
「うん……私のここ……雄真くんので……いっぱい、広がってる……」
膣内を伝う灼熱に、春姫がうっとりと瞳を潤ませる。
春姫はそのまま欲望に合わせ、膣口で俺のものをきゅうきゅう締めつけ始めた。
「ぅぁっ……春姫の中、すげぇ……締まって……」
「んんっ……雄真くんも……ぁっ、いっぱい……気持ちよくなって……んっ、んんっ」
膣内を襲う快感に耐えながら、期待に咽ぶ俺のものを扱き上げる春姫。
さすがに普段から実習とかで鍛えてるだけあって……かなり上等な締まり具合だ。
何より膣壁の襞が程よく先端に絡みついてきて……すごく気持ちがいい。
「んっ、ふぅぅっ、ぁっ、あっ、はぁぁっ……あぁ……」
徐々に速度を高めつつ、一心不乱に腰を振る春姫。
その動きに合わせ、俺の欲望に塗れた春姫の乳房がゆさゆさと激しく揺れる。
「あぁ……春姫……」
俺は思わず、その光景に釘付けになっていた。
いつ見ても思うけど……やっぱり春姫の胸はすごい。
とくにこうやって下から見上げてると……何だか今にも、その豊かな質量に押し潰されちまいそうで……

412:Active?/Passive?(UMA敗北編)(22/27)
07/01/04 12:34:58 Z+qvXe2/0
むにゅっ
「あ……」
俺は耐え切れずに、春姫の乳房を両手でむんずと掴んでいた。
「やだ……雄真くん……胸、触ってる……」
「だ、だって……こんなの見せられたら……俺……」
こんなやわらかな感触知っちゃったら、もう俺……後には引けないっつーか……
俺は溢れんばかりの欲望をぶつけんとばかりに、春姫の胸を乱暴に捏ね上げ始める。
「あぅっ……雄真く……それ、ダメ……ぁっ、やぁっ……」
更にその胸を揉みしだかんとする俺の手を、春姫はやんわりと取り払う。
「だめ……雄真くん……今日は、私がするの……」
「っ……少しくらいいいじゃんかよ……いつもはあんなにいっぱい触らせてくれるくせに……」
「うぅ……だって、そんなにされたら……私……雄真くんにしてあげられなくなっちゃう……」
何とか抗おうとするものの、春姫のかわいらしくも懸命な抵抗になす術もなく沈黙する俺。
「ね……? 雄真くん……今度いっぱい触らせてあげるから……」
「ぅぅ……約束だぞ……? 春姫……」
「うん……だから、今日は……私にさせて? お願い……」
そう言うと、春姫はまたゆっくりと腰を動かし始めた。
(ぅぁ……また、擦れる……)
陰部に再び襲いかかる、甘い快楽。
触ることを禁じられた乳房の動きもあいまって、俺の中にもどかしい感情が湧き上がってくる。
こんなに気持ちよさそうなのに……触らせてもらえないなんて……
被虐心にもよく似た切ない情欲が、俺の心を冷たくかき乱す。
「んふぅぅっ、んぁ、はぁぁっ……いい? 雄真くん……きもち……んっ、いい……?」
「あぁ……すげ、気持ち……いい……」
「うん……私も……気持ち、よく……なって……あっ、はぁぁっ……!!」
春姫は体を仰け反らせ、中を伝う快感に酔いしれ始めた。
膣壁が熱を帯びてきて……すごく居心地がいい。
この灼熱の海の中で逝けたら……どんなに気持ちがいいんだろう……
俺はその快楽を味わわんと、夢中になって腰を押し上げ始めた。

413:Active?/Passive?(UMA敗北編)(23/27)
07/01/04 12:38:16 Z+qvXe2/0
「やぁっ!? 雄真くん……そんな、動いちゃ……ひゃ!? はぅぅっ」
奥底を急に突き上げられる衝撃に、戸惑いの悲鳴を上げる春姫。
俺はその悲鳴さえ快楽の源にして、更に春姫の秘部に腰を打ちつけだした。
「ひゃ、ぁぅ、ふぁ、あぅっ、あぁっ、はぁぁ……」
森一帯に轟きわたる、春姫の悲鳴。
春姫を抱いた証をそこに残さんと、俺はなおも必死に抽送を繰り返す。
「あぁ……春姫……春姫……!!!」
「雄真、くん……ぁはぁっ……お願い……いっぱい、熱いの……かけて……!!!!」
「え……?」
かけて……って、何……?
このまま……中に出させてもらえるんじゃないのか……?
戸惑う俺を後目に、春姫は更に激しく腰を動かし始めた。
「あぁああっ、ゃっ、あはぁあっ……来て……雄真くん……ぁついの、いっぱい……」
俺の子種を吸い出さんと、激しく蠢く春姫の襞。
その蠕動に合わせ、最後の時がぐんぐん近づいてくるのがわかる。
俺は春姫の中で出さんと、狂ったようにそこを奥深くに突き刺し……
「ぅぁあっ……春姫……俺……イク……!!」
「あ……雄真くん……」
なおも春姫を求め、抽送を繰り返す俺だったが。
にゅぽっ
「あ……」
春姫がおもむろに、その部分を中から引き抜いてしまっていた。
突如として虚しくなったその感触に俺は一瞬戸惑うが、時既に遅し……

414:Active?/Passive?(UMA敗北編)(24/27)
07/01/04 12:40:04 Z+qvXe2/0
びゅくっ……
欲望にはち切れたそこから、俺の情欲の塊が春姫の体目がけて放たれるのがわかった。
「あぁっ……あぁ……雄真くん……」
降りかかるその感触に、春姫は慌てて俺のを掴み、自身の体目がけ俺のをしこしこ扱き始める。
びくっ、びゅく、びゅくっ……
絶え間なく吹き出すそれを、恍惚とした表情で全身に浴び続ける春姫。
「あぁ……雄真くんの……まだこんなにいっぱい出てる……嬉しいな……♥」
感極まったと言わんばかりに、春姫が陶酔のため息をつく。
俺はそのまま最後の一滴を出し尽くすまで、春姫の柔肌を純白に汚してゆくのだった。
「はぁっ……ぁぁ……はぁぁ……」
全身を襲う、激しい倦怠感。
息が乱れて……額を流れる汗が、ぞっとするほど冷たく俺のこめかみを撫でる。
……もともとかなり無理して春姫とやってたからなぁ……
息が整うには、まだまだ時間がかかりそうだ。
「ふふ……私の体……雄真くんのでいっぱい……」
春姫は本当に嬉しそうに、体にかかったそれを手に取っていた。
それを全身くまなくまぶしては、うっとりと恍惚の表情を浮かべる春姫。
……さすがにこれだけ出してやれば、春姫も大満足だろうな。
ホント、よく頑張ったよ……今日の俺……
だが。
「ねぇ……雄真くん……」
「え? は、春姫……?」
眼前の光景に、俺は絶句していた。
春姫が何と、何度もイッてぐったりしている俺の愚息を手でいじくっているのだ。

415:名無しさん@初回限定
07/01/04 12:42:34 YFfp8aOp0
支援Last。

416:Active?/Passive?(UMA敗北編)(25/27)
07/01/04 12:42:55 Z+qvXe2/0
「何だ……春姫……まさか……」
まだ何か不満でもあるのか? 春姫……
「ねぇ……私の中……すごく寂しいの……
 ね? 雄真くん……私の中も……雄真くんのでいっぱいにして……」
「ちょ、春姫……」
い、今自分から外に出させたんでしょうが……春姫……ι
てゆーかもういくらいじったって、微塵も反応なんてできやしないって……
俺は反射的に、抵抗の意を示そうとしたが。
「ディ・アムンマルサス」
「あぅぅっ!?」
目がチカチカするような感覚と共に、俺のそこが無理矢理膨張させられていた。
あんまり無理に起こすものだから、痛いばかりで快感など微塵もない。
「これでまたできるよ……ね? お願い……」
「春姫……」
……何度でも飽きずに、俺のことを求めてくる春姫。
ふと俺はその姿に、昔どこかで読んだ魔女の姿を重ね合わせていた。
その魔女は、人間の甘美な夢が何よりもご馳走で……
その妖艶な肢体で男を惑わしては、その甘い欲望を啜って糧にするという。
そして、夢を喰われた男に待ち受けるのは……死。
(春姫……)
普通の感覚なら、身の毛もよだつような恐ろしい話だけど……
こんなかわいい誘惑にだったら……いっそ、どこまででも喜んで堕ちていきたいよな。
「……よぉし、今日はとことんまで付き合ってやるぜ」
「雄真……くん……あ、はぁっ……」
狂おしく俺を求める、春姫の声。
そして俺はそのままどこまでも、その甘い誘惑に溺れてゆくのだった。


417:Active?/Passive?(UMA敗北編)(26/27)
07/01/04 12:45:28 Z+qvXe2/0
「……あれ?」
気がつけば俺は、どこか得体も知れないところに包まれて横たわっていた。
先程まで俺たちがいた、あの校舎裏の森とは違う……
やわらかく沈み込む体の感覚と全身にかぶさる布地の感触から、そこがベッドの中であることは把握できた。
(俺……確か……あの後……)
俺はあの後、もう一度春姫と結ばれたんだっけ。
そしてしばらく春姫の中を楽しんだ後……そこから、記憶に残っていない。
俺、あの後……一体どうなって……
「あ、起きた? 雄真くん」
やがて俺の耳元に、聞き馴染みのある声が響いてきた。
気がつくと、目の前に……その声の主がいる。
「……春姫……」
「雄真くんったら、出した後急に気絶しちゃうんだもん……私、びっくりしちゃった」
「あ……」
それで事態を把握した。
俺はあの後、春姫ともう一度やって……中で一度果てた後、気を失ってしまったのだ。
さすがに4回も立て続けにやれば……気を失っちゃっても無理ないよな。
「……ごめんな春姫。何かすげぇ心配かけちゃったみたいで……」
「うぅん。あんな考えもなしに魔法使っちゃった私にも、責任はあるから」
「春姫……」
申し訳なさそうに苦笑いを浮かべる春姫に、俺も頭をかきつつ言った。
「……今度からもう、あんな賭けはなしだな……
 あんま片方の好きにさせちゃうと、今回みたいなことになっちゃうから」
「そうだね……うん。ごめんね……雄真くん」
「春姫……」
俺は胸いっぱいに満たす思慕の情から、春姫をそっと胸元に抱き寄せ……

418:Active?/Passive?(UMA敗北編)(27/27)
07/01/04 12:49:04 Z+qvXe2/0
むにっ
「!?」
俺は思わず目を見開いていた。
今……俺の体に当たったのって……む……むね?
い、いや、春姫の胸くらいいつも触れてるけどさ……
でもまさか、このいやに生々しい感触は……もしかして、は……はだ……
「ふふ……雄真くん♥」
気がつくと、春姫もまた嬉しそうに腕を回してきた。
片方の腕で俺の体に手を回し……もう片方の手は、俺の愚息をダイレクトに……
つか俺の方も、いつの間にかすっぽんぽんに剥かれちゃってるし!!
「こ、これは一体……」
事態を把握できない俺に、春姫が顔をにやつかせながら懇願してきた。
「いっぱい休憩したから……もう……大丈夫だよね?
 ね……雄真くん……さっきの、続きしよ……」
「はは……春姫……ι」
これから俺は、何度春姫にしてあげれば満足してもらえるんだろう……
俺は乾いた笑いを浮かべつつ、
とりあえず一刻でも早く春姫に勝てるよう頑張らなきゃと決意を新たにするのだった。

<終わり>

419:温泉の人
07/01/04 12:54:14 Z+qvXe2/0
・・・とりあえずこの後もUMAくんが無事生存していることを祈るばかりです・・・;

しかしこれ、考えようによっては
UMAの体にキスしたいがためだけに全身生傷こさえてやってるってことですよね・・・;
春姫・・・恐ろしい子!!(AA略)
皆さんもはるひめさんとお付き合いなさる際は、何卒お気をつけ下さいませw

ともあれ毎度ご支援ありがとうございます。
次回はそろそろ春姫以外で書きたいかな?なんて。
ではまたノシ

420:名無しさん@初回限定
07/01/05 16:42:08 OCQYNJmr0
>>405
>射精妨害のための魔法だ。

なんだそりゃw

421:名無しさん@初回限定
07/01/05 17:23:53 upHTCBjU0
>>405見て「魔法とHのカンケイ」を思い出した俺が通りますよ

422:名無しさん@初回限定
07/01/05 18:16:04 A7tLQEiy0
UMAが勝つより、負けた方が萌える展開だな。淫乱春姫すばらしい。
作者の人、グッジョブだ!

423:温泉の人
07/01/05 23:10:05 fBprBz8Y0
>>420-421
絶対ツッコまれると思ったorz
えぇ、包茎大好きですよ自分。
普段ははぴねす並みにデレデレなのにHの時だけSっ気まんまんな子猫様とか最高じゃないですか!

・・・あんま他作品からのインスパイアは控えた方が無難ですね;

424:名無しさん@初回限定
07/01/06 03:32:21 pYCkR9IYO
GJですよー!

UMAがたーくんになってるw
しかし春姫はエロが似合いますなwF91は伊達じゃないw

425:名無しさん@初回限定
07/01/06 09:49:07 fpQo7YmG0
GJ!!
次の作品に期待

426:名無しさん@初回限定
07/01/06 13:07:54 1Bjixkcd0
かにしのwktk

427:名無しさん@初回限定
07/01/07 10:29:12 0ILZO4Vb0
すみすみのアフターSSwktk

428:名無しさん@初回限定
07/01/07 10:48:19 i/I2Rs8d0
私は23歳で結婚してます。旦那の稼ぐお金では支払いなどがあり、
生活費もギリ②でお金なくて、でもチビいるから働きたくないしで、
…血迷ってスタビでカキコしてた37歳にメール。
どっちにしろ\になります。
用事をとりつけて、三日後にあう。
旦那しかしらない自分にいわゆるカルチャーショック…とゆうか
気持よすぎた、、
旦那とのエチーゎいわゆる旦那の一方的な、漏れをつかった性欲処理、でも、彼は流石遊んでるだけあって、巧いとゆぅか…はまりました。
でも口に出してはいえない。
昨日はチビ連れて


429:『甘くない』の者です
07/01/09 23:06:51 y+rcXKgI0
 投稿乙です。
 ……どの選択肢にしろ結局春姫の思惑通り、ということですね(笑)。
 これじゃあ雄真、浮気する体力も気力も無いだろうなあ。

430:名無しさん@初回限定
07/01/10 08:09:30 nvQ58Vrc0
すみすみのアフターSSwktk


431:名無しさん@初回限定
07/01/10 14:39:31 /pfakHTk0
>428が、すみすみのアフターSSかと思って泣いた俺。


432:名無しさん@初回限定
07/01/14 10:40:40 Y19BkQ2k0
すみすみのアフターSSwktk

433:名無しさん@初回限定
07/01/15 18:33:54 yr2GDCZP0
>430-432 『甘くない』の人のHPを見るといいかも?

434:名無しさん@初回限定
07/01/16 01:05:30 5ncipcLf0
かにしのの人気に嫉妬

435:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 12:46:00 npBUwv6i0
 ―と言う訳で、失われた野生を取り戻すべく、司は行動を開始した。
 ジャージ姿で大きなリュックを背負い、やる気満々である。

「わう! わうわう!」

 突然、ハッハッハッハッと何かが司の足元にじゃれついてきた。
 中々愛らしい仔犬だ。

「おおっ! ゴンザレスじゃないか!」

「きゅう~!」

 ゴンザレス(本名ダンテ)は司に遊んで欲しいのか、盛んに尻尾を振る。

「なら、お前も一緒に野生を取り戻しに行くか?」

「ワン!」

 ダンテが仲間に加わった!


「あっ、先生~! 何をやってるんですか~?」

「わ~、また何か面白いこと始めたんですね~?」

「内緒にしますから、混ぜて下さいよ~」

 山に入ろうとした司を生徒達が見つけ、たちまち取り囲まれる。

436:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 12:47:16 npBUwv6i0
 司がこの分校に来て、早一年近く。
 彼の『奇行』はすでに分校中に知れ渡っていた。
 ……その奇行がとても面白く、楽しいものである、という認識と共に。
 それ故、司の『奇行』は一種のレクリエーションと化しているのだ。

「ふっ、少女達よ」

 が、司はダンテを抱き上げ、首を振った。
 いつもの司ならば、ホイホイと仲間に入れていただろう。
 が、今回の司は一味違う。何故ならタイガー司だから。

「残念ながら、今回行うのは漢のみが立ち入ることを許された神聖な儀式だ。
 だから僕と……」

「ワン!」

「……ゴンザレスしか、参加することは許されない」

 男の中の男、漢しか参加することが許されないのだ、と司。

「あ~、今回はそういうノリなんですね~」

「残念だけど、しょうがないね~」

「次は混ぜてくださいよ~」

 司の言葉を聞くと、残念そうながらも生徒達はあっさりと退いた。
 流石御嬢様だけあり、皆実に聞き分けが良い。
(無論、例外は存在する。 ……悲しいかな、全員司の関係者だったりする)

437:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 12:51:06 npBUwv6i0
「悪いなあ。次は誘うよ」

「きっとですよ~」

 生徒達は思い思いに去っていった。
 それを見送った後、司はダンテの頭をポンと叩く。

「よしっ、行くぞ! ゴンザレス!」

「ワン!」

 一人と一匹の特訓が始まった。


――分校敷地内、某山。

 白い~○ットの~ジャ~ングルに~~♪

 殿子がいつもの様に山中を歩いていると、何やら歌が聞こえてくる。
 それ程大きくはなかったが、この静かに山中では実に良く聞こえる。

「?」

 不思議に思った殿子は、その音のする方に自然と足をむけた。
 ……まあ、心当たりは一つしかなかったが。

 ゆけ、ゆけ、タイガー(タイガー)、タイガー『ツカサ!』『ワン!』♪

 想像通り、そこには司がいた。
 彼はボールでダンテと遊んでいる。
(音の正体はラジカセだった)

438:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:00:45 npBUwv6i0
「司、何してるの?」

 司の背後には、テントまで張ってある。
 ダンテと遊んでいるのはわかるが、それにしては大掛かり過ぎた。

「ああ殿子か、今特訓をやっているんだ」

「特訓? ダンテの?」

「いや、僕の」

「……司の?」

 殿子は首をかしげる。
 先程からボールを投げて、それをダンテに取ってこさせているだけだ。
 ……どう考えてもダンテしか鍛えられていない。

「そうだ。ここは地獄の修行場『虎の穴』、そして僕等はそこに訪れた挑戦者」

「『特訓』『地獄の修行場』『挑戦者』……」

 一瞬、『そういう遊びかな』とも考えたが、司の目を見て本気だと気付き、ますます殿子は首をかしげた。

 まず司の言う『地獄の修行場』は、キャンプには格好の実に景色の良い場所だった。
 『特訓』も、どう見てもダンテと遊んでいる様にしか見えない。
 ……だから、殿子は正直に言った。

「司、遊んでいる様にしか見えない」

439:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:03:39 npBUwv6i0
「何を言う! これ、結構な重労働なんだぞ!?」

 既に一時間、結構辛い。

「司、体力無さ過ぎ」

「くっ、そんなこと無いぞ! さあっ、ゴンザレス! どこからでもかかってこい!」

 見てろとばかりに司は、『ヘイ、カモン』とプロレスばりにダンテを挑発する。

「きゅう?」

 ……が、言っている意味が分からないのか、ダンテは軽く小首を傾げるだけだ。

「さあ、来い!」

「わう! わうわう!」

 司が両手を広げると、ようやく理解(多分)したダンテは司に飛び掛り、じゃれついてきた。

「ははは! いくぞ、ゴンザレス!」

「きゅう~!」

 一人と一匹はじゃれ合う様に縺れ合う。
 ……司にとってはあくまで特訓であったが、ダンテにとっては完全な遊びでしかなかった。

「はあ……」

440:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:05:16 npBUwv6i0
 そんな一人と一匹のすれ違いを見て、殿子は大きな溜息を一つ吐いた。

 …………
 …………
 …………

「ちょ、ちょっと待ってくれゴンザレス、ストップ、ストップ」

 30分後も経つと、体力ゲージが黄信号を発しだしたため、司は慌ててダンテを止めた。
 
「きゅう~」

 早くも降参の司に、ダンテが不満の鳴き声を漏らす。
 ダンテにとってはまだまだこれからなのだ。ここで終わられては堪らない。

「わうわう!」

 しっかりしろ、とでも言うように吼える。

「司、本当に体力無い」

 殿子も呆れ顔だ。
 ……もしかしたら、自分よりも体力が無いのではないだろうか?

「仕方が無いだろ? 僕は頭脳労働者なんだから」

「でも、みやびと戦う時はもっと頑張ってるよ?」

「……命がかかってるからな」

441:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:10:57 npBUwv6i0
 遠い目をして司は答える。
 と言うか、みやびは自分が満足するまで攻撃を止めないため、嫌でも戦い続けなければならないのだ。

「命を賭けたく無いのなら、みやびを怒らせなければ良いのに」

「そうは言うがな、理事長はニトロ並の瞬間発火装置だ。だから何かあると直ぐに襲い掛かってくるんだよ」

「……それは、司が余計なことを言うからだよ」

「そうかな?」

「そう」

「う~む、自覚無いなあ……あ、有難う」

 会話しながらも殿子の手はテキパキと動き、出来たコーヒーを司に渡す。

「で、司は何の特訓をしていたの?
 またみやびと対戦するために特訓?」

「ああ、野生を取り戻すための特訓だよ」

「ダンテを?」

「違う、ダンテはあくまで助手。主役は僕だ」

「野生? 司が?」

 赴任してから今までの司を思い出す。

442:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:12:59 npBUwv6i0
 赴任早々迷子になった司。
 敷地内を探検中に何度も道に迷い、その度にシクシクと泣いていた司。
 溺れる司、流されていく司―

 ……浮かぶ光景は、どれも野生には程遠かった。

「……本気?」

「もちろん! 僕は何時だって本気さ!」

「はあ……」

 殿子は大きな溜息を吐いた。
(司と仲良くなってから出来た癖で、主に司との会話中に起こる)

 そうだった。司は何時だって本気だ。
 けど、このまま放って置いたら、多分、絶対夢見が悪くなりそうだった。
 殿子の脳裏に、シクシクと泣いている司の姿が未来視の如く過ぎさる。
 ……いや、別に未来視でなくても、今までの経験から充分予測できることだったが。

 正直、見てて放っておけない。
 だから殿子は迷わず言った。

「じゃあ、私も手伝う」

 殿子から見て、司は『世話の焼ける兄』の様な存在だ。
 自分のことを理解してくれるが、あまり頼りにはならない、けど誠実な……

 ―もし自分に兄がいたら、こんな感じだったら良いな。

443:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:14:41 npBUwv6i0
 そう思えるほどの。
 偉くなくったって良い、情けなくても別に構わないのだ。
 ただ誠実で、他人を解ろうとする人であれば、それだけで殿子には充分だった。
 ……まあ実際は、兄というより『大きな弟』の様にしか思えなかったが。

 だから、殿子にとって司を助けるのは当然の選択だった。

「駄目だ! この修行は女人禁制、漢のみの特訓なんだ!」

 が、冒頭で断った生徒達同様、司は殿子に対しても頑として譲ろうとはしない。
 どうやら余程、今回の決意は固いらしい。

「男のみ?」

 殿子はそれを聞いて首をかしげる。

「男じゃなくて漢、男の中の男のことさ」

「……でも司、ダンテは女の子だよ?」

「な、なんだって!?」

 司は驚き、ダンテを見た。
 そしてダンテを抱き上げ、まじまじと見る。

「……無い」

「司、下品」

444:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:17:48 npBUwv6i0
「裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったな! あの女と同じに、僕を裏切ったんだ!」

 司はダンテを指差し、弾劾した。
 ……どうやらこのSS中では、例のトラウマもギャグのネタに出来るほど回復しているらしい。

「きゅう~?」

 ぺろっ。

 そんな司をダンテは不思議そうに眺めていたが、何を考えたのか突きつけられた指を一舐め。
 ……それだけで、司の顔がふにゃっとなる。

「あー、可愛いなあ! お前は魔性の女だ!!」

「きゅうー!」

「……はあ」

 司がダンテを抱き抱えてゴロゴロ転がるのを見て、殿子は何度目になるかわからない溜息を吐いた。

 ……本当に世話の焼ける『兄』だ。兄、と言うよりも弟と言った方が良いかもしれない。

 が、放ってはおけなかった。
 この『弟のような、世話の焼ける兄』の面倒を見るのは、『妹』として当然のことなのだから。

445:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編1
07/01/16 13:23:44 npBUwv6i0
 無論、殿子はこの情けない面だけが司の全て、だとは思ってはいなかった。
 人には様々な面がある。きっと司にも、自分には見せない別の面があるのだろう。
 ……でなければ、みやびや仁礼が、ましてや相沢があそこまで慕う筈が無い。

 が、殿子は別にそれを知りたいとは思わなかった。
 司は自分の『世話の焼ける兄』、それで充分だ。それ以上は何も望まない。
 
 それだけでも、自分には充分過ぎる程なのだから。







SS投稿終了。



446:名無しさん@初回限定
07/01/16 16:53:50 mKpsmmQ70
すみすみのアフターSSwktk


447:名無しさん@初回限定
07/01/16 20:39:38 HptHH7dE0
殿子かわいいよ殿子。GJ!


しかし、
>>427
>>430
>>432
>>446
必死すぎワロタwww

448:名無しさん@初回限定
07/01/17 16:47:00 BB6cNxm30
>>446
そんだけ読みたいんだよ。








すみすみのアフターSSwktk




449:名無しさん@初回限定
07/01/18 06:00:35 CEisuR6Z0
殿子かわいいよ殿子おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ああ直ぐにでも襲ってしまいたい。



リーダさん、鏡花、イェンSSwktk






450:名無しさん@初回限定
07/01/18 16:47:38 t7BzDqll0
すみすみのアフターSSwktk

451:名無しさん@初回限定
07/01/18 23:58:07 t7BzDqll0
すみすみのアフターSSwktk

452:名無しさん@初回限定
07/01/19 08:16:36 nAaKil6P0
正直、すみすみのSSならアフターよりもするすみルート改みたいなのを期待したい
なんつーか、全部終わらせたら正直微妙にアレな気分になるルートだし

453:名無しさん@初回限定
07/01/20 00:07:14 sAdGtnR20
すみすみは一番最初にクリアして回想の埋まり方とか吹いた訳だが、色々な意味で一番最初で良かった。
攻略順によっては後味悪かったりネタバレしたりと酷い目に会う所だったが、
すみすみ→みさきち→殿子→しのしの→邑那→みやびー
の順でクリアした俺は勝ち組。

454:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」
07/01/21 10:25:03 BhJDHAxs0
司は最近物足りなさを感じていた。
栖香はかわいい、Hのときも淫語を言わせたりとしてそれなりに興奮し燃えるのだが
安いアパートの部屋ではどうしても栖香はとなりに意識がいって以前の様なことにさせにくくなっていた
(まあそこで大声上げさせるのはそれはそれで燃えるのだが・・・)
 ある意味行為がマンネリ化しつつあるなと自覚があった。
そこで司はふと思った。そう言えばラブホではやったこと無かったな・・・・・
ここで司はある企みが思いついた、資金は予備校の給料が入ったばかりなのでいけそうだった。
今度の休みの日に合う約束があったのでその日に実行することにした。
そしてネットで情報収集してるとあるラブホのHPを見た『冒険者の宿』

・・・・・コレダ!!・・・司はそのHPをむさぼる様に読み計画を練っていった

計画当日、昼に駅で待ち合わせ食事のあと店を回って栖香はてっきりそのあといつもの様にアパートに向かうものとばかり思っていたが・・
栖香「司さん?アパートにいかないんですか??」
方向は司のアパートの方向ではなく怪しいネオンの看板が多くなってるエリアにさしかかっていた
司「今日は久々に気分をかえてみない?」と笑顔で・・
栖香「それはいいのですけど・・・だいじょうぶなんですか??」と表情が曇る
司「たまにはいいだろ?それにアパートだと栖香も隣に気がいってHに集中できないだろうし・・」
栖香「なっ!!・・・・(赤面)司さん・・・・いじわるです・・・」

そしてく少し顔を赤く染めた栖香とうれしそうな司は目的地の、『冒険者の宿』についた。
時間はまだ夕方ではあったが司は迷わず栖香の手を引き入り口にはいっていった
栖香はこう言う施設があることは最近になってようやく知ったが内心動揺は隠しきれなかった。
フロントで鍵をもらって1室にはいると そこは鏡バリの天井と大きなべッド、曇りガラスの壁があってその向こうはどうやら浴室のようだ・・・
栖香「うわあ・・・・・」
中の様子を見て思わず声を出す栖香そして司は入り口を閉め、栖香の背後から抱きしめいつものようにキスをした・・・
栖香「つ、司さん!しゃ、シャワーを浴びさせて・・・ください・・・」と熱っぽく訴えた
司「じゃあ一緒に入ろうか??」





455:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」2
07/01/21 10:56:22 BhJDHAxs0
栖香「は、はい・・・・」消え入るような声で答えた栖香
司は早速服を脱ぎ浴室でお湯を張りその背後では栖香は司に背を向け服を脱ぎつつあった
何度も体を重ねてはいるはこういう恥じらいを忘れない栖香はとてもかわいく、男心をくすぐった
浴槽は広くアパートの風呂とは違い脚が伸ばせるほど広く、洗い場にはエアマット、ボデイソープやいすがあるが広い
浴室それだけでも司のアパートの部屋ほどあった。しばらくしてタオルで前を隠した栖香が入ってきた
栖香「広いですねえ・・・でもなんだか恥ずかしいです・・」
司「とりあえず入らない?」
2人はシャワーを軽く浴びたあと一緒にお風呂に入った司が下でその上に栖香が座るようなかたちになったがそれでもせまいと感じなかった
司「ふ~たまにはこういうのもいいだろ??」
栖香「そうですね・・・」
といったとたんに司は栖香の首筋にキスと同時に胸と股間をまさぐり始めた・・・
栖香「ちょ・・・つ、司さん!」
司「いいから・・・そのまま・・」
栖香「もう・・・司さんのえっち・・・・」
うなじからは栖香の甘い香りが、胸の先は徐々に固くなり始め股間の手は動き始めると栖香の太股がキュッとはさみ込み動きを阻止する。
司「そんなに緊張しないで・・・」
栖香「ここじゃなくてベッドで・・・それに体を洗わないと・・・・」
司「いいから任せて・・」
司は首筋、耳とキスをし下を這わせ耳たぶをしゃぶり刺激する、そのたびに栖香はピクピクと反応を返す
ときおり胸をもんでる指が乳首をこねくると思わず嬌声が出てしまう
栖香「こ・ここではだめ・・」といったあと栖香は右手で司のナニをぎゅっと握った
司「ってて・・・判った、じゃあ洗いっこしようか?」
栖香「はい・・・(にこっ)」
浴槽から出た後栖香は司の背中を流した
栖香「司さんのせなかって大きいです・・・」
司「そう??」
栖香「はい・・」
そして一通り流し終えたあと司は
司「今度は栖香の番だな」といって背中からスポンジでやさしくなで始めた




456:名無しさん@初回限定
07/01/21 11:05:20 QWAW9NJb0
支援

457:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」3
07/01/21 13:38:40 BhJDHAxs0
栖香「司さん・・・・・・気持ちいいです・・・」
栖香は陶然とした声で答えた。
司は首から肩、背中、腰と洗っていってそして栖香の開発されたお尻に標的が・・・・
栖香「つ、つかささん!!」
栖香は声が裏返っていた
司「やっぱここもきれいにしておかないとね~♪」
栖香「そこはもう家できれいにしてあります!!」と思わず叫んだあと「あっ・・・・」といったあとポンと音がするほど顔が赤くなつた。
司 「まあまあ」といいながら泡だらけの指はすでに栖香のお尻の穴の周辺を撫で回し、人差し指が進入しようとしていた
栖香「指が入る~~」
いつものなれた指での愛撫に声が熱を帯びる、
指を1本入れた後椅子に座らせた状態ではやりにくいのでエアマットにうつぶせにし、腰をあげさえた
しばらくして指が2本増えると泡だけでなく腸液のぬめりも手伝ってにゅちゅにゅちゅと音が浴室に反響する
司「なんだかいつもより音が凄いね」
栖香「そ・そんなこと・・・」と消え入る様に答える栖香
そして司は「もう一本入るかな・・」とつぶやいたあと人差し指と中指薬指を束ねてお尻へと進入を開始した
栖香「やっ・・き・きつい・・・・」といったもののいつもの様に深呼吸を繰り返し徐々に飲み込み始める
最初は第一間接までだったが司が手首をひねる様にこじ開けていくと徐々に深く進入するようになり、最後には根元まで飲み込めるようになっていた
司「すごいね、根元まで入ったよ、それに・・・」
といいつつ人差し指と中指薬指を立て一列にしてこね回し
司「すっかり広がったね」とつぶやいた。
そのとき栖香はすでに息絶え絶えになっていた、軽く何度かいっていたのかもしれない、全身が汗でぬめぬめと光り時折お尻と藻もがピクピクと痙攣し
「はあっはあっ」という荒い呼吸音だけが聞こえていた。
司「もう我慢できない、」といってすでに先走りの露をこぼしていた男根を栖香のお尻にあてがい一気に貫いた。
栖香はその衝撃に目をむき嬌声を上げた、十分になれた行為ではあったが指三本で散々にこねくり回された挙句の荒荒しい挿入に栖香は一気に燃えあがっていった
栖香「つ、つかささん、きつい・・・きついのぉぉ」
司「だけどそれがいいんだろ?この変態!!」
栖香「はい!でもつかささんだから・・・つかささんだからいいの!!」


458:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」4
07/01/21 14:15:24 BhJDHAxs0
栖香はいつものように司の漢心を刺激する言葉を叫びつつ頂点へと暴走する。
腰は司に突かれるたびに左右にうねり、快楽をむさぼる
司は司で時には浅く時には深く時には子宮の裏側を刺激する、
栖香は全身が朱に染まり、前からは愛液があふれ司の入ってる肛門もすでにボデイソープの泡はなくなり腸液が「グシュグシュ」と音を立ててあふれてきていた

そして栖香が息を「ヒッ!ヒッ~!!」と切らせ始めそろそろ司も限界が見えてきた・・・
司 「栖香!そろそろ出るぞ!!」
栖香「お願いです早くいってください!!もう何度も来てるんです・・つらいんです」
とすでに半泣き状態だった。
そして司は最後にこれでもかというほどの突き込みを入れてきた
栖香はすでに目から涙があふれ「ダメェ!!もうだめぇ!!」と叫び
そして司の「いくぞ!たっぷりいくぞ!!」といってたっぷりの白濁液を栖香の腸内へ注ぎ込んだ
栖香はその熱いほとばしりを腸内で感じつつ意識が徐々に薄れていった・・

司は栖香から抜きだしたあと栖香を見た。うつぶせの状態で顔は左に向き目は半分あいてるものの焦点はあっておらず全身は汗まみれ肌は上気していておしりと太股はときおり痙攣し
お尻の穴からは注ぎ込んだ白濁が「こぽっ」とあふれていた。
心配になった司は栖香を抱き起こし軽くほほをぺしぺしとたたいて「栖香!!栖香!!」と呼んだしばらくしてようやく栖香の意識が戻ってきたのか
「つ、かささん??」と声をようやく出した後顔が真っ赤になって生きそして恥ずかしそうに目をそらした。

そのあとは体の汗と白濁液を洗い流してベッドへと移るのだが栖香は半分グロッキー状態だった
しかしこれは司の計画のまだほんの1部でしかなかった。
ベッドでタオル一枚の姿で司のわきに寄り添う栖香は複雑な表情を見せていた
うれしい反面あれほど乱暴にされてしまったのに感じてしまったこととが複雑に心に渦巻いていた
栖香「司さん今日はなんか怖かったです・・・」
司「でも悪くは無かったんじゃないか??」
栖香「・・・・・・」
司「でも夜はまだまだこれからだよ(ニヤリ)」
栖香「え‘っ(ギクッな、なんか悪い予感が・・)」
司「それ♪ 」
司はいきなり栖香の唇を奪い舌を侵入させ栖香の舌に絡ませてきた・・・

459:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」5
07/01/21 14:44:29 BhJDHAxs0
栖香も突然で驚きはしたがキスはきらいではなかったのでそのまま受け入れ激しくキスをした
司はタオルを剥ぎ取り胸と股間を愛撫していく、すでに浴室での1戦ですでにからだの準備はできていたので少しの刺激でも反応は早い
すぐさま潤ってきた。
栖香はすでに相当消耗していたが司は何故か元気だったそれはこの「冒険者の宿」というラブホで栖香をとことんまで追い込んでみようという黒い野望があったためだ
そうこの「冒険者の宿」とは恋人達がもう1ランク上の性的な冒険をするための設備、アイテムを取り揃えたラブホだったのだ
栖香はそんな所とはまったく知らず司のキスと愛撫にに翻弄されていた。そして・・・
司は対面座位で栖香を貫いた
栖香「あっ!!ふ、ふかい・・奥まできてる」
と叫んだあと再び司に唇を奪われる
そして司はベッドのスイッチに手を伸ばし・・・
栖香「えっ?うそ!!」
ベッドが振動し、腰が緩やかにバウンドし司のが奥をノックし始めた
司「どう?アパートではとても味わえないでしょ?」
栖香「いや・・奥がコツンコツンてあたる~」
司は振動を利用しつつ突き上げたりこね回したりして栖香はそれにあわせる様にいやらしく腰を使ってきた
栖香「あっ!あん!これすごいよう・・おかしくなっちゃうおかしくなるう~」
司「まだまだこれからだよ(ニヤリ)」
 「これ難だか判る?」
と司は栖香の目の前にピンク色の棒状のものを見せたそれは長さ20CM以上はあろうかといういうバイブだった
栖香「な・・それをどうするんですか??」
司「こうするの♪」
司はそれを栖香の肛門にあてがうと一気にねじり込んだ
栖香「い・イヤッ怖いいやあ~」
栖香は慄いた前には司の男根で子宮口をこね回され、薄皮隔てて肛門には長大なバイブが挿入されてしまい
栖香は混乱していた
栖香「うそ・・・私の中に2本も・・・・いやあこすれる・・・こすれてる・・・」
司「そうこれでめでたく2本差しだね・・でもまだまだこれからなんだ♪」
栖香「えっ??」




460:かにしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」6
07/01/21 15:23:47 BhJDHAxs0
司 「スイッチ・オン レッツダンス♪」
栖香「い・いやああああああお尻で・・お尻で動いてるぅ」
司は肛門に挿入したバイブを弱振動で動かし始めたそれに伴って栖香はバイブの振動から逃れようと激しく腰を動かすが
司がバイブの根元を固定したことによって力の逃げ場を失っていたまた前を司の男根に埋められてるために逃れようと動かしても逃れきれなかった
栖香は今まであげたことの無いような獣じみたヨがり声を上げつつバイブの振動から逃れる様に腰をめちゃくちゃに振っていた。
栖香「うう。おしり・・・お○んこ いい・・溶けちゃう」
司も肛門の刺激で栖香の前は今までにないほどの締め付けをしていたおまけに肛門側のバイブに振動がさらに司を追い込んでいく
そしてとうとう司に限界が訪れる
司「栖香もう出る!出るぞ!!」
栖香「あん、もう許して!感じすぎて怖いのお~」
司「出る!」
その直後司は思いきり栖香を抱き寄せ腰をこれでもかというほど膣内に押し込んだ
それは子宮口を直撃してそこから1回戦に勝るとも劣らない量の精液を噴射した
栖香はなかにあふれる精液の感触を感じて一瞬意識を失ったが再び肛門のバイブによって覚醒させられた
司もいったものの栖香の肛門の刺激によって栖香の括約筋の収縮が止まらずそれによって男根の根元がしぼられ、なえることが無かった
そのまま延長戦に突入し大尉を入れ替え後背位で一回、側位で一回いって終わった
最後の側位ではすっかり力が抜けてしまった栖香は反応が鈍くなっていて司がいった後バイブを抜いたときに失禁してしまった。

しばらく休んだもののアレほどの激しいSEXをしたおかげで栖香は足腰が立たなくなってしまっていた。
やむなくおんぶしてアパートまで帰ることになった
栖香「う~~~~~司さん酷いです~~~まだ腰が痛いです・・・おしりもジンジンする・・・」
栖香は涙目で腰をさすり司を非難した
司 「いや~でも気持ち良かったでしょ??」
栖香「 うっ・・・でも・・・」
司 「でもこれで益々栖香と深い仲になれたんだと思うとうれしいな(にこっ)」
栖香「 ・・・司さんずるいです・・そんないいかたされたら怒るに怒れないじゃあないですか~」

461:にしの栖香アフターSS「はじめてのラブホ」7
07/01/21 15:29:46 BhJDHAxs0
栖香は心の中で思った「こんなになるまでやっちゃったのはじめて・・・次にはどんなことされちゃうんだろう・・・」
そう思うと再びお尻とあそこがうずいてくるのだった、そしてそれをごまかすべくぎゅっと体を司に押しつけ密着させる栖香だった
司は司で背中に栖香の胸のふくらみを感じつつ「次はどうしてやろうか」と次のラブホでの「性的な冒険』におもいをはせるのだった。

おわっとくw


462:名無しさん@初回限定
07/01/21 22:52:34 ZkwTr23C0
> 司 「スイッチ・オン レッツダンス♪」
アホすぎて吹いたw

463:名無しさん@初回限定
07/01/21 23:15:37 9AsBnq070
『野生を取り戻せっ!』確かに面白いのだが、
梓乃ルートで飼い主である梓乃は思いっきりダンテを『彼』と呼んでいるぞ。

464:『甘くない』の者です
07/01/22 08:32:41 Nn2HCp110
 投稿乙です。

 447様、有難うございます。

>>463
>ダンテ
 ありゃ、そうだってのですか……気付かなかったよ……



465:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:33:43 Nn2HCp110
「えー、では授業終了前の10分間を使って小テストを行います。
 あ、小テストは授業終了後、代表者が集めて僕の机の上に置いておいて下さい。ではっ!!」

 言うが早いか、司は教室を後にする。

「あっ、また!?」
「先生、最後までちゃんとやって下さい!」

 一部の生徒からブーイングが出るが、気にしない。
 放課後捕まらない様、距離を稼がねばならないからだ。

「センセ、授業放棄だっ!」
「お前もなー!」

 が、その行く手を美綺が塞ぐ。
 わざわざ授業をサボってまでして、司を捕まえようと待ち構えていたのだろう。実にご苦労なことだ。

「罰だ、あとで授業内容をレポートに十枚以上書いて持ってこい! もちろん手書きだぞ!」
「センセ横暴! 誰のせいでサボったと思ってるんだあ!?」
「はて?」
「そこで首捻るなっ!」

 美綺は叫びつつも、今回のセンセは一味違う、と思わざるえなかった。
 何故だか知らないが、今回の司はマジである。
 ……いや、何時も手を抜いている、と言う訳では無い。何時だって司は本気の人だ。
 が、今回は本気の本気、本気にスーパーチャージャーがかかっているような状態だった。

466:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:34:54 Nn2HCp110
 ―う…… ちょっとカッコイイかも。

 ……他人が聞いたら首を捻りそうな評価ではあるが、美綺には格好良く見えるのだから仕方が無い。
 所詮は惚れたものの負け、痘痕も笑窪ということなのだ。

「授業をサボるなんて悪い子だ! 先生は悲しいぞ!」
「ええいっ! この腕章が目に入らぬかあ!」
「げっ! それは『みやび印の腕章』!?」

 『みやび印の腕章』とは、理事長公認で授業を欠席することを許された者のみが付けることを許される腕章である。
 通常は……というか常識から考えて、公欠とか病欠の際に使われるものなのだが……

「理事長! 職権乱用ですよ!」

 しかしどうりで今回、みやびと栖香が大人しく引き下がったわけである。
 おそらく油断を誘う為だったのだろう。

「センセが言うな!」
「くっ! 教室に理事長と仁礼、外に相沢という二段構えの作戦か! ……ん?」

 ならば、同じく欠席した上原も……

「先生、御願いですから止まって下さいっ!」
「やはり!」
「かなっぺ、ナイスタイミング!」
「うう、なんでなんで私まで……」

 半ベソをかきながらも、奏は両手を広げて立ち塞がる。

467:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:44:00 Nn2HCp110
「なら!」
「え?」

 司は奏の直前で急に曲がり、近くの部屋へと飛び込んだ。

「よっし! これでセンセは袋の鼠! かなっぺ、ゴー!」
「絶対絶対、無理! 無理だよ!」

 美綺がけしかけるも、奏は断固拒否だ。
 ……何故ならば、司が逃げ込んだのは『男子トイレ』だからだ。

「もー、しょうがないなあ……って、かなっぺ何を!?」
「駄目、駄目だよみさきち! 女の子として、それだけはっ!」

 男子トイレに突入しようとする美綺を、奏が必死で止める。

「いいじゃん、誰も見てないんだからさあ!」
「そういう問題じゃない、問題じゃないよ!」

「上原、さんきゅ!」

 そんなことをやってる間に、司が隙を見て逃げ出す。

「あ―っ!!」
「は、は、は、また会おう明智君!」
「センセの薄情者―!」



「最近、お前はご機嫌ね?」

468:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:45:21 Nn2HCp110
 梓乃はダンテの頭を優しく撫でてやる。
 最近、ダンテはとてもご機嫌だ。それに心なしか、少し逞しくなった様にも見える。

「大好きな司に、毎日一杯遊んで貰っているからね」
「先生に?」
「うん」
「みやびさん達を放っておいて、先生はそんなことをなさっていたのですか?」
「……ダンテの半分でも、構ってあげれば良いんだけどね」

 はあ、と殿子は溜息を吐く。
 ダンテのご機嫌ぶりと反比例し、みやび達の機嫌は大幅下落中、連日最安値更新中だ。
 みやびなど、何故かここ最近午後はお腹をクーク-鳴らしながら突っ伏している。
 が、今回ばかりは司も強硬だった。
 授業中は一切の私的な質問を許さないし、授業終了10分前には小テストを渡して逃げてしまう。
 ……教師としてそれはどうだろう、とも思うが。

「本当、強情なんだから」
「でも、殿子ちゃんは止めないのですよね?」
「私は司の味方だからね」

 妹は兄を庇うもの、と殿子は胸を張って答えた。

「まあ」

 そんな殿子を見て、梓乃はくすくすと笑う。
 始めは殿子の変貌振りに慌てた梓乃ではあるが、殿子が『司と私は兄妹』といった以上、それを尊重するするのが親友というものだろうと考え、彼女はそれを受け入れた。

469:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:46:53 Nn2HCp110
 そして現在、自分も司を受け入れようと努力している。
 ……たとえ司が『殿子の兄』としておよそ相応しく無い人物であろうが、自分にとっては最も苦手なタイプの人間だろうが、である。



「お~い」
「あ、司」

 そんな二人の傍に、司が駆け寄ってきた。
 今日も無事、追っ手を撒いて来たらしい。

「待たせたな、殿子」
「ううん。 ……でも司、平気なの? 授業終わってからまだ数分だよ?」

 如何考えても授業終了前に抜け出したとしか思えない神速ぶりに、殿子が心配そうに尋ねる。

「大丈夫だ。テストという名目もあるし、こんなことをするのは放課後前だけだからな」

 ……ちなみにHRがある時は、アンケートを行うのだ。

 そんな社会人としては駄目駄目な答えに、殿子は苦笑するしかなかった。

「司、社会人失格だよ」
「何、大事の前の小事だ」

 司は社会人である前に漢だった。

「ところで司? 今日から梓乃も一緒で良い?」

470:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:56:47 Nn2HCp110
「……そりゃあ別に構わないが、大丈夫か?」

 司は殿子の背中でふるふると震える梓乃を見て、心配そうに尋ねる。

「だ、だいじょうぶ……です……」

 だ、大丈夫、怖くない。
 殿子ちゃんの『弟』なら、私の弟……

 梓乃は必死に自分に言い聞かせつつ、やっとの思いで答えた。
 それは、今までの彼女から考えれば、信じ難い程の成長振りだった。
(八乙女のじーさんが狂喜したのも無理は無い)

「大丈夫、噛み付かないから」
「そうだぞ、僕は相沢パパとは違うから、噛み付かない」
「……相沢のお父さん、噛むの?」
「ああ、男限定でな。まあ僕は未遂だったが、暁さんは噛まれたらしい」

 が、暁は腕を噛まれただけだったが、司の場合、相沢パパは迷わず喉笛を狙ってきた。殺る気満々だった。
 幸い、相沢ママと美綺のダブル攻撃の御蔭で事無きを得たが、もう絶対相沢邸には近づかない、と司は固く心に決めている。
 ……まあそれ以上に怖かったのは、相沢ママの『先生、ウチの娘泣かしたら沈んでもらいますよ?』とのお言葉だったが。
(冗談めかして言ってはいたが、目が笑っていなかったのを司は見過ごさなかった)

「で、今日はどんな特訓をするの?」
「地獄の千本ノックだ」
「せ、千本ノックですかっ!?」
「大丈夫だよ、梓乃。本当は100本位だろうから」

471:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:57:47 Nn2HCp110
 しかも、ボールを取るのはダンテだったりする。

「……え、でもそれって千本ノックじゃ……」
「八乙女、こういうのは雰囲気が大事なんだぞ?」
「そうだよ、梓乃。大事なのは、『特訓した様な気分になる』ってことなんだから」
「そ、そういうものなのですか???」

 それって何か違うんじゃ……

 梓乃の頭に、?マークが次々と現れる。
 正直、この二人の会話について行けなかった。

「……殿子、言う様になったじゃあないか」
「意地悪な兄に、さんざん振り回されたからね」

 ―ああ、私の殿子ちゃんが……どんどん先生に染まっていく……

 なんだかどんどん変な方向に変わっていく殿子を見て、梓乃は内心で滝のような涙を流した。
 ……幸いにも、自分もその『変な方向』とやらに染まりつつある、という事実に、彼女は未だ気付いてはいなかった。



――夕方、談話室。

「「「「…………」」」」

 みやび、栖香、美綺、奏の四人は、談話室で黙りこくって座っていた。
 皆、如何にも機嫌が悪そうであり、その空気の御蔭で他にいるのは通販さん位のものだ。

472:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 08:58:39 Nn2HCp110
「先生、何処で何してるんだろうね……」
「まったく、あいつには教師としての自覚が無さ過ぎる!」
「……私、もしかして飽きられて捨てられたのでしょうか?」

 みやびと美綺の二人が豪くお怒りになっている一方、栖香の落ち込みようは相当なものだった。
 ……そんな彼女を、奏が必死で慰めている。

「えっと! そ、そんなこと無いと思うよ! うん、絶対絶対……」
「でも、最近お食事も御一緒させて貰えませんし、話しかけても禄に返事をして下さいません……お部屋にも入れて下さいません……」
「先生にも、きっときっと何か考えがあるんだよ!」
「それに最近、先生は鷹月さんや八乙女さんと御一緒しているようなのです」
「へっ? それ本当!?」
「はい。遠目からではありますが、間違いありませんでした」
「う~ん。黙ってたけど、実は最近そういう目撃証言が多いんだよねえ」
「何いっ!? 何故それを先に言わない!!」
「いやあ~、だって確証がとれてないし……」

 嘘である。妹の不安を煽るだけなので、黙っていただけだ。

「くっそ~殿子め~っ! とっ捕まえて司の居場所を吐かせてやるっ!!」
「り、理事長、穏便に穏便に……」
「呼んだ?」
「と、殿子!?」

 突然現れた殿子に、みやびが目を丸くする。

「私に、何か用?」
「つ、司さんを返して下さい!」「ウチの司を返せっ!」「私からもお願いします、お願いします、先生を返してあげて下さい!」

473:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:29:47 Nn2HCp110
「?」
「あ~、ええ~と…… センセは何時も放課後何処に行っているか、知ってるかにゃあ~?」

 三人の、まるで愛人宅におしかけた本妻とその友人の様な台詞に、流石の美綺もバツが悪そうに尋ねる。

「知ってる」
「どこ!?」
「でも、言えない。口止めされてる」
「そ、そんなあ……」
「大丈夫、司も目的を達したら直ぐに帰ってくる。だから、それまでの辛抱」
「目的?」
「司は、『野生を取り戻す』と言っていた」
「……野生?」
「うん、確か……」

 何だっけ? 鰐、熊、獅子……確か猛獣だった様な気がする。

「狼、だったかな?」

 男が野生に帰る、と言えば狼しかないだろう。うん、そうに違いない。
(悪い兄のせいで、殿子の知識は少し偏っていた)

「え?」

 それ、違うんじゃないかな、と梓乃は思ったが、彼女にそんな突っ込みが出来るはずも無い。ただ沈黙を守るのみだ。

「「「「狼!?」」」」
「『野生』に『狼』って、もしかして……あの幻の予告が真実に!?」

474:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:32:21 Nn2HCp110
「そんな……まさか……」
「いやあ! 暁先生助けて~~っ!!」

 分校組の面々は大騒ぎだ。
 が、本校系のみやび達は蚊帳の外である。
 故に、意味不明に盛り上がる分校系の三人を不思議そうに見る。

「……予告編って何だ?」

 説明しよう!

 予告編とは、体験版で語られた『遙かに仰ぎ、麗しの~悪夢の絶望の陵辱の学淫』編のことである。
 鬼畜教師滝沢司による学院総ハーレム化がその内容であるのだが、当然PULL TOPの作風に合う筈も無く、あえなく没となった幻の作品である。
 ……まあ、始めから嘘だった、という説もあるが、そんな細かいことは気にしないで欲しい。

「そんな破廉恥なことを許すかーーっ!!」
「う~ん、流石に学院総ハーレムはねえ…… 女の子としてはやっぱり……
 あたしとすみすみの姉妹丼エンドで手を打ってくれないかにゃあ~」

「姉様! 何を言ってるんですか!?」
「そうだよ~ みさきち、それ良くない良くないよ~」
「いいじゃん、姉妹で仲良く平等にセンセを分かち合えば」
「よくありません! それでは先生と結婚できないじゃあないですか!!
 この国では、重婚は犯罪なのですよ!?」
「そういう問題なのっ!?」

 奏は、ずれまくった栖香の反応に唖然としながらも、『やっぱり二人は姉妹だよ、姉妹だよ』と思わず納得してしまう。

475:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:34:36 Nn2HCp110
「あ~そりゃ拙いわ…… あたし一人娘だから婿養子になって貰わないと……」
「私だってそうです! 先生には私と一緒に桜屋敷を継いで貰わないと!」
「正臣くんは、正臣くんは?」
「正臣は桜屋敷の重要性をちっとも理解していません。そんな子に桜屋敷は任せられません」

 彼は『売っちゃえば?』とついうっかり口を滑らせ、栖香の逆鱗に触れたのだ。

「こらっ! あたしを忘れるな!!」
「う~ん、じゃあ交代で結婚する?」
「……誰が最初に結婚するのですか?」
「…………」
「…………」

 二人の間に目に見えない火花が散った。
 ぶっちゃけ、結婚したらこっちのもの、二人とも離婚する気はさらさらない。

「こらあっ! あたしを無視するなあ!!」
「ふう……」

 これでは司が『野生を取り返して、はっきり物を言える様になりたい』と考えるのも無理は無い。
 司の苦労を、殿子はちょっぴり理解出来た様な気がした。



――翌日、教員室。

「おい、司よ。お前最近、理事長達を放置プレイ中だそうじゃないか」
「……暁さん、誤解を招く様な発言は止めてください」
「いやだがな、近頃理事長のご機嫌は非常に悪い。実際、ピリピリしていてとてもじゃないが近寄れない、と苦情が山の様に届いている」

476:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:41:20 Nn2HCp110
「……何故、それを僕に?」
「それをお前に伝えろ、と言われてるんだよ。司、何とかして理事長の機嫌を直せ。ついでに相沢と仁礼のもな」
「……具体的にはどうすれば?」
「何、黙って三人のサンドバックになればそれで良い」
「鬼ですか、あんたは!」
「それが嫌なら、それぞれの耳元に優しく愛の言葉を囁いてやるって手もあるぞ?
 ……まあ、こっちは下手したら刺されかねないから、お勧めは出来ないがな」
「お断りします」
「……どうしても駄目か?」
「はい」
「じゃあ、しょうがないよなあ」

 暁は軽く肩をすくめると、司を簀巻きにし始める。

「暁さん、何を!?」
「お~い上原、もう出てきて良いぞ」

 その言葉を合図に、隣の机の下から奏が這い出してきた。
 そして暁に対し、何度もお辞儀をする。

「暁先生、本当に本当にありがとうございました」
「上原!?」
「すまんなあ、司。俺も自分が可愛いんだ。上原にも泣きつかれたしなあ」
「裏切ったな! 僕の気持ちを裏切ったな! あの女と同じに、裏切ったんだ!」
「……よくわからんが、取りあえず『同じネタを二度使うな』と言っておくよ」
「くっ!」

 その言葉は、司にとって大ダメージだった。
 途端に無抵抗になり、大人しく簀巻きにされる。
 簀巻きになった司の前に、奏が仁王立ちした。

477:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:42:53 Nn2HCp110
 ……どうやら司に対し、言いたいことがある様だ。

「そんなことより、先生! わたしとってもとっても大変だったんですよ!!」
「へ?」
「日々機嫌が悪くなる一方のみさきちと栖香さんの二人に囲まれて、わたし、お昼もろくに喉に通りませんでした!」

 そう。
 時に、借りだされて司を追いかけさせられたり、
 時に、二人の無言のオーラに当てられたり、
 時に、美綺から愚痴られたり、
 時に、栖香に泣き付られたり、
 止めは、みやびも加わったトリプルオーラすら喰らって……
 とってもとっても大変だったのだ。

「それは気の毒だとは思うが……」
「他人事みたいに言わないで下さい! あの二人をああしたのは先生ですよ!?」
「いやだからな、男しての尊厳を……」
「男なら、責任とれぇぇぇっっ!!」
「……はい」

 こうして司は奏の罠に嵌り、簀巻きにされて連行されていった。



 そして30分後、司は囲まれていた。
 ……なんか、皆メッチャ怖いです。

「さて、何か言い訳でもあるか?」
「お前等、何をそんなに怒っているんだ?」

478:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:44:25 Nn2HCp110
 多少怒ってはいるだろうとは思っていたが、想像以上の機嫌の悪さだ。

「センセ、往生際が悪いよ? ネタは上がってるんだから、いい加減白状しなよ」
「白状?」
「そうです。私というものがありながら、学院総ハーレムなど目論むなんて不潔過ぎます!」
「はい~~!?」

 ハーレムって何ですか!?

「待て、ご、誤解だ! お前等絶対何か勘違いしているぞ!?」
「男はね~ こういう時は皆そう言うんだよ~」
「ちょっ、待……うぎゃあ――っ!!!!」

 …………
 …………
 …………

「お前、そんな下らんことで! 御蔭であたしは、ここ数日お昼抜きだったんぞ~~!!」

 ポカッ

 何がタイガー司だ、とみやびに殴られる。
 ……あれから一時間後、全てを白状させられた司は、誤解こそ解けたものの、皆から呆れられた目で見られていた。

「……先生は一体何を考えていらっしゃるのですか?」
「また思い付きで行動するんだから……」
「先生は元からワイルドじゃない、ワイルドじゃないよ」
「ううっ、だって何時も理事長に奢って貰って、ヒモとか飼い犬扱いされたから……」

479:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:54:15 Nn2HCp110
 皆の冷たいお言葉に、司は涙ながらに訴える。
 と、その言葉を聞いた途端、急にみやびはご機嫌になった。

「あははは。なあんだ、そんなことを気にしてたのか~」

 そして、何気に爆弾発言をぶちかます。

「お前はもうあたしに飼い馴らされたんだから、大人しく飼われろ。
 なーに、安心しろ。ちゃんと一生面倒見てやるから」
「先生……」
「センセ……」
「先生はやっぱりヒモだよ、ヒモだよ……」
「ああっ! 何故か立場が更に悪化!?」
「リーダ、あたしの部屋に犬小屋造って」
「かしこまりました、御嬢様」
「お願いリーダさん、そこで突っ込んで!?」
「司様、人生……いえ、犬生は諦めが肝心ですよ?」
「ま、待って下さい! 確かに司さんは犬かもしれません、けどまだ飼い犬じゃあありません!
 言わば半野良です! だから私も所有権を主張します!」
「あ、じゃあアタシも」
「私は別にいらないいらないです」
「……仁礼、相沢」

 つーか、もー犬決定ですか。
 ああ、おれの残りの人生は鎖に繋がれて終わるのか……



「司、大丈夫!?」

480:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:56:53 Nn2HCp110
 そんな中、殿子が駆け込んできた。
 司が簀巻きで運ばれていったと知り、慌ててやって来たのだ。

「おお、我が麗しの妹よ! へるぷみー!」
「……司、調子良すぎ」

 いつもはもっとぞんざいに呼ぶ癖に、と殿子は苦笑いしつつロープに手をかける。
 それを見たみやびが慌てて止めた。

「駄目だぞ! 殿子には所有権を主張する権利は無いぞ!」
「……何のこと?」
「えっと、えっとですね……」

 …………
 …………
 …………

「……それ、違うと思う」

 奏の説明を黙って聞いていた殿子が口を開いた。

「飼い馴らされたのは、司じゃない。みやび」
「なっ、なんであたしが!?」
「……だってみやび、司がいないからお昼を『お預け』してたのでしょう?」
「は!」

 司が来ると信じ、馬鹿みたいに何日もお昼を抜いていた過去が、みやびの脳裏を過ぎった。

481:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/22 09:57:58 Nn2HCp110
「ち、違う! 違うんだ! ただ、もしかしたら最近司が来ないから、今日こそは来るかと……って!?
 ええい、あたしは何を!?」
「理事長、それ自爆、自爆」

 状況が自分に不利になことに気付き、みやびは慌ててリーダに縋る。

「リーダ、あたしは司に飼い馴らされてなんかいないよね、ね!?」
「……もちろんでございます。御嬢様」
「今の間は何!? ねえリーダ、ちゃんとあたしを見て答えてよ!!」

 微妙に目を逸らすリーダに、みやびは半泣きで詰め寄った。
 が、リーダの態度が何よりも答えを雄弁に物語っている。

「嘘だと言ってよ、リーダ―!!」

 みやびの悲痛な、あまりに悲痛な叫びが、分校内に木霊した。

 ……それから暫くの間、野生を取り戻す、と称してみやびが凶暴化したのはまた別の話である。





 SS投下終了、ついでに野生編完結。


482:名無しさん@初回限定
07/01/22 12:25:35 FSy7CAUk0

面白くてかにしのに少し興味が湧いた。
週末にでも買ってくるかなぁ・・・

483:名無しさん@初回限定
07/01/22 14:06:38 Ic+ex4dm0
乙&GJ!


484:名無しさん@初回限定
07/01/22 20:30:17 uwIHQixp0
>「嘘だと言ってよ、リーダ―!!」
最後はガンダムネタで締めかよ(w

485:名無しさん@初回限定
07/01/23 00:53:22 Q8ZBJ+OA0
GJ!
みやびかわいいよみやび

486:名無しさん@初回限定
07/01/23 19:58:01 P068LJ160
乙。野性化してくれるとwktkしてたのに・・・。

ちなみに梓乃の殿子三人称は「殿ちゃん」、栖香>美綺は「お姉様」な。

あと、女子校には教員用以外に男性トイレは無いです、通常。

487:名無しさん@初回限定
07/01/23 20:01:14 P068LJ160
>>482
このSSのようなノリをゲーム本編に期待するなら、たぶん凄く期待ハズレに終わると思う。
それならかにしのよりもゆのはなをお薦めする。

488:名無しさん@初回限定
07/01/25 12:27:31 lQA80iYs0
>>486
あの学校って、女の先生職員が出てこないなぁ?
メイドさんは出てくるけど…

489:名無しさん@初回限定
07/01/25 22:09:39 pW3SRGN30
>>488
あの分校は『強制収容所』又は厄介な娘を押し込む牢獄
ゆえに万が一に教師と出来てしまえば厄介払いが出来るという計算なんだろう
教師の平均年齢が若いというのもその証左なのでは??

490:名無しさん@初回限定
07/01/26 01:41:27 j+zIzUTk0
鬼いちゃんのSSをかけるようなオタキングSS書きはいないかな?

491:かにしのSS『野生を取り戻せっ!』後編2
07/01/26 08:13:37 S5oKnYqb0
>>482
 482様、有難うございます。

>かにしのに少し興味が湧いた
 かにしのは面白いですよ。お勧めです。

>>483
 483様、有難うございます。

>>484
>ガンダムネタ
 これ、言わせたかったので(笑)

>>485
 485様、有難うございます。

>みやびかわいいよみやび
 うちの作品では、みやびが一番出張っております。
 何せ一番いきが良いので。

>>486
 486様、有難うございます。

>野性化してくれるとwktkしてたのに・・・。
 仮に野生化しても、直ぐに捕獲&調教されてしまいますので。

>ちなみに梓乃の殿子三人称は「殿ちゃん」、栖香>美綺は「お姉様」な。
 毎度毎度御免なさい。
 『お前、本当にかにしのやってるのか?』と突っ込まれてしまいそうです。


492:かにしのSS「結城ちとせの部屋」
07/01/26 22:38:48 T4znOeh40
かにしのスレよりここを紹介されたので挑戦しました結城ちとせ。
第2話終了後の分岐を想定しています。ちなみにえちはないです。ごめんなさい。

>第X話A「抱き枕と美術品」 

学内ソフトボールも無事終了した数日後。僕は職員室で悩んでいた。
先日の一件で理事長に4000万円を支払わねばならない、その算段だった。
通常なら想像しただけで眩暈のする金額ではあるが、幸い手元にある彫刻を売れば一括で払えてしまうら
しい。
回りくどい真似をした理事長は意地っ張りだとは思うが、僕としては彼女の見せた度量に素直に感謝すべ
きだろう。
従って、あまり待たせるのは避けたいところだが、生憎売るにしても僕には適切なつてがない。
そもそも6000万をポンと出せるような知人が、大学を出たての新人教師に居るはずもないわけで。
美術担当の暁先生ならお金持ちの好事家を知らぬとも限らないが、理事長と結城も関わった話を相談する
のは少々躊躇われる。
と、すると。
結局、一番手近で詳しいと思われる関係者に聞くしかあるまい。
正直、本末転倒な気もするのだが……
「というわけで」
「はいはーい?」
「はいは一回だ、結城」
「はーい!」
「……続けていいか?」
「どうぞ」
結城ちとせはくすくすと笑っている。やり取りだけで可笑しいらしい。笑い上戸なのだろうか?
授業の後呼び止めて用件を伝え、使われていない教室で彼女と待ち合わせた。
笑いが止んだのを見計らって用件を切り出す。
「先日から僕の手にある彫刻についてのことなんだが」
「はい。『夕暮れと虹』ですね」
「そうそう。あれを買ってくれそうな人に、心当たりはないかと思って」


493:かにしのSS「結城ちとせの部屋」2
07/01/26 22:40:55 T4znOeh40
「私に、ですか」
「うん。結城なら、お父さんの仕事上、そういう人と付き合いが合ってもおかしくないかな、と」
「せんせ、だから私があの時払うって……ごめん、それはナシだったね、先生」
「いや……確かに君に頼むのは正直申し訳ないとは思うんだがな。それはそれで、どうだろう」
「そーですね……、しょーじき私も、あれからちょっと心配だったんですよぉ。大丈夫かなーって」
「大丈夫とは?」
「あれ、結構有名な品ですから。先生が直接鑑定士に持ち込んだりしたら贋作を疑われたりする可能性も
あるかな、って」
「それは僕が犯罪者に見えるということか?」
「あははー、そじゃなくって、ああいう品は本来名の知れたバイヤーしか扱わないし、扱えないってことです
よ。鑑定書と現物だけでは信用されづらい、信頼できる人の紹介があって、始めて手を出せる品ってことで
す」
「成程。僕もあてが無くて悩んでいたところだったんだが」
「リーダさんに頼んで、紹介してもらったらどうですか?あの方は出入り業者の管理も携わってますし」
「うーん。それも考えたんだが」
理事長をなだめてもらっただけでも充分世話になっているしなあ。
結城はそんな僕をじっと見ていたが、急に真面目な顔になって尋ねる。
「せんせ、私のクマさん、ちゃんと見てる?」
彼女の宝物である熊の抱き枕は今、理事長の品の代わりとして廊下に鎮座ましましている。
最初こそ奇異の目で見られたものの、今ではすでに風景の一部と化していた。
廊下だけに汚れてしまうのを僕は危惧していたのだが、そこは結城も飼い主(?)だけあって気をつけてい
るようだ。
「うん?無論見らいでか。ちゃんと毎日掃除もしてるな。偉いぞ」
「えへへへ……とーぜんだよ。私の一番大事な友達なんだから。毎日ダイソンでホコリとってるし」
掃除機でゴミ吸ってるのか……形が崩れたりはしないのだろうか。
「友達、か」
飼い主より結城の自己評価は下らしい。


494:かにしのSS「結城ちとせの部屋」3
07/01/26 22:42:04 T4znOeh40
「そう!ずっと一緒だったのにこーなっちゃったから三日ぐらい全然眠れなかったんだよ!
おかげで眼のしたにクマできちゃって」
「……」
「アレ、面白くなかった?せんせ。コレはね、熊とクマをかけた」
「解ってる、解ってるから解説はいい!傷を広げるな!」
「まあ最近は眠れるけど。えへへ。そか、そーなんだ、ちゃんと見てくれてるんだね……」
いきなり後ろを向いてしまった。照れてるのか?
「当然だ。僕は君の担任教師だからな」
「―担任、教師。……私の」
言葉をかみ含めるように繰り返してから、彼女は振り返ってにこりと笑った。
あれ?
僕はその時、初めて結城の笑顔を見たような気がした。何故だろう?
今まで、日常でも授業でも、いつも級友と笑っている彼女を見ていたはずなのに。
「……そだね。せっかく、リーダさんより私を頼ってくれたんだし、断るのは失礼だよね。そもそも私が原因な
んだし」
「いや、僕としても無理にとは」
「別に無理じゃないよー?お父さん、私にはだだ甘だから頼むのはへーき。でも」
「でも?」
「お父さんには、私がりじちょーのあれ割っちゃったのヒミツにしといてね」
ふむ、結城としては当然の心配だな。
「むむ、生徒との間に秘密を持ってしまった!僕と言う男は教師失格!」
「あれれ、私の先生がいきなり失格教師になっちゃった……さよーならー!、滝沢先生」
「おまえも意外とノリがいいのな……まあ、当然だ。生徒の秘密は守るぞ」
「えへへ。解った。私も秘密は守る人だよ。それじゃ任せて!」
何故か軍隊式の敬礼をして、結城は去っていった。笑顔の残像を、僕に残して。

僕はずっと後になるまで気づかなかった。
彼女がいつも笑っていた理由に。
彼女が残した言葉の、本当の意味に。
「―私も、秘密は守る人だよ」



495:かにしのSS「結城ちとせの部屋」4
07/01/26 22:44:21 T4znOeh40
>第X話B 「沈黙しない友人」
女性の部屋に入るのは気が引ける。それがたとえ担任の生徒であっても。
いや、教師としてはだからこそ、と言い換えるべきかもしれない。
しかし、僕はその日、入った瞬間にそうした遠慮をすべて忘れていた。
「―なんじゃこりゃ?』
学生用の部屋はけして狭くはない。ないはずだ。
よっぽど散らかしている人間でない限り、本来なら、人を迎えるスペースぐらい確保するのは余裕のはずで
ある。
しかし、結城ちとせの部屋は、僕の想像を絶していた。
汚いわけではない。散らかっているわけでもない。だがしかし。だがしかし!
部屋の壁という壁に。棚に。床に。果ては天井にまで。
あらゆる場所に鎮座するもこもこしてふわふわしてやわらかいものたち。
それは文字通り、空間を埋め尽くしていた。
ベッドまで一本の道がある。そこだけ床が見えた。流しまで、ユニットバスまで、以下同文。
「えへへー、ゴメンね?せんせ。今ちゃぶ台だすから」
よいしょよいしょ、と律儀に一人(?)ずつぬいぐるみをよけて、ちとせは壁に立てかけてあったちゃぶ台を
取り出す。
「なあ、結城……お前、普段この部屋でどう過ごしてるんだ?」
「ええ?ふつーですよ?お茶飲んだりお菓子食べたり本読んだり」
「この……ぬいぐるみたちにこぼしたりしないのか?」
「たまにありますよ?そんなときはお風呂に一緒に入るんですよぉ。ですから乾燥機は自前で持ってるんで
す」
言われて見るとユニットバスのそばに小型の乾燥機があった。……その上にもぬいぐるみがいるが。
「先生はアタマが痛いよ……」
某女流SF作家の部屋がかつてこのようであったと読んだ記憶があるが……この部屋はそれ以上かもしれ
ない。
結城……おそろしい子っ……!
天井を見上げると、どうやら何本も渡したロープ……物干し用のものだろうか?にあるものはくくられ、ある
ものは吊るされ、
またあるものは引っ掛けられたこれまたいくつものぬいぐるみが僕を見下ろしていた。
普通の鳥だのももんがだのはまあ理解できるのだが、中にはかなり名状し難いものもあったりして落ち着
かない。その中の一つをつい凝視すると、なんとなくその眼が光ったような……気が。

496:かにしのSS「結城ちとせの部屋」5
07/01/26 22:45:50 T4znOeh40
「眼があっちゃったよ……いや気の迷いだ!僕は何も見ていない!」
「え?ああ、それはばいあくへーといってですね」
「いや説明はいらないから」
「ちなみにベッドの下にいるのはくとぅるふの落とし子たんといって」
「いらんちゅうに!」
どこで売ってるんだそんなの。僕が欲しいぞ。
「蜂蜜入りのリキュール飲みます?」
「まだそのネタで引っ張るのか!?」
相変わらず結城はくすくすと笑っている。
まあそれはともかく。
ちゃぶ台の上にいつのまにか出てきた紅茶をすすりながら、改めて周囲を見回す。
「コレ、自分で全部何買ったとか覚えてるの?」
ちとせは僕の前に座って……と言うか半ば彼等に溺れた状態でにこにこしている。
「勿論です!名前のない子は全部私が名付け親なんですよ~」
「ほう、例えば?」
「あの怖そうなライオンはリチャード一世」
「ふむふむ、歴史ネタか」
「その隣はチャールズ一世、その横はルイ16世、その隣はコンスタンティヌス11世」
「歴史教師として言わせて貰うが、そのセンスは最低だな!」
全部首にマフラーとかバンダナとか巻いてるし。可哀相だ。
「こっちの棚はもっと面白いですよぉ。この子はベリヤ、この子はハイドリヒ、この子は泰會」
「悪党ばっかりじゃねえか!もっと可哀相だよ!」
……そういえば、あの抱き枕はなんていうんだろう?一番大事と言うんだから、当然名前があるのだろう。
一ヶ月の展示を終え、今は安息の地、彼の居場所であるベッドの上にまします巨大なクマ。
「あの子は、ルドルフ」
「―それにも由来があるのか?」
「わたしが最初にお母様から買ってもらったテディベアの名前なんだ」
ふむ、思い出の品の名前か。ではこの子は二代目と。では初代はどんな人(というかぬいぐるみ)だったの
だろうか。
「ちなみにその子の友達にはラインハルトという子がいて」
「はいはい、で、その子は世界的な歌手になったんだろ?」
あれはいい話だったなあ。

497:かにしのSS「結城ちとせの部屋」6
07/01/26 22:48:29 T4znOeh40
それはそうと。
「―その子は、今は?」
ちとせは首をふる。
「なくしちゃったんだ。だいぶ前に」
あっさり、そう答えた。
「だからあの子は、その代わり。いえ、子どもみたいなものかも」
「でも、だからこそ」
ちとせの声のトーンが、少し低くなった。
「私は……あの子が大事なんだよ」
何かが引っかかる。……代わりの、子ども。
「ボクもちとせのことが大好きさ!」
突然、何処かから声が聞こえた。あれ?今……ジークフリードが喋ったような?
まさかね。でも……声がちとせと全然、違う?
「マイクでも入ってるの?この枕」
「いえ?ただの抱き枕ですよ?」
「腹話術?」
そんな特技があるとは初耳だ。

「違いますよ?彼が喋ってるんです」


「―え?」



498:かにしのSS「結城ちとせの部屋」7
07/01/26 22:49:20 T4znOeh40
―突然。僕の頭の中で警報が鳴った。
これ以上は、聞くべきでは、ない。
教師、滝沢司は。
なのに。聞き返してしまう。
「―どういう、意味?」
彼女は。結城ちとせは。この、僕に。
話し始める。話して、しまう。
「―私が何故、本校から来たか……せんせは知ってる?」
「―ある程度は」
いじめ。無視。孤立。登校拒否。
引継ぎ資料にはそうした理由が記されていた。
しかし。その内容については。
何故、それが起きてしまったのか。
「みんな、おかしいんですよ?」
待て。ちとせは、何を言っている?
「ぬいぐるみが、喋るわけがないって。幻聴だって」
いや。僕は、何を聞いた?何を聞いている?
「私が、おかしいんだ、って―」
彼女は、真っ直ぐに。
「私には、聞こえるのに、さ?」
僕を見て―言った。

「―せんせは、私を、信じてくれる?」




499:名無しさん@初回限定
07/01/26 22:57:52 V1hU8XQC0
支援

500:名無しさん@初回限定
07/01/27 04:02:40 cwM6BlfI0
こんな時間までwktkして待ってしまった、でももう限界。
生殺し状態のまま寝ます……。

501:名無しさん@初回限定
07/01/27 04:32:56 HblcOkeNO
俺はみやび√やりながら待ち続けるぜ

502:名無しさん@初回限定
07/01/27 20:35:17 zlh/Kk8X0
じゃあ俺は書きかけの「かにしのSS」の続きでも書いて待つとしよう

ここでは公開しないけどな!

503:「結城ちとせの部屋」作者
07/01/28 12:21:46 5zgDZ8pM0
えー、半端なとこで終わって申し訳御座いませんでした。
続きはまだ完成してませぬ。皆様が忘れた頃になるかもしれませんが、出来上がったらぼちぼち上げたいと思います。
気に入っていただいた方ありがとうございました。

504:sage
07/01/28 14:13:13 xDzEQVAP0
>「ちなみにその子の友達にはラインハルトという子がいて」

元ネタは川原泉の「笑うミカエル」?

505:名無しさん@初回限定
07/01/28 17:36:45 FkRHU2Gr0
>くとぅるふの落とし子たん
すげぇ欲しいw

506:かにしのSS「結城ちとせの部屋」作者
07/01/28 19:28:31 5zgDZ8pM0
>>504はいです。ぬいぐるみの名前はルドルフで統一しました。
ジーク……は銀英ネタも入れようと迷ってたときの名残ですので忘れてくだちい。
皆様レス有難うございます。一話分投下しますのでまたよろしゅうに。


507:かにしのSS「結城ちとせの部屋」8
07/01/28 19:29:28 5zgDZ8pM0
続きです。よろしこ。
>第X話C「親友」
「―せんせは、私を、信じてくれる?」

あの日より数日後。僕は自室で途方にくれていた。
否定肯定いずれでもなく。何を答えることもできずに、彼女を見返してしまった僕に、彼女は何を見たのだろう。
「そうだよね。変なこと言ったよね、私」
「へへ―せんせ、今のはじょーだんだよ。そうだよね。ぬいぐるみがしゃべるわけないよね?何言ってんだろ」
「だから―忘れてね?」
そう言った彼女の表情に、僕は何を感じた?何を見た?
「糞。僕は―大馬鹿だ」
彼女の諦観を。その失望を―いや、乾いた絶望を見たのではなかったか。
それは信じていたものへの裏切られた感情ですらない。
ああ、やっぱり、という、世界に何も期待しない者の溜息ではなかったか。
あれから、授業中に結城にとりたてて変わった点は見られない。
表面上はあくまで円滑で楽しそうで。でも、けして踏み入らない、立ち入らない人間関係。
いや、むしろ、僕と密接に話していたときのほうが、彼女にとっては「変わっていた」期間なのかもしれない。
「だからって―彼女は、それで、いいのか?」
口に出してみる。それは僕自身への問いかけだ。
お前は、彼女を―結城ちとせをこのままにしておいて、いいのか?
「―いいわけがない」
だがしかし。ならばこの僕、滝沢司に何ができるのか?
彼女に何をしてやれるのか?
「―とりあえず、情報がもっと必要だな」
警察犬のような真似は好きじゃない―生徒のプライバシーに関わることなら尚更だ。
だが、そうしなければ、彼女の心の底にたどりつけないなら。


508:かにしのSS「結城ちとせの部屋」8
07/01/28 19:32:09 5zgDZ8pM0
「成程。それでわたしを探していらっしゃったのですか」
三嶋鏡花は先日設置された生徒互助委員会の委員会室にいた。この時間はもう彼女以外は帰っている。
父母の問題により一時は在籍を危ぶまれた彼女であったが、理事長とリーダさんの温情により卒業までこの学院に在籍できることになった。
とはいえそこは理事長、風祭みやびである。ただでは起きない。
まずコレ幸いと彼女を臨時秘書に任命して事務仕事の一部を委任した。おかげで理事長自身も余裕ができたようだ。
同時に理事長個人と生徒たちの意志の疎通をよりスムーズにすべく、
以前からあった寮委員の権限を強化し新たに本校系分校系の生徒相互が意見交換を図る場を設けさせた。その委員長として三嶋を抜擢したのである。
ちなみに副委員長は分校の仁礼が選ばれた。まあ当然の選出だろう。
もともと寮委員でもあった三嶋にとっては願ってもない仕事だったし、みやびの秘書として働く時間は正規の給与も支払われるという事で、
借金に対する精神的な負担も軽減できる上に将来に向けたスキルも鍛えられるということで文句のあるはずもない。
既に卒業後は学院の職員として、正式にみやびの秘書となることが決まっている、とリーダさんがこっそり教えてくれた。
理事長は相変わらず素直ではないので、三嶋本人には絶対言うな!とかん口令が敷かれているらしいのだが
「バレバレだよね!」
と相沢が笑いながら言っていたのでまあその通りなのだろう。
いずれにせよ、生徒たちの理事長に対する評価も上がったようなのでこの件に関してはめでたしめでたし、だった。
さて、その三嶋に、結城ちとせの事を聞かねばならない。





509:かにしのSS「結城ちとせの部屋」10
07/01/28 19:33:49 5zgDZ8pM0
「結城さんの、本校にいたころのお話ですわね」
寮委員のひとりでもある結城とは表面上は一番親しいはずの彼女。転入時期は三嶋のほうが先だが、一年以上は一緒にいたはずだ。
「わたし、向こうでは違うクラスだったので、お顔を知っている程度でした。ですから―何があったのか詳しくはないのですけど」
「彼女には他人の聞こえないものが聞こえるのだとか、あるいは彼女の家のぬいぐるみには、幽霊が取り付いていて喋るのだとか。
彼女はそれを聞いて、人の秘密を知るのだとか、そういった噂は当時からありました。ちょっとした占い師扱いですね」
―秘密を、守る、人。幽霊。ぬいぐるみ。表面は、合っているようではある。しかし。
「直接の原因は?」
「あまり伝聞と憶測で発言したくはないのですが―」
「憶測でもいい。情報が足りないんだ」
三嶋はふう、と嘆息して続けた。
「先生にならば、教えないわけにもいきませんわね。まあ、話自体はこの世界ではよくあることです」
「本校生には卒業後直ぐ婚約されるような箱入り娘も何人かいますが、その中の一人が結城さんの噂を聞いて言ったのだそうです―わたしが将来婚約する人がどんな人か、教えてもらえるか、と」
「?」
「引っ掛けだったそうです。彼女は実のところ既に婚約予定が決まっていました。
名家の御曹司―と言う以外にとりえのない方だったようですけど、彼女としては悪くない人だと思っていたそうなのですよ」
「彼女としては、とんちんかんな答えが返ってくるのを笑うつもりだったのかもしれませんわね―」
「―結果は、違ったんだな」


510:かにしのSS「結城ちとせの部屋」11
07/01/28 19:34:41 5zgDZ8pM0
三嶋は頷く。
「結城さんは放課後、ロッカーからクマの巨大なぬいぐるみを連れてきて彼女の目の前でぬいぐるみに聞いていったそうです。」
……ロッカーにいたのか、ルドルフ。
「まあ、彼女としてはそれだけで驚いたでしょうね。ですが、本当に驚くのはそれからでした。
話していいのですか、と、結城さんは彼女に確認したそうです。聞きたくない話だと思いますよ、と』
「彼女は、それでも聞いたわけか」
「ええ―結果は明らかでした。御曹司の生年月日から趣味嗜好まで全てが彼女の知るそれと一致したそうです。
ですが、話はそれで終わりませんでした。彼女の知らない部分まで、彼女が聞きたくなかったような部分まで―結城さんは、話してしまったのだそうです」
「知らない部分、か」
「はい。彼女はかなり酷く結城さんを罵倒したようです。嘘つき、と。
立ち会っていた人は居なかったので、これは廊下からの盗み聞き程度の確度しかありませんが』
「だが―嘘ではなかったんだな」
「結局、彼女の不安は拭えず、帰ってから親に再調査を依頼しました。結果はお察しの通りです。
婚約は解消、御曹司はその後麻薬の販売及び使用で逮捕されました。当の彼女は―自殺未遂の後、転校したそうです」
「結城さんに対する虐めが始まったのは、それからだったと聞きました」


511:かにしのSS「結城ちとせの部屋」12
07/01/28 19:35:47 5zgDZ8pM0
―ふう、と今度は僕が息をつく。
「今は?ぬいぐるみのことで―三嶋にそういう話をすることはあるか?」
「結城さんが、それに類する話をわたしにしたことはございません。一度も。当然、わたしからもありません」
きっぱりと三嶋は答えた。
「たしかに、わたしも根っこの部分では信用されていないのか、と悲しくなることもございますけど」
口調こそ一抹の寂しさを湛えていたが、そこに結城を恨むようなトーンはない。
「でも、彼女も私の父母のことは聞きませんでしたし、わたしがこうなる前も、こうなってからも変わらず接してくれますし」
親しくても、親しいからこそ、聞くべきでないこともある。
「わたしにとっては、とても大切な友人です。風祭さんや鷹月さん、八乙女さんと同じく―或いは、それ以上に」
「何故?無論みな大切だろうが―結城は、君にとってどう特別なんだ?」
「日頃から接していれば判ります。結城さんは、自分で信じていない嘘をつけるような方ではありませんもの」
「ですから、彼女がそう思っていた以上、当時の結城さんにはそれが真実だったのでしょう。それを私は信じます」
信頼。それは個々の出来事についてではない。結城ちとせという人間に対する信頼だ。
―なんだ、当然のことじゃないか。
「それに―彼女は、こちらに来た最初の日に」
転入してきた初日。彼女は、どれだけ心細かったろうか。また、受け入れられないことへの恐怖や諦めは、なかったのだろうか。
「寮を案内するわたしに、お友達になりましょうと言ってくれたんですのよ。他の誰よりも先に、わたしに」


512:かにしのSS「結城ちとせの部屋」13
07/01/28 19:39:12 5zgDZ8pM0
「あの時、彼女はとても心細かったはずです。その時に最初に頼ってくれたのが私だったのですから」
「わたしは、彼女が信頼してくれた自分を信じます。だから、彼女の気持ちがどう揺れようと、わたしは彼女を信頼しますわ」
「あなたは―わたしを信じてくれたあなたは、正しいと」
自分の下す判断に迷いはなく、恐れることもない。それが三嶋鏡花という少女を支える新たな柱なのだろう。
自分の足で自分を支えなければ、立ち続けることはできないという事を、彼女は級友より早く知った。
そしてだからこそ、同じ環境にある理事長を支えることもできるのだという事も、今の彼女は知っている。
だからこそ、変わらないことで、親友を支えたいのだと。
「三嶋」
「なんでしょう?」
「お前みたいな友人が結城にいるというだけで、僕は嬉しいよ」
「相変わらずお上手ですね、先生?」
三嶋はくすくすと笑った。
「ありがとう。おかげで僕のスタンスが見えた」
「どうなさるおつもりですか?」
「君が信じたように、僕も彼女を信じるよ」
「では、行動開始ですわね。ご武運を、とでもいうべきでしょうか?」
「いいね。クマといえば金太郎、坂田金時かな。まず、ルドルフ君と相撲でもとってみるさ」
「相撲だと行司が必要ですわね。今から理事長にお願いしておきましょうか?」
理事長ならむしろ自分で相撲をとりたがりそうだ。クマと相撲を本当に取れたら驚喜するだろう。
つぶれちゃいそうだけど。
「こないだリーダさんに塩まかれちゃったからなあ」
「では熊のあとはリーダさんですわね」
「それは絶対勝てる気がしないなあ!」
二人で笑いあった。
そうだ。結城。信じてもらえないと諦めるには、まだ早すぎる。
お前には、こんなに素晴らしい友人がいるんだから。

>>今日はここまででつ。読んでいただいた方に感謝感激。8がふたつできちゃったよorz



513:名無しさん@初回限定
07/01/28 22:50:28 mWBHy21F0
>>512
いいねー、いいねー、すんごく楽しめました。GJ!
ゲーム中のお気楽結城とのギャップが良い感じです。
次は是非、三嶋のSSを~♪

514:かにしのSS「結城ちとせの部屋」13
07/01/28 23:17:49 5zgDZ8pM0
>>513
がんばりまつ……今回の書いてて三嶋もやっぱりいいなあ、と思いましたね。
ちとせを上手くオチするにはあと最低二話は必要な感じです。気長にお待ち下さいませ。

515:名無しさん@初回限定
07/01/29 01:17:42 CDYpj5oU0
GJ!
なんてことだ、ますますサブ女子キャラたちの立ち絵&ルートが欲しくなっちゃったじゃないかっ!


さぁみんなPULL TOP本社の方角に向かってファンディスク制作祈願の電波を発信しようぜ。
いあいあ…

516:名無しさん@初回限定
07/01/30 00:26:16 s3EEjxb20
恋姫†無双の2週目で関羽(愛紗)を無視しまくりごめんなさい。
そんなわけで偽END風味SS書いてみた。

条件1・愛紗を1回も選択しない
  2・他キャラ全員最低1回選択しておく
  3・最後の拠点、最後の選択で愛紗を選ぶ

517:関羽ENDの外史
07/01/30 00:27:17 s3EEjxb20
擁いてはいけなかったのだ。
常に自分を律し続ける。
それが武人として、そして人としての高みに上がるための方法だと信じていた。
だから、このような想いは擁いてはいけなかったのだ。
その瞬間から、私は醜い獣となってしまったのだから。


「全く………ご主人様は一体何処に居られるのだ?」

今日何回目かの呟きは誰もいない廊下の奥へと吸い込まれていった。
昼過ぎに虫の知らせを感じたので部屋へと様子を見に行ってみれば案の定そこはもぬけのから。
ついでに鈴々も調練に来なかったので2人して市にでも行っているのだろう。

「あのお方ももう少し、ご自分の立場というものを御自覚していただきたいものだ………」

鈴々はまだ良い。
あれは強い。そこらの奴らでは触れることも叶わぬだろう。
だが、ご主人様は違う………
天の世界ではいざ知らず、刃に毒でも塗ってあれば一掠りで死に至る。
いくら鈴々が強いといっても絶対などということは無い。
ご主人様が死んでしまう………………ッ!

「おいっ!星は何処だ!?私はご主人様を向かえに行く!調練は任せたぞ!」

518:関羽ENDの外史
07/01/30 00:28:22 s3EEjxb20
「んっんっんぐ。美味いのだー!美味しすぎて鈴々のほっぺたが落ちないかどうか心配なのだー!」
「こっちの財布の中身も心配してくれよ………」

見つけた!
まったく、私の気苦労も知らずに買い食いなど、毒が入っていたら………はさすがに無いか。
いやいや、ご主人様が買い食いが好きだとばれたら行商に化けた白装束共がやってきて毒を………!
くっ、やはりここは私がご主人様の食事を用意するしか無いのか?うん、無いな。

「あれ?愛紗が居るのだ」
「え?マジ?うお!本当にいた!」
「うお!とは失敬な。こんな所にいて申し訳ありません」
「愛紗………怒ってる?」
「怒ってません。ただ護衛も連れずに歩き回る主の悪癖をどうすれば良いのか悩んでいるのです」
「それが怒っていると………」
「何か?」
「いえ、何も」

本当にこの人は………
…………………………………私の気も知らずに

519:関羽ENDの外史
07/01/30 00:29:12 s3EEjxb20
「いや、勝手に市に行ったのは本当に悪かったと思っているよ」

私のすぐ後ろには罰の悪そうなご主人様と鈴々の姿。
鈴々は何も言わず、逆にご主人様は積極的に謝罪の言葉を吐いている。
だがしかし、やはりご主人様は私の気持ちを分かってくれていない………

「ご主人様?私は何も市に行くのが悪いと言っているのではありません」
「え?じゃあ、何で愛紗怒っている………いえ、何でもありません」
「私はただ、護衛を連れずに出かけたことを怒っているのです。せめて2人、万全を期するならば最低5人は欲しい」
「いや、それじゃ堅苦しくて楽しめないと言いますか、その」
「それが無理なら………せめて鈴々だけでなく、私も連れて行ってください」
「いやー、愛紗は仕事が忙しそうだったからさ。こっちの我が儘に付き合ってもらうのも悪いと思ってさ」
「あー、それって鈴々が暇そうだったってことー?」
「いや、その、ノーコメントで」

分かってくれていない。
仕事なんか後でどうとでもなるというのに。
鈴々とも朱里とも翠とも星とも紫苑とも、さらには敵国だった捕虜とも出かけているというのに………
そんなはずは無い。主を疑うな。疑心を持つな。


私が避けられているなど。


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