07/12/31 08:46:57 SP0v3QK7
杜の巫女 1
沙夜はここ何日もの間、悪夢にうなされていた。
それは間違いなく悪夢だった。
気味の悪い生き物、強いて例えれば「巨大な蚯蚓(ミミズ)」というべきおぞましい生き物が何匹も現れ、沙夜はそれらに絡まれて辱めを受けるのだ。
場所は薄暗い洞窟の中。
絡まれているときの息苦しさや痛みが希薄なので、見ている最中からすでに夢だとわかるのだが、衣服は彼女が日ごろ身に着けていた制服だったし、異形の生き物に裸身を晒し、辱められるのは口に出すのもはばかられる内容だ。
(別に……欲求不満なわけじゃないのに…)
沙夜が暮らしているのは娯楽の少ない、鄙(ひな)びた山間の集落だった。
幼い頃に両親を事故でなくし、沙夜は唯一の肉親である母方の祖母に引き取られたのだが、その祖母が頑ななまでに住み続けているのが片田舎の山村だったのだ。
祖母は奇妙に信心深い女性で、おそらく信者など皆無と思われる、村外れの鎮守の祠(ほこら)を熱心に崇めていた。
何でもかつてはその祠の巫女を務めていたそうだが、沙夜にとっては「だから、他の村人よりは多少、親近感がある」程度で、別に祖母に倣って崇める程でもなかった。
そんな沙夜は村の中でも指折りの器量の良い娘だった。ちょっと気の強いところもあったが、体の発育もよく、年頃の娘相応に、思春期に入ってしばらくした辺りで自分を慰める術(すべ)もこっそり覚えてしまっていた。
だがそれ故に娯楽が少ないとはいえ、長く住み慣れた環境で、今更のように立て続けに淫夢を望むようなストレスを溜めることもないはずなのだ。
(やだ……今日も……?)
不本意ながらこのところ毎日、沙夜は起き抜けに下着を替えなくてはならなかった。
意識して望んでいるわけではないのに、年頃の肉体(からだ)の方は持ち主の思い通りにはならず、結果的に沙夜は毎晩、巨大蚯蚓(ミミズ)に下着を濡らされてしまうのだ。
「ほんとに……なんなのよ…もう!」
沙夜はその原因を突き止めたい気持ちが、日毎に強くなっていた。