14/09/17 21:42:27.52 SZY+w/AR
四
翌日から、奈穂子の過酷な合宿が始まった。
上級生、同級生、下級生、高等部のレギュラーから
それぞれ二三時間ずつシゴキを受け、早朝から夕方までしごかれた。
奈穂子のブルマと体操服は半日で泥だらけになった。
体力的なことよりも精神的なダメージの方が大きい。
早朝から高校生に指図されて練習するのはやはりつらい。
身体検査まで受けなければならないのも堪える。
下の毛が綺麗に剃られているか、高等部の部員にまで晒してチェックを受けなければならないのだ。
「下半身は小学校低学年並みだね」
奈穂子に同情的だった下級生にまで冷やかされた。
練習後には、例によって言葉で責められるのが堪える。
「奈穂子、このままだと高三のメンバーが来年新入生として入部したら、
その時もお世話になることになるよ」
「そうよ。とりあえず後期合宿での指導をよろしくとお願いして、
来年のこともお願いしておいたら」
散々なことを言われても、そのとおりだと思わざるを得ない奈穂子だった。
173:(続)屈辱の三軍 (3)
14/09/18 10:16:07.77 7Brg7M+j
>>170続き
173と174は作者が違います。
三
予め奈穂子の答えは決められている。
事前には四年生の幹部たちから事実上の引退までの三軍を言い渡され、
退部の意思確認もされたが、奈穂子は拒否した。
四年生たちの決定に従い部活を続けることを誓っているのだ。
事情を知らない三年生以下の部員たちは、固唾を呑んで、奈穂子の反応を窺っていた。
もし奈穂子が三軍の屈辱にこれ以上耐えられなくなり、退部を決意すれば、
停止されている三軍制度が再起動し、三軍に落される者も出てくる。
「いえ、是非、部活を続けさせてください。
三軍の身分は恥ずかしいけれど、レギュラー昇格目指して頑張ります。
三軍のままで終わりたくないです」
「ふーん。今まで一年間、散々恥をかいてきたのに、まだ恥をかきたいというの。
まあ、いいわ。
じゃあ、まず、三軍部員鈴野奈穂子として、今後の決意を誓ってもらおうか。
それが終わったら、三軍担当副キャプテンとして、みんなに事情説明をしてもらいましょう」
174:(続)屈辱の三軍 (4)
14/09/18 10:18:27.41 7Brg7M+j
四
そうなのだ。三軍降格後も奈穂子は副キャプテンの職を解任されなかった。
もちろん他の仕事からすべて任を解かれ、三軍担当の仕事だけの副キャプテンである。
自分で自分に命令し、自分で自分のしごきや懲罰のメニューを考えなければならなのだ。
予め幹部や教育係の間で決まっていることをアナウンスするだけの仕事ではあるが……。
「はい。三軍、鈴野奈穂子。三軍の降格後、この一年間、みなさまのご指導にもかかわらず、
未だレギュラー復帰の目途がまったく立たず、ご迷惑をかけて申し訳ありません。
シーズン終了まで三軍という決定は、今の私の実力からみて当然のことだと思います。
でも、例えシーズン最終日でもレギュラーに昇格してから引退したいです。
最後までレギュラー目指して頑張りたいと思います。
是非、今後も部においていただきたいと思います。
お手数をかけますが、今後も私の指導・教育のほどよろしくお願いいたします」
「ということだそうだ。教育係、指導員の意見はどうかな」
四年生たちは、奈穂子の日常の教育係である一年生のレギュラーたちを見渡して言った。
175:名無し調教中。
14/09/20 03:43:54.57 XdYXJOfU
一年生が指導教官か。いいじゃないかw
176:(続)屈辱の三軍 (5)
14/09/21 13:51:13.68 kvHTgPRO
五
「やはり陸上競技が好きなのと、三軍のまま終わりたくないからです。
それにシーズンの途中ですし、レギュラーへの復活目指して頑張りたいからです」
「でも、奈穂子先輩は高等部のキャプテンの時、自尊心を傷つけるからという理由で、
補欠のスクールブルマと体操服姿を廃止されたじゃないですか」
「大学でも二軍のスクールブルマ廃止の中心人物になられたとか」
「だからこそ」と四年生がフォーローして言った。
「奈穂子は三軍制度廃止のためにも頑張っているのよ。
奈穂子自身の申し出で、無事三軍脱出できれば、三軍制度は廃止される。
できなくても、奈穂子が三軍で頑張っている間は、三軍制度の執行は停止される、
つまり奈穂子以外の部員は三軍に降格させられることはないことになっているの。
だから奈穂子は三軍脱出できなくても、簡単に部活を辞めるわけにはいかないの。
三軍に落ちそうな部員のために自分ひとりがペナルティを受けることを申し出たので」
「そうだったのですか、立派ですね、奈穂子先輩は。
みんなのために自分ひとりだけが三軍のペナルティを受けるなんて、
なかなかできないことですよ。
頑張って一日も早く三軍脱出してくださいね」
と高等部の部員たちは無邪気に感心した。
177:(続)屈辱の三軍 (6)
14/09/21 13:52:16.31 kvHTgPRO
六
「奈穂子さん、どうして三軍に降格になっても部活を続けようと思ったのですか?」
「そうです。高等部時代からレギュラーで活躍されて花形選手だった奈穂子さんが、
三軍に降格させられて高校生扱いを受けるなんて、ずいぶん屈辱的なことだと思うのです」
合同合宿初日の夕方に開かれた最初のミーティングで、高等部の部員たちは口々に質問した。
無理もない。今朝、アスリートとしても女性として憧れの的であった奈穂子が、
惨めなスクールブルマ・体操服姿で集合場所に現れたからだ。
合同合宿は郊外にある大学の施設で行われるので、
大学の正門前からチャーターしたバスが出発することになっていた。
しかし集合場所に現れた奈穂子の服装は、もちろん三軍のトレードマークである
スクールブルマ・体操服姿だが、これまでよりさらに念の要ったものだった。
生地こそ昔のような綿100%ではないが、
黒のスクールブルマに体操服、赤い鉢巻を締めた姿は、
まるで昔の中学生、いや小学生のようだった。
もちろん下級生のレギュラーや二軍部員の監視の下、
自宅からこの格好で電車に乗り、大学まで登校し、
高等部の部員たちの目を疑わせたのである。
178:名無し調教中。
14/09/21 14:04:44.58 v3srTZ4m
sage
179:(続)屈辱の三軍 (5)
14/09/22 12:01:39.66 +11qCey0
>>176の続きです。
五
「本当に良いの、奈穂子」
一年生の教育係たちは、ためらうこともなく「奈穂子」と呼び捨てた。
無理もない。半数以上は高等部出身者で、去年の夏から奈穂子をしごき続けてきている。
奈穂子を年下扱いすることには慣れっこになっているのだ。
「夏合宿になると、また高校生からもしごかれるよ。
去年、私たちから受けたみたいに。
三年生や二年生の子は、去年も経験があるから容赦はしないと思う。
私たちだって、もうレギュラー昇格の目がないひとに対しては、
つい遠慮なくきつく扱ってしまうと思うし」
「もちろんです。実質万年補欠の私をこれまで以上に厳しくしごいてください」
「恥ずかしくはないの。中学、高校、大学とレギュラーだったひとが、
この一年間は高校生からもしごかれる惨めな三軍。
そのうえさらにこれから何か月も三軍のまま」
「は、恥ずかしくはないといえば、もちろん、うそになります」
「ふーん。じゃあ、この一年間で奈穂子が一番恥ずかしかったことって、何?」
と四年生の誰かが言った。
こういう言葉責めの方がはるかに堪える。
180:作 者
14/09/22 12:06:15.73 +11qCey0
169→170→175→176→181
の順です。
181:(続)屈辱の三軍 (6)
14/09/29 10:08:57.36 iXYys1rQ
六
>>169 1
>>170 2
>>175 3
>>176 4
>>181 5
の続きです。
「そ、そうですねえ……。この一年間、毎日、恥ずかしいことだらけでしたが、
最近では、先輩たちの試合の応援で、競技場へ行った時のことでしょうか。
他の大学へ進学した中学・高校時代の同級生や後輩の前でもこの姿を晒したことです。
当然、なぜこんな姿をしているのか、説明しなくてはなりませんし。
もちろん競技場への行き帰りの電車の中や歩いている時は、公衆の前で晒し者ですし」
「衆人環視の下で22歳の大学四年生が、いまどき小学生も着ないようなスクールブルマ・
体操服姿を晒すわけだからね。でも、本当は見られたいんじゃない」
「そ、そんなことはありません。は、恥ずかしく仕方がありません。
練習中は競技に集中しているのでそうでもありませんが、練習時間外はかなり堪えます。
特に同年代の女性から見られるが、それも女子高生の集団が凄いです。
遠慮なく大きな声で、笑い、嘲り、侮り、罵り、という感じですし」
「でも、それが三軍というものでしよう。三軍の身分を思い知ったでしょう」
「ええ」
「それとも、もう辞める」
「い、いえ、続けさせてください」
182:(続)屈辱の三軍 (7)
14/09/29 10:12:01.15 iXYys1rQ
七
「私、鈴野奈穂子は、これからもレギュラー昇格を目指して三軍で頑張ります。
どんな屈辱的なことがあっても、レギュラーに復帰するまで辞めません。
本来なら下級生の模範とならなければならない四年生が、
逆に三軍で下級生から指導を受けるという体たらくで、
部全体の足を引っ張って申し訳ありません。
一年生以下、いや高校生以下の扱いを受けても当然だと思います。
今後も遠慮なくしごいてください」
「ふーん。じゃあ、副キャプテンとしての奈穂子はどうなの?」
「鈴野さんの希望通りにしてあげてください。
仮にも一年前まではずっレギュラーで、高等部時代にも補欠になったことがないひとが、
三軍に落ちてこの一年間屈辱的な毎日の連続だったにもかかわらず、
これからも恥を忍んで三軍で頑張るといっているのです。
三軍での高校生以下の扱いについては、鈴野さん自身も言ったように、
本来なら下級生を指導的立場であるはずの四年生が、
逆に下級生から教育を受けるざまで、部の足を引っ張っているようでは、
ペナルティとして高校生以下の扱いは当然です……」
183:(続)屈辱の三軍 (8)
14/09/29 10:18:12.89 iXYys1rQ
八
「じゃあ、これで誰も異論はないわね。
これからも三軍、奈穂子を遠慮なくしごいて、高校生扱いしていいわよ」
「ちょっ、ちよっと、待ってください」
キャプテンの言葉に、奈穂子の教育係のひとり、三年生の久保祐佳(ユウカ)が言った。
「奈穂子さんの三軍残留は仕方がないとしても、
シーズン終了まで昇格の判定なしというのはルール違反だと思います。
少なくとも一ヵ月毎、夏休みであれば一週間か十日ごとに見直しするのが、
これまでの慣例ではないですか!」
「うーん。でも、今の奈穂子の実力だと見直しを定期的にしても無駄だと思うけど……」
「じゃあ、こうすうれば……。
ユウカの言うようにルールどおり奈穂子の昇格判定を定期的に行なう。
次回は、前期合宿の二三日前。
もし奈穂子が三軍のままと決まった時には、
教育係としてユウカにも責任をとって、三軍に降格してもらう」
184:(続)屈辱の三軍 (9)
14/09/29 10:21:37.48 iXYys1rQ
九
「それは約束が違います」
あわてて奈穂子は言った。
「私が部を辞めずに三軍で頑張っている間は、他の部員については三軍制度は停止、
という約束だったじゃないですか」
「でも、それは選手として部員としての話でしょう。
教育係としての責任はまた別よ。
奈穂子が三軍に降格して約一年、
未だに昇格できないのは、教育係にも責任があるわ」
「そうね。奈穂子の昇格の検討をする代わりに、もしできなかったら、
教育係の総責任者のユウカにも責任をとってもらって、
三軍に降格してもらおう」
「いや、奈穂子本人よりも責任が重いから、四軍ね」
「とりあえず次回の判定は、前期の夏合宿前ね」
結局、ユウカの四軍降格案は、部員の大多数の賛成があり、
ユウカも奈穂子も承諾させられてしまった。
185:名無し調教中。
14/10/01 01:43:35.59 a61RcMhK
とうとう後輩まで巻き込んでしまうのか。
それとも強引に後輩をかばって泥沼なのか。
186:(続)屈辱の三軍 (10))
14/10/03 12:11:32.30 nE1n3EYP
十
「奈穂子は引き続き、三軍のまま。
ユウカは約束どおり教育係としての責任をとって、四軍に降格」
奈穂子の必死の努力もむなしく、夏合宿の二三日前の練習後、
ふたりにとって無情な通告がされた。
「早速、四軍最初の居残り特訓を受けてもらおうか。
まず、ユウカ、四軍に相応しいユニフォームに着替えて!
奈穂子、ユウカにブルマと体操服を貸しておやり」
「は、はいっ」
奈穂子は自分のバックから予備のブルマと体操服を取り出そうとした。
半日で汗と泥でドロドロになることもあるので、奈穂子はいつも二三着予備を持っている。
「何をしているの。今、奈穂子が着ているのでいいのよ。
四軍のユウカに洗濯したてのものを着る権利なんかないのよ」
「そ、そんな!」
187:(続)屈辱の三軍 (11))
14/10/03 12:15:50.64 nE1n3EYP
十一
「奈穂子さん、逆らわないで。逆らうと余計酷い目に遭うだけだから」
小声でユウカは言った。
やむなく奈穂子は、一日の練習で自分の汗がたっぷり染み込んだ体操服とブルマを脱ぎ、
自分は予備の体操服とブルマに着替えた。
「ユウカ、憧れの奈穂子の汗をたっぷり吸ったユニフォームの着心地はどう?
これからは奈穂子の汗を一度吸ったものがユウカのユニフォームだからね」
体操服とブルマだけではない。
アンダーショーツやスポーツブラまで一度奈穂子が見に着けたものなのだ。
一日中猛練習を受けたため、奈穂子の汗でぐっしょり濡れている。
不快なこと極まりないことだろう。
奈穂子はユウカの心中を察するといたたまれない気持ちになるのだった。
「は、はいっ。尊敬している奈穂子さんの努力の汗が染みた
体操服とブルマを身に着けられて光栄です。
奈穂子さんの成績不振は教育係の私にもかなんり責任があります。
今後は奈穂子さんとともに汗を流して四軍で頑張りたいと思います」
188:名無し調教中。
14/10/04 20:54:27.46 AI6cVCe5
sage
189:名無し調教中。
14/10/05 04:30:40.57 G0lcFO/K
wktk
190:(続)屈辱の三軍 (12)
14/10/08 12:13:22.84 e/0YSEjf
>>189
続きです。
十二
さっそくユウカはただひとり居残り特訓を受けた。
奈穂子も一緒にシゴキを受けることを希望したのだが、認められなかった。
わざとユウカの惨めな姿を見せることによって、
奈穂子にふだんの自分のみっともない姿を思い知らせようという意図からだった。
ユウカは屈辱的な四軍降格のシゴキと奈穂子の汗がたっぷり染みた練習着の不快さに
必死で耐えていた。しかも奈穂子に気取られないように気を使わなければならなかった。
下級生のレギュラーから散々基礎錬でしごかれ、止めはロードワークだった。
夏休みとはいえ、大学のキャンパスや周辺は、部活帰りの学生や生徒でいっぱいだった。
体操服・スクールブルマ姿のユウカは目ざとく見つかってしまった。
「あれ、今日は違う子が走っているぞ」
「いつものようにゼッケンをつけていないな」
「でも、スクブル・体操服は同じだぞ」
「奈穂子という子と同じ三軍なのかな」
「この子も可愛いな」
191:名無し調教中。
14/10/08 19:11:48.67 9s/YJedM
sage
192:名無し調教中。
14/10/16 01:54:08.04 JKJKGUIw
続き期待
というか区切りの良いところまで期待