13/10/15 21:23:52.62 Tbf2cF4Y
>>748の続きです。
相澤が部屋を出て行ってしばらく経った頃。
押入れの引戸が音も無く、ゆっくりと開いた。中から恐る恐る出て来たのは、一人の少女だった。少女は辺りをキョロキョロと窺いながら台所へと近付く。裸足でフ
ローリングの上を歩いている為、ペタペタと足音が立つ。
少女は流し台の前まで来ると、相澤が置いていったドンブリに手を伸ばした。左手で抱えるようにそれを持つと、料理の具材の割には無骨な切り方をされた里芋をつ
まみ上げた。
その時だった。
「そこまでだ!」
バンッ、と玄関のドアが乱暴に開けられた音が響くや否や、スーパーに出掛けていたはずの相澤が部屋に踏み込んだ。今まさに煮物を食べようとした少女は―腰ま
で届く白銀の長い髪にエメラルドグリーンの瞳を持ち、そして、白いワンピースの上からでも分かる、痩せ型というにはあまりにも痩せぎすの体躯の小柄な少女は、怯
え切った表情で立ち尽くすしかなかった。