07/09/10 09:56:08 I+gfRT5/
>>58
昔は陰茎癌で陰茎を全部とってしまう手術を受けた人は、
大便の時のかっこうでしなければいけないが
そのたびに尿が上の方に出て難渋したし、
同時に陰嚢が小便でびちょびちょになっていた。
それでチールシュという医者が、尿道をもう少し切り詰めて
会陰部(陰嚢と肛門の間)に穴あけて尿道口にする手術法を思いついた。
当時はこれを「チールシュ氏法」といった。
会陰に尿道口をつくるだけだと陰嚢の裏側に小便がかかるので
昔は同時に「睾丸固定術」という陰嚢の中で睾丸に×型に糸をかけて固定する手術をしていた。
後には、睾丸固定術ではなくて、陰茎の付け根だった部分を中心に上下に縦に切開して
それを横に縫合する方法、陰茎の付け根だった部分を中心に横に切開して陰嚢の大きさに応じて
陰嚢皮膚を余分に切り取って横に縫合する方法、陰茎を中心にして腹側と陰嚢側を合わせて
縦の菱形に周辺皮膚を切り取って山形に縫合する方法などが考案された(今も医者によって
いろいろな方法が選ばれる)。これらはどれも陰嚢を腹の方に持ち上げる手術。
また今は廃れたが、会陰部に尿道口を作る時に尿道開口部(尿道の先端)を斜めに切って
穴につけて、尿が肛門方向(しゃがんだ状態だと真下だが実際は尻や肛門に伝わっていく)に
出るようにする方法も同時にとられることがあった。
しかし尿道口を会陰に移動するのは
1)ボディーイメージの変化が大きく患者にショックが大きい。
小便が不自由でも陰茎のあった部分から前向きに排尿したいと思う人もいる。
会陰部に移動すると立位排尿は絶対不可能で尻が濡れたり、
陰嚢をふくのはしょうがないが小便で尻をふくのは女になったように感じる
2)肛門に近くなるので尿道炎や膀胱炎になりやすい
3)陰茎切断術の後に、陰茎再建術が予定されている場合、あまり意味がない
等の理由で今でもまれに患者次第によってはチールシュ氏法をとらない医者がいる。
ただし、尿道口が陰嚢の左右のひだの中に埋没して尿線の散乱がひどくなる場合もあり、
尿道口の位置を変更した方が物理的には手術後の生活はラクである。(続く)