13/09/10 23:56:45.24 /b9JVhn3
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学園艦とは何なのか。
今にしてこそ世に満遍なく知れ渡っているが、それこそ戦後に学園艦が初めて出てきた時には、日本国民の大半が頭を悩ませたと聞く。
勿論、国から説明はあった。
段階的にではあるが、いずれ陵から小学校を除いた学校はなくなり、学園艦へと推移していくのだからと、入念な説明があった。
それでもやはり、先の大戦の先入観は拭えないもので、また戦争をする気だと誰かがまことしやかに噂を流せば、軍艦に我が子を乗せてたまるものかと、一部で暴動が起きたのだと当時の新聞にも取り上げられている。
さて、ここで話を戻す。
学園艦とは何なのか?
簡単である、学園の艦なのだ。
海の上で親と離れて暮らすのはそこに通う生徒諸君の自主性を養う為であり、また、広い視野を持つ為なのである。
勿論、学ぶ勉強も陵で習っていたものと変わりない。
高等部ともなると普通科ばかりの中等部とは違い、商業科、被服科、水産科、船舶科、情報科、栄養科、工学科、農業科など、将来の就職にて役に立つ知識を学び資格を取得出来る進路をも選択出来る。
ただし、学園艦は生徒諸君での運用を是にしているのに加え、高等部の普通科に於ける受け入れ数もまた有限である事を踏まえた上での進路選択になるのを、まぁ、察して欲しいらしいけども…。
ここまで考えて、猫田は改めて今の自分の境遇を喜ぶべきだと考えた。
「(普通科が一番楽そう…なんだよね?)」
何せ、ほぼ中等部時代からの焼き直しみたいなものだ。
これで他の科ともなると、集団生活だの責任感だのと、あまり関わりたくのない言葉が連々と辛辛と並ぶのだ。
勘弁して欲しい。
「(……引きこもりには無理ゲーすぎ)」
猫田は高等部に進学してからはそれも卒業して毎日登校している身なれど、やはり、出来る事ならば家でネトゲして過ごしていたいのだ。
特に……。