12/07/23 10:01:25.37 gafdaBXt
「あれ、セーラは?」
「今日もスカウト来てるみたいやで…」
インターミドルでセーラが大活躍し、スカウトがちらほら現れるようになると目に見えて怜の元気がなくなっていた。
「大活躍やったしなぁ」
「うん…」
何考えてるのか少し予想してみる。
「なぁ竜華……セーラ、どこ行くんやろな…。遠くに行ってしまうんかな」
だいたい予想通り。
「うち、一般でセーラ追いかける言うたけど…自信ないわ。勉強もやけど、もし遠く行ってしもうたら、うち通えへんような気ぃするし…」
「セーラに直接言うたらええやん」
「言えへん。セーラの邪魔になりたないわ…」
あぁ、やっぱり……。
怜はセーラのこと……
「とりあえずうちらに出来るんはめっちゃ頭いいとこでもええように、勉強することだけやんなぁ」
「……せやなぁ」
うちに出来ることってなんやろなぁ…。
怜が笑てくれるために出来ることってなんやろ…?
「なぁセーラ。決めたん?」
「ぼちぼちな」
「うちの高等部やあかんの?」
「え……」
「うちの高等部やったら全国でもトップやし、通う距離やて今と変わらんし……」
「……千里山や」
「えっ」
「千里山に決めたで」
「……」
「なんや何か言ってや」
「や、驚きで言葉が出んわ」
「千里山は全国トップクラスやし、スカートはかないでええことになったし……それに……怜のことも心配やしな」
セーラは「最後に言うたこと怜には秘密やからな!」と言うて走ってった。
うちはそれを見送った。
なんでやろなぁ。嬉しいことなのになぁ。怜が悲しまんでええのになぁ。
笑わなあかんのに……
人って泣きながら笑えるんやな。
という中学時代の竜華→怜→セーラ