12/07/09 23:19:57.51 C+hywFTi
>>623で言っていたレジェ灼が書けたので数スレ拝借致します
教師と生徒いう枠組みを越え恋人として付き合い始めてからも、
二人だけで過ごす甘ったるさにも似た独特の空気にはあまり慣れない。
そのときばかりは胸を打つ鼓動も否応なしに高まってしまう。
見つめた先で二人の視線が交われば、その熱さに耐え切れなくなってしまい瞳が揺らぐ。
気恥ずかしさから視線を逸らしてしまうことだって少なくない。
「灼は大げさすぎるよ」
そう優しく微笑まれたのなら、それまでの甘さとは別の痺れが胸を貫く。
ちょっとした痛みを含む罪悪感ということなのかもしれない。
小さく息を吸い込んで肺に空気を送り込む。
いくら平然を装うとしてみせたって、このやり切れない感情を持て余してしまう。
だけど、それすらお構いなしといった態度でハルちゃんは次の行動に移る。
いつだって、私に心の準備というものを持たせてはくれない。
唐突に名前を呼ばれたかと思えば、あっさりと手首を拘束されてしまった。
そうはいっても、痛みは全く伝わってこない。
「いい加減、こっち向いてよ」
どこか拗ねたような声色を耳にすれば、自分の表情が少し和らぐのがわかる。
もう、本当にしょうがないなぁ……
これだって単なる言い訳にしか過ぎず、本心ばかりは誤魔化しようもない。
観念して顔を上げる。
また互いの視線が絡み合って、凛とした力強さも感じられる姿に見惚れてしまう。
一斉に自分の中で何かが弾けて急速に胸の中をせり上がっていく。
もぞもぞとした様子で指先だって勝手に動いてしまう。
ああ、どうしようもなく恥ずかしい。