12/02/24 15:14:54.75 LvxN+4fS
「あれ、私の方に来てくれたんだ」
卒業式の日、結衣と同時刻に違う待ち合わせ場所を指定した私の前にちなつちゃんが現れる。
「べ、別に京子先輩が気になったからじゃないですからね」
「へへへ。それでも嬉しいよ」
いつもの照れ隠しなちなつちゃんに安心して私は想いを語った。
「私はね、ちなつちゃんが好き。最初はミラクるんに似て私の運命の人って思ったんだよ。でも気づいたら本当に好きになってた。ちなつちゃんが結衣を好きなの知ってるしフラれるの分かってるけどそれでも卒業する前に一言話しておきたかったんだー。」
「あとねもう一つ。私も結衣も同じ高校に進むのは知ってるよね。できたらまたごらく部作りたいねって。
だからあかりと一緒にまた来年集まろうぜ。
結衣にはメールしておいたから今から行けば間に合うよ。結衣もちなつちゃんの事好きみたいだし・・・ってこれ内緒だった」
「嫌です!私が結衣先輩の場所に言ったら先輩達のいないごらく部になっちゃうから嫌です!」
涙目になったちなつちゃんの頭を撫でながら私は話す。
「私が三年になってから進入部員はいなかったけど一年だけちなつちゃんのやりたかった茶道部もできるじゃない。
それにその子達もつれて同じ高校に来れば今より楽しくなるし。
・・・もーフラれて泣きたいのは私の方なんだぞー。最後に悔しいからちなつちゃんにキスしてやる!」
ちなつちゃんは抵抗をしなかった。
「・・・いいですよ。今日で七森中の最後ですし。京子先輩嫌いじゃないですし・・・」
「じゃあ目を閉じて・・・」
私はちなつちゃんの頬にキスをした。
「唇は結衣のためなんだから粗末にしちゃダメだよ!じゃあね!」
ちなつは顔を真っ赤にしながら京子を見送った。
ー唇にキスしてくれたら京子先輩と付き合っても良かったのに・・・ー誰にも聞こえない声でちなつは語った後、涙を拭い結衣の場所に向かった。
続く