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数日後、織莉子は一冊の漫画をほむらに渡す。
「先日のお礼と言ってはなんですが、これなんか如何かしら?」
「? 読んだこと無いけど、貴方からの本なら受けて立……いえ、読んでみるわ」
その日より三日が過ぎた。あの時以来、ほむらの姿を見た者はいない。
織莉子が、皆の前で謝罪する。
「すみません。軽い意趣返しのつもりだったのですが、やりすぎました」
ほむらが渡された本のタイトルは、『はるかリフレイン』(伊藤伸平)。ヒロインは事故死したボーイフレンドを救うため何度も時間を繰り返すが、どうやっても助けられずに結局は彼の死を受け入れてしまう話だ。
「ひ、ひどいよ。織莉子さん!」
「織莉子。私も、さすがにそれはないと思う。」
「ええ、私の短慮のせいで、暁美さんを欝状態にしてしまって、本当に申し訳ないと思ってます。
お願いです、鹿目さん。今の暁美さんを救えるのはあなたしかいません。どうか、これを持って、暁美さんを救ってください」
織莉子は一枚の映画のDVDを渡す。
そのタイトルは『クロノスジョウンターの伝説』(原作:梶尾真治)。過去に戻れば反動で数千年の未来に飛ばされてしまうにもかかわらず、事故死した恋人を救うためタイムマシンで過去へ飛ぶ男の話だ。