11/06/25 20:43:58.38 H7ohJDkb
恭子とさやか瓜二つの邂逅ってので、変なモノを妄想してしまった。
さやかを失ったあと、見滝原で暮らしていくのが辛く、遠い街に行ってしまった杏子。
十年後、街を歩いていると行列が出来ていた。
どうやら大ヒットアイドル歌手の新譜の発売日のようだった。
「まどかの奴、買い物して来いとか人使い荒いよね。あたしはアイドルなんて興味ないのに…
お釣りは好きにしていいって…そっちの方がメインか」
懐かしい声を聞いたような気がして、振り向くとそこにはさやかソックリさんが。
「さ、さやか…」
杏子は思わずソックリさんに声をかけてしまった。
「え、あれ?あんた見滝原にいるんじゃないの?わざわざ遠くの街に買いに来たのにー。あ、そうだ、その人違いです」
声をかけられた女の子は、とても狼狽しているようだった。
びっくりさせてすまないと思った杏子は
「あ、ごめん。君が、その、昔の友達によく似ていたから、驚いてしまって」と謝った。
「え……?あ、あれ?……あ、そうなんですか。間違える程、そんなによく似ているんですか?実は本人だったりして」
「うん。すごいそっくりだったんだ。もちろん、本人な訳ないけどね」
「なんでですか?」
「…彼女はその、亡くなったんだ。もう十年も前になるかな。今生きていたら、今の私と同じくらいになってるだろう」
杏子はしばらくさやかのそっくりさんととりとめのないお喋りをし続けた。
まるで、さやかと再びあっているような幸福な時間だった。
最期に杏子は勇気を出して聞いてみた。
「あの、その、また会えるかな。私は怪しい物じゃない。そこの聖公会の教会で司祭をしている佐倉杏子というものだ」
その少女はくすっと笑うと、「私はキリスト教徒じゃないですけれど、神様が望むならまた会える。そう思います」
杏子もにっと笑い返し「私もそういう気がする」と答えた。
若き牧師と謎の少女の交流が今始まる。