11/06/22 23:04:49.95 sVSoqh9D
あたしはごくごくフツーの中学生。
勉強はちょっと、ううん、かなりできないけど、リアルの生活も充実してて、
友達もたくさんいて、まどかなんて超かわいいし、マミさんはめっちゃカッコいいし、
ほむらはちょっと変なやつだけど話すといい子だし、仁美は超スペック高くて、えっと、その……
うん、ちょっとアレなこと思い出しちゃった。 やめとこっか。
そう、あたしは現在進行形で好きな人がいて、言えないでいて、ちがう、なんでもないよ、
そんな感じの一般人と変わりない生活を送ってるんだけど。
実はね、世間一般的に言う、隠れ…… オタクで、まわりの、なんだっけ、ふじょし?
そういう友達の話もちょっと気になっちゃうんだ。 絶対に言わないでね。
でも、ふじょし、ってなんだっけ? 正直全然分かんなくて、たとえばさ、ほむらは女の子同士の、
えーと、そういうのにしか興味ないから、ふじょし、じゃないらしくて。
ちょっと意味わかんないよね、でも、どうしてかなあ、つい気になっちゃってさ、
今日ね、誰もいないところで、ケータイで見ちゃったんだ。
― まどか☆マギカの、ゆり? スレ。
そう、百合っていうんだってね、こういうの。 ほむらがマジヤバい笑顔で言ってた。
そしたら変なことが書いてあってさ。 「>>1000ならさやかはアタシの嫁」って。
さやか、って、あたし? いやいや、ありえないし。 あたしってホントナル。
そんなことを考えながら歩道橋の下でぼーっと立ってたら、上からいきなりあいつが来たの。
「ちっ、>>998だったか」
「なにそれ、きゅうひゃくきゅうじゅうはち?」
「まあいいや。 スレの力になんて頼らないもんね。 アタシはアタシの力でさやかを嫁にする」
― この書き込み、杏子のやつだったのね。 ってことは、本当に、さやかってあたしのことか。
「ありえないんですけど、嫁とか百合とかそういうの。 妄想でやって」
「分かってないねえ。 この世界が妄想なんじゃん。 だから好きなことさせてよ」
「ちょ、まっ ……」
やばい、きもい、キモチワルイけどキモチイイ、でもこれってダメだってば、いきなり後ろからとか!
「だってさあ、この書き手ひどいヤツなんだ。 アタシだってこんなにさやかを大切にしてるのに、
絶対にさやかとこんないいことさせてくれなくて、アンタを助けるためにイレギュラーの隣で
ソウルジェム割らされたり、アイツに古傷えぐられたりするんだもんねえ」
「知らないって! それはアタシの責任じゃなくて、これを書いてる人に言ってよ!」
「いい。 アイツはまともなイチャイチャなんて書く気がない。 だからアタシが運命を変える」
杏子は慣れもなんにもない乱暴な手つきで服の中に腕を突っ込んで、耳元でささやいたの。
「>>1乙。 アタシはいい人生送ってないんだ。
だから今スレぐらい、いい夢見させてよ。 ― ほのぼので甘々な杏さやとか」
杏子の暴走が止まるよう祈りながら、あたしも>>1乙。