みつどもえで百合 【2卵性】at LESBIAN
みつどもえで百合 【2卵性】 - 暇つぶし2ch280:これはデートですか? 後編-③
11/11/29 20:47:31.97 rGY+ZfRc
私が答えを整理し終わる前に口を挟む。

みつば「あ、ちょっ……」

杉崎は私の腕を乱暴に放して、私が何か言う暇を与えずに携帯で電話を掛けた。

杉崎「あ、ママ、私先にかえる…………うん、大丈夫……それじゃ」<ピッ>

みつば「ちょっと! 杉崎!」

電話を終えた杉崎に、そう呼びかけてもまるで聞こえてないように立ち止まることもせず去っていった。


……。

???「今のはみっちゃんが悪いわね」

っ! だ、誰!? 振り向くとそこには―

松岡「すぐ追いかけるべきだよ……ね、三女さん!」

ひとは「なんで、急に飛び出すかな……松岡さん」

―ま、松岡とひとは!?

ひとは「っていうか、手、放して!」

松岡「あ、ごめん。でも共犯だから出頭した時も一緒じゃないとね!」

281:これはデートですか? 後編-④
11/11/29 20:49:29.73 rGY+ZfRc
みつば「なんで、あんた達……っていうか共犯ってなによ?」

松岡「それは私達が―むぐぅ」
ひとは「ちょ! 他言無用って言ったよ!」

そういって松岡の口を押さえながらひとはは言った。
良くわからないが二人の秘密らしい……仲いいわね。

ひとはが松岡の口を押さえたままで続けて言う。

ひとは「みっちゃん……追いかけなくていいの? 杉ちゃん、きっと悲しんでるよ?」

みつば「な、なんでそんなこと判るのよ!」

そう答えると、ひとはは大きく嘆息してから答えた。

ひとは「みっちゃんも杉ちゃんに楽しくないって否定された時、悲しくなかった?」

……わかってる。わかってるわよそんなこと。
私からも言わなくちゃいけないって、そうしないときっと、私が悲しんだように杉崎も悲しむって。

杉崎も私がそう感じたからこそ、引き止めて、恥ずかしいのを我慢して本音で言ってくれた。

ひとは「杉ちゃんも、きっと一緒だよ」

そう、一緒なのだ。自惚れかも知れない。そう思ってた時もあったし、私自身杉崎なんて嫌いなはずだと思い込んでいたこともあった。
でも、一緒に下校するようになってから……いや…もっと前から、杉崎を案じてる私が居て……私を案じてくれてる杉崎が居た。
今日だって、私が洋服代を気にしてるとき気を使ってくれてた。

だったら、追うしかないじゃない!

みつば「……ひとは、私の分の夕飯ちゃんと残しておきなさいよ!」

そういって私は二人を置いて走った。
まだ答えなんて見つかっていないが、今からでも…会ってからでも考えればいい。





282:これはデートですか? 後編-⑤
11/11/29 20:50:54.37 rGY+ZfRc
~ 電話(杉崎視点) ~

私は、デパート出てまっすぐ帰らずに、誰も居ない脇道に入ってしゃがみこんでいた。

馬鹿だな……私。
急にあんなこといって……。

みつばは何だかんだ言っても、私のこと心配してくれたりするけど……その優しさは、私にだけ向けられてるわけじゃない。
あんな性格だけど皆に優しい。別に勘違いしてたわけでもなくわかっていた事。
それなのに……。

今日は一人で舞い上がってたのかな……私。
全然そんなつもりなかったのに。

実際、みつばに言った通り気を張りっぱなしで疲れはしたけど、本当に……本当に楽しかった。
いつも皆と一緒の時も楽しいけど……それとは違う、なにか新鮮味のある特別な時間だった。

携帯を取り出し、今日撮ったデニムスカート姿のみつばの写真を見る。
今日のことを思い出し唇が軽くつり上がるのが判った。でも―

杉崎「私は……楽しかったのに……どうして? ううぅ……―」

―それは同時に悲しいことだった。
そして、悔しかった。……私だけが楽しんでたということがどうしようもなく、悔しかった。
私は声を必死に押し殺して……それでも目から溢れる涙は止められなかった。

283:これはデートですか? 後編-⑥
11/11/29 20:53:06.58 rGY+ZfRc


しばらく泣いて落ち着いた。

あー……なんでみつばの為にこんなにも辛い思いしなきゃいけないのよ……。
って言うか、みつばから言い出した勝負よ!
私はそれに付き合っただけじゃない! なんで私のほうがこんな辛い目に会わなきゃいけないのよ……。

……この感情が開き直りってことは自覚してる。
人間の本能と言うか性質というか……そういうのには本当に驚かされる。
開き直りってこんなにも便利なものか。

開いたままだった携帯を操作してバックライトをつける。液晶に現れた数字は18:55、もうすぐ7時……どんだけ泣いてるのよ私。

メールが一通来ていた。差出人はママ。内容は少し遅くなるというものだった。
まだ、私がこんなところに居るなんて思っても見ないだろう。

とりあえず帰るために立ち上がる。
長い間しゃがみ込んでいたためか膝が少し痛かった。

杉崎「っと……はぁ…さっさと帰って寝ようかしら」

なにも悩むことない。明日からいつも通りにしていればいい。
それが私の望む形であり、みつばの望む形のはずだから……。

脇道から本来通る道に戻った。

外はいつの間にか完全に夜となっていて、風も肌寒い。

私は俯いたまま、帰路に着く。
足取りは重くて……荷物は多くて嫌になる。

そう思ってしまうのはやっぱり無理してるってことなのだろう……。
あんなことさえなければ、こんな気持ちで帰ることもなかったはずだから。

284:これはデートですか? 後編-⑦
11/11/29 20:54:39.49 rGY+ZfRc
<♪~~>

携帯の着信音……ママだろうか?
携帯を取り出して確認すると……丸井家……。

十中八九みつばだろう。……応答すべきだろうか?

私は迷った挙句、約10秒着信が続いた時に応答した。

杉崎「もしも―」
みつば『ちょっと! あんた今どこに居るわけ!』

あまりの大声に携帯を耳から離す。
まったく、いったいなんなのよ……。

杉崎「別に……どこだっていいでしょ?」

みつば『よくないわよ! 家に行ってもドMもあんたも帰ってないって言うし、どこほっつき歩いてんのよ!』

だからそういうことじゃなくて。

杉崎「なんで、みつばにどこにいるか言わなきゃならないのかって言ってるのよ、この雌豚!」

みつば『っ! なんです―』ひとは『(ちょっとみっちゃん、冷静に話すって言ってたでしょ? って言うかさっきからうるさい)』

私の悪態に反応したが、途中で受話器の向こう側からひとはの声で制止が掛かったようだ。

みつば『ど、怒鳴って悪かったわね……とりあえず、あんたと直接会って話がしたい訳よ。どこにいるか教えてくれない?』

あまりに急すぎる態度の変化に笑いそうになる。なに? 私に気でも使ってるのだろうか?
でも……やっぱりみつばと話すのは、本当楽しいわね。

杉崎「別に電話でも話くらいできるじゃないの?」

みつば『そ、それはそうだけど……』

言い淀むみつば。
はぁ……。直接会って話したいこと……か。

285:これはデートですか? 後編-⑧
11/11/29 20:55:38.34 rGY+ZfRc
杉崎「……デパートを出てすぐの通りよ」

大体何を話しに来るかなんて想像は付いてる。

みつば『あんた、なんでまだそんな所にいるわけ?』

杉崎「さぁーね。忘れたわそんなこと」

みつば『何によそれ……とりあえずそこで待ってなさい今から行くから!』

杉崎「嫌よ。帰ってる途中なんだから」

みつば『っ! い、いいわよ! あんたの家の方からそっちに向かうから! 絶対回り道とかするんじゃないわよ!』<ガチャ!>

そういって、私の返答を待たずに切られた。

……私に答えを返すつもりよね?
だとしたら、答えは「私も楽しかった」だろう。
誰にでも気を使えるみつばだ。この答えで決まりだ。

それは私の求めていた答え。でも……気を使ってのその答えは、惨めなだけだ。

杉崎「まぁ……別にいいけど」

もう、惨めでもなんでもいい。
さっさとこんなこと忘れて、いつも通りに話がしたい。
とりあえず今はどんな顔して聞けばいいか考えておこう。





みつば「こっ、今度、もう一度二人でどこか行くわよ!」

杉崎「……へ?」





286:これはデートですか? 後編-⑨
11/11/29 20:57:23.53 rGY+ZfRc
~ 返答(みつば視点) ~

私の非常に恥ずかしい台詞を聞いて、杉崎は予想外の答えに驚いてるようだった。

あー、私、顔から火が出てるんじゃないかしら?
湯気くらいなら当然出てるだろう。

―って、自分のことで精一杯で気が付いてなかったが杉崎の目元……赤くない?

みつば「あ、ちょっと、今の話は置いといて―」
杉崎「え? な、なんで置いておくのよ!」

いや、そんな身を乗り出してまで突っ込み入れなくても……。

みつば「そんなことより、あんた……泣いてたの?」

杉崎「ふぇっ!」

私がそう言うと、杉崎は間抜けな声を上げた後、私から距離を取って――というより私を突き放して――顔を隠すため慌てて後ろを向いた。
今更隠したところで意味ないわよ……。

みつば「……なにかあったの?」

杉崎「な、なんでもないわよ!!」

そのことに触れるなと言わんばかりの態度。
なんだか知らないが勢いに圧倒された。

……まぁ、見た所暴力とかされたようにも見えないし、此処まで嫌がってるんだから追求はしない方がいいかも知れない。
なんたって態々質問に答えに来た理由の半分以上は、杉崎のご機嫌を取りに来たようなものだし……何してるんだろ私。

でも、べつに杉崎が喜びそうな答えを選んできたわけじゃない。

杉崎「それより、……置いておいた話に戻しなさいよ」

後ろを向いたまま杉崎が言う。
その言葉に私は考え事を中断した。

……杉崎が後ろ向いてるっていうのは、正直私もやり易い。
それでも恥ずかしいけど……仕方がない。

287:これはデートですか? 後編-⑩
11/11/29 20:59:45.33 rGY+ZfRc
みつば「も、もう一度言うわよ? 今度もう一度二人でどこか行かない?」

杉崎「……」

みつば「……」

訂正。全然やり易くない……。

みつば「……な、何か言いなさいよ! あんたの問いに対して考えた答えなのよ!」

杉崎「どういう、考え方すれば、そんな答えになるのよ! っていうか答えになってないじゃない!」

な! ちゃんと真剣に考えた答えを……答えになってないですって!
……。

問い:楽しかったですか?
答え:もう一度二人でどこか行きませんか?

……なってなかった。
って違う!

みつば「だから! 私は楽しかったかどうか良くわからなかったのよ!」

そう、だから考えた答えが―

みつば「もう一度二人でどこか行くことで、ハッキリさせたかったのよ!」

杉崎に答える暇を与えず、私はさらに続ける。

みつば「あんたが真剣にしてきた質問でしょ! ……た、たまにはちゃんと考えて答えてあげようって思ったのよ……」

288:これはデートですか? 後編-⑪
11/11/29 21:01:06.29 rGY+ZfRc
杉崎「……へ、へー、そう…なの……」

みつば「……」

杉崎「……」

なんでまた沈黙なのよ……。
超が付くほど恥ずかしいのに!

しびれを切らして私は声を発する。

みつば「……さ、さっさと質問に答えなさいよ! まったく使えないわね!」

でもその声は、恥ずかしさを紛らわすために一言余計な事まで付け足してしまった。

杉崎「な! ……わかった、答えてあげるわ……行かないわよ!」

みつば「はぁ!? なんでよ、あんた楽しかったんでしょ? だったら―」
杉崎「ええ、そうよ! でも行かない!」

きっぱりとそう告げられる。
そして、私が切り返す前に更に付け加える。

杉崎「あんたなんか今日楽しかったのか、楽しくなかったのか一生悩んでればいいのよ!」

こ、この女~~~!
私に蟠りが残るのと、自分が楽しめるのを天秤にかけてその答えに行き着くとか……最低ね!

……と行っても私が余計な一言つけたからこんな事になったのかも知れないけど。
だから杉崎が怒るのは当然。
そして、私も―

みつば「どうしても行かないって訳ね。この性悪女……意地だけは一人前なんだから……」

―一言どころか二言も多い発言……やっぱりこうなる。
わかってはいるのに、口が勝手に動いてしまうから。

289:これはデートですか? 後編-⑫
11/11/29 21:02:03.88 rGY+ZfRc
杉崎「! あんたに言われたくないわよ! 体重だけは二人前の癖に!」

みつば「そ、そんなに重くないわよ! パッとボロ雑巾のように捻じ切れてしまえ!」

まぁ、こうやって喧嘩するのも悪くないと思ってるのが一番の原因な気がする。
いや、むしろこれが自然体と言うべきだ。
……でも二人だけだと、この喧嘩終わらないだろうな。



いや……これならいける!

そう思いついたのは、杉崎も私も息切れを起こし始めた時。
一息ついたタイミングを見計らって提案する。

みつば「なら、これでどう? 明日のお洒落勝負、私が勝ったらどこか行くわよ!」

杉崎「ふん! 臨むところよ! 庶民の選んだ服なんかに私が負けるわけないわ!」

もう、私も杉崎も恥ずかしいとか無くなって、いつもの喧嘩だ。
いやまぁ、よくよく考えればきっと恥ずかしいこと言ってるんだけど、よくよく考えてないので大丈夫だ。

勝負の約束を再度取り付けたところで、丁度杉崎の家……今更ながら付いてき過ぎた、これじゃ少し遠回りだ。
そんなことを考えていると、杉崎が突然、突拍子もないことを言う。

杉崎「みつば……ありがと」





290:これはデートですか? 後編-⑬
11/11/29 21:08:08.36 rGY+ZfRc
~ 二人(杉崎視点) ~

そう、それは些細な問題でしかなかった。

私がみつばの気持ちに、一喜一憂しなければならないことなんてない。
だって、私はこうやってみつばと会話――と言うより喧嘩なんだけど――しているだけでこんなにも楽しいのだ。

少し前までなら、無理してるって言える発言だと思う。
今も気にしてないわけじゃない。でも……あの時の自分に言ってやりたい、「みつばが楽しくないなんて、喜ばしいことでしょ!」って。
雰囲気に流されただけだ。いつもならそんなに落ち込むようなことじゃない。

杉崎「みつば……ありがと」

私は自分の家を目の前にして、みつばを見ずに呟く。
みつばに、無性に発したかった言葉。

―それは、態々私に真剣に答えを言いに来てくれたみつばに言いたかった言葉。
―それは、私達の関係になんら変化がないってことを教えてくれたみつばに伝えたかった言葉。
―それは、……傍にいてくれて嬉しかった私からの気持ちだった。

みつば「な、何よいきなり……何に対しての感謝なのよ!」

杉崎「……さぁ? その空っぽの……いえ、脂肪の詰まった重い頭で考えて見たらどう?」

後ろを向いていても、みつばの悔しがる顔が容易に想像が付く。
そのまま家に中に入っても良かったのだが、その顔見たさに私は振り向く。
物のついでに此処まで付いてきてくれたみつばに、“みつばに取って大事なこと”を教えてあげることにした。

杉崎「あんたも、さっさと家に帰りなさいよ……“夕飯”、まだなんでしょ?」

悔しがっている表情を一変させる。
流石みつばね。期待を裏切らない反応。それっ! <ピロリロリーン♪>

そんな、みつばの表情の変化を、私は携帯に閉じ込める。

291:これはデートですか? 後編-⑭
11/11/29 21:10:20.07 rGY+ZfRc
これも同じだ、私だけ楽しんで、みつばは楽しんでなどいない。
でも、問題ないじゃない。それが辛いだなんて思ったこともない。

逆もそうだ。みつばが楽しんでる状況があったとしても、私も共に楽しめるとは限らない。
つまり、お互い様って事。
私達二人は、お互い捻くれ者同士なのだ。

だからこそ、私はみつばの誘いを一度突っ撥ねた訳だし。

でもね……明日の勝負に貴方が勝った時の約束……二人でどこかに行く時は、貴方にも楽しんでもらうんだから。
もし貴方の出した答えが“楽しくない”だとしてもどこか一点でも楽しんでもらうわ。
そして、私は貴方が悔しがるほどに楽しんでやるから。

みつばは私に文句を言いたそうな顔をしながらも、私から背を向けた。

はぁー、まったく……私への文句より夕飯のが大事とは妬ける(?)話だ。
そう思いながらも私は笑っていた。

おわり

~~~以上本編~~~

長々とお付き合い頂いた方ありがとうございます。

続きは……書く可能性はありますが、皆さんの想像してる続きとは違う物になりそうです。
書かずに終わる可能性も十分ありますが。

さて、どうでしょう……今回時間はそれなりに取れたのですが
最近、最初考えてた話からズレちゃうんです。
プロットが甘いのかな?
途中から会話の流れで展開を決めちゃってます(汗

とりあえず次作は処女作別視点リメイク、現在鋭意製作、修正中です。
……が、最近忙しくなってきてるので時間がorz

感想あれば書き込みお願います。

292:名無しさん@秘密の花園
11/11/29 23:34:41.94 wAIl55za
面白かった!乙です!
なんだか前回より文章が上手くなってる気が…

次回はリメイクということでそちらも楽しみに待っていますね
それと今回の続きも書いてくれると嬉しいな…

293:名無しさん@秘密の花園
11/12/01 02:02:05.49 ochBz4IB
乙!いつもの人来てたのか!くぅ…レスが遅れたぜ…
やはり杉みつはいいものですねぇ…そしてなんとも破壊力のある松ひとまでねじ込むとは恐れ入った…
しかも弱冠ひとみつ要素が入っている
これだけ詰め込めてしっかりとまとまり、ちゃんとオチている
いつもの人着実にレベルが上がってきているな…w

294:名無しさん@秘密の花園
11/12/24 00:01:28.54 ih8plmTu
DLSiteのみつどもえ同人まとめ
URLリンク(doujinlist.info)

295:名無しさん@秘密の花園
11/12/24 07:44:07.61 ShIsKCot
杉みつってやたら濃厚でハードな絡みが多いよな

296:コレクター・みく 前書き
12/01/01 01:46:17.72 c4+zJ8zr
明けましておめでとう御座います。
今年もこのスレでよろしくしたいと思ってます。

>>292-293
感想ありがとうございます。

今回の続きは一応書く予定となりました。
まだ書き始めても居ないのでいつになるかわからないですが、さすがに新年度までには……

それと……上達してますか?
自分だと全然わからないものですね……。
こういう自分じゃわからない事の感想とか非常にありがたいです。


突然だが、お年玉SSだ! 有難く受け取るんだ!

……スイマセン新年早々調子乗りました。
前回の予告の処女作リメイク別視点版まだ調整不足です。
平行してて書いてたショートショートの方が先に出来たのでこちらを投下させていただきます。

以下注意事項まとめ
・今回SSなので短いです。
・主にひとみつ、杉みつですが肝心のみつばは出てきません。
・登場人物が少ないので地の文多めで、台本書き部分を今回に限り撤廃
・百合濃度低いのは相変わらず。
・元旦投稿だけど作中の時期は一切関係ないです。

297:コレクター・みく-①
12/01/01 01:52:55.65 c4+zJ8zr
~~~以下本編~~~

タイトル:コレクター・みく

これが杉ちゃんのパソコンにある、みっちゃんコレクションか……。
みっちゃんの下着姿、着替え中、などなど酷いものを見た。

ここは杉ちゃんの家。
非常に珍しいことに部屋には私と杉ちゃんしかいない。

「ちょっと、これ……すごいわね! いくら払えば私にくれるの?」

杉ちゃんが興奮気味に私に話しかける。
私はみっちゃんの生着替え動画――動画まであるとはほんとただの犯罪者だよ――を見ながら杉ちゃんの方に振り向きもせずに答える。

「見てもいいって言ったけど、売るなんていってないんだけど」

そう言い終わるタイミングで生着替え動画も終わる。さて、次はフォルダー“みつばパンツコレクション”を開いてみようかな。

「うぅ、欲しいわ~」

あぁ、うるさいな。
後ろからねだるように杉ちゃんの声が非常に耳障りだった。

「みっちゃんの写真を2度と取らないって覚悟があるならタダであ―」
「見るだけにしておくわね!」

そんな約束してもらってもあげるつもりなんて無いが、狙い通り静かになった。

ちなみに杉ちゃんが見てるのは、私の日記、別名『雌豚飼育日記』だ。
少し前に家に来た時に日記の存在に気が付かれてしまったので、この際見せてあげる代わりに、杉ちゃんのコレクションを見せて貰っているわけだけど。
うん、どれもこれも酷い。そんな日記売らなくても、訴えて賠償金請求するだけで家族全員遊んで暮らせるくらいには酷い。

「それにしても、ほんとみつばのことばっかりね……」

日記を見ながら杉ちゃんが言う。
そっくりそのまま台詞を返してやりたいが、きっとそれは蝸牛角上の争い。
その言葉を自分の中に留めておいて、普通に質問に返す。

「……みっちゃんにもそれ言われた…それからはところどころ私のこと書いてあるはずだけど?」

そう、過去の日記は8割くらいみっちゃんのことばっかりだった気がする。

「まぁ、そうだけど……それでも7割くらはみつばこのことじゃない?」

え……そうだったっけ?
せめて5割くらいじゃないの?

日記を奪ってざっと見る。……7割から8割くらいだった。
なんてことだろう、みっちゃんに指摘されてから然程変わっていなかったとは……。

298:コレクター・みく-②
12/01/01 01:53:58.53 c4+zJ8zr
「う、うるさいな……みっちゃんが一番面白いネタになるんだから仕方が無いんだよ」

そう言って日記を杉ちゃんに返す。
実際そうだ。トラブル持ってくるのは大抵みっちゃんであり当事者もみっちゃん。
みっちゃん以外書くことが無いからこうなってるだけだ。……たぶん。

それから日記を一通り読み終わった杉ちゃんが私に質問を投げかける。

「で、私のコレクションの方はどう? “凄い”でしょ?」

「うん、とっても“凄い”変態画像集だね」

「でしょー……って変態って何よ!」

「私今“凄い”引いてるよ」

「そこなの!? “凄い”をつける所!」

「杉ちゃんって“凄い”よね、いろんな意味で」

「さっきの台詞聞いてからだと悪意たっぷりにしか聞こえないわよ!」

「え? “凄い”悪意たっぷりだよ?」

「っ! いいわよ、もう見せないから!」

怒らせてしまった。どうやらからかい過ぎたようだ。
杉ちゃんもみっちゃんに似てる部分があるからついついからかってしまう。

それにしても、盗撮しておいて、独り占めとは……。
みっちゃんを独り占めしてるようで、妙に腹立たしい。
ということで―

「別に下着姿も大抵家で見えるし。……お風呂も水道代節約で一緒に入ってるし」

―杉ちゃんが羨ましがるようなことを言ってみる。
……正直、言ってから気が付いたが、私も結構恥ずかしい。

すると私の台詞を聞いて、案の定悔しがる表情を見せてから噛み付いてくる。

「っ! なんであんた、コレクション見たいだなんて言ったのよ!」

「今の杉ちゃんの変態っぷりを調査するためだけど……私“凄い”引いてるよ」

「もう“凄い”はいいわよ!」

ああ、しまった。またからかってしまった。

その会話が終わると杉ちゃんはまた私の日記を開いて読み始めた。
私も杉ちゃんのコレクションの続きでも調査しよう。

と言ってもさっき言ったとおり大抵は家でも見れる光景が多い。
……それなのに、なぜだろう? 私は調査という名目の割りに楽しんでいる気がする。
みっちゃんの走っているところ、食べてるところ、頑張ってるところ、高笑いしてるところ……何気ない一枚一枚なのにだ。

家でも、学校でもいつでも会えるのにどうしてだろう……。

私は別段珍しくも無い画像を見て自然と口元が緩む。

「なによ、興味津々じゃない?」

299:コレクター・みく-③
12/01/01 01:55:06.49 c4+zJ8zr
「っ!」

いつの間にか後ろに居た杉ちゃん……趣味悪い―のはこのパソコンを見ればわかりきった事か。

「なになに? 何に興味示してたの?」

「え、ぁ……えっと」

私は顔が熱くなるのを感じた。
口篭る私。興味ない振りしてて一生懸命みっちゃんの画像を眺めてるところを見られたからって言うのもある。
でも、それを抜いても私は答えをすぐに言い出せなかっただろう。

どうして私は、何時も見てるはずのみっちゃんを見て楽しめていたのだろう?

「ちょっと、なに黙ってるのよ。教えなさいよ!」

そう杉ちゃんに言われて、とりあえず今開いているフォルダーの中で、なんとなく一番気に入った一枚を指差すことにした。

「んー? あぁ、これね。いい顔―じゃなかった、面白い顔してるでしょ? これはね―……」

杉ちゃんが写真の説明を饒舌にし始める。
私はと言うと、聞いてなかった。それはただ単に興味が無いとかじゃなく疑問が解消され、説明が耳に届いていなかったから。

杉ちゃんの言ったように、今パソコンに写っている画像には、いい表情の―何かに胸を躍らされているような……そんな表情のみっちゃんがいた。

そう……私はみっちゃんの表情を見てたんだ。

時折見せる悲しい表情、失敗してばつが悪そうな表情、本気で心配してる時の表情。
このパソコンの中には沢山のみっちゃんの感情があった。

それは、普段一瞬しか見せない表情も沢山あって……見ようと思っても見えないものであって。
だから私は、見てて楽しかったんだ。

300:コレクター・みく-④
12/01/01 01:57:22.08 c4+zJ8zr
「―ってわけなのよ。ほんとみつばって、馬鹿よねー♪」

杉ちゃんが満面の笑みで嬉しそうに、まるで自分の出来事を自慢するかように話を終え、同意を求めてくる。

「え、あ、うん、そうだね」

とりあえず、適当に相槌をしておく。
そして、杉ちゃんの説明が終わり一息ついたとき私が話しかける。

「杉ちゃん、何となくわかったよ。杉ちゃんのコレクションの“凄さ”」

沢山の表情を閉じ込めてる杉ちゃんのみっちゃんへの愛……と言うより執念。
正直、かなわないと思った。
一番近くに居るはずの家族である私ですら、こんなに沢山の表情を知らなかった。

「また“凄さ”って、それはもいいって言ったじゃない……」

「違うよ、本当の真面目な意味で“凄い”って思ったんだよ」

そういうと「そ、そう?」と照れながら顔を背けた。
褒めて欲しかった、もしくは自慢したかったはずなのにいざ褒めるとこれだ。
本当、どこぞの雌豚にそっくりなところ。

すると「こ、これなんてどう! 私の一番のお気に入りなんだから!」
そう言って“お気に入りのみつば”のフォルダーを開いてみせる……フォルダー名には突っ込まないでおこう。
私は、今度はどんな表情のみっちゃんがいるか期待していた。

……あ、うん、期待して“いた”。過去形。

そこには卑猥な画像ばかり……物によっては顔も写ってないものもあった。
……やっぱりただの変質者だったよこの人。

「さて、松岡さん呼んで供養しようか」

「ど、どうしてそうなるのよ!」

その後、松岡さんが来て供養を全力で阻止しようとする杉ちゃんを見て今更ながら思う。

みっちゃん……大変だな……。

おわり

~~~以下本編~~~

お付き合い頂いた方ありがとうございます。
今後も鈍筆ではありますが暇を見つけては書いていくので今年もよろしくお願いします。

感想とかあればお願いします。


301:名無しさん@秘密の花園
12/01/01 01:59:19.10 c4+zJ8zr
スイマセン。
最後の
>~~~以下本編~~~
は、
~~~以上本編~~~
の間違いです。
書き込みボタン押した瞬間に気が付くとか……厄年かなorz




302:名無しさん@秘密の花園
12/01/02 00:34:20.32 vQb8lbLz
これはまた素敵なお年玉をありがとうございますw
みっちゃん愛されてるな~w
次作も楽しみに待ってますよ~


303:名無しさん@秘密の花園
12/01/28 19:30:10.77 YynenIDq
流石に再開がないとヤバイね過疎りっぷりが…寂しいなぁ

304:名無しさん@秘密の花園
12/01/31 18:44:28.27 wNYXNh1d
俺はここにいるぞ

305:名無しさん@秘密の花園
12/01/31 22:55:13.25 9pNjC+AG
俺もいるぞ
のりおちゃんまだか!復活はまだなのか!

306:名無しさん@秘密の花園
12/02/10 07:13:29.64 Bqok6u07
みっちゃんとおがちんの絡みが好きなんだ

307:名無しさん@秘密の花園
12/02/12 21:22:15.23 Nblygyna
みつおが・・・いやおがみつ? 違うなやっぱりみつおがか?
205卵生の二人三脚回は良かったが掘り下げるとなると難しいな
素直にSMプレイさせるのが無難だろうけど、おがちんがみっちゃんLoveにはならんだろうな

俺は松みつが大好きだ……松岡さんもっと家出して丸井家に泊まるんだ!


308:名無しさん@秘密の花園
12/02/16 16:39:18.71 xy92AY71
>>300
乙。
やっぱこの二人は一緒に何かしてる時の息の合いっぷりが異常だな

309:名無しさん@秘密の花園
12/02/18 12:54:16.86 JJLYA/ld
>>307
松みつとは盲点だったな。言われてみれは松みつはお互い普通に友達をしてる仲だな
何気にみっちゃんが松岡さんを普通に認めてるってのがいい

310:名無しさん@秘密の花園
12/04/10 13:51:04.77 6YfO4Rn1
おがちんにみっちゃんのファーストキス奪われればよかったのに・・・

311: 忍法帖【Lv=34,xxxPT】
12/05/18 01:04:57.79 cqjKZRHh
忍法帖確認テスト~
301です。
忍法帖に異常なければ近いうちに「これは、デートですか?」の続編投下予定
リメイクの方は……モチベが続かずやめにしました! スイマセン!
前回が正月投稿とか……私、半年もサボってたんですね(汗

それとまだここにスレ住民います? 居なかったら寂しいですね……一応投下はしますけど

312:名無しさん@秘密の花園
12/05/18 22:39:43.57 bpeFsPp0
ちゃんとチェックしてるぜ
ここの住人を甘く見ない方がいい


313:名無しさん@秘密の花園
12/05/18 23:08:43.36 q2ClO4/3
いるに決まってるだろ

314:名無しさん@秘密の花園
12/05/22 17:23:53.43 t4TuFAXr
誰も居ない


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch