みつどもえで百合 【2卵性】at LESBIAN
みつどもえで百合 【2卵性】 - 暇つぶし2ch100:名無しさん@秘密の花園
11/06/04 18:21:29.00 mF4g7q8D
>>95
ひとはの心の動きにドキドキしました
そして松岡さんがいい味出してますw

101:名無しさん@秘密の花園
11/06/04 18:58:01.48 NAsofV9M
ひとみつ補給させていただきました

松岡さんが地味にいい味出してたねw
松岡さんの巻き返し期待だなw

はやくみつどもえ再開してー

102:名無しさん@秘密の花園
11/06/04 19:58:47.02 lxAAdEed
>>99
少しでも否定的な意見があるとキレルお前が能無し
俺は率直な感想を述べただけ


103:名無しさん@秘密の花園
11/06/04 20:12:13.18 rKwEvS+D
>>96-102
沢山の感想ありがとうございます。
ホワイトデー編製作に取り掛かります。

今回まともな松岡さんを上手く、みっちゃん、ひとはに絡ませたかったので……
松岡さんが好評なようで良かったです。

>>98,102
長すぎてすいませんorz
どうも書き出すと書きたいことが一杯で……今後も長くなってしまいそうです。
感想求めておいてなんですがスレが荒れちゃうのは不本意なので
今後は読まずに、書き込まずスルーしちゃって下さいね。

>>99
こちらの方もフォローしていただいて感謝しています。
ただ、もう少し穏便に……もしくはスルーして感想など書いていただけると嬉しいです。

>はやくみつどもえ再開してー
超絶同意!

104:名無しさん@秘密の花園
11/06/04 23:15:00.62 H5+LbWw/
>>103乙おつー
ひとはがすごく可愛かった!
長編SSならうpろだを使ってあげるのもアリだよ
字数制限かからないしね

105:名無しさん@秘密の花園
11/06/05 21:44:31.69 aPRjMuFg
アニメの三期がやれば連載再開するかなー

106:名無しさん@秘密の花園
11/06/06 17:44:10.11 IKCxfyU2
>>104
感想、提案ありがとうございます。
うpろだに上げる弊害として、
検索に引っかからない、気軽に冒頭だけ読んで続きを読むか決める時面倒、
携帯で見えない、などがあります。

今のところうpろだよりこちらの方が良いかなっと。
こちらの負担(規制対策とか)なんて知れてますしね。

107:名無しさん@秘密の花園
11/06/06 23:29:16.15 /tD72vrG
>>106
なるほど、いろいろ考えてるんだな
読む側としても直接投下してくれた方が手軽に読めるもんな
って訳で続編も期待してるよー

108:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 00:39:46.45 Iw3ZMwbU
個人的にはスレに直接投下してくれた方が嬉しい
どうせ過疎だし問題なかろうよ


109:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:07:21.01 I4Uw/6fz
>>106
次回も期待しておりますm(--)m

空気読まずに松ひと妄想垂れ流します


中学生になったという設定でお願いします

昼休み

宮下「三女はいつも読書ばっかだな」

三女「ほっといてよ」

宮下「たまには体を動かそう!バスケでもやろう」

三女(こういうとこは小学校から変わってないな…)

宮下「ほら、行くぞ!」グイッ

三女「だから別に私は…」


松岡(何か知らないけど…腹立つな…)

110:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:13:33.42 I4Uw/6fz
松岡「おはよー三女さん」

三女「おはよう」

松岡「昨日ね携帯買ってもらったんだ~♪」

三女「良かったね」

松岡「うん、それでね、三女さんの番号教えて欲しいの」

三女「わ、私の、番号?」

松岡「うん、携帯買ったら三女さんの番号を一番に登録したいと思ってたの」

三女「わ、私のでいいなら…良いよ」

松岡「ありがとう三女さん!!じゃあ赤外線でry」

三女「赤外線?」


宮下「三女、私とも番号を交換しようじゃないか」

三女「やだ」

111:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:21:13.13 I4Uw/6fz
昼休み

クラスメート「丸井さんと松岡さんってホント仲良いよね~」

三女「いや、別にそういう訳じゃ…」←照れ隠し

松岡「やっぱりそう見える?」←得意げ

三女「松岡さんとは小学校からの付き合いで、その」

松岡「そうそう私達小学校からの付き合いなんだよねー」

クラスメート「そうなんだ」

松岡「うん、私と三女さんはね…」

三女(ゴクッ)

松岡「仲の良い友達なの♪」



三女(私は何で少し残念がってるんだろう…)

112:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:23:43.32 I4Uw/6fz
中学生になってもこの二人は仲良しだと思うんだ
そして松岡さんは霊関係のことは少し自重するようになってると思うんだ

113:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:35:15.11 9/34wkrV
乙です
宮鹿さんは安定してるなぁ

114:名無しさん@秘密の花園
11/06/07 18:41:23.56 PWfARUUG
>>112
乙!
いいねー、私も松岡とひとはは、仲良しのままだと思うよ

宮下さんの場合誰からか携帯番号入手して、いきなり掛けてくると予想
そして着拒されるという流れ
細かいことだが、松岡って既に携帯もってなかったけ?
記憶が確かなら携帯の回でチーム杉崎内で宮下以外が携帯持ってたはず

115:名無しさん@秘密の花園
11/06/08 04:01:33.89 9hkkXEMB
「赤外線?使い方わからない」

116:名無しさん@秘密の花園
11/06/08 18:13:13.28 nSbGX0Ce
>>112
GJ
三女さんにほっこりしつつ報われないM下さんにもキュンときた

117:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:11:09.68 tTPboNNZ
またまた妄想垂れ流しますー
例によって中学生と言う設定です、すみません


放課後

松岡「三女さん一緒に帰ろう」

三女「ゴメン私今日は委員会あるから、先に帰ってていいよ」

松岡「じゃあ終わるまで待ってるよ」

三女「…結構かかるかもしれないよ?」

松岡「大丈夫大丈夫、待ってるよ」ニコッ

三女「…じゃあ、後でね」

松岡「うん、頑張ってね~」


三女(どうしてあそこで”ありがとう”って言えないんだろう…)



118:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:23:11.54 tTPboNNZ
放課後

みつば「さあ、さっさっと帰るわよ」

杉崎「あー、私今日委員会あるから、先に帰ってて」

みつば「…仕方ないわね、待っててやるわよ。待ってて欲しいんでしょ?」

杉崎「な…だ、誰があんたなんかにっ!!あ、あんたこそ私と帰りたいだけじゃないの?」

みつば「はあああ!?わ、私はアンタと帰れば何か奢ってもらえるかもしれないから待つだけで別にry」


三女「委員会始まるんだけど」

119:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:28:14.17 tTPboNNZ
放課後

吉岡「宮ちゃん帰ろう」

宮下「悪い、今日は委員会あるから先に帰っててくれ」

吉岡「じゃあ待つよ」

宮下「いつ終わるか分からないぞ?」

吉岡「大丈夫だよ、だって私宮ちゃんと一緒に帰りたいもん」

宮下「しょ、しょうがないな、コイツめコイツ」こつこつ

吉岡「もう宮ちゃんったら~」



三女「こんなのばっか」

120:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:29:17.09 tTPboNNZ
まあ、こんな感じで皆イチャコラしてれば良いと思うよ
読んでくれた人ありがとー

121:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:33:49.06 NQQT484A
乙です
三者三様でニヤニヤしますw

122:名無しさん@秘密の花園
11/06/09 23:58:12.59 zmeEoMo/
GJです。
宮藤さん報われてるじゃないか!

123:名無しさん@秘密の花園
11/06/10 03:08:14.87 n234P7bW
いいなぁ、中学生編いいなぁ!

124: 忍法帖【Lv=3,xxxP】
11/06/11 04:46:16.35 +2mLS/yW
中学もいいな

125:名無しさん@秘密の花園
11/06/11 23:20:48.74 dgHtLI5s
このまま高校生に突入してもアリ

126:名無しさん@秘密の花園
11/06/12 14:43:22.75 XNpfE5Jy
むふぅ
URLリンク(www.dotup.org)

127:名無しさん@秘密の花園
11/06/12 14:50:58.19 o3XcaRd4
おっぱいって姉妹間でもさわりあうものなのか・・・

128:名無しさん@秘密の花園
11/06/12 15:25:38.50 CY0DmLNy
ひとみつだー!
>>127
他人なら宮野さんみたいに犯罪になる

129:名無しさん@秘密の花園
11/06/12 17:11:07.17 0txklJ7Q
>>128
女であの発想ができるのりおは凄まじいと思う

130:名無しさん@秘密の花園
11/06/13 13:00:56.61 ehRyFyyR
みっちゃんは三女さんの乳揉まないの?

131:名無しさん@秘密の花園
11/06/13 15:43:55.57 +m4LMQtY
>>130
そりゃおめぇ無いものは揉めねえだr
お?誰か来たようだ

132:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 20:05:06.88 yYC8QFjJ
>>131
宮森「おい! 事実だったとしても三女の悪口言うなよな!」そよっ☆

133:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 20:38:13.75 yt0wnwTS
ボフッ
すい~

134:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 22:49:00.15 +MAVRAEC
なんか妄想しかすることないこの頃
例によって中学生設定でお願いしますm(--)m

4月×日

今日は中学校の入学式でした。
みっちゃん達とクラスが別だったのでとても緊張しました。
でも、松岡さんと同じクラスだったので(しかも前の席)少し安心しました。
彼女は私と同じクラスだったことに驚きつつも喜んでいました。
なんとか中学でもやっていけそうです。


4月×日

今日は中学の入学式で、少し緊張しました。
杉ちゃん達とはクラスが別だったので残念だったけど三女さんと同じクラスに
なれたのでとても嬉しかったです。
三女さんは「…よろしく」と素っ気無かったけど三女さんらしいと思いました。
明日が楽しみです♪

135:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 23:02:45.69 +MAVRAEC
5月○日

今日は松岡さんに携帯の番号を聞かれました。
何でも故障してたのが直ったみたいでとても喜んでいました。
誰かに聞かれるなんてことは初めてだったので戸惑っていると松岡さんが
赤外通信?とかで送ってくれました。アドレスはとても彼女らしいものでした。
私も送るととても喜んでいました。


5月○日

今日は故障中だった携帯が直ったので早速三女さんに番号を聞いちゃいました!
始めは戸惑ってたけど、「わ、私ので良ければ…」と了承してくれました。
その時に顔が少し赤くなっていてとても可愛いかったです。
三女さんのアドレスにはtikubiという単語が入っていました。
お互いに番号交換が出来てとても嬉しかったです♪

136:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 23:12:17.52 +MAVRAEC
6月×日

今日はさっちゃんの家に招待されました。
誰かの家へ正式に招待されるのは初めてだったので少し緊張しました。
さっちゃんの部屋は私の予想とは反しとても女の子らしく可愛い部屋でした。
それからしばらく雑談して18時には帰りました。
まあまあ楽しかったです。


6月×日

今日は三女さんがうちに遊びにきました!
なんだか最初は緊張してたみたいでぎこちなかったです。
私の部屋に入るや否や「わあ…以外だね」と言われちゃいましたorz酷いよ三女さん!
それから色々な話をして18時くらいには帰っちゃいました。
とても楽しかったです!!!また誘いたいです。

137:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 23:14:23.21 +MAVRAEC
以上…両者日記より抜粋でした。

この二人はもっといちゃいちゃするべきですよね!

読んでくださった方々ありがとです。

138:名無しさん@秘密の花園
11/06/14 23:21:03.69 Q/JJAh1W
乙ですー!
もう結婚しちゃえばいいのに

139:名無しさん@秘密の花園
11/06/15 00:37:45.13 x4GngGd/
途中からさっちゃんになってるね。素晴らしい。


140:名無しさん@秘密の花園
11/06/17 16:43:10.85 12P1gT4D
ゴミばっか

141:名無しさん@秘密の花園
11/06/17 23:31:53.45 1wDTPLB6
過疎だなあ…
やっぱ連載してくれないとネタがないよな

142:名無しさん@秘密の花園
11/06/19 04:18:02.56 xjh8SkqJ
酔った勢いで書いた…今は反省してますorz
中学生設定でお願いいたしますm(--)m

昼休み

みつば(ひとははうまくやってるかしら…べ、別に心配ってわけじゃry)


三女「そういえば松岡さんって口寄せ出来るんだよね、ちょっとやってみて」

松岡「勘弁してよ三女さーん」←涙目

三女「あれ?小学校の時出来るって言ってなかった?」

松岡「あれは、その…わ、若さゆえの過ちというか…」

三女「フフッ何それ」

松岡「あ!三女さん今笑った!!」

三女「わ、笑ってないよ、気のせいだよ気のせい…」←真っ赤

松岡「へえ~何か得しちゃったかも♪」

三女「だから笑ってなんかry」


みつば(ひとはのあんな笑顔初めて見るわね…嬉しいけど…何か…)

143:名無しさん@秘密の花園
11/06/19 04:20:07.94 xjh8SkqJ
松ひとと見せかけてのみつひとでした
うまく言えませんが何かこういうの良いですよね!

読んで頂ければ幸いでございますm(--)m

144:名無しさん@秘密の花園
11/06/19 10:26:01.89 2jSw8vU2
GJ

145:名無しさん@秘密の花園
11/06/19 21:51:38.68 SMMXVqud
俺の中では松ひとだなGJ
ひとみつも好きだけどねw

146:名無しさん@秘密の花園
11/06/19 22:06:45.37 g4U7cfVk
乙です
最近は松ひとが熱いな

147:名無しさん@秘密の花園
11/06/20 23:27:36.01 sNtow2F8
>>143
俺得だわーGJ!
どんどんお酒飲んで書いてください

148:名無しさん@秘密の花園
11/06/24 03:53:08.62 KxZRw59J
なんでひとはの日記はみっちゃんのことばかり書いてあるの?

149:名無しさん@秘密の花園
11/06/24 04:09:11.56 MPkMsL5j
それはね

150:名無しさん@秘密の花園
11/06/24 09:36:19.51 bKwXShxo
>>148
言わせんな恥ずかしい

151:名無しさん@秘密の花園
11/06/25 17:27:44.61 lRAYDmIA
杉みつは公式だな!
とかよく言われるが
ひとみつも公式だよねー

152:名無しさん@秘密の花園
11/06/28 23:45:42.43 AwRj3sgW
ふと思いついたので妄想垂れ流します
中学設定でお願いします

放課後

松岡「三女さん一緒に帰ろう!」

三女「ゴメン、今日は委員会があるk」

松岡「じゃあ終わるまで待ってるね」

三女「…うん、じゃ後で」

松岡「頑張ってね~♪」

待つこと10分

宮下「あれ、松岡?」

松岡「宮ちゃん、どうしたの?」

宮下「ああ、委員会の様子を見にきたんだ。」

松岡「どうして?」

宮下「一緒に帰りたい奴が委員会に参加しててな、それでry」

松岡(まさか…三女さんじゃ…)

153:名無しさん@秘密の花園
11/06/28 23:55:37.25 AwRj3sgW
宮下「お前も誰か待ってるのか?」

松岡「う、うん…まあ、そんなとこかな…ハハッ」

宮下(まさか…吉岡じゃないよな…)

松岡「ねえ宮ちゃんが待ってるのって…」

少女説明中

松岡「宮ちゃんが待ってたのってゆきちゃんだったんだ」

宮下「お前が待ってたのは三女だったのか」

松岡&宮下(良かった~)

吉岡「どうしたの二人とも?」

三女「あ、宮坂さんだ」

宮下「宮下だよ!相変わらずだなお前は…」

松岡「三女さんおつかれ~帰ろう」

吉岡「どうせだし皆で帰ろうよ」

松岡&宮下「!!!!!!」

三女「まあ…いいけど」

松岡&宮下(そ、そんな…)

154:名無しさん@秘密の花園
11/06/28 23:56:29.79 AwRj3sgW
きっとこんなやり取りをやっているに違いない!!!
読んでくれた人ありがとです

155:名無しさん@秘密の花園
11/06/29 18:16:52.55 5m/bTvDc
乙!
宮下は浮気癖なくなったのかな?
嫁(吉岡)一本とは丸くなったね。

それにしても過疎如何にかならないかな……。
ホワイトデーの話書いてる者何だけど、投下にはもうしばらく掛かりそうです。


156:名無しさん@秘密の花園
11/06/29 18:33:12.84 0sR5DDJ4
乙です!あとで二人っきりでいちゃいちゃすればいいじゃない!

157: 忍法帖【Lv=15,xxxPT】
11/07/13 21:21:53.66 NvbRGKgI
過疎ですね。
SSとその感想しかない何て……
近々投下予定なのでLV確認しておきます。

158:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 00:03:57.76 IXd+OQ5O
スレ位置確認のため挙げさせていただきます

159:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 00:12:12.63 IXd+OQ5O
規制も解けたので小ネタを少し投下させていただきます
例によって中学生編で・・・

三女「次はこの調味料を入れて、うん次はry」

宮下「にしても三女はホント料理上手だな!」

三女「・・・どうも」

宮下「三女は将来いい嫁になるぞ、私のな」

三女「な、なに言ってるのさ・・・」

宮下「冗談だよ冗談、ハハハ」


杉崎「どうしたのよ松岡?」

松岡「ちょっと藁人形買ってくる」

160:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 00:18:30.46 IXd+OQ5O
みつば「麦茶おかわりいる?」

杉崎「じゃあお願い」

みつば「ちょっと待ってなさい」


杉崎(みつばの飲みかけ・・・)


みつば「おまたせ」

杉崎「ありがと」

みつば(私の麦茶こんな少なかったかしら・・・)

161:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 00:22:34.20 IXd+OQ5O
にしても過疎ですね
みつどもえの連載が復帰するのを願うばかりです
今回はサラッとしたネタになっております
読んでくれた人ありがとです

162:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 05:09:06.33 8MA6pCBP
>>161
俺にはお前が英雄に見えるよ


163:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 06:18:05.31 TwZWKLHL
>>161
乙!

164:名無しさん@秘密の花園
11/07/14 07:59:51.13 ovz77Sqk
乙!松岡さんのヤンデレとか新たな可能性だなww
まぁ既にだいぶヤンデレ入ってるがw


どんなに過疎っても少しでもSSが投下されると即座に感想
やっぱ皆チェックしてんのなw
やっぱ連載再開されるまで自家発電するしかないよなぁ…

165:名無しさん@秘密の花園
11/07/15 23:23:59.06 LQdj6Snp
杉崎「みつばってホント素直じゃないのよね~」

松岡(それは杉ちゃんも・・・)

杉崎「でも二人になると結構甘えてくるのよ」

松岡「三女さんもそうだよ」

杉崎「さすが姉妹、やっぱり似てる部分もあるのね」

松岡「だね♪」

杉崎「まあ・・・みつばのが可愛いけど」

松岡「」

166:名無しさん@秘密の花園
11/07/15 23:29:13.69 LQdj6Snp
杉崎「どうしたのよ?」

松岡「べ、別に何でもないよ」ニコッ

杉崎(なんか悪寒が・・・)

松岡「三女さんてとっても料理上手なんだよ」

杉崎「知ってるわ」

松岡「みっちゃんじゃ料理できないよね?」

杉崎「・・・でしょうね」

松岡「成績もクラスでトップだし」

杉崎「グヌヌ・・・」

松岡「それに・・・髪下ろした三女さんはとっても可愛いの!」

杉崎「でも三女って背低いわよね」

松岡「!!」

167:名無しさん@秘密の花園
11/07/15 23:33:40.21 LQdj6Snp
杉崎「それに運動はできないし」

松岡「」

杉崎「みつば程社交性もないみたいだし」

松岡「わ、私が三女さんの友達100人分だから問題ないよ!」

杉崎「へえ~凄いわね~」

松岡「グヌヌ・・・絶対わたしの三女さんのが可愛いよ!」

杉崎「みつばに決まってるわよ!」



三女「・・・なんか入りづらいね」

みつば「そうね・・・」

168:名無しさん@秘密の花園
11/07/15 23:34:56.11 LQdj6Snp
こんな形の百合もありだと思い突発的に書いてしまいました・・・
反省はまったくしておりません。
読んでいただければ幸いです。

169:名無しさん@秘密の花園
11/07/16 00:25:20.07 zukOPN3w
乙です!
相変わらず素晴らしい百合だわ……見ててニヤニヤが止まらず3回読んだよ(ぁ

さて最近まで作品投下なかったからまさか被るとは……。
というわけで前回のバレンタイン編の続きのホワイトデー編投下しようかと思います。
今回、纏まった時間が取れずに書いたのでどこか変なところあるかも?(読み返し回数も少ないです。スイマセン)

170:青天白日の贈り物-①
11/07/16 00:28:56.08 zukOPN3w
~~~以下本編~~~

タイトル:青天白日の贈り物

~ 調理(ひとは視点) ~

今日は3月13日。所謂ホワイトデー前日だ。

日曜だし私達三姉妹の家で杉ちゃんを呼ばずクッキー作りをする事となった。
もちろん、杉ちゃんを呼ばないのは友チョコのお返しをする当人だし、どうせならサプライズのが良いだろうと言う事だ。
メンバーはみっちゃん、ふたば、松岡さん、吉岡さん、宮下さん、そして私の6人。
私達の狭い家じゃ結構辛い。台所も2,3人までしか立てないし、テーブルも活用して作業を行うこととなる。
っていうか、6人も要らない……宮下さんあたりが要らないかな? ……帰れとまでは言わないけど。

クッキー作りの発案者は宮下さん。実に鬱陶しい。……いや、まぁ、本当に鬱陶しいわけじゃなく言ったみたかっただけだけど。
でも、言い出しっぺの法則って奴だ、材料費は全て宮下さん持ちとなった。

何とかさん達「「「ごめんくださーい」」」

とか考えてると皆が家に着いたようだ。

みつば「ふたばー、玄関開けて来なさい」

ふたば「了解っス!」

寝っ転がりながらふたばに指示を出す。なんて雌豚だ。昼食食べたばかりなのにポテチまで抓んでる……そんな事してるから太るんだよ。

みつば「……ねぇ、ひとは。私達の分はいつ作るのよ!」

そのままの姿勢で、でも、視線は私に合わせずに聞いてくる。
……ふたばに行かせたのはそれを言うためだったのか。

ひとは「み、皆が帰ってからでいいんじゃない? ふたばにはみっちゃんへのお返し作らせればいいし」

みつば「そ、そうね」

何だか微妙な空気だが、別に嫌じゃない。何というか……こう…………と、とりあえず、よくわからないけど嫌じゃない。

言い忘れていたけど、お父さんには出かけてもらった。皆が来るから出かけてって言ったら泣きながら出て行った。

宮下「まったく、何で私が材料買い込まなきゃいけないんだよ……」

愚痴を溢しながら家に上がる宮下さん。うん、清々しいくらい鬱陶しいが今回は大目に見てもいいかな。

吉岡「まぁまぁ、コレも全部杉ちゃんラブラブ大作戦の為だから」><

そして変な妄想をしてるのが後に続いて家に上がる。……ラブラブ大作戦って杉ちゃんと誰をくっ付けるつもりだろう?

松岡「宮ちゃんだけに買わすのは流石にかわいそうだと思ったから、清めの塩は私が用意したわ!」

……いや、塩とかそんな大量に使わないから……家にある分で十分だし。……でもまぁ、頂いておこう。

171:青天白日の贈り物-②
11/07/16 00:32:20.60 zukOPN3w
みつば「んじゃ、さっさと初めて終わらせるわよ! ったく何で私まで杉崎なんかに……」

みっちゃん……杉ちゃんの唯一の手作りチョコを食べておいてそれは言えないよ。
しかも、高級チョコを6つ分くらい使ってた大きさだったよ!

……なんだか考えてみると、杉ちゃんのみっちゃんへの愛――愛と書いて執念って読んでもいいかも――を凄まじく感じる。

ひとは「じゃあ、お父さんと同じようにしばらく家から出て行けばいいよ」

吉岡「さ、三女さん? みっちゃんも一緒に作らないと駄目だよ」><

いや、うん、わかってるんだけどつい……。

言ってしまったことを後悔しつつみっちゃんを横目で見る。

みつば「……」

バツの悪そうな顔をして私から視線を逸らす。

……いやいや、なんでみっちゃんがそんな顔してるの?
みっちゃんはいつもの様に反応しただけ出し……それがまぁ、ちょっとだけ気に障ったんだけど。
でも、まぁ普段なら私だって気にしないはずだったし、今回は流石に私が悪い気がする。

ひとは「……みっちゃん、宮村さんからバターと砂糖貰ってボールで混ぜておいてくれる?」

まぁ、素直に謝ったり出来ないので、とりあえず指示を出しておく。
……本当、みっちゃんに引けを取らないくらい、私も素直じゃないかも……。

横で宮下さんが「宮下だからな!」と言っているが無視しておく。

みつば「わ、わかったわ……分量はどうするのよ?」

ひとは「えっと、テーブルの上にメモ置いてあるからそれに書いてあるよ」

吉岡「あ、みっちゃん、私も手伝うよ」

松岡「それじゃ私は三女さんと―」宮下「それじゃ私は三女と―」

松岡&宮下「え?」

ひとは「……ふたば私の手伝いお願い」

ふたば「了解っス!」

そんな感じでクッキー作りを開始した。




172:青天白日の贈り物-③
11/07/16 00:37:18.00 zukOPN3w
~ 完成(みつば視点) ~

吉岡「わー、すごいよー。おいしそー」><

ふたば「ホントっスね!」

目の前のテーブルには焼きたての様々な形をしたクッキーが沢山ある。

みつば「こんなに杉崎に上げる必要ないし、皆で1個……2個ずつ食べるわよ」

ひとは「1個だよ! 2個ずつ食べたら、杉ちゃんの分3個しか残らないよ!」

やっぱり2個は欲張りすぎか。

宮下「まぁ1個だよな。厭くまでお返しのクッキー何だし」

わかってるわよ! 被せて来るなんて流石宮下ってところね。

ひとは「ちょっとまって、紅茶入れ―」
松岡「三女さん手伝うわ!」

脅威の反応速度。宮下は私に忠告しているから出遅れたようだ。
隣で「しまった!」とか言ってるし……。

しばらくすると、ひとはと松岡が紅茶を持ってきた。

松岡「お待たせー…って私は運んだだけなんだけどね」

そして、皆に紅茶が行き渡り、クッキーを食べながら適当な話をした。
怪談話や恋愛話が始まったのは言うまでもない。



吉岡「それじゃ。明日、クッキーみっちゃんが持ってくるって事で」

みつば「くっ、なんで私が……」

松岡「まぁ、ジャンケンで勝ったんだしね」

みつば「普通、負けた人じゃないの!」

宮下「おいおい、負けた人が持って行くって杉崎に失礼じゃないか!」

確かにそうなんだけど……負けた人だったら宮下の奴が一人負けだったのに……。
カバンの中に入れられるようにカバンを後で整理しておかないと。
とりあえず、嵩張るスナック菓子は持っていけないわね。

173:青天白日の贈り物-④
11/07/16 00:38:25.54 zukOPN3w
吉岡「じゃ、そろそろ私達帰るよ」

宮下「じゃ、また明日な」

松岡「また明日ー」

<ガチャ>

皆が家から出て行く。

ひとは「それじゃ、私達の分も作ろうか」

ふたば「私達っスか?」

みつば「私があんたらにチョコ上げた―」

……あれ? コレって私がひとはに返すこと出来ないんじゃないの?

みつば「(ちょっとひとは! 私はどうするのよ!)」

ひとは「(……考えて無かったよ)」

みつば「(……作らなくてもいい?)」

ひとは「……」

無言で表情一つ変えずこちらに視線を向け続けられた。
怒ってる? どうしろってのよ……。

しばらくすると、ひとはは視線をふたばに向け声を掛けた。

ひとは「それじゃ、ふたば、クッキー作るから手伝って」

ふたば「了解っス!」

…………。

二人は私のために作ってくれているのに……。
それでも何だか意地と言うか何というか……私も作るとは言い出せない。

ひとは「あ……夕飯の材料買いに行くの忘れてた」

みつば「……私が買いに行ってくるわ……何が必要なのか言いなさいよ」

この場に何もせずに居る方が居心地が悪くて、夕飯の買出し役を買って出ることにした。




174:青天白日の贈り物-⑤
11/07/16 00:42:54.38 2JsTocfO
~ 相談(松岡視点) ~

家に帰った私は自分のベットに仰向けになり、ポケットから1枚の紙を取り出す。

松岡「はぁー、持ってきたのはいいけど……これどうしようかな……」

大きく嘆息して独り言。

三女さんはきっとあの後みっちゃんに何か作ったんだろうな。バレンタインにチョコ貰ったはずだし……。
あ、でもふたばちゃんも貰ってるから一緒に作ってるのかな?

腕を上げて持っていた紙を、腕ごと<パタン>と横に下ろす。

……本当はそんなことで悩んでるんじゃない。私が悩んでるのはこれからどうするか。
別のことを考えたのは、答えを出すのを先延ばしにするため……だと思う。

でも、やっぱり実際実行するとなると……なんて言って渡せばいいのかわからない。
だって私はバレンタインで、三女さんからチョコなんて貰っていないのだから……。

……とりあえずだ! 行動しないと始まらない。
後のことは後で考えられるんだし、今しなければいけないことしなくちゃ!
起き上がりもう一度紙を見る。紙に記された“クッキーのレシピ”……三女さんが書いたであろう丁寧な文字だ。
その紙に書かれた通りのものを準備するため私はデパートに向かうことにした。



松岡「えっと……後はコレと…コレかな?」

材料を買い物籠に入れていく。
バターひとつでも無塩バターとかケーキ用バターとかあってよくわからないので、一番普通そうで安い奴を入れておく。
……安いのを買う理由は、先月オカルトグッツとか墓地に張るテント――親に没収されたのよ!――を買ってしまったのでお金が無いから。
上げるものだし、本当はもう少しお金掛けたかったんだけど、仕方が無い。

???「あ、松岡じゃない? 何してんのよ」

背後から声を掛けられ振り返ると、そこにはみっちゃんが……何だか先月も同じようなことがあった気がする。

松岡「え、あ、みっちゃん? 別にただの買い物だけど……」

みつば「……その紙ってクッキーのレシピが書いてあった奴じゃないの?」

あ! しまった!

みつば「籠の中もクッキーの材料っぽいわね……誰かに作るの?」

松岡「そ、そんなの……誰だって……。そ、そんなことよりみっちゃん、三女さんからバレンタインのお返し貰えた?」

誤魔化すための無理な返し。だけど、言ってみてから気がついたが動揺もさせられるし、最高の返しかも。
そして、案の定、動揺してくれた。

175:青天白日の贈り物-⑥
11/07/16 00:45:26.87 2JsTocfO
みつば「! ど、どうして知ってるのよ!」

松岡「どうしてもなにも、みっちゃんが三女さんにチョコ渡したの私知ってるし」

みつば「……そうだったわね、……明日貰えるんじゃないかしら?」

視線を逸らし不機嫌そうに言う。
うん、不機嫌にはなっちゃったけどうまく話を逸らせ―

みつば「で、話し戻すけど、それ誰に作るのよ!」

―なかったみたい。むしろイライラした口調で食いついてきた。

みつば「私の妹のレシピ勝手に盗んでおいてダンマリなんて許さないわよ!」

嘘だ。さっきまで全然怒ってる感じじゃなかったのに……どうやら私の質問が相当気に食わなかったのだろう……。



それから、余りにしつこく聞いてくるので教えてしまった。

みつば「ふーん、ひとはにクッキーを渡すって事は、あんたもチョコ貰ってたのね」

松岡「え、いや……それなんだけど私は貰って…ない……あれ? 『あんたも』?」

みつば「……あ」

さっきから私達なんで秘密の暴露大会開いてるんだろう。さっきのみっちゃんに到っては自爆だし。

松岡「なるほど、みっちゃんは三女さんからチョコ貰ったんだね」

みつば「う、うっさいわね! 姉妹なんだし別にいいでしょ!」

別に悪いなんて言ってないんだけど……。

みつば「それであんた、何でチョコ貰ってないのにクッキー渡すのよ?」

松岡「えっと、三女さんにはいつもお世話になってるし……なにかお返しがしたいと思って
それで、杉ちゃんの友チョコや、みっちゃんが三女さんやふたばちゃんにチョコ買ってるの見て
私もチョコ渡しておけばよかったなって後悔してて……」

みつば「それで、ホワイトデーにクッキーって訳ね」

みっちゃんは馬鹿にする訳でもなく、ただ普通に納得してくれた。
ちょっと……相談……してみようかな。

松岡「でね……やっぱりチョコ貰ってないのにクッキー渡すのって変かな……」

私の台詞を聞いてるのか無視してるのかわからないが、みっちゃんは何も喋ってくれない。
それでも私は構わず続けた。

松岡「作ってみようと思ったのはいいんだけど……なんて言って渡せばいいのかわからなくて……」

176:青天白日の贈り物-⑦
11/07/16 00:47:19.95 2JsTocfO
どうしてみっちゃんに相談なんて発想になったのだろう……。
私はこの時、何だかみっちゃんが頼れる存在に見えていたのかも知れない。
そして、その選択は間違っていなかった。

みつば「……変かもしれないけど……正直な気持ちを言えばちゃんと受け取ってくれるわよ」

正直な気持ち……。

さらにみっちゃんは視線を逸らしながら続けた。

みつば「ど、どーせ、ひとはなんてそんな状況になれば断る勇気なんてありゃしないわよ!」

コレはさっきのまともなアドバイスの照れ隠しだろう。

みつば「それじゃ、借りは返したわよ!」

松岡「え、借り?」

みつば「バレンタインの時の借りよ! あの時は正直あんたの言葉は……その……ちょっとだけ…励みになったというか……」

松岡「あぁ、あの時のこと……。別に大したこと言ってないよ?」

みつば「そんなこと…あっ、そうだった、ひとはに買い物頼まれてたのにこんなことしてる場合じゃなかったわ!」

そう言ったみっちゃんのカゴの中を覗いてみると、野菜やお肉がいくつか入っている。
昼間のことを考えると忙しくて、買い物しなくちゃいけないこと忘れていたのだろう。

松岡「あ、ごめん邪魔しちゃったみたい?」

みつば「本当よ! まったく!」

松岡「そういえば、みっちゃんは三女さんにお返し作った?」

みつば「っ! ……悪かったわね、作ってなくて」

松岡「駄目だよ! 杉ちゃんには作って、三女さんには作らないなんて三女さんが可哀想だよ!」

みつば「わ、わかってるわよ……あ!」

松岡「へ? なに?」

みつば「明日はひとはの奴帰りにデパートに寄るはずなのよ。そしてふたばも変態パンツと川辺でサッカー……コレしかないわ」

松岡「え? どういうこと??」

みつば「いいから、あんたは明日学校終わったらその材料持って急いで家に来なさい!」




177:青天白日の贈り物-⑧
11/07/16 00:51:22.58 2JsTocfO
~ 晴天(ひとは視点) ~

今日の天気は私の心と違って晴天だ。

今は学校の給食中。私は誰の席に移動するわけでもなく一人黙々と食べていた。
いつもなら松岡さんとか来るんだけど……今日は来ない様だ。

昨日は失敗した。
意地を張らずに一緒に作って貰うよう誘えばみっちゃんだって……。

結構楽しみにしてたのに……。
それどころか、昨日みっちゃんが帰ってきてからまともに話すらしてない。
定型的な挨拶とかはしたんだけど、本当にそれだけだ。

そのまま給食が終わり、昼休みに入りみっちゃんがこっちに来た。

みつば「ちょっとひとは、皆で杉崎にクッキー渡すんだからこっち来なさいよ」

ひとは「あ、うん」

あれから初めてのまともな会話だが、内容が内容だけに素直に喜べない。
でも、一人で、しかも憂鬱な時間が少しでも減ることは関しては有難い。

杉崎「な、なによ? みんな集まってきて……」

杉ちゃんの席の周りに不自然に皆が集まったことで何だか警戒された。

吉岡「杉ちゃんに渡したいものがあるの」

ふたば「受け取って貰いたいっス」

杉崎「???」

何がなにやらわかってない様子。以前にもホワイトデーのお返ししたんだから察することも出来そうなものだけど……。
まぁ、杉ちゃんもこういうところで地味に鈍感だから仕方がないのかも知れない。

みつば「……はい、有難く受け取りなさい……そ、そして私を敬うことね!」

そういいって後ろ手に隠していたクッキーの入った袋を渡す。

宮下「余計な台詞付け足すなよ」

まったくだ。でも、みっちゃんらしいかな。

杉崎「えっ……と? もしかしてホワイトデーのクッキー?」

178:青天白日の贈り物-⑨
11/07/16 00:53:07.89 2JsTocfO
みつば「勘違いしないでよ! 宮下が皆で作ろうって言ったから作っただけよ!」

なにその反応。俗に言うツン……なんだっけ? まぁいいや。
隣で宮下が「ぷっ、どこをどう勘違いなんだろうな」とか言ってニヤニヤしてる。気持ち悪い。
と言うかいつの間に隣に居たんだろう。

松岡「レシピは三女さんが用意してくれたの」

宮下「ざ、材料費は私負担なんだぞ!」

宮下さんの地味なアピール。さっきから鬱陶しいね。

杉崎「み、みんな……ありがとう。どうせみつばは沢山つまみ食いしてただろうけど―」
みつば「失礼ね! 1個だけよ!」

杉崎「結局は食べたのね、1個」

呆れた顔で突っ込みを入れる杉崎。
流石にアレなのでフォロー入れておく。

ひとは「杉ちゃん、皆で1個ずつ食べたから、みっちゃんだけじゃないよ」

杉崎「へ? そ、そうなの?」

みつば「……ふん!」

ふたば「杉ちゃん酷いっス! みっちゃんが拗ねちゃったっス」

杉崎「え…何、私が悪いの?」

みつば「あんたが悪いに決まってるでしょーが! こぉの、勘違い女~!」

指で杉ちゃんの髪の毛のバネを弄るみっちゃん。全然拗ねてないし。

杉崎「な! も、元はと言えばあんたがいつも勘違いするようなことしてるのが悪いのよ!」

バネを弄る手を払いのけて言う。いつものように仲良く喧嘩。
ちなみに私は杉ちゃんと同じくみっちゃんが悪いと思う。
狼少年じゃないが、日頃の行いが悪いからこういうことになる。

反省して欲しいところなんだけど。それどころか他人の間違いに調子に乗る。
私の姉はこんな姉なのだ……。




179:青天白日の贈り物-⑩
11/07/16 00:55:18.45 2JsTocfO
~ 白日(みつば視点) ~

佐藤「おーい、ふたば、今日は川原でサッカーするぞ。覚えてるか?」

ふたば「覚えてるっスよ!」

ひとは「私もデパートに寄ってくから先に行くよ」

下校時間になり予定通り、ふたばはサッカーへ、ひとははデパートに向かった。
二人が教室から出て行ったのを確認して松岡に声を掛けようかと思ったが、どうやらいつの間にか帰っていたようだ。
まぁ、昨日の今日だし覚えているだろう。

みつば「私もちょっと用事あるから先に帰るわ」

私も早く帰ろう。そうしないとひとはが帰ってくるまで間に合わないかもしれない。
そして、そういうときに限って声を掛けてくる奴。

杉崎「途中まで一緒なんだし、先に帰る必要ないじゃない」

みつば「うっさいわね! 急いで帰るのよ、一緒に走って付いて来るって言うの?」

流石に此処まで言えば付いてこないだろう。

杉崎「みつばの走る速度なんて、精々私達の早足くらいじゃない」

自分がクラスでも足が速いほうだからって……まったくイライラする!

吉岡「え~、わ、私、みっちゃんより走るの遅いよ~」><

ナイスよ、吉岡! 忘れてたけど吉岡はクラスでもひとはと争えるくらい足が遅かったんだ。

杉崎「……まぁ、いいわ。急いでるんでしょ? さっさと行きなさいよ」

なんだかいきなりキレ気味に言われる。意味がわからない。引き止められてイライラしてるのは私なのに!
口に出してるとさらに遅くなる恐れもあるしここは我慢しておく。

みつば「……」

無言で睨み付けてから教室を出る。今出来る精一杯の抵抗だ。
でも、その時の杉崎の目は少し残念そうに見えたけど……気のせいかな?



急いで家に帰ると誰も居なかった。当たり前だそういう計画なのだから、そうでなければ困る。

帰ってきてすぐ、玄関のチャイムが鳴った。

玄関を開けて開口一番。

みつば「やっと来たわね!」

180:青天白日の贈り物-⑪
11/07/16 00:57:53.65 2JsTocfO
松岡「さっき家に入るとこ見えたのに、やっとってことはないよ」

みつば「こ、言葉の誤よ!」

ぐぬぬ……急いで帰ったのに、一度家に帰った松岡とほぼ同時に着くなんて……全部杉崎が悪いのよ!

松岡「それで……クッキー作るんだよね?」

みつば「ええ、そうよ。ひとりで作るのなんて簡単だけど、せっかくだから松岡の分も手伝ってあげるって言ってんのよ」

実際のところ一人じゃ作れる気がしない。昨日皆で作ったけど……作業分担してたし松岡がレシピ持って―

松岡「よかったー、材料は持ってきたけどレシピ忘れたからどうしようかと思ってたのよ」

―ないし!

みつば「ちょ、ちょっとレシピ無いってマジなの!?」

松岡「え…うん、忘れたよ」

みつば「……」

松岡「……?」

……終った。少なくともおいしいクッキー作れないだろう。
でも……今更どうこうする時間もないし……。

みつば「と、とりあえず、作るわよ! 」

確か最初は……。

“宮村さんからバターと砂糖貰ってボールで混ぜておいてくれる”

ひとはの言った台詞が脳裏に蘇る。
そうだ、バターと砂糖だ。

みつば「バターと砂糖よ! ボールで混ぜなさい!」

松岡「うん、えっと分量は?」

181:青天白日の贈り物-⑫
11/07/16 00:59:01.04 2JsTocfO
……。

みつば「……適量よ」

無理だ……そんなことまで覚えてない。

松岡「適量って……みっちゃんまさか……」

みつば「っ! 作り方なんて知らないわよ! レシピないんだから適当に作るしかないじゃない!」

………………。

…………。

……。



みつば「出来……た?」

松岡「う、うん……出来たんじゃない…かな?」

とりあえずお互いに“出来た”と言うが……。
明らかに昨日の物とは違う何かが出来てしまった。

見た目としては……えっと、ホットケーキとクッキーの間のような感じ。
味はまだ確認していない。
何となく食べるべきじゃないと、頭の中で誰かが警告してる気がして……。

松岡「これを、三女さんに渡すん……だよね?」

みつば「え、えぇ、そうなるんじゃない?」

……味見すべきだ…そのままひとはに渡すとか酷すぎる。
判ってるんだけど……うん。無理だ。

それは松岡も同じだったようで何も言わない。

でも……やっぱり……流石に……。
うん、だめだ。

みつば「……捨てようか?」

182:青天白日の贈り物-⑬
11/07/16 01:00:03.15 2JsTocfO
ひとは「何を捨てるの?」

松岡「何って、このクッキーを作ったつもりの何か―」

松岡の台詞が途中で途切れる。なに? どうしたのよ?

ふと、となりを見ると、ひとはが居た。
そう、ひとは。
……。

みつば「な、な何であんたっ! …っ!?」

後半は声にならない声を上げて、口をパクパクって感じで驚いた。
いや、だって、玄関開くような音聞こえなかったし、今一番着て欲しくないタイミングで現れるから。

ひとは「……クッキー? どれが?」

ひどい! いや、私から見てもクッキーみたいな何かだけど。

松岡「えっと、ね? 三女さんコレは、その……」

松岡も言い淀む……。

…………。

ひとは「これ、もしかして―」
みつば「わ、私からのホワイトデーのお返しと、松岡からの気持ちよ!」

勢いに任せてとりあえず言ったはいいがコレを食べさすのは酷だし……私はさらに付け加えて言った。

みつば「こ、今回は失敗したから後日改めて作り直すわ! わっ、わかったわね!」

ひとは「べ、別にいいよ……コレで」




183:青天白日の贈り物-⑭
11/07/16 01:06:50.80 2JsTocfO
~ 正直(松岡視点) ~

松岡「で、でもそれ美味しくないと思うし……」

ひとは「というか松岡さんはどうしてここに居るの?」

……当然の疑問だろうが正直凹んだ。

隣でみっちゃんが「(正直なあんたの気持ちを言えばいいのよ!)」と囁く。
ありがとう。みっちゃん。
勇気を出して、私は一歩三女さんの前に近づく。

すると半歩下がられた。またしてもちょっと凹んだ……でも!

松岡「三女さん、私ね! その……いつも幽霊関連で助けられて……学ぶことばかりですごく感謝してて……」

何を言うかなんて全然準備してなかった。思いついた言葉を正直に、詰まりながらも紡いでいく。

松岡「だ、だけどそれだけじゃなくて……普通に…普通の友達としてもずっと居られたらって……だから!
三女さんにバレンタインデーの時チョコレート渡さなかったこと後悔してて、それで……今日! ホワイトデーのクッキー作ったの!
だから……感謝の印と、友達の証として……」

顔が熱い。どうしてか判らないけど……すごく恥ずかしい。そして最後に……。

松岡「…あ、あんな失敗作でも受け取ってくれないかな?」

三女さんを見るとあからさまに同様してる……当たり前だよね。いきなり意味不明な事いって意味不明なもの渡そうとしてるんだから。

ひとは「え、えっと、……あ、ありがとう。受け…取るよ」

う、受け取ってくれた……。

へ、変に思われなかったかな?
いや、みっちゃんが言ってた通り変には思われたんだろうな…。
でも、良かった。

ひとは「……ら、来年のバレンタインデーの時お返しとして、私からもチョコ……渡すよ」

松岡「! 本当! 三女さんのチョコ食べれるのね! みっちゃんが羨ましかったのよね!」

ひとは「……ちょっと待って、さっきから気になってるけど……みっちゃん、なんで松岡さんは私がみっちゃんにチョコ渡したこと知ってるの?」

そういえば、内緒にしてたんだっけ? 口を滑らしちゃった?
口を押さえてそんなこと思ってると三女さんにフォローを入れられた。

ひとは「さっきの台詞の前から気が付いてるよ。まず二人でクッキー作ってる点とか、
みっちゃんの“ホワイトデーのお返し”って台詞に何も反応しなかった松岡さんとか……」

そういいながらみっちゃんを睨む三女さん。……なんか黒いオーラ出てるし……これが三女さんの力なのね!

184:青天白日の贈り物-⑮
11/07/16 01:08:11.85 2JsTocfO
みつば「ちょ、違うのよ! ワザとじゃないのよ! っていうか別にいいじゃないそのくらい!」

ひとは「っ! そ、そのくら……いいよ! 来年は松岡さんの分だけ作るから!」

みつば「え……あ、いいわよ別に! あんたなんかにチョコなんて貰わないわないし、受け取らないわよ!」

……あれ? 何だか喧嘩しちゃった?
そしてさっきまで重要な役回りだった気がする私が蚊帳の外になってないかな?



それから私が何も喋れないまま数分、二人は喧嘩してた。
いや、ちょっとは「喧嘩やめよ?」とか言ったけど悉くスルーされた。今日はやたらと凹む日だな。
それでも……それ以上に良いこと合ったと思う。

喧嘩の後半になってからはちょっとした取っ組み合いが始まったので流石に止めに入ったんだけど収まらない。

ふたば「ただいまー、あ、プロレスごっこっスね!」

ひとは&みつば「してない! してない!」

ああ、この二人も……いや、三人かな? 本当仲良いな……。



みつば「それじゃあまた明日」

ひとは「松岡さんまた明日」

ふたば「バイバイーっス!」

皆が見送ってくれた。
そのまま分かれようかと思ったけど、危うく忘れるところだった。

185:青天白日の贈り物-⑯
11/07/16 01:10:58.68 2JsTocfO
玄関を閉めようとしてるみっちゃんを呼び止める。

みつば「? なに?」

鞄からお菓子売り場で買ったクッキーのお菓子を取り出す。

松岡「これ。昨日と今日のお礼にって思って」

みつば「え……私に?」

松岡「クッキー作るの、私のせいで失敗しちゃったしお詫びとしてになっちゃったけどね」

みつば「ま、まぁそういうことなら、って言うかあんな失敗作よりこっちをひとはに渡せばよかったんじゃないの?」

みっちゃんの言うことは尤もかもしれない。でも。

松岡「コレはみっちゃんにって買ったものなの! それを三女さんに渡すのは二人に失礼だよ!」

みつば「……そう。わかったわよ。有難く貰って置いてあげる」

そういって、私の差し出したクッキーを受け取ってくれた。

松岡「それじゃ、今度こそまた明日」

みつば「はいはい、また明日」

そうして私は帰路に着く。

何となくふたばちゃんが帰ってきたときのことを思い出す。
あの時、みっちゃんが注意を引き付けてる間に三女さんがクッキー(?)を隠していた。
ちょっと前まで喧嘩してたのに、あの完璧な連携プレーには驚いた。
やっぱり、チョコの件だけでなく、三女さんのことを良くわかっているみっちゃんが羨ましく思う。

その後、三女さんとふたばちゃんもみっちゃんにクッキーを渡してた。
三女さんはさっきまで喧嘩してたこともあって、若干渡すのに抵抗があったようだし、みっちゃんはみっちゃんで受け取る側にも抵抗があるようだった。
でも、まぁ、ふたばちゃんの手前、喧嘩再開するのもアレだしで、とりあえず何事もなく事は済んだ。



……そういえば三女さんに渡したクッキー(?)は結局のところ、食べれるのだろうか?
ちょっと心配になったけど、明日みっちゃんに聞いてみようかな。




186:青天白日の贈り物-⑰
11/07/16 01:16:41.01 2JsTocfO
~ 蛇足(ひとは視点) ~

お父さんとふたばが風呂に入ってる今しかない。

隠してあったクッキーらしきものを取り出して、一口食べてみる。

ひとは「ぶっ!」

……塩辛い。絶対清めの塩だよ、コレ……。

みつば「ああ、松岡が砂糖足してるのかと思ってたけど、アレ、塩だったのね」

おわり

~~~以上本編~~~

言い忘れてました。長くてすいませんorz
それとコレ、何がメインなんでしょう? ひとみつ? 松ひと? まさかの松みつ?
書いた私も良くわかりません。
そして、今になって松岡さんっぽさに些か問題ありな気がしてきましたが……細かいことは(ry

こんな駄文ですが感想とか書いていただけると助かります。

187:名無しさん@秘密の花園
11/07/16 09:47:10.68 fP+CyoT9
何このSSラッシュ久々にみつどもえ成分が補給されてテカテカなんですけど


188:名無しさん@秘密の花園
11/07/17 04:20:19.66 8fdcu59y
>>168
なんという嫁自慢wwwwwwwwww
可愛いすぎるだろこの二人wwwwwww
乙でした

>>186
いつもながら長い・・・・だが、それがいい!
駄文なんてとんでもない!
いままででないパターンで面白かったです
乙でした

189:名無しさん@秘密の花園
11/07/17 05:02:28.80 Bn7h2DMu
ホワイトデーSSキテター?
毎度乙です!

190:名無しさん@秘密の花園
11/07/17 06:27:27.10 1Gd2nLMl
2作とも最高だ


191:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 10:09:17.12 chPnUdmE
最近アニメ化したゆるゆりの櫻子と向日葵のツンツンカップルは杉みつに通じる所がある
あの二人の喧嘩ップルっぷりを見てると杉みつを思い出すよ…

192:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 20:47:36.41 ldSiJGu7
一気に過疎ったな

193:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 21:14:44.56 fqF8sNVO
>過疎
悲しいけどいつもの事ですね。

186です。感想ありがとう御座います。
まとめwiki編集者様にお願いなのですが、どこかに
「バレンタインに如何して嫉妬?」の続き的な記述書いていただけると助かります。

ところで、ショートショートくらいの書いてみたんだけど
誰得のメグみつ、メグちゃん視点で未来話です。
需要あれば投下しますが……みつどもえっぽさが薄いです。百合も薄いです。
需要ありますか?


194:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 21:19:27.30 ldSiJGu7
無いワケが無いだろ
さぁどうぞ

195:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 22:16:50.86 Y/P+RX5Q
メグちゃんって誰だ?って思ったら下級生の娘なのね

196:憧れる少女-①
11/07/21 23:11:50.02 fqF8sNVO
反応早すぎるw
とりあえず注意事項まとめ
・誰得カップリング、メグみつ
・メグちゃんがキャラ変わりすぎ
・7年くらい未来の話
・地の文多めで、台本書き部分を今回に限り撤廃
・みつどもえ成分補給には不向き
・百合スレなのに百合濃度が低い
・軽い鬱展開から始まる
ひとつでも不快感あるようならスルーしちゃって下さいね!

~~~以下本編~~~

タイトル:憧れる少女

“気品ただよう高貴な身分のことよ!! 私みたいにね!!”

ん……もう朝だ。
まだ覚醒できずに目を寝巻きの袖で擦る。

今のは……みつば先輩の夢―
痴女の意味を中学上がるまであの台詞通りの意味だと思ってた私はきっと馬鹿なのだろう。

みつば先輩にあの時厳しく突き放された意味を理解してから、私は自分の馬鹿さ加減に呆れも通り越してしまっている。

一度ベットから体を起こした私だったのだが、そのまま<バタン>とベットに倒れる。

あの言葉は、私達を思っての言葉だった。私達が嫌いになったわけではなかった。
私達を避けるためではなかった。……みつば先輩の優しさ…だった。

今は大学生、もしくは社会人だろうか?
行動力のない私は何も知らない。
小学校の時から一緒だった杉崎君には確か姉が居て、みつば先輩と仲が良かったのを覚えているが、
杉崎君の連絡先は愚か、小学高学年あたりからまともに会話することもなくなった。
今更、話掛けることなんて出来るわけがなかった。

そんな自分が嫌いだ。自己嫌悪して、そして自己嫌悪してる自分にも嫌悪感があって……憂鬱なのだ。
今は梅雨時であり空気はジメジメしていて……元気に振舞うって言うのが無理な話なのかもしれない。
違う……それはただの言い訳でしかない。

197:憧れる少女-②
11/07/21 23:13:33.52 fqF8sNVO
……。

……。

綺麗な金髪……元気が良くて…大胆で……とってもお洒落で……。

……。

「ん……あれ?」

いつの間にか二度寝してしまっていた様だ。
蘇ってきたみつば先輩の姿。
私の憧れだった。私は彼女のようになりたかった。

時計を見る。短い針は10を指している。
今日は日曜日―なのだが、友達と近所のデパートで待ち合わせしていたのを思い出した。

約束の時間は10時半……そう思い出した時にはベットから跳ね起きて着替え始めていた。



「ごめん! 待った?」

「遅いよメグ! 3分遅刻!」

30分で着替えから用意まですべて終わらせてここまで来るのに3分しか遅れなかったことを褒めてくれてもいいのに……。
そんなこと相手は理解してくれない。当たり前だ。私から言わなきゃそんな事伝わらないに決まってる。

でも、説明しようにも、ただの寝坊と言うべきか、本当のことを言うべきか。
当然、夢の内容とか考えてたこととか言えるわけが無い。
結果、ただの寝坊として「ごめん、ごめん」とだけ言って置く。

「そんじゃ、服買いにに行こうよ」

「うん」

彼女は中学で出来た友達。今のところ一番の仲良しなのだが、彼女には沢山友達が居て、私より仲の良い人だって居るだろう。
それでも一応、ちょっとした憂鬱な人生を歩んでる私が今一番楽しんで過ごせる友達だ。



デパートの洋服売り場に移動している時だった。

198:憧れる少女-③
11/07/21 23:14:49.63 fqF8sNVO
……。

今、綺麗な金髪の、お洒落な人とすれ違った。
そして、聞き覚えのある声……今日も夢で聞いたことのある声だった。

振り向くとそこには昔と変わらない私の憧れの人の後姿があった。

「み、みつば先輩!」

振り向いた金髪の女性は驚いていた。でも、驚いたのは彼女だけでなく、私の友達も、そして私も驚いた。
行動力なんてない私が……考えるよりも早く行動していた。

そして私の声で振り向いたことで金髪の女性が本当にみつば先輩であることがわかった。

でも、先輩は私のことを憶えていない……そんな顔をしていた。

「え、ちょっとメグ? 知り合い?」

友達が話しかけてくる。でもその言葉は右耳を通り左耳から抜けていく。私は初めて彼女の言葉を無視した。
今の私の居場所よりも、大切なものに出会ってしまったから。

「メグ? ……もしかして、杉崎弟と同じクラスだった……」



憶えていないと思っていた。私のことなんてもう、記憶の彼方にすら残っていないと思っていた。
でも、名前を聞いて、たったそれだけで、数日間しかまともに言葉を交わさなかった私を覚えていてくれた。

「……わ、私は今でも、貴方に憧れて居ます! あんな突き放され方されたけど……アレが優しさだったって知ってから、もっと…もっと憧れました」

もう、こんなチャンスはないかも知れない。そう思ったら口が勝手に動いてた。

「こ、これからも憧れ続けます! 先輩! 貴方を目標にしてもいいですか?」

しばらく呆気に取られていたのだろうけど―

「いいわよ! 気品ただよう高貴な身分に惹かれるのは当然よ!」

そういって、まぶしい笑顔を見せてくれた。
すぐに隣に居た黒髪を後頭部あたりで束ねている子に脛を蹴られて引っ張っていかれたけど……。

今まで憂鬱な感情が光が差した。
ただ、一言、言葉を交わしただけなのに……蟠りと言うのだろうか? それが消えて行くのが感じられた。

私の心は梅雨時だというのに雲ひとつ無い快晴になれた。
違う……これからは嵐が来ても雲なんて作らない。そうなれる、信じる目標に再開できたから。

おわり。

~~~以上本編~~~

続きません。
仕事の気晴らしに、思いついたこと書き殴った物なので微妙かと思います。
色々破綻してるかも。脳内行間補間推薦です。スイマセンorz

199:名無しさん@秘密の花園
11/07/21 23:47:09.34 YjA64TzS
>>198
乙!
ちじょ回の子か~。これからも何か思い付いたら書き込んでくれよ!宮下さんとの約束だぞ☆

200:名無しさん@秘密の花園
11/07/22 00:55:46.34 DcIS5kGO
>>199
感想ありがとー。私の短編は大抵宮野さんの扱い酷いですが、みつどもえには無くてはならない存在です。
キャラ単体としては結構好きなほうに入ります。
これからも弄らせてもらうからな☆
それと、基本的に思いついたネタは長いのにに入れちゃってます。今回のようなケースは除きますけどね。

まとめwiki編集者様、いつもながら早い反応感謝です。先の件有難う御座います。

201:名無しさん@秘密の花園
11/07/22 02:19:05.63 9a9JgHw1
いつもの小ネタ垂れ流しです

放課後 教室

松岡「三女さーん」ガラッ

三女「スースー」

松岡「なんだ寝てるんだ」

三女「スースー」

松岡「・・・・・・三女さん」

松岡(教室には私と三女さんだけ・・・か)

松岡「フフ、可愛い寝顔だなあ」

三女「・・・・スースー」

松岡「って何言ってるんだろ私、起こしちゃ悪いしry」


みつば「ひとはー帰るわよー」ガラッ

三女「ああ、みっちゃん」

みつば「あれ、何でアンタそんなに顔赤いのよ」

202:名無しさん@秘密の花園
11/07/22 02:21:08.86 9a9JgHw1
以上、私の妄想でしたー
読んでいただければ幸いです

>>200
いつもながら素晴らしい、乙です!
あなたのその文才が妬ましい

203:名無しさん@秘密の花園
11/07/22 07:42:27.09 MtQBHr1b
>>200->>201
どちらも乙です!ニヤニヤさせて頂きました

204:名無しさん@秘密の花園
11/07/25 04:06:48.92 SdwQJZek
ひとはと杉ちゃんはみっちゃん好きすぎだろう
特にひとはがw

205:名無しさん@秘密の花園
11/07/25 20:18:25.96 VzNO+tGx
>>204
判ってるじゃないか!
杉ちゃんの大胆な行動で騙されがちだが
ひとはのみっちゃんへの愛は後戻り出来ないところまできてるよなw

206:名無しさん@秘密の花園
11/07/26 16:23:08.80 8uMt3Uu4
杉ちゃん・・・・みっちゃんの盗撮写真多数所持
ひとは・・・・・夏休みの日記はほぼみっちゃんのこと、みっちゃん型弁当を作るetc

愛されすぎだろう・・・・
ふたばが可愛そうだな

207:名無しさん@秘密の花園
11/07/26 17:52:38.98 d2+nd2BQ
げきも

208:名無しさん@秘密の花園
11/07/28 18:46:24.78 vsncA6Vb
初期頃からみっちゃんの監視を何度もしてたひとは……
適当な理由つけて、みっちゃんの傍に居たかっただけってことだよね?
ひとははみっちゃんを愛しすぎだわ

209:名無しさん@秘密の花園
11/07/28 18:58:51.93 t2/yN5iq
密かにカロリーゼロのアイス買ってきてたりな

210:名無しさん@秘密の花園
11/08/09 20:18:56.46 MFalDUq+
やっぱり過疎が続きますね……原作休載中ですし仕方がないといえばそうなんですが……。
200です。
出来れば今月中に、遅くても来月中に投下予定です。
前作終わってから、行き詰って途中で投げた作品が2つもあるけど
今書いてるのは何とかなりそうです。

>>202-203
読んで頂き、ありがとうございます。文才あるように見えますか?
まさか……絶対気のせいですよw
一人称視点だと割りと書き易いと思いますし
「登場キャラが低年齢なのであまり難しい言い回しを使わないほういい」
ってところに助けられてばかりですよ

211:名無しさん@秘密の花園
11/08/09 21:05:20.72 86tDu/Fw
お~新作書いてるのか
楽しみに待っとりますね~

それにしてものりおちゃん復活はまだなのか~

212:名無しさん@秘密の花園
11/08/09 21:42:18.74 LgxRa77e
待ってる

213:名無しさん@秘密の花園
11/08/10 08:12:59.53 7xkgAYUF
>>210
もはやこのスレの唯一の希望

214:名無しさん@秘密の花園
11/08/13 19:58:15.59 xexxoJ5B
結局杉みつ同人でお前らのベストって何よ
死ぬ気で探しに行くから

215:名無しさん@秘密の花園
11/08/26 23:51:52.40 FpVtXSrv
ゆるゆりにハマってからみつどもえ成分がだいぶ弱ってるわ…
早く原作再開してくれ
もちろん杉みつ度満載でな

216:名無しさん@秘密の花園
11/08/27 08:32:18.44 oKO18/MN
>>215
同意。
杉みつ好きなお前らの事だ。どうせひまさくのツンツンカップルに萌えてんだろ?

217:名無しさん@秘密の花園
11/08/27 09:15:31.95 1i6gYLQ7
過疎だからってあんまり脱線せんようにな


218:名無しさん@秘密の花園
11/08/27 14:03:17.35 kkFWBqsL
悪かった。つい動きがあったもんで嬉しくてね

お詫びに中学生になった松ひとの妄想晒す



松岡「三女さーん!」

ひとは「…どうしたの」

松岡「この学校オカルト研究部がないよー!泣」

ひとは「それは残念だったね」

松岡「うー…中学生になったら部活で霊的な物の探検とか増えると思ったのにー」

ひとは「相変わらずだね松岡さんは…」

松岡「はぁ…どうする三女さん?当てが外れちゃったね」

ひとは「え、ちょっと待って何で私も一緒に入る事になってるの?」

松岡「え?だって三女さんが一緒じゃないと意味がないよ」

ひとは「なっ!?さっちゃん…そ、それって…」

松岡「やっぱり美少女霊媒師の三女さんがいないと面白くないし!霊媒師さんは霊を引き寄せるって言うしね!」

ひとは「……はぁ…そうだね。で、どうするの?部活は」

松岡「うーんそうだね…何でもいいよ!三女さんと一緒なら!」

ひとは「…やっぱりそこは私も一緒なんだ…」

松岡「何だかんだ言ってこんな事に付き合ってくれるの三女さんだけだもんね。ずっと友達でいてね!三女さん!」

ひとは「う…うん…///」

219:名無しさん@秘密の花園
11/08/27 17:47:04.42 1i6gYLQ7
乙!
松岡「私、最近三女さんとずっと一緒だな~」
松岡「はっ! もしかして私既に死んでて、三女さんに憑いちゃってるじゃ……」
こんな光景が浮かんだ

220:名無しさん@秘密の花園
11/08/27 22:57:16.25 Q4htNflx
松岡「おっ!おじさんのオチンポすごいのっ!私の膣内に射精してえええぇぇええ////」 グッポ!グッポ!
おれ「さっちゃん!なかに出すぞ!」 


      ドピュ!ドピュドピュ!ビュルルルルルル!!!・・・・・ビュッ

221:名無しさん@秘密の花園
11/08/28 05:44:40.09 aJICd3dA
>>218
GJ
松ひとはいいものだな

222:名無しさん@秘密の花園
11/08/29 07:20:24.01 PJEulEYu
ひとは「せっ!先生のオチンポすごいのっ!私の膣内に射精してください////」 グッポ!グッポ!
矢部 「ひとはちゃん!なかに出すよ!」 


      ドピュ!ドピュドピュ!ビュルルルルルル!!!・・・・・ビュッ


223:名無しさん@秘密の花園
11/08/29 17:12:26.98 PJEulEYu
伊藤「おっ!おじさんのオチンポすごいのっ!私の膣内に射精してえええぇぇええ////」 グッポ!グッポ!
おれ「詩織ちゃん!なかに出すぞ!」 


      ドピュ!ドピュドピュ!ビュルルルルルル!!!・・・・・ビュッ


224: 忍法帖【Lv=28,xxxPT】
11/09/21 16:23:00.92 rBYak1Gc
最終書き込みから一ヶ月経つのを阻止!

210です。
一応書けました。ひとみつ、百合濃度低。遅くなってスイマセン。
書けたけど……ちょっとまって下さい。
いつもgdgdなんだが今回特にgdgdなんです(汗
今更全体的な流れを書き直す気は無いけど、細かい点だけでも修正して置きたいので……

と言うわけで投下は「遅くても9月中」って言っちゃってるので9月末日までには投下します。
gdgdで長くて百合濃度低くても問題ないって人居たら読んでください。
っと言うか、スレ住民まだ居るんでしょうか?

早く原作再開して~、みつどもえ分が足りない!

225:名無しさん@秘密の花園
11/09/21 17:27:12.62 /NRAA+ez
ここにいるぞー

226:名無しさん@秘密の花園
11/09/21 18:38:28.09 EwQIMoyv
俺もいるぞ~
期待して待ってます!

227:名無しさん@秘密の花園
11/09/22 15:31:45.10 tLHWqoUA
ぐぴっw フヒョほほwww レズ萌へ~www 百合最高にゃんりしwwww
オワコンみつどもえはボクリンたちがゆりゆり妄想を炸裂させ真・みつどもえとして新たに築きあげるのでぷよwwwwwwwww ブッヒイィィィィィイイィィィィ!!!!!!!!!!!

ぶひゃw

228:長女三女の事情-前書き
11/09/30 23:29:10.34 2M7tUV86
9月末日ギリギリになったが一応ちょこちょこ修正完了。
注意事項まとめ
・百合濃度低
・長い
・gdgd
数分~十数分後に本編投下開始予定です。

229:長女三女の事情-①
11/09/30 23:49:48.84 2M7tUV86
~~~以下本編~~~

タイトル:長女三女の事情

~ 喧嘩(みつば視点) ~

ひとは「……もういいよ! 二度と話しかけないで!」

みつば「―っ!」

私は言い返そうとして口を閉じた。
上等よ! 絶対話しかけてやらない!

……そうやって意地を張ったが、この時は「明日になればいつも通り」……そう思っていた。



―取っ組み合いにまでは発展しなかった何時もの喧嘩。
でも何かが少し違った。

喧嘩をしたのは昨日の夜。喧嘩の理由は些細なこと……だったと思う。
と言うのも何が原因か良くわからない状態から喧嘩がヒートアップして行って、関係ない不満とか色々ぶつけ合ったからであって。
そして、最後は内容の無い悪口の言い合い――今思えば言い過ぎなところも多々あったがお互い様よ!――だった。

で、ひとはのあの台詞で締められた訳だ。
何時もの喧嘩と違うと感じたのは……そう、今も尚、あの台詞通り会話をしていないから。
後を引く喧嘩なんて滅多にしないのに……。



今は学校の給食時。
私は杉崎たちと一緒に給食を食べている。

ふと、ひとはに視線を向けると自分の席で松岡と一緒に給食を食べていた。

……正直安心した。松岡には心の中だけで感謝しておいた。
でも……雲で覆われた私の心は、さらに酷くなっただけ……。つい先日梅雨明けしたはずなのに……。

松岡と給食を食べるひとはの背中を見ながら、喧嘩をしたことを後悔する気持ちと私と喧嘩しているというのに松岡と会話するひとはの姿が憎くも見えた。

そんな矛盾した感情が頭の中に溢れ返っていると、会話に参加していなかった私に話しかけてくる物好きな盗撮女が居た。

230:長女三女の事情-②
11/09/30 23:52:02.61 2M7tUV86
杉崎「なに、変な顔して……給食前に拾い食いでもしたの?」<ピロリロリーン♪>

いつもならその喧嘩買ってあげるんだけど……昨日のこと…いや現在進行中の喧嘩のことがあってそんな気分にはなれなかった。
無視して給食を食べることにした。―って言うか撮るな!

宮下「なんだ? いつもの長女らしくないな」

……長女らしくない……私は不意に“私らしくない”と言う意味でなくそのままの、言葉通りの意味で捉えていた。
確かにその通りだろう。意地になって馬鹿みたいだ。長女なら長女らしくすべきだ。私から仲直りを持ちかけるべきだ。

そう思ってはいても、私にはそれが素直に出来ない。
意地になってる……というのはもちろん、私から折れたら、ひとはと会話がしたくて仕方がないみたいじゃない。

吉岡「ど……どうしたのかな? みっちゃん……」

宮下の言葉も無視してしまったため、吉岡を初めとして杉崎、宮下も本格的に困惑し始めてしまった。

みつば「別に……なんでもないわよ」

仕方が無く場の収束を図るために出した声は、実に素っ気無い答えだった。



松岡「! 三女さんはどこ!?」

放課後、ひとははどうやら先に帰ったらしい。松岡はひとはがいつの間にか居なくなってるのに気が付き、周りを見渡した後は意気消沈していた。

私も杉崎たちと帰っても碌に会話もしないだろうし……そう思って一人で帰ろうとしていると、またしても杉崎が話しかけてきた。

杉崎「ちょっと、みつば! 何一人で帰ろうとしてるのよ!」

……正直、一緒に帰ることに誘ってもらえて嬉しくはある。

でも、ひとはは一人で帰ったのだと知ってしまっては、杉崎たちと帰ることが何となく後ろめたく感じてしまう。
断ってでも一人で帰ろうと思っていると―

吉岡「咲ちゃんも、一緒に帰ろうよ。ちょっと三女さんの話聞きたいし」

みつば「……へ?」

どうして、いきなりひとはの話? それに何で松岡に訊くのかが理解できない。

231:長女三女の事情-③
11/09/30 23:53:49.37 2M7tUV86
宮下「ふたばだよ。三女と喧嘩したんだって聞いたぞ。口も聞いて無いそうじゃないか」

不思議そうな顔をしていたであろう私に宮下が答える。
そして、私が宮下の言葉の意味を理解するより早く杉崎がさらに追加で説明する。

杉崎「そういうことだから、給食が三女と一緒だった松岡を交えて作戦会議よ! それで、さっさと仲直りしなさいよ!」

え…っと?
つまり、仲直りに協力してくれるってことなのだろうか?
そう考えて、確かめるべく口を開こうとした時、慌てたように杉崎が割り込んできた。

杉崎「か、勘違いしないでよ! あんたが元気無いと張り合いが無くて詰まらないからで……」

腕を組んで私に対して横を向いた杉崎はなぜかムスッとした顔で私をチラ見する。

杉崎「で、何があって喧嘩になったのよ」

みつば「あ、あんたらには関係ないでしょ!」

私の口から出た台詞は、杉崎を突っぱねる言葉。
作戦や相談なんて必要ない。
私がひとはに謝れば済むだけのことなのだから。

杉崎「っ! か、関係ないって……そ、そうかもしれないけど……」

宮下「おい! そんな言い方は無いだろ! 私も杉崎も心配して言ってるんだ!」

余計なお世話だ……。
それに杉崎は心配なんてしていない。その証拠に今現在、宮下に向かって「は、張り合いが無いだけよ! 別に心配なんてしてないんだから!」と言ってる。
自分に都合の良い私に戻れ……そう言ってるのだ。

宮下もきっと、心配してるように言ってるだけで、自分が良い格好したいだけで―

……そこまで考えて自己嫌悪した。
そんなわけ無いってわかってるのに。……最低だ。

私、イライラしてる。きっと……ひとはと仲直り出来てないから。
それで皆に八つ当たりして―

松岡「みっちゃん……三女さん今日元気なかったよ」

不意に松岡からの台詞。
ひとはが元気が無い……私と喧嘩してるから?

232:長女三女の事情-④
11/09/30 23:55:00.82 2M7tUV86
……。

私だけの問題じゃない。ひとはもこんな関係、望んで言った訳じゃないはず。

改めて杉崎の顔を見る。すぐ視線を逸らされたが、心配してくれてるのが丸判り。
他の皆も心配してくれてるようだった。この場にはいないが、きっとふたばも……。

みつば「明日には……仲直りできてるわよ! だから心配する必要なんてないわよ!」

そう言って私は皆を置いて先頭を歩く。
やっぱり、ちゃんと私から謝ろう。帰ったらすぐに謝ろう。

杉崎「ち、ちょっと! 心配なんてしてないって言ってるじゃない!」

宮下「面倒くさい姉妹だよな」

杉崎「(あんたも十分面倒くさいと思うけどね……)」

宮下「え? ちょ…聞こえてるぞ! 私が何したって言うんだよ!?」

一番離れてる私にも聞こえるほど杉崎の小声は大きかった……ワザと聞こえるように言ったわね。
宮下も聞こえなかったことにしてスルーして置けばいいのに。

吉岡「もぉう! 違うよ杉ちゃん! 宮ちゃんはちょっと空気が読めなくて鬱陶しいだけだよ!」><

宮下「吉岡……フォローになってないぞ」

233:長女三女の事情-⑤
11/09/30 23:55:49.88 2M7tUV86
~ 失敗(ひとは視点) ~

ひとは「はぁー」

今日は一人で下校。
別に仲間外れにされたとかじゃなく私が故意に行なった事。
……って言うか、一人で下校することなんて珍しいことじゃないし!

ひとは「みっちゃん……本当に話しかけてこないのかな……」

そんな訳ない。みっちゃんは優しいから……きっと……。

……本当は待ってる事なんてない。私から話しかければ済む話。
じゃあ、如何して私から話しかけないのだろう?

……。

私も頑固なところがある。意地になってるから……それだけが理由なのだと思っていたのだけど……。
本当はこれ以外にも理由がある事に気が付いてる。

……きっと……みっちゃんから話しかけてくるのを待ってる。それはつまり、勇気が無い私のみっちゃんへの甘えだと思う。



“ちょっと私のお洒落な服、洗濯し忘れるとかどういうことよ! あんたらしくもないミスしないでよね!”

喧嘩の発端となったみっちゃんの何気ない台詞。
忘れた私が悪い。でも、私らしく無いミス……この言葉に何だか苛立ってしまった。
私だって、ミスすることだってある。完璧な人間なんかじゃない。

なのに……私はミスが許されない。そう言われてる気がして。
その後、口喧嘩になってあんなこと言って……。

確り者の私以外も……私なのだと認めて欲しかったのかも知れない。

……。

本当、ただの被害妄想だよ。

みっちゃんから話しかけて来たら、私も謝らないと。
意地になってた事や酷いことを言った――何言ったか覚えてないけど――事を。
そして、私から謝らなかったことを。




234:長女三女の事情-⑥
11/09/30 23:57:50.43 2M7tUV86
ひとは「ただい…ま……」

みっちゃんと会話しないことになってるのを一瞬忘れてた。
幸い、まだ家には誰も居なかった。いや、むしろ居てくれた方が早く解決できたかもしれない。

まぁ、でもみっちゃんがいないのは当たり前。私のが早く学校出たんだから。
でも、ふたばまで居ない。私より早く――出た時間は一緒くらいだったけど圧倒的に足が速かった――学校を出て行ったのに。
どこかで道草か、しんちゃんと遊んでいるのかも知れない。

さて、どうしよう。夕飯の支度には少し早いし……。

ふと、外を見ると雨が降り出していた。
私が帰ってくるまで雨なんて降ってなかったから今降り出したのだろう。
梅雨明けだと言うのにまったく―!

ひとは「っ! 洗濯物しまわないと」

私は慌てて外に出た。
昨夜洗った洗濯物以外にも、朝急いで洗ったみっちゃんの服も干してある。

雨で濡らしてしまっては、私の責任ではないにしろ、より気まずくなる原因になる気がした。
でも。そう思って急いで洗濯物を取り込もうとしたのがいけなかった。

<ビリッ>

ひとは「あ……」

洗濯物が物干台の竿を引っ掛ける部分に……。

そして、破れたのは……みっちゃんの服だった。

最悪も最悪だ……なんて言えば許してもらえるんだろう。
この服は本当にみっちゃんが気に入ってた服だったのに。

みつば「た、ただいま……ひとは帰ってる?」

っ―!

み、みっちゃん!

みつば「あ、洗濯物取り込んで……え?」

ひとは「え、あ……」

見つかった。もとより黙ってるつもりは無かった……けど、タイミングってものがある。
最悪のタイミングといってもいいかも知れない。

235:長女三女の事情-⑦
11/09/30 23:59:18.54 2M7tUV86
みつば「……」

みっちゃんは何も言わなかった。
そしてそのまま背を向けて二階へ行ってしまった。

私はと言うと、気まずくて視線を向けられずにいた為、みっちゃんの表情を見ることが出来なかった。

……怒ってるよね。ただでさえ喧嘩中―

そこまで考えて、みっちゃんが話掛けて来ていたことに気が付いた。
きっと仲直りするつもりで……。

そして、このタイミングでの私の失敗……みっちゃんはどんな気持ちだったのだろう……。

部屋に戻りテーブルに突っ伏す。
あのタイミングで失敗した自分を恨んだ。



時間にして数分くらいだと思う。
とりあえず、顔を上げ破れた服を手に取り見てみる。

ひとは「……この破れ方は……直すの難しいかな……」

そして嘆息。でも、時間は掛かるかも知れないけど何とか着れる程度には直せそうだ。
“善は急げ”と言うが、そろそろ夕飯を作らなければいけない。
そうしなければより一層みっちゃんの機嫌を損ねるかも知れない。
だからここは、“急がば回れ”こっちの言葉に従っておくことにして、夕飯の準備をはじめた。

236:長女三女の事情-⑧
11/10/01 00:00:36.99 2M7tUV86
~ 次女(みつば視点) ~

逃げ出した。
せっかく謝るつもりだったのに……。

今は私達姉妹の部屋に入って扉に凭れ掛かるように座り込んでいる。

一階で見た光景……それは私のお気に入りの服の見るも無残な姿。
ひとはの奴、このタイミングであんなことをやらかしてくるなんて……。

……判ってる。ひとははワザとそんなことしないって。
視線を私に向けようとしないひとはの態度、何かの事故でこういうことになってしまったのだと理解は出来た。

実際怒ってるわけじゃない。
服の一つや二つ……いいじゃないの……。
ひとはと仲直りできないことの方が私には問題だから。

でも、とっさのことで謝ることを忘れて唖然となったし、完全に頭の中真っ白になったわけで……。
唯でさえどう謝ろうか、考えて、考えて……若干混乱気味だったし……。

みつば「すー、はぁー」

深呼吸して気持ちを入れ替える。
さっきのこと許してやって、それで私から謝ってコレで解決だ!

そう思って立ち上がる。そして、扉を開け―

<ガチャ>

みつば「え…ちょ!」

<ゴンッ>

開けようとした扉が開いて額にクリティカルヒット! ……超痛い。

みつば「っ……!」

額を押さえてしゃがみ込む。

237:長女三女の事情-⑨
11/10/01 00:03:31.59 R8ykBa72
ふたば「みっ、みっちゃん! 大丈夫っスか?」

みつば「ふ、ふたば? 痛っ……」

これで、ふたばじゃなくてひとはだったらどうしようかと思ったわよ!

ふたば「ち、血が出てるっスよ! みっちゃんが死んじゃうっス!」

え? 血? 本当で?

みつば「ちょ! あんた、どんな勢いで扉開けたのよ!」

ふたば「意外と元気そうっスね、よかったっス」

みつば「良くないわよ!」

あぁ、頭に響く……。大きな声出すんじゃなかった。

って言うか、さっきから血が止まらない。額切ると大量に血出るらしいけど大丈夫なんだろうか?
まぁ、クリスマスにひとはがサンタ役した時――アレは額ではなかったけど――は今の私の比じゃなかった気がするし大丈夫……たぶん。

みつば「とりあえず、タオル持ってきなさいよ!」

ふたば「わかったっス!」とてちてとてちて

そういえば、ふたば先に帰ってると思ったんだけど……今帰ってきたのかしら?
よくよく思い出せば、服も若干濡れてたし、どこかで変体パンツとでも遊んでたのかも知れない。

そんなことを考えて座り込んだまま額を押さえて下を向いている、扉を開けてすぐのところに紙袋が二つあるのが視界の端に入った。
何かしら? ―と疑問に思うまもなく、階段を上がる音が聞こえてきて、すぐに―

ふたば「タオルもって来たっス!」

―と、ふたばの声が―

ひとは「み、みっちゃん……氷、持ってきたから……冷やして」

! ひとはまで来るなんて予想外……いや、ふたばが大げさに言えば来る可能性の方が高いはず。
予想していなかった方がどうかしてる。

ひとは「……大丈夫?」

恐る恐るって感じで聞いてくる。
きっと私が怒ってるものだと思ってるに違いないだろう。

下を向いたままだった私は視線を上げる。心配そうに覗き込む二人の姿が写る。

みつば「あ、ありがと」

238:長女三女の事情-⑩
11/10/01 00:05:20.96 2M7tUV86
ひとは「……ま、まったく、世話掛けないで。……私料理中だから戻るよ」

そう言って背を向けて部屋から出て行く。

……精一杯普段通りを演じているように……そんな感じに見えた。
って言うかひとはから会話してきたってことは……。

みつば「ちょ! ひとは!」

そう考えた時、私は部屋を出てひとはを呼び止めた。

みつば「昨日……私、その…悪かったわ……だから―」
ひとは「ちょっとまって! みっちゃん、昨日私が何に腹立てたかわかる?」

みつば「え……」

意外な返しに戸惑った。……そして、ひとはの問の答えもすぐには出てこなかった。
ただ、ひとはの機嫌を損ねる何かを言ったのだから謝るのは当然……そう思って言ったのだけど……。

理由もわからずに謝ってしまったことはやっぱり失敗だったのだろうか……そう感じ始めたときひとはが口をあけた。

ひとは「はぁ……別にいいけど」

呆れたように嘆息する。
結局理由は判らず仕舞い。気にはなるが、触れないほうがうまく治まる気がしたので触れないで置く。

ひとは「それより謝るのは私のほうだよ。……今日のことも、昨日“話しかけないで”って言ったことも……」

視線は私に向けていない。だけど、その声はいつもより一回り弱々しいもので印象深かった。

ひとは「それに……謝るのが遅くなったことも、……意地になっててごめん」

なんというか、素直に謝られてちょっと居心地が悪い……。

ふたば「仲直りっスね!」

ふたばが間に割って入る。この自由な行動が居心地の悪さを壊してくれて助かる。
……って、あれ? これってさっき部屋で見た紙袋?

ふたば「これ! 二人に買って来たっス! 本当は仲直り出来るようかったんスけど……
仲直りしちゃったっスから、そのお祝いっス!」

私達に袋を差し出してきたので反射的に受け取った。
えっと、中身は……服?

239:長女三女の事情-⑪
11/10/01 00:06:53.10 2M7tUV86
<バサッ>

前を見るとひとはが袋から服を出し広げていた。

ひとは「え、何これ……」

何これって服だろう。いや……言いたいことは判る。
なんというか、服のデザインが……つまり、おばあちゃん級のセンスなのだ。

そして、嫌な予感を感じつつ私も紙袋から服を取り出し広げた。

みつば「げ……」

ひとは「……ペ…ペアルック」

ふたば「どうっスか! どうっスか!」

満面の笑みを浮かべ私達に感想を聞く。

ひとは「どうって……いらな―」
みつば「わ、わー可愛いじゃない! ふ、ふたば気が効くわね。ありがとね!」

ひとはが本音を言いそうだったのでフォローした。
っていうか、ひとはってそういうとこ気が効かなすぎよ!

ふたば「ほんとっスか! じゃ明日、二人ともそれを着て登校っス!」

みつば&ひとは「「え゛……」」

衝撃の一言。
このダサい服を着て……しかもひとはとペアルック?
ふたばは私達に死ねと言ってるのだろうか?

ふたば「ほへ? なんか問題あるっスか?」

私達の反応に不安げな顔を見せる……こんなのって反則じゃない!?

ひとは「問題って……こんな服着れる訳―」
みつば「(ちょっと! ふたばがわざわざ、私らのために買って着てくれたのよ!)」

ひとはがまた気を効かす気ゼロなので慌てて制止に掛かる。

240:長女三女の事情-⑫
11/10/01 00:09:09.40 R8ykBa72
ひとは「(じゃあ、着るの?)」

みつば「(……)」

ひとは「(あの服を……しかも、ペ、ペアルックで登校って人類に出来るの? 雌豚なら出来るの?)」

私は、何も答えずふたばに少しだけ視線を向ける。
まだ先ほどと変わらない不安げな顔。

みつば「(ひとは……人を捨てる時が来たようね)」

ひとは「(ちょ! みっちゃん! 早まらないで、私が何とかするから!)」

そう言うと、ひとははふたばの前に立ち「コホン」と咳払いをして口を開いた。

ひとは「この服、ふたばのお金で買ったの?」

え! そこなの!? いや、確かに気にはなってたけど、そこから明日、着ない方向に?

ふたば「ん、箪笥の中でお札を小生が見つけたっス!」

ひとは「っ! それ今月分の食費だよ!」

衝撃の事実! その後有耶無耶になったお陰で助かった。





……。

……気になる。ひとはの怒った理由。

ふたばの服の件で喧嘩の発端となった言葉は思い出せた。

“ちょっと私のお洒落な服、洗濯し忘れるとかどういうことよ! あんたらしくもないミスしないでよね!”

何気なく言ったこの台詞から機嫌が悪くなったのは確かだった……やっぱりこの台詞がいけなかったのだろう。

241:長女三女の事情-⑬
11/10/01 00:11:29.40 R8ykBa72
杉崎「そんなの、あんたが三女を過大評価してるから、へそ曲げたんじゃないの?」

みつば「へ?」

杉崎「だって、“あんたらしくもないミスしないでよね”って言ってから怒ってたんでしょ?
その台詞が理由っていうなら、怒る要素ってそれくらいじゃない?」

みつば「???」

杉崎「何? 意味わかってないの? あんな言い方だと三女が失敗しない完璧超人みたいって言ってるのよ!」

仲直りを経て、ペアルックを着ずに済んだ翌日の事。
気になりすぎて、つい杉崎に聞いてみた。まともな答えなんて返ってこないと思っていた結果がこれ。

なるほど……たしかにそうかも知れない。

私はひとはのことを運動と社交性以外は完璧な妹だと思っていたかも知れない。

宮下「そういうの、変にプレッシャーになっちゃんだよな」

空気を読まずに宮下が登場。……盗み聞きとは性格悪い奴!

と、思ったが、実際そうなのかも知れない。
ひとはは、家事を当たり前のようにしていて、私達はそれに甘えていたのかも……。

ひとはは何でも出来て当たり前……そんな空気を作ってしまっていたのかもしれない。

宮下「それより、三女が完璧超人? 何言ってるんだ! 三女ほど私の助けが必要な奴なんていないぞ!」

……ひとは、本当苦労してるわね……。
私のこと言われてる訳じゃないけどじゃないけど、張り倒してやりたい。

杉崎「そ、それより……ぷっ、何その額?」<ピロリロリーン>

あからさまな話題転換は有り難いのだけど……。
私の額にはでっかい絆創膏。それを見て吹き出す杉崎。だ、か、ら! 撮るな!

額を手で隠してもなお鳴り止まないシャッター音。最悪……。

242:長女三女の事情-⑭
11/10/01 00:12:54.03 R8ykBa72
~ 愚妹(ひとは視点) ~

なんとか、みっちゃんと仲直りは出来た。
でも、流石にみっちゃんの服をあのままにして置いて良いわけが無い。
出来れば直して、喜んでもらいたい。
家に帰ったら修繕しないと。

松岡「ねぇねぇ三女さん、みっちゃんと仲直りできた?」

ひとは「っ! な、何でそのこと……」

みっちゃん? いやふたばだろうか?

松岡「あ! こっくりさんが……えっと“て”……に濁点に……“き”…“た”……“よ”! 仲直りできたのね!」

何これ怖い。

ひとは「だ、誰に聞いたかしらないけど……大した喧嘩じゃなかったし」

松岡「でも昨日は随分落ち込んでたよね」

え……わ、私そんな風に見えてたの?
……ここはこっくりさんの力で乗り切ろう!

そう思って指先に力を入れて“そんなことない”って動か―って動かないし!

松岡「昨日ずっと上の空だったし、いつのまにか先に帰っちゃうし―」

うう……恥ずかしい、顔が熱いし真っ赤なのだろう。

そして十円が全然動かない! ダメだ、とりあえずこの場から逃げよう! そう思って指を離そうとした時―

松岡「ダメよ! 指を離せば祟りがあるわ!」

逃げれないし……何この拷問。もうしばらく松岡さんとはこっくりさんはしないで置こう。

243:長女三女の事情-⑮
11/10/01 00:14:28.29 R8ykBa72
みつば「ただいまー…ひとは? あんたなんで先に帰―? 何やってんの?」

家に帰ってから修繕作業に四苦八苦していた時、みっちゃんが帰ってきた。
本当はみっちゃんが帰ってくる前に何とかして置きたかったんだけど、やっぱり十分足らずじゃ無謀だったかな?
まだ、全然掛かりそうだ。

ひとは「……昨日の服の修繕」

みっちゃんの問いに私は端的に答える。

みつば「え……わざわざ直してくれてるの? べ、別にいいわよそんなの捨てちゃいなさいよ」

……気を使ってるんだろう。本当、なんで日頃は鬱陶しい行動が目立つのに、こんなにも優しい所があるんだろう?

だからってお言葉に甘えて、服をゴミ箱に捨てるなんて酷いことしないけど。

ひとは「……新しいの買えばお金掛かるし……それに私がしたくてやってるだけだから」

当たり障りの無い適当な理由と、小さな声で私の本音を言って作業を続ける。

みつば「そ、そう?」

態度から見るに本音の方も聞こえたかな……別にいいけどね。

ひとは「ちょっと変な破れ方だから、上手く直らないかもしれないし、着たくないなら捨てちゃって」

みつば「せっかくあんたが直したもの捨てないわよ!」

……。

あー、もう。なんでこう素直じゃない癖に良くわからないタイミングで……。
不意打ち気味にそういう事言うの止めて欲しい。

私は作業の手を止め、みっちゃんに言ってやる。

ひとは「じゃあ、雌豚の刺繍も付けてあげるよ」

みつば「余計なもの付けなくていいわよ!」

「まったく……」と言いながら私の座る炬燵テーブル――別に炬燵を付けてるわけじゃないけど――を挟んだ向かい側に座る。
何か話でもあるのだろうか?

作業を再開せずにみっちゃんのほうを見ていると、落ち着きが無いというか、何か躊躇っているような様子。言っちゃ悪いが気持ち悪い。
しばらくして、急に覚悟を決めた様に顔を上げ、意外な事を言ってきた。

244:長女三女の事情-⑯
11/10/01 00:16:28.17 R8ykBa72
みつば「きょ、今日は私が夕飯作るわ!」

……。

ひとは「何言ってんの?」

みつば「だから、今日の夕飯は―」
ひとは「もう献立決まってるから、邪魔しないで」

みつば「邪魔って何―」
ひとは「邪魔は邪魔だよ」

みつば「……」

黙ってしまった。

何がしたいのか良くわからないが、ふたばの買ってきた服の件で今月の食費は厳しいのだ。
みっちゃんに自由に料理させるわけには行かない。

みつば「じゃあ…………夕飯の準備手伝うわ」

ひとは「それは、助かるけど……いったい何が狙い?」

みつば「……」

またも、黙ってしまった。意味がわからない。

私は何も言わずに修繕作業を再開した。
言いたくないなら別に言わなくていい。
それに、せっかく手伝ってくれるのに、下手に言及して手伝わないとか言われたら勿体無いし……。

……も、勿体無いって言うのは別にみっちゃんと料理できるとかそういうことじゃなくて……えっと、
そ、そう、人手が減ったら勿体無いって意味だ。うん、それ以外に無い……絶対に無い。

そんな無駄な考えに自分で無駄な突っ込みを心の中で入れるという、無意味だし不必要な思考をしている時、
みっちゃんが、頬杖して横を向きながら、少し言いにくそうに口を開いた。

みつば「あ、あんたに甘えすぎてたかな……ってちょっと思ったから今日だけ特別に手伝って上げようかと思っただけよ」

私に甘える……?
少し疑問に思ったが、すぐ、料理や、洗濯、家事全般を私が担当している事を言ってるのだと気が付いた。
確かに、そうかも知れないけど、今更な気がする。

その疑問が顔に現れて居たかどうか判らないが、みっちゃんはその答えに近いのかどうなのか良くわからない答えを口にする。

みつば「あんたも、人間。一昨日や昨日で、あんたもミスするんだって判ったわ」

そして、その台詞は、私が聞きたかった言葉でもあった。

みつば「そ、そうそう! あんたは完璧な“丸井ひとは”じゃなくて優秀な私の愚妹ってことよね!」

その後続けたみっちゃんの言葉は、一言多くて台無しだ。
でも―

ひとは「ありがと……」

―私の口から自然に出た言葉は、自分でも驚く素直な感謝の言葉だった。

245:長女三女の事情-⑰
11/10/01 00:23:32.88 R8ykBa72
~ 蛇足(みつば視点) ~

みつば「ちょ! なんで雌豚の刺繍入れたのよ!」

ひとは「名前入れておかないと、誰のか判らなくなると思って」

みつば「そうそう、この、雌豚のマークが“私の”ってひと目で判る……ってだったら“みつば様”って入れなさいよ!」

ひとは「のり突っ込み下手だね。あ、“みつば様”って入れるから貸して」

みつば「……やっぱり恥ずかしいから名前は入れないでくださいひとは様」

ひとは「だが、断る」

本当、こんなにひとはと馬鹿みたいなやり取りするのが楽しいのに、会話をしてなかったのが勿体無い。
と言っても、実際一日くらい会話しなかっただけなんだけど……私、どんだけひとはとの会話が好きなのよ……。
夕飯の準備の時も楽しかった。あれなら毎日……いや、それは何だがひとはと料理するのが楽しみにしてる様で恥ずかしい。

ひとは「ねぇ、みっちゃん。結局上手く直ってないし、雌豚と入れちゃったしいらなかったら本当にすてちゃっていいよ?」

さっき渡した服を広げながら、結局は刺繍をし直さずに聞いて来た。

みつば「す、捨てないわよ! 外に着てくのはアレだけど、ちゃんと部屋着として使ってあげるわよ!」

そういって広げていた服を取り返す。

捨てるわけ無い。その服は破れる前の時よりも、大事なお気に入りの服だから。

……絶対外じゃ着ないけど。

おわり

~~~以上本編~~~

毎度長い文章読んで頂きありがとうございます。
本当は前半で終了予定でもう少しふたばを絡ませる予定でした
タイトルの「事情」=「次女」を指してたんだけど、全然そんなこと無かったorz
前半部分で納得できず後半部分の流れに方向転換(全体的にも多少修正)した為
いつにも増してgdgdです……。
感想などあればお願い致します。

246:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 01:37:06.92 DQJiXpLi
GJ!
みつばより杉崎より,だれよりひとはがツンデレという罠

247:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 01:41:14.83 YTtY+dAg
乙乙

248:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 04:55:41.63 KtfiAHyA
乙です。力作ですねー。世話焼きなサブキャラ達がいい
杉崎×ひとはって需要あるかな。プール迷子回とか乳パッド回とか見るに
何かと気の合う良いパートナーっぽい感じがする。喧嘩とかしないだろうし。

249:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 09:05:04.20 lY9I8nAk
みつどもえ分補給完了…っと
正直もうカラカラです

250:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 10:26:18.83 iu8wOSpI
>>228
乙!よかったよ

>>248
俺的にストライク。書いてくれ

251:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 21:36:09.07 R8ykBa72
245です
>>246-250
感想ありがとう御座います!
>>248
猫の名前付ける回なんてのも良かったなー

252:名無しさん@秘密の花園
11/10/01 23:34:54.60 n9+HyOcY
うわぁ・・・

253:名無しさん@秘密の花園
11/10/18 23:39:44.40 3FU6u5KG
上質の杉みつ急募

254:名無しさん@秘密の花園
11/10/20 23:59:08.48 cUils2fS
>>253
上質+急募には答えられないけど、最近ひとみつばかり書いてるから
杉みつを書いてみようと思ってたところだった。
処女作の別視点(色々ひどいので少々修正予定)と新作を何か考えてみる。

あと、私の書いてるひとみつに杉みつが入ってくるように、杉みつにもひとみつが、きっと入ってしまうので
そこのところは多めに見て下さい。
一応今年までに書き上げる予定……予定は未定。

255:名無しさん@秘密の花園
11/10/23 01:38:27.52 1oBzk7YL
>>254に期待

256:名無しさん@秘密の花園
11/10/23 05:24:06.19 9CQVWD/N
俺も期待

257:名無しさん@秘密の花園
11/10/23 11:59:41.55 uiqZUx57
じゃ俺も

258:名無しさん@秘密の花園
11/11/06 18:02:06.59 uYMn7PN0
254です。
期待ありがとー頑張ります。

そういえば
杉崎「みつば、アンタ熱でもあるんじゃないの?」
って言う杉みつSSがあったみたいだけど皆さん読みました?
ちょっとエロいけど、私が書いてる奴より良作なので杉みつ好きの方必見かと思いますよ。

みつどもえSSもっと増えるんだ!

259:名無しさん@秘密の花園
11/11/20 23:06:33.82 CXVPXo8U
258です
こんなに期間開いてるのに連投になっちゃうのか……
今月中に新作の方は投下出来そうです。

ところで、もう終わってるけど、アニメイトチャンピオンフェア、クリアしおりシートにみつどもえ絵描き下ろしだったそうで
のりお氏元気なようで何よりです。

260:名無しさん@秘密の花園
11/11/20 23:10:32.64 eRdzfV5p
のりおちゃんの連載再開、このスレ唯一の希望>>259さんの新作
どちらも期待して待ってます

261:名無しさん@秘密の花園
11/11/23 23:41:54.67 RVqRYuKj
期待せざるを得ない

262: 忍法帖【Lv=31,xxxPT】
11/11/29 18:31:29.88 rGY+ZfRc
259です。忍法帖確認。
忍法帖に問題なければもうすぐ投下します。

263:名無しさん@秘密の花園
11/11/29 18:46:30.41 K6/rqtEE
待ってたぞ

264:名無しさん@秘密の花園
11/11/29 19:07:42.61 lMWLA5Fl
期待

265:これはデートですか? 前編-①
11/11/29 19:13:47.81 rGY+ZfRc
ageちゃうのか!
お待たせして申し訳ないです。
主成分は予定通り杉みつです。
いつもの注意事項。長い、百合濃度低い。
長いので前半後半で分けます。

~~~以下本編~~~

タイトル:これはデートですか?

~ 発端(杉崎視点) ~

杉崎「な、もう一度言ってみなさいよ!」

みつば「金に物を言わせただけの、センスの無い女って言ったのよ!」

一度ならず二度までも……って私が言わせた様なものだけど。
でも! だけど! だからって酷すぎる! 私は私なりに可愛くて綺麗な服を選んでいるのだ。
素材が良い物や有名ブランド品から選んではいるが、見た目だってちゃんと気にしてるし、着こなしだって悪くないはずだ。

杉崎「あんたのセンスこそどうかしてるわよ! そんな雌豚体系でよくミニが履けるわね! 極めつけは下着よ、し・た・ぎ!」

口が勝手に動いていた。
……でもこの言葉は…本心ではない。

みつば「なっ! す、杉崎ぃ~!」

杉崎「…な、なによ? 全部事実を言ったまでの事じゃない?」

流石に今のは言い過ぎた……そうは思っても引くに引けない。

吉岡「ふ、ふたりとも、いつもすごくお洒落だと思うなぁ」><

杉崎&みつば「「あんたは黙ってなさい!」」

266:これはデートですか? 前編-②
11/11/29 19:17:23.83 rGY+ZfRc
……と言いつつも、正直感謝してる。吉岡に限らず、私達の喧嘩にはストッパーは必要だと思う。
二人だけで喧嘩してたら一日中怒鳴ってばかりで、喉が痛くなること間違いなしだ。

吉岡の台詞はみつばにも届いたみたいで、大きく嘆息して、今までの怒ったトーンの声は出さずに提案してきた。

みつば「それじゃ、今からデパートで私の服のセンスを見せてあげるわ」

杉崎「臨むところよ! 私のコーディネート力に恐れ戦く事ね」

私への挑戦と受け取った私は間髪入れずに受けてたった。
周りから見た時、きっと私とみつばの間には火花が散っているのだろう。

ちなみに今は下校中。
松岡に三女が拉致されたことでいつもの面子より少ない。
と、いっても松岡がいない時なんて珍しくもなく、三女もいない時良くある話だ。
ふたばだってそうだ。私達と違って、佐藤君や千葉君と一緒に帰ることや遊ぶことも多い。

だから今の状況は然程珍しくはないのだが……次の宮下の台詞で珍しい事態となる。

宮下「あ、悪い……今日さ吉岡と明日提出の宿題やろうと思っててさ……」

どうやら宿題が終わってないらしい。私は既に終わってる。
勝負は中止かな? この流れならみつばだって終わって―

みつば「ああ、アレね、昨日ひとはの写したし問題ないわね」

―いた様だけど……ひどい話だ。勝手に鞄とか漁られたに違いない。

みつば「ほら、杉崎、どうせあんたも終わってるんでしょ!? さっさと服見に行くわよ!」

杉崎「わかったわよ」

そういうわけで、さらに面子が少なくなり―

267:これはデートですか? 前編-③
11/11/29 19:19:31.34 rGY+ZfRc
―あれ?

みつばに返事を返して宮下たちと別れ、しばらく歩いてから気が付いた。
これって……もしかして、みつばと二人で行くことになるの?

杉崎「っ!」

もしかしなくても、ここにいるのは私とみつばだけなんだから当たり前のことだ。
……珍しい。みつばといることは然程珍しいことではないけど……二人っきりって状況は今までに数える程しか無かった。

変に緊張してきた……なんでみつば相手に緊張なんて……。
二人っきりって言っても……ただ二人で服を見に行くだけで……二人で服を……二人……。

みつば「杉崎? なによ変な顔して」

いつの間にかみつばの少し後ろを歩いていた私。
それを心配したのか遅くてイライラしたのかわからないが、みつばは声を掛けてきた。
なぜだか二人と言う言葉が頭から外れずにいた私は考えが纏まらずに口を開いた訳だけど……。

杉崎「へ? あ……み、みつばと二人だけって、状況、あんまり無かったなって……思って」

……失敗した。なに正直な感想言ってるのよ!
私が変に意識してるみたいじゃない! ……してるけど。

みつばは、私の台詞から少しの間を置いてから、口を開いた。

みつば「だ、だからなんなのよ! ……さっさといくわよ!」

そう言って、なんでもないように前を向き歩き出す。

意識してるのは私だけ?
……若干さっきのみつばの反応に違和感を感じはしたが、それが何なのか判断できるほど大きな仕草とかはなかった。
っというより、さっきの混乱してた私が気が付ける訳がない。

結果、みつばの真意はどうであれ、私は出来る限り平静を装っていつもの反応を心掛けることにした。





268:これはデートですか? 前編-④
11/11/29 19:21:19.65 rGY+ZfRc
~ 美服(みつば視点) ~

宮下たちと別れてから、杉崎とデパートに向かって歩いていた時だった。
杉崎がいつの間にか隣ではなく、少し遅れた後方にいることに気が付いた。

振り向いて杉崎を見ると何か考え込むような……いや、緊張している時のような、硬い顔をしていた。

みつば「杉崎? なによ変な顔して」

とりあえず聞いてみる。
私には心当たりがない。もしかしたら、なにか大事な用事でも思い出したのかも知れない。
だとすると、この勝負はお預けかな……ちょっと残念だけど仕方がない。

なんて思っていたんだけど。

杉崎「へ? あ……み、みつばと二人だけって、状況、あんまり無かったなって……思って」

……え?

帰った来たのは全然想定外で物で、そして理解するのに少し時間がかかった。

えっと、二人っきり? 誰が? だって私たちは……えっと、私と、杉崎と……あれ?

うん。二人だ。…………ちょ、ちょっと二人だけじゃない!
馬鹿なの私! 今までなぜ気が付いてなかったのよ!

……。
いやいや、冷静になろう。二人っきりだからと言って何も問題はない。
喧嘩を止める面子がいないだけだ。だったら喧嘩がエスカレートしないように注意していればそれも心配する必要はない。

みつば「だ、だからなんなのよ! ……さっさといくわよ!」

私は杉崎から視線を外し、再び前を向いて歩き出す。
……問題なんて無いはずだ。



みつば「さ、さぁ! 着いたわよ!」

杉崎「そ、そうね! 庶民の貴方に私のコーディネイトを見せてあげるわ」

ほら! いつもの会話じゃない!
二人っきりだからて気にすることじゃないわよ!

―と“表面だけ”いつも通りの会話を交わして気にしないようにした。
……なんで杉崎相手にこんな気を使わないといけないのよ……馬鹿馬鹿しい。

269:これはデートですか? 前編-⑤
11/11/29 19:23:47.79 rGY+ZfRc
そう思ってしまったのがいけなかったのだろう。
ついつい悪態が出てしまう。

みつば「あんたこそ、覚悟してなさい! あなたは今日その庶民に完全なる敗北をして私の下僕に成り下がるんだからね」

杉崎「な! げ、下僕ですって! 庶民風情が生意気よ!」

と、言われても貴方の母親である変態ドMは既に私の下僕になってる訳だけど……まぁ、出来ればアレに下僕になってほしくはなかった。

そんな杉崎を無視して“いい感じな服”を探すことにする。
その様子を見た杉崎も、服を探しにその場から移動したようだ。

それにしても、服のセンス……ねぇ…。
正直そこそこ自信はある。下級生にもお洒落なんていわれたこともあるわけだし。
……けど、杉崎に勝ててるかどうかなんて……悔しいけど庶民の私では、杉崎の着てる服がどれくらいお洒落なのか良くわからない。
きっと、普通の小学生なんてまったく知らないブランド物の服とか選んでるんだろうしね。

すると、私が言えるのは見た目での勝負で勝てるかどうかって話。
杉崎はどういう基準なのかは知らないけど。

と、言うかそもそも誰が勝者を決める?
当事者二人だけじゃ勝負がつかないのは目に見えてるし……。

270:これはデートですか? 前編-⑥
11/11/29 19:25:27.50 rGY+ZfRc
杉崎「み、みつば! これが今年のトレンドよ!」

服を探し始めて十分と経たないうちに着替えて登場した杉崎は、手を腰に当て、控えめに胸を張ってポーズを取っている。

正直最初に浮かんだ印象は“高そうな服”だけど、まぁ良く見れば杉崎らしいと言うかなんと言うか、可愛い系の服だ。
まず私には似合わない、そういった感じの服。

杉崎「なに? 私に見惚れて声も出ないわけ? だったらこの勝負私の勝ちのようね!」

しばらく何も言わずに眺めていたためか杉崎が調子に乗りだす。

みつば「だ、誰が! 見惚れるわけないわよ! バァーカ!」

ってなに動揺してるのよ! これじゃ図星突かれた見たいじゃない。
誤魔化すために話を進めることにした。

みつば「トレンドとかに影響されないで、自分で納得いく服を選ぶのが本物なのよ!」

杉崎「それは、みつばがトレンドに疎いだけでしょ!」

みつば「っ! 待ってなさい! 今私がセンスの塊であることを証明してあげる!」

そういって私は服選びを再開した。

……そういえば意外にいつも通り、会話出来てる。
気にしすぎだったかな。






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