10/03/22 23:06:55 rCTYE5jt
「てかさ~なんでアタシがあのヒトを迎えに行かないといかないわけ?」
アニタはミー姉に抗議した、が、しかし、ミシェルは両手を合わせてアニタにお願いする。
「そんなこと言わないで~ねえアニタちゃん、お願い!この通り!」
「…アニタ、姉さんの言うこと聞かなくちゃ…ダメだ」
長身の気弱な次女がアニタに諭すように言う。これには、アニタもうっと唸り黙り込んだ。
普段おとなしいマギーに言われるとなんだかものすごく自分が悪いことをしている気になる。
「てか、なんで?アタシじゃなくてもミー姉かマー姉どちらかで迎えにいきゃいいことなのに…」
そう、三姉妹がもめているのはあのヒトを誰が迎えに行くかということだった。
もちろん、あのヒトとは「読子・リードマン」のことだが、何故かこの三姉妹はあのヒトと彼女を呼ぶ。
それが畏敬の念からくるのか、それともねねねの大切なヒトという遠慮からくるのかわからないが、
確かにまだまだ読子と三姉妹の間は第三者から見て近しいとは言えない。
まあ、読子に関しては何も考えていないと思われるが。
「仕方ないでしょう?マギーちゃんは部屋の飾り付けがあるし、
私はケーキを作らなきゃ、いけないし、仕事がないのは~?」
「…アタシだけ」
ピンポーン、あったり~♪と能天気な声で長女が両手を叩く。
そう、今日は三姉妹を養ってくれている大黒柱、菫川ねねねの誕生日なのだ。
当然のごとく三姉妹会議で決定したのは、こっそり誕生会をセッティングして
ねねねを驚かそうということで、
「メインイベントはザ・ペーパーのあの人に来てもらいましょう」
と長女の案で読子を呼ぶことも決まった。
「…わかったよ、行ってくる」