09/02/22 23:08:41 OuX4sqa30
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3:名無しさんだよもん
09/02/22 23:09:33 OuX4sqa30
リトルバスターズ!投稿小説
URLリンク(participation.clannad-tv.com)
リトルバスターズ!SS情報サイト
URLリンク(link.dreamcafe.info)
リトルバスターズ!呼称相関図、リトルバスターズ!呼称辞書@IME辞書
URLリンク(hsf.s59.xrea.com)
(∵)葉鍵版SETTING.TXTの書き込みに関する設定
BBS_LINE_NUMBER=16
BBS_MESSAGE_COUNT=2048
から、1レスの最大改行数は32、最大バイト数は2048
timecount=12
timeclose=5
から、最新12回の書き込みのIPを記録し、
その中の5個が同一IPからの書き込みだったら連続投稿注意画面へ
4:名無しさんだよもん
09/02/22 23:11:15 t1g4treO0
乙
5:名無しさんだよもん
09/02/22 23:44:45 sxFTXrsP0
いちょつ
6:名無しさんだよもん
09/02/22 23:59:16 MERjAddUO
乙デスヨ?
7:名無しさんだよもん
09/02/23 00:48:01 FHbbWsvK0
いちもつ
さて、一発目として盛大に沙耶ネタでも書くかね
8:名無しさんだよもん
09/02/25 01:38:19 GidCsyaSO
俺は>>7が降臨するのをあきらめていない。
9:名無しさんだよもん
09/02/25 02:30:39 G8Dg+XGx0
案の定誰もいねーじゃねーか
ムダにスレ立てやがって
責任とって使えよクソが
10:名無しさんだよもん
09/02/25 10:47:30 Sw4eX7VKO
本スレ(笑)の無駄遣いぶりに比べたらどうでもいいと思うよ。
っつーか過疎スレなんてそこら中に有るのに何でここに執着するんだかw
11:名無しさんだよもん
09/02/25 13:48:32 UGRPrx+7O
どうせ前スレで本スレ統合本スレ統合騒いでた奴だろ
12:名無しさんだよもん
09/02/26 00:30:53 e92z2VCOO
それでも俺は>>7の降臨を信じてる
13:名無しさんだよもん
09/02/26 17:33:27 Ep+cFBR90
俺も信じてる
14:名無しさんだよもん
09/02/26 23:48:50 iky8uw900
あげんなカス
15:名無しさんだよもん
09/02/26 23:55:13 uLhjFBAX0
ageろー^^
16:名無しさんだよもん
09/02/27 05:35:36 oi4roKjN0
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
17:名無しさんだよもん
09/02/27 07:54:50 8F252wLc0
今日も 曇り 以上有り
18:名無しさんだよもん
09/02/27 22:58:19 HYX4AJCmO
俺は>>7が…(略)
19:名無しさんだよもん
09/02/28 13:15:49 MYrdIRdi0
>>7(ry
20:名無しさんだよもん
09/03/01 13:11:03 qvqRHAbx0
マジキューのリトバスEXの新作で、かなはるを匂わせる4コマがあった
21:名無しさんだよもん
09/03/01 23:42:54 9ghgWUap0
で?それがなにか妄想すれと関係が?
22:名無しさんだよもん
09/03/02 01:02:53 UFVttI7FO
>>20
匂わせるってか、まんまはるかなだったなwww
23:名無しさんだよもん
09/03/03 11:37:22 qQGrWK2s0
今日はひな祭りです。
24:名無しさんだよもん
09/03/03 19:05:03 x6vVPw7vO
(´Д`)
25:名無しさんだよもん
09/03/03 19:10:29 4hsN4pozO
ひな祭りだったか。忘れてた
毎回季節もの書いてるからあと5時間以内に書けたら投稿するよ
26:名無しさんだよもん
09/03/05 01:44:15 zG7EoInyO
>>25
…あれか?釣りか?ワクワクしてた俺を釣ったのか?
27:名無しさんだよもん
09/03/05 02:22:35 zbeKo7FVO
とりあえず何か書こうぜ。過疎すぎてやってられん
28:名無しさんだよもん
09/03/05 15:43:48 w/W+H+QoO
>>26
すまなんだ、3月3日に間に合わなかった・・・・・・
期限過ぎてるしもうちょいかかるけど完成したらひな祭りネタを投下してもいいかな?
29:名無しさんだよもん
09/03/05 20:05:38 zG7EoInyO
>>28
もちろん。よろしくお願いします。
30:名無しさんだよもん
09/03/05 21:32:37 CDOenyERO
俺からもよろしくお願いします
31:名無しさんだよもん
09/03/08 05:39:46 rdCKuFUGO
此処迄一件の書き込みも無し
結局必要ねーじゃねーか
どうすんだよコノスレ
32:名無しさんだよもん
09/03/08 10:50:30 uSVyJQd5O
相変わらず必死で見苦しい奴だなw
33:名無しさんだよもん
09/03/10 06:53:53 +bnrROyeO
そうですね
34:名無しさんだよもん
09/03/10 23:18:10 diqkZu4MO
とりあえず書き込みは三十数回あるけどね
35:1/12
09/03/11 10:44:20 8dKq5onx0
朝、急に放送が入ったと思ったらあーちゃん先輩に呼び出された。
「えー、二木佳奈多さん、二木佳奈多さん、至急寮長室まできてください。あーちゃん先輩が待ってまーす」
どうしてあんな恥ずかしい放送ができるのだろう。
思わず頭を抱えてしまったものの、呼び出された以上行ったほうがいいだろう。
もう風紀委員会はやめてしまったものの、寮会の手伝いだけは続けていた。
特別やることもないし。クドリャフカの持ってきてくれる料理やお茶もおいしいし。
そういえばあの子もまだ家庭科部を続けているみたいだ。今度様子を見に行こうかしら。
ぴーんぽーんぱーんぽーん。
「はやくしてねー」
ブツン。
…そんなこと言わなくてもいきますよ。
はあ、と軽くため息をついてわたしは席を立った。
「…あーちゃん先輩?これはどういうことですか?」
少しでも落ち着いているように見えせようと、にこにこと笑顔を作りながら言った。それでも雰囲気は伝わってしまうらしい。
「まあまあ、そんなに怒らなくてもいいじゃない。少しくらい手伝ってよ」
まったく悪びれた様子もなく、あーちゃん先輩は言った。
いつもと変わらない寮長室。ただ、違うのは今日が文化祭だということだ。
その類のものなのだろう、机には大量のプリントやら資料やらが散乱していた。
そしてなによりも不自然なのはあーちゃん先輩の格好だ。
36:2/12
09/03/11 10:45:08 8dKq5onx0
「どうして体がパンダになってるんですか?」
もちろん本物ではない。ただの着ぐるみだ。
白黒の、ぽっちゃりとしたそれを身につけたあーちゃん先輩は、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
…なんというか、すこし不気味だ。
「寮会の仕事。文化祭の間は一般の人も入ってくるからね。寮の見回り」
「寮母さんがいるでしょう?」
「午前中は用事でいないらしいの。だから、その時だけお願いって言われちゃって。かなちゃんも手伝って?」
あはは、と笑うあーちゃん先輩。頭にもパンダの被り物をつけているので声が聞き取りにくい。
なにより薄ら笑いしているパンダがかなり怖い。
「で、なんでそんなもの着てるんですか?」
「だって、文化祭だよ?」
「理由になってません」
「えー、直接楽しめない分、こうやって気分だけでも味わおうとしてるんじゃない。わからないかなあこの気持ちが」
少なくとも着ぐるみを着ただけで楽しめるのはあーちゃん先輩だけだと思う。
というか、話が進まない。
「手伝うのはいいですけど。ほかになにかあるんですか?」
「おーそれそれ。実はこの着ぐるみもう一着あるんだよねー」
パンダの丸い手が差したほうを見ると、そこには同じようなうさぎの着ぐるみがたたんでおいてある。
「…まさか、これを着ろと?」
「うん」
「どうしてですか?」
着たくない、といっても無駄だろうから、とりあえず理由だけきいておくことにする。
37:3/12
09/03/11 10:45:42 8dKq5onx0
「だって、文化祭だよ?もう午前中参加できないだけでもかなりの損失になると思わない?」
「それはそうですけど。でも、着ぐるみを着る理由にはなってません」
「いや、だから雰囲気だけでも味わっておきたいじゃない?」
この着ぐるみが文化祭らしいだろうか…
「まあ、とりあえず着てみようよ、ね?」
結局着ることに。
十月だから熱くないけど、これが夏だったら大変でしょうね。どちらにしても、わたしは長袖なのだけど。
「いやー、いいね、似合ってる似合ってる」
着ぐるみに似合ってるも何もないだろう。中は見えないんだから。
ここには鏡がないから、今自分がどういう姿をしているのかさっぱりわからない。
ただ、あーちゃん先輩がかわいい、かわいいと繰り返すだけ。
…なんというか、やっぱりやめたくなってきた。
「あーちゃん先輩」
「あ、しゃべっちゃダメだよ?」
「…はあ?」
「いや、だって普通うさぎは話さないでしょ?だからその着ぐるみを着ている以上、なにも話してはいけません」
「そんなこと言ったって」
「だからしゃべっちゃだめだって」
口を押さえられる。
いや、あくまでうさぎのだから、わたしの声は聞こえるんだけど。
「どうせ見回りだけだし、緊急時以外は特に指示することもないしね。基本二手にわかれてやるから話す機会もないだろうし」
そう言って、自分もパンダの被り物をつけて、なにか妙な動きを始める。
38:4/12
09/03/11 10:46:45 8dKq5onx0
「…なんですか、それは?」
「ジェスチャー。話せないから、こうして意思を伝えること。わかった?」
どうやら疲れる仕事になりそうね…
そんな風に思いながら、わたしは寮のほうへ向かった。
手洗い場の鏡の前に立つ。
わたしはなにをしているのだろう。
鏡を見ると、うさぎの着ぐるみがこちらを見ている。つまり、わたしがうさぎになってる。
いまさらだけど、虚しくなるわね…
外からはずいぶんと賑やかな声が聞こえてくる。きっと、一般客の入場が始まったのだろう。
その中を歩いているならともかく、一人でこんな格好してるなんて…いや、ばれないだけましかもしれない。
葉留佳やクドリャフカたちに知られたら恥ずかしすぎる。
どちらにしても、特に予定もなかったし。風紀委員会を辞めてなければ、そっちの仕事がはいっていただろうけど。
せっかく予定がないんだから、葉留佳とでもまわる約束をすればよかったかな。仲直りしたんだし。
それとも、直枝たちといっしょにまわるのだろうか?
いや、そういえば教室にいなかったような気がする。確かに起こしたはずなんだけど…部屋に行ってみようかしら。
もう一度自分の格好を見る。
…これじゃ、行きたくても行けないわね。
というわけで、再び見回りを再開する。
そういえば、さっきからあーちゃん先輩を見ないわね。あまり広くないのだから、階段あたりですれ違ってもいいのだけれど。
耳をすましても、足音すら聞こえない。ああ、着ぐるみきてるからどちらにしてもあまり音は出ないか。
ちょっと探してみようかしら…と思っていると、なぜかどこかの部屋からあーちゃん先輩が。
「あーちゃんせんぱ…」
39:5/12
09/03/11 10:48:24 8dKq5onx0
あ、話してはダメだった。なんとかジェスチャーで伝えるしかない。
とりあえず、頭の上で大きく手を振ってみると、あーちゃん先輩も手を振り返してきた。
走って近づく。…うさぎが2足歩行で走るのもおかしいが。
あーちゃん先輩が出てきたのはどうやら葉留佳たちの部屋のようだった。
中に誰かいるんですか?
ドアのほうをうさぎの丸い手でさす。ああ、なんで律儀に言われたことを守ってるんだろ。
あーちゃん先輩のほうも、わたしのジェスチャーの意味が伝わったのか、こくん、と頷いた。
本当にしゃべらないつもりらしい。
まあそれはともかく、やっぱり葉留佳は部屋にいるみたいだ。
どうしたんだろう。やっぱり確認しておこうかしら。
そう思ってドアノブに手を伸ばすと、あーちゃん先輩にそれを遮られた。
どうしたんですか?
そう思ってあーちゃん先輩のほうを見ると、パンダの顔が今度は横に振られる。
どうやらはいってはいけないらしい。
おとなしく手を引く。そのかわりにドアをノックすると、向こうからもコンコン、と叩く音が聞こえた。
問題はないらしい。なにをしているか気にはなるけど、あーちゃん先輩が中を確認したのだから悪いことはしていないだろう。
具合が悪いわけでもなさそうだし。
そう思っていると、トントン、とあーちゃん先輩に肩を叩かれた。
なんですか?
40:名無しさんだよもん
09/03/11 10:54:14 7eZJmXoWP
支援
41:名無しさんだよもん
09/03/11 10:57:32 bBI2jKSwO
支援
42:6/13
09/03/11 11:08:48 8dKq5onx0
見ると、外にのほうを手でさしている。何かあるのだろうか?窓から見てみるが、特別変わったものがあるわけではない。
まあ、いつもと違って出店とかがあるのだけれど。…あ、外に出ようってことかもしれない。
見回りはもういいんですか?
これもジェスチャー。さっきからよく会話がつながっているものだ。いや、どこかで勘違いしているのかもしれないけど。
あーちゃん先輩はそれに頷くと、わたしの手をとって歩き出す。
ああ、やっぱり外に出るらしい。しかもこの格好のまま。
もう抵抗するのも面倒になったわたしは、そのままあーちゃん先輩に引っ張られていく。
引っ張られながらも、葉留佳のことを考えていた。
やっぱり直枝たちとまわるのかな?少しでも時間が空いていたら、わたしとまわってくれるだろうか?
そもそも、本当に部屋においてきて大丈夫だったのだろうか…?
…ああ、少し考えすぎかもしれない。葉留佳と仲直りしたばかりだからかな。
今でも、わからないことがある。
いや、そのわからないこと自体に靄がかかっているのだろうか。でも、そのわからないことがあったからこそ、葉留佳と仲直りできたのだ。
43:7/13
09/03/11 11:10:06 8dKq5onx0
唯一覚えていることと言えば。
わたしと葉留佳が、お互いに仲直りすることを願ったということ。
「ありがとうございましたー」
ふいに聞こえてきた男子の声に、はっとなって見ると、あーちゃん先輩がくじ引きをしていた。
なにをしてるんだか。学生が用意したものなんて、大したものはないでしょうに。
実際、あーちゃん先輩がもらったのはなんだかよくわからないキーホルダーで、どう見ても手作りのものだった。
まあ、それがくだらないものだとはいえないんだけど。あーちゃん先輩はそれを受取ってこちらを向く。
パンダがカエルになっていた。
いや、ただカエルのお面をかぶってるだけなんだけど。なんというか、さらに不気味になった。
よく見ると、あーちゃん先輩の手にはほかにもいろいろと握られている。わたしが考え事をしている間に大量に買いこんだらしい。
でも、なぜかあーちゃん先輩の手にはお面やくじ引きでもらったキーホルダーなどがあるだけで、食べ物はいっさいない。
あーちゃん先輩にしては珍しいわね。焼きそばとか、食べられないほど買いそうなのに。
あ、着ぐるみを着ているからだろうか。食べる時ぐらい脱げばいいのに。
まあどちらにしても、お昼の分はなにか買っておいたほうがよさそうだ。そう思って、近くにあった焼きそばを買うことにする。
うさぎの被り物をとって、焼きそばをひとつ注文する。せっかくだし、ほかのもどうせ買うのだから、とりあえずはこれひとつでいいだろう。
そうして、焼きそばをつめてもらっているのだが…なにか、視線を感じるわね。なぜかしら?
それを少し気にしていると、向こうのほうからクドリャフカが走ってくるのが見えた。
44:8/13
09/03/11 11:10:52 8dKq5onx0
「佳奈多さーん!」
あんなに走って転ばないかしら?
でも、その心配は無用だったらしい。クドリャフカはわたしの前にくると、にっこりと笑いながら言った。
「こんにちはです」
「こんにちはクドリャフカ。でも、あまり走ると危ないわよ?今日はこの人ごみだし」
「あ、すみません。佳奈多さんが見えたのでつい。それにしてもすごい人ですね、話には聞いてましたがびっくりしました」
「クドリャフカはこういうお祭りごとは初めてなの?」
「はい。だから今日はとても楽しみにしていたのですが…」
「面白くないの?」
「あ、いえ楽しいですよ。ただ、文化祭といっていたので、もっと日本らしいのかと」
「着物とか?」
「そうですね、日本のお祭りは着物や浴衣を着ていくとおじい様から聞いていましたから」
「確かに夏祭りや初詣とか、そういった時には着ていくかもしれないけど、こういう学園でのお祭りに着てくる人はいないと思うわよ」
「わふー、せっかくもらった着物を着れると思ったのですが…」
「あら、別にそういった場所だけで着るものではないでしょう?」
「でも、着付け方もよくわからなくて」
「わたしが教えてあげるから、今度着てみましょう。クドリャフカの着物姿も見てみたいわ」
「わふー!いいんですか!」
「はいはい、嬉しいのはわかったから、あまり騒がないの」
まあ、そういっても回りもずいぶん騒がしいから、誰も気にはしていないようだけど。
どうぞ、という声に振り向くと、どうやら焼きそばが詰め終わったらしい。代金を払い、うけとる。
45:9/13
09/03/11 11:26:28 8dKq5onx0
「わふー、焼きそばですか?」
「ええ、そろそろお昼だしね。せっかく学園祭だから、学食じゃつまらないでしょう?どちらにしても、そんなことあーちゃん先輩が許さないだろうから」
「寮長さんと回ってるんですか?」
きょとん、というか、少し驚いたような表情でクドリャフカは言った。
「なに?そんなにおかしいかしら?」
「あ、いえ、ただ…」
クドリャフカがあーちゃん先輩のほうを見ると、先輩は手を振ってこたえた。
それを見たクドリャフカもにっこりと笑い、佳奈多さん、と声をかけてきた。
「なに、クドリャフカ」
「楽しいですか?」
楽しいですか、か。
どうなんだろう。わたしは楽しんでいるのだろうか。
そう言えば、わたしもあまりこういうものにはいったことがなかったっけ。せいぜい今日みたいに学校の行事ぐらいだろう。
「…そうね。こういう雰囲気は苦手だけど、嫌いではないわよ」
「そーですか。ならよかったです」
「ところでクドリャフカ。あなたは誰と回ってたのかしら」
「え…ああー!みなさんがいません!完全に迷子です!」
「…なにやってるの。みんな探してるわよきっと」
「す、すみません、ちょっと探してきます!」
46:10/13
09/03/11 11:27:00 8dKq5onx0
止める間もなく、クドリャフカは人ごみの中に紛れていった。
携帯で呼べばいいと思うのだけど。そう思ったが、もう遅い。
まったく、そういうところがあるから、なかなか放ってはおけないんだけど。
と思ったら、今度は向こうから直枝が走ってきた。
「二木さん、クドを見なかった?」
「あっちに行ったわよ?」
「ありがとう」
そのまま通り過ぎようとする直枝の肩を掴んで止める。
「え、なに?」
「あなたたちは本当に…」
こんなことを言うのは失礼かもしれないけど、どこか抜けているというか。
寮会の仕事を手伝ってくれるときはちゃんとこなせるのに、どうしてこういうところで頭が回らないのだろうか。
「携帯で連絡すればいいでしょう?」
「ああ、そうか」
本当に思いつかなかったらしい。なるほど、という顔をして、メールを出した。
「うん、これで大丈夫かな。クドは小さいから、人ごみに流されないといいけど…」
「まあ、そういうときはストレルカ達が助けてくれるわよ」
47:名無しさんだよもん
09/03/11 11:29:05 ecrkXMoL0
クドどうしたんだ。気になる
48:名無しさんだよもん
09/03/11 11:43:08 bBI2jKSwO
支援2
49:11/14
09/03/11 11:55:21 8dKq5onx0
「そうだね…ところで二木さん」
「なに?そんなにあらたまって」
そうきくと、直枝は答えにくそうにこちらをチラチラ見ながら言った。
「えっと…に、似合ってるね」
「はあ?」
「はあって…そのウサギの着ぐるみ、自分で着てたんじゃないの?」
直枝の指が、わたしを指す。
自分の姿を見ると、なるほど、確かにウサギだ。
…って、そうだった、わたし着ぐるみを着たままじゃない!
さっきから視線を受けていたと思ったらこれか。耳を澄ませばひそひそと話し声も聞こえてくる。
あああ、なんで忘れてたのかしら。
慌ててウサギの顔を被る。
「いや、何やってるの二木さん」
違う、わたしは二木佳奈多ではありません。ウサギです。
そういう意味を込めて首を横に振る。
「いやいやいや、そんな首振られても…ほ、ほら、似合ってたんだから別にいいじゃない。二木さん、可愛かったよ?」
「な!?い、行きますよあーちゃん先輩!」
「あ、ちょっと二木さん!」
直枝の声を背中に受けながら、わたしはあーちゃん先輩の手を引いてその場を走り去った。
50:12/14
09/03/11 11:56:47 8dKq5onx0
はあ…なんでこんなに走ってるんだろう。
結局寮長室まで戻ってきてしまった。秋といっても、こんなに走ったら暑くなってしまった。
もう見回りも終わったし、これは脱いでいいわよね。そう思って着ぐるみを脱ぎ、たたんで元の場所に戻しておく。
何をやっているんだか。もうこんなものは着ない。そう思った。
きっと顔が熱くなってるのは暑いからだけではない。鏡があれば、真っ赤に染まっていることだろう。
もう一度ため息をついて、ひとつしか買えなかった焼きそばのふたを開ける。
これを食べて、すこし落ち着こう。
「これしかないですけど、あーちゃん先輩も食べましょう?」
ふるふる。首が横に振られる。
「確かに物足りないかもしれませんけど、これ食べてもう一度買いに行けばいいじゃないですか。温かいうちに食べちゃいましょう?」
ふるふる。やっぱり首は横に振られる。どうしても食べないつもりらしい。
「…なら、わたしひとりで食べちゃいますよ?」
こくん。今度は縦に振られた。
まったく、いつまで話さないつもりかしら。
焼きそばを口に運びながらあーちゃん先輩のほうを見ていると、なにかそわそわした様子で、こちらを見ている。
…ほんと、さっきから何を考えているのかしら。
聞こえないふりをしてはいるが、さっきからおなかの音がずっと鳴っている。
あーちゃん先輩は焼きそば嫌いだっけ?いや、それはないか。
おそらく10回目であろうその音で、さすがに我慢できなくなった。
「あーちゃん先輩、見回りは終わったんですからもう脱ぎますよ」
半分食べ終わった焼きそばを置いて、あーちゃん先輩のほうへ行くと、また首を横に振って後ずさる。
どうしても脱がない気らしい。
端のほうに追い詰めて、問答無用でパンダの頭に手をかける。
51:13/14
09/03/11 11:58:20 8dKq5onx0
「はいはい、もういい加減にしてください。取りますよ」
抵抗してくる手を払いのけ、パンダの被り物をとった。それと同時にぴょん、と何かが飛び出してくる。
ふたつのおさげ。
そして、ふたつの髪飾り。
間違えようもない、わたしの妹だった。
「やはは、実ははるちんなのだー!」
「…え、葉留佳?いつの間に入れ替わったの?」
「いやー、寮の部屋でちょっと野暮用を片付けてたら寮長さんに見つかってしまいましてネ。なんか面白いもの着てたから借りてみたわけですヨ。
そしたら罰として寮の見回りよろしくーとかなんとか言われて押し付けられて、せっかくの文化祭なのにこんなところで見回りなんてしてられるかー!と思ってたら
お姉ちゃんも見回りをしていたようなのでこうしていっしょに遊びに出てみたわけですよ。二人でサボれば怖くないしね」
やはは、とすこし困ったように笑う葉留佳。
あーちゃん先輩は、まあ、確かに面倒くさがりだけど、仕事を途中でやめたりはしない。きっと葉留佳が貸してくれるように頼んだのだろう。
それはなぜ?わたしと、回りたかったからなの?その答えにいきついて、ため息が出る。
本当に、葉留佳は不器用なんだから。
「馬鹿ね、ちゃんと言えばいっしょに回ってあげるわよ」
「…え?」
「ほら、行きましょう?」
手を取る。
その行為に葉留佳は驚いたようだけど、すぐに笑ってくれた。
子供の頃とは違うんだ。
こうして、葉留佳の手を引いて歩ける。二人で出かけることも。笑いあうことも。もう迷うこともない。
52:14/14
09/03/11 12:05:34 8dKq5onx0
「来週、誕生日だね」
「そうね。いっしょに買い物にでも行く?」
「うん、行きたいな。二人でプレゼント交換でもしよっか。あ、夜はみんなでお祝いしてくれるから、お姉ちゃんもいこう?」
「…それは、わたしもでていいのかしら?」
「うん、みんなきっとお祝いしてくれるよ?」
楽しそうにいう葉留佳の笑顔を見ながら、わたしも小さく笑う。
少しだけ、恥ずかしい思いもあるけど、葉留佳がそういうなら行ってもいいかもしれない。
妹の頼みだ。断るはずがないじゃない。
だってわたしは、葉留佳のお姉ちゃんなのだから。
二人で誕生日の計画を話しながら、文化祭のにぎわいの中に戻った。
以上です。
支援どもでした。
53:名無しさんだよもん
09/03/11 15:43:09 Yi3TLxc50
いきなり伸びていたと思ったら長編投下があったか
乙!
54:名無しさんだよもん
09/03/11 16:34:48 KAKCoBBl0
乙
やっぱはるかなはいいねえw
55:名無しさんだよもん
09/03/11 21:03:16 d/Ckj+yQO
乙
おもしろかったよー
56:名無しさんだよもん
09/03/11 22:09:24 jQjq6PAgO
ツマラン5点だな
57:名無しさんだよもん
09/03/11 22:49:33 zQspoWz50
乙
はるかなはいいなぁ
58:名無しさんだよもん
09/03/11 23:33:16 KP7jtM8tO
>>52
乙、と言いたいんだけど一つだけ聞きたいことがある。
これどっかで読んだことがあるような気がするんだがコピペか?
59:名無しさんだよもん
09/03/12 00:00:08 zCyvlKnX0
それが本当なら最低だな
60:名無しさんだよもん
09/03/12 00:07:04 L7VDvrcXO
>>59
最低とまでとは言わないけど、コピペならコピペって最初に言うべきだと思うよ。
61:名無しさんだよもん
09/03/12 00:21:33 v3psfICb0
URLリンク(participation.clannad-tv.com)
62:名無しさんだよもん
09/03/12 00:29:22 zCyvlKnX0
ひょっとしてそのまんま転載?
63:名無しさんだよもん
09/03/12 00:37:04 zCyvlKnX0
無断転載禁止になってるんだけど・・・
一応向こうに報告しておいた
64:名無しさんだよもん
09/03/12 00:38:04 +x2DH3Jn0
どこかで読んだと思ったが、転載だったのかw
65:名無しさんだよもん
09/03/12 00:41:38 fAfJVdAy0
まて、本人という可能性も・・・
66:名無しさんだよもん
09/03/12 00:53:05 v3psfICb0
このスレの読んでないからわかんないけどまんまっぽいね。
67:名無しさんだよもん
09/03/12 01:01:04 9+X4k4qBO
>>65
いや、本人ならあらかじめ言うはずだろう
つまり転載だな
68:名無しさんだよもん
09/03/12 13:28:46 YHMNr+Ly0
勝手に転載したんだろうねえ
作者から回答があればいいんだけど、9月に投稿したものだから
なかなか難しいかもしれないな
69:名無しさんだよもん
09/03/12 17:43:11 L7VDvrcXO
とりあえず、ここに書いたやつは出てくるべきかと
70:名無しさんだよもん
09/03/12 19:41:57 YHMNr+Ly0
ここまで騒がれたら出てこれないんじゃね?
荒らしみたいなものかもしれんし
71:名無しさんだよもん
09/03/14 14:26:21 XE4lS/OM0
ホワイトデーとかそういうのまったく期待してないんだからな
72:名無しさんだよもん
09/03/14 17:08:12 cjZ6aBpB0
とりあえずこの雰囲気で投下してくれるなら何でもいいよ
73:遅ればせながらひな祭り
09/03/17 15:26:28 qrB+8FtOO
鈴「なあなあ、馬鹿兄貴」
恭介「今マンガ読んでるから後でな」
鈴「真人真人」
真人「ふっ、ふっ、筋肉、筋肉」
鈴「おい、謙吾」
謙吾「今は理樹の為にリトバスジャンパーを縫っているから後にしてくれ」
鈴「と、言うわけだ」
理樹「いやいやいや、意味わかんないんだけど」
鈴「理樹、今日は何の日だ?」
理樹「3月3日・・・・・そうか、ひな祭りだったのに相手にされなかったから僕のとこに来たのか」
鈴「う、うるさい!そういえばひな祭りって何をするんだ?」
理樹「一応、人形を飾って女の子を祝うんだけど・・・」
鈴「人形?そんなものは持ってないぞ」
理樹「そうだよね。じゃあ適当にパーティーみたいなことでもしようか」
74:名無しさんだよもん
09/03/17 15:27:08 qrB+8FtOO
鈴「みんなを呼んできたぞ」
理樹「ありがとう鈴。こっちは準備できてるよ」
クド「わふ~、じゃぱにーずひな祭りなのです~」
小毬「お菓子持ってきたよ~」
来ヶ谷「(準備は?)」
美魚「(バッチリです)」
葉留佳「理樹くん理樹くん、クラッカー頂戴」
理樹「はい、用意してあるよ」
鈴「理樹、まだ乾杯しないのか?」
理樹「よし、じゃあ・・・」
来ヶ谷・美魚「ちょっと待った(待ってください)」
理樹「どうしたの?二人とも。コップ足りなかった?」
来ヶ谷「なに、ふと思ったんだが理樹くんは男なのにひな祭りを祝うのか?」
理樹「え?いきなりそんなこと言われても・・・」
鈴「そういえばそうだな。理樹、どうするんだ?」
理樹「どうするんだって言われても・・・・・」
美魚「そんな直枝さんに名案があります」
理樹「どんな・・・・って、嫌な予感しかしないのは気のせい?」
美魚「これを着れば女の子になれますよ」
来ヶ谷「おっと、逃がさんぞ」
理樹「うわあああああぁぁぁ・・・・・・」
75:名無しさんだよもん
09/03/17 15:28:14 qrB+8FtOO
5分後
理樹「もうお婿に行けない・・・・・」
美魚「実に素晴らしいです。違和感無しですよ」
来ヶ谷「西園くん、後で焼き増し頼むぞ」
クド「わふー、リキが女の子になってしまいました~」
小毬「今日1日だけリキちゃんだね」
葉留佳「みおちん、お姉ちゃんに見せるから私にも1枚頼みますヨ」
理樹「見ないでえええぇぇぇ」
鈴「あ、逃げてったぞ」
理樹「はぁはぁ、ここまでくれば・・・・・・」
理樹「・・・・・・うわあああああ!着替えてない!」
相川「一目惚れしました!付き合ってください!」
理樹「いやあああぁぁぁぁぁ!!!」
76:名無しさんだよもん
09/03/17 15:33:52 qrB+8FtOO
期待していた人はほとんどいないでしょうが、かなり遅れましたがひな祭りネタを書いてまいりました
オチが弱いし短くてスイマセンorz
べ、別にホワイトデーを忘れてたわけじゃないんだからね!
スイマセン、ホワイトデー忘れてましたorz
また遅れますがまた書いてるんで期待している人はしばしお待ちを
要望があれば感想と共に書いてくださいませ
では、今回はこれにて失礼させていただきます
77:名無しさんだよもん
09/03/17 15:59:04 0kjXjIAmO
これはGJ
女装いいよね
78:名無しさんだよもん
09/03/17 16:49:09 TOkEQp8eO
相川くんwwww
79:名無しさんだよもん
09/03/18 00:23:34 9wsB+9CQO
理樹くんハァハァ…GJだ!
80:名無しさんだよもん
09/03/20 16:37:16 ItO0UQnV0
GJ
今、理樹を含めてリトバスヒロイン人気投票やったらどうなる事やら……
81:名無しさんだよもん
09/03/20 23:21:35 oTEAvscy0
>>80
え?理樹の圧勝だろ?
82:名無しさんだよもん
09/03/27 03:29:36 3Ep2mSaUO
過疎ってるな…時期的に 恭介卒業後のネタ考えたが見るヤツいるか?
83:名無しさんだよもん
09/03/27 08:44:16 wmq8p8DgO
YES
84:名無しさんだよもん
09/03/27 09:36:04 nRuc5abB0
YES
85:名無しさんだよもん
09/03/27 15:12:10 3Ep2mSaUO
じゃあ書くかな
タイトルは
゛引き継いだ物゛だ
シリアス系ではない
86:名無しさんだよもん
09/03/28 22:26:21 M+fEnuPO0
期待
87:名無しさんだよもん
09/03/29 01:51:30 BqfcP9SlO
age
88:引き継いだ物作成中
09/03/29 02:26:48 BqfcP9SlO
アクセス規制って何?
携帯から書けても
PCから書けないって なんじゃああ
詳しい人教えて
89:名無しさんだよもん
09/03/29 02:31:39 ac/D98Yh0
>>88
簡単に言えば同じ通信会社と契約してるどっかの誰かが2chを荒らしてそれが報告されたので
そのISPからの書き込みができなくなってる、
携帯は当然ISPが違うので書き込める。
アク禁になった人の為にレス代行するスレ★101
スレリンク(accuse板)
こういうとこで代行してもらうか、モリタポとかを入手するしかない
2ch批判要望
URLリンク(ex24.2ch.net)
ここでおまえさんのISPと同じ名前のとこいけば仲間が沢山いるよ
ISPがわからん?
ここ踏め
URLリンク(qb6.2ch.net)
90:引き継いだ物
09/03/29 04:42:07 E5DXjnds0
「理樹、泣きそうな顔するなよ」
「だって…寂しいよ……」
ひらひらと桜舞う今日、卒業式があった。
そう、恭介が卒業したんだ。
恭介は大学に進学する。『俺が最高のマンガを作るんだ』
そう言った恭介は出版社を目指すべく文学系の所に決めた。
「これからは強く生きるんだろ。だったら笑って送り出してくれよ」
「う、うん。そうだよね」
僕は誓ったんだ。これからは強く生きると。
だから、涙は見せちゃいけないよね。
「そうだ、理樹。お前に渡したい物があるんだ」
「僕に…渡したい物?」
「ああ、この寮生活の間を共にしてきた物だ。お前に…引き継いでほしいんだ」
恭介は紙袋を差し出し、僕はそれを受け取った。
「よし、じゃあ…そろそろ行くぜ」
「ねえ恭介、また会えるよね?離れても僕たち友達だよね?」
恭介はニッと笑い、
「当たり前だろ。リトルバスターズは…永久に不滅だ!」
そして僕の拳に、拳をゴツンと合わせ背を向け歩き出した。
「…そうだよね。リトルバスターズ、最高!」
「おう、リトルバスターズ最高!」
僕の声に恭介は背を向けたまま右腕を上げて応えた。
その手に卒業証書を高々と掲げて―
91:引き継いだ物2
09/03/29 04:42:36 E5DXjnds0
「おう、理樹。戻ってきたな」
「二人とも、見送りに行かなくて良かったの?」
部屋に戻ったら、すでに謙吾と真人が待っていた。
二人とも恭介の見送りに誘ったのだけれど…
「ああ、湿っぽいのは性に合わなくてな…それに俺達は離れても―」
「リトルバスターズ、だろ?」
「ふっ、まさかお前に言われるとはな」
三人で顔を合わせて笑いあう。そして実感する。
僕たちには離れても確かな絆があるんだ。
「ところで理樹、お前何持ってんだ?」
「俺も気になってたんだ。何だそれは?」
二人の視線が恭介に貰った紙袋に集まる。
そういえば僕も中身をまだ知らない。
「恭介がくれたんだ。恭介が寮生活を共にしてきた物って言ってたんだけど…」
「なあ、開けていいだろ」
真人は僕の返事も待たずにビリビリと乱暴に紙袋を破る。
「真人、丁寧に開けてよ!」
だが、時すでに遅し。もうぐちゃぐちゃだ。
そこに謙吾は手を伸ばす。
「中身は…本、みたいだな…って、なナ!」
取り出した中身に驚愕した。
「「「何じゃ、コリャー!!!」」」
92:引き継いだ物3
09/03/29 04:43:08 E5DXjnds0
「『妹、禁断の果実 お兄ちゃん、イケナイこと教えて』
恭介、まさか鈴のことこんな目で見てたのか…?」
「ま、まさか…こっちは『巨乳天国 オッパイがイッパイ』だって…」
「これは『お姉さんが教えてア・ゲ・ル』だとよ…
やっぱりこれってよぉ…」
間違いない。間違いようもない。紛れもないエロ本だ…
恭介、何て物を残して…
バタン!!
「さっきの叫び声は何ですの!?うるさいですわよ!」
「うわあぁ!さ、ザザメグワさん!」
「さ・さ・せ・が・わ、ですわ!あなたまで間違えないで下さい!」
ごめんなさい…慌てるとその名前は噛んでしまいます…
「あーちゃん先輩も卒業し、今日からは私が寮長ですわ。これからは厳しくいきますわよ」
「でもよ、お前は女子寮のであって男子寮は相川…」
「よ・ろ・し・い・で・す・わ・ね!?」
「「「はい…スミマセン…」」」
93:名無しさんだよもん
09/03/29 21:14:16 jlzvGSmS0
ちょ…そこで終わり!?
94:名無しさんだよもん
09/03/30 00:24:29 6F5rMz+jO
いまいち締まりがないな
Kanonネタなら書けるんだけどなぁ
95:名無しさんだよもん
09/03/30 00:38:02 yr+vfJZR0
せっかく書いてもらったがなんかつまらんな・・・・・・
こりゃ他の人に期待するしかないか
そういや季節ネタでバレンタイン云々とか言ってた人はどこいったんだろ
けっこう期待してるんだが
96:名無しさんだよもん
09/03/30 00:49:46 Fv2Mn4LIO
バレンタインネタって、今書いても大丈夫なのか?
97:名無しさんだよもん
09/03/30 00:54:40 eQ1IHy1A0
>>96
どうぞどうぞ
98:名無しさんだよもん
09/03/30 01:07:05 Fv2Mn4LIO
…ふむ。ならば気が向いたら書くとするかな
99:名無しさんだよもん
09/03/30 01:18:09 HLCp2cfZ0
シチュ:姉御が佳奈多にあるものをもってきたようです
「佳奈多君、さっそくだがこれを着たまえ」
「は?」
ノックもせずに入ってきた来ヶ谷さんの第一声はこれまたワケがわからないものだった。
手に持った紙袋を私に突き出してくる。
「…なんです、これ?」
「チャイナ服だ。無論佳奈多君のサイズに合わせて作ってある」
――なんで、私のサイズを…
はぁ、とため息をついてから一言。
「嫌です」
「まぁ、そういうな。気が向いたら着てみるといい」
「ちょっと、持って帰ってくださいよ…ってもういないし…」
押し付けられた紙袋を覗き込む。
赤色に花の模様の入ったチャイナ服と柄が龍の形をした模造刀が二本入っていた。
「はぁ…来ヶ谷さんの考えることはよくわからないわ…」
こめかみの当たりを押さえて呆れかえる。
だが、押し付けられたとはいえ、このまま無碍にするわけにもいかずベッドにとりあえず放置して出ていた課題に取り掛かった。
100:名無しさんだよもん
09/03/30 01:19:40 HLCp2cfZ0
「っん…終わった…」
強張っていた筋を伸ばしながら時計を見る。思ったより早く終わったようだった。
ルームメイトのクドリャフカもまだ帰ってきていないようだし、とりあえずベッドに横になろう、と思ったがそこにはあの紙袋。
少しだけ、興味がわいてきて中からそのチャイナ服を取り出す。
「…ほんとにサイズぴったりじゃない…」
姿見の前で体に当ててみてみると本当に私にあつらえたようなサイズだった。
――ちょっと、着てみようかしら…?
101:名無しさんだよもん
09/03/30 01:20:37 HLCp2cfZ0
こんな服、今の今まで知識としてはあったものの、実際に着る機会なんてないと思っていた。
おしゃれもしてみたい、新しい自分を見つけたい。
そんなちょっとした興味が、私の背中を押した。
「あら? これ…ちょっと着にくい…じゃ…あ、入った」
「この手袋…ちゃんと隠れるみたいね…背中も…うん…大丈夫…」
「なによ、片方しかないじゃない、このソックス…」
102:名無しさんだよもん
09/03/30 01:22:06 HLCp2cfZ0
途中まで着替えて鏡を見てみると、そこにはすっかり変わってしまった自分が映っていた。
――意外と…似合うじゃない…って何考えてるのよ!
鏡の前でいやいやと顔を振る。
ここまで着たんだからこの剣も使ってみよう。両手に持ち、自己流で構える。
「こんな感じかしら? もっとこう…こう?」
鏡の前でポーズを決める。うん、結構様になってる。ちょっと悪乗りしてセリフも決めてみようかしら
「おねーちゃん、今日の課題見せてー」
「ここから先は…私を倒してから行くことねっ」
………
……
…
「…えーっと…その…お邪魔しました」
パタン、と葉留佳が扉を閉める。
固まってしまって身動きが取れない私。
また、扉が少しだけ開くと葉留佳が携帯を取り出して
パシャ
「おねーちゃんのコスプレ写真ゲットー♪」
「いやああぁぁあぁ! 葉留佳あぁーーー!!!!!!」
103:名無しさんだよもん
09/03/30 10:31:47 yr+vfJZR0
バレンタインじゃなくてホワイトデーだったorz
104:引き継いだ物4
09/03/31 03:08:04 4WqJuAjs0
「それで、あなた達どうしましたの?」
その声で今の状況を思い出す。アレは絶対見つかっちゃいけない!
「な、なんでもないよ…」
「お、おう。ただ筋肉がこむら返っただけだ…」
そう言いつつ、アレを背中の方にまわす。
「…?あなた達、今何か隠しませんでしたか?」
一気に血の気が引く。背中に冷たい汗が流れる。
「な、なんでもないから」
「…何か怪しいですわね」
疑り深そうな目で部屋に入ってきた。
(お、おい理樹、どうすんだよ)
(どうするって言われても…)
「すまない、笹瀬川。本当に大した事ないんだ」
「け、謙吾さま…」
「だが、大きな声を出して、迷惑を掛けたのは事実だ。申し訳ない、この通りだ」
そう言って謙吾は深々と頭を下げた。
「…わかりましたわ。謙吾さまがそこまでするなら不問といたしますわ」
やっぱり笹瀬川さんは謙吾には弱いみたいだ。
「それからもう男子の入浴時間ですから早く入って下さい」
105:引き継いだ物5
09/03/31 03:09:41 4WqJuAjs0
バタン…
「ふーっ、助かったぜ謙吾」
「ああ、危ない所だったな」
「で、どうするの、コレ…」
「下手に捨てるわけにもいかないな。それで見つかる可能性もありうる」
「じゃあどうすんだよ!」
「「「……………」」」
「な、なあ風呂に入らないか?剣道の鍛錬で汗をかいてな」
「そ、そうだよな、俺も筋肉を休めさせたくてよ」
「だ、だよね。僕もサッパリしたくて」
僕たちは現実逃避することにした。
「とりあえずソレ隠しとけよ」
「そうだね、とりあえず見えない所に…」
106:引き継いだ物6
09/03/31 03:11:58 4WqJuAjs0
「理樹ー!遊びに来た…なんだあいつらいないのか」
そういえば男子の入浴時間だ。そうか、あいつら風呂に行ったのか。
キョロキョロと辺りを見回す。ふと理樹のベッドが眼に入る。
「ん、理樹の匂いだ…」
そのまま理樹のベッドに身を投げ出す。
ほのかに理樹の温もりが残っている気がした。
「…何だ?ゴツゴツしたものあるぞ」
気になったあたしはそこへ手を伸ばした。
「…本、か?コレ……って」
「何だコレはーーー!?」
107:引き継いだ物7
09/03/31 03:12:30 4WqJuAjs0
「どうした、鈴君。私達みんな呼び出すなんて?」
「…さっき理樹のところに遊びに行ったけど、誰もいなかったんだ」
「ふんふん、それで?」
「そしたらこんなの見つけたんだ」
「これ、本?………ふぇぇぇぇぇえ!?」
「わふー!え、えっちな本ですぅ!」
「……BLものは無いのですね」
「…わふー、BLってなんですか?」
「はい、BLというのは……ふぐっ」
「よ、余計なコト教えなくていいですヨ!」
「ふむ…こ、こんな体勢で!?…ななな、こんな大きくなるのか…!?」
「ゆ、ゆいちゃん!?なんで読んでるの?」
「…単なる興味だ。君達も興味あるだろう?」
「それは少しは……姉御…この本の中の人より、おっぱい大きいですネ…」
「ふぇぇ、ほんとだ。ゆいちゃんおっきいぃ…」
「こ、こら!私の胸をそんな目で見るな!」
「ずぷずぷと根元まで入り、いきなり激しく動いて…」
「み、美魚君!音読するんじゃない!」
108:名無しさんだよもん
09/03/31 11:45:08 uzmZ0WguO
完結したら投下しよう、な?
109:名無しさんだよもん
09/03/31 19:50:20 PXbXpub10
(´'ω'`) n
⌒`γ´⌒`ヽ( E) ちんぽーるⅠ世
( .人 .人 γ ノ
ミ(こノこノ `ー´
)にノこ(
110:名無しさんだよもん
09/04/02 18:31:19 eFo73TCbO
>>102
GJ。個人的にかなりよかった。
せっかく書いてくれる人がいるのに過疎だな
111:名無しさんだよもん
09/04/02 18:35:55 Pm+DAjI00
エイプリルフールネタ
佳奈多「ねえ直枝?」
理 樹「どうしたの?」
佳奈多「今日ってエイプリルフールよね?」
理 樹「そうだね、それがどうかした?」
佳奈多「だから、直枝に嘘ついてもいいわよね?」
理 樹「いやいや、それ言っちゃったらダメじゃない」
佳奈多「いいのよ、それじゃ、言うわよ?」
佳奈多「直枝のこと、大好き!」
112:名無しさんだよもん
09/04/02 23:27:52 ORJhWHRo0
なんか乱立してるな・・・
みんながよければ、今更ホワイトデーネタ投下しようと思ってる
大分長くなりそうだけど、それでもいいかな?
113:名無しさんだよもん
09/04/02 23:42:12 Rp5MYqqT0
最後まで書き上がってるならいいんじゃないかな
114:名無しさんだよもん
09/04/02 23:44:31 ORJhWHRo0
>>113
了解。書きあがったら投稿する
でも期待すんなよ。
115:名無しさんだよもん
09/04/03 15:57:23 RHlFC8760
人少ないし途中でも俺は構わんよ。
116:名無しさんだよもん
09/04/03 21:08:56 4s8DvDAfO
俺も。
どうせ最後まで書き上げろって言ってる奴一人だろ?
117:名無しさんだよもん
09/04/03 21:54:10 pL84d1/bO
あんまりぐだぐだすると読みにくいだろ…
118:名無しさんだよもん
09/04/03 22:58:03 mFpFJj1p0
区切りがいいなら、途中であってもいいと思う
ぶつ切りにされたような半端なものだと反応できないが
119:名無しさんだよもん
09/04/04 02:25:33 +SQEY8dz0
一応書きあがった。でも正直全然ダメダメだとおもう。
ごめんな、疲れ切った人間のSSでスレを汚してしまうかもしれないが、生暖かい目でスルーしてくれ。
120:ホワイトゲーム Part1
09/04/04 02:26:51 +SQEY8dz0
――3月13日、午後4時。
直枝理樹を除くリトルバスターズメンバーは、部室に集まっていた。
来ヶ谷「なんなんだ、一体。いきなり私達を集めて・・・」
恭介「まぁそう言うなよ、来ヶ谷。
ちょっとしたゲームをやろうと思ってな・・・」
美魚「またですか?本当、そういうの好きですね・・・」
みんなの感想は同じだった。「またか」。
しかし、次の一言で、場の空気は一気に変わった。
恭介「ああ、明日のホワイトデー、お前らには、「理樹の手作りクッキー」をかけて争ってもらう」
121:ホワイトゲーム Part2
09/04/04 02:28:07 +SQEY8dz0
刹那。
場の空気が凍った。
外から聞こえる風の音が、いかにこの時の部室が静かかを物語る。
そして、一番最初にその氷を溶かしたのは・・・
謙吾「手作りクッキーだとぉぉぉぉぉっ!?」
真人「しかも理樹の!?」
何故か男性陣だった。
恭介「いや、なんで男性陣が反応するんだよ」
美魚「禁断のラブ・・・ハァハァ」
クド「わふーっ!?西園さんが違う所に行ってしまいましたー!」
小毬「おーい、美魚ちゃーん、戻ってこ~い」
とりあえず騒然となる部室。突っ込み所が多いのは仕方が無い。
122:ホワイトゲーム Part3
09/04/04 02:28:41 +SQEY8dz0
来ヶ谷「理樹君のクッキーか・・・ふむ、面白い」
恭介「だろ?」
鈴「うん、面白いな」
恭介「お前、リピートしてるだけだろ」
小毬「理樹君は、この事を知ってるの?」
恭介「いや、知らない。知らせるつもりも毛頭無い。
そんな事をしたら、ゲームが崩壊してしまうからな」
うおっほん、と仰々しく咳をして、恭介が椅子から立った。
恭介「それじゃ、ルールを説明するぞ。
1、時間は明日の朝礼HR後~夕方6時まで。
2、一番最初に、理樹に愛の告白をして、クッキーをもらった奴の勝ちだ。
3、お互いに協力するのもアリだが、勝者は一人だけだ。勿論妨害もアリ。
4、当日は、俺や助っ人達が、お前らが告白できないように妨害するからな。
以上、この4つだ」
真人「俺達もあいつに愛の告白をするのか?」
恭介「何言ってんだ。謙吾とお前は妨害側だ」
真人&謙吾&美魚「「「えええぇぇぇぇぇぇ!?」」」
恭介「なんで西園が反応するんだよ」
理樹の手作りクッキーを食べれない事に絶望する男性陣と、ボーイズ☆ラヴを見れない事に落胆する西園。
やっぱりおかしいが、そこがリトバスクオリティ。
クド「ルールはそれだけですか?」
恭介「いや、他にも細かいルールはある。それは、違反者が出たら言おう。
―さぁ、そろそろ飯時だ。全員、解散!」
そういう事で、この場はお開きになった。
123:ホワイトゲーム Part4
09/04/04 02:29:30 +SQEY8dz0
3/14 朝食
理樹「・・・なんだか、物凄く視線を感じるんだけど・・・」
恭介「気のせいだろ」
真人「気のせいだ」
謙吾「疲れてるんじゃないか?」
鈴「猫じゃないか?」
理樹「・・・・・・」
全員から否定されると、なんだか悲しくなるなぁ・・・
あと鈴、それはないから。
鈴「む、もうこんなじかんだ。あたしはそろそろさきにいこう」
理樹「なんで棒読みなのさ。っていうかいつも一緒に行ってるじゃ・・・」
恭介「いいさ、放っておけ。
準備があるんだろ」
理樹「そっか・・・鈴もついに、そういうの気にするようになったんだね」
なんだか、寂しいなぁ。
彼氏を連れて来た娘を見たお父さんみたいな心境だ。
謙吾「おい・・・なんだか変な勘違いをしているぞ」
真人「すっげぇ、遠い眼してやがるぜ」
恭介「ま、バレてないんだからいいさ」
理樹「鈴を君みたいな人にやるわけには・・・っ!はっ!?」
謙吾「・・・本当に、大丈夫か?」
恭介「・・・・・・」
124:ホワイトゲーム Part5
09/04/04 03:00:06 +SQEY8dz0
教師「えー、今日の授業だが・・・」
朝のHR。
前では先生が、今日の授業予定の変更を伝えている。
なんでも、保健の授業が体育に変わったらしい。
なんでだろう・・・?
教師「それじゃ、HRを終わるぞ。全員、起立!」
『ガタガタッ!』
教師「礼!」
理樹「ありがとうございましt」
謙吾「真人!」
真人「おうよ!」
突如僕と窓の間に割り込む真人。その背中に・・・
『パシュッ!』
真人「ぬがっ!」
何かが、刺さった。
??「チッ!」
そして同時に、何かが窓の外に見えた・・・気がした。
なんだ今の!?
125:ホワイトゲーム Part6
09/04/04 03:03:03 +SQEY8dz0
謙吾「これは・・・吹き矢、だな」
いつの間にか傍に来ていた謙吾が、真人の背中に刺さっていたものをつまみ出した。
謙吾「まぁ、これなら大して痛くも無いだろ、真・・・ん?」
突然いぶかしげな顔をしえ、真人の方を凝視する謙吾。
そこには・・・
真人「な・・・んじゃ・・・こりゃ・・・」
何かでっかい肉団子が転がっていた。
理樹「・・・はい?」
真人「なんだよ理樹、その突然の展開についていけないけどとりあえずこの転がってる肉団子邪魔だなぁ。
暑苦しいから消えてくれないかな、とかって声はよ!?」
理樹「どんな言いがかりだよ!?」
でもちょっぴり当たってたのは秘密だ。
真人「くそ・・・その吹き矢、なにか薬が塗ってあったみてぇだな。
体が痺れて、まったく動けなかったぞ」
謙吾「なるほど、即効性の薬で痺れさせて、その隙に奪還、といった所か。
とにかくその場だけ動きを封じればいいから、その程度の効き目で十分・・・。
恐ろしいな・・・」
なんだかわからないけど、勝手に納得する二人。
理樹「ちょっと待ってよ・・・何が起きてるの!?」
真人「お前は知らなくていい事だ」
謙吾「ああ、俺達に任せろ。
お前の事(クッキー)は俺達が守り抜いてやる!」
理樹「・・・」
なんだかよくわからないけど、大変な事が起きてるらしい。
僕を危険から遠ざける為に、二人が頑張っているのだろうか・・・。
そう考えると、なんだか感動してしまう。
理樹「ありがとう、二人とも・・・・!
わかった、二人を信じるよ!」
真人「おう、任せろ!(なんか違うけどな)」
謙吾「ああ、安心してくれ(なんか違うが)」
126:ホワイトゲーム Part6
09/04/04 03:05:46 +SQEY8dz0
来ヶ谷「フッ・・・中々面白いじゃないか」
そういって来ヶ谷は、植え込みの影から身を起こした。
来ヶ谷「なるほど、直接的な手段は、あの武闘派二人が防ぐ・・・
策略を巡らせれば、おそらく恭介氏が出てくる。
簡単には行かないか・・・やりがいがある」
妖艶に微笑む来ヶ谷。
天才的な頭脳と驚異的な身体能力を併せ持つ漆黒のハンターは、難題を前にして武者震いする己を感じていた。
下手に突っ込めば二人に返り討ちにされる。
下手な策を講じれば、あの男に防がれる。
来ヶ谷(ならば・・・その上手を行くまでだ)
恐れを知らぬ黒豹が、今、牙をむく。
127:ホワイトゲーム Part8
09/04/04 03:11:52 +SQEY8dz0
1時間目。
数学の問題の解説を聞きながら、僕は鞄の中に入れてある物の事を考えていた。
先日、レシピを片手に苦心して作った、手作りクッキー。
味は保障できない・・・のはしょうがなくても、なんとか渡さなくちゃいけない。
それも、バレないように。
僕が作れたのは、結局一人分だけだった。
それは、絶対あの人に渡したい。
他の人には一応市販の物を用意してあるけど、もし手作りがある事がバレたら・・・
考えるだけでも恐ろしい。
僕の平穏の為、ひいてはリトルバスターズの安泰の為、頑張らないと・・・!
そんな事を考えていると。
『コツン』
何かが、僕の頭にあたった。
・・・ん?
『コツン』
まただ。
一体なんだろうか。そう思い、僕は横を向いた。
そこには・・・
美魚(・・・・・ニヤリ)
理樹「!?」
猟奇的な眼をした西園さんが、こっちを見てるーっ!?
128:ホワイトゲーム Part9
09/04/04 03:22:38 +SQEY8dz0
思わず眼を離せずに見ていると、西園さんはルーズリーフを取り出し、何かを書いた後、折り始めた。
・・・紙飛行機、かな?あれは。
しばらくして、西園さんは、完成したソレを構えた。
慎重に先生の隙をうかがい、そして・・・投げた。
順調に滑空するそれ。飛行機を模した紙は、寝ている真人の上を通り抜けようとして・・・
真人「トビウオッ!」
『バグッ!』
・・・寝惚けた真人に、食べられ・・・た!?
理樹「ちょ、ちょっと真人!?何してるの!?」
真人「ふぁ?ふぃふぁ、ふぁんふぁふぁふぁふぁふぁふぃふぁふぁふぁ」
理樹「何いってるかわかんないよ!」
真人「ふぁ・・・ゴクン」
理樹「飲んだ!?」
真人「ん・・・くぴー」
理樹「寝た!?」
教師「おいお前ら!五月蝿いぞ!」
理樹「あ・・・」
気付けば、僕はクラス中の注目を集めていた。
理樹「す・・・すいません・・・」
ひとまず、席に着く。
まったく、紙飛行機を食べるなんて、何してるんだ・・・
129:ホワイトゲーム Part9
09/04/04 03:24:43 +SQEY8dz0
美魚(な・・・なんてこと・・・)
真人の人並み外れた行動に、西園は驚愕していた。
リトルバスターズの男性陣が、妨害側に回っている事は知っている。だが・・・
美魚(ここまでするとは・・・)
そう、もし彼が、ただ単純に飛行機を妨害しただけなら、それは意味の無い事だった。
理樹は、すでに西園に気付いていた。その状態でいくら西園の飛行機を防ごうとも、理樹の詮索は避けられない。
そうなれば、信用が無くなる事、ならびに、西園との強制会話は避けられない。
だが、彼はあえて「寝ている状態で、寝惚けて食べてしまった」形を取ることで、それらを回避した。
さらに、突っ込み役の理樹を煽る行動をして、騒ぎを大きくする。
これにより、教師の監視の目は強くなった。西園は下手に動けなくなる。完璧だ。
美魚(でも、何よりも恐ろしいのは、おそらく「狙ってやってない」という事・・・!)
そう、井ノ原真人とは、恐ろしいまでの天然男。
彼の天然は、今回のゲームの中では、かなり高いハードルとなるだろう・・・
今更ながら、西園は、彼の大きさを感じていた。
美魚(下手に手を出すのは、危険ですね・・・)
130:ホワイトゲーム Part11
09/04/04 03:42:13 +SQEY8dz0
『キーンコーンカーンコーン』
教師「よーし、起立」
『ガタガタガタ』
教師「礼」
理樹「ありがとうございましたー」
数学の時間が終わった。
教師「おい、井ノ原、直枝、ちょっと来い!」
理樹「・・・はい。真人!行くよ!」
真人「う・・・ん・・・?ぬおっ!?カジキマグロはっ!?」
理樹「寝惚けてないで!ほら!」
まだ夢の中で魚と格闘している真人を引っ張って、先生の所まで行く。
内容は、ちょっとしたお説教だ。まぁ、あれだけの騒ぎを起こしたのだから仕方が無い。
ただ、真人がお説教の最中にも関わらず、何回もボケてしまったのが原因で、大分長引いてしまったのはどうかと思う。
『キーンコーンカーンコーン』
教師「む・・・もう時間か。いいか!?二度とするんじゃないぞ!」
理樹「はい!すいませんでした!」
教師「まったく・・・・」
『ガラガラッ』
理樹「・・・・・・・・もう、真人!何してるのさ!」
真人「・・・んあ?俺、なんかした?」
理樹「って、今更目が覚めたの?もう・・・」
あきれながら、席に着く。
なんだか、この1時間だけで、大分疲れたな・・・
131:名無しさんだよもん
09/04/04 03:43:39 okyamHKd0
姉御「うむ、支援するとしよう」
132:ホワイトゲーム Part12
09/04/04 03:45:04 +SQEY8dz0
昼休み。
今日はご飯、どこで食べようかな・・・と、考えていると。
小毬「理樹くーん」
理樹「あ、小毬さん。どうかした?」
小毬「いやぁ、あのぉ、そのぉ~」
理樹「?」
なんだか小毬さん、おかしいな・・・
小毬「今日、い、一緒におおお屋上d」
鈴「キャットスライディーング!」
『ズビシュアッ!』
小毬「あうっ!?」
理樹「はい!?」
・・・状況を説明すると、何かを言いかけた小毬さんに、鈴が突撃した。
数匹の猫と一緒に。
鈴「おお、理樹。ぐうぜんだな」
理樹「全然偶然じゃないよね?」
鈴「見ろ、猫達がお前と遊びたがっているぞ。さぁ行こう」
理樹「ちょ、ちょっと待ってよ!」
グイグイ引っ張っていこうとする鈴を引き止める。
理樹「一体何!?いきなりどこに連れて行く気?」
鈴「空気読め、空気」
理樹「わけわかんないよっ!」
尚も僕を引っ張っていく鈴。そこで・・・
小毬「待ちなさいっ!」
なんと、小毬さんが怒声を上げた。
133:ホワイトゲーム Part13
09/04/04 03:51:23 +SQEY8dz0
小毬「鈴ちゃん、覚悟は、できてるかなぁ~?」
立ち上る青白い狂気。なんだか、キャラがまったく違うっ!?
鈴「ほう・・・小毬ちゃん、私とやりあうつもりなのか?」
僕の手を離し、小毬さんと向き合う鈴。こっちもなんだかキャラが違う!
小毬「鈴ちゃん・・・あんまりナメないほうがいいよ。
私は、容赦しない・・・!その猫ちゃんと逃げるなら、今のうちだよ!」
鈴「私と猫達は、どんな時も一緒だ・・・!
そっちこそナメるなよ、お菓子マニア(スウィーティー)。
我が眷属、貴様になど劣らぬ!」
なんだか完全にキャラが崩壊し、バトルを始める二人。
小毬「ぬわああああああああ!」
鈴「てやああああああああ!」
理樹「どーなってんの!?」
恭介「お、理樹。一緒にメシ行こうぜ」
理樹「ちょ、ちょっと!自分の妹が完全にキャラ崩壊してるのになんとも思わないの!?」
恭介「たまにははっちゃけさせるのもいいさ。さ、行くぞ」
理樹「え・・・う・・・うん・・・」
強引に引っ張られていく僕。
・・・本当に、いいのかなぁ?
美魚「鈴さんには簡単になびかないのに、恭介さんには簡単についていく理樹君・・・
ハァハァ・・・」
来ヶ谷「・・・・・・相変わらずだな、君は」
美魚「はっ!?」
小毬「・・・はっ!理樹君は!?」
鈴「あ」
杉並「直枝君だったら、さっき棗先輩とどこかにいったけど・・・」
小毬「ええぇー!?」
鈴「あのバカ兄貴ー!」
134:ホワイトゲーム Part14
09/04/04 04:12:49 +SQEY8dz0
6時間目。
体育の時間だ。
今日は男子は体育館でドッヂボール。
真人「ほれ、パス!」
謙吾「うむ。理樹!」
理樹「うわっ!?」
『バシィッ!』
パスされたボールを思わず取りこぼす。しかし、
橘(仮名)「うおっと、危ないな」
近くにいた人が、相手チームに渡る前にボールを取ってくれた。
理樹「ご、ごめん」
橘(仮名)「気にすんな。ドッヂはチームのスポーツさ!」
なんて爽やかなんだろう、橘(仮名)君。でもきっと、君の出番はこれだけだよ。
そんなこんなでドッヂは盛り上がり、白熱したバトルへとなっていった。
そんな中。
135:ホワイトゲーム Part15
09/04/04 04:17:26 +SQEY8dz0
葉留佳「フフフ・・・」
体育館の二階で、葉留佳は一人ほくそ笑んでいた。
葉留佳(計画通り。
わざわざお姉ちゃんに協力を頼んだ甲斐があったなぁ)
無論、彼女にこのゲームの事を伝えれば、参加するのは必然。
本来の意図を隠しての協力というのは、葉留佳には中々難しかったが、愛の力がそれを可能にした。
葉留佳「待っててね、理樹君・・・」
保健担当の先生は、まだ家で寝ているだろう。
睡眠薬を手に入れるのには一苦労したが、それも二木のお陰でなんとかなった。
最大の難題は、体育教師のその時間の担当クラスをどうするか。
情報操作に情報操作を重ね、時には実力行使もした。
毎回手伝ってくれたのになんのご褒美もない。一番可哀想なのは妹思いの姉であろう。
葉留佳(まぁ、利用されたと思って諦めてもらお)
葉留佳「私が理樹君と結ばれた、後でね☆」
この後の手はずは整っている。
橘(仮名)がわざとボールを外に取りこぼし、それを取りに行く。
その時に、葉留佳が同じ見た目のボール(超硬化Ver)を渡し、橘(仮名)がそれを理樹に投げつける。
当然、運動音痴の理樹は、同じチームの橘(仮名)からのボールを受け止められるわけもない。
顔面にボールを当てられ、倒れこむ理樹。そこに偶然(という設定)で通りかかる葉留佳。
他の男子達はドッヂボールに夢中になっている。葉留佳が保健室に連れて行くという事に、なんの抵抗も感じないだろう。
葉留佳「さぁて・・・それじゃ、そろそろ動きましょうか」
手に持った手鏡で太陽光を反射し、橘(仮名)の顔に当てる。
合図は1回の照射で事足りた。
橘(仮名)「おーい!パスだパス!」
早速行動を始めた橘(仮名)を見て、ほくそ笑む。
やっぱり、風紀委員の権力は絶大だ。
葉留佳「け・い・か・く・ど・お・り☆」
136:ホワイトゲーム作者
09/04/04 04:33:26 0AF+BFZaQ
規制とかで書き込めないので一旦停止
出発までに全部アップできるよう頑張ります
137:名無しさんだよもん
09/04/04 06:50:10 okyamHKd0
うむ、少年がんばれ
138:ホワイトゲーム Part16
09/04/04 09:44:51 /EdvcIlZ0
ボールを渡し、1階に潜み、中を窺いながら待機する。
丁度、橘(仮)が投げる所だった。
橘(仮)「いっくぞぉぉぉぉ!でりゃあああっ!」
葉留佳(演技派だなぁ・・・)
渾身の力で投げられるボール。それは、一緒に外野に出ていた理樹へと向かい・・・
『バスンッ!』
理樹「うぶっ!?」
見事に顔面にぶつかるボール。すでに葉留佳は爆笑しそうだった。
本人も、ここまで計画通りに進むとは思っていなかったのだろう。
後は、理樹が倒れこむのを待つだけ・・・・
だったのだが。
139:ホワイトゲーム Part17
09/04/04 09:46:10 /EdvcIlZ0
理樹「いたたー」
葉留佳「!?」
葉留佳(バカな・・・あれだけの硬さのボールが顔面に当たったら、最低でも鼻血は出るはず!
それなのに、何故平気なの!?)
恭介「なんだ、三枝。予想ガイですって顔だな」
葉留佳「なっ!?」
葉留佳が後ろを向くと、そこには・・・
恭介「よ。もしかして、これを使うつもりだったのか?」
葉留佳が用意したボールを持った、恭介が立っていた。
恭介「まだまだ甘いな。まさか一日でここまでお膳立てするとは思わなかったが・・・
それもここまでだ」
葉留佳「そ・・・そんな・・・」
いくら策を張り巡らせようとも、彼だけは騙せない。
リトルバスターズのブレインにして(21)。誰よりも狡猾なその男が、にわか策略家に待ったをかけた。
葉留佳「認めない・・・認めない・・・・!あたしは負けて・・・!」
恭介「負けさ。お前は策を張ったが、俺は見破った。
どこからどう見ても、お前の敗北だ」
葉留佳「そ・・・そん・・・な・・・」
愕然として、その場に崩れ落ちる葉留佳。
恭介は、そんな葉留佳を置いて、去っていった。
二人共授業はどうしたんだとか、そんな野暮な突っ込みはしてはいけない。
140:ホワイトゲーム Part18
09/04/04 09:47:07 /EdvcIlZ0
放課後。
時刻は16:00。
今日は色々と連絡事項があり、HRが少し長引いていた。
なんでも、どこかのクラスで、交通事故にあった人が多数出たそうだ。
みんな、不注意なんだなぁ。
教師「よし、それじゃ終わるか。全員、起立!」
『ガタガタ』
教師「礼!」
理樹「ありがとうg」
謙吾「理樹、走れっ!」
141:ホワイトゲーム Part19
09/04/04 09:48:18 /EdvcIlZ0
理樹「え・・・・うわっ!?」
突如走りこんできた誰か。そして、それを防ぐ謙吾。
小毬「鈴ちゃん、今!」
鈴「わかったっ!」
すかさず、机を蹴って上から襲い掛かる鈴。
理樹「うわぁっ!?」
思わず、傍にあったかばんで自分を庇う。だが、
真人「させるかっ!」
今度は真人が防いでくれた。
理樹「え!え!?」
謙吾「真人、理樹を頼む!」
真人「おう!よっこら・・・せっ!」
理樹「うわっ!」
突然かつがれる僕。
理樹「な、なにするのさっ!?」
真人「すまねぇ理樹・・・わかってくれっ。
お前のためなんだ!」
理樹「僕の・・・ため?」
そういえば、朝もそうだった。
謎の黒い人影が放った吹き矢から身を挺して守ってくれた真人。
きっと、何か事情があって、僕を守ってくれているんだろう。
なんで鈴や小毬さんが僕を襲うかはわからないけど・・・
きっと、純粋な二人の事だ。騙されているに違いない。
そうとなると・・・
理樹「謙吾っ!」
謙吾「ああ、わかっているっ!任せておけ」
さすが謙吾、頼りになる。
鈴と小毬さんを謙吾に任せて、僕をかついだ真人は走り出した。
142:ホワイトゲーム Part19
09/04/04 09:49:32 /EdvcIlZ0
2階の廊下を(真人が)走っていると、前方に人影が見えた。あれは・・・
理樹「西園さん!?」
僕たちの前方には、西園さんが立っていた。
走ってくる真人にまったく動じず、真っ向から見つめ、そして・・・
美魚「突然ですが、ここで短歌・俳句の歴史についてご説明しましょう」
真人&理樹「んなっ!?」
まさかの作戦に、僕達は硬直した。
肉体労働にはめっぽう強い真人だけれど、難しい話には物凄く弱い。
そんな話をされてしまったら、あまりの難しさに倒れてしまうだろう。
今からこの場所を離れるには、場所が悪すぎる。僕達が逃げるよりも、西園さんが話を始める方が早いだろう。
真人「くそっ!」
猛スピードで方向転換し、逃げようとする真人。
理樹「ダメだ、間に合わないよっ!」
悲鳴をあげる。しかし、次に聞こえてきたのは、
美魚「なっ・・・!これは、絶版になったハズの・・・!」
歓喜に身を震わす、西園さんの声だった。
理樹「・・・え?」
思わず、後ろを見る。
そこには、どこから沸いたのか、大量の薄い雑誌と、その傍に佇む茶髪の高校生がいた。
恭介「真人!ここは任せろ!」
真人「助かるぜ!いくぞ理樹!」
理樹「うん、ありがとう、恭介!」
すぐに走り出す真人。
後には、二人だけが残された。
西園「・・・逃げられて、しまいました」
恭介「言っておくが、追わせないぜ?」
西園「いえ、追います。
・・・あなたを、倒して!」
恭介「面白いことを言うな。
いいぜ、かかってこい!」
こうして今ココにも、キャラが崩れまくった存在が爆誕した。
143:名無しさんだよもん
09/04/04 10:06:04 /EdvcIlZ0
1階廊下を疾走する真人(と、かつがれてる僕)。
真人も大分疲れているみたいだ。息があがってきている。
と、そこへ・・・
葉留佳「はるちんアターック!」
真人「ぬあっ!」
突如足に攻撃をしかけてきた葉留佳さんを、辛うじてジャンプして避ける。
だが・・・
来ヶ谷「甘いぞ!」
――今度は、横!
どこに隠れていたのか、横から来ヶ谷さんが飛び出してきた。
それを、思いっきり体を捻って回避する。
それはもう、絶技といってもいい領域の動きだった。
真人「くっ・・・あぶねぇ・・・」
着地し、退治する僕達。
さすがに僕も、真人から降りた。
葉留佳「もう変に考えるのはヤメヤメ!
あたしらしく、正面から突破するのだーっ!」
来ヶ谷「もうヘトヘトの君に、私達二人を止められるかな?」
いつもの天真爛漫な笑みを浮かべる葉留佳さんと、こちらもいつも通り妖艶な笑みを浮かべる来ヶ谷さん。
絶体絶命。そんな言葉が思い浮かんだ。
怪しく手を動かしながら迫ってくる二人。もうダメだ!
僕一人じゃどこまで逃げられるかわからないし、第一、今の状況の真人じゃ来ヶ谷さんを押さえられない。
来ヶ谷さんのスピードにかかれば、僕なんてすぐにつかまってしまう。
真人「くそっ・・・!俺一人じゃ・・・」
144:名無しさんだよもん
09/04/04 10:08:23 /EdvcIlZ0
??「そうね、一人じゃ無理かもしれないわね。
でも、ここにもう一人、そこの子にお仕置きしたい人がいるのよ」
突如後ろから聞こえたセリフ。
振り向くと、そこには・・・
二木「葉留佳、私を利用しようだなんて、いい度胸してるじゃないの・・・!」
怒りに燃える、最凶の風紀委員長が立っていたっ・・・・!
葉留佳「お、おねーちゃん!?なんで!?」
二木「さっき噂を聞いたのよ。まさか、そんな事だったなんてね。
私を利用して抜け駆けなんて、見損なったわ」
葉留佳「げ・・・!もしかしてはるちん大ぴーんち!?」
えーと、よくわからないけど・・・
とりあえず、助かった?
二木「そういうわけだから、井ノ原君。不本意だけど共同戦線よ。
わたしは葉留佳をやるわ」
真人「おう、それじゃ俺は来ヶ谷だな」
俄然元気付く真人。たしかに、1対1なら勝機はある。
この後繰り広げられるであろう大活劇に、思わず唾を飲み込む。
そんな僕に気付いて、真人が声をかけた。
真人「理樹、・・・逃げ切れよ。
俺達のためにも」
理樹「!」
そうだった。
今の僕に、ボーッとしてる時間なんてない。
理樹「・・・ありがとう、真人、二木さん!」
闘気をバチバチと散らす4人に背を向けて走り出す。
そしてその途端響く、激しい戦いの音。
すでになんでこんな事になっているのか、それすらも抜け落ちたまま、僕はある場所を目指していた。
145:ホワイトゲーム Part23
09/04/04 10:16:05 /EdvcIlZ0
そして、辿り着いた。
すでにヘトヘトだったけど、なんとか辿り着いた。
満身創痍の体に鞭を打って、扉に手をかける。
そして・・・
『ガラガラっ!』
理樹「クドッ!」
クド「わふっ!?リキ!?」
僕は、料理部の部室まで辿り着いた。
146:名無しさんだよもん
09/04/04 10:16:45 5vVE2DEmO
支援
147:ホワイトゲーム Part24
09/04/04 10:16:47 /EdvcIlZ0
クド「ど、どうしたのですかリキ!?」
理樹「クドに・・・渡したいものが、あってさ」
そういって、偶然掴んだまま離さなかった鞄を手元に寄せる。
そして、その中から、念入りに包装してある一つの袋を取り出す。
タオルでグルグル巻きにしていたからか、幸い割れてはいなかった。
理樹「バレンタインデー、ありがとう。本当に嬉しかったよ。
これは、お礼なんだけど・・・」
そう言って、僕は、唯一の手作りクッキーの袋を、クドに渡した。
クド「わ、わたしにですか!?」
理樹「うん。頑張って作ったんだ。
・・・食べてくれると、嬉しいな」
クド「わふー・・・リキの手作りですか・・・(そういえばゲームの事、すっかり忘れていました・・・)」
嬉しそうに袋を見つめるクド。
その姿を見て、決心が鈍る。
もし拒絶されたら、この笑顔がみれなくなるかもしれない。
そう思うと、あと一歩が踏み出せなかった。
でも・・・今しか、ない。
他の人たちは皆校舎にいて、邪魔が入る事は確実に無い。
そして何より・・・今日はホワイトデーだ。
――今やらなくて、いつやるっていうんだ!僕のバカ!
意を決して、僕は口を開いた。
理樹「そ、それとさ、クド」
クド「はい?なんですか?」
理樹「突然だけど・・・さ、
―――ずっと前から、好きでした。付き合ってください!」
148:ホワイトゲーム Part25
09/04/04 10:17:32 /EdvcIlZ0
来ヶ谷「・・・随分と大胆なんだな、彼は」
葉留佳「大分と順序無視してますけどネ」
美魚「なんと・・・直枝さんは(21)だったのですか・・・」
恭介「はいはいお前等、余計な外野は引っ込むぞ」
小毬「う~・・・もうちょっと、見たいなー」
謙吾「俺も理樹の手作りクッキーが欲しい・・・!」
恭介「こらこら、五月蝿いぞ。
バレる前に、さっさと消えるぞ」
なおもぶーぶー言い続けるメンバーたちを追い立てつつ、最後にもう一度、恭介は後ろを向いた。
恭介「こんだけやってやったんだ。・・・後は、自分で頑張れよ?」
149:ホワイトゲーム 後書き
09/04/04 10:42:07 /EdvcIlZ0
全体的にグダグダですいません;;
私の勝手な事情になるのですが、私はあと20分で夏までPCをほとんど使えなくなる状況となるので、
急ピッチで仕上げてしまいました。
至らぬ点は多々ありますし、最初はむちゃくちゃやる気で張ってた伏線も回収できていません・・・
正直、文を書くことをこんなにも大変だと思った事はありませんでした・・・
どうせしばらくはPCを触れないので、その間に自分の文を書くスキルを充実させていきます。
最後に。
こんな駄文に付き合ってくださった皆様、本当にありがとうございました。
また、この文を読んで不快になられた方、本当に申し訳ございません。若気の至りとでも受け取って、
お許しいただけるようお願い申し上げます。
また、作者はEXはプレイしてないので、さやは出せませんでした。ざざみ?時間が(ry
さらにいっとくと、一部キャラの性格が崩壊or呼び方が原作と違う所があります。
もうどんだけぶーぶー言われても気にしないので勘弁してください。
追伸
クドが大好きで悪いですか。出番は無くともくっつけたかったんですよばかやるう。
150:名無しさんだよもん
09/04/04 11:14:33 okyamHKd0
うむ、少年よくやりとげた
おねーさんからのご褒美だ
つもずく
151:名無しさんだよもん
09/04/05 01:40:39 0MyCWVcbO
じーじぇい
いい具合にキャラ崩壊しててよかったよ
152:名無しさんだよもん
09/04/05 03:07:55 ukDjX6SOO
ぐっじょぶだ!
クドがおとなしいと思ったらそういうことだったのか
153:名無しさんだよもん
09/04/05 13:40:36 DXqur1TjQ
作者より捕捉説明
今回のは全員で仕掛けたのではなく、恭介が仕掛けた物です
他の人は巻き込まれただけ
最後のシーンは、「やっと追い付いたけどなんか入りづらいし、見てよっか」な感じとお考え下さい
蛇足かもしれませんが、一応。
あと、途中で誤字がありました。
真人が来ヶ谷の襲撃を避けたシーンですが、退治ではなく対峙です。
154:名無しさんだよもん
09/04/06 19:08:21 1LkNQo5i0
あいよ
155:名無しさんだよもん
09/04/12 12:02:17 YTLA3iLk0
156:名無しさんだよもん
09/04/17 01:39:02 28J1eKoy0
スレが止まってる隙に本スレ見て思いついた小ネタを投下!
鈴 「こまりちゃんの星は凄いな、あたしとこまりちゃん二人分のお願い事をかなえてくれた。
凄い、うん、くちゃくちゃ凄いぞ」
小毬「えへへ。これは手作りだから、そんな力があるのかもしれないね」
鈴 「なに!?こまりちゃんが手彫りで頑張って作ったのか?」
小毬「私じゃないよ~。
これは、お母さんの知り合いの元美術教師の人が作った世界でたった二つのお星様なのです。
その子の妹さんが事故にあっちゃってね、お姉さんはずっと妹さんが目覚めるのを願ってたんだ。
妹さんも、お姉さんが結婚するって知って、幸せな結婚式が出来ますようにって願いながら
お星様を作ったんだって。
その二つのお願いがこめられたお星様を元に作られたのがこの髪飾りなのです」
鈴 「そうだったのか。偉いぞ、星」
美魚「……ですが、それだとこれは星ではありません。ヒトデです」
小毬「ふええっ?なに言ってるのみおちゃん、これはお星様だよ」
美魚「いいえ、ヒトデです」
小毬「で、でも……」
美魚「ヒトデです」
小毬「ふえええええん、これはヒトデじゃな~~~い~~~~」
157:名無しさんだよもん
09/04/24 13:16:24 volcD9i+O
ものすごく過疎ってるな
ここは恭介×理樹のガチホモネタでも書いてスレを潤してやるか
158:名無しさんだよもん
09/04/24 20:11:26 fwouq4ZhO
のーせんきゅーなのです
159:名無しさんだよもん
09/04/24 21:20:45 volcD9i+O
じゃあ来ヶ谷×鈴の百合にするか?
それとも理樹×沙耶の純愛ものがいいのか
160:名無しさんだよもん
09/04/24 21:48:57 ulGxf7Tr0
恭介×小毬
もしくは真人×クド
そんなリクエストする俺はマイノリティー
161:名無しさんだよもん
09/04/24 22:18:39 TsdobVhg0
最近謙吾×佳奈多がいいと思い始めたがそんなの書いてる人がいるわけもなく
162:名無しさんだよもん
09/04/24 22:25:08 volcD9i+O
>>161
お前は昔の俺か
佳奈多ルートやるとその組み合わせが思い浮かぶよな
電波が走ったら書いてみるわ
163:名無しさんだよもん
09/04/25 02:24:56 sMWnkRSn0
過疎ったと思ったらカプ厨が涌きだした
164:名無しさんだよもん
09/04/25 10:25:26 CEW6WVbAO
>>163
そんなにいちいち「厨」を付けたいのかい?
上腕二等筋にでまくってるぜ。
165:名無しさんだよもん
09/04/27 23:55:58 otekAe/V0
>>恭介×小毬
まさか公式でやられるだなんて微塵にも思わなかった、4コマだけど
166:名無しさんだよもん
09/04/28 00:48:06 XRYUFApw0
できればやんないで欲しかったねえ・・・
167:名無しさんだよもん
09/05/02 09:09:12 rK69iRXZO
読んでないからわからないけど、問題でもあったの?
168:名無しさんだよもん
09/05/02 18:31:47 lGndcn7c0
4コマの話なら恭介が小毬のピンチを助けてほんのり小毬→恭介?で
美魚と葉留佳がそれを見てニヤニヤという一話があった
169:名無しさんだよもん
09/05/03 00:42:01 YGCzoBTq0
フリマで強引な値切り客に困っている小毬を恭介がサクラを買って出て助ける。
その後、恭介がちゃんとお金出して小毬が出品した皿を買おうとして
「えっ いいよ お芝居だったんでしょ」と遠慮する小毬だけど
恭介が「じゃあ今度この皿いっぱいにでっかいホットケーキでも焼いてくれよ」というと
微笑んでうんと頷く。
フリマの帰り道、買い込んだ荷物を抱える恭介に「自業自得だから運ぶのは手伝わないよん」と葉留佳。
「これくらい1人で余裕だ」と強がる恭介。傍の小毬にも「お前も手伝わなくていいんだぞ」と声をかける。
けれど「いいの」と言って恭介が買ってくれた皿を大事そうに抱える小毬。
そんな二人の様子に「ねえねえやっぱり手伝った方が」という理樹に「無粋というものです」という美魚。
とまあそんな感じ。
170:名無しさんだよもん
09/05/04 02:24:45 +eh77bJa0
171:名無しさんだよもん
09/05/20 01:51:15 7GS5Kpt3O
バス事故で死ぬ筈だったのに生き残ったメンバーが
後で映画のデッドコースターみたいに次々と死んでいくというのを思い付いた
172:名無しさんだよもん
09/05/22 20:16:44 fwMsShVh0
リトバスでスクールオブロックみたいな話なら思いついたが
173:名無しさんだよもん
09/05/23 03:17:32 3ofWBlKT0
以前までは友人が何を言っているか意味が分からなかった…
「クドは俺の嫁」って、おいおい2次元の世界の女の子が嫁かよww
とか思ってた。
でもリトバスを勧められてプレイしてみたら、その世界観がわかったんだ。なるほど、確かにそうも言いたくなる、と。
それからというもの、俺はkeyのゲームをあさってみた。
そしたら、また友人の言葉がわからなくなってきた。
「何言ってるんだ?クドは俺の嫁だぞ??」
174:名無しさんだよもん
09/05/29 15:08:33 GnTdPYAnO
あーあれな
あめりかんじょーくな(∵)
175:名無しさんだよもん
09/05/29 17:12:22 OsWfAd3LO
>>173
また奥深い名言が
176:名無しさんだよもん
09/06/02 02:59:26 0vKOcTMe0
>>174
「○○は俺の嫁」ネタは日本でしか通じないらしいから
むしろじゃぱにーずじょーくだ(∵)
177:名無しさんだよもん
09/06/02 21:39:35 HiRWUpwH0
本スレでやれ
178:名無しさんだよもん
09/06/02 21:42:12 HwyVE3y00
もうこのスレ落ちてもいい気がするね
考察スレの後を追おうぜ
179:名無しさんだよもん
09/06/04 13:58:57 zNnfsUHzO
まだだ……!
まだ終わらんよ……!
あ、だーまえ再始動らしいけど
そもそも休止してたの?
180:名無しさんだよもん
09/06/04 19:30:21 WGuFNQdl0
スレチな雑談で場を持たそうとされてもなぁ……
181:名無しさんだよもん
09/06/04 21:36:34 s6Dn9JCoO
本スレで話題になっていたが麻雀ネタおもしろいな
男4人で脱衣麻雀して馬鹿騒ぎしてるところを
鈴が少し恥ずかしそうに呆れて見てそうだ
旧メンバーやっぱいいよな、なんでドラマCDでないんだか
182:名無しさんだよもん
09/06/04 21:59:22 /jLw6JsWO
>>180
何もしないどころか、台なしにする貴方よりマシかと・・・・・・
183:名無しさんだよもん
09/06/05 00:36:54 tnrdlor00
>>181
本スレで話題になってんなら本スレでやれよ
184:名無しさんだよもん
09/06/13 00:13:17 uxMSNQ/+0
恭「サバゲーチームを作ろう。チーム名は『リトルバスターズ』だ。」
というネタのSSを考え中。
遅遅として進んでないが、もしできたら投稿するかも。
185:名無しさんだよもん
09/06/13 00:19:56 uxMSNQ/+0
SSを考え付いた元ネタより副産物。
さすがにこれはスレ違いかな?
恭介 戦車長
理樹 操縦士
鈴 偵察兵
クド 偵察兵
佳奈多 偵察兵
葉留佳 突撃兵
佐々美 突撃兵
沙耶 突撃兵
小毬 支援兵
美魚 支援兵
真人 対戦車兵
謙吾 対戦車兵
唯湖 狙撃兵
いろいろすいません。
186:名無しさんだよもん
09/06/13 00:21:40 9Ro5G04G0
構ってちゃんうぜぇ
文章書いてから出直して来い
187:名無しさんだよもん
09/06/13 21:05:03 6vuC6naz0
↑お前の方が遥かにうざい
188:名無しさんだよもん
09/06/13 22:25:40 sLtqFafV0
恭介 お兄さん役
理樹 エサ
鈴 猫使い
クド わふー
佳奈多 おっかけ
葉留佳 びーだまん
佐々美 先輩
沙耶 スパイ
小毬 甘いもの支援
美魚 超能力部門
真人 筋肉増強
謙吾 対戦車兵
唯湖 ハンター(メスサソリ)
こうならゆるす
189:184・185
09/06/14 01:20:23 /tZHxzGQ0
私の書き込みで場を荒らしてしまい、すいませんでした。
この状態だと、SS投稿でも場を荒らしてしまうかもしれないので、
自重してROMってます。
190:名無しさんだよもん
09/06/14 10:46:31 M4XEPydp0
>>188
「エサ」と「わふー」と「メスサソリ」で吹いたww
191:名無しさんだよもん
09/06/14 20:13:59 xE/E/7fo0
>>189
そういうのいいから
192:名無しさんだよもん
09/06/20 11:53:14 i2OHmi+gO
>>189
> この状態だと、SS投稿でも場を荒らしてしまうかもしれないので、
・・・・・・っえ?書く気あったんだ。
193:名無しさんだよもん
09/06/20 23:06:05 3SMM+Hro0
前スレ序盤では、本スレみたいな妄想垂れ流しスレになってたけど
いつからかSS限定のスレになったのか?
194:名無しさんだよもん
09/06/27 09:06:09 K9H1IwEvO
一週間ぶりカキコ
195:名無しさんだよもん
09/06/27 09:51:27 T+Jd2dtK0
だからこのスレいらねーつってたじゃん
それなのに一部のバカが必要だつって立てたらこのざまw
おまえらの我侭で無駄なスレが立ったんだからな
196:名無しさんだよもん
09/06/27 11:49:14 uGuIMNqX0
お前のレスよりは需要有ると思うよ
197:名無しさんだよもん
09/06/30 00:09:35 XzFHfQbmO
>>195
よぅ、「我侭で無駄な」奴。
198:名無しさんだよもん
09/07/05 09:43:06 tXt9Ta7/O
そろそろ
199:名無しさんだよもん
09/07/05 10:49:00 t2GfqBJ6O
何かが
200:名無しさんだよもん
09/07/05 10:51:20 7PP+5nOe0
起きません
201:名無しさんだよもん
09/07/09 21:48:50 KXeafGteO
定期的カキコ
202:名無しさんだよもん
09/07/15 20:19:51 moYyGsxjO
定期的
203:名無しさんだよもん
09/07/15 21:46:13 FTlN72/P0
規制解除きてないかな…
204:12月5日(金) (1/5)
09/07/16 00:11:57 g5xOYrsq0
カチコチと時計が音を立てる。
夕暮れの寮長室、巷でおばさんくさいと評判の前女子寮長とここ数ヶ月で妙に人気がでてきた現男子寮長は何をするでもなくのんべんだらりとした時間を過ごしていた。
「・・・暇ねぇ」
「・・・暇ですねぇ」
まぁとにかく、暇なのである。
学園祭も終わり、寮会の引継ぎも終わり、書類の整理も終わり、ついでに模様替えもやってみて、何もすることがなくなっていた。
それでも週に2~3人ほど何かしら要望を言いにくる。その対応のためには、誰かが寮長室にいなければならないのだ。
「先輩は別にここにいなくてもいいと思いますけど」
「んー、まぁそうなんだけどねぇ。なんていうかなんとなーく来ちゃうのよ」
「そうゆうもんですか」
「そういうもんよ」
ずずず・・・とお茶をすする。
やっぱりどことなくおばさんくさい。そう思いながら理樹も自分のマグカップに口をつける。
「そういえば、こんな風にいつも待機する必要あるんですか?意見箱やメールでの受付でもいい気がするんですが」
「一昨年やってるのよ、それ。意見箱置いてサイト立ち上げて掲示板とメールと併用で」
「何でやらないんです?」
「はじめはよかったんだけど、意見箱はゴミ箱に、メールボックスと掲示板はエロサイトの広告と他人への誹謗中傷でいっぱいになっちゃってね」
「・・・それは、なんと言うか・・・」
「仕舞いには顧問がいうには寮会のサイト経由で学校のサーバーに攻撃受けて。それが理事に知れて、ってなってるけど、
教師に対する文句や悪口の書き込みが増えたって言うのがほんとのところね。学校に迷惑かけらんないって、管理してた前寮長が自らサーバー立てて運営してたんだし、学校へのリンクも張ってなかったし。
まぁそんなわけでサイトはあえなく閉鎖。それどころかここのネット環境もなくされてねぇ。彼、泣いてたわ。まぁそんなわけで学校側からこういう風にやれっていわれてるのよ。
あ、ちなみに元意見箱は本物のごみ箱として生まれ変わってここで活躍してるわよ?」
そういいながら部屋の隅においてあるゴミ箱を指差す。
確かにほかの教室においてあるものと比べて妙にちいさいし形が違う。
そんなことを思いながら、クッキーをつまむ。
四枚目のあーちゃん先輩特製手作りクッキー(試作No.03)は少し焦げていた。
205:12月5日(金) (2/5)
09/07/16 00:13:00 g5xOYrsq0
「ところでさ直枝くん、一つ聞いていいかな」
理樹のカップの中にある二杯目のお茶がなくなりかけるころ、唐突に前寮長が口を開いた。
「あ、はい」
「かなちゃんとうまくいってないの?」
茶葉を変えようとしていた理樹の手が止まる。
「へ?」
「最近、あなたとかなちゃんがイチャイチャしてるとこ見てないのよね。喧嘩でもしてるんじゃないかって」
「…この間、振られましたから。『もう十分』って」
「そう…」
止まっていた手が動き出し、急須にお湯が注がれる。
「やり直したり新しい彼女を探す気はないの?」
「まだ気持ちの整理がついていないし、やり直すも何も、佳奈多さん次第でしょう」
「そっか。じゃあさ、私なんかどう?今なら特典満載でお買い得よ?」
「丁重にお断りさせていただきます」
「残念。傷ついてる今なら落とせるとおもったんだけどなぁ」
「残念ながら、今のところないですね。恭介なんかどうです?」
「棗君ね…妹さん一筋って感じだし、どうかしらね」
「ほかの人はは皆受験で忙しいでしょうし、いま手が空いてそうで、先輩につりあいそうなのは恭介くらいしか知りませんよ。身内贔屓かもしれませんけど。
あ、そういえば恭介から聞きましたよ。推薦合格、おめでとうございます」
「ありがとね。直枝君は来年どうするの?やっぱり進学?」
「ええ。第一志望C判定ですけど。あ、カップとってください」
きんかん星人とぽんかん星人のプリントがされたマグカップに黄緑色の液体が注がれる。
「はい、お茶入りましたよ」
「ありがと…てちょっと薄くない?これ」
「あれ、ほんとだ。やっぱり安物は出が悪いのかな」
やっぱり180g95円のお徳用パックじゃだめかなぁ…あとでクドにお勧めを聞いておこう。茶葉を足しながらそう考える理樹だった。
206:12月5日(金) (3/5)
09/07/16 00:14:27 g5xOYrsq0
「退屈よねぇ…」
「退屈ですねぇ」
「実際のところ、直枝君個人としては、やり直したいと思ってるんでしょ」
クッキーもなくなり、もうそろそろ飲みすぎかな、と理樹が思い始めたあたりでまたもや唐突に。
「…そうですね。でもやっぱり佳奈多さんにその気がないと…」
「そう思ってぐだぐだしてるうちに元に戻れなくなるものよ。それに、多分だけどかなちゃんはあなたのことがまだ好きなはずよ」
「そうですか?」
「そうゆうもんよ。君からアタックかければ、きっと落ちるわ。この手の相談だけはよく受けるこのあーちゃん先輩が言うんだから間違いない、はず。多分。あ、お茶お願い」
「飲みすぎじゃないですか?もう5杯めですよ」
そういいながらも先ほどのあまりを急須から慣れた手つきで注ぐ。湯気は立たなかった。
「…ぬるいしやっぱり少し薄いわね。また話変わるけどさ、実は直枝君あてにこんなもの預かってるのよね」
「何です?」
「手紙。杉並さんって子からよ。大体想像はつくけど中身は見てないわ。近頃の子は耳がいいのねぇ」
にやりとおばさんくさく笑う前寮長から封筒を引ったくり、その中から薄く色がついたルーズリーフの紙を取り出し、三行しかない文字列を目で数度繰り返し追う。
そしてその手紙を封筒に戻し、丁寧に鞄にしまう。
「かなちゃんも最近人気出てきたし、こりゃぁ今頃かなちゃんにも一つくらい…ってあれどうしたの?」
「ちょっと出てきます」
「どっちに?」
「…両方です」
「がんばんなさい、かな?留守番は任せて。鍵は開けておくわ」
「ありがとうございます。それじゃいってきます」
窓の外は雪がちらつき始め、すっかり日も落ち、蛍光灯の明かりが照らす寮長室の中。
「…やっぱり…あの時キープしておくべきだったかな…」
そうつぶやきながら茶葉を足しても薄いお茶をすする姿は、やっぱりどこかおばさんくさかった。
お茶が薄いのは電気ポットのコンセントが抜けていてお湯が冷めかけているのが原因だと気づくのは、机から出した徳用のりあられが残り2個になったころのことである。
207:12月5日(金) (4/5)
09/07/16 00:18:10 g5xOYrsq0
同時刻、女子寮旧館の一室にて
「ねぇ姉御、なぜ私たちは二人で人生ゲームなどに興じているのでしょうかネ」
「さあな。おや、子供が生まれたか。祝い金をもらおう」
「もう子供乗り切れてないじゃないですか」
「3回ほど君にノリでスタート地点に戻されたからな。養育費がかさんで仕方ない。ところで葉留佳君」
「ハイハイ?」
「人生と名乗るぐらいならもう少し若いところからはじめてみいいと思わんかね。生まれるは無理にしても中三あたりから」
「どうすかネ」
適当に返事をしてルーレットを回す。
「さらに現実は小説より気なりともいう。タイヤキくわえた少女にぶつかられたり、校門で立ちどまってるところに声をかけられたり、娘を産んだら嫁が亡くなるとかとかのイベントも付加して見たらどうだろうか。
母親が蒸発して大道芸で稼いでいくしかないとかのスタートでもいい」
「それ別のゲームになってません?確かに人生はいってますけど。あー借金がまた…」
「フリーターやって、ギャンブルで大損して、転職に失敗、給料日以外の収入のマスにはあまり止まれない…それでも破産はしない君の強運には驚かされるよ」
「いやぁ人生の幸運をここで使い切ってる気がしますヨ」
208:12月5日(金) (5/5)
09/07/16 00:21:20 wjj2cTuz0
来ヶ谷がルーレットを回す。
「ふむ、…また子供が生まれたぞ。ピンが足りん」
「どんだけヤッテるんですか…」
「知るか。そんなジト目でみるな。…時に少年と佳奈多君の話はきいたかね」
「…もちろん。というか多分直接最初に本人から聞いたのが私デスネ。『飽きた。』っていってましたヨ」
「チャンスじゃないか?少年のことが好きだったのだろう?杉並女史は動いたようだが」
葉留佳の手でルーレットが回る。
「姉御こそいいの?黙っててもわかるよ」
「私はすでに振られた身だよ。君なら…おや、久しぶりの高額収入じゃないか」
「借金返済に全部消えますケド。…姉御もわかってると思うけどあれは絶対に本心じゃないよ。
それに理樹君は先に佳奈多が手をつけたんだから佳奈多が責任もって最後まで食べればいいんデスヨ。私は私でもっとおいしそうなの見つけようと思うんで」
「そうか」
「私とお姉ちゃんとで共有なら考えたんですがネ。」
「そうだったら私も混ぜてほしいものだな」
「考えときますヨ。おぉ~月収50万$っすかいいなー。…あ、そうだ。いっそのこと私たちが付き合いません?姉御ならいいっすヨ?」
「ふむ…それも面白そうだな。一考の価値はありそうだ。確かに君とならこうはならんからな」
ピンク色でいっぱいの自分の車を複雑な感情のこもった視線で見る。
「でしょでしょ?」
「だがそれならクドリャフカ君や鈴君のほうがいいな」
「えー姉御ちょっとそれひどいっすヨ」
来ヶ谷が笑いながらルーレットを回し、次に葉留佳がまわす。数回の繰り返しの後、また一人、今度は長男が生まれた。
209:12月5日(金) あとがき的な言い訳
09/07/16 00:39:13 wjj2cTuz0
昨年の冬に書いて、お蔵入りにしていたssです
一応、まともに形を成したものとしては、初ssになるのかな…
最終的に何を書きたかったのか、正直、過去の自分がよくわからないです。
一人称とか表記とか、投稿してから見直すと怪しいところがたくさんある…
スレ汚しすいません…
210:名無しさんだよもん
09/07/16 07:27:59 q5Q+wxVyO
>>209
GJ!
211:名無しさんだよもん
09/07/16 09:28:29 Li3wkZqmO
なんか、久しぶりに血肉沸き踊る筋肉祭をみたよ。GJ!
212:名無しさんだよもん
09/07/16 20:45:34 sALgLqyUO
良いモノを読まして頂きましたわ
213:名無しさんだよもん
09/07/17 05:22:48 B7ANdeAK0
あなた「しょうがねぇな・・・」
唯「わぁ(キラキラキラ)」
あなた「あ・・財布が・・」
唯「ZU-N」
あなた「お、キャッシュカードが」
唯「キラキラキラ・・」
あなた「いや、レンタルビデオの会員カードだった」
唯「絶望した!!!」
あなた「おもしれー・・・」
214:名無しさんだよもん
09/07/23 20:05:12 UfvJU/H4O
キャッキャッ
215:名無しさんだよもん
09/07/25 18:30:59 Qg/dvFP2O
ウフフ
216:名無しさんだよもん
09/07/30 02:01:46 c07eUNfJO
エヘヘ(//ω//)
217:名無しさんだよもん
09/08/09 01:33:26 1/IjSjXxO
なぁ、たまには・・・
218:名無しさんだよもん
09/08/09 01:38:59 XgNXkULW0
このスレすごく過疎ってるね
219:名無しさんだよもん
09/08/09 02:04:49 GsZl+kDS0
今の葉鍵はこんなものさ……
220:名無しさんだよもん
09/08/14 13:02:00 OriDH2rTO
(゚д゚)
221:名無しさんだよもん
09/08/22 00:04:17 cP7/RfsRO
にゃー
222:名無しさんだよもん
09/08/31 03:27:28 wJA0clVRO
わふー
223:名無しさんだよもん
09/09/05 00:34:22 AIj6lUHMO
あらあら
224:名無しさんだよもん
09/09/10 06:48:12 +dJLhTupO
このスレの作品の保管庫的な物ってないの?
225:名無しさんだよもん
09/09/13 15:53:40 eySr/j6O0
個人的な話だけど、ちょっと病気にかかった。
体調悪くてごめんだけど投稿してみる。
226:1/4
09/09/13 15:55:08 eySr/j6O0
「ホントウに行ってもいいのかなぁ」
背中を押されたい気分のままで投げやりに尋ねていた。
ちょっとというよりも、もう少し大きな勇気があれば、独断で決めて、
みんなの返事を待たずに足を踏み出している。
「駄目だぞそんなことじゃ。君は謝らなくちゃならないんだから―恭介氏に
会う義務があるとさえ言ってもいいだろう」
「いいのかなぁじゃないよ~」
「そうだ理樹。オレも一緒に行くからよ。な」
これはとんでもない不運な出来事だったんだ。
「ショートへのライナー性のボールをさばく恭介は輝いていたよ。それは
みんなも認めているところだと思う。でもあのときのはさ、よっぽど
強振だったんだろうね、グローブを突き抜けちゃうなんてさ」
あのとき、僕が放った一打は恭介のグローブの親指と人差し指の間にある
隙間にぴたりとはまったかに見えた。が、ボールは恭介の頬に直撃していた。
軟球とはいえバンって鳴って、みんな騒然としてしまった。
「人ごとのように見えるぞ? お前はもう子どもとは違う。
スポーツであればこういうこともあろう。だからだ。なぜ謝らなかった。
時が経った今ではやつも真っ直ぐには聞いてはくれないかもしれないぞ」
謙吾にひとにらみされる。言われたことはもっともなことだった。
227:2/4
09/09/13 15:56:31 eySr/j6O0
僕は独りで階段を下り、保健室をあたっていた。
誰かいますかと声を投げかけれども何の応答もない。
なので引き戸をするりと開けて中に入る。けど、恭介がおとなしくしている
と思ったのは僕の間違いだったようで、人の気配は感じられない。
「大事なときの一言が出ないなんて、……はぁ。
それにしても……誰もいないなぁ……」
ふと疲れを感じてベッドの上に身を投げ出していた。体、頭とともに低反発の
枕が深く沈み、頭上のクーラーからの風が足元をひやりと冷やした。
そのままの姿勢ではもう今にでも寝てしまいそうだったので、体を横に倒した。
心の中で、友達がいのない友達だろうなぁと自分のことを自分で卑下してみる。
すると不思議なくらいに孤独な気持ちになっていく。駄目だなって。
それが自然な状態の僕なんだろうと独りで納得のいくまでの瞬間を、この部屋の中
で待ちつづけていた。僕が僕を避けているようなさまだった。
228:3/4
09/09/13 15:57:20 eySr/j6O0
彼は手をだらりとぶらさげて、そうしてそのまま動かなくなってしまった。
白い手首は細く、やつれたさまがありありとしていた。
僕はここがどこなのかが分からないし、彼が誰であるのかも知らない。
だから当然のごとくして流れ落ちる涙もなかった。
これは、予見された未来と過去の両方としてありうる夢だった。
青年の親族とおぼしき女の子の声が、耳の中で延々とコダマする。
僕の気持ちをたまらなく重くした。漠々とした心の奥で
蚕の糸に絡めとられた鳥が、野犬に緋色の羽を引き裂かれた。
今偽物の生として起きているこの痛みは、いつしか僕の心の内側へと
移りよって来るのだろうか。未だ眠れずにいる僕は―
229:4/4
09/09/13 15:58:54 eySr/j6O0
「理樹。どうした」
目を開くと、恭介がいた。記憶が混在していることは不思議なことではなかった。
「ああ、ごめん痛くなかった。って、あ、さっきのことなんだけどさ。
何が起こっているのか分からなかったんだ。いや、今でもあまり
分からないんだけどさ、頬……大丈夫? やっぱり腫れてるよう
に見えるよ。痛い……よね、ごめん」
僕は気を使っているようでまるで気を使っていない口調ですらすらと謝罪の弁
を述べ立てた。こんな僕だけど、
「理樹がなにかしらの責任を果たさなければならないような何かなんて
あったか? 疲れてるようならここで少し寝ていたほうがいい。
元気があったらまた明日しような」
恭介はまったく気にせずにいてくれた。
「ありがとう 」
片手を挙げて部屋を出て行く恭介に僕は、心からの気持ちを伝えていた。
230:名無しさんだよもん
09/09/13 16:21:52 TGrKLndt0
崖から転落し,鈴と理樹は潰れたバスの間の少しの隙間に入っており,なんとか脱出出来た
理樹は奇跡的にも打ち身だけで済んだが,鈴は右足に大きなけがをしていた.
「鈴,危ないからここで休んでて.僕は恭介達を助けてくる」
しかし命に別状はないと考え,次に鈴を座らせておいてバスの中から他のメンバーを救出しようと中を覗き込んだとき,理樹はさっきまで楽しく騒いでいた仲間達の無惨な姿を眼にした
能美クドリャフカの頭は潰れ,なんとかクドと判断出来た材料の亜麻色の髪をただ紅く染めていた
西園美魚の胴体は,皮肉にも彼女の好きな本達を入れるための大型の旅行ケースと床の間に挟まれ,下半身と上半身が違う方向を向いたまま,その眼は虚ろに虚空を眺めていた
バスの中はそれがバスなのか既に廃棄されたスクラップなのかもわからない状態で,また,声を上げる者は居なかった
理樹達が助かった空間と反対側にあったもう一ヶ所の空間に三枝葉留佳が無傷で横たわっているように見えたが,彼女の腹には折れた鉄パイプが貫通していた
空間の傾斜の先には,血貯まりができていた
真人と謙吾は,落ちてゆくバスの中で何かを守ろうとしたのか,潰れ行く車体を筋肉で押し戻そうとしたのか,二人とも手が血まみれで,頭を打って気を失ったまままた挟まれたようだった
真人の右手右足と,謙吾の左足は,座席の詰めたい骨格の向こう側に曲がってはいけない方向に曲がり,一部の骨が皮膚から突きだしていた
謙吾の脇腹を抉った棚の残骸の下には,謙吾の腹の中にあるはずのものがこぼれていた
「…………!!!!!!!」
理樹はその人間の中に入っているものだということが信じられないような臭気と光景の中,これは鈴に悟らせるわけにはいけないと考え,まだ見つけていない恭介を探すため,一度車体から出た
その際に近くの樹に座り込んでいた鈴に聞かれた
「理樹…みんなは、だいじょうぶなのか…?」
理樹は本当のことを答えられなかった
本当のことを答えたら鈴は壊れてしまうかも知れない
そう思ったから.
「みんな気を失ってるけど,大丈夫だとおもう.」
こう答えた.
すぐにばれてしまう嘘を今は鈴のショックを和らげるために吐いた
231:名無しさんだよもん
09/09/13 16:30:34 eySr/j6O0
個人的な話だけど、今ネット環境なしだからとある漫画喫茶から投稿。
今後も復旧には時間がかかります。物語性がないような話で申し訳ない。
232:名無しさんだよもん
09/09/13 22:02:38 9NiHtO1F0
こうなるのはなぜだろう、にしても、経験上からすれば今穏便……?
他力本願ながら緊張がいい意味でほぐれることを祈っています……。
233:ある日常の夜1/1
09/09/14 13:09:31 NZRFg39k0
グラス2割ほどに注がれているハーブティーに口をつけた。
もうかれこれ二時間ほど座り続けているので腰が疲れていた。
伯は、痺れを切らしたように尋ねた。
「キミはどうしてこの謎を追うのかね」
私は、そのものが問いであるようなあの青白い男にただ興味と憐憫を
感じているのだ。そこに一人分の命が埋もれていることを確認したいのだ、
とそう答えた。
スタンドライトに照らされたノートに適当な言葉を並べているのは西園美魚。
「……あまり…意味はありません」
やがて、うつらうつらと書きかけの小説のようなもののその上に伏せって、
こくりと寝付いてしまった。
234:クラス会があるとしたら1/1
09/09/14 17:43:07 xVz17e7S0
長い年月が経ったと思う。
どれだけの日々が経ったのか把握できないくらいに、時はよく流れていた。
持ち込んだ1ホール分のケーキを葉留佳さんに披露して、お店のひとの了解を
得ようとしに行った隙にこれだ。
「あれ、トッピングのフルーツが少し減ってるんだけど」
「いっぱいあるからひとつふたつだったらバランスよく食べれば気づかれない
かなーなんて思いましての行いでございますデスヨ」
葉留佳さんの口元にはいかにも今食べましたと言わんばかりにクリームが
ちょこんとついていた。わるびれた風にはみじんも感じられないので、
内心では『はるかさんだから』を付けて納得をした。
今はまだ夕方の5時。実は到着がかなり早すぎている。
僕は真人からのメールで4時半に待ち合わせだと知ったのだけど、
家を出たあとで真人からの訂正メールを受けた。6時半だって知らされた。
「みんなに会えると思うと待ち遠しくなりませんかネ?」
葉留佳さんは何故かこの時間にいるし、やけにテンション高いようなのが
わからなくもないんだけども、久しぶりのこの日常のヒトコマ。
葉留佳さんがいるとなんていうか、安心……いや、
なにか理不尽なことが起こるんじゃないかだとかで心配してしまう。
「そうだね。でももうたべちゃだめだからね」
ふたりでいると、時が流れるのがまた少し早くなったように感じた。
235:名無しさんだよもん
09/09/14 17:49:14 xVz17e7S0
気ままに書きました。
236:味覚感覚不健全 1/3
09/09/16 20:00:40 Y0H1SReH0
いつだったかは正確じゃないんだが……明石焼きを食いに行くか
ってことになって西園と商店街の屋台にまで出かけた。
空模様がよくなかったからおっさんからパックを受け取ってすぐに、
「これは(寮に)戻ってから食べたほうがよさそうだな」
って声をかけたんだ。だがあいつさ、いいですって言うんだよ。
(一瞬肯定の「いい」なのかと思った……)
そしてさ、
「あの場所があいてます。座って食べてみるのはいかがですか」
なんて言って中央広場にある棚田みたいな石段にハンカチ敷いて
腰下ろしはじめたんだ。
俺としては天気さえよければなぁ……だった。
でもあいつが珍しく乗り気だったから隣に座ることにしたんだ。
出来たてのほうがうまいってのはまず間違いないし。
237:名無しさんだよもん
09/09/16 20:01:02 Y0H1SReH0
で、俺たちは並んで座って容器を開いたわけだ。そうしてから
輪ゴムを取ってしまうと、ふわっふわの蒸気のやつは立ちのぼらざる
をえないわけだ。ああ。それはもうふわっふわだから俺たちの顔を
つつみこむわけだ。いや、もうそれはふぁさっふぁさだ。
すると西園のやつなんて言ったかな……、何も言わなかったな……。
なんつーか別に俺たちは恋仲じゃなくて明石焼きやその他間食で結ばれた仲で、
お互いにワッフルのトッピングにゆずれないものがあったりと趣向の違いもある
わけだ。だからこそその場で違和感をおぼえてしまったことがある。
「なぁ西園」俺は声をかけたよ。そしたらあいつも手を止めて言った。
「……許してはもらえないのですね」と。
分かるよな、理樹。明石焼きってのは普通はだし汁で食うもんだ。カリカリの
表皮にじゅわっと染みて、口の中でまた渾然一体とよみがえる……至高の一味だ。
紅ショウガまではいい。しかしマヨネーズ? 一体どういうことだ?
どういうことになる? 俺はどうすべきだった?
ふぁさっふぁさの湯気の立ちのぼりによって俺の前髪はもうくるくるだった。