12/08/03 19:49:56.58 7qZwmKmK0
具体的な記憶は残っていませんが、そうであったようにも思いますし、私の両親は学校の成績に関して
あまり何も言わないほうで、それよりも皆勤であるとか健康に留意するとか、そっち方面に熱心だったので
よい点数のテストをお兄さんに見せて得意になることが一番の快感になっていた気がします。
けれども、その日は何の前触れもなく突然にやってきました。
これは無防備で無警戒な私が鈍感過ぎたのかもしれませんが・・・。
チップのケージは、金属ラックの下段にすっぽりと収まっていて、その日私はチップをケージから出さずに、
そばへ寄ってくるところを柵の隙間から指を入れて首筋やなんかを撫でさすっていました。
プレーリードッグとは食べ物目当てでなくとも人に懐いてくるフレンドリーな小動物なんです。
ランドセルに力がかかる感覚があって、あ、お兄さんがランドセルをおろさせようとしてくれてるんだと
私はすぐに察し、両肩から力を抜きました。
ランドセルの肩ベルトはスルスルと私の腕を抜け、別の場所へ運び去られたようでしたが、私はまだ目を
向けずチップを撫で続けていました。
少しして私の肩越しからお兄さんの手が伸びて、ケージの扉を開けようとしました。
チップもすぐに反応して、少し下がって低い体勢から私たちを見つめていました。
私はチップをじっと見ています。