14/12/31 23:55:24.63 58apOPjq
>>22
耐えきれなくなって、ギュッとモリガンはカラミティの背中に爪を立てた。戦闘用とはいえ所詮は食用植物、100㎏以上の圧力に
耐え切れず、彼女の指はずぶりとカラミティの背中にめり込んだ。
その微かな痛みで一瞬だけ自我を取り戻したカラミティは、モリガンを振りほどいて再び寝台に体を預けた。
『うがぁぁっ、はあっ、解析を…解析をぉっ』
口元を手で押さえ、カラミティは成分解析を続けた。普段ならば煙草の灰が胸まで落ちるよりも早く治りそうな爪痕が未だに
紫の血を流し続けるほどに、カラミティは全ての力をフェロモン抗体の精製に費やした。
電気を消していたのは正解だったと思う。彼女の姿が目に入っていれば、このまま彼女にバラバラに引き裂かれたとしても、
なおも雄蟷螂の如く縋り付いていたに違いなかったから。
「お願い、もうやめて」
悲痛な声が、ホテルの一室に響いた。
『止めぬ…。某、は、続ける…義務がある…!』
切れ切れになりながらも、カラミティはなおも喉奥から声を絞り出した。
見えていないことは覚悟のうえで、両の手をついてモリガンは懇願した。
「もういいでしょ…それだけフェロモンのサンプルが取れたら、あとはぐっすり休んでれば万能薬だってできるでしょ!!」
『……』
その可能性はあった。この状態でコクーン(下半身の球根の中に全身を埋めた形態、ちなみに作者が今考えた用語)に戻れば、
依頼の「万能薬の精製」は完遂できるかもしれない。だが、それはあくまで可能性の一つでしかなかった。
だが、それで最強のフェロモンが含まれている愛液や子宮頸管粘液にも耐えうる強力な抗体を作れるかといえば、カラミティにも
確証はなかった。何のために万能薬を作るか考えてみれば、それらに耐えられないようであればそれは万能薬でもなんでもない。
故に、止まるわけにはいかなかった。
だが…その接続詞は、正しくなかった。
『止めない』
ようやく唾液の解析を終えて、まるで重病人の様に口を押えながらカラミティは宣告した。
『ここで終われば、某は汝の期待を裏切ったことになる』
「でも…!」
『済まぬ!!』
再び野獣の素早さでカラミティはモリガンに飛びかかり、寝台へと引き上げる。作り出したばかりの抗体に満ちた口を彼女の口に
押し付け、すぐに離してツンとした細顎へ、そして首へと吸血鬼のように動いていく。あれほどまでに濃厚な唾液を摂取して作り
出した抗体を以てしてもなお、まだ焼けるような興奮が収まらなかった。
「あっ…やああっ!」
重力に負けずツンと上を向いた乳房に口をつけ、まるで赤子の様にカラミティはモリガンの乳房を啄んだ。その間中、彼の腕は
モリガンのはち切れんばかりの肉感的な肢体を力強く揉み続けた。
『済まぬ…済まぬモリガン…!!』
様、殿、さん、ちゃん、女史、ミス、マドモワゼル、フロイライン…いかなる敬称も付けることは出来なかった。裸のままの彼女を、
ただカラミティは渇望していた。口がふさがっても喋れるのは我等オシリスの特権じゃな、などとだめあねはノロけていたが、今に
なってそのことが思い出されていた。
カラミティの左手が彼女の乳房を、そして右手が尻へと移る。
「ひゃああああああんっ!!!」
尻肉から蟻の門渡りへと指先が伸び、カラミティはその奥へ奥へと指先を走らせる。
「だめ、死んじゃう! 死んじゃうって!!!」
叫ぶ声は、決して自分自身の危機を警告するものではなかった。