二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第17牧場 [転載禁止]©bbspink.com at EROPARO
二次元キャラを牧場で飼い慣らす妄想スレ 第17牧場 [転載禁止]©bbspink.com - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
14/12/27 17:39:52.30 4qezRxJv
【牧場案内(FAQ)】

Q: ここは何をするところなの?
A: マンガ、アニメなんかの登場人物を捕まえてきて、性的に調教したり母乳搾らせたり
卑猥なアトラクションに出したり競売したりするSSを書くスレです。

Q: どんなネタを書いてもいいの?
A: それっぽいネタであれば基本的に何でもかまわないです。
闘鶏として戦わせたり馬車引かせたり想像力の赴くままにお書きください。

Q: あれ、さっき乳しぼられてた子が今別の調教されてるんだけど?
A: お客様のニーズに合わせて日々家畜たちの配置は変わっています。と言うわけで、
既に捕まっている子に別ネタのSSを書いても一向に構いません。

Q: 彼女達は一体何をしたの?
A: 何もしていません。むしろみんなの愛奴隷(アイドル)になれるんですから
喜ばしい事です。

Q: 過去の牧場が知りたいんだけど?
A: ログ倉庫へどうぞ : URLリンク(sslog.kakurezato.com)

Q: 何で朝倉音夢と由夢が同じところにおるねん
A: タイムスリップして捕まえてきたり、牧場そのものがサザエさん時空と化していたり
するのでオールOKなんです。

Q: そんな酷い事していいの、その子死んじゃうよ?
A: 当牧場ではオーバーテクノロジー寸前の医療技術を備えており、仮死状態程度なら
即座に回復して見せます。万が一の事があっても王大人やエスカリボルグなどなど
その道のプロや各種蘇生アイテムを控えさせておりますので、安心してショーをお楽しみください。

3:『EVERGREEN vol.2』 ◆MsIhShA4mM
14/12/27 17:43:35.18 4qezRxJv
前回のあらすじ:スレリンク(eroparo板:461番)

 そもそも、今回のデートはモリガンにとっては御褒美であっても、カラミティにとっては純粋なビジネスだ。
 今回の計画は、モリガンの全身から発する性フェロモンを緩和する『万能薬(パナケア)』を作り出そうという牧場の
新たなプロジェクトの一端に他ならないのだ。
 元来、オシリスとは食用に生産された植物であり、体内は万能薬で満たされている。これにより武器として使えば強酸や
猛毒を生成することも可能であり、逆に毒劇物を分解しその抗体を作り出すことも出来る。怒りの王子も顔負けの体内機構
を持っているのだ。知らなかった人は原作全15巻のうち、3巻か14巻あたりを読みなさい。
 そんなわけで以前愛奴牧場では愛玩用オシリス「オシリス・フルール」を寝ているモリガンのもとに送り込み、データを
搾取しようとした。しかし、彼女の美貌に目がくらんだフルールがまるで美女プシュケに嫌われ薬を飲ませるために閨に
押し入った瞬間一目ぼれしてしまった愛天使エロスの如くドギマギしまくっているうちにモリガンが目を覚まし、
「きゃああああ可愛いいいいいいいい!!!!」と押し倒され、3時間にわたって逆レイプされまくり、最後は飽きてまた
寝始めたモリガンの横でボロボロの枯草になっていた、という散々たる結果に終わっていた(今回、肌が緑色のカラミティを
見てもモリガンが特に驚かなかったのもそれが原因だったりする)。
 そこで性欲、持続力、体力なども量産型とは比べ物にならないカラミティが彼女のお相手、ハッキリ言うならば実験動物、
更に酷く言うならば駒込ピペットとして白羽の矢が立てられたわけである。
 勿論、理性を失ってモリガンを犯そうとすればその瞬間に思考回路はおサルになり、腹上死は免れない。勿論、彼女に
心を開かせすぎて誘惑させてしまってもアウト。だからと言って、嫌われれば「三日坊主」という言葉が服を着て歩いて
いるようなモリガンのことだ。立ち会ってもくれまい。板子一枚下は地獄、素麺の糸と蒟蒻の針で豆腐を縫うほどの緊張感
に満ちた依頼こそが、今回の「お仕事」だったのである。

「もういいわよ、カラミティさん」
 おっと、筆者が文章力の無い人の典型例のような説明をしているうちに着替え終わっちゃったようである。カラミティは
眼窩から勢いよく指を引き抜き、そのまま口元へと眼球を誘った。そして優しく口を開き、二つの珠玉を嚥下する。
 直後、目の再生が開始し、数秒も持たないうちにカラミティの眼窩にムリムリと眼球が戻っていった。
「すっごいわね…ヴァンパイアみたい」
 引かれるかと思いきや意外にも好評だった隠し芸に小さく息を吐き、カラミティは顔を上げ、爽やかに返事をする。
『いえ、こんなの大したことじゃホゲエ!!』

 その瞬間、カラミティは再び絶叫した。
 眼前にジョジョのワンシーンのようなポーズで屹立しているモリガンは、臍のすぐ上以外の全てのボタンを解き放ったワイ
シャツに、尻が半分以上見えている激烈ローライズの革のズボンという、まあ要はレイプしてくださいと言わんばかりの
扇情的な衣装を身に纏い、それはそれはあくどい流し目をしてこちらを見下ろしていた。
「いやー、私服ってこれしかなくて」
『そそそそそうですかいやあ素晴らしいですよハハハハ』
 直視すればその時点で理性の糸に大鉈がブッツンだ。千人斬り同然の自分でさえこれなら、一般人ならばショック死して
いるのではなかろうか。焦点をわざとずらして部屋の中の本棚や人形(あんまり可愛くない)に意識を集中させつつ、
カラミティは高鳴る激情を必死で抑えていた。
「どうしたの? 速く行きましょうよ」
『そ、そうですね。では参りましょうか』
 すっくと立ち上がり、決してそれより下を見ないように全身全霊で彼女の瞳を睨みつけながら、カラミティは呟いた。

『…まずはブティックに』
「なんで?」
 首を傾げて問いかける姿は、反則的なまでにあどけなかった。


                                              【続く】

4:名無しさん@ピンキー
14/12/28 14:46:34.48 oY52Wtwe
「あうッ…くぁ……イヒぃぃぃっ!」
深緑色の髪と若草色の肌、そしてこの世全てのオスが思わず前屈みにならずにいられない宝具級のエロティカル
ボディを持つ妖艶な美女が、腰に生やしたトゲ付き触手で顔に横一文字のキズを持つ、スレンダーながら均整の
とれたプロポーションの黒髪の美女を鞭打っている。
激しく猥褻なデザインの生体装甲を纏った緑の美女は牧場製オシリスシリーズの一体、最も淫らなセックスプラ
ント、オシリス・ハードコア。
そして鞭打たれつつも悲鳴の中に明確な愉悦が混じっている疵顔の美女は、一般人の生活が中世レベルなのに平
然と登場する光線銃やパワードスーツや生物兵器のつじつま合わせを<帝具>の一言で済ませてしまう世界で
捕獲された、皇拳寺羅刹四鬼という凄そうな肩書きを持ちながら大した見せ場もなく退場してしまった女拳法使
いのスズカだ。
「はひ、ひぁン…うふぁ、ぁ…もっと、もっとおぉぉッッ!」
白い肌に無数の蚯蚓腫れを刻まれながらも、恍惚の表情で均整の取れた裸身をのたくらせ、喜悦の声をあげる続
けるスズカ。
一見すると牧場の備品である植物兵器(笑)が牝畜を一方的に責めている光景だが、仔細に観察すれば、触手鞭
の軌道を見切ったスズカが自身の望む場所を打たせていることがわかる。
ヒュンッ!
風を切って触手が唸る。
0. 7秒前まで尻を打たれていたスズカは年季の入ったストリップダンサーの動きで身を翻し、膝立ちの姿
1. 勢で
2. 背筋を反らすと、唸りをあげる鞭の前に大きくも小さくもないバランスのとれた美乳を差し出す。
バチィィン!
「はひっ!くぅぅンッ…凄い、スゴイのぉっ!!」
痙攣とともに大きく開いた股座から、黄金色の噴水が噴き上がる。
「はぁぁぉぉンッ!ソコ…気持ちいいですぅっ!」
いきなり襲いかかって来た身の程知らずの牝畜を返り討ちにし、裸に剥いて即興のお仕置きプレイに及んでみた
ものの、仕置きどころか悦んでいるとしか思えない。
打たれれば打たれるほどにヒートアップし、被虐の快感に咽び泣くスズカの狂態を延々と見せつけられていうち
に、ステージ上でそのドSっぷりを如何なく発揮し、一部で最終鬼畜女王様植物とまで呼ばれるハードコアの方
がとうとう根負けしてしまった。
『はあ…もういいわ』
傷だらけの裸身を卑猥にくねらせる戦闘牝畜を容赦なくビシバシしていた触手をシュルシュルと巻き戻し、深い
スリットからむっちりしたフトモモと思わずむしゃぶりつきたくなるような尻たぶをチラ見させるスカート状
の葉の下に収納する。
「あぁ、そんな殺生な…でも、そういう放置系のも好きかも……」
全身の穴という穴から汗と涙とヨダレと愛液を垂れ流し、格闘家らしく引き締まっていながら女性的なまろやか
な曲線をもしっかりと保持している美尻をクネクネと揺らしながら、うわ言のようにつぶやくスズカを見て、ハ
ードコアはガックリと肩を落とす。
今にもいかりや長介がフレームインしてきて「だめだこりゃ」と言いそうだ。
そう、スズカの本性はドM。
圧倒的な暴力に蹂躙される悦びを求めてひたすら強者に挑み続け、気がつけば精鋭(笑)羅刹四鬼の一人に数え
られていたという生まれついての被虐体質なのだ。
牧場に入荷してからは、比較的自由な行動が許されている戦闘牝畜であるのをよいことに、これはと思ったスタ
ッフや戦闘牝畜仲間を襲撃しては返り討ちにあって悦んでいる。
そのスズカが、最近なぜかハードコアにご執心なのである。

5:名無しさん@ピンキー
14/12/28 14:56:48.66 oY52Wtwe
『あのねえ、アタシなんかにつきまとわなくたってもっと強い奴がいくらでもいるだろう?』
性交特化型であるハードコアの戦闘力はそれほど高くない。
その戦力差はカラミティをケンシロウとするならば、ハードコアは対戦相手すべてを三分以内に倒してきた名も
無き修羅くらいだ。
付き合ってられないとばかりにやたら色っぽい溜息をつくハードコア。
その退廃的な美貌を絶頂冷めやらぬ潤んだ瞳でじっと見つめていたスズカが口を開く。
「確かに、ジャギ様の秘孔責めも、レオパルドン様の膣内零距離射撃も素晴らしいですわ。」
でも-と言葉を区切り、スズカは妖しい笑みを浮かべる。
「ハードコア様、貴女は他の方々とは違う」
暗殺拳の使い手ならではの警戒心のスキマを掻い潜る動きでハードコアの間合いに“ぬるり”と入り込む。
「私には分かります、貴女様は私の同類…」
至近距離から見つめるスズカの眼光は、ハードコアの眼球(のように見える器官)を通して、心の奥底まで透視
してしまうような得体の知れなさを感じさせる。
『ば、馬鹿なことお言いでないよ…このハードコアが虐められて悦ぶヘンタイだって?冗談じゃn―』
下手な刃物より切れ味鋭い女拳法使いの指先が、ムキになって否定する植物の唇に優しく押し付けられる。
すると本人としてはあくまで口で喋っている感覚なのか、実際に言葉を発していた携帯電話の方もぴたりと沈黙
してしまった。
「あのビデオ、拝見させていただきました」
それはいつぞやのステージで朧と赤夜萌香とエヴァンジェリン山本を勢い余ってヴラド6世してしまったあと、
ショーをブチ壊した罰として牧場特製強姦マシンにかけられ72時間マラソンレイプの制裁を受けた時の映像
記録だった。
DVD化されておらず、中央管理棟のメインサーバーにしか存在しないはずのその映像は、サイバー関連の要職
にある某職員の手によって密かにコピーされ、あちこち転売されり又貸しされたり借金のカタに差し押さえられ
たりしたのち、最終的にギルス・ヴェダイのパソコンのハードディスクに収められたものを、褥を共にしたスズ
カが閲覧していたのだ。
「思い出してください、あの時のときめきを…」
スズカの言霊に誘導され、ハードコアの自我は無意識の領域の奥底のそのまた奥底まで沈降していく。
あの時-
オシリスとしての機能の全てを封印され、冷たいマシンに拘束され、機械仕掛けの男根に穴という穴を掘り返さ
れていたときに感じていたもの。
それは苦痛、それは恐怖、それは無力感、そして、そして――歓喜!
「あ…あぁ……」
ハードコアの黄金の瞳が一杯に見開かれ、全身がワナワナと震える。
「そう、それでいいのです。自身を偽ることは健康的ではない」
目にも留まらぬスピードで繰り出されたスズカの手刀が、ハードコアの淫乱極まる肢体を覆う生体装甲-実際に
は装甲とは名ばかりでその強度はラバーのボンデージスーツ程度である-を切り裂く。
女拳法使いの細いが強力な十本の指が、植物のつんとして挑発的な胸果実をギュッと握る。
『あぁン!むねっ、千切れちゃ……はゥゥんっ!』
激しく身悶えながらもハードコアは、自分スズカの唇を吸い、舌を絡めていく。
それから2時間16分にわたってハードコアのお気に入りの場所である職員宿舎わきの花壇の植え込みの陰で、
淫らな水音と快楽に酔い痴れる声が響き渡ったのだった。

その後のハードコアはやたらとカラミティにちょっかいを出しては手ひどく痛めつけられて、それでもなぜか幸
せそうな様子だという。

6:名無しさん@ピンキー
14/12/28 18:51:08.65 XAAIern8
>>4-5
また山本が死んどるwww
まあ原作では死なせられない理由があっただけでほぼサンドバックだったけどさww

しかしケンシロウと砂蜘蛛ってまた微妙な例えですなあ
虎と狼くらいってことっすかね

7:名無しさん@ピンキー
14/12/28 19:09:33.85 oY52Wtwe
「この国では元斗皇拳など知らぬ!通じぬ!」の人じゃなく
「俺は男を選んで戦ってきた!」の人にヌッ殺されてた人っス

8:『EVERGREEN ep.3』 ◆MsIhShA4mM
14/12/29 01:25:27.05 RHGfDhgR
>>3

「ねぇ。少し気になったんだけど」
『はっ、何なりとご質問なさってください』
 買ったばかりのブルーのカーディガンを身に纏い、モリガンはカラミティに問いかけた。
「オシリスの肌って緑色でしょ。なんで人間の町に来て怪しまれないの?」
『それは光学偏差装置のおかげです』
 そう言ってカラミティは、首から提げていたペンダントを手に取り、モリガンに見せつける。
『目は対象が何色の光を反射しやすいかにより、その色を識別することが出来るのです。例えば人間の目には赤色受容体、
 青色受容体、緑色受容体があるのですが、このペンダントに仕込まれた光学偏差装置は光の反射を狂わせ、通常とは
 異なったカラーを周囲の目に見せることが出来るのです』
「なるほど、つまり色自体は変わってないけど、見え方が変わって見えるから貴方が肌色の肌をしてるように見えるわけね」
『ご理解いただきありがとうございます』
 ぺこりと頭を下げる中、カラミティはモリガンの本質を感じ取った。
 見かけの余りのエロスに惑わされそうになるが、彼女は極めて知的な存在なのである。それもガリ勉ではなく、類稀な
好奇心とゾウガメレベルの長寿に裏打ちされた純粋な智によるものだろう。周囲を見回し歓声を上げるさまは、まるで
小学生のようだ。世間知らずではないのだが、こうやって外出すること自体が珍しいのだろう。
(まあ人のことは言えぬがな)
 胸中で独り言ちて、カラミティはモリガンに次の目的地を告げた。



「うわー凄い…海を切り取ったみたい」
『そんなに顔をガラスにつけてはいけませんよ』
「だって近くで見たいし…あ、あっちに電気ウナギだって」
『変なの好きなんですね…』


「えいっ」パコーン ティラリリッテローン
『10球連続HRですね。さすがです』
「カラミティもやってみたら?」
『そうですね…では』ブンッ


『しくじった…まさかバックボードを貫通するとは…』ヨット ポチャーン
「ふふふ、イイモノ見せてくれてありがとね」
『Sですねえ…ところで、竿がたわんでますけど』ピクピク
「あ、かかった! うふふ、こんなにビンビンにしちゃって…」グイグイ


「見て見て、チャイナドレス!」
『ぐっぼへあああ!! 何やってるんですか!』
「この中華料理店コスプレしたら半額だって言うからやってみたの。ねぇカラミティ、ど・う・お・も・う?」バシーン
『そんなところでケチらなくてもいいんですって! 早く包子食べに行きましょうよ…!』ガラガラ

9:『EVERGREEN ep.3』 ◆MsIhShA4mM
14/12/29 01:28:14.82 RHGfDhgR
>>8

「遊園地ってやっぱり人間向けでしかないのね」
『空を飛べるモリガン様からしてみれば絶叫マシンのスピード感も日常的なものですしね』
「ま、ゆっくり楽しめるってのは面白いけどね、観覧車とか」
『向こうにありますけど乗ります? あ、空き缶は捨てておきますよ』


「見~か~け~じゃなくて~~~心を抱いて~~~♪」ガチャッ アノーゴチュウモンノシナデスガー
『ああ、おにぎりにサンドイッチにフライドポテトだ。そこに置いてくれ』
「君に恋し~~た~~~♪ モ~ンスタ~ア♪」
『つーかなんでJ-POPなんですか、それもジャニ』


「うわぁ、オ○ズがラ○ダーマンに一撃でやられた!」
『チー○バ○スタが見たかったんだが…』
「きゃあ、ア○ゾーン!」ビィッグゥ プリーズ ケケケケーッ
『うおっ、ウィ○ードえぐっ』


 二人が映画館から出てきたころには、だいぶ日も傾いていた。
「次はどこに行きましょうか」
『そうですね…予約していたレストランはやや遠いですし、そろそろ向かいましょうか』
「それもそうね」
 ニッと笑みを浮かべてこちらを見つめるモリガンに、カラミティは本日98回目の回避行動をとった。本当に今までレイプ
しなかったのが奇跡に近いと彼は内心で思っていた。ハードコアと散々打ち合わせしたデートプランも、中々捨てたものでは
ない。
 そんなことを考えていると、突然大きな風が吹いた。
「きゃっ」
 春一番にしては遅い突風だった。可愛らしい悲鳴を挙げるモリガンにカラミティは言葉をかけようとした。
 だが次の瞬間、カラミティは低い断裂音を耳にした。
『あ…』
 危険を伝えようとするカラミティだったが、目線を提げるや否や言葉をつぐみ、小さく息を吸い叫んだ。

『伏せろ!!』

「えっ…」
 不意に聞こえた命令に、モリガンは手早く従い腰を下ろす。
 直後、カラミティは両腕を振り上げた。
 瞬間。
 彼を中心に轟音が響き渡り、爆風が土煙を巻き起こす。
 煙が晴れた後には、飴の様に捻じ曲がった鉄柱を突き上げた両腕で支えるカラミティと、幾重にも罅割れた石畳が映し出された。

10:『EVERGREEN ep.3』 ◆MsIhShA4mM
14/12/29 01:32:37.12 RHGfDhgR
>>9

「…えっ」
 唖然とした様子で、モリガンはすぐ右隣のビルの屋上を見上げた。クレーンの先からは、カラミティの真上に落下した鉄骨に
巻き付いたソレと同じ色のワイヤーが、力なく垂れ下がっていた。
「……」
 今の数秒間の間に行われたことを瞬時に理解し、モリガンはへたり込んだ。
 もし一人で歩いていたら。もしカラミティの言葉に従っていなかったら。
 ありえたかもしれない暗黒の未来を想像し、彼女の全身からどっと汗が流れ落ちた。
『ここは危険です、離れましょう』
 文字通り腰が抜けた彼女の耳に、口早にカラミティの声が飛び込んだ。ゴクリと生唾を飲み込んで、よろめきながらも彼女は立ち
上がり、カラミティの方を見やる。
 そこには、いまだに煙を上げる掌と、斜めに曲がった腕が突き出されていた。
 恐れながらもその手を握るうちに、モリガンは気づいた。
(もしかして、今日初めて手を繋いだんじゃないかしら…)
 走り出したカラミティに合わせ、モリガンは歩を進めた。
 

 その頃、四方八方に罅割れた石畳の中央に刻み込まれた二つの足型のすぐ近くから、小さな天道虫が飛び立った。

                                                       【続く】

11:名無しさん@ピンキー
14/12/29 02:05:55.24 v3X9M2dh
>虎と狼くらいってことっすかね
むしろティラノサウルスvs野良犬ぐらいだろうな

12:名無しさん@ピンキー
14/12/30 08:14:37.71 AZJcuFFT
ろくでなし子は置いといて↓
年越し前にとんでもないことやらかした結果
奇跡が起きた!
ワイルドだろぉ

dakk(感&&激)u★n.net/c11/1230junko.jpg

(感&&激)と★をワイルドに消し去る

13:名無しさん@ピンキー
14/12/30 17:49:23.36 ZqumtlvZ
「ん…あはぅっ、ふ…ひゃひィ…ッ!」
薄紫のロングヘアになにやらサイバーなヘッドギアを装着した長身の美少女が筋肉質な巨漢に跨り、一心不乱に
腰を使っている。
「はうっ、クっ…ふわ、ぁああ……」
ド派手な傷跡を顔に刻んだコワモテはぶっとい両手を伸ばし、平均的な成年男性よりずっと大きな手のひらから
もはみ出すサイズの二つの膨らみを愛撫する。
その指の動きはいかつい外見とは裏腹にじつに優しく、繊細ですらある。
「うふぁああっ…いっ、いい…気持ちいい、ですぅ……」
丹念に揉みほぐされた乳房からじんわりと、暖かな快感が少女の全身に広がっていく。
少女の名はセッテ。
狂気の科学者Dr.スカリエッティによって生み出された戦闘機人の第七番である。
そしてセッテのグラマラスな肢体を騎乗位で突き上げ、普段は機械的なまでにクールな美少女にメスの悲鳴をあ
げさせている疵面マッチョはもとジオン公国宇宙軍中将であり、現在は牧場第一親衛機甲兵団の指揮官を務める
武人、いぶし銀の魅力を放つ男の中の男、ドズル・ザビその人であった。
ソロモンで遺体を回収され牧場で再生手術を受ける際に脳を弄られたドズルは、平行世界で拉致された士官候補
生時代の妻と美しく成長した娘が同じ牧場の敷地内で客やスタッフ相手にギシアンしていることは当然知らな
い(というか目の前にいてもソレを認識できないよう魔術的処置が施されている)。
「ンはぁ…ッ!は…ぅああ……ッッ!」
ドズルのパワフルな突き上げに、たまらず昇天したセッテの我儘ボディが前のめりに倒れてくるのをそっと受け
止め、ドズルは愛液に濡れた秘裂から戦闘機人とはいえ少女がその身に受け入れるにはいささか大きすぎる己が
怒張を牝畜を気遣いながら慎重に引き抜く。
そして「他愛無し」とばかりに未だ衰えを見せることなくギンギンにエレクトしている肉欲棒を鎮めるには更な
る性交が必要であろうと判断し、ベッドの横で自慰にふけっていたスズカを手招きする。

「は、はあん、んっんうぅうっ……!あふっ、お…大きすぎる…だがそれがイイッッ!」
後頭部で纏めていた鴉の濡れ羽色の髪をバラバラに振り乱し、ふくよかな双球を揺らしながらあられもない声を
張り上げてあえぎ悶えるスズカ。
拳法家として鍛え抜かれた肉体を持つとはいえ、スレンダーな肢体の和風美女にノーメイクで「フランケンシュ
タイン」の主役を演じられそうな巨漢がのしかかり、バックから責め立てる様はセントバーナードに強姦される
チワワを見るようであった。
そこに空間モニターが開き、スズカの尻を抱えたドズルの頭上にオーナーの顔がクローズアップで現れる。
「なんだオーナーか、でかくてあくどい顔の自慢ならまたにしてくれ」
『顔のことをとやかく言われる筋合いはありませんよ、特に貴方には』
何気に失礼なオーナーである。
「で、要件はアレか?」
『そう、アレだ』
オーナーはコホンと咳払いをすると、観られていると知って一段と激しい乱れっぷりを見せるスズカの乳房を揉
みしだきながらパワフルな抽送を続けるドズルに精一杯真面目そうな表情を作って告げた。
『申請のあった派遣戦力の追加の件だが、諸般の事情により却下する』
「あのなあ、戦いは数だぞオーナー!」
腹立ちまぎれにズンと子宮の最奥部まで突き込むと、スズカの身体がビクンとのけ反り、悦びに満ちた甲高い嬌
声が迸る。
ドズルの怒りはもっともである。

14:名無しさん@ピンキー
14/12/30 17:50:28.42 ZqumtlvZ
彼の第一親衛機甲兵団は年明け早々にとある次元世界に侵攻する予定なのだが、そこは「インフィニット・スト
ラトス」と「トランスフォーマー・アニメイテッド」がクロスオーバーした世界であり、ISのみならずオート
ボットやワカモトロン軍団との交戦が予想される。
そこで用兵は大胆だが事前の準備は慎重なドズルが聖白蓮やエスデスといった戦闘能力の高い牝畜の派遣を上
申したのだが、彼が望んだハイレベルな戦闘牝畜は全て年末年始を牧場でしっぽりと過ごす大口出資者の予約が
入っていたのだ。
「今あるオシリス・ダガーでは足りんのだ!上の連中は現場の苦労を何もわかってはおらん!」
怒りにまかせてスズカの尻にガンガン腰を叩きつける。
他の牝畜ならもう少し相手をいたわるのだが、スズカは乱暴に扱えば扱うほど悦ぶのでドズルも自重しない。
「まだ何か用か?」
スズカの乳首をキュッと抓り、悩ましい嬌声を上げさせながらモニター越しに剣呑な視線を送るドズルにオーナ
ーは微笑みを返す。
『代わりといってはなんですか、こんなものを用意しました』
画面が切り替わり、モニターに映し出されたのは巨大な培養槽の中で息ずく凶悪な生命体であった。
『これぞ満を持して送り出す新年度の目玉商品、その名も<オシリス・ギガンティック>!』
それはG細胞と薔薇と人間のDNAを掛け合わせて生まれた某植物大怪獣の頭部にオシリスの腰から上を接ぎ
木しただけの、なんのヒネリもないシロモノであった。
「なるほど、見てくれは大層だが役に立つのかソレは?」
アンアンモウダメイクシヌモットモットとおめきのたうつスズカの女陰を抉りこむようにピストンしながらう
さん臭そうに問い掛ける。
一応上司なので逆らいはしないが、根が真っすぐなドズルは正直オーナーに良い感情を持っていない。
牝畜を含め配下を駒としか見ていないところは兄ギレンの同類だが、野心家だが独裁者としてのある種の潔さも
併せ持っていたギレンにくらべ、卑怯未練恥知らずと三拍子揃ったオーナーに対するドズルの評価はフンコロガ
シよりも低い。
『理論上は1体でリックドム700機分の戦闘能力を発揮するはずです』
自分が糞喰い蟲を見る目で睨まれているとも知らず、自信たっぷりに断言するオーナー。
「フン、要するに試作品の実戦テストだろうが。言っておくがな、初期不良の洗い出しも済んでいない新型がぶ
っつけ本番で大活躍するのはアニメか架空戦記の中だけだぞ」
もういい失せろと言い捨てて通信を強制終了したドズルはスズカの両腕を掴んでラストスパートにはいる。
「あうう…スゴイぃ……ハアハアっ…お、お腹一杯に入ってるぅ……ッ!!」
子宮の奥の奥まで貫かれる圧迫感がススカの心を猛烈な官能と陶酔感とで満たす。
「そら、熱いぞ!」
「ひい、ひいいいいいぃ――ッ、イクイクイクううぅぅぅ―――――ッッ!」
秘裂から溢れた精液と絶頂蜜を迸らせながら、スズカは長い長い艶声を響かせる。

その後捕獲作戦に投入されたされたオシリス・ギガンティック(初号機)は案の定技術スタッフの制御を離れて
暴走し、惑星そのものを侵食し始めたため大気圏外からの軌道爆雷攻撃で汚染区域全体を吹き飛ばした。
その際破壊がマントル層に達してしまったため惑星規模の地殻変動を誘発し、結局被害のみ多く捕獲数は正確に
ゼロという結果に終わったのだった。
その翌日―

「オーナーはどこだあぁぁぁぁぁぁッ!!」
背中にバズーカを背負い左手に120ミリマシンガン、右手に大型ヒートホークを持ち、腰アーマーにクラッカ
ーを格納したうえ両脚にミサイルポッドを装着した専用ザクで牧場に舞い戻ったドズルだったが、すでにオーナ
ーは宇宙戦艦ゲルガメッシュで長期出張に出ていたのだった。

15:名無しさん@ピンキー
14/12/30 18:07:32.98 ibzPkfYQ
>>13-14
元ネタは5巻巻末で田口先生が描いた「オシリスverイシス」かな?
それにしてもなんちゅう内容だwww

16:『EVERGREEN ep.4』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 00:54:09.79 58apOPjq
>>10

「このフォーク、欲しいわけ?」
『…は?』
 食事中にいきなり問いかけられ、カラミティは問い返した。モリガンはピコピコと小さなフォークを振った。その動作に
最初は首をかしげていたカラミティだったが、直後にその意図を知り、目を見開いた。
 その姿を見て「あはは」とモリガンは可愛らしい笑みを浮かべた。
『……いつから、お気づきになられたのですか』
「んー、カラオケボックスのあたりからなんとなくわかってたけど、今ので確信しちゃったわ」
『……』
「欲しかったんでしょ、私の体液のサンプルが」
 ニッと蠱惑的な表情でテーブルに肘をつき、モリガンは問いかける。カラミティは沈痛な面持ちで視線を下に逸らした。
水族館のガラス、バット、釣り糸、カラオケマイク、更に手掴みで食べるものばかりの食事、極めつけは空き缶…それら全てが、
彼女の汗や唾液を摂取するための素材でしかなかった。
 サキュバスの性フェロモンは体内のあらゆる分泌物から放出される。無論、常人ならばそれらに触れただけで正気を失い、
悪魔に憑かれたかのごとく性の情動に押し流される。牧場では彼女の排泄物や食べかすはクトゥグア星人とフレイムヘイズを
使って無理矢理焼却処分していたが、そのくらいしなければ当に牧場は彼女に乗っ取られていたことだろう。今回の『万能薬』
精製においては、性行為にもっていく前にカラミティの体組織をサキュバスの放つフェロモンに慣れさせておかねばならなかった。
カラミティは彼女の目を盗み上記の素材のなかにしみ込んだフェロモンを体細胞に取り込み、抗体を必死で作っていたのだ。
ハタから見れば恋人の持っていたバットや釣り糸を握りしめて一人悶絶しまくる変態彼氏にしか見えなかっただろうが、
当人にとっては死活問題だったのである。
 カラミティはちらりと横のガラス窓を見た。夜の帳と数多のネオンライトに彩られた窓には、探し求めていた宝物を見つけた
少女のような屈託のない笑みを浮かべる淫魔と、やるせない顔をした自分自身が映し出されていた。ため息を吐き、目を伏せて
カラミティはモリガンに告げた。
『正解です、私はその為に依頼されたのですから』
「そこはウソでもいいから違いますって言ってほしかったわ」
 フォークを置き、モリガンは手元のワイングラスを傾けた。こくり、こくりと喉が鳴り、小さく息を吐いてモリガンはグラスを
置く。
「…まあ、半ば隔離患者扱いされてた私の元にホストが来るだけでオカシイとは思ってたけどね」
『……』
 カラミティは更に口をつぐむ。
 別にあなたを攻めてるわけじゃないのよ、と念を押して、モリガンは更に独白した。
「今のままの私じゃ、商品価値は無も同然だしね。抗体が無けりゃただのギロチン台でしかないし、私の体は」
『ですが某は…』
「気を使わなくていいわ」
 跳ね除けたようにモリガンは告げた。

「貴方だって、私の体が勝手に虜にさせてしまったようなものだし」

『違う!!』
 ドンとテーブルをたたき、カラミティは立ち上がった。
 そしてテーブル越しにモリガンの襟首を掴んで持ち上げ、思いのたけをぶちまける。

17:『EVERGREEN ep.4』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 00:56:39.54 58apOPjq
>>16

『サキュバスだから好きになった!? バカも休み休み言え!! 某がそれだけで惑わされ、上からの命令だけで汝を両腕潰してまで
 守ろうとしたとでも思っているのか!! 自分自身をそんな一芸入試みたいに言うんじゃない!』
 その剣幕にモリガンは一瞬あっけにとられるも、すぐに歎息し告げた。
「でも貴方の私に対する想いは性欲が含まれているのではなくて? 完全に否定する根拠はないんでしょう?」
『…無い。だが、それだけでないのは確かだ』
「わかってるわ、そんなこと」
 そう言って、モリガンは優しくカラミティの胸板を押す。カラミティは無言で襟首から手を離し、拘束を解かれたモリガンは
椅子に腰を下ろして告げる。
「でも、サキュバスに生まれなければ貴方をこうも苦しめなかったってのは真実だと思うわ。まぁ、そうでなければ貴方とは
 出会えなかったけど」
 そう呟いて彼女は窓の外を見やった。
 牧場管轄下ではないこの町では、幾千幾万もの人々が幾千幾万通りの日々を過ごしている。「袖擦り合うも多生の縁」とは
よく言ったものだと思う。モリガンは宵闇をバックに鏡写しになった自分の顔を見据えた。自分でもすぐわかる程、無理な笑顔が
映っていた。
『某は…』
 長い沈黙を破ったのは、カラミティだった。
 携帯電話ではなくアダムの林檎にマイクを埋め込んだ牧場の科学班に苛立ちが浮かんだ。
 人間とほぼ同じ発声法を取るせいで、唇を噛む見苦しい癖がついてしまったのだから。
 声に応えてこちらを向くモリガンに向け、カラミティは胸中を吐露した。

『某は、貴女が好きだ』

 ごくり、とモリガンの喉が鳴る。
 
『サキュバスだからという事由も原因の一つには違いないと自認している。だが、某はサキュバスが好きなわけではない…!
 ただ一人の男として、貴女が欲しい。それは偽れない。絶対にだ』

 訥々と語り終えて、カラミティは眼前のカノジョの双眸を見据えた。

 今度の沈黙は短かった。
「ぷ…っ! あははははははは!! あっはっはっはははは!!」
『な、何が可笑しい!』
 急に腹を抱えて笑い出したモリガンに対し、カラミティは再び突っかかる。その笑い声は嘲笑ではなく、嬉しさを含有したもの
だった。ひとしきり笑ってからモリガンはグラスを傾けてワインを飲み干し、にっと微笑んで言った。
「いやいや、私相手にそこまで真面目に告白してくれたオトコなんて初めてだったから…! 別にそこまでしてきちんと理由付けて
 好きだって言ってほしかったわけじゃないけど、でもちょっと嬉しかったわ…」
『は、はあ…』
 言われてから急に自分の台詞が恥ずかしくなり、カラミティはボリボリと頬の十字傷に指を走らせた。その様子を見て、モリガンは
すっと手を突き出した。
 夕方の意趣返しと言わんばかりのそのジェスチャーに、カラミティは息を呑んだ。 
 重ねた緑の手を、白い指先がすっと優しく包み込む。 


「貴方の事、気にいったわ………しちゃいましょうか、オシゴト」

18:『EVERGREEN ep.4』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 01:11:35.99 58apOPjq
>>17

 冥府の神の名を冠するオシリスに、信仰する神は無い。
 オシリス全ての発明者であるヒッシャムも、カラミティを創った科学班も、ひいてはオーナーですら苦しい時に縋り付く気には
ならない。カラミティにとって、身を委ねる「神」に当たる概念はなかった。
 ひいて言うならば、太陽だろうか。
 どんな機能を有していようが、光合成を糧とする植物であることには変わりない。太陽はオシリス達、ひいては植物にとって
最もかけがえのない存在であり、絶対なる善の体現者だった。
 
『皮肉なものだ』
 天井を眺めながら、カラミティは小さく呟いた。
 太陽は無くてはならない存在であり、時には自らを苦しめる拷問の執行者となる。
 今隣室でシャワーを浴びている彼女は、形質的には太陽からは最も遠い生命体だろう。
 しかしカラミティにとって、彼女は太陽に思えた。その場にあるだけで死ぬほどの渇望を湧きあがらせ、それでいて掴もうとすれば
焼き焦がされ、全てを奪い取られる。まるで勇気一つを友にして、蝋で固めた翼で空に飛び立った英雄の様に。
 
 今回のサンプルの摂取は、牧場一の金食い虫であるモリガン・アーンスランドの解放を最大の目標としている。聞くところによれば、
今日だけで愛奴牧場の株価は大幅に上昇したと聞く。もし自分が理性を無くして木天蓼を与えられた猫になれば、自らが命を落とす
だけではなく、牧場にもかなりの損害を出すことだろう。
 …しかし、今はそんな大義名分は関係なかった。
 太陽の如き絶対的な強者である彼女に、真正面から戦いを挑みたかった。
 初めて目にした時の燃え上がるような激情とは異なる、穏やかな燈火が胸の奥に上がっていた。

 ざぱあ、と水から上がる音がした。

 誰から言われるわけでもなく、カラミティは枕元のライトを消した。
 

                                           【続くけど多分次で終わる】

19:名無しさん@ピンキー
14/12/31 21:17:41.84 ZOpkyyZ1
サキュバスと植物
すごい組み合わせた

20:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 23:46:23.34 58apOPjq
>>18

 ペタリ、ペタリとスリッパの足音がする。
 壁際に寄せられたベッドに腰を下ろし、そのままモリガンは横に倒れた。それから間をおかずに、カラミティは彼女の肢体を抱き
すくめる。ふぁさりとバスタオルが剥がれ落ち、一糸纏わぬ姿のモリガンをカラミティの両腕が包み込んだ。
(…なんという柔らかさだ)
 過去にマイク・タイソンの整体を行ったマッサージ師は、そのヒッティングマッスルがマリリン・モンローの体に匹敵するほど
柔らかかったと語っていたのを思い出した。人間より身体能力の優れた魔族でも、一流のファイターは強さとしなやかさを持ち
合わせている点に関しては変わらないのかもしれない。

「はぁん」
 気だるげな声が上がる。
 湯から上がったばかりの熱の籠った身体が、緑色の両腕に絡め取られる。やがてその腕は腹から胸へと上がっていき、子供の頭蓋骨
ほどもあるそのふくよかな胸に向かっていく。
「…っううっ、あっ、ああっ」
 一呼吸するたびに、モリガンの両胸がぐにゃぐにゃと歪んでいく。碧の10本の指の間から、途轍もない張りを持った淫肉が零れ、
同時に彼女の口から淡い吐息と嬌声が漏れる。このまま掌が張り付いてしまえばいいほどの感覚に、カラミティの全身が打ち震える。
(今までの某が犯してきた牝畜共はなんだったんだ? ただの肉の塊にしか思えない)
 普段は球根の中に隠している両脚を伸ばし、カラミティはモリガンの腰を挟んだ。幾重にも白と緑の脚が絡まり、当然彼女の腰には
カラミティのそれがグイと押し付けられる。
「はっ…あ」
 急に尻肉に走る熱い感覚に、思わずモリガンの顔にも血が上る。
 身をすくめようとするが、既に胸をわしづかみにされ、お菓子を作るかの様に力任せに揉みしだかれ続けている。全身を断続的に
襲うむず痒い快楽に負け、思わず目を瞑ってしまう。

 だが、先に快楽の虜となったのは、誰あろうカラミティだった。
 原因は汗腺にあった。生物の汗腺には、体温調節を司るエクリン腺と、ホルモンバランスを調節するアポクリン腺が存在する。
エクリン腺は上がりすぎた体の体温を気化熱で下げるために微量の塩と余分な水を放出するために全身に配置されているが、アポクリン
腺は脇や顔、股間などの限られた場所にしか存在しない。そしてアポクリン腺は、エクリン腺をはるかに上回る量の体内の分泌物…
すなわち、フェロモンを含んでいた。
 今回カラミティが昼間のデートで得たサンプル内の汗や唾液の中のホルモンですら、やっとこさ万能薬精製に使えた位である。
すなわち昼間必死でかき集めた素材で作ったなけなしの抗体では、モリガンのアポクリン腺から分泌される濃厚なフェロモンには
耐えられずにいた。
 もっと言ってしまえば、女性の体中のアポクリン腺の中で最も強大な部分は乳腺である。
 例えるならば、石鹸水で濃硫酸を中和できるか? と言うレベルの話だった。

(はぁぁぁっ、何なのだ彼女は…! やばいっ、もう一生セックスし続けたい…!)
 沸き立つ感情は、今まで経験したことのないものだった。
 元来カラミティは性欲の強い方である。ハードコアの作成データはカラミティのエロの部分だけを濃縮して作り上げたようなもので
あり、心の奥底には常に目の前の敵を屈服させ、犯し尽くすという貪欲な餓狼が牙を研いでいた。しかし、今はどうだ。まるで激流に
流される木片の様に心は荒れ狂うばかり。まるで麻薬でトリップしているかのように(実際にやったとすればすぐ万能薬で解毒して
しまいそうなものだが)、全身を電流が打ち据えた。その快楽は、客観的に見れば今まさにアンアン言っているモリガンの数十倍は
あるに違いなかった。

21: ◆MsIhShA4mM
14/12/31 23:53:01.99 58apOPjq
投稿中ですが、なんかエラーが頻発してます。
オチが年末じゃないと使えないんだよなー・・・投稿終了はたぶん来年になると思います。申し訳ございません。

22:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 23:54:16.10 58apOPjq
>>20
 どんな美女相手にも自我を失わないことでオーナーに認められたカラミティは、今や娼婦に身を委ねる童貞の少年のように頼りない
自我で暴れまわる心の手綱を握っていた。
(いかんっ、サンプルを、サンプルを得なければ…っ!!)
 本の中で仕入れた記憶によれば、腋の下がアポクリン腺の温床だったはず。
 軽く指で彼女の双丘の頂きに立つ桜を摘み、撫でさすりながら、カラミティはモリガンの左脇にそっと顔を寄せた。
「はあっ、あんっ! ああああっ!!」
 思考が炎天下に晒されるかのごとく焼け付くなか、カラミティは舌を伸ばし彼女の脇に口づけをした。

 瞬間。

『_______________________________________!!!!!!』


 活字にできないほどの大絶叫が、室内に轟いた。
 直後にカラミティは寝台から転がり落ち、顔を抑えて蹲った。
 血管に直接ジントニックを注射したほどの爆発的な快楽が、全身を痛めつけた。
「ちょ…っ! カラミティ!!」
 あまりの異変に、モリガンは瞬時に起き上がってかすかな光に照らされた人影に目をやる。ガクガクと震え続けるカラミティは、
全神経を集中して口腔の中に収められた数滴の汗を舐め続けた。
(解析しろ! 解析しろ! 思考を止めるな! 成分を一つ残らず解析し続けろ!!)
 体中を猫ジャラシで擦り上げられるような、凶悪な快楽から耐え忍びながら、カラミティは只管に抗体を作り続けた。
「お願いカラミティ! もういいの!! もういいのよぉ!!」
 泣き叫ぶような声と共に、モリガンはベッドから飛び降りた。
 その声が思考の爆弾に火をつけ、カラミティは獲物を見つけた鮫の様に声のした方に飛びかかる。
『あぁぁあああぁぁぁあ』
 喉奥の智慧の実は、言語解析をすることすら放棄した。
 暗闇の中でモリガンの顔を抱きすくめ、頬に唇を落とす。逆上した精神は糸で吊るしたかのように肉体を動かし、半開きの彼女の
唇を自らのそれで押さえつけた。
 触れた瞬間に、思考回路に大電流が流れ落ちる。初めて彼女を目にした時の数倍はあろうかと言う熱が、全身のありとあらゆる
細胞を煮えたぎらせていった。
「ん…っ、ふううっ、ずちゅううっ、ううっんっ…!」
 低い水音と共に、モリガンの儚げな声が漏れ落ちる。その間中、昼間の食事や空き缶とは比べ物にならないほどの濃度の唾液が、
カラミティの口蓋を満たしていく。余りに激しい快楽に溺れ、口腔粘膜や舌の表面の細胞が溶け落ちる。肉体が、性の情動の傀儡に
成り下がっていった。

23:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 23:55:24.63 58apOPjq
>>22

 耐えきれなくなって、ギュッとモリガンはカラミティの背中に爪を立てた。戦闘用とはいえ所詮は食用植物、100㎏以上の圧力に
耐え切れず、彼女の指はずぶりとカラミティの背中にめり込んだ。
 その微かな痛みで一瞬だけ自我を取り戻したカラミティは、モリガンを振りほどいて再び寝台に体を預けた。
『うがぁぁっ、はあっ、解析を…解析をぉっ』
 口元を手で押さえ、カラミティは成分解析を続けた。普段ならば煙草の灰が胸まで落ちるよりも早く治りそうな爪痕が未だに
紫の血を流し続けるほどに、カラミティは全ての力をフェロモン抗体の精製に費やした。
 電気を消していたのは正解だったと思う。彼女の姿が目に入っていれば、このまま彼女にバラバラに引き裂かれたとしても、
なおも雄蟷螂の如く縋り付いていたに違いなかったから。

「お願い、もうやめて」
 悲痛な声が、ホテルの一室に響いた。
『止めぬ…。某、は、続ける…義務がある…!』
 切れ切れになりながらも、カラミティはなおも喉奥から声を絞り出した。
 見えていないことは覚悟のうえで、両の手をついてモリガンは懇願した。
「もういいでしょ…それだけフェロモンのサンプルが取れたら、あとはぐっすり休んでれば万能薬だってできるでしょ!!」
『……』
 その可能性はあった。この状態でコクーン(下半身の球根の中に全身を埋めた形態、ちなみに作者が今考えた用語)に戻れば、
依頼の「万能薬の精製」は完遂できるかもしれない。だが、それはあくまで可能性の一つでしかなかった。
 だが、それで最強のフェロモンが含まれている愛液や子宮頸管粘液にも耐えうる強力な抗体を作れるかといえば、カラミティにも
確証はなかった。何のために万能薬を作るか考えてみれば、それらに耐えられないようであればそれは万能薬でもなんでもない。
故に、止まるわけにはいかなかった。
 だが…その接続詞は、正しくなかった。
『止めない』
 ようやく唾液の解析を終えて、まるで重病人の様に口を押えながらカラミティは宣告した。
『ここで終われば、某は汝の期待を裏切ったことになる』
「でも…!」
『済まぬ!!』
 再び野獣の素早さでカラミティはモリガンに飛びかかり、寝台へと引き上げる。作り出したばかりの抗体に満ちた口を彼女の口に
押し付け、すぐに離してツンとした細顎へ、そして首へと吸血鬼のように動いていく。あれほどまでに濃厚な唾液を摂取して作り
出した抗体を以てしてもなお、まだ焼けるような興奮が収まらなかった。
「あっ…やああっ!」
 重力に負けずツンと上を向いた乳房に口をつけ、まるで赤子の様にカラミティはモリガンの乳房を啄んだ。その間中、彼の腕は
モリガンのはち切れんばかりの肉感的な肢体を力強く揉み続けた。
『済まぬ…済まぬモリガン…!!』
 様、殿、さん、ちゃん、女史、ミス、マドモワゼル、フロイライン…いかなる敬称も付けることは出来なかった。裸のままの彼女を、
ただカラミティは渇望していた。口がふさがっても喋れるのは我等オシリスの特権じゃな、などとだめあねはノロけていたが、今に
なってそのことが思い出されていた。
 カラミティの左手が彼女の乳房を、そして右手が尻へと移る。
「ひゃああああああんっ!!!」
 尻肉から蟻の門渡りへと指先が伸び、カラミティはその奥へ奥へと指先を走らせる。
「だめ、死んじゃう! 死んじゃうって!!!」
 叫ぶ声は、決して自分自身の危機を警告するものではなかった。

24:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
14/12/31 23:57:35.25 58apOPjq
>>23

 それに触れた瞬間、カラミティは生まれてから2年強の人生の全てがオーバーラップした。
 眼球が反転し、喉から割れんばかりの絶叫が響く。
 とっさに彼女の体から離れていたのは正解だった。熱すぎる快楽に耐え切れず、両顎に押しつぶされた32本の歯が粉々に破砕して
はじけ飛ぶ。全身がバイメタルの様に反り返り、体中の道管師管が破れて血流が表皮細胞を突き破った。
『があああああああああっ!!!』
 性ホルモンにより新陳代謝が異常化していたため、再生自体は速かった。だが、精神はそうはいかなかった。新たに歯が生え揃った
その口に、カラミティは右手を抜き手にして突っ込んだ。
 ブチイ、と果物を踏み潰したような音と共に、モリガンの愛液の染み渡った三本の指がカラミティの口蓋に満ちた。
『!!!!!!!』
 二本しか指の無い右手で口を押えながら、カラミティは声にならない叫び声をあげる。
 情報量は唾液の比ではなかった。ビタンビタンと陸に上げられた魚のように体を打ち震わせながら、カラミティは狂気の域に達した
激情に抗い、ただひたすらに解析を続けた。口の中で自らの指を咀嚼し、寝技をかけられているかのようにカラミティは跳ね回った。
余りの感情に耐え切れず、左手に握りしめた拳は指先が掌を貫通していた。やがてうつ伏せになり、カラミティは寝台に両肘をついた。
 ギリギリまでセーブしていた男根が、限界を迎えて精を吐き出した。
 人間よりも遥かに薄い臭いだったが、それでも十分にわかる異臭だった。
「もういいじゃない!! そんなの、苦しいだけじゃないの!!!」
 モリガンは叫ぶ。
 普段は相手が気絶しようが死のうが関係なしにその肉を貪り続ける悪魔が、処女の様に悲痛に懇願し続ける。
『…大丈、夫、だ…!!』
 ようやく回復をはじめた右手を壁につき、カラミティは語りかけた。
 最も濃いフェロモンを含んだサンプルを持ってもしてもなお、眼窩に映る世界がカフェオレの上のミルクの様に歪み続ける。
 風呂から上がってもう長い。彼女の全身から溢れ出る汗や唾液が、抗体越しにカラミティの体を蝕み続けていた。
 その圧倒的な力に屈し、ぐらりとカラミティの体がかしぐ。しかしその体がシーツにのしかかる前に、柔らかな肉の蒲団が割り込んだ。
モリガンの腕や上半身は、生まれたての小鹿のように震え続けていた。
「お願い…! もう帰ろう……帰りましょう…っ!」
 カラミティの体に巻き付くその腕には、幾人もの牝畜や竿師を絞り殺してきた万力のような力は残っていなかった。
「止めてよ!! 私満足したから!! もう、もう何もしなくていいからああ!!!」
『止めない…某は、死なない…!』
 息も絶え絶えにカラミティは言葉を紡ぐ。モリガンの肩に手を回し、彼女の体を掴んでカラミティは叫んだ。
『某は……』
 闇の中、煙草一本分も無い距離の彼女に向けて。 

  
                  『汝の……友達だから、だ……!!』


 植物兵器は、最後の感情を吐露した。

25:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
15/01/01 00:03:05.81 Jy6Fb3y/
>>24

 かつて研究所の設定ミスで、姉であるフリーダムへの憧憬が異常なまでに膨れ上がり、キラへ襲いかかった時。彼女の怒りを買って
再生が追いつかないほどにグシャグシャに叩き潰されたカラミティは、声すら出ない状態で自分に寄せられる人間たちの声を聴いていた。
 貴様の設定ミスのおかげで貴重な研究費が焼け焦げた、どうしてくれるんだ、こんな役立たずを作るために我々は出資したわけでは
ない、責任を取れ、殺処分にしろ、不必要だったのではないか、所詮はノリで作った兵器でしかないじゃないか、欠陥品をのさばらせて
おくほど愛奴牧場はヒマなのか、殺せ、欠陥品、欠陥品、欠陥品、欠陥品、欠陥品、欠陥品、欠陥品。
 培養液の中で体を取り戻しながら、カラミティは声を出すことも出来ずに哭いた。涙は培養液の中に溶け出し、一瞬で混ざり合った。
自分が所詮は牧場の操り人形に過ぎないことも、自分の信じてきたものがすべて偽りだったことも、カラミティは受け入れきれずに
泣き続けた。
 どんなに再生しても最初にフリーダムにつけられた頬の十字傷が消えなかったのは、あまりに深い悲しみと、自責の念のせいだった。
 息を吹き返し、再度現場に復帰したカラミティは、その憎悪を吐き出すかのように町を焼き、抵抗する者たちを叩き潰し、泣き叫ぶ
女どもを貪り続けた。2年前のクリスマスイブでのアレクサンドリア戦役では戦艦五隻を撃墜し、クレイラの幹を取り込んで最大250m
まで伸ばした130本の触手でアレクサンドリア兵を貫いた。2か月後のバレンタインではからかいに来たハードコアに逆切れして襲い
かかり、触手一本に至るまで犯し尽くした。
 戦場で狂えば狂うほど、かつて侮蔑と怨恨を向けていた牧場のスタッフたちは狂喜乱舞した。反吐が出そうになりながらも、
カラミティは闘い続けた。
 彼女の存在を知らされたのは、嵐の海のように荒れ狂っていた心が、少しは落ち着き始めた時だった。
 自分が作り出されたのとほぼ同時期に入荷されたモリガンは、そのあまりの強さと美しさから、商品価値すら付けられることは
なかった。拷問を受けても泣きも叫びもせず、もっと精をよこせと地獄の底で水に半身を漬けるタンタロスのように貪欲に嗤う彼女は、
二次元牧場という概念から最も遠い存在だった。
 強いだけで、何も持ち合わせていなかった自分と。
 強すぎて、他の全てが打ち消された彼女は。
 コインの表と裏のように似通った存在だった。


「っ…」
 肩に手を置いて、モリガンは震える声を漏らした。
 ポトリポトリと、光の無い部屋に二つの雫が落ちる。
 悪魔が、泣いていた。
『なぜ泣く』
 ぐっと歯を食いしばり、カラミティの喉奥から確固たる声が漏れる。 
 モリガンは大きく息を吐き、声をあげた。

「これ、以上、やったら…ほんとに…火が…付くから…!! 貴方を殺しちゃうからぁ…!!」

 泣いたのは、何百年ぶりだろうか。
 牧場に入ってどんなに性行を重ねても決して流れ出さなかった涙が、堰を切ったようにあふれ出した。
 自分よりも大事な他人のために流す、最初の涙を、彼女の瞼は抑え込むことが出来なかった。

26:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
15/01/01 00:05:41.08 Jy6Fb3y/
>>25

 あとはもう滅茶苦茶だった。子供のようにわあわあと泣きわめき、モリガンはカラミティに縋り付く。頬を寄せ、カラミティは彼女の
身体を優しく抱きしめた。
 顔をそっと横に向け、カラミティは彼女の頬に優しく唇を落とした。
 まるで挨拶のような優しいキスだった。
 それでも、今までのあらゆる愛撫よりずっと熱かった。

 瞬間、カラミティの体に戦慄が走る。
 今まで押し寄せていた怒涛の快楽が消え失せ、体の芯がジンと熱を帯びていく。
 突然の変わりようにカラミティは一瞬体をこわばらせたが、すぐにその原因を理解した。
 腕を緩め、カラミティは頬から口へと唇を動かす。
「…!」
 先ほどの食い殺さんばかりの熱い口付けから一転した柔らかな感覚に、モリガンが目を見開く。
 ふっと口を離し、カラミティは腕を伸ばして電気スタンドを付けた。
(やはりだ…)
 薄明かりに照らされた彼女の一糸まとわぬ姿を見ても、カラミティは狂うことがなかった。
「え…っ」
 何が起こったかわからずに目をぱちくりさせるサキュバスに、青年は優しく微笑んで告げた。
『我等オシリスを作り出した錬金術は…「見えざる水銀」「触れざる硫黄」「魂の塩」の三つで構築されている…』
 心の中で、疑惑は確信に変わった。

『貴方の「魂の塩」で、万能薬の精製が……完全に終了した』

 それが何を意味するか、モリガンが理解するのには数秒の時間がかかった。
 涙の理由が変わるのは、それよりもっと短い時間だった。
「カラミティィィィィ!!!」
 潤んだ視界に映し出された緑の人影に、モリガンは抱き付いた。
 屹立したそれを自らの腰でけん引しながら、モリガンはカラミティの口を塞ぐ。背中に腕が回され、二つの肉塊が胸板に挟まれて歪んだ。
確固とした自我と心で、カラミティは自らの肉体を操り、彼女を抱いた。
 腰が落され、モリガンの熱い肉壁を、カラミティの精棒が貫いていく______________。



† † †


『そりゃあ大変だったねえ…』
『フリーダム様に殺されかけた時の1000倍は辛かったな』
 そうぼやきながら、カラミティとハードコアは全身から伸ばした触手で十六夜咲夜と暁美ほむらの体をまさぐり続けていた。一週間もこんな
単純な仕事をしていれば飽きるものだ。3日目からは二人で2万回近いマジカルバナナをつづけ、5日目は卓球までしていたほどである。
 たぶんこのSSを読んでいる人の99%が忘れていると思うが、彼らは12月24日に種付けされた女性職員や戦闘牝畜の新年合同出産式を行うために、
咲夜とほむらを不眠不休で犯して働かせ続け、十月十日を1週間にまで縮めていたのである。
[ウォーッチ! 今何時ー!!? 11時~~!]
 やたらとハイテンションな時報が鳴り、カラミティとハードコアは触手を抜いた。ぼとり、ぼとりと咲夜とほむらの何の起伏も無い体が
崩れ落ち、そのままピクリとも動かなくなった。

27:『EVERGREEN ep.5』 ◆MsIhShA4mM
15/01/01 00:10:03.59 Jy6Fb3y/
>>26

『いやー2014年も終わっちゃったねー』
『だな』
 触手を収め、背を向けて二人は実験室を後にした。時間の檻から解き放たれた培養液の中の女たちは、やがて引き上げられて新たな命を生み
出すことだろう。そんなことをカラミティが考えていると、ちぃちょいとハードコアが肘をついた。
『ねぇねぇ兄さん』
『なんだ』
 かぶりを振って問いかけるカラミティに、ハードコアはにやりと笑って続けた。
『結局その後別れてからさ、モリガンとはヤったのかい?』
『ヤれねえよ』
 何のためらいもなくチョキにした指をハードコアの目ん玉にブッ刺しながら、カラミティは冷淡に告げた。
『モホロビチッチフレンゾクメンンンンン!!!』
 意味不明な断末魔と共に悶え苦しむハードコアに向け、ため息をついてカラミティは淡々と経過を語った。
 あの後結局万能薬のサンプルが科学班に渡され、生産が行われたこと。余りの激しいセックスの影響で、あの後自分が1か月近くに渡りEDに
なったこと。6月ごろ、ついに彼女との性行が解禁され、万能薬が超VIP会員に高値(1錠あたり金塊洗面器一杯分程度)で商取引されるように
なったこと。8月には休みが取れ、休暇に行った彼女の護衛を任されたこと。今は彼女は4か月先まで予約があること。自分の手の届くところ
には、決していないことなどを。
 ようやく回復したハードコアは、涙目でカラミティに問う。
『寂しくないのかい? 兄さんは、モリガンが大好きなんだろう?』
『ああ。大好きだ。愛している』
 全く恥ずかしがらずに、カラミティは言った。
『だが某は恋をしているわけではない。彼女を愛しているだけだ。独占したい気はない。阿奴が幸せならば、某はそれでいい。
 友達とはそういうものだろう』
『セックスフレンドって言葉をそんなかっこよく使ったヤツ初めて見た…』
 半ばあきれながらもハードコアは深く納得する。

「あっ、ハードコアにカラミティ」
『汝らまだいたのか』
 不意に掛けられた声に振り向くと、そこには牧場の誇る捕獲班三番隊の機甲師団長サマとその相棒の名を継いだオシリスが歩いていた。
『フリーダム姉さーん!』
 嬉しそうな声と共にハードコアはフリーダムの胸に飛び込む。過剰な愛情表現を行うのも、彼女の特徴だった。オオヨシヨシカアイイカアイイと犬を撫でるかの
ように頭をなでさするフリーダムの姿を見て、自然とカラミティの頬も緩んだ。
「カラミティ、これ」
 ふと声をかけられ、カラミティは振り向く。そこではキラが緑色の封筒を持ち、自らに向けていた。
『キラ殿、これは?』
「上から渡しといてって言われたんだ。誰かわかんないけど、手紙みたいだよ」
『年賀状なら明日出せばよいものを…』
 そう呟いて封筒を破り、中から手紙を引き出す。
 その文面を見た瞬間に、カラミティは歎息した。

『済まんな。汝ら、今年一年世話になったな!』
 言うが早いか、カラミティは駆け出す。
「あっ、ちょっと…」
 キラが問う頃には、既にカラミティは廊下の角を曲がっていた。

28:『EVERGREEN FINAL』 ◆MsIhShA4mM
15/01/01 00:12:17.94 Jy6Fb3y/
>>27


 寒風吹きすさぶ中、彼女は待っていた。
 月明かりに照らされ、コウモリを従えて、女は空を見上げていた。
 そこに影が割り込み、銀の光がさえぎられる。

 緑の髪と緑の肌を持つ二人は、寄り添いながら新年の到来を待った。

  エバーグリーン 
 染まらない緑は、月の光の下で輝いた。




                                             【終わり】

29:不自由なる風邪の人 ◆MsIhShA4mM
15/01/01 00:19:34.03 Jy6Fb3y/
あーん2014年が終わった!
ということで無事にEVERGREENも完結いたしました。
しかし長いなー・・・18レスもかかってやんの。それでいてエロは少ないしな。
個人的には第12牧場以来ほぼ出番がなかったこの金食い虫二人に日の目を浴びさせてやりたかったんですよね。
では皆さん、今年もよろしくお願いします。

あけまして、おめでとうございます!

30:名無しさん@ピンキー
15/01/01 21:13:31.07 EfrXwpE+
あけましておめでとうございます
大作お疲れ様でした
でも
欲をいえば
血のバレンタイン(紫色)のエピソードも
読んでみたいと
思ったり


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