14/07/10 14:23:39.20 IyabwrSP
「水本少尉、唐橋飛曹長、松本上飛曹、出頭しました」
「ああ…ご苦労さん…とまぁ、中島君…中島君」
老人が下がると、私達より背の低い……というか子供?
がてとてとと歩いてきた。
「えー諸君、よく集まってくれました。僕は鶴野敬(タカシ)
技術将校だけど階級は少佐なので、君達の上官になります」
えっへん…と言わんばかりに両腕を腰にあてる少年。
「ね、ね、ボク…どこからきたの?お母さんはどこかな?」
幼児をあやすように雪が言った。
この子供が上官とは思えない。思えるわけがない。
「失敬な!上官だと言っているぢゃないか!僕は少佐だぞ
お前より偉いんだぞ!水本少尉、部下の教育がなってないぞ!
とゆーか何か言って!」
そんなメゾソプラノな声で言われても迫力がない。
「海軍の人員不足はここまで深刻化しているのでしょうか?」
私は実に悲壮な顔をしていたのだろう、自称少佐は眉をつり上げていった。
「どういう意味だ!こら上飛曹!頭を撫でるな!」
雪に抱きつかれ、頬をふにーと伸ばされている少年を
尻目に唐橋飛曹長が老人問う。
「あの…失礼ですが、貴方が私達の上官なのでは?」
老人は皺のよった眼を飛曹長に向けた。
「ん?いや、ワシは整備兵長じゃよ?お若いの」
「ど、どうして海軍の制服を着ているのですか!?」
「んー…あ…これ、ツナギじゃなかったの?」
格納庫の奥から若い整備兵が汚れた整備服を持ってきた。
「整備長!ツナギじゃないですよ!ソレ!こっちに着替えてください!」
半ば痴呆が入り始めているの老人に子供にしか見えない将校。
私は、もしかしてとんでもない隊に配属されたのではないか?
と背筋が寒くなった。
続