俺の屍を越えてゆけでエロパロ2at EROPARO
俺の屍を越えてゆけでエロパロ2 - 暇つぶし2ch2:蛇と一族(1/6)
14/05/14 22:04:28.54 7zx7X7lp
保守代わりに俺屍2体験版をプレイしての妄想。蛇姦注意

*****

 女は夢の中にいた。
 女が存在するのは自分の家だ。庭に向かい大きく開け放たれた障子、走るときしきし
鳴る廊下、花を描いた屏風には梅雨時にコーちんが洗濯物をかけた痕がくっきりと残って
いる。女の暮らす光景だった。
 そこに。
 部屋の隅。障子の裏。廊下の向こう。うすぼんやりとした暗がりに。
 肉色の蛇がわだかまっていた。
 あるものはずるずると這い、あるものはじっととぐろを巻き、またあるものは柱に巻き
ついて瞳のない顔で女を見下ろしている。
 はくり、と蛇の口が開き、鮮やかな朱色の舌が空を舐める。
 足元を無数の蛇が這う感触を味わいながら、女は唯々声も発せずに蛇を見つめていた。
なまめかしい鱗がくるぶしを擦り、女の足の指を擦りあげては笑声の代わりの音を残して
いった。
 蛇に侵される家に身を置き、女はひとり立っている。

 誰かの泣く声がする。
 誰かの喘ぐ声がする。
 肉と肉の絡み合う、濡れた音がする。

 蛇の蠢く屋内に、女は、死んでしまった姉ふたりの幻影を視た。
 痣に侵される身体に厚く白粉を塗り“踊り屋”としてぎりぎりまで戦場に立ち、痣と
衰弱と蛇の淫夢に翻弄される自身とを隠そうとし、ひとり崩れていった、先代当主にして
上の姉の姿を。
 上の姉が死んだあと、頼るべき相手を失い、正気を失い、“死”の恐怖から逃れるべく
蛇の見せる快楽に溺れ、夢見心地のまま逝った下の姉の姿を。
 蛇の痣に全身を犯され死んだ、姉たちの姿を。
 ―姉たちを殺した、肉色の蛇を。

 蛇は“死”そのものだった。
 女の一族を犯す、一族の身に分かち難く沁み込む、“種絶”と“短命”の呪いそのもの
だった。

 あとからあとから湧いてくる蛇にゆっくりと絡みつかれ、頬に二股の舌を這わされ、
女はぼんやり我と我が身を眺める。
 背中に這う肉色の痣がじくりと熱を発した。


 大丈夫か。
 案ずる声色に目を開けて、女は抱かれたまま小さく頷く。逞しい胸板に頭を預け仰ぎ見る
光景は、交神の儀を始めたときと比べて特に目立つ変化もなく、つまり女が最中に意識を
飛ばしてから、余り時間は経っていないということだろう。下腹を貫いていた痛みと快楽
は、内を埋めるものが引き抜かれたこともあって我慢できる程度の鈍痛へと変わっていた。

3:蛇と一族(2/6)
14/05/14 22:05:45.29 7zx7X7lp
「うるさくしていませんでしたか」
 女が訊ねたのは、下の姉の晩年を思い出したからだ。
 昼も夜もなく終始うつらうつらとし、眠りながら死んだ上の姉を呼んではうなされ、目
を開いても姉を求めて泣くばかりだった。蛇の痣の浮く手を、もういない姉以外には―
自身の子にすらも―伸ばすことのなかった、可哀相なおんなの姿を。
 自分でも蛇の夢を見るようになって。ひたひたと迫る“死”の気配を感じるようになって
から、女もようやっと姉の狂態のわけを理解した。哀れだとも思えるようになった。けれど
“あんな風になりたくない”と思ってしまうのも事実だ。
 わたしは、泣いてはいませんでしたか。
 問う呪いつきの女に、男神は、いいや、と穏やかに答える。
 嘘かもしれないが、今はその気遣いが嬉しかった。
 眠気を訴えると、逞しい男神は再び女を胸に抱き入れた。春の土の温かさだ、と思った。
“短命”の呪いに侵される女が一度だけ体験した季節。今彼女を抱く神が言うところの、
何時か必ず訪れる季節のぬくもり。
 ―わたしの。
 ―わたしたちの“春”は、何時、来るのだろう。
 肉色の痣を纏う身体を神に預け、女は再び目を閉じた。


 蛇が絡みつく。手に、足に、首に、頭に、腰に、腹に、乳房に、脚の、間に。
 全身くまなく蛇で埋め尽くされて、女はぼんやりと虚空を見上げる。足元がおぼつかず
自分が立っているのか座っているのかも分からない。目に映る光景はどうやら自分の家
らしくはあれど、家の何処かと聞かれるとさて判然としない。自室のようでもあり、死んだ
姉どちらかの部屋のようにも思える。自分の目で見ているようにも、どちらかの姉の目を
借りて見ているようにも思える。
 何もかもがとらえどころ無く、曖昧模糊としていた。
 何処からともなく聞こえる嬌声混じりの泣き声も、どちらの姉のものなのか、見当も
つかない。
 ぐち、と、肉を割る感触。
「―う」
 女は微かに呻き、腰を震わせる。蛇の頭でこじ開けられつつある秘裂も震える。現実に
あった男神との“交神の儀”が夢での肉体にも影響を及ぼしたのか、女の肉は蛇を案外
あっさりと呑み込んだ。
 頭の膨らんだ部位で入り口を刺激され、伸びる舌でその周囲をとろりと舐め回されて、
女の腰は砕ける寸前になる。くねる蛇の胴体に、女から溢れた体液がひとつ、ふたつと
伝い落ちる。
「く、あ、ッ」
 ひくん、ひくんとしゃくりあげる柔襞を、蛇の舌がじらすようにねぶる。女の奥に熱が
灯る。じれったいような、じりじりと、焦げつくような。
 たった一月の間とはいえ、男神との交神で破瓜を迎え、一度ならずの絶頂を覚えた女の
肉は、蛇の嬲りに望まぬ反応を示し始める。
 じわり、と。女の目に涙が浮かんだ。
 馬鹿にされているようだった。“次”を託すべく子を得ようと神へひらいた、己が肉を。
そうまでしないと“次”すら残せない、呪いに侵された一族の逃れ得ぬえにしを。女の
願いに応えた、かの神までも。

4:蛇と一族(3/6)
14/05/14 22:07:24.21 7zx7X7lp
 悔しい。
 とても、とても、悔しい。
 夢で蛇に犯されるのは、もうどうしようもないこと。“種絶”と“短命”の呪いを解かぬ
限り、女の一族がヒトと交われず、二年ぽっちで死ぬことと同じく。
 長姉にして先代当主は、そうして。まぼろしの蛇に犯され、衰弱の内に死んでいった。
 長姉を慕っていた次の姉も、そうして。自ら幻に溺れながら、うつつで弱り果て死んで
いった。
 だから女も死ぬ。呪いに侵され、蛇に犯され、たった二年にも満たぬ生涯を蛇に喰い
千切られて死ぬ。
 きっと。女の“次”の一族も。
「く―う―ッ」
 女が背を仰け反らせる。絡む蛇が支えているので、床に倒れることはない。もしくは
最初から倒れているから、これ以上崩れることもない。
 そんな女の後孔に新しい蛇が潜り込む。男神にも許さなかった場所に、肉色の蛇が頭を
突き入れる。のたくる細い身体は締めつける出口の肉をきちきちと鳴らしかきわけ、湿る
はらわたへと潜った。
 女の喉から喘鳴が、瞳からは涙が零れる。
 ずるずるした気持ち悪いものが腹の中へと這入ってくる。逃れようと必死で肉を締め、
腰を揺らすが、そんなもので蛇が落とせるはずもない。じわり、じわりと昇り、埋め尽く
される感覚に、背筋がぞっとする。
「う、う……!」
 前に収まっていた蛇が蠕動する。入り口を擦り、充血しきった柔襞をちろちろ舐める。
朱く濡れた肉が蛇の舌に触れて甘ったるい快感が生まれる。
 けれど。足りない。それでは足りない。もっと奥を。もっとかたちのあるもので。
 ごりり。「―ッ?! っく、う―!」後ろの蛇が頭を振る。ごつりごつりと打つ
のは、腹の深いところ。貫く肉も蛇も無いまま震える、女の胎の裏っ側。
「うあ、っの、あ、ッ」
 欲しいところには届かず、触れられたくなかった場所はみっちり埋まり、薄い肉壁越し
の打擲に揺すぶられ空炊きの熱だけが高まってゆく。
 唯の呪いであるはずの蛇にいいように弄ばれる。肉だけでなく、命だけでなく、心までも
削り落とされる。
 ―そんなに、わたしたちが憎いの。
 叫ぶ。声は出ない。出ないまま、誰にも届かぬと知って尚、女は叫ぶ。
 ―そんなに、わたしたちが生きるのが気に喰わないの。
「あ、ッ?! あ゛ああッ!」
 絶叫。後ろから一気に抜け出る感触に、排泄にも似た解放感に薄暗い恍惚が弾ける。
ぬらぬらとした腸液を纏わりつかせた蛇は、抜け切る寸前でまた潜る。腸もこなれたと
見切ってか、先よりも大きく胴をくねらせて。先よりも深いところまで。柔らかな鱗に
削られる痛みに、腹の中が逆流する不快感に女は喉を反らせて高く喘ぐ。蛇に縛められた
身体がきしきし鳴る。
 蛇が笑う。何故。唯の呪いである蛇が哂う。何故。
 これが女の夢だからだ。肉色の蛇は女の視る呪いであるからだ。
 後孔を犯す蛇が潜る。潜る。「も―だ―」体内から伝わる圧迫感とごりごりと頭を
振る蛇の感触に脂汗を滲ませ、女が喘いだ刹那。
 視界が。白く。爆ぜた。

5:蛇と一族(4/6)
14/05/14 22:08:52.20 7zx7X7lp
 耳を刺す悲鳴―嬌声?―が自分のものだと気づくのに幾分か掛かる。
「ああ゛っひぐうああああ」
 “そう”と理解した瞬間。何故、自分が全身をがくつかせ絶頂に震えているのかを知った
瞬間、女はもう一度昇り詰める。
 胎が。みっちりと埋め尽くされていた。
 後ろだけではない。濡れてひくついていた秘所が、太い蛇の頭と銅で奥までいっぱいに
されていた。浅く嬲るのを止め一気に貫いてきた蛇が柔襞を擦り最奥を突き上げる。胎から
響く衝撃に吐き気と脳の揺れる感触と快楽とが全身を貫く。前の蛇がごりごりと子宮口を
こじるに合わせ、後ろの蛇も激しく動く。うつつであれば危険な位置まで、子宮の丁度
裏側まで潜り、胴体を使って擦りあげる。蛇が潜れば圧迫感が、引けば逆立つ鱗が脆弱な
腸壁を責める。気持ち好いのと痛いのと苦しいのと快いのとが爆ぜては混じり、女の内側
をどろどろに蕩かしてゆく。そこに蛇が再び萎えることのない肉色の身を叩きつける。
 終わらない快楽に女は唯々揺すぶられていた。一定して続く絶頂に、むしろ頭の芯が
肉体から切り離され冷えてゆく錯覚すらした。
 そんな、なか。
 胎の底で、新しい刺激が生まれる。
 蛇の舌。細く絞まった子宮口をつつく、柔らかな。突き上げられてすっかり蕩けたとは
いえ本来他人を受け入れるはずのない器官までをも犯さんとする、ぞっとするような。
「いッ、や、うぐ、うあ、やあ、あ……!」
 女が身をよじり叫ぶ。“種絶”の呪いに侵される一族だ、ここで子を孕むわけではない。
かの男神の胤がここに入っているわけではない。既に犯された肉と、何ら変わりがある
ものか。
 それでも。
 それ、なのに。
 長い舌が狭道をすり抜けた瞬間。女は。
「ふ、う、」
 視界が、真っ白に、爆ぜるほどに。

「ふざけるなァ―!!!」
 怒った。

 蛇がざわりとさざ波立つ。戸惑っている? 驚いている? まさか。唯の蛇が。唯の
呪いが。
 肉色の蛇を咥え込んだまま女は“怒り”に意識を集中する。分かっている。これは一瞬。
女が自身の意志を使えるのは、蛇の隙を突いたこの刹那だけ。その一度きりの機会を、女
は。
 膨れあがる“火”の気配に蛇がざわめく。女の身体の中、肉色の痣がざわめく。
「うあああああああッ!」
 肩が抜けても構わぬと力を込めた腕からぶちぶちと蛇が千切れ飛ぶ。“壊し屋”たる女
の、我が身を顧みぬ本気の一撃は、蛇の呪縛を引き千切り。
 “火乱花”の術を宿し燃え盛る炎が、内を犯す蛇ごと、女自身の腹を打ち抜いた。


 そこで目が醒めた。
「がっ……げほッ!」

6:蛇と一族(5/6)
14/05/14 22:10:06.93 7zx7X7lp
 下腹の激痛に女は布団の上でのたうち回る。「は、ははっ、は」その。やつれた頬に、
肉色の痣が浮かぶ顔に、満面の笑みが浮かぶ。
「はは、は、ざまあ、見ろ……!」
 あれは夢。蛇に犯されたことも、犯す蛇ごと我が身を焼いたのも、全ては夢の中のこと。
夢の苦痛は確かにうつつも苦しめはするが、全てを持ち越すわけでもない。
 夢の蛇だけを殺し、現実の自分は生き残る。女はそう読み、そして賭けに勝った。
 痛みに悶え脂汗を流し、女はひきつるように笑う。笑う。
 ぐったりとした女が意識を落とすのに、そうはかからなかった。

 女は夢の中に在る。
 無数の蛇が女を囲む。瞳のない無数の蛇が女を見ている。呪いの具現である肉色の蛇が、
女を冒そうと這いずり回る。
 女は。
「だから、」
 力の入らぬ身で。“種絶”と“短命”の呪いに犯され殺される身で。
「なに?」
 笑った。
 蛇もしゅうしゅうと笑った。女の愚かさを嘲笑った。
 ―だから、どうした。
 呪いたる肉色の蛇は女を犯すだろう。一族に掛けられた呪いは女を殺すだろう。
 ―だから、それが、どうした。
 どれだけ抗っても、どれだけ身を振り絞っても、結局は蛇に犯される。蛇の呪いは一族
を犯し続ける。呪われし一族は、蛇からは逃れられない。女も“そう”と知っている。
 蛇に喰われた姉と同じく。
 蛇に溺れた姉と同じく。
 ―な ら ば 。
「わたしが死ぬまで―抗ってやろうじゃあないの」
 なにものも宿さぬ腹に手を添えて。守るようにてのひらを当てて、女は高らかに宣言
した。

 上の姉は、蛇の夢を諦念と共に受け入れ苦しみを他人に隠したまま喰い散らかされた。
 次の姉は、辛いうつつから逃れるために蛇の夢に溺れ自ら蛇に肉を差し出した。
 末の女は、姉二人とは異なる道を往くことにした。
 それだけの、こと。
 誰も聞く者のいない誓いを立てる女へ、肉色の蛇が一斉に群がった。

 女の決断の愚かさは、彼女以外の誰かが判定するだろう。
 どうせ。人生の価値を思い悩むには、呪われし一族の生は余りにも短いのだ。


 ―これはうつつの話。
 二代目当主の臨終に際し、男は唇を真一文字に引き結んでいた。
 彼にとっては“当主”であるだけでなく、心を病んだ実母の代わりに母親役を務めて
くれた、大事な叔母であった。
 その彼女が、死ぬ。

7:蛇と一族(6/6)
14/05/14 22:11:51.25 7zx7X7lp
 実母と同じく、全身くまかく肉色の痣に侵されて、“短命”の呪いで、死ぬ。
 もう少し頑張ってください。呟く男は枕元に座り、己の膝を強く握り締め―「醜い
でしょう」
 声。
 叔母が男を見ていた。熱っぽく潤んだ瞳はゆらゆら揺れて焦点を結ばず、今にも解けて
消えてしまいそうだった。
「醜い、でしょう」
 なにを、と男は呻く。呪いの痣に侵された姿は確かに異質で、異形だ。けれど男は彼女
を醜いなどとは思わない。姿かたち程度で彼女への想いを変えたりはしない。
「醜いんだよ」
 なのに。彼女は笑う。晴れやかとも呼べる笑顔に男は混乱する。
「お前も、こうなるよ」
 痩せた手がそっと男に添えられる。乾いた感触。人間としては早過ぎる、一族にとって
は当たり前の“老い”と“死”がそこに在る。
「みんな、こうなる。どれだけ嫌がっても、頑張っても、呪いがある限り、わたしたちは
皆“こう”だよ。だから」
 死にゆく女は呪いにも似た文言を優しく紡ぐ。
「どう、視る、かは、自分で決めなさい」
 手を重ねる二人の元へ、ぱたぱたと慌ただしい足音が近づく。二つ。
「当主様ぁ!」
 部屋へ飛び込んできたのはイタチの耳を持つ少女、コーちんと。一族の世話役に手を
引かれやってきた幼子だった。
「当主様、かの神様から子を預かってきたよ。なんでもいっぱい食べるから、心配ないね」
 言って、コーちんは幼子を―当主の子を、枕元に座らせる。その顔はくしゃくしゃだ。
背を押された幼子は先に説明を受けていたのか、驚く様子はなく口をへの字に結んでいる。
 男は当主から手を離し、コーちんの頭を耳に触れないようそっと撫でる。間に合わせて
くれた礼、のようなものだ。ふえ、と、洟を啜る音が聞こえた。
「―ああ」
 当主の痣まみれの手が、我が子の頬を撫でる。
「来て、くれた」
 はい、と、それだけを必死で応える幼子の声は、きっともう届いてはいなかった。

「よかったあ」
 それきり。それだけ言って、当主の手が、落ちる。
 “死”だった。

 幼子は母親の死に面しぎゅうと口を結んでいたが、コーちんが「なんでだろ、鼻水が、
目から、止まんないよお」と泣きだすのを見て泣いてもいいのだと悟ったのか、わあわあ
声を上げ始めた。
 当主を継いだ男は小さな背中ふたつをさすり、自分は鼻の奥を刺す痛みを堪えた。
 蛇の痣に侵された死に顔は、男が今まで見てきたどの臨終よりも安らいでいる気がした。
掛け布団の上、そっと自らの腹を押さえるようにして置かれた手がやけに印象を残した。
 ―お前も、こうなる。
 ―だから。
 どう視るかは、自分で決めなさい。
 ―蛇と“どう”相対するのかは、自分で決めなさい。
「厳しいひとだ」
 呟いた拍子に涙が落ちそうになって、男は慌ててまばたきをした。
 死んだ女が、静かに横たわっていた。

8:蛇と一族(6/6)
14/05/14 22:13:38.54 7zx7X7lp
長々とスレ占領すまね。俺屍2楽しみです

9:名無しさん@ピンキー
14/05/15 02:23:31.16 gnfOFZjU
バーンとォ!>>1乙!
容量のこと気付かなかったよありがとう
あと蛇姦エロくて雰囲気もいいわぁ
前スレも神SSばかりで何度も読み返してしまう

10:名無しさん@ピンキー
14/05/20 09:59:48.94 PlbwUK/m
ほしゅ

11:名無しさん@ピンキー
14/05/28 02:54:48.40 MI8omt2z
ほしゅ

12:名無しさん@ピンキー
14/06/08 01:18:34.57 VhIzW9C5
どの作品も秀逸だからどっかに収蔵してほしいんだが
しばらくエロパロ板来てないうちに保管庫無くなった?404になってる

13:名無しさん@ピンキー
14/06/11 02:06:15.67 E8UQZD1A
1乙!
やっぱり俺屍エロパロはレベル高いと再確認したわ

体験版も満足
あとはもっと女の子かわいく作れるようになったら妄想が捗るのに…

14:名無しさん@ピンキー
14/06/17 04:07:56.37 +cCUj2ik
ほしゅ
七枝タケル様とナニをどうすればいいのか悩む一族可愛い

15:名無しさん@ピンキー
14/06/26 00:33:32.56 L8CxvvwZ
>>14
埴輪って素焼きだしそのまましたら痛そう
ローションだくだくでプレイするんだろうが、ザラザラのナニで中擦れてイッちゃうのだろうな

16:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:21:56.45 4MQlqFt4
・前スレに落とした雷電五郎×踊り屋娘の続編
・かなり間が開きましたが、俺屍2発売前に投下しようと思い完成させました

神域に一歩足を踏み入れると、若葉の香りを含んだ爽やかな風が感じられた。
壊し屋・お乱とその双子の姉が生まれた月、皐月の薫風は木々の緑をさやさやと鳴らし、来訪者を歓迎するように
心地良く頬を撫でる。
自らの手で解放した二柱の神の住処を交神のために訪れたお乱は、初めての景色に胸を躍らせながら歩を進める。
広大な庭園の中を歩き回り、屋敷が見えてきた時、どこからか吹いてきた一陣の突風が、お乱の蝶結びのたすきを揺らした。
淡緑色の風は一塊になって人の形を作り、それは見る間に額に角を生やし大きな風袋を抱えた壮漢の姿に変わった。

「待ちくたびれたぞ、お乱!」
「太刀風様っ」
「ほれ、わしに掴まれ! 屋敷までひとっ飛びだ」

空中に浮かぶ太刀風五郎は笑って手を差し伸べる。
お乱は顔を輝かせ、躊躇いもせずその大きな手を取った。



「あぁ、楽しかった~!」

再びお乱の足が地に着いた時は、既に夕刻近かった。
空を飛ぶなどもちろん生まれて初めてで、すぐ地上に降りてしまうのが勿体無く、太刀風五郎にねだって
何周も大空を飛び回ってもらったのだった。
風となって飛ぶのはたいそう気持ちよく、心行くまで空の散歩を堪能したお乱はご機嫌だった。
普通に歩いて行った方が早く屋敷に着いただろうが、そんな些細な事は考えつきもしなかった。

「全く、お前ここに何しに来たか分かってんのか? これでも期待してんだゼ」

苦笑する太刀風だったが、お乱の喜ぶ顔見たさに年甲斐もなくはしゃいで急上昇や錐揉み飛行を披露したのは
人の事を言えなかった。
自分の腕から身を乗り出し、横を飛ぶ小鳥に手を振るお乱の無邪気な様を思い出すと、
こんな娘が自分達を負かして解放したとは今でも信じられない。

「もちろん、これからいっぱいイイ事するんでしょ? あたしの交神の番になるのがずっと待ち遠しかったんだから!」
「ほォ、それじゃ確かめてみるか」
「きゃあ!」

小生意気な口を利くお乱をひょいと肩の上に担ぎ、豊満な尻をぱしんと叩いてやる。
露出の多い舞装束姿の姉と比べても負けたものではない、着物越しにも分かるはちきれそうな量感が
掌に感じられた。

「はははは、言うだけあってこりゃまた立派なケツしてやがるぜ」
「も、もう~! いきなり何するのよ」
「これだけいい尻なら子作りも十分務まるな」
「太刀風様の助平っ! すかんタコ!」

肩の上でじたばたするお乱だったが、笑い混じりの罵声のせいで心底嫌がっていないのが知れる。
屋敷に向かう二人を橙色に染めながら、ゆっくりと日が傾いていった。

17:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:26:32.81 4MQlqFt4
夜が更け、胸を高鳴らせながら太刀風五郎を待つお乱は、頬の火照りを冷まそうと閨の障子を開けて夜風に当たっていた。
一族の皆と離れ、こうして何をするでもなく一人でいると、今までの色々な出来事を思い出してしまう。
姉と一緒にイツ花に連れられて家に来た日の事、初陣の時の事、手強い髪を倒した事……
とめどない回想の最中、太刀風が閨に入ってきた足音に気付いて我に返り、お乱は少し照れくさそうな顔をした。

「何考え込んでたんだ? やっぱり交神やめとくってのは今更ナシだぜ」
「違うよ、太刀風様と初めて会った時の事、思い出してたの」

初めて九重楼で五郎達と戦った時、初陣で経験が少なく、まだ打たれ弱かったお絶とお乱は二柱の猛攻に
すぐさま瀕死になりやられると覚悟したが、仲間の回復が間に合うまで五郎達が攻撃の手を止めてくれた事を
お乱は懐かしそうに話した。

「あの時から五郎様達ってお優しいと思ったのよねー」
「……さァてな、そんな事あったっけ」

覚えていないのか誤魔化しているのか、わざとぶっきら棒に言って太刀風五郎はニコニコしているお乱を夜具の上に座らせた。
これからお乱と男女の契りを結び、明くる朝になれば儀式は成り、一月後には子が生まれるのだと思うと、自分でも
不思議な気持ちだった。
お乱を女として見ていないわけではなく、交わる前からあまりに親しい仲になり過ぎたせいで、かえって情を交わす事が
今更のように思える。

「太刀風様はどういう仕方がお好きなの? 本手? 茶臼? それともお口でするとか、おっぱいで挟むとか……」
「どれもお好きだけどよ、どっからそんな知識仕入れてきたんだお前ってやつは」
「ふふふ」

先に交神した姉から閨でのあれこれを聞いていたらしく、お乱は耳年増な事を言う。
先月の交神後、満足げな顔をしながらも足腰がフラついていた相棒の姿を思い出し、あっという間に成長する人間を
侮らない方がいいと太刀風は改めて実感したばかりである。
なにせ情交自体久しぶりなので、頭の中で手順を確認しようと記憶を手繰っていると、唐突にある女の姿が浮かび上がった。
記憶の中で妖艶に微笑む日輪の女神・太照天夕子は、掟を破った五郎達を九重楼に幽閉した張本人だった。
どんな女神よりも気高く優雅で、それと同じ位厳格な太照天夕子と太刀風五郎がかつて男女の仲にあった事は
天界でもごく一部の者しか知らないが、今回、太刀風が交神の儀を引き受けた事は当然夕子の耳に入っているはずだった。

(……すまんな、夕子)

人と交わるのも朱点を討つための計画のうちなら、昔の男にいちいち悋気を起こしてはやっていけないだろうが、
女神の女心を察し、太刀風五郎は心の中で夕子に謝った。
未練のせいで中途半端な真似をしたら、それこそ両方に失礼だろうと思い、腹を決めてお乱をまっすぐに見つめる。

「なあお乱、わしは幸せもんだな、天界に戻れた事よりもお前と契る方がずっと嬉しいって思……」

言葉の途中で、春風に舞う花弁よりも柔らかな感触が太刀風の口をふさいだ。

「!!」
「これがあたしの気持ちよ、太刀風様」

風の能力に長けたお乱らしい、相手の虚を突く見事な先制攻撃だったが、初めての接吻に彼女の心臓は破裂しそうだった。

「恥ずかしいけど……全部、見ててね」

呆気に取られる太刀風を前に、思い切って自らの手で帯を解くと、ふわりと夜着が足下に落ちた。
お乱は一糸纏わぬ格好になり、十分に成熟したその肢体を相手の目に晒す。
手を伸ばせば触れられる近さで、桜色の乳暈も初々しい、たわわな美乳が動悸に揺れている。
優美な腰の曲線につながる見事に張り出した尻は太刀風のお墨付きの通りの肉感で、まだ男を知らないとは思えないほどだった。
肉付き良く柔らかそうな太腿は、掌を押し返してきそうな弾力に満ちていた。
大槌を振り回すお乱の捲れた裾から覗く内腿は、露出の多い姉とは違う意味で目のやり場に困るのだった。
初めて触れてみると思った以上に肌理が細かく、しっとりと掌に吸い付いてくるような感触に、太刀風は思わずほう、と溜息を付いた。

18:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:29:32.64 4MQlqFt4
「全く、いい女になりやがって」

太刀風は高価な陶器でも扱うような手つきで、お乱の優美な肢体をゆっくりと布団に横たえる。
男の手で素肌に触れられ、反射的に身を固くするお乱だったが、吹き荒れる春の嵐のような愛撫に翻弄され、
生娘の身体が蕩け出すのに時間はかからなかった。
貝殻のように形の良い耳朶に優しく息が吹き込まれ、くすぐったさにびくりと震える。
初陣の時よりも緊張して強張っていた全身から力が抜け、次第に柔らかく、軽くなっていく。
今日はじめて知った、身体がふわりと風に包まれ浮き上がるあの感覚と良く似ていたが、それよりもずっと気持ち良い。
もっともっと高い所まで導いて欲しいと、お乱は太刀風の大きな手を握って指を絡めた。



姉から聞いた『乳房で挟んで悦ばせるやり方』を実践してみたいと思っていたが、その意気込みも空しく
お乱はされるがままになっていた。
太刀風の手管は決して強引ではないが、好い所を全て知っているように触れてくる指が、唇が、お乱の中の情欲の炎を
絶えず煽ってくる。
ごつい指からは想像もつかない繊細な力加減で先端をきゅ、と捻り上げられ、鮮烈な刺激に強張るお乱の爪先が
布団にまた新しい皺を作った。

「いつまでもこうしてても、飽きねえな」

そう言って、太刀風はお乱が呼吸するたびにぷるぷると揺れる二つの乳房を面白そうに見下ろしている。
夕子は閨の中でも乱れる姿を晒すのを厭い、堅牢なほどに重ねた衣のまま事に及ぶのが常だったが、自分の手で感じるままに
反応を示す女体を目にして、はしたないと無粋な事を考える男などいるものか、と太刀風は思った。
たおやかな腰の稜線を撫で下ろす掌に、甘い色を帯びた吐息が漏れる。
腰が砕けて脱力したお乱が、太刀風の胸にもたれかかってきた。
その眼は早くも物欲しげに潤んでおり、太腿をもどかしそうに擦り合わせている。
ずっと羽の先で触れるような愛撫に煽られるばかりで、もっと強い刺激が欲しくて仕方ないのだろう。
すぐにでも欲しいように濡れた眼で見上げてくるお乱だったが、まだ余裕の体の太刀風は少し焦らしてやりたくなり、
笑いながら「もうちょっとお預けだ」と押しとどめた。

「やぁんっ……」

我慢できなくて、はしたないと知りながらお乱は割れ目に指を伸ばしていた。
少しだけで収めるつもりが、さんざん焦らされて熟れた粘膜に触れたが最後、理性は脆くも崩れてどうしようもなくなり、
ひたすら指で蕾を擦り立てる事以外何も考えられなくなる。
いつしか太刀風五郎は手を休め、夢中で自慰に耽る生娘の恥態を面白そうに見下ろしていた。

19:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:33:26.40 4MQlqFt4
「初夜の床で一人遊びされちゃ、亭主の立つ瀬がねぇなぁ」
「あ……やあぁっ! み、見ないでっ……」
「いやぁイイ眺めだ、眼福、眼福」

さすがに剛胆なお乱も、こんな恥ずかしい所を見られては真っ赤になって取り乱す他にないが、それでも手淫を
止められないほどの情欲が肌の内で燃え上がっている。
太刀風の視線に晒されながら、もう自分のものでないように快楽を追う指は止まらず、むしろ相手に奥まで見せつけるように
無垢な割れ目を広げながら、お乱自身に辱めの限りを尽くした。

「あぁ、あたし、太刀風様に見られてるのに……だめぇ! もう、だめになっちゃうぅ……っ!」

むっちりした腿を擦り合わせ、溢れた蜜で後ろの門までしとどに濡らしながら、やがてお乱は自分の二本の指で気をやった。
何とも悩ましい一人遊びの一部始終を見届けた太刀風は、あまりの事に朦朧としているお乱の手を持ち上げ、
生温い蜜にまみれた指を舐った。

「あぁ……」
「自分だけ気をやっちまういけない嫁には仕置きをしないとな」
「な、何するの!? んあぁっ」

人の悪い台詞とは裏腹に優しい手つきで、太刀風五郎はお乱の瑞々しい太腿を開かせ、その奥に顔を近づけた。
先程の指遊びで咲きほころびた花園は、生娘ながら一丁前に発情した女の匂いを立ち上らせている。
源泉に熱い息がかかり、お乱はくすぐったさと恥ずかしさに腰をよじった。
太刀風は躊躇いもなく、ぬるぬるに蕩けた秘処に口付けた。

「だ、駄目ぇ、そんな所に……っふぅぅ!」

折り重なった花びらを舌でなぞり、合わせ目からちょこんと頭を出した蕾を唇で捕まえる。
花びらを舐め上げられ蜜を啜られるたびに、お乱は布団の上で腰を悶えさせ、すすり泣くような高い声を上げた。
仕置きどころか女を泣いて悦ばせるような奉仕であったが、自身の指で限界まで弄られて敏感になった蕾には、
唇で吸われる優しい刺激も辛いぐらいで、お乱は総身を桜色に染め、身悶えながらもう一度気をやった。

「はぁっ……はぁっ」

荒い息をつき、眼を潤ませるお乱はもうすっかり女の表情をしていた。
二度も昇り詰めて腰に全く力が入らないというのに、お腹の奥が疼いて仕方なく、自分の女の部分がこの方を
欲しがっているのだとお乱は痛いほど感じていた。
太刀風もいい頃合だと判断し、腰巻の下で窮屈そうにしているものに本懐を遂げさせようと前を捲る。

「わ……何、これ……大っきい……!」

途端、お乱のまん丸に見開いた眼は今まで見た事もないそれに釘付けになった。
それこそ太刀のように反り返っており、威容に怯みそうになったお乱だったが、この方のものだと思うと
未知のものに対する怖さは薄らいだ。

「ちょっとばかり痛い思いさせるけど、堪えてくれよ」
「うん……」

素直に頷いたお乱だったが、太刀風に腰を抱えられ、その巨体に見合った太さの男根が未通の秘処に
めり込んできた時は、屋敷中に響き渡るほどの悲鳴を上げた。
お乱の身体はどこも柔らかくしなやかだが、そこだけは本人の意志に反して拒むように狭く、力ずくで押し通るしかなかった。
戦いで負う傷とは違う、胸が詰まるような痛みと圧迫感に、自ら望んだ事ではあったがお乱は悲痛な声を上げて
太刀風の背中にしがみついた。

20:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:37:23.20 4MQlqFt4
「うっ……く……」
「もう大丈夫だ、楽にしてろ」

身体が裂けんばかりの破瓜の苦痛を堪えながら、決して「痛い」とは訴えない健気さに、太刀風は一層愛しくなる。
逞しい肩にすがって荒い呼吸を繰り返しているお乱の身体を、貫いたままそっと抱き起こす。
胡座をかいた太刀風の膝の上に跨って抱き合う格好になり、お乱は胎内を穿つ肉柱がより奥に填まり込むのを感じてぞくぞくと身震いした。

「んんッ……!」
「わしのに慣れるまで、こうしてずっと抱いておいてやるからな」

お乱はその言葉に甘え、男を受け入れたままなるべく身体の力を抜いて息を整えようとする。
慣れていない生娘には持て余す程の代物だったが、しばらくするうちに太刀風の胸に身体を預けるお乱の吐息が、苦しげなものから徐々に
切ない響きに変化していくのを感じ取った。
さっきまで辛くて仕方なかった胎内を一杯にするものの存在感をもっと感じたいように、お乱が無意識に腰を揺すって豊満な尻をぷりぷりと
揺らしているのは、大層淫靡な眺めだった。

「ほォ、さっきまでヒイヒイ泣いてたのにもう尻を振って楽しんでやがるな」
「こ……これは、違うのぉっ、お腹の奥が、変な感じでっ……」
「はは、どんな感じだお乱? わしのがあんまり悦すぎて、疼いてどうしようもねェのか?」

図星だったらしく、卑猥な言葉に耳まで赤くなったお乱は、堪らず濡れた粘膜で肉太刀をきゅうっと根本から締め付けた。
早くも男の悦ばせ方を会得し出しているお乱に、太刀風はお返しするように軽く腰を突き上げてやった。

「はぁあんっ!」

姉と同様に感度の良いお乱は、しなやかな背を反らして初めての肉交に全身を震わせる。
その好ましい反応に、さすがにいい尻をしているだけの事はあるな、と太刀風は言葉に出さずいささか好色な感心の仕方をした。

「太刀風様、ぎゅって抱き締めてて……身体ごと、どこかに行っちゃいそうで、怖いの……」

一人遊びとも、唇での愛撫とも違う、蕩けた肉体の奥をじかに突き上げられる刺激。
戦場では「怖い」など口にした事もないお乱が、初めて味わう強すぎる快楽に翻弄され、怯える幼子のように夢中で縋り付いてくる。
官能に上気して玉の汗を浮かべた美乳が太刀風の胸板に押し付けられ、形良い二つの膨らみが柔らかく潰れた。

「よしよしお安い御用だ、ずっと離さないでおいてやるから、痛い思いをした分悦くなれよ」

掌に余るほど豊満な桃尻を掴むと、むっちり張った肉の手応えと汗ばんだ肌の感触が伝わってくる。
立派な尻を両手でしっかり支え、何度も小刻みに奥を突き上げてやると、そのたびに柔らかな尻にきゅっと力が入るのが分かった。

「あ、あっ……あっ……!」

いつも豪気で快活なお乱だけに、眉を寄せて瞳を潤ませ切ない息をついている姿は落差も加わってなおさら艶かしく、お乱が初めて晒す媚態に
太刀風も否応なく奮い立たされる。

「んぁっ! す、すごいのぉっ…… ……え?」

天にも昇るような心地でいたお乱だが、違和感にふと我に返り周囲を見回してみて初めて、太刀風に抱かれたまま実際に宙に浮いている
事に気付いた。
繋がったままの二人を風が包み込み、天井近くまで浮き上がらせている。

「お、落ちちゃう! 太刀風様、下ろしてっ」
「お……? おおっ、悪りぃ! つい興奮し過ぎてな、スマンスマン」

無意識に風を放出してしまった太刀風だったが、驚いてしがみつくお乱に少し悪戯心を刺激され、このまま続けるのも一興だと
なおも空中浮遊をやめない。
お乱の身体は柔らかく抱き心地が良く、ずっとこうしていたい程だったが、不安定な空中で緊張しているせいか、一層きつく
締め付けてくる感触が太刀風を急き立てる。
ふっくらと色づいた花襞の間からは天然の蜜が惜しげもなく分泌され、勢い良く出入りする太い肉柱を根元まで濡らし、抽送の潤滑さを
増していた。
太刀風が力強く腰を突き上げ、お乱の桃尻が跳ね上がるたびに二人の肉がぶつかる音が響き、一瞬送れてぬめった蜜の音がそれを追う。

21:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:40:57.85 4MQlqFt4
「あっ、いやぁ、奥……奥に当たってるぅ……!」
「ん? 痛てぇか? 抜いちまうか?」
「だめぇ……! もっと、もっと奥まで……太刀風様のがほしいの」

男の先端で子壷の口を小突かれ、捏ね回されるむず痒いような性感が、先程まで生娘だったお乱をいよいよ乱れさせる。

「何これ、何かくるぅっ……い、イっちゃうの、私……っ? んぁ、あぁぁっ!!」

暴走しつつある女体に発破をかけるように、柔肉を抉り襞々を嬲る男根の摩擦に追い上げられ、自分が何を口走っているかも
分からないほどの快楽に呑まれていく。
お乱は太刀風の胸にしがみ付きながら、空中にいながらどこまでも堕ちていくような感覚に全身を震わせて果てた。
咥え込まれていた肉太刀も、苦痛と紙一重の強い締め付けにびくんびくんと震え、限界を訴えていた。

「わしももう辛抱堪らん……! お乱、おめェの中に出すぞっ!」

太刀風はお乱の尻をぐっと掴み寄せ、下腹に力を込めて溜まりに溜まった情欲を思い切り放った。
爆発するような勢いで迸る精を胎内でじかに感じ、お乱は最奥に子種を浴びせられながらひぅっ、と息を漏らした。
最後の一滴まで放ち終えたと同時に、太刀風の頭を大槌で思い切り殴られたような衝撃が襲い、目から火花が飛んだ。

「!! ……ぐ、ぅあ」

思いのほか昂ぶってしまったようで、文字通り舞い上がり過ぎて真上の天井に頭をまともにぶつけたのだった。
激しい情交に朦朧として胸に顔をうずめているお乱は、そんな苦悶など知る由も無い。
それでも太刀風は歯を食いしばって堪え、気をやった直後の心身に鞭打って風を制御し、お乱を抱えたまま下の布団に軟着陸した。
二人一緒に墜落してせっかくの余韻をぶち壊しにせず済んだのは、太刀風の男の意地の為せる業だった。
やっとの事で息を整え、頭に出来たこぶをさすりながら、太刀風はそっと身体を離す。
もっと頂戴と子壷がねだっているように、奥がひくひくと蠢いているのを亀頭の先に感じながら、いささか未練げに
ゆっくりと抜き出した。

「太刀風様……」
「おお痛てぇ……おいお乱、すぐに起きて大丈夫かよ」
「うん、……すっごく、よかったよ」
「そりゃどうも、お前を乱れさせた甲斐があるってもんだ」

あまりに率直な感想に、さっきまでお乱を散々よがらせていた太刀風の方がかえって照れ臭くなってしまう。

「今からどんな子が生まれるか楽しみだぞ」
「私は、太刀風様みたいな強くて優しい子だったら嬉しいな」

お乱と寄り添って布団に横たわりながら、しばし他愛の無い話をする。
情事の後の睦言というのも久し振りで、ささやかではあるがこの上なく幸せなひと時に浸る太刀風は、しみじみと口にした。

「現金な話だけどよ、お前とこうしていると昔わしらがした事は、やっぱり間違っていなかったと思えるぜ」

ずっと昔、彼らが授けた知恵で人間同士が殺し合いを始めたのを見て絶望した時の話をお乱は知っていた。
何代も前の先祖が黄川人から聞いた伝承はその後一族に代々伝えられ、その話を父から聞かされた幼いお乱とお絶は、
きっと自分達で優しい神様達を救おうと思ったのだった。

「あん時はそりゃもうマジで落ち込んで、いっそ塔のてっぺんから身投げでもしようかと思ったさ」

そう笑って冗談にできるまで、五郎達にどれほどの後悔と苦悩があったかを思い、お乱は表情を陰らせた。

「おいおい、そんな顔すんなよ、もう済んだ事だ、お前らが終わらせてくれたんだ」
「……それじゃあ太刀風様、今までの辛さも寂しさも全部チャラになるぐらい、今夜はいい事しよう?」

そう言うお乱は太刀風が今まで見た中で一番の笑顔と共に、またもや不意打ちの口付けを見舞ってきた。
大槌の打撃よりもはるかに効く、あまりにも優しい一撃に辛さも寂しさも打ち砕かれ、かなわねェな、と太刀風は
悪戯なお乱を抱き締めた。

22:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:43:52.10 4MQlqFt4
太い腕枕で熟睡しているお乱の健やかな寝顔を横で見ながら、太刀風は大昔の事を思い出していた。
……それはある雪の日の事だった。
板切れを寄せ集めただけの粗末なあばら屋に、二人の幼い姉妹が身を寄せ合っていた。
親に死なれたのか、小屋の中には幼子二人だけで食べ物も火の気も何も無い中、二人の姉妹は飢えと寒さに死にそうになりながらも、
破れた壁から容赦なく吹き付ける吹雪から必死にお互いを守ろうとしていた。
流行り病や飢饉で死ぬのが日常茶飯事の中、たかが幼子の命など塵芥に等しいちっぽけなものだったが、これに気付いた者がいた。
雲の上から真っ白な地上を見下ろしていて、凍える姉妹の姿に目を留めた太刀風は、思わず雲から身を乗り出した。
地上に飛び降りようとする太刀風を、背後から雷電が引き止めた。
人間と関わり合いになるばかりでなく、風や火を御する知恵を勝手に人間に与えるような真似が他の神に知れればどうなるか
知れたものではない。
馬鹿な真似はよせと止められるかと思ったが、雷電はこう言った。

「何抜け駆けしてんだコラ、お前ばっかりにいい格好させるかよ」
「……がっはは! んじゃ、後で夕子に言い訳する大役はお前に任せたぜ!」
「馬っ鹿野郎! はははは!!」

こうして、『放っておけなかった』という至極単純な理由から禁忌を犯した二柱は九重楼に幽閉され、それから間もなく、
飢えと寒さで死ぬよりもたくさんの人間が二柱の授けた知恵のせいで死に、長い長い時が過ぎた。
あんまり昔の事で助けた姉妹の顔ももう思い出せないが、お乱とお絶に初めて会った時、太刀風はなぜかその時の出来事を
思い出したのだった。

「……間違っていねえよな、お前らがやってる事もよ」

一人ごちながら、太刀風はお乱の前では決して見せなかった顔になる。
天界に復帰してから、太刀風と雷電はある一つの不安を抱えていた。

―朱点を倒した後、一族の者はどうなる?
―神の血を引き今や凄まじい力を持つ一族は昼子様にとって無視できないはず、そのまま野放しにするのはありえない。

五郎達の耳に入ってくる他の神々の噂からも、一族を利用する最高神の思惑は誰しも気がかりなようだった。
呪いが解けた一族は、神にとって代わろうなどとは考えず、ただの人間として生きる事を望むだろうが、良かれと思ってした事が
必ずしも良い結果を招くとは限らないと太刀風はよく知っていた。
最悪の場合、用済みになったこいつらやその子孫を天界が消そうとしたなら、もう一度幽閉されるか粛清を受ける事になろうとも、
自分も雷電も懲りずに人間の味方をするだろうと太刀風は思った。

「どうせならもっと強くなっちまえ、理不尽な運命を叩き潰せるぐらいに」

太刀風がそっと囁いた言葉に、お乱は夢の中から微笑みを返した。

23:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/04 23:47:37.77 4MQlqFt4



二柱の旧き神が天界より地上を、否、そのさらに下の地獄を見下ろしていた。
薄紅色の雲の隙間から、地獄の最下層にそびえ立つ修羅の塔を上る人間たちの姿が、手を伸ばせば触れられそうなほど
はっきりと見える。

「見てるか、雷電」
「おう」
「あいつら、ついに殴り込む気だな」
「ようやくだな、太刀風」
「……九重楼にいた時よりも、長い年月に思えるぜ」
「は~、俺の方が緊張してくらァ」

二柱の横から身を乗り出しているのは、死後に氏神となり昇天したお乱とお絶の姉妹だった。
透けるような羽衣を纏い、手にはそれぞれ大槌と扇を携えている。

「大丈夫です、私達と五郎様達の子孫ですよ?」
「何があったって、乗り越えられないはずがないんだから!」

愛しい伴侶たちの言葉に、二柱は「そうだな」と優しく返す。
いくつもの高い障壁を乗り越えて、いくつもの同族と鬼どもの屍を越えてきた彼女ら一族が、何度挫けても
何度でも立ち上がってきたのは、五郎達もよく知っている。

「『七光の御玉』使わねぇかな、こんな時ぐらい親を頼っても罰は当たらんだろ」
「だめよ! 神頼みじゃなくて自分の力で勝つのに意味があるって教えてくれたのは五郎様達よ」
「……そうだよな」
「『終わった』ら、もう俺らは本当にお役御免だもんな」
「あいつらはこれから、自分の力だけでやってかなきゃいけねぇもんな」

彼らの血を引く末裔の姿を、二組の氏神と男神は感慨深く見つめていた。
戦いの果てにどんな結末が待ち受けていようとも、彼らを最後まで見守ると決めたのだ。
一族が打ち勝つべき相手―それは鬼でも神でもなく、もっと巨大な『運命』そのものなのだから。

「いつか、きっと」

忌まわしい因縁から解き放たれ、皆が本当に笑える日が来ればいい。
血よりも呪いよりも強く強く受け継がれてきたその願いは、もうじき叶うだろう。

(完)

24:名無しさん@ピンキー
14/07/05 02:06:29.57 YdHCw9w0
GJ!!エロが濃くて素晴らしい
まさか続きが読める日が来るとは思わなんだ…ありがたや
前スレは粒ぞろいだったし2発売でまた盛り上がるといいな

25:名無しさん@ピンキー
14/07/05 05:42:54.67 G7Q0x25v
GJ!
双子の片割れズがどうなったか気になってたから読めて嬉しかった

26:名無しさん@ピンキー
14/07/05 09:55:35.57 JwCYiU6e
エロいし、太刀風さんやんちゃで笑えたwGJ

27:名無しさん@ピンキー
14/07/05 10:41:07.30 0AtE2z1L
今になって続編が読めるとは…ありがたや
エロ描写の濃さを見習いたい

28:名無しさん@ピンキー
14/07/09 05:15:42.09 kG1wJvXa
あなたの文章が大好きですよ
エロいし情景描写も美しい
二組とも幸せそうで何よりでした

29:太刀風五郎×壊し屋娘
14/07/10 08:38:32.05 3+fFaBbC
前の投下からかなり間が開いてたのでこんなに感想を頂けるとは思ってもみなかった
俺屍2でも五郎兄弟にはいろんな意味でお世話になると思うので、今から戦うのが超楽しみです。

30:名無しさん@ピンキー
14/07/21 16:40:04.80 mIbW/gag
みんなゲーム発売しちゃったから忙しんだな……

31:名無しさん@ピンキー
14/07/21 20:41:27.17 GlGVzXdx
もうここに人来ないかもね…

32:名無しさん@ピンキー
14/07/21 21:03:10.91 m7y6ghH5
コーちんと夜鳥子さんのSSを待っているぞぉ

33:名無しさん@ピンキー
14/07/22 00:54:52.02 Cf3MaaOu
>>32
イラネ

34:名無しさん@ピンキー
14/07/22 02:02:05.55 CG+6ZwwU
>>32
結構です


葬式会場に一族に好意的な神やリストラ神達ときゃっきゃっしてる妄想が載ってたけどめちゃくちゃ萌えた

35:名無しさん@ピンキー
14/07/22 11:26:51.71 nbWD5KmP
俺の寝取られを越えてゆけ

36:名無しさん@ピンキー
14/07/22 12:16:20.92 DrZDu89r
某神とNTRどころかセフレと判明した私がきましたよ
そんな属性ないっての

>>34
すまんが何スレ目か教えてくれ

37:名無しさん@ピンキー
14/07/22 12:35:49.33 Cv1PSWQg
真名姫が大正義だったね……

38:名無しさん@ピンキー
14/07/22 13:35:44.41 oO9s5n0r
>>36

確か12にまとめみたいなのあったぞ

39:名無しさん@ピンキー
14/07/22 19:11:38.29 VO+2P9s9
【俺屍2】俺の屍を越えてゆけ 葬式会場12
スレリンク(handygrpg板)

全部貼るとウザがられそうだから1レスだけ

>>540
親王様がたどたどしく子供に勉強教えてるの想像して萌えて、
捨丸が下種いこと教えてるの想像して安定の畜生だなって思えた(褒めてる)

644 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:46:50.38 ID:Yrd8jjop
>>629
「一緒に戦ってやりたい」の火降り童子は子供の稽古してるし
「大丈夫僕らの子です」「あなた方は私の誇りです」の鬼神化しない十点神たちも子供の世話してくれてるよきっと

686 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:54:15.17 ID:LN2RvG3c
>>644
弁天様とかも子守唄代わりに歌ってあげてたり、陣内様とが武器の使い方教えてとかしてたりしてとかな
うん、リストラされた側のがこうしたいい方向に妄想出来ていいわ……

702 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:57:07.36 ID:Yrd8jjop
夏の暑いさなかに虹ノ条七変化さんが雨降らせて嘗祭り露彦が涼んで、
一族の子供たちがきゃあきゃあ言いながら水遊びしてるんだ……

708 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 15:58:54.62 ID:SoFr22gl
そこに一族寄りの鬼神達がこっそり様子見に来ててもいいんだぜ…。

ヌエコ?しらねえよ。

716 :名無しじゃなきゃダメなのぉ!:2014/07/21(月) 16:00:33.68 ID:LN2RvG3c
蝶子様が子を思うあまりちょっと叱りすぎて、慎兵がそこまでいうことねーだろって怒って
影彦さんがまぁまぁって宥めに入ったりとかしてな……

40:名無しさん@ピンキー
14/07/22 19:44:51.38 0ROZYkA+
一族に性的なご奉仕をするコーちんのSSはいるだろ?
あと御姫様も

41:名無しさん@ピンキー
14/07/22 20:37:40.52 DrZDu89r
>>38-39
サンクス少し救われた
和むわ~

42:名無しさん@ピンキー
14/07/22 21:57:42.03 GGl3Uhnb
リメイクまでの設定で書けばいいんだ…それより後のは何かの悪い夢ということで…

43:名無しさん@ピンキー
14/07/22 22:24:41.39 Cv1PSWQg
>>40
ちっちゃ、と言われるのか

44:名無しさん@ピンキー
14/07/23 00:02:08.24 7itdv7fK
>>42
すべては寝太郎さんが見た悪夢だったんだよ
いや、淫夢かな?

45:名無しさん@ピンキー
14/07/23 18:13:07.14 dbza96Sl
まだ3つ目の祭具取り返した所で途中なんだけど
何で鵺子さんが色んなスレで拒否られてるのか理解した
てか鵺子さんが主役強奪してパッケージ&PV詐欺なんじゃないかっていうくらい展開が変わってしまったw
コーちんも鵺子さん同様駄目なの?駄目になる展開あるの?
毎回ダンジョンで置き去りにして「待って~、待ってよ~」って言ってるコーちんに萌えてる自分には何か辛い・・・

46:名無しさん@ピンキー
14/07/23 20:18:33.48 4uonoJ62
>>45
葬式スレのテンプレ見てきなよ
個人的には幻滅した

47:名無しさん@ピンキー
14/07/23 20:41:46.75 dbza96Sl
見てきた

初代当主の頃から一族達の死を看取ってきたコーちんがちょっと嫌な台詞言っただけで
こんな悪態付くはずがない
こいつは絶対、黒幕鵺子が用意した偽コーちんだ
鵺子と晴明は絶対グルなんだ
そしてコーちんは晴明のキモ野郎に監禁されて雑魚敵を産む道具にされているんだろう
悲惨だ

で何で「晴明と鵺子両方憎い」の選択肢ないんだろう?

48:名無しさん@ピンキー
14/07/24 03:18:26.17 Vk6kbvUo
捨丸株急上昇してるのを見て前スレの神SSを読み返して萌えてた
黒蠅様に関しては世界線が違う、で決着つけたからこれからもうちの娘とイチャコラしてもらうよ(涙)

>>44
寝太郎さんセーフでよかった

49:名無しさん@ピンキー
14/07/24 22:18:13.50 7PxaU0Zz
今になって一族に好意的な神様にこれほど癒されるとは!
前作で「あんたが大好きポヨヨン」と言ってくれた白雪ちゃんもセーフで良かった

50:名無しさん@ピンキー
14/07/25 18:37:33.55 Mxxxh8Vw
白雪ちゃんマジ女神

51:名無しさん@ピンキー
14/07/25 20:06:45.87 x/3xG+Lz
五郎さん達も大好きだったのに謎の設定改変、性格改変されてマジで涙目wwwww
一族の娘を任せられる安牌キャラだと思ってたんだけどなorz

っていうかここの五郎ズ×双子SSが大好きで1で産まれた双子を嫁がせたばっかりだったからなんかダメージががが
夢だ…これは夢なんだ…
もしくは五郎さん達は鵺ノ首輪を付けられて操られて頭がおかしくなってるんだ…

52:名無しさん@ピンキー
14/07/25 21:06:14.27 Mxxxh8Vw
葬式スレの歌○師匠な捨丸さんがツボで萌えが加速して辛い

>>51
分かる…分かるぞ…
でも火を授けてくれた五郎さんズの話が陣内さんにも繋がるのだから、2とは別人なんだよ…
だから双子ちゃんとずっと幸せでいていいんだよ…

53:名無しさん@ピンキー
14/07/25 21:10:03.21 HnrG6vmS
システム的にも最強遺伝子の関係上、一族強化にはほぼ必須な立場なのもなぁ…
イツ花ー、帰ってきておくれぇー、お前じゃなきゃダメなんだー!

54:名無しさん@ピンキー
14/07/25 22:04:28.78 iQN1q7lV
黄川人「一族の所にDQNイタチを世話係と称して送り込んでやったぜ。
今頃「ちっさ」とか言われんだろうな、ざまあwww」

55:名無しさん@ピンキー
14/07/26 00:45:03.83 ae62OzhC
もう2はパラレルとして片付けてるから(白目)
でないと燃え尽きよさんまでアウトとかやってられねえよ

56:名無しさん@ピンキー
14/07/26 01:01:55.05 vBdN5Ef7
>>54
何故だろうその口調すごく安心するよなんでかなぁ(涙)

もうさ、ホント悪い夢だったんだよ
朝ご飯の支度を終えたイツ花が自分を揺さぶり起こす声が聞こえるよ
…自分の好きな作家さん達がそう割り切ってまた創作してくれるのを祈るばかりだ…

57:名無しさん@ピンキー
14/07/26 01:06:45.35 UdnntxeK
お、おい、クリア後にまさにその希望が現れたぞ!
ソースは葬式スレ、やっぱりイツ花は天使だったんや!!

58:名無しさん@ピンキー
14/07/26 14:41:40.97 cvKjK7jZ
保管庫ってどっかの無料サイト使って作ればいいのかね
前スレのSSや昔ゲーパロ保管庫にあった七篠家シリーズやいいものが多かったから好きなんだ俺屍エロパロスレ

59:名無しさん@ピンキー
14/07/26 17:43:56.98 thwiH2dm
>>58
@wiki使ってるのよく見るね、保管庫
あとエロくない作品スレにあったお輪と捨丸の話もすげーエロかった

60:名無しさん@ピンキー
14/07/26 18:09:45.14 thwiH2dm
>>59
お輪じゃなくてお業だったわorz
あのSSがきっかけで俺屍プレイしたんだよなあ

61:名無しさん@ピンキー
14/07/27 14:06:36.74 QxbH030K
さぁ早くぬえ何とかさんに現を抜かしている神様を
倒して屈服させてお仕置き逆レイプして正気に戻すSSを書くんだ!!

62:名無しさん@ピンキー
14/07/27 17:33:42.61 3RMO2dU8
保管庫あったら嬉しいなぁ。クレクレで悪いが

>>60
そっちのスレは知らなかった!サンクス探しに行く

>>61
うちの黒蠅様が現を抜かしているのは一族娘だから(憤怒)
2で純粋に萌えてる人がいたらそこはすまん

63:名無しさん@ピンキー
14/07/27 19:43:02.29 bOmj84zN
伏丸なんかせっかく喋ったと思ったら鵺子の裸の事についてしか語らないしな!
あと寝太郎触手操ってて何かエロい

64:名無しさん@ピンキー
14/07/27 21:57:51.76 lvQWmtLo
葬式スレ見てると

妻「私の事愛してるって言ったわよね? 子供まで作っておいてあなたったら昔気になってた女のことばかり…
こんな節操のない犬チンポは今回の昇天でしっかり躾け直してあげなくちゃ」
娘「じゃあ私はおかあさまと一緒におとうさまが正気に戻るお手伝いするね!」

こんな光景が浮かんできて困る

65:名無しさん@ピンキー
14/07/28 20:46:53.48 vpg0SzNZ
■に女神達をNTRれて悲しい人達もいるはず

66:名無しさん@ピンキー
14/07/28 21:08:25.31 9u22QLOX
さらにそんな女神達NTRしてやったらいい

67:俺屍2・田鶴姫と■■(1/5)
14/07/29 00:17:16.72 BGk3AXil
俺屍2、田鶴姫イベントのネタバレ。改変、痛いの多め、エロは少なめ
救いなんてなかった

*****

 あなた方なら、きっと良い“生餌”になってくれるでしょう。
 朝廷を乱す陰陽師が、あの貼りつけたような笑顔で、粘りつく声で田鶴姫にそれと告げて
から、彼女を従者ともども鬼の棲まう迷宮に閉じ込めてから、一体どれほどの時間が過ぎた
だろうか。数刻か、数日か、或いはもう数年は経ったのか。
 田鶴姫は把握していない。
 結界で時を歪めたのだと、陰陽師―阿部晴明は説明した。
 “生餌”は何時までも新鮮でなければ困りますからね。
 聞かれもしないのに、己れが掛けた術で指ひとつ動かせないどころか意識すら朦朧とした
状態の田鶴姫と力丸に向かって滔々と語りかけては、携えた仮面を揺らして「晴明ってば、
返事の出来ない相手に話しかけるなんて壁に向かって独り言を呟く寂しい人みたいだよ!」
などと声色を変えての独り芝居を行っていた。
 なんと下らないことを、と呆れることも、返事が出来ないのは貴方のせいだろうに、と
怒ることも、彼女には叶わなかった。唯々力丸と並んでぼんやりと助けを待つばかりで
あった。

 助け。
 そう。救出は、来た。
 “晴明、討つべし”の目的のため田鶴姫と協力関係にある一族が。晴明が田鶴姫をエサ
におびき寄せようと画策した、死人返りの一族が。
「皆さま、よくいらっしゃいました」
 晴明がそれはそれは嬉しげに扇子の下の口元を歪ませ、手にする鬼の面をケタケタと
鳴らす。
 迷宮を踏破してきたかの一族は、揃いの装束は血と埃で汚れ、抜き身の武器にもその目
にも晴明への殺気を宿していた。半裸の女陰陽師以外に、一行の中に見知った顔はない。
二年足らずで生まれては死んでしまう呪いつきの一族だ、迷宮の外では彼らが代替わり
するだけの時間が過ぎてしまったのだろう。

 その光景を。晴明と女陰陽師が何やら言い争い、晴明が鬼面の声で茶化しを入れるのを、
田鶴姫はぼんやりとした意識でかろうじて捉えていた。
 小柄な身体は何処にも触れていない。支えるものも無く宙に浮き、長い黒髪は水中に
沈めたそれのように逆巻いてゆらゆらとたなびく。
 息苦しさと、倦怠感。自分の身の内からなにかが少しずつ抜き取られてゆくのも、喧騒
も、遠い。
 落ちそうになるまぶたをこじ開け周囲を見下ろす。
 笑う晴明、顔を嫌悪に歪める女陰陽師、田鶴姫を助け出そうと機を伺う呪われし一族の
面々―探す。何処、だろう。田鶴姫の従者。物心ついたときから傍にいる、田鶴姫を
守ることを己が第一位に据えている、あの、愚直な、忠義心の塊のような男は、何処に。
「……、……」
 自身の耳にすら届かない名前が、風鳴りにかき消される。姫様、と叫んだのは薙刀士の
娘だ。
 田鶴姫の浮くその真下、禍々しい円陣より出現した“手”が爪を振り上げ、長い黒髪の
一房を削ぎ落とすのを、田鶴姫当人は視認できなかった。身体の芯が冷えたのはそれでも
本能が危険を悟ったからか、“手”が動く度に精気がごそりと抜かれてゆくからか。
 苦しい。
 苦しい。

68:俺屍2・田鶴姫と■■(2/5)
14/07/29 00:21:06.22 BGk3AXil
 何処に―身分の差はあれど兄とも慕う―常に田鶴姫を守ってきた、あの男、力丸は、
今、どこに―。
「外道ですか?」
 晴明が。笑う。
 女陰陽師、ただ一人を、見て。
「では外道ついでに、次の趣向も紹介しましょう」
 明るい声の孕む不吉さに、無理やり首をねじ曲げ晴明を見る。
 中黄色の背中の向こうに―探していた誰かが―。
「鬼頭というのは、心の底にある欲望を増幅し、力に変える仮面です。……口で言っても
わかりませんよね? さっそく試してみましょうか」
「テメエ、晴明、」弓を構えた一族が怒声を上げる。「力丸様に何しようって―!」
 かぽり、と。
 なんの躊躇もなく。遅滞もなく。
 晴明が、鬼の面を、縹の衣の誰かに。被せた。

 耳をつんざく悲鳴が。或いは雄叫びが―? 迷宮に響く。
 声の主は、田鶴姫の良く知る誰かのものだった。

 こんな叫びを、田鶴姫は聞いたことがない。幼い頃、彼女を庇って代わりに犬に噛まれた
ときも、暴漢から彼女を守って怪我をしたときにも、力丸は田鶴姫が必要以上に気に病まぬ
よう、悲鳴を殺して堪えていたのに。なにか、力丸ですら耐え難い、何か、おぞましいこと
が。
 ばきばきべきべき。骨の育つ音がする。肉の張り詰める音がする。ヒトの身体がヒトでは
ないモノに置き換わる、外法の音が響く。急激な肉体の変化にのたうち回るソレは、軽々と
晴明の背を追い越し、七尺はあろうかという異形の身をよじらせる。顔は、見えない。
晴明が持っていた、笑う鬼の面がソレの頭部をすっぽりと覆っている。純白の飾り毛を
振り乱し、ソレが吠える。もう、ヒトの声をしていない。
 ふーっ、ふーっと獣じみた呼気を洩らし、四つん這いになったソレが周囲を睥睨する。
盛り上がった筋肉が青い皮膚の下でびくびく脈打つ。
 きろり。きろり。ソレの目が―鬼の面の目が―何かを探す。何かを。誰か、を。
「おやおや、てっきりあなた方に襲いかかると思っていたのですが……これは予想外」
「晴明はめちゃくちゃ恨まれてるからねえ、狙われちゃうんじゃないの? 危なああい」
 被せたはずの鬼の面を手に、晴明は平然としている。
 討伐隊の隊長が、僅かな希望を篭めて一歩を踏み出す。「もしかして、まだ、心が」
 きろ、り。
 つくりものの眼球が、田鶴姫の、目と、合う。
 咆哮。
 異形のモノは逞しい四肢で床を蹴り、ひといきに田鶴姫の浮かぶ円陣へと飛び込む。
そこには正体不明の巨大な“手”が生えており、闖入者に怒りをあらわにし襲いかかる。
禍々しい爪が、二本は青く逞しい腕に掴まれ止められ、止めきれなかった残りが青い皮膚
を切り裂いた。赤い、ヒトと同じ色をした血が飛び散る。
 異形は己が傷を意に介する様子もなく、腕に力を込める。筋肉が膨張し、元の太さの
二倍以上に膨れあがったかと思うと。
 巨大な“手”を、人差し指と中指の間から、真っ二つに引き裂いた。
 ふっ、と。
 田鶴姫の身体が、落ちる。
 突然のことに受け身もとれなかった身体はそのまま床に叩きつけられて背骨が激痛に
軋む。田鶴姫は息を詰まらせ悲鳴を洩らすことも出来ないまま、術を解いた異形の前で
呻く。
 呪われし一族たちの顔が輝く。

69:俺屍2・田鶴姫と■■(3/5)
14/07/29 00:22:28.24 BGk3AXil
 ―晴明が何をしたのかは、分からない。
 ―けれどあの方にはまだ心が残っている。
 ―田鶴姫を守る、という心が―ならば―。
「あれあれ? 晴明ってば、アレ、壊れちゃったよ? いいの?」
「ふむ、所詮唯人の精気では、腕どころか外殻を喚び出すのが精一杯、ということですね」
「―のんびり話してんじゃねェぞオラァ!」
 罵声と共に右目に打ち込まれた矢を、晴明は足をふらつかせながらも平然として引き
抜き、放り捨てる。
「テメエが何したか知らねえが、■■様はなァ―あ?」
 きょとん、と、弓使いが間の抜けた顔で己が喉を押さえる。再び口を開き、誰かの名を
言おうとしたが、洩れたのは奇妙にぼやけた呼気だけだ。
「何だよ、これ」
 晴明が。くく、と、笑った。
 急変する状況で、田鶴姫は呻きながらも身を起こそうとする。打ちつけた背中は痛むが、
動けるということは大した怪我でもないだろう。早く、せめて戦いの邪魔にならぬ場所
へと移らねば。
 ふらつく華奢な身体を。
 青い、太い、異形の腕が、押さえつけた。

「え」
 向こうで、弓使いが呆けた声を洩らす。
「何、してんだよ」

 押さえつけられた田鶴姫も呆然とする。大きな身体に圧し掛かられ、両の腕をがっちり
と捕らわれて、眼前の鬼の面からは生臭い荒い息がふうふうと降りかかる。

「何してんだよ―アンタ―■■様―?!」

 異形が頭を大きく振りかぶる。腕に体重が掛かり、下敷きになった田鶴姫の腕にも加重
が掛かり、折れんばかりに肉が骨が軋む。
「ひ……!」
 田鶴姫の悲鳴は、異形の咆哮にかき消された。“彼”は威嚇するかのように、呪われし
一族へと吼え猛る。太い腕より滴る血が、田鶴姫の上等の装束を汚す。
 その。
 生臭い血に染まった装束が。異形の爪で、引き裂かれた。
 頭が真っ白になる。状況が理解できない。爪の一撃は肌にまでは届かず、薄衣を一枚
残している。その、細帯で留めただけの薄衣も、太い指に引っ掛けられ荒々しくめくり
上げられた。肉付きの薄い下半身が、到底他人に晒すべきではない箇所が、外気に、多く
の視線の前にさらけ出される。
「いっ…きゃあああああッ!」
 羞恥に、恐怖に悲鳴をあげる。隠そうにも再び押さえつけられた腕はびくともしない。
叫ぶ田鶴姫のほっそりとした腹に熱い塊が押しつけられる。
 ソレに目を遣り、心底ぞっとした。
 腹をずりずりと擦るソレは、青黒い筒状の肉だった。先端が膨れ、根元に向かうところ
できゅっとくびれ、そこから先には太い血管が視認可能な勢いで脈打っている。
 異形の纏う衣服を押しのけ突き出されるソレは、つまりは異形の男根だった。七尺の
身の丈からすると控えめにも見えるが、普通の人間の男を思えば充分に巨大だった。小柄
な田鶴姫の腹の上で行き来すれば、その不釣り合いな大きさがますます際立つ。

70:俺屍2・田鶴姫と■■(4/5)
14/07/29 00:23:37.59 BGk3AXil
 田鶴姫も皇族の姫、何時か嫁いだときに備え、床の中の作法については乳母から一通り
のことは習っている。知っていて尚、否、知っているからこそ、今自分が如何なる状況に
あるか、自分がこれからどうなるかが理解できるからこそ、恐怖と嫌悪とがとめどなく
込み上げる。
 腕が軋むのも構わず身をよじり、絶叫する。はしたなくも髪を振り乱し、叫び、探す。
 何時だって傍らにいた男の姿を、助けを求める。
「■■―! 何処なのですか、■■―!」
 泣き叫ぶ。名前が呼べない。そこに確かに在るはずの名は、音にする端からもろもろと
崩れて零れる。
 それでも居るはずだ。さっきまで確かに居たはずだ。田鶴姫と同じく身体と心の自由を
奪われ、晴明に鬼の面を被せられ―そんなはずがない―あの男は居るはずだ、田鶴姫
のほっそりとした脚を割り、煮え立つように熱いものを押し付けてくる異形、その身体に
ぼろくずめいて纏わりつく縹色の衣だとか、その異形が、一丁前の侍の如く太刀を佩いて
いるだとか―あの太刀を、田鶴姫は知ってはいないだろうか―あの男が元服した折、
田鶴姫の父が下賜した太刀と、よく似てはいないだろうか―違う、違う、そんなはずが
ない、そんなはずが、
 脚の間に、巨大なものがめり込む、誰にも開かれたことのない場所がこじ開けられる
激痛が走る。
 “痛い”のは、そこまで。
 あとは単なる衝撃だった。身体の内側が凶悪な質量に埋め尽くされ、どすんと突き上げ
られる。はらわたが揺すぶられ吐き気が昇る。
「あ……ぐ、え……」
 貴族の姫にあるまじきえづきを洩らし、背を反らしてがくがくと震える。全身から一気
に力という力が抜け、蹂躙する他人の肉だけが精気に満ちて脈打っている。
 ずぶり―と。恐ろしいことに、肉が、更に押し込まれた。狭道を裂き、奥より先の臓物
まで歪ませるほどに埋め尽くしておきながら、異形の男根は未だ“余って”いたのだ。
それを全て田鶴姫のなかに収めようと、異形は強く腰を突きだす。一突きごとにごぶり、
ごぶりと音がして、女の内側を己れのかたちへと壊してゆく。
 異形の血に外側を、異形に壊された自らの血で内側を汚しながら、田鶴姫の目は唯虚ろ
だ。一度気を失っても、腹の奥をごりごりと削ぐ感触に意識が引き戻されその度に眼前の
異形の面と対峙することになるのだ。血のにおいが、ひどい。
 何かが激突する音が、派手に響く。
 けたけた笑う晴明と鬼面の前で、結界に弾かれた薙刀士が憤怒の表情で身を起こす。
「いいじゃありませんか、もう少し“彼”の本懐を遂げさせてあげては?」
「“鬼頭は心の底にある欲望を増幅し、力に変える仮面”……大事な主君にこんなこと
したがるなんて、とんでもないムッツリ助平だね、晴明!」
「止めてください、その言い方だと、まるで私が助平みたいじゃないですか」
 結界に次々と薙刀が、刀が、矢が打ち込まれ少しずつ壊れてゆくのを眺めながら、晴明
は笑い続けている。猛る異形の鬼も、犯される田鶴姫も、陰陽師は見てはいない。
「鬼頭は、欲望を増幅し、力に変えるのです」
 その身に迫る刃も、憎悪と憤怒の眼差しも、一顧だにしない。
「私を傷つけた相手も、きっと私を殺したくて殺したくてたまらなかったのでしょうねえ
……ねえ、“誰”だったんでしょう? 教えてくださいよ、母上」
 陰陽師が見るのは。
 黒い髪の。肌の大半を晒しながら尚凛々しい雰囲気の、女陰陽師だけだった。

 己れが呪った一族も、己れを殺そうと刃を振るう一族も、身を裂かれる田鶴姫も、己れ
が生み出した鬼も、帝も、京の都も、そこに住まう民草も、ヒトとしての全てを奪われた
■■も、自分が踏みにじった全てを、まるで、路傍の石ころの如く、無視して。

「晴明……晴明ええええッ!!!」

 ありったけの憎悪を込めて叫んだ名は、陰陽師をこそとも動かせなかった。

71:俺屍2・田鶴姫と■■(5/5)
14/07/29 00:24:41.26 BGk3AXil
 吼えたのは田鶴姫を犯す鬼で、貫く肉が脹れあがり一層激しく突き上げてくる。叫んだ
形のまま口をぱくぱくさせる華奢な身体を、異形の巨体が抱きしめる。長い爪が残った衣
を切り裂きぼろくず同然にしてゆく。
 巨体が覆い被さり、田鶴姫の視界は塞がれる。毒々しく青い肌と、流れる赤い血と、血
の臭いと生臭い荒い息と身を裂く熱と質量だけが全てになる。田鶴姫を周囲全てのもの
から隠し、小さな身体に己が肉全てを収めようと躍起になる、異形の鬼だけが全てになる。
 痛みが痛みとして認識できなくなる程の危険な蹂躙の下、意識がぼやけてゆく。幾度も
呼ぼうとした■■の名は幾度口にしてもかたちを成さない。だかれあの男は此処に居ない。
だから届かない。だから―ああ、でも、あの“腕”から田鶴姫を助けたとき―異形は
確かに彼女を―。
 異形が吼え、田鶴姫を抱え込んでだきしめた。華奢な骨が軋み、細い指先が痙攣する。
注がれる熱い白濁に胎が悲鳴をあげ、傷口から新しい血を滲ませる。白と赤とが混じり、
溢れ、弛緩した太腿を伝い落ちた。

 粘りつく白濁と、吐き出しても未だ不吉に脈打つ男根とを胎に呑み込み、田鶴姫は虚ろ
な目を唯開けていた。開いているだけで、何も見てはいない。呼吸すらもう少し押されれば
止まってしまいそうだ。
 何かの砕ける音がする。
 陰陽師の結界が破れた音だ。次いで、怒声、制止の声、武器を振るう風切り音。
 田鶴姫を抱いたまま、鬼が吼える。
 貫く体勢そのままに鬼は立ち上がり、新しい場所を抉られる衝撃と、重力に引かれ増す
最奥への加重に田鶴姫は微かに喘ぎ。

 霞む視界に映ったのは、怒りと悲しみでぐちゃぐちゃに歪んだ顔で弓を構える、呪いつき
の一族の姿だった。
 鋭い矢は、田鶴姫を犯す、彼女の命を奪いつつある、異形の鬼へと向けられていた。
 ―おやめください、そう、懇願しようと。
 ―■■をころさないで、と。

 大事な誰かの名前は、やはり何処にも無かった。

 なので。矢は放たれ、田鶴姫は無駄と知って残る力を振り絞り、犯す鬼の顔の横へと
かざした。薄い女の手など、何の守りにもならず吹き飛ぶとは分かっていた。
 矢が届く寸前、鬼が田鶴姫ごと身をよじる。華奢な手がふわりと宙を泳ぐ。
 鬼の無防備な頭に渾身の矢が突き刺さり、鬼の面がその中身ごと爆ぜ、田鶴姫の手を
濡らす。
 鬼の血はヒトと同じにおいがした。

72:俺屍2・田鶴姫と■■(5/5)
14/07/29 00:29:48.67 BGk3AXil
田鶴姫かわいいよ力丸一族意識してかわいいよでプレイしてるけど、この二人は昼子の夢でも出てくるんだよね?
夢だし、ちょっとばかり死人が生き返っても不思議じゃないよね? そうだと言ってよバーニィ

73:名無しさん@ピンキー
14/07/29 21:23:11.21 yIxfF2Ki
GJ!御姫様可哀想だけどエロい!

74:名無しさん@ピンキー
14/07/30 00:43:18.68 t/jPXap+
おお…切ない…GJ!
力丸と田鶴姫いいよねー

>>61
狐をしばいて騎乗位で責める一族娘は妄想出来たけど
鳥はやっぱり無理だった…(白目)

75:名無しさん@ピンキー
14/07/30 04:36:51.90 jCdFLx2w
GJGJ切なエロいよー

>>74
嫁「この羽の温もりが懐かしいですね」ブチッ
蝿「イテッ!?」
娘「わたし父上の羽で機を織るね!そしたら暖かいし羽がないなら地上に居ればいいもんね!」
ハッピーエンド
こうですか分かりません

76:名無しさん@ピンキー
14/07/30 08:15:03.51 YWujhQ4Y
神様が天界で家族自慢してたら良いと思う
うちの嫁は下手すると俺より強くて尻に敷かれてるとか
うちの婿は強かったから今度氏神になれるかもしれないとか
生まれたばかりの子供が自分に似てきてかわいくて仕方ないとか
きっと美しく育つだろうが断じてお前に娘はやらん!とか
それぞれの推しメンへの惚気でワイワイしてる中
「どんな汚い手を使って交神したんだ」「うるせェな、恋愛結婚だよ恋愛結婚」
と吐き捨てるように言う人外系男神がいればいい

77:名無しさん@ピンキー
14/07/30 14:02:45.49 Y3+ltWoK
>>76
最後の台詞が捨丸で再生されて萌えた

78:名無しさん@ピンキー
14/07/30 18:31:27.47 RFC7XCEB
■ハーレムの女神達は殆どがもう過去のことは吹っ切ってる面があるのにお夏は未だに執着しているようで
ガックシきてしまったお夏好きの俺・・・
しかしくららちゃんは安全なようで安心した
むしろ■みたいなヤリチンに何故女は惹かれるの?と疑問に思っているようで良かったw

79:名無しさん@ピンキー
14/07/30 20:39:53.25 4+SyC6uR
パラレルワールドだと思えばええねん
リンダキューブだってシナリオごとに人物設定違うし…(震え声)

80:名無しさん@ピンキー
14/07/30 22:41:46.23 pazfduNI
美也好きの俺、特に改悪とかもなくいつもどうりの美也様で大勝利

81:名無しさん@ピンキー
14/07/31 00:22:04.59 gYqs6mov
2は、特徴の遺伝とか良いとこだけ頂いてパラレルワールドで葬っていいと思うんよ…(白目)

交神、結魂相手に獣耳をもふられて恥ずか死にそうになってる一族娘とかいいやん…?

82:名無しさん@ピンキー
14/07/31 03:49:21.01 aPsOsYQ9
ようやくクリア

もう一人作ろうかと思っていた矢先に旦那の男神の堕天&セリフに傷ついた一族女が
別の男神のところへ交神に行って、うっかり泣き崩れるとか
「あなた様はあの方のこと以外どうでもいいのでしょう?なら私に子をお授け下さい」と
父神のところへ交神に行くとか、薄暗い妄想が進んでしまった。

83:名無しさん@ピンキー
14/07/31 06:51:56.69 bm2apDQ1
NTRに失恋、使えば正気を失い誰からも忘れられてしまう鬼頭の存在、堕天して正気を失った男神に獣姦紛いに凌辱されるとか
2は薄暗いネタがやりやすい環境になったイメージ

唯一の明るい話題は神様が転生できるようになった事か?
交神はできなくなるけど一族と同じ立場にいたいと望んだ結果がそれなら良いか…と思ってしまう

84:名無しさん@ピンキー
14/07/31 19:14:52.24 0Rd2etEf
■ヤリチンどころか鵺子と永遠にラブラブするために息子苗床にしようとした外道じゃないですかー
彼と一緒にいると楽しくなると語っていた女神達の話と全然違うじゃないですかー
優しいと思った男が実は外道だったとか現実的すぎて生生しいですよー
そんな奴に女神達が騙されて惚れていたとか悪夢ですよー

あとヌエコヌエコで父性愛とかまったく無しな設定付けられた蠅、狐、犬は哀れとしか・・・

85:名無しさん@ピンキー
14/07/31 20:27:35.68 +WqJ6pQc
お夏ちゃんを■からNTRするしかないな

86:名無しさん@ピンキー
14/07/31 20:47:34.76 PC32dc6h
夜鳥子と■■の話はもうやめよう…
鬱展開のダシに使うなら良いがラブエロを考えてる時に思いだすと憂鬱になるんだ…
以下クリア後ネタバレ



それはそうと晴明が交神時にしゃべる台詞でウルッときた
今までの人生が悲惨だった分一族娘と幸せになって欲しいわ

87:名無しさん@ピンキー
14/07/31 21:41:38.48 +WqJ6pQc
晴明本当に幸せになってくれとしか……。
うちでは死後に氏神になるのが確実な女傑と娶せたので、幸せに暮らしてくれ本当に。

88:名無しさん@ピンキー
14/07/31 21:50:51.55 dMeXG7Ih
晴明にはざぶとんハンバーグのコピペみたいな幸せを味わってほしいな
気持ち悪いとか言ってごめんな、ってあやまりたくなるくらい可哀想だった

89:名無しさん@ピンキー
14/08/01 00:43:54.73 sk5eQlp7
>>84
うちの黒蠅様は父性の塊ですから(半ギレ白目)

90:名無しさん@ピンキー
14/08/01 01:00:04.10 9Qe8m1bd
1Rの最初面倒だったのに徐々にその気になっていく狐次郎と2の発情クソギツネは別人だし
恥ずかしがりで人見知り幼女四夜子様とチンピラじみた理由で襲ってくるスイーツ要員Aは別人だから(レイプ目)

91:名無しさん@ピンキー
14/08/01 04:28:49.89 sk5eQlp7
葬式スレ流し見してたらイラコンのリンクあって久々に見てきたら燃え萌え
選評コメもたまに引っかかるけどまぁ無難?な内容
神様人気把握してなかったんじゃないんかい
そしてあるイラストで「あぁこれは一族と交神相手か」と感じたんだが、
選評は「子供と神様の数が合わないね」だった。■田もスタッフも

なんつーかこの辺が2で感じる齟齬の理由なのかなと
自分がカプ萌え思考なせいかもしれないけど、実際の人気とウリを間違えちゃなぁ

92:名無しさん@ピンキー
14/08/01 14:20:47.53 qKpkqwl6
四夜子とお夏は■に再開できたとしても

四夜子&お夏「会いたかったよ■!」
■「どちらさんですか?ヌエコ知ってる?」
鵺「こんなチンピラ貝とすげーウンチしそうな猫、儂知らん」

になりそうだから会えなくて良かったんだよ
思い出は美しいままで良かったんだよ

93:名無しさん@ピンキー
14/08/01 14:36:11.55 qKpkqwl6
俺もはるあきと一族娘のSS読みたいので待ってる

そしてあんなに死にたがってたのに天界行きでまた死なない存在になったはるあきを
土公ノ八雲さんは憐みの瞳で見ればいい

94:名無しさん@ピンキー
14/08/01 18:49:00.70 dQU67fCB
晴明はアスラとは分離したんかな
蜘蛛足で色々エロい事出来そうなんだが

95:名無しさん@ピンキー
14/08/01 19:50:16.19 NFk5Zca3
>>92
チンピラ貝とすげーウンチしそうな猫に草不可避wwwww

96:名無しさん@ピンキー
14/08/01 23:57:28.29 npOieJBA
晴明がマザーファッカーになるとこを想像したことがある

97:とある一族男子の惚気 1/5
14/08/02 02:58:36.23 71JyG2Ta
流れをぶったぎって投下させていただきまする。
一族男子の一人称SS。ちょっとスイーツ(笑)入っているかも。

++++++++


 記憶がたしかならば、俺が生後2ヶ月ごろのことでした。


 ちょうどその時、交神の儀が行われる月でした。
2ヶ月年上の従兄に「交神の儀がどんなんかこっそり見てみようぜ」と誘われまして。
なんだかよくわからないけど、どういう儀式なのか、どんなことをするのか、
そして相手の神様がどんな方なのか。
子供心に興味と好奇心がわいてきて、従兄の誘いにのって二人で儀式が行われる
特別な部屋にこっそり潜りこんだのです。

 ま、もっとも御簾の陰に隠れて覗いていたところをイツ花に見つかってしまって、
当主様や儀式に臨む一族の方にゲンコツとお説教をくらいましたがね。

 そのときでした。

「どうかしましたの?」

と、お声をかけてくださったのが……そう、貴女でございました。

 当主様とイツ花に促されて謝る俺(と従兄)に、貴女は
「いいえ、私は大丈夫ですわ。お気になさらないで」
とにっこり優しく微笑んでくださりましたね。
その時の微笑みは例えるなら蓮の花のような、とても……清らかで美しいものでした。

 当主様に引っ張られて部屋から閉め出された後も……いや、それからずっといつも、
寝ても醒めても貴女のことだけしか考えられなくなりました。



 やがて、俺も弓使いとして討伐隊に加わって鬼どもと戦うことになりました。
剣士となった従兄やその他の一族のものたちとともに、戦って戦って戦いまくりました。

 何度か死にかけたときもありましたが、そのたびに
「ここで死んだら、あのお方に二度とお会いできなくなってしまう!」
「あの方にお会いになる前にここで死んでたまるかー!!」って
歯を食いしばってふんばって生き延びてきました。
『一族の悲願も大事だけど、もう一度あの美しい女神様に会うんだ』
という貴女への思いを胸にして、文字通りの修羅場を何回か乗り切りましたとも。

98:とある一族男子の惚気 2/5
14/08/02 03:00:49.43 71JyG2Ta
◇◇◇◇◇

 あれから半年と少したち、俺も元服し交神の儀に臨む資格を得まして。
当主様から手渡された交神可能な女神様方の一覧表の中から、貴女の御名を
見つけたときは、嬉しさのあまり心の臓が爆発するかと思いました。

 もちろん、迷わず即効で貴女に決めましたとも。


 俺が貴女の御名を告げたとき、俺以外の一族全員びっくり仰天しました。
「お前……それでいいのか?」「もう一度考え直したほうがいいんじゃないか?」などと
えらい言われようで、従兄に至っては「お前の好みがわからねえ」とまで言われましたよ。


 確かに一度交神経験があるうえ、失礼ながら遺伝情報はそんなに優秀とは
言いがたいのかもしれない。
より上位の女神様を選んで交神すれば、より優秀で強い子供ができるだろう。

 が、それがどうした。そんなの関係ない。
こちとら幼い頃からずっと長い間恋焦がれてきた相手なんだ。
あの方のことを心のよりどころにして、幾多の修羅場をくぐりぬけてきたんだ。
あの方以外の相手なんて、ありえない。ありえないんだ。


 そう力強く反論したら、みんな黙って何も言わなくなりました。
優秀な遺伝子よりも長年(半年と数ヶ月だけど)の恋心を選んだ俺に
呆れただけなのかもしれませんが。

99:とある一族男子の惚気 3/5
14/08/02 03:03:13.77 71JyG2Ta
 
◇◇◇◇◇


 あれから半年と少したち、俺も元服し交神の儀に臨む資格を得まして。
当主様から手渡された交神可能な女神様方の一覧表の中から、貴女の御名を
見つけたときは、嬉しさのあまり心の臓が爆発するかと思いました。

 もちろん、迷わず即効で貴女に決めましたとも。


 俺が貴女の御名を告げたとき、俺以外の一族全員びっくり仰天しました。
「お前……それでいいのか?」「もう一度考え直したほうがいいんじゃないか?」などと
えらい言われようで、従兄に至っては「お前の好みがわからねえ」とまで言われましたよ。


 確かに一度交神経験があるうえ、失礼ながら遺伝情報はそんなに優秀とは
言いがたいのかもしれない。
より上位の女神様を選んで交神すれば、より優秀で強い子供ができるだろう。

 が、それがどうした。そんなの関係ない。
こちとら幼い頃からずっと長い間恋焦がれてきた相手なんだ。
あの方のことを心のよりどころにして、幾多の修羅場をくぐりぬけてきたんだ。
あの方以外の相手なんて、ありえない。ありえないんだ。


 そう力強く反論したら、みんな黙って何も言わなくなりました。
優秀な遺伝子よりも長年(半年と数ヶ月だけど)の恋心を選んだ俺に
呆れただけなのかもしれませんが。

100:とある一族男子の惚気 3/5
14/08/02 03:04:40.52 71JyG2Ta
(申し訳ない、>>99は無視してくださいorz)


◇◇◇◇◇


 いろいろあって待ちに待った念願の交神の儀。
 身を清めてからあの部屋に入り、速鳥の術をかけられたみたいにいつもより
力強く脈うつ胸の鼓動を感じながらも、ご来訪をお待ちしておりました。
緊張する中、イツ花の神楽舞にあわせて下界に舞い降りられた貴女のお姿を
拝見した時は心臓がとまるかと思いました。
あの時と変わらぬ神々しく輝いておられる……これを美しいといわずになんと
言えましょうか。


「あら? あなたはあのときの……?」
「はい、その節はとんだご無礼を」
「あらあらまぁ、ご立派な殿方になられて……」

 なんと、俺のことを覚えていてくださったとは……。
懐かしそうにその大きな眼を細めて微笑んでくださった貴女のお言葉。
俺は猛烈に感動しました。
生きててよかったと、今ほど思ったことはないでしょう。

「……でも、本当に私でよかったの?」

 もちろんですとも。
あの日から貴方のことを忘れたことは一度たりともございませんでした。
今日に至るまで戦って戦って戦って生き延びてまいりました。
すべては、こうして貴女と再びお会いして想いを叶える。
ただそれだけのために…………。

101:とある一族男子の惚気 4/5
14/08/02 03:07:12.06 71JyG2Ta
◇◇◇◇◇

 ああ、なんて素晴らしい。
思っていたとおり……いや、想像していた以上に素晴らしいものでございました。
貴女の『初めて』をいただいた今は亡き一族の先達がうらやましい。


 大きく潤んだ瞳も、瑞々しくつやつやとした柔肌も。
楓の葉のように愛らしい形の掌も、すらりとした指も。
強く抱きしめたら折れそうなくらい細いお体も。
口付けると、ひんやり心地よい感触の唇も。
俺の業物に優しくからみつく舌も。

「あ、あっ、やあ……そ、そこは…………ふあぁっ!」
真心をこめて指や舌で愛撫させていただくたびに、上がるよがり声も。
人間の少女のように恥らう仕草も。
愛蜜があふれてひくついている秘密の花園も。

 ああ、全て愛らしく、美しい。
今こうして俺の腕の中におわす貴女の何もかもが愛おしく感じまする。

「あらあら……お世辞が上手なの……ね」
 いいえ、お世辞ではございませんよ。
誰がなんと言おうとも貴方は本当に美しゅうございます。
「ああ……なんて嬉しい……」


「……ああ、ああ……わた、し、もう……どうにか……なりそ……う」
「私も……です。……………様」
「お願い……あなたの……を、ここに……」

 いいですとも。
では…………本懐を遂げさせていただきます。
半年と少し、ずっと心に温めてきた思いを今ここに…………。

102:とある一族男子の惚気 5/5
14/08/02 03:10:39.78 71JyG2Ta
 
◇◇◇◇◇


 そろそろイツ花が俺と貴女のお子を連れて、天界から戻ってくる頃か。
どんな子なのか見てみなければわかりませんが、きっと貴女に良く似た、姿も心も
よき子でございましょう。
ああ、早くわが子の顔が見てみたい。早くこの手でわが子を抱きしめてやりたい。


 今でもまぶたを閉じれば、貴女と過ごした日々をありありと思い出せます。
思い返せば、実に濃密で幸せな1ヶ月でございました。
1ヶ月続いた、あの交神の儀の日々は生涯忘れることはないでしょう。
あと3、4ヶ月もすればそろそろ寿命がくるだろうと、自分でも薄々感づいております。
が、貴女と添い遂げるためだけに戦ってきた我が生涯に悔いは全くございませぬ。


 初めてお目にかかったあの日からずっとお慕い申し上げておりました。
そして、これからも……この命が尽きるまで、いや燃え尽きてあの世に逝った後も
貴女のことを永久に愛しています。




………………………………………………………………還之皇女様。

<おわり>

++++++++
以上をもって投下終了。
お目汚し&途中コピペミス失礼しました。

1R2週目プレイで弓使い男子のプロフィールが「好き:アマガエル」だったので
カエルちゃんとまぐわらせてやったった。
反省と後悔はしてない。

103:名無しさん@ピンキー
14/08/02 04:49:53.12 xjNuLaHg
GJ!!
一途な一族男子が可愛い!
相手の女神さま誰だろうな、楓…いやまさかと思いつつ読み進めて最後で彼女!?ってなりました。
面白かったです!

104:名無しさん@ピンキー
14/08/02 09:10:45.51 u2cAuvyB
戻ってもカエルだケロね!
でもこの彼は構わないんだろうなw

105:名無しさん@ピンキー
14/08/02 17:11:44.64 f1GrshTw
還之皇女ちゃん可愛いGJ!

106:名無しさん@ピンキー
14/08/02 18:37:46.12 gxmXyWGl
これは良いGJ
2人共可愛いわ

107:名無しさん@ピンキー
14/08/03 14:16:43.55 ZVeziwgB
遺言が「こんな時まで晴明の事考えてる。もしかして、あたし、恋してたのかねぇ…」の女子がいるらしい

108:名無しさん@ピンキー
14/08/03 16:19:36.71 91eKefFQ
>>107
は?清明?
某名前が呼べない人じゃないの?

109:名無しさん@ピンキー
14/08/03 16:37:06.75 w7F/bhoF
やめてくれええええ
娘まで■にNTRたらショックでやってけんんんん
同じ顔でもはるあきのがまだマシやああああ

110:名無しさん@ピンキー
14/08/03 17:19:25.05 SkVPJGdB
>>107
晴明だろ
Twitterの遺言募集で、(晴明と恋云々みたいな遺言作ってもいいですかという質問をした人に対して)
晴明に恋をする一族も出るかもしれませんね、まだボスは未定なので、
晴明のところはこういう風に書いてねとか桝田が言ってたから。

111:名無しさん@ピンキー
14/08/04 00:32:34.34 sTQ/BEKX
保管庫作ろうとしたら昔のあのお銀とかのSSの人に掲載してもいいかどうか連絡を取る手段がなかったでござる
前スレとここのSSだけサルベージしてその他はリンクだけ置いておけばいいんだろうか

112:名無しさん@ピンキー
14/08/04 22:45:10.58 qQzS5Ots
>>111
それがいいんじゃないかな。
保管庫は俺屍スレの保管庫で、別スレ投稿SSはリンクで紹介、がいいと思う

113:名無しさん@ピンキー
14/08/04 23:11:01.62 qQzS5Ots
>>111
2chエロパロ板SS保管庫にある俺屍SS、確認できた分だけ

ゲームの部屋>アルファシステム作品の部屋>【GPO】アルファシステム総合エロその5【式神3】
ゲーパロ専用 ◆0q9CaywhJ6 (2-48th)様:七篠家シリーズ
4-518様: 『虚空坊岩鼻の手記』

その他のジャンル、ノンジャンルの部屋>エロ無し作品の部屋>エロくない作品はこのスレに・10+
1+ -41様: (俺の屍を越えてゆけ)

その他のジャンル、ノンジャンルの部屋>ノンジャンルの部屋>スレが無い作品のエロSSを書くスレ 5
2-531様: 『常夜見・お風の恋』

保管庫にはないけど、2006年に立った『俺の屍を越えてゆけでエロパロ』スレにもSSがあった
URLリンク(mimizun.com)
レス12-51様: 花一輪・おんなの業

既に把握済みだったらすまね。クレクレだけど保管庫楽しみにしてます

114:名無しさん@ピンキー
14/08/06 00:08:05.17 Wwj3U7B0
とある(属性)の神様にご執心のようです というメッセージが出る娘に
あえて全く違う属性の男神を宛がうと興奮する

115:名無しさん@ピンキー
14/08/06 02:52:10.29 eMk6l4dE
稲荷ノ狐次郎を開放した翌月に、元服した娘(出撃隊に居た)が面食いと聞かされて
嬉々として交神させたなあ……。
2なんてものはなかった。なかった。

116:名無しさん@ピンキー
14/08/06 03:55:00.83 ddg9r8Un
>>114
なんて鬼畜な当主様…
でもいいね、最初はちょっと嫌悪感すらあって徐々に乗っちゃう系

117:名無しさん@ピンキー
14/08/06 18:56:51.51 vrEInqfy
石猿とか捨丸に娘を嫁に出す時そういう想像する
初めは嫌がったり泣いたりするんだけど
相手の優しさに触れたり体の相性が最高だったりで絆されて一ヶ月後にはメロメロに…

118:名無しさん@ピンキー
14/08/06 19:58:05.08 SWobFqUy
オイオイ、石猿は男前だろう!?

119:名無しさん@ピンキー
14/08/06 20:00:30.31 4hK6tVld
>>117
捨丸師匠はともかく石猿さんは中身がイケメンだからそういうのありえそうw
人外神だったら河太郎もいいな

120:名無しさん@ピンキー
14/08/06 21:38:30.01 OM9MLIli
石猿さんはリメイクですごく好感度上がった
不器用だけどいい人いやいい猿なんだ

121:名無しさん@ピンキー
14/08/07 03:54:05.79 D9F0r1t2
ここはうぷろだからあげたりとかでも大丈夫かな。少しばかり長くなりそうなんでそこから上げる形にしたいんだけど

122:名無しさん@ピンキー
14/08/07 08:44:52.21 0mjCH7Q/
どっちでもいいんでない?
個人的にスレ投下のがスレが潤うからありがたい

123:名無しさん@ピンキー
14/08/07 17:45:36.09 8to+5L8L
自分もスレ投下で願う

124:名無しさん@ピンキー
14/08/13 02:05:03.40 Bxrofl/Q
大変お待たせいたしました当主様!
>>113様が提供して下さったリンクも追加して、スレ内に投稿されたSS及び絵は全て保管してますヨ

俺の屍を越えてゆけでエロパロ保管庫
URLリンク(seesaawiki.jp)

編集自由のwikiですので自分のSSの誤字を見つけたらこっそり修正してもOKです

125:名無しさん@ピンキー
14/08/13 03:30:17.27 a2b8kgl0
>>124バーンとォ!乙!GJ!
知らなかったSSもあってありがてぇありがてぇ
ほんと神作品だらけだな…

126:名無しさん@ピンキー
14/08/13 10:16:24.76 1rn360GR
>>124
おつおつ。SSからイラストまで保管、眼福です

127:名無しさん@ピンキー
14/08/13 18:04:57.23 FJWvoWp6
>>124
バァーンとォ!乙でございます!!

128:名無しさん@ピンキー
14/08/14 01:31:02.70 5bJD3rfJ
>>122 >>123
規制されてて書き込めなかったけど、解除されたので投下。
葬式スレで盛り上がってたノリから、氷ノ皇子×1一族娘の和姦もの。
流石に二万越えしてる文章を載せるのは引くわ(白目)って事で、
うpろだ利用して投下させてもらいます。意見を貰えたのにすまぬ…

URLリンク(u3.getuploader.com)

>>124
そして、エロパロ保管庫設立乙っす!やっぱり見てて癒されるわー…

129:名無しさん@ピンキー
14/08/14 14:31:03.83 cH+yWbOO
>>128
皇子も一族娘も初々しくかつエロい。素晴らしい
お似合いの二人だわ

130:名無しさん@ピンキー
14/08/17 18:43:15.69 2wKDkv1T
人型の神と交わった後に人外型の神と交わったら
もう人間のモノでは満足できなくならないか気になる
牛頭丸とか凄そうだし

131:名無しさん@ピンキー
14/08/18 22:05:50.94 2aQ+8bn8
一族目線でプレイしてると人間×神様ばかり考えるけど神様×神様も面白そうだよなぁ
子どもこそ生まれないが暇を持て余した神々の遊びはかなり爛れてるだろうよ

132:名無しさん@ピンキー
14/08/18 22:30:03.10 7PkqkauF
狐と桃とかはそういう素材としては良いよね(にっこり)

133:名無しさん@ピンキー
14/08/19 01:06:45.10 5TN+k1Ct
>>128
娘さんかわいくていい子や…そしてエロい
イツ花はどういう風にして張り型でレクチャーしてるのかな?おじさんに教えてくれたまえ
seesaawikiさんがただ今大変込み合っております。ばかりで更新させてくれないので保管庫追加はもうちょいお待ちください

134:名無しさん@ピンキー
14/08/20 02:22:42.73 IFL5TIhi
>>133
いえいえ、こちらこそ保管庫追加作業お疲れ様です。
と、また葬式スレの盛り上がりから書いた最終当主×昼子の話です。
長い癖して、エロまで到達するまでが長い拙作ながら、投下してみたり。


―我ら一族は地獄巡りの最奥、修羅の塔へと到達せり。
   朱点童子討伐の前に、万が一の保険として交神の儀を願いたい。相手は―

 * * * * * * 


「私でお役にたてるなら、喜んで」

彼の一族が交神の儀に選んだ相手は、天界最上位の女神、大照天昼子であった。
長きに渡り一族を支えてきた世話役の娘と瓜二つの顔を持つ女神は、
交神の儀の場へ座する青年を向かい入れ、穏やかな笑みを浮かべる。
昼子が彼とこうして直接対面するのは、青年が少年であった時以来。

万が一の保険、とはいうものの…この青年の代で、一族と朱点
《黄川人》と、そして永きに続いた因縁は幕引きとなろう。
目の前にいる当主の青年は今まで送ってきた一族の中でも、最も心技体共に優れた戦士となりうるだろうと感じていたからだ。
当主襲名の際に彼が選ばれたのは代々の当主の血筋というだけでなく、その脅威的な能力から鑑みても
誰一人反対する意見は挙がらなかったことがその証明といえよう。

―彼ら一族と関わり合える、昼子にとって、心から愛しい時の終焉。
……本心では天界を厭い、憎悪といった感情を持つ昼子からすれば、自身の魂の残り滓となった
イツ花
《本来の身体》を通して、愛おしい生の輝きと触れ合える、時間の終わり。
それを想うと、昼子の胸には複雑に織り重なった感情たちが巡っていく。……本当は、最高神としてでなく。
彼ら一族と笑って、泣いて、怒って、困って。そんな人間としての生を本当は欲している、彼女としては。

巻き込んでおいて何を、と。自分でも理解はしている。けれど、昼子は彼らの輝きが愛しく、眩かったから。

―大照天昼子は、彼の一族を心より愛していた。それこそ、天界の神々たちへと向ける感情とは異なって。
……しかし、そうした自身の考えなどどうでも良い事だと誤魔化そうと。


「ふふ、正直なところ、あなたがたは私はお選びしないだろうと思っておりました」

昼子は柔らかな微笑みを浮かべたまま、目の前の青年へと語りかける。
そう、彼女が口にしたように万が一の保険と称した交神の儀の相手に自分を選ぶとは思っていなかった。
自分が彼らを使って目論んだ事は、もう一族側も察しているだろう。
彼女さ彼らの怨敵たる朱点童子とは異なる形で。しかもそれよりも悪辣ともいえる仇でもある。
当主は昼子へと視線をやった後、今まで黙っていた口を開くと―


「困ったときは、顔で選んでもいい。そういったのは君だろ、イツ花?」

その言葉に昼子は一瞬だけ固まり、焦った。一族は明るくも、健気な世話役の娘、イツ花を可愛がっている。
あの一族の天界への疑心が極致を示した際にも、天界への憎悪を口にする者はいても、
天界最高神である昼子と同じ顔をしている娘に対して、黙っていた事を憤る事はしなかった。

135:最終当主×昼子
14/08/20 02:26:43.23 IFL5TIhi
自身らを献身的に支え、一族の死の度に涙を必死に堪える娘は巻き込まれただけであるのだと、
一族たちは考え、昼子とイツ花を繋げあわせる事を避けたからだ。

けれども、目の前の当主の青年は違うらしい。彼女を―イツ花、と言い切った。

「ふふ、当主様はどうやら勘違いをされているご様子。
 私は大照天昼子。…イツ花ではありません」

微笑みを崩すことなく、当主を見つめると。彼はつまらなさそうにぼそっと言葉をひとつ。

「…ふーん。確かにあんたは、性格ひん曲がってそうだ。それに対し、イツ花は可愛いし」

何だ、こいつ。殴るぞ。当主の言葉に、思わず昼子のこめかみのあたりがぴくりと動きそうになった。
けれども、表情を崩したりはしない。大照天昼子とは、どのような時であろうと笑顔を浮かべ、
相手へと真意を隠しながら、この天の霊廟を総べてきた辣腕の女。……だから。
自身を侮辱し、一族とずっと共に笑える事に嫉妬心を覚える少女を褒める言葉にも、
あら、そのようにお見えでしたかと笑顔を浮かべるだけだった。そうして怒りに堪えた。

天界で初めて顔を見た時や、イツ花を『通して』下界の一族を見ている時は
口数の少ない、気遣い上手な青年だと思っていたのだが、どうやら違ったらしい。
まぁ、そうして苛立ちを覚えたところでやるころは変わらない。昼子は交神の儀を始めようとしたが―

「確かに、やることやるため来たわけどさ。その前にちょっとばかし、話でもしない?
 君と、黄川人と、『初代当主』。……僕達全部の始まりをだよ、『大照天昼子様?』」

淡々とした口調で、けれどもどこか冷え切った瞳のままに。当主は昼子へと提案をひとつ。
つまり、今回の事件の真相を全て、話せと。彼は、昼子へと語るように無言で強要していた。

「……嫌だ、といったら?」

いまいち、当主の真意が測りかねない。それに、此処で真相をべらべらと語ったところで、
彼らが選ぶ道は変わる訳でもないし、と昼子は微笑みを浮かべたままでいると―

「黄川人につくかな。いわゆる、利害の一致、ってやつ?ほら、あいつ構われたがりだろ。
 僕が「失望しました。昼子の犬やめます」って、そっち側にいきたいとかいったら、
 それこそ嬉しそうに、大盤振る舞いで迎えていれてくれるかもしれないし」

まさか、今まで一族全ての背負ってきたものをぶち壊すような発言を口にした。
それには流石の昼子といえ、表情が消える。当主をじっと見定めるよう、
視線を送っていると、彼は口を歪めながら、おかしそうに言葉を紡いでいく。

「……あいつから受けた『短命の呪い』は解けるだろうねぇ。
 『種絶の呪い』に関しては、まだ下界には『首輪』つきはいるんだから…案外何とかなるかな」
「……一族が今まで背負われてきたものを、あなたは全て放棄されると?」
「生憎、僕にとっては一族の祖が何を思い戦ってきたかとか、正直どうでもいい。
 ……ご先祖様の血ってのは、そんくらい薄れるくらいにあいつと戦ってきたってことだよ。
 そんなのが一族の当主背負ってるとか良い冗談だよねー、ほんと」

けらけらと笑っていたと思えば、一転。青年は見る者がぞっとするような、
殺意と言ってもいいものが籠められた視線で。

「僕はさ、正直、あいつへの殺意とか薄いんだよね。あいつがやってる事はそりゃあ迷惑だけど。
 ……僕達の道化芝居を上から笑いながら見てる天界の奴等のが、憎くて、殺してやりたくて仕方ない」

聞いたものを震わせるほどの怨嗟が籠められた言葉を、昼子へと投げつけた。
その言葉に流石に昼子もぞくりと、自分の中で何かがせりあがってくるのを感じる。
青年の表情、声、雰囲気。かつての自身が抱いたものから来る、それとよく似ていたから。

136:最終当主×昼子
14/08/20 02:27:30.41 IFL5TIhi
「京を守ってきた一族の当主が乱心を起こして、『無辜』の人々を朱点童子と殺し回るなんて、
 なかなかいい『見世物』じゃない?それを止めようにも神々も、流石に朱点ふたりは怖いでしょ?
 何せ、ひとりを鬼の中に封印するので手いっぱいだったみたいだもんね?」

嘲るような笑い声、そして『見世物』という言葉に昼子は徐々に表情は氷のように冷たくなっていく。
……この男の前で、表面を取り繕うなど不要だ。そう考えると、彼女もまたせせら笑うような声で。

「……つまり。ご当主さまは、私が、種絶の呪いを掛けたと。そう、おっしゃりたいのですね?」

当主から目を逸らすことなく、包み込むように柔和な作り笑顔ではなく。
自身が持つ本来の苛烈さからくる、相手を見下すような笑顔で問いかけた。
当主は昼子の本性、ここにみたりと笑みを浮かべると、再び話しはじめた。

「不思議だったんだよねぇ。何で、わざわざご丁寧に種絶の呪いなんてもんを掛けたのか。
 そんなもん掛けなくたって、短命の呪いが掛かってんじゃん。だから、当主はたかだか二年で死ぬし、
 人と子供が出来たとしても、そいつもすぐ死ぬ。脅威でも何でもない。なのに、何で種絶の呪いなんて、
 神が介入出来る『隙』を作った?最初っから、それを一族へと掛ける事。この計画そのものを考えていた奴が、
 図面図に予め織り込んでたとしか思えなかった。そこんところはどう思うよ、現天界最高神サマ?」

視線がぶつかりあう。音の無い火花を立てて、静かな焔が燃えている。
……ここで変に誤魔化したら、逆効果だろう。それに。正直、全部ぶちまけてしまいたいという、
今まで昼子の中で溜めきっていた不満や、心情を吐露したい。目の前の男がムカつくというのもあったが。
はぁ、と小さく溜息を吐くと。昼子は天界最高神の顔ではなく、イツ花本来の顔となると。

「……わかりました。ま、長くなるし、ぱぱっとお話ししましょうか。
 それとも、とびきり脚色したお涙頂戴ものがお好みですかネ?」
「あ、やっぱそっちが地なんだ。流石、『カマトト腹黒女』」
「腹黒のカマトトじゃなきゃ、こーんな馬鹿みたいな退屈な場所と、其処に住んでる
 見下すことしか出来ない道化どもを纏めたりなんて出来ませんよ、性悪当主様?
 …さぁて、何から話しましょうか。どうせ長くなるでしょうし、茶請けでも用意しますか」

よっと、お茶の用意をし始めると、当主は先ほどとは異なる明るい声で。

「あ、じゃあ僕、椿餅がいい。お茶は熱め」
「草団子でいいですよね?…ま、熱いお茶でしたら出しますよ」

 * * * * * * 

「そうですネェ…最初こそ保険だったんですよ、この案。
 ホントは初代当主さまが育ってから朱点と戦って貰う算段だったんですけどォ、
 源太殿はともかく、お輪叔母様まで、やる気だしちゃいまして」

熱めの茶を淹れた湯呑から、湯気が立ち昇る中で昼子は語り始める。
青年は何処か遠くを見つめながら話す昼子の言葉に、黙々と耳を傾けていた。

「……それだけ源太殿や、初代当主さまの事を、愛しちゃったんですかネ。
 新たな朱点の計画をあの子に知られた事を知ると、私たちがまだ早いっ言っても。
 お輪叔母様は源太様に全部事情を口にすると同時に、大江山にふたりで登っちゃったんですヨ」

その行動が浅慮である事を呆れるような。その行動を移した事に対して、わからないでもないような。
それほどまでに彼らは子を愛したという事へと憐み。そして、自身のかつてを懐かしむような何か。
ひとつの感情では表現出来ぬほどに入り混じった、複雑な感情を滲ませたその言葉。
当主は目を細めたが、まぁそれの是非を問うのは良いだろうと、その『先』の疑問を口にした。

137:最終当主×昼子
14/08/20 02:29:07.36 IFL5TIhi
「へー、その割には呪いを掛けられたとき、さっさとこの手管に移せたね。
 神々の中にはさ、人間との交神を嫌がる奴等って、結構いたんじゃないのー?」

神連中をどこか笑うような、その言葉に。昼子もにぃっと口を弧に描きながら、笑った。

「そりゃー、もう、いましたよ!朱点をもうひとりこさえるってぇだけで恐ろしいってのに、
 こんな恐ろしい手段をとるとは、やはり大照天昼子は気狂いだとか、正気の沙汰でないとか。
 私からしてみれば、自分の穴も拭けないヘタレの根性なしが、としかおもえませんでしたけどネ?
 まぁ、私も遣り手の女帝って奴ですから、ちょちょっと指先で、ほいっとっ」

空を軽く指でぴん、と跳ねるような仕草をする。それを見た当主は心底おかしそうな顔をした。

「うわぁ、この子怖い」
「その子のお陰で、今のご自分があるんですから、感謝してくださいヨ」
「はいはい。そいつの勝手な都合にこっちは一族が振り回されてますけどね。
 で、そんな軟弱者どもを丸め込んでからは、女帝サマは今現在どんな按配なわけ?」

天界の神々が聞けば卒倒したり、憤懣したりするような会話を彼らは続ける。
だんだんと彼らの声色は楽しげなものが含まれていて、話は流れるように続いていた。

「これまたびっみょーなとこですかねぇ。元っから私側だったのにしても、反私側だったのも。
 最初の方こそ少なかった、一族派って奴に鞍替え。それもまぁ、結構の数だこと!
 一族派は今現在、この朱点との決戦を終えた後に、私が一族をどう扱うかで反乱してきそうですしぃ。
 その隆盛を上手い事利用してやるか、という奴もそっち側で権力握ろうと企んでるでしょうね。
 でもォ、かといえばやっぱ人との間の子も、それに現を抜かす神が気に食わなーい!って奴等もいるわけです。
 私があなた方に変に関わると天界で大きな戦が起きそうだしで、そっとしておくか、って腹積もりでいますヨ。
 そして、何らかの干渉をしようものなら…まっ、言わなくとも分かりますよネ?

 ……戻ってきてる首輪付きも、あなた側よりばっかな上、上位におわす力の強い神達です。
 あっ、ただし捨丸は除く。あいつは相変わらず歪みない。まッ、だからこそ面倒にならないんですけど。
 あと、あの馬鹿猫は戻さないでくださいヨ、絶対。また余計なことしそうですし。

 ……氏神になった一族の子たちも、そこそこいるのも大きいですね。
 一族の子達には私や神が気に食わないって子も確かにいますけど、大抵は天界での台所事情を理解して
 何も言わなくなったり、逆に神様に絆されたりしてる子もいます。
 ま、基本的に一族派の神々と同じく、一族へ変なことしないな反乱起こしたりしないって約束してくれてますヨ。
 あ、そうそう。最近戻られた氷ノ皇子殿を一族の娘で引き込んでくれたの、助かりました。
 私が出るといろいろメンドーなことも、あの方が大々的に一族の後ろ盾になってくれると楽なんですよネー」

明け透けな天界裏事情を昼子はけらけらと悪口を含めながら暴露していく。
当主もすっかりと相好を崩しながら、さながら世間話でも歓談するかのような体勢だった。

「うちの姉上を君みたいな腹黒扱いしないでくださいー。姉上は底抜けのお人好しなんですー。
 本人は誰にも気付かれてないと思ってるけど、元凶に同情して泣くほどよ? 
 黄川人には遠慮なく助走つけて腹に鳶膝蹴り余裕の気構えでいりゃあいいのに、変に抱え込むといいますか。
 結局、あいつや目の前のカマトト女のせいに振り回された結果なんだからさー。
 ま、だからこそ同じお人好し系の氷ノ皇子を交神相手にしたんだけど。姉上あいつ好きっぽかったし。
 つーかさー、予めそこんとこは下界にも伝えていてよ。付け込みやすそうな奴、表にして出しとけ、コラ」
「変に敵対心強いのの名前出して、傷物にされちゃあたまらないじゃないですかァ!
 そっちこそ、そうしたの御せるような床上手なのを回してくださいナ」
「この男前とかは、どうよ?」

昼子の文句を聴くと、当主はにぃっと笑いながら自分を指差した。
すると昼子の口元の弧はもっと深くなり、おかしそうな声で笑った。

138:最終当主×昼子
14/08/20 02:30:57.19 IFL5TIhi
「確かに顔はいいんですけどォ、失礼な性格じゃないですか」
「相手が相手ですから、失礼なだけですー。普段はあんま喋らないし」
「ホント、そうですよ、もう。天界で初めて顔見たときは喋らずに頭下げるだけだったし。
 イツ花から『見てた』時も、大人しくて無口な方だと思ってたから、驚きましたヨ。
 こーも図太くて、ぺらぺらと喋る性悪男とか知りませんでした」
「僕もここまで大照天昼子様が、粗雑で親しみやすいカマトト女とは思ってなかった。
 その面の厚いことったら、ないわー、本気でひくわー。…ま、そっちのが接しやすいし好きだけど」

その言葉に。昼子は楽しそうだった会話をぴたりと止め、不思議そうな顔で当主を見る。
当主はそうした昼子の様子を気にする様子もなく、団子を頬張っていた。
こうまで言いたい事を言いあえる、毒を吐きあえる相手というのは。昼子にとって初めてだったのだ。
だからこうまで、言わなくてもいいような。普段なら殺してきた感情が露わになる。

「…ホントですか?スッゴく失礼な言いようなうえ、言いたい放題言ってますけど」
「適当な嘘で誤魔化したらこの女、床でひぃひぃ言わせてやろうかってなったけど。
 本当に大事なとこで嘘つかなかったし。一族のこと、思ってくれてた事はちゃんと理解出来たし」

三つ連なった団子のうちの二つ目を口に入れながら、青年は話す。
今まで話してきた中で、一番穏やかで。優しい声色だった。それで気が付く。この、当主は―。

「……嘘なんですか。あっち側につくって」

最初に昼子に切ってみせた啖呵は、ただ相手を揺さぶる為だけの言葉だったと。
昼子の溜息混じりの声に、そりゃそうだよ、と昼子の言葉を肯定した。

「天界には憎い奴等がいるけど、『家族』だっている。何より下界の『家族』を裏切れるわけがない。
 でも、はっきりしときたかった訳ですよ。どんな事情で振り回されたか、改めて知っておきたかった。
 で、その振り回された後に、『家族』が始末されようもんなら、黙ってられないじゃないですか。
 でも、安心した。……君が僕達を守る為にこの手をとってくれたってわかって。
 この手段を君が選んだのは、一族を庇護する神々を増やしたかったのもあった。そうだって、わかったから」

先程からの明るい雰囲気は溶けて、どこか静かな空気が場を満たしていた。

「恨まないんですネ」

ぼそり、と呟かれたその言葉には。なんで、その手段を取った自分を責めないのかという
昼子の心情が滲んでいて。当主は団子全てを食べきると、手を合わせた後、優しい声で続けた。

「恨むもなにも。その女の子のお陰で初代当主は血を繋ぐことが出来た訳だし。
 少なくとも、僕は感謝してるよ。…ありがとう、イツ花」

そうして、笑顔を昼子へと見せた。嘲るものでもなく、悪友と話し合うようなそれでもなくて。
まるで包み込むような、穏やかで柔らかい微笑みを。彼は其処まで理解しているのだ。
自分があの朱点の姉であると同時に。本来の名が、『イツ花』だと、いうことまで。
忘れていた名前。忘却の海へと沈めて、見てみぬふりをして。本当は呼ばれたかった、名前を。

「……それ、ズルいですよ。私の本当の名前、呼ぶとか。その名前、此処来たとき、捨てたのに。
 というかぁ、全体的にズルい。ズルいですよ、当主さま!…私、罵られるのが当たり前なことしてますヨ?
 なのに、納得してありがとう、とか。普通にキレられるより、キツいです」

いっそ、ふざけんなこの野郎、とでも。怒りに任せて、殴りかかってくれた方がずっと良かった。
自分のやっている事の是非なんて、正しい考えであっても、人道からは外れていたものだから。
だから、いつか自分を糾弾して、罵ってくれたらいいのに。そんな風に考えていた昼子にとって、
赦されることの方が、ずきずきと痛みを与える事なのだ。


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