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自己チューを浄化し、レジーナたちが立ち去ったあと、
「わたしはレジーナのこと絶対に許せないわ。いくらマナの友達でも…」
「あ…うん…」
「これがわたしの本音だけどいい?本当の友達は本音をぶつけるんでしょ。だからぶつけてみたんだけど」
「うう、まこぴ~!」
「あとオムライス作りすぎ。一人じゃ食べきれないから一緒に食べましょ」
そういうとマナに抱き着かれ、号泣された。嬉し涙を隠しもせず馬鹿正直に見せる彼女にわたしは癒される。
彼女を宥めようとするけど無理みたい。目頭があつくなって視界が滲んできて、鼻水がでちゃって、声が震えてちゃって。
六花、ありすも一緒になって四人で互いの身体を抱き合ってわんわん泣いた。なんてわたしはいい友達を持ったのだろう。みんなに出会えて良かった。本当に。
さっそくはわたしは放課後、マナたちと久しぶりに遊ぶことにした。多忙なスケジュールを調整してくれたダビィに感謝しなくては。
嬉しい半面、実はちょっと緊張していた。マナたちにぶつけるべき本音はあと一つあったのだ。
この内容はとてもくだらないことで、笑われても仕方ないようなことなのだが、こちらとしては切実なほどに深刻な問題だった。
「実は伝えたいことがあるの…」
そう切り出したわたしの声が硬く、震えていることに気づいたのだろう、マナたちは声を潜め、こちらに真剣な面持ちを向けた。
マナ、六花、ありす、それにお兄さんの四人がわたしの次の言葉を待った。
だれもが硬い表情をしていることに気づく。まるでわたしが話すことを知っているかのようなそぶりに感じるのはきのせい?
目には怯えの色を滲ませている。遂に来たのか、といわんばかりの雰囲気ね。
「まず何から話せばいいのか…」
そんなのは嘘だ。何をいえばいいのかとっくに決まっていた。けれどもそれを口にするのに怖じけづいてしまった。本音をぶつけるのを覚悟したばかりだというのに…
「まこぴー…」
マナがこちらを心配そうにみつめている。六花もありすもお兄さんも。
ごめんなさい。ごめんなさい。
心の中でなんども呟く。声にだせば余計に心配させる。
ああ、やっぱり、声にださなければ…
「マナ、ごめんなさい…」
わたしは頭を下げた。
「まこぴー…?」
マナの声に困惑と不安の色が混じる。そうよね。いきなり、謝られて戸惑うわよね。
顔を上げ、マナを見つめながら、
「わたしがマナと口を聞かなかったのはレジーナが原因じゃなかったの…わたし自身に問題があったの…
みんなとはもともと住む世界が違うのにことあるごとにわたしはみんなと違うんだ、ってことを感じて、疎外感でいっぱいになって、
そのことに気づいてくれないみんなのことを勝手に怨んで、それで厭になったのよ…ただ、それだけのことになのに、本当に自分の自己チューぶりに嫌気がさすわ…」
なんて愚かなのかしら。こんなことを今更話してどうなるのだろうか。でも聞いて欲しかった。わたしの苦しみを知ってもらいたかった。
これもわたしの自己チューでしかない。でも諦めることができないの…わたしだけトランプ王国の住人でマナたちとは住む世界が違うのだけど、それを諦められなかったの…