14/01/05 01:18:11.40 ut2pjSb6
「あぅ…あぁ…」
苦痛と涙で、かわいらしいと評判のタエの顔は見るのも憚れるほど歪んでいた。
もしこれが人間同士の争いの結果なら、敵も彼女に同情し、これ以上苦しめるのを止めたかもしれない。
だが、彼女を狙う者は人間ではない。人間のことなど食料としか見なさない化け物なのだ。
まるでタエが浜辺に着くのを待っていたかのように、ワニの頭を持つ生物が彼女の跡を追って陸地へ上がってきた。
それに気付いたタエは、今度は砂浜を這いつくばって逃げる。
「来ないで……」
恐怖からつい発してしまった言葉は、あまりにも弱々しかった。
だがそれもそのはずで、タエの左足からはおびただしい量の血が噴き出ており、このままでは失血死することは明白だった。
ワニの頭が血の匂いに吸い寄せられるようにして彼女の左足に近づく。
「お願…い、やめ…」
通じるはずもないのに、タエは必死に懇願する。
その時、ワニの口が大きく開いた。その鋭い牙に噛みつかれたらひとたまりもないことは、タエの左足が証明している。
「いやあああ!」
食べられる―そう思い込んだタエは、ぎゅっと目をつぶった。
これが、彼女の最後の意識だった。
ワニの頭は勢いよく噛みつき、タエの左脚を完全に喰いちぎった。左のお尻の下からはもう血をしたたらせた傷口だけしかなかった。
耐えられるはずのない痛みにより、タエは気を失う。いや、もうショック死しているのかもしれない。
だが、死を確認する必要もなかった。ワニの牙は、次々と彼女の若く健康的な骨肉を貪るようにして食べていったからである。
左脚の次は律儀に右脚を食べ、そしてその次にはお尻を服ごと食べる。残ったのは上半身だけとなった。
その上半身では、タエの小柄な体型に似合わないふくよかな両乳房だけをまた服とブラジャーごと食した。そこは特においしいのだろうか、異常なスピードでかじられていった。
だが、ここでワニの頭を持ったカメは海へと帰って行った。おそらくはもう食欲を十分満たしたのだろう。
それゆえ、女子大生3人組の次に海岸へたどり着いた女性たちは、鮮血に染まった浜辺の上で横たわる見るも無惨なタエの姿を見るはめになるのだった。