13/09/29 03:16:43.06 /dSxJves
カエルとライオンのような生物に捕まった二人の女は、同時に捕食された。
白い肌の女は悲鳴をあげ助けを求めながらも、最後まで右腕を逃げていく人々の方へ伸ばし、まだ自由な左腕を必死に振り回し、
同じく自由な右足を使って化け物の口を蹴りつけ、そして最後には二つの手を化け物の上唇と下唇それぞれ置き、胃へと運ぶ力に抗った。
だが、その抵抗が報われることはなかった。
化け物はさらに大きく口を開く。それは両腕を左右に伸ばした人間の腕の長さを遥かに越えるものであった。
彼女は足、下半身、そして胸へと順に大きな口へと呑まれていく。
「いやだあ! 誰かーーー!!」
そんなことを叫びながら、彼女はついに頭まで呑まれる。
「んーーー!んぅうう!」
狭い食堂で顔をしめつけられ、呼吸ができずに苦しいのか、くぐもった声が聞こえる。
「んがぁ……あぁ……」
化け物が自分とそう変わらない獲物を呑みこんだせいか、胃があるであろう部分から女の体のラインが浮かび上がっていた。
とくに、餌となる前にも強調していた豊かな胸は、その膨らみが化け物の腹を通じてもはっきりと分かるほどだった。
その後しばらく、くぐもり声は聞こえ体のラインも見えていたが、それもやがては消えていった。
ポニーテールの女は、額と下顎に牙を突き立てられると同時に絶命した。苦痛の叫びをあげる暇もなかった。
全身が赤い皮膚の化け物は、人間の血を吸い取ってその口元をますます赤く染めていく。
髪の毛すら残さず頭を食べてしまうと、今度はそのとがった爪を活かして女の上半身に纏ってある服を引き裂き始めた。
服は食べるとまずいのだろうか、なんにせよ化け物は女の体が傷つくことなどお構いなしに爪を引いていく。
擦り傷など生ぬるく、むしろ服のほとんどが肉と一緒に裂かれたため、女の上半身は見るも無惨な姿となる。
見知らぬ土地で、風呂でもないのに乳房を空気にさらすというのは、女性にとって辱め以外の何物でもないかもしれない。
しかし、そのことに抗議する口も、そもそも恥ずかしいと感じる脳も、もうこの世には残っていないのだ。
肉のえぐれた箇所からどんどん血が噴き出てくる。化け物は時折それをおいしそうに舐めていた。
上半身を食い尽くすと、今度は下半身に牙と爪を伸ばす。
生前この獲物はホットパンツだったため、化け物が下半身の布地を取り除くのは早く済んだ。
痛々しい傷痕のできた股間と秘部があらわになる。
無論この化け物は人間に対して性欲など抱かないので、他の部位と何ら差異なくかじっていく。人間はただの肉にすぎないのだ。
化け物は何度も肉を咀嚼する。やっとありつけたご馳走を味わうかのように。
こうして、食事の後に残ったのは、大量の血溜まりとまばらな大きさの白骨だけであった。
「ふふ、やっぱりまだ足りないわよね」
残虐な捕食を平然と見物していた貴婦人は、ここでようやく声を出した。
彼女は愛おしそうに二体の化け物を撫でる。食欲旺盛な化け物も、この女にだけは手出しをしないのだ。
「さあ、ご飯はまだまだたくさんあるから、食べて食べて」
婦人がそう言うと、まるで人間の言葉を理解しているかのように、化け物たちは逃げ行く女性たちを追って行った。
しばらくすると、また女性の悲痛な叫び声が婦人の耳に入ってきた。
「ふふ、あの子たちも必死ね。まあ、早くしないと他の子に取られちゃうか」
婦人は右手の人差し指をあごに当てた。
「多分ほとんどは外に逃げたと思うけど、実は散歩に出しちゃった子がたくさんいるのよね」
満面の笑みを浮かべる貴婦人からは、大成功という雰囲気がにじみ出ていた。
「あの子たちの食欲をぜひ満たしてあげてね」
ここにはいない数多の女性たちに向けて、婦人は優しく語りかけるのだった。