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『女王蜂女』
ある日突然宇宙人が宣戦布告をして来、地球人が宇宙人に拉致されるのが
日常茶飯事の世界の少し前、まだ宇宙人による拉致が認知されていなかった頃
……宇宙人の魔の手にかかった哀れな被害者が三人いた。
三人は雰囲気が似通っており近親者なのだろうということがすぐ分かる。
一人は他の二人の母親だろう。ウェーブのかかったショートヘアに
母性を感じさせる雰囲気に裸の今となってはよく分かる
豊満な体つき、それなりに歳を重ねて来たのだろうが、くびれや肌の見た目などから
若々しく見える。
甘く熟した果実……例えるなら、そのような表現だろうか。
そしてもう一人の女性─女性という言葉のイメージは似つかわしくなく
言うなれば少女だが─はさっきの母親の子供だろう。髪は母親と違って長く腰まで
伸ばしているためパッと見た感じは母親と違うが顔つきなどをよく見ると母を思わせる。
青く食べられないこともないが、待ったほうが良い果実のような年頃だろう。
ピチピチとした肌に子供っぽさが残る顔、膨らんでいるが、まだ膨らみきっていない胸
などがそれを物語る。
最後は男の子だ。少女よりもおでこ1つ分ほど低い身長からして少女の弟だろう。
おとなしそう、気弱そう、可愛い……そんな言葉が似合う少年だった。肌も色白で
化粧を施せば女の子にも見えそうな顔だ。男性器も可愛らしい。
そんな三人が白い部屋の中、裸で虚空に張り付けにされたかのような格好をして宙を
浮いていた。
時間を少し遡る。
母親と姉と弟は買い物の帰りだった。全員、買い物袋を持っている。
「今日は沢山買っちゃってごめんね?」
母親が子供達に謝る。
「大丈夫だよお母さん。これぐらい男なんだしへっちゃらだよ」
男と言っても幼く結構きついはずだがつよがりを言いたい年頃なのかそう言う。
「それじゃあ私の分を持って貰おうかな」
「えっ」
「冗談よ、冗談」
「もう~脅かさないでよ」
そう言って姉は笑った。母親もそれを見てクスクスと笑っている。
そして親子は大きな建物と建物に挟まれた道に差し掛かった。道は湾曲しており道の
入り口と出口からは見えなかった。しかしたかだが100mほどの距離。遠回りする
ほどでも無いはずだった。そして道の中頃まで行った時……足場と上空に光で円の軌跡が
出来たかと思うと円と円の間に透明な壁が出来上がり親子を捕らえた
「な、何これ!?」
姉が声を上げる。すかさず弟は壁に突進した。
「く、くそ!」
しかし壁はびくともしなかった。
「どうなっているの……?」
母親がそう呟く。目の前に起きていることは今までの常識からあまりにも外れていた。
そして円柱形のものは浮上した。
「きゃっ」
姉がその時の衝撃でこける。
「大丈夫?お姉ちゃん」
弟が心配そうに声をかけた。
「ええ、大丈夫……きゃっ」
慌てて姉は丸まった。なぜなら一瞬のうちに母、姉、弟が全裸になったからだ。
買った物もいつの間にか消えていた。
「見ないで!」
弟にそう言う姉。そんなことを言われる前に弟は姉から目を逸らしていた。
すると目線の先には全裸の母親がいた。
「ごめん!お母さん」
慌てて謝罪する弟。それに対して母親は私は大丈夫よと笑いながら答えた。
そしてどんどん浮上し光に包まれたかと思うと親子は意識を失った。
そして現在……
子供二人は不安そうな顔をし、母親は自分が支えにならなければという使命感から
逆に凛とした表情をしている。そのおかげで子供二人はなんとかパニックにならずに