13/12/07 17:44:07.15 p2OfXVug
―彼女はコタツに潜った。
足の裏でもぞもぞしている塊が、真っ直ぐ俺に向かって進んできた。胡座の真ん中、股座の前に顔を出す。
「怒ったのか、可愛いねー」
「あのねぇ!」
火に油を注いだ俺に対して、片眉だけ吊り上げる器用さを見せながら彼女が迫ってきた。
「ちっちゃいからちっちゃいって言ってるだけだけど?」
「そういうのがムカつくの!」
ちっちゃい身体を活かしてコタツと俺の両足の間から飛び出しこちらの上半身へ体当たりしてきた。堪え切れ
ずに倒れると、そのまま脇腹をグーでガシガシ殴りつけてくる。
「ちょっ、それは!?」
「痛いか! 痛いかあ!」
「痛痒い!」
「なっ……! この、痛がれぇ!」
ちっちゃなグーで、中途半端な力で殴りつけても、痛さとくすぐったさが半々で反応のしようがない。小動物
をあやすようにして抱き締めて動きを制限しようとするが、彼女としてはそれが益々癪に障るようだった。
「うがー!」
「ははは、痛い痛い、痛いなー」
「もー!」
抱き締められない代わりによしよしと撫でてやるが、こちらも気に入らないらしい。前髪の生え際辺りに置い
た手を取られる。
「……何?」
じぃっと俺の指を見つめると、彼女は―
「ってえーーーー!」
―思いっきり噛みついたのだった。
噛み痕はくっきりと、3日も残った。
・「14に行け」END! ゲームブックのお約束。貴方のイチャイチャはここまでだ…… → >>350へ