甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度14at EROPARO
甘えんぼうな女の子のエロパロ 糖度14 - 暇つぶし2ch200:名無しさん@ピンキー
13/07/30 NY:AN:NY.AN Pm/dQCDN
甘えっ子「もっとぎゅってしたいです」
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです」

201:名無しさん@ピンキー
13/07/30 NY:AN:NY.AN 8fMX2F3+
>>200
甘えっ子「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと…(キュ」
↑だんだんふにゃふにゃになってく
ヤンデレ「もっとぎゅってしたいです。もっと、もっと!!(ガシッ」
↑だんだん力が入っていく

202:名無しさん@ピンキー
13/07/30 NY:AN:NY.AN 10f8eX1d
恋人の献身的な愛情を受けて病んでた心が溶け、甘えっ娘になっていくSSはよ

203: ◆6x17cueegc
13/07/31 NY:AN:NY.AN edf6AYCZ
 旦那様が企画された納涼会に、ご家族の皆さんと、特別に僕達使用人が集まっておりました。広く、よく手入
れされた庭を望む別邸の座敷に、皆さんそれぞれが寛いでお酒を頂いております。
 僕はというと、現在お嬢様に絡まれておりました。お嬢様はもう随分お酒をお召しのようです。
「ちょっと、聞いてるの?」
「はい、聞いております」
「それならそこに座りなさい」
「既に座っております」
 もう三十分、お嬢様はこうして正座をした私の膝の上にいます。所謂膝枕という奴です。
「ちーがーうーのー! 足を崩しなさいって言ってるの!」
「しかしお嬢様、今足を崩しますとお嬢様の頭が床に叩きつけられてしまいますがよろしいのですか?」
「そんなの叩きつけられないようになんとかしなさいよ」
 素面では至って真面目でいらっしゃるお嬢様なのですが、何故アルコールが入っただけでこんな性格になって
しまうのでしょうか。
 困った顔で周囲を見渡しても飲酒したお嬢様の性質の悪さをご存知の皆さんはこちらを遠巻きに眺めているだ
けです。手を貸してくれそうにありません。
「あなたも一人前の使用人なら、困ったことがあるなら自分で解決なさい」
「困らせているという自覚がおありでしたら止めていただけますか、お嬢様」
「なんでよ! 面白くなくなっちゃうじゃない!」
 脇腹の辺りを握り拳で叩かれました。これはアルハラでパワハラではないでしょうか。
「足も大分痺れてるでしょ? さっさとなんとかしてみなさい」
「……では、失礼します」
 お嬢様の頭を持ち上げるため、ちょうど都合よくくっついていた取っ手を掴んで持ち上げます。
「耳! 耳痛い! 痛たたたたたた!」
「少し静かにしていただけますか? 足が痺れているので上手く動かせそうにないんです。膝で殴ってしまいま
 すよ?」
 周囲の旦那様方がドン引きしていますが、まあいいでしょう。僕もお酒を随分飲まされましたし、少しばかり
酔ってしまっていますから。
「多少の無礼はお許し下さい。何分酔っておりますので」
 痛いくらいに痺れた膝をなんとか組み直して言われた通りに足を崩しました。持ち上げたままだったお嬢様の
頭を床にそっと下ろします。
「これでよろしいでしょうか」
 これ以上なく慇懃にそう言うと、すっかり大人しくなったお嬢様が涙目でこちらを見上げていました。
「……そこに正座なさい! あなたは私をなんだと思っているの!」
 収まったかと思ったのも束の間、再び元気になったお嬢様はやおらに身体を起こしてお説教を始めました。足
を崩せと言ったり正座をしろと言ったり、朝三暮四で支離滅裂な方だと思います。
「お嬢様の仰る通りになんとかしてみましたが、何か問題がありましたか?」
「問題大有りよ! なんで耳を引っ張るの!」
「ちょうどいい取っ手がありましたので、つい」
「ちょうどよくない!」
 お嬢様が飛びかかって来ました。耳たぶを摘まれてそのまま引っ張られます。
「痛いでしょ? 痛いと言いなさい」
「痛いです」
 そんなやり取りをしている僕達を横目に、旦那様方は寝所へ戻ります。迷惑な酔っ払い、もといお嬢様の処理
は僕に一任されたようです。
「いーや痛くない、私はもっと痛かった」
「お嬢様は僕の痛みが分かるんですね。すごいです。万国びっくりショーに出演されてはいかがですか?」
「あなた、私に喧嘩を売っているの?」
「まさか。ただ正直に本音をお伝えしただけですよ」
「なお悪い!」
 旦那様も奥様も先輩方も、苦笑いしながら座敷を後にされました。

204: ◆6x17cueegc
13/07/31 NY:AN:NY.AN edf6AYCZ
「……なんでいつもあなたは私のこと、バカにするのよ」
 襖の向こうに誰もいなくなったと気配で分かると、お嬢様は少しだけ怒りを収められました。もしかしたら、
単に耳の痛みでお酒が抜けただけかもしれません。
「バカになどしておりません。お嬢様はいつも素敵な方だと思いますよ」
「そういう心にもないことを言うんだから」
「正直に、本音をお伝えしただけです」
 そう言いますとお嬢様は赤面なさいました。やはりお酒は抜けていないようです。
「……酔った。運んで」
「畏まりました。ところで、どのように抱き上げましょうか? おんぶに肩車、肩に担いで運ぶ、とありますが
 いかが致しましょう」
「そんなの嫌だわ。普通に抱き上げてよ」
「存じております。ただ腕を使うものでは万一にも廊下でお嬢様を落としてしまうかもしれません」
「そんなに重くないわよ、私」
「そうですね、四十―」
「そこから先は言わなくていい」
 今日一番の殺気が含まれておりましたので口を噤みます。
「―失礼致しました。お嬢様を腕で支えること自体は何と言うことはないのですが、いかんせん寝所までの距
 離が長いのです」
 大奥様、旦那様と奥様、若旦那様、そしてお嬢様は座敷のある別邸から渡り廊下の向こうの母屋に寝所がござ
います。しかも若旦那様とお嬢様のお部屋は二階。運び切る自信がありません。
「ですから」
「分かったわ。じゃああなたの部屋で休ませて頂戴」
 僕達使用人に割り振られた部屋はこちらの別邸にございます。移動距離は半分以下になるでしょう。
「僕の部屋ですか? しかし使用人の部屋はお嬢様にお休みになっていただけるつくりになっておりませんが」
「……ハナから眠るつもりなんて無いわよ」
 納涼会では僕を含む使用人の面々は普段の仕事着か私服でしたが、旦那様方は皆さん浴衣でいらしました。お
嬢様の浴衣は白を基調とした生地でした。抜けるように白い肌と合わせて、とてもよく似合っておいでです。
 そんな浴衣でざらりという音を立てつつ、お嬢様は僕に抱きついていらっしゃいました。
「酔いが醒めるまで、少し休むだけよ。ここだって片付けなければならないでしょう?」
 使用人も参加しての納涼会とは言っても、僕達が後片付けをしなければならないことに変わりありません。担
当の者は一旦姿を消していますが、暫くすればここに戻ってくるでしょう。
「だから……その、私を抱っこしなさい」
「畏まりました」
 お嬢様の仰る抱っこというのはお嬢様抱っこのことです。以前抱きあうようなかたちの抱っこをしたときに、
お前は分かっていないと散々お叱りを受けたことがありました。お嬢様には腕の輪を僕の首にかけて頂き、僕は
背中と膝の裏を持ち上げます。
「どう? 重い?」
「いいえ、お嬢様が暴れなければ途中で落とさずにお運び出来ると思います」
 意識的に回答をすり替えましたが、お嬢様はお気づきでないようでした。機嫌がよいようで何よりです。
「あなた、今夜は付き合いなさい」
「一応お伺いしておきますが、付き合わない選択肢はありますか?」
「無いわね」
「でしたらご命令頂かなくても分かっておりましたよ」
「だってあなた、言わないと分かってくれないじゃない」
 お嬢様は僕と二人きりになると、急に抱きついてきたり、抱っこしろといったご命令をなさいます。
 使用人の先輩には常々『ご命令を頂くのは未熟の証拠』と教えられております。旦那様方のご要望が分からな
い僕に落ち度がある、ということです。
「すみません。ただ僕も夜は左利きですから」
 笑顔でそう申しますと、お嬢様は身体を固くされました。顔も真っ赤にしております。
「はぁ!? ば、バカじゃないの!?」
「確かにお嬢様に比べれは僕は利口ではありませんが……お嬢様も僕も、左党ではありませんか」
 お嬢様の顔色は今にも火を吹きそうになりました。
「……っのバカ! だからあなたは分かってないなんて言われるのよ!」
 肩の辺りで罵倒を並べ立てるお嬢様の仰ることを半分聞き流しながら、僕は酔いに若干ふらつく身体をゆっく
り進めたのでした。

205: ◆6x17cueegc
13/07/31 NY:AN:NY.AN edf6AYCZ
と以上です

>>189きっかけで小ネタ
昔読んだ本に最後のネタがあったのを思い出したので書いちゃったテヘペロ(・ω<)☆
が、>>198言うところの塩スイーツちっくになってしまったのは否めない

206:名無しさん@ピンキー
13/08/01 NY:AN:NY.AN ZycAS3kD
乙&GJ!
なんか夜ご飯が済んだら謎を解く話が頭よぎるw

207:名無しさん@ピンキー
13/08/01 NY:AN:NY.AN 2dq3PAyF

ワロタ

208:名無しさん@ピンキー
13/08/01 NY:AN:NY.AN UScwnNHE
おつ

209:名無しさん@ピンキー
13/08/03 NY:AN:NY.AN 780PVzOR
夏祭り


「ゆかりさん、準備できましたか?」
「はい、お待たせしました」
「おぉ……浴衣、よく似合っていますよ」
「そんな……そうすけさんこそ、浴衣姿、とっても素敵です」
「ははは、なんか照れますね。さ、行きましょうか」
「はい」

・・・・・・

「私、電車なんて久しぶりです」
「そうなんですか?でも今日は2駅だから、すぐですよ」
「歩いて行ける距離ならもっとよかったんですが……」
「まあまあ、その間にゆかりさんの浴衣姿を楽しみますよ。祭り会場は混雑して、余裕ないでしょうし」
「……っ、そう、ですね……」


「さあ、降りますよ、ゆかりさん」
「だ、だめっ、降りないでください!」
「え……?あ、扉が……」
「あ……すみません、そうすけさん!私ったら、何をして……」
「いえいえ、大丈夫ですよ。次の駅で降りましょう」
「……はい、すみません」

・・・・・・

「そうすけさん、先程はすみませんでした」
「大丈夫ですよ、怒ってなんていませんから。でも、どうしてあんなことを?」
「さっき、お祭りは混雑するから、余裕ないって。
折角そうすけさん浴衣なのに、あんまり見れないのかなって思ったら、体が勝手に……」
「……それは男冥利に尽きますね。僕も、浴衣姿のゆかりさんが少し独り占めできて、嬉しいですよ」
「私のこと、はしたないって思わないんですか?」
「とんでもない!むしろ、もっとくだけてもらってもいいくらいです!……あ」
「……ふふっ、そうすけさんったら。では、お言葉に甘えて。手をつないでください」
「喜んで。じゃあ、ゆっくり会場まで行きましょうか」
「はい。絶対、離さないでくださいね?」


「まさか本当にひと時も離さないとは……」
「ふふ、今日の私はくだけてますので」
「も、もうそれ忘れて下さい……」

210:名無しさん@ピンキー
13/08/04 NY:AN:NY.AN qt8utCUw
 最近暑いね。
 こんな日にはシャワーを浴びて汗を流すに限る。
 そして短パン姿になって畳に寝転がり、扇風機に当たって涼む。
「パパ」
 すると彼女がやってきて隣に座り、俺の顔を覗き込んできた。
 彼女は俺のことを何故かパパと呼ぶ。
「どうした?」
「構って」
「きついっす」
 そう言うと、つまらなさそうに唸り、俺の上に被さってくる。
「こら、暑苦しい」
 引き剥がそうとすると、怒る。
「膝なら貸してやるから、上は風に当たらせて」
 了解したのか、のそのそと下に移動する。

「パパ、さらさら」
 俺の太股に頬擦りしながら、彼女が言う。
 普段跳ね気味の短髪が、肌に擦れて結構くすぐったい。
「甘えんぼうだな、お前は」
 俺は上半身を起こして、彼女の頭に触れる。
 タンクトップとホットパンツ姿で、中学生くらいの外見。
 成長途上の胸だが、遠慮のないチラリズムだ。
「ん……すん」
 顔を太股から短パンの方に寄せ、埋める彼女。
 そして枕のようにすりすりしながら、臭いを嗅いでくる。
 変態的だが、これは彼女なりのスキンシップであり、変な下心はない……と思う。

「パパ」
「何だ?」
「パパの体、みんな好き。触れてると、安心する」
「俺は、俺を好きと言っていつでもくっついてくれるお前が好きだ」
「退けようと、したのに?」
 少し意地悪く笑いながら、聞いてくる。
「まあ、素直じゃないんだ。ツンデレって奴?」
「ツンデレ、か」
 彼女は少し膝側に転がって、仰向け気味に俺の方を見る。
「ずっと、私を好きでいて? パパ」
「どうかなー」
「分かってる、ツンデレだから」
 体を起こし、今度は俺の太股に跨ってきた。
「でも、分からない時も、あるから……その時は、はっきりして?」


 俺と彼女はいつものように、求め交わっていた。
 布地の少なく無防備な夏服は、今は下着やゴムと同様に周囲に散らばっている。
「ん……ちゅ」
 盛り過ぎかもしれないが、こんな愛情深く際どいキスやハグをされれば、あっさりケダモノに堕ちてしまう。
 誰にも見せたくない、秘めた営みとその後の優しい時間。
 汗まみれでせっかく浴びたシャワーが空しいが、それでも理性に勝てず抱き締めている。
 上気した肌を扇風機の風に撫でられているのが、せめてもの暑さ凌ぎだ。
「ふぁ……、パパ」
「ん?」
「あのね、子どもできたら、喜ぶ?」
「ああ。今はいろいろ大変だが、いつか、な。楽しみにしてるよ」
「うん。そしたらパパは、本当のパパになって、家族、いっぱい……どうしよう、そんなの嬉しすぎる……うあぁ」
 何だろうな、この可愛い生き物は。


というお話だったとさ

211:名無しさん@ピンキー
13/08/06 NY:AN:NY.AN NpUl17kA
皆GJ

212:名無しさん@ピンキー
13/08/07 NY:AN:NY.AN l8pOPphS
いいね♪ いいね♪

213:名無しさん@ピンキー
13/08/08 NY:AN:NY.AN /5UgOhDX
 暑気払いに温泉旅行とは、以外と悪くない選択だったらしい。
 一日の終わりを露天風呂で迎えるのは、なかなかに風情がある。
星も月も見える空に、源泉掛け流しの湯。風呂から上がれば料理も待ってるし、言うこと無し、である。
 ただ、一つだけ贅沢を言うならば。
「やっぱり、狭いねえ」
 湯気の立つ水面にちゃぷんと波が立つ。
 風呂付きの個室のある旅館を選んだとはいえ、湯船が家族風呂ほど大きくないのは誤算だった。
 お陰で、二人で入れば寿司詰めだ。大浴場に行けば広々とした空間を存分に楽しめる、とは一応主張してみたのだけど。
「だから言ったろ。無理に入ることないって」
「ううん。……こーゆーのがよかったんだよ。えへへっ」
 旅行計画の首謀者たるほたるさん的には、まんざらでもないご様子。
 二人膝をついて向かい合って浸かった湯船の中、頬を緩めてご満悦。
「次は混浴のあるとこにしような」
「それでも……一回は、こんな風に入りたいな。よーたと一緒にっ」
 伸ばした両手を俺の腕に重ね、ちゃぷちゃぷと揺らしていた。
 ……昔からスキンシップの多い奴だとは思っていたけど。
「……なんか、この旅行で余計に進行しそうだな」
「ん、なにがー?」
「甘えグセだよ、ほたるの。俺離れ出来なくなるぞ」
「なんだ、そんなこと心配してたんだ? んふふ、だいじょーぶだよっ」
 にやけきった顔のまま自慢げに胸を張られても、やな予感しかしない。
 結構大きめな双房が揺れる様は、それはそれで堪能させてもらったが。
「よーたをわたし離れできなくさせれば、問題なしっ」
「自分がどーにかなるという発想はねえですか!」
「ねえです!」
 ……ドヤ顔で『これからもいちゃつきますが何か?』と主張されても。
 ほたるの自分が決めたらテコでも動かない所は、結構手強い。
 わがままをいう訳ではないのだけど……その、なんというか。
「……離れる必要がないじゃん。ずっとぎゅっとするって、約束したし」
 お気楽な笑顔から一転、物憂げな瞳が懇願の視線を対面に向けてくる。
 こうなるともうダメだ。結局甘えたがりが進行するんだろうけど。
「……一緒に決まってるだろ」
「えへへ。よーたも結構あまえただよねー。わたし離れできないよー?」
「ほたる離れ出来なくするんだろ? いーんじゃね、それで」
「あー、照れてる照れてる! かあいいなぁ、もー! もーもー」
 上からのしかかるみたいに抱きついてきた、頬を寄せてぐりぐりと乱暴なハグ。
胸板にむにゅんと触れたやわかい山が大変素敵ですけども!
「……一つ、提案なんですけど」
「何だよ」
「家に帰っても……こーして一緒にお風呂入りたいなぁ……なんて」
 ……やっぱり、甘えグセは進行するらしい。
「わぷっ。ちょ、よーたっ、ぎゅってするの強すぎだよおっ」
「……強いの、好きなクセに」
「す、好きだけど……好きに決まってるけどお……くぅん……」
 甘えたがりも、甘えられたがりも。
 きっとふたり一緒に、離れられなくなってゆくんだろう―。

214:名無しさん@ピンキー
13/08/08 NY:AN:NY.AN /5UgOhDX
>>179から小ネタなど
甘えっこと一緒にお風呂入りたいお

215:名無しさん@ピンキー
13/08/14 NY:AN:NY.AN 8S4HKrt9
素晴らしい!
これは素晴らしい!

216:名無しさん@ピンキー
13/08/14 NY:AN:NY.AN LFSYdzEn
GJ!GJ!!

217:名無しさん@ピンキー
13/08/14 NY:AN:NY.AN Zhpg1v73
いいかんじだぉ

218:コテつける ◆fEzkEcuNwqHK
13/08/15 NY:AN:NY.AN TefqK4Qi
爆発


「そうすけさん、『りあじゅー』ってなんですか?」
「え……愛し合える人がいる幸せな人、ですかね?」
「じゃあ、私たちは『りあじゅー』ですか?」
「ええ、まあ、そうですね。なんか照れますけ……」
「た、大変です!爆発します!!」
「はあ!?何が!?」
「『りあじゅー』は爆発するんです!どうしましょう!?」
「ああ、そういう……。……!」
「そうすけさん?」
「ゆかりさん。俺は爆発する破目になろうと、変わらず貴女を愛します」
「え!?え!?」
「そしてもし天国へ行っても、ゆかりさんを愛し続けたい」
「そ、そんなの私だって、生まれ変わってもそうすけさんが大好きですっ!!」
「ゆかりさん……」
「そうすけさん……」
「……」
「……爆発、しませんね」
「するわけないでしょう」
「…………え?」


「ゆかりさーん、すいませんでしたー!俺が悪かったからトイレに引きこもらないで下さーい!」
「そうすけさんの、おたんこなすー!すっとこどっこーい!爆発し……しちゃだめですけどー!
 もー!あんぽんたーん!おたんちーん!」

219: ◆fEzkEcuNwqHK
13/08/15 NY:AN:NY.AN TefqK4Qi
書き込みすぎ?間隔もっと空けるべき?

220:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN h6emwEzJ
GJ
2828したw

個人的にはカマワヌヨ(・ω・)

221:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN hpjndw+7
 二大精糖のでもくらしー

 右と左、革新と保守。相対する信念が拮抗する世界―とはいかなかったこの国で。
 えらい人らが夢想した対立の社会は、実は密かに実現していたりする。
 もっとも、舞台は超絶小規模な一つ屋根の下。
 高砂家の夕食後のリビングでは、今宵も論戦の火花が散っていた。
「今日こそ言わせてもらうぞ、希海っ! いい歳して、そっ、そんなにベタベタ
してっ! 恥ずかしいだろっ!」
「えへへっ。だってね、莉緒ちゃん。晴斗にぎゅーってされるの、とってもきも
ちいいし……すっごく、どきどきするんだもんっ」
 どうしたものかと戦況を見守る家主、ソファーに腰掛けていた高砂晴斗の眼前
で、舌戦繰り広げるは二人の少女。
 真っ赤な顔で両手をぶんぶん振って、道徳とかモラルとか奥ゆかしさを訴えて
いるのが藤枝莉緒。
 そんな訴えも何処吹く風、自分の欲求には一直線とばかりに晴斗の膝上にちょ
こんと座って幸せいっぱいに笑顔を見せるのが天野希海。
 相対する二人は容姿も性格も正反対だった。そんなボーイッシュで潔癖な莉緒
と、ガーリィで怖いもの知らずの希海がぶつかれば―。
「ど、どきどきとかっ! そんなにやけたはしたない顔、晴斗に見られていい
のっ!?」
「でも、でもねっ。…………あー、やっぱ、むりだー。うれしい気持ち、止められな
いよおっ」
 希海は晴斗の両腕を、まるでシートベルトみたいに身体に絡ませ、愛おしげに
ぎゅっと抱きしめてははふぅと甘いため息を吐き。
 莉緒は赤い顔をもっと真っ赤にして、瞳にはかすかに涙まで浮かべながら一層
狼狽してしまっている。
 自由意思の成せる業と言わんばかりに素直な希海の姿は、割と奥ゆかしい古風
な莉緒にとっては許容しがたいものらしい。
「いつまで続けてんの、二人とも。ほら、喧嘩はなし。仲直りしなー」
 いちゃらぶと貞淑の狭間で板挟みな晴斗も助け船を出してはみるものの。
「だ、だってっ、希海が……。大体晴斗もだらしないんだぞっ! すぐに止めない
からっ、こ、こんなに破廉恥なことに……」
「んふふ。晴斗さん、もっといっぱいぎゅーってしてください。今日は、莉緒
ちゃんの分までっ」
 躊躇い恥じらう恋敵に見せつけるように希海が更に晴斗に身を寄せれば、助け
船もあっという間に波間に呑まれて消えてしまった。
 幸せそうに眼を細めて、その身に絡めた腕をまるで宝物のようにぎゅっと両手
で抱く姿は、莉緒の焦燥を大いに煽っているようだ。
 わなわなと身を震わせて羞恥と羨望の狭間で悶える莉緒が面白いのか、幸せに
頬を緩ませる希海の暴走も徐々にギアを上げていく。
「んなっ!? ぼ、ボクの分までとかそんなのずる―じ、じゃなくてっ! とにか
く破廉恥なのはだめに決まってるっ!」
「破廉恥じゃないですよ~。はぐもちゅーも親愛のスキンシップです。わたし
も、晴斗さんが好きだから―んぅっ」
 くるんっ、と座っていた膝の上で半身を捻り、ぷるんっと瑞々しい唇で、つい
ばむように晴斗の元へ。
「あははっ、くすぐったいな」
 ほんの児戯、いたずら混じりのスキンシップも希海にしては造作も無いこと、
だが。
 その時莉緒に電撃走る―と言わんばかりに一瞬、ぴたりと彼女の時が止まって
しまった。蒼白に染まる顔面は、瞬く間に紅潮を見せる。

222:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN hpjndw+7
「わーっ! わあああっ! キスとか何やってんだよおっっ!? 晴斗とキスとか
そんなのボクも―ち、ちがうくてっ! はっ、晴斗がイヤがってる だろっ!?」
「いや、別にイヤっていうかくすぐったいだけで」
 晴斗にすれば、まだ兄離れの出来ていない妹のようなものだから―そう、大し
たことではないとやり過ごすものの。
「ちゅ……んちゅ、れぅっ……はふぅ……。晴斗さんにちゅーすると、わたし、ぽわぽ
わしちゃいます……はぅぅっ」
 希海だってもう、十分『いい歳』の女の子であり。
「あははっ、こら希海っ、犬じゃないんだから」
 頬に降らせた口吻の雨は、親愛より深い意味を帯びている。
 それは、莉緒にも一目瞭然だった。
「あ、あぁ……晴斗が取られちゃう……やだ、そんなのヤダっ……ボクだって、ボク
だってぇ……っ」
 震える手をおそるおそる伸ばして、掴もうとする健気な仕草。
 堪え続けた理性を破り、抑えきれなくなった『甘えたがり』な想いは、晴斗の
一身に向けられてゆく。
「こら、希海。あんまり莉緒にいじわるすんな」
「うふふ。晴斗さんだって、分かってるくせに」
「い、いや……それは、そのっ。俺がしたいのと、莉緒がしたいのとは違ったら、
莉緒に悪いし……」
 言葉ほど確かでもないから―それだけで躊躇っていた晴斗を、希海がくすくす
と笑った。
 恋敵の気持ちは同類だからこそよく分かる。
 甘えたい―ただ、それだけだから。
「……何が悪いんだよっ。晴斗の、うわきものっ」
「う、浮気って」
 おそるおそる探り合い、確かめるような会話を重ねて、一歩、また一歩と莉緒
が晴斗の元へ近づいてゆく。
 目線も泳ぎ、伏し目がちになりながらも、それでも進む。
 どくん、どくん、胸に弾む鼓動の音に合わせるように。
 こちらへどうぞ、と身体をずらし、莉緒の座る場所を作った希海の前で。
「ぼ、ボクだって……そんなの、ボクだって! し、したっ―したいって……思って
るしっ……」
 胸元に飛び込むように、莉緒が晴斗の身体にしな垂れかかる。
「……莉緒。甘えたいなら、遠慮すんな」
 ぽん、ぽんっと、赤ちゃんを安心させるように背中を優しく叩いてくれた晴斗
のせいで、莉緒の表情も綻んでいく。
 甘えちゃいけない、はしたないのはダメ―そう自分に言い聞かせてきた葡萄党
な少女も、やっぱり甘い女の子だから。
「うぅ……こ、こんなの繰り替えしたら……ボクまで希海みたいな、甘えんぼうに
なっちゃうじゃないかよおっ……晴斗のバカぁ……」
 細いショートヘアーを手櫛で梳かれる快感で、まるでネコのように丸くなって
ゆく。
「くすくす、莉緒ちゃんはもうずっと前から甘えんぼさんだと思ってましたけど
ねー」
「そ、そんなんじゃないもんっ! そんなんじゃ……うぅ……」
 愛しい人を半分占領している隣の少女のからかいで、はっとまた頑なな態度を
取り戻そうとするも。
 一言。晴斗が呟くそれだけで。
「……俺は莉緒に甘えられるの、好きだけど」
 ムキになっていたしかめっ面が、まるで蕩けるように変わってゆく。
 瞳に星が輝き、頬がだらしなく緩んでゆく。
 それは、心の底で求めていた、願いだから。
「……そんなの、ボクだっておなじなんだからなっ」
 最後は、莉緒もぎゅっと抱きしめた。
 そんな風に、甘えんぼの論戦は、いつだって幸せに幕を閉じてゆく。

223:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN hpjndw+7
小ネタ失礼しました
甘えっ子に清き一票を!

224:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN h6emwEzJ
乙ワロタ

どっちにも一票入れたいんだが(・ω・`)

225:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN +9Z3m10F
おいおい甘えっ娘選挙とか
日本が溶けるわ

226:名無しさん@ピンキー
13/08/15 NY:AN:NY.AN h6emwEzJ
しかもボクっ娘とかw

227:名無しさん@ピンキー
13/08/19 NY:AN:NY.AN fXQkYYy9
それぞれ彼氏や好きな人がいる甘えっこが
集まる女子会という電波が来た

アドバイス合戦や自慢大会になるんだろうか

228:名無しさん@ピンキー
13/08/19 NY:AN:NY.AN Ve/1m/pV
女子会(彼氏同伴@膝の上)ですねわかります

229:The Side of Girls ◆fEzkEcuNwqHK
13/08/20 NY:AN:NY.AN ebkAlo6M
ファミレス女子会


「ゆかりのとこってお互い敬語なんでしょー?」
「うん、そうだよ」
「なんで?そうすけ君そんなに厳しいの?」
「ぜーんぜん。私はそうすけさんのこと尊敬してるから敬語なんだよ」
「で、そうすけ君もアンタを尊敬して敬語……あー、お熱いこって」
「ふふん。でもねぇ、アオイだってマモル君と話す時ふにゃふにゃだよ?」
「な!?し、仕方ないでしょ、あんな優しい目で見られたら……」
「はいはい。もう、早く告白しなよ」
「そんな機会ないわよ。だいたい……」
「あ、そうすけさん達帰ってきた」
「うぇっ!?」

「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(アオイ……これが、機会よ!)
(待て待て待て!)

<アリガトウゴザイマシター

「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!―」」

230:The Side of Boys ◆fEzkEcuNwqHK
13/08/20 NY:AN:NY.AN ebkAlo6M
ファミレス男子会(お手洗い)


「そうすけ達ってさぁ、なんで敬語なん?」
「そりゃあ、お互いを尊敬し合ってるから、さ!」
「ドヤ顔やめろや……」
「時にマモル。お前のアオイちゃんを見る目は慈愛に満ちててキモいな」
「う、うるせえ。仕方なかろーが、あんなに可愛く笑うっちゃけん……」
「あーはいはい。さっさと告白すれば?」
「しかしお前、タイミングってのがだな……」
「いいから、戻るぞ」
「お、おう」

「ただいま、ゆかりさん、アオイちゃん」
「ただいまー」
「お、おかえり」
「おかえりなさい。そうすけさん、ごにょごにょ……」
「ほぅ、了解です……。マモル、アオイちゃん。悪いけど用事が出来たから、俺たち帰るね」
「さようならマモル君、アオイ」
「えぇ!?ちょ……」
(マモル……タイミングとは、今だ!)
(……わかった。サンキュー)

<アリガトウゴザイマシター

「そうすけ達、嵐のように去ってったね……」
「う、うん。そうだね……」
「……」
「……」
「「……あのさ!―」」

231: ◆fEzkEcuNwqHK
13/08/20 NY:AN:NY.AN ebkAlo6M
初2レス組
>>227の妄想力に乾杯

232:名無しさん@ピンキー
13/08/20 NY:AN:NY.AN CLGNLHMF
乙。
>>231の具現化力に脱帽

233:名無しさん@ピンキー
13/08/21 NY:AN:NY.AN xYxvN8vu
後日談もぜひ(´Д`;)

234:名無しさん@ピンキー
13/09/03 00:29:38.63 vr8yO9so
こんなに誰もいないと甘えっ娘が寂しがってしまう

235:名無しさん@ピンキー
13/09/03 08:20:22.17 zBI3Gzoa
独りぼっちで寂しい甘えっ娘が一人遊びを始める。

236:名無しさん@ピンキー
13/09/03 15:17:10.39 ANNdgbA+
世間ではあまちゃんなるものが流行ってるようだな

海女な甘えっこ…・・・難しいテーマだ

237:甘えっ娘が生まれた日 ◆fEzkEcuNwqHK
13/09/04 01:25:34.34 PaRE4gvs
日記


○月△日
うわあぁぁぁぁぁぅおおうぅおおおわああぁ!

○月×日
昨日の日記は今見ると頭おかしいと思う。落ち着いて書こう。
昨日マモル君に告白した。いや、された。いや、した。そこはどうだっていい。
両想いだった。うれしい。顔が熱い。もう寝よう。すき。

○月◇日
ゆかり曰く、今の私は顔にしまりがないらしい。私からすればお前のその妙に
母親じみたような表情の方がよっぽど腹立たしい。今日はマモル君に会えなかった。
明日も忙しいらしい。少し寂しいけど、大丈夫。だって私はマモル君の彼女なんだから。

○月▼日
前言撤回。すごくさみしい。せっかくおつきあいできたのに、
これじゃ片思いのときと変わらない。さみしい。
アオイ、しっかりしろ。彼に迷惑かけちゃいけない。もう寝る。明日は会える。

○月◎日
今日はマモル君とたくさん話した。お昼もいっしょ。彼のコーヒーを一口もらった。苦かった。
それを伝えたらワッフルをあーんしてくれた。スマートにやったつもりなんだろうけど、
顔が真っ赤になってた。ふと目に入った窓に映る私は、そんな彼よりもっと真っ赤だった。

○月☆日
デートに誘われた。週末がこんなに待ち遠しかったことはない。遊園地楽しみ。
今から服を考えなくては。正直もうゆかりをバカにできないほど舞い上がってる。
でも私はあいつほど頭が彼氏一色にはなってないと思う。なんだか眠れない。

○月□日
特に私がものを食べているとき、マモル君は優しい目で私を見つめている。
包まれている感じがする。ぽかぽかして、ふわーっとする。マモル君も私を見てこんな気分に
なっているのだろうか。そうだったらうれしい。すき。明日はデート。


「おはよーっ!待った?」
「ぜーんぜん。あっと、その、服、かわいいよ」
「……へへ、ありがと。さ、行こ?」

238:名無しさん@ピンキー
13/09/04 01:33:37.37 i1YIsUQX
甘えっ娘エピソード0か、いいねいいね
スイッチが切り替わるときは見ててほっこりする

>>236
彼氏がついてないと潜れないのか

239:名無しさん@ピンキー
13/09/05 01:07:53.51 WFqvu6rf
>>237
GJ

240:名無しさん@ピンキー
13/09/13 18:59:23.89 huISIV/c
いいねえ

241:名無しさん@ピンキー
13/09/14 16:20:31.69 Hda/BoiV
残暑

「おーい」
「…………」
「……おーい」
「……」
「〇〇さーん」
「ふにゃ?」
「前に約束しましたよね」「なにが?」
「30度超えた日のぎゅーは一時間までって」
「……10時間までじゃなかった?」
「一時間」
「ちぇ。でも今週から無制限になったよね」
「たまたま29度とかになっただけだ。今日は暑いからもう終わり」
「わたし、そんなに器用じゃないんで。急に止まれないんで」
「なぜそこで胸を張る……」
「そもそもはわたしが暑い暑いぬるぬるするーっていうのに××くんが汗ばんだ肌を押しつけてきて」
「記憶が書き換わっている……」
「そんなもんで断腸の思いでルールを作ったのはわたしだからわたしは破っていいんです」
「おまえ、便利だな」
「へへーん」
「褒めてないぞ」
「今日だって、××くんが『涼しくなるまでが一日だ』とか変なこと言ってくっついてくるから仕方なく……」
「だめだこいつ」

242:名無しさん@ピンキー
13/09/14 18:11:04.11 0Ki+e+MK
ぬるぬるの甘えっ娘…グレイトォ!!

243:名無しさん@ピンキー
13/09/14 19:02:03.03 rt7frfu/
>>241
良いね
暑さ寒さも彼岸まで、甘え盛りに区切りなし

244:名無しさん@ピンキー
13/09/15 12:56:50.75 5CdGEdva
>>241
漏れが許すのでもっとべたべt(ry

245:名無しさん@ピンキー
13/09/15 13:22:15.81 kgr02X6E
お前ら人のとこの甘えっ娘ばっか見てないで、自分のそばの甘えっ娘を可愛がってやれよ!
いない?違うね、気づいてないだけだ。ほら、早く見つけてやれ、この幸せ者!

246:今年は明日です ◆fEzkEcuNwqHK
13/09/18 04:00:43.51 v9r5ybVZ
お月見


「そうすけさーん、お団子できましたよー」
「はーい」


「お疲れ様です、ゆかりさん。晴れてよかったですね」
「はい。虫の声が綺麗ですね」
「……ゆかりさんと出会ったのも、今ぐらいの時期でしたね」
「なんだかもう、ずうっと昔のような気がします」
「俺は昨日のことのように覚えてますよ?」
「まぁ……歳をとると、そう感じるらしいですよ?」
「失礼な……」
「ふふふ、ごめんなさい」

「…………ねぇ、ゆかりさん」
「……はい」
「……月が―」
「……」
「―美味しそうですね」
「……意気地なし」
「ははは……面目ない。今日のところは、これで許してもらえませんか―」
「―んっ……。ひとまず、ですからね。私、待ってますから……」
「はい。必ず……」


「へっくしゅっ!」
「あぁ、二人して完全に風邪ひきましたね……ごほっ」
「そうすけさんが悪いんですよ!ずっと、その……いちゃいちゃする、から……」
「歳をとったから耳がとおくなったなぁー」
「……もー!」

247:名無しさん@ピンキー
13/09/19 17:57:00.53 jI/0a7cS
いちゃいちゃをもっと詳しく書くんだ!

それにしても月が綺麗ですねが言えなくて
ちゅーはできるって順番違わないかw

248:名無しさん@ピンキー
13/09/20 01:59:58.93 6wK3Fatm
微糖です


……月が僕たちを見守っている。
クサい表現だけど、まん丸になって見下ろしてくるお月さまを見ていると、似合いの言葉に思えてくる。

初彼女ができて二週間、3回目のデート。
待ち合わせのときも、ランチのときも、試着に付き合ったときも、とにかくかわいさに悩殺されっぱなしだった。
彼女の家までこうして二人で歩いていても、意識していないと思わず顔がニヤける。
この子が僕の彼女で、横を歩いていてくれると思うと、それだけでドキドキしてしまう。

今日のデートは、けっこうステップアップできたと思う。
だけど、よく考えてみると、映画館で手をつないできたのも、お揃いのストラップを買おうって言ったのもこの子からだ。
どっちも嬉しすぎて挙動不審になっちゃって、とびきりの「?」顔(これがまたかわいいんだ)を2回させてしまったし。
これは少し情けない。
一応告白したほうとして、もうちょっと男らしく攻めたほうがいい気もする。

でも今日の僕には一つ、秘策がある。

マンションの前まで来て、立ち止まる。
彼女が振り向いて、笑ってくれて。
「今日、楽しかったよ」
う、嬉しい。
「僕も。ずっとかわいい子と一緒だったし」
「……やだぁ」
よし。可愛いなあちくしょう。
さあ、告白よりも前に漱石先生の話をして張っておいた伏線が……
「また明日ね」
……今だ!
「じゃあね、『つk 「愛してるよ」

………………。
…………ええーっ!?
彼女が僕の胸に顔をうずめて、ぎゅう、と抱きついていた。
(…………いい匂い)
じゃなくて。
いや心臓はバクバクだけど、絶対彼女にも聞こえてて恥ずかしいけど。
それより…………。
……もうどうでもいいや。
彼女のちっこい頭を見下ろす。
おずおずと、僕も手を回す。
(……やらかい。細い。ちまい)
腕の中にすっぽりと収まってしまう。
心なしか、抱きついた腕の力が強くなった気がする。
そしたら彼女は、顔を上げて「あいしてる」ともう一回言って、ふにゃ、と笑った。

ずっとそのままでいたいぐらいだったけど、彼女はパッと体を離すと、急に顔を赤くしてエントランスに駆けていく。
かなわないな、と思った。

249:名無しさん@ピンキー
13/09/24 02:18:49.52 9Pwjn8hR
一枚上手の甘娘かわいい!

250:名無しさん@ピンキー
13/09/27 00:02:48.06 2VmxfbU/
セーター「そろそろ私の出番?」

251:名無しさん@ピンキー
13/09/27 01:44:04.68 DpZZe2Uu
甘えんぼうA「セーター?彼にくっつけばあったかいし、いらない」
甘えんぼうB「いや、クリスマスにプレゼントするために編むとかさ」
甘えんぼうC「え?クリスマスなら『プレゼントはわ・た・し』ってやるのが定番でしょ?」
甘えんぼうA・B「「それはない」」
甘えんぼうC「えーゼッタイ喜んでくれるのに…」
甘えんぼうA(まぁ、既に去年…)
甘えんぼうB(使っちゃったネタだしねぇ…)

って感じの会話が電波になって飛んできた

252:名無しさん@ピンキー
13/09/27 02:15:45.55 E/UqE4HV
入り口が二つある手袋の中で手を繋いで、
「なんでいつまでも手ぇ繋いでんすか」
「手を出したら寒くなっちゃうから」
「……じゃあ手袋譲るから」
「手を出したら君の手が寒くなっちゃうだろう?」
「じゃあ手袋諦めて」
「手を出したら寒くなっちゃうから」

ていうループ

253:名無しさん@ピンキー
13/09/27 04:56:32.35 UanYcYWm
甘えんぼうD「2着の袖がつながったセーターなら街中で脱げなど言えまい!」

一方甘えんぼうEは二人羽織仕様セーターを編んでいた

254:名無しさん@ピンキー
13/09/28 20:57:11.65 cjWVnRoV
二人羽織でアイス→ほっぺにベチャッ→ぺろぺろ
まで見えた

255:名無しさん@ピンキー
13/09/30 19:13:23.90 NgvFAN94
甘えっ子的には膝枕をするのとしてもらうのはどちらがジャスティスなのだろうか

256:名無しさん@ピンキー
13/09/30 19:57:10.95 FmZtFwOZ
してもらってからの回転→抱きつきがデフォなんじゃないの

「負けたほうが勝ったほうに膝枕する!」と勝負を挑むものの意外に敗れてしまい、
ちょっとがっかりするけど、ももに乗っかる重みにどきどきし始める甘えっ娘、ってのもあるな

257:名無しさん@ピンキー
13/09/30 20:07:43.39 BB7MQ/JN
甘えんぼうに小動物系のイメージを持つ派としては、乗るより乗せる方かな
でもたまにお姉さんぶって、膝枕してあげる、とか言ってくれると嬉しいね

膝枕中に逆さキスされたい

258:名無しさん@ピンキー
13/09/30 20:53:10.87 ItCIJZTh
>>257
そんな、甘えん坊なアメリカ系ナイスバディな人がいてもいいじゃないですか? 
小っちゃい彼氏を背後から抱きついて摺り寄せるくらいに甘えちゃうタイプがいてもいいじゃないか!

259:名無しさん@ピンキー
13/10/01 11:56:14.72 hmk91F27
膝枕ねぇ
エロなし1レスに込めてみよう

260:名無しさん@ピンキー
13/10/01 12:02:27.89 hmk91F27
 今日は俺の彼女と親友とその彼女の四人で、温泉に入りに来た。
 山の中にあって時間帯が早いからなのか、主な利用者は地元のご年配方がぽつぽつといったところ。
 時折家族連れも見かけたが、そこそこ浸かって今出てきたばかり。
「……」
 温泉のロビーって何でこんなに居心地が良いんだろうか。

 少しして、親友の尋が男湯の暖簾を潜って出てきた。
「ふー、えがったえがった。温泉なんて久しぶりだったわぁ」
「で、ついつい調子に乗ってサウナと冷水をリレーしていたのか」
「そしたらくたびれちゃった訳よ。座敷の休憩室でしばらく横になってるわ」
「飲み物買ってくる。牛乳、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、その他、どれが良い?」

 コーヒーを所望され、ビン牛乳の自販機の所まで来ると、奥から声がした。
「もう上がってたんだ」
 茶混じりのセミロングにワンピースの女の子、清那が嬉しそうに向かってくる。
 大学生なのに見た目は10代前半に見えるほどあどけないが、湯上りのせいか艶っぽく大人びて見える。
「男前だね、京介くん」

「サッパリシマシタヨー」
 その後から金髪碧眼の女の子、ミーシャも、周囲の視線を集めつつ合流した。
 長身でグラマーないかにもアメリカンスケールという感じで、シャツとホットパンツ姿が似合っている。
「二人も何か飲むか?」
『うん!(イエス!)』

 結局三種類買って、二つを女子たちに手渡し、三人で休憩室に行く。
「ダーリン! 一緒ニオ風呂入リタカッタヨ!」
「おわっ、牛乳こぼれるぞ!」
 親友と彼女はウチとは逆の女高男低の身長差カップルだ。
 それでいて彼女の方からべったりなのは、母性的なものでもくすぐられるのだろうか。

 牛乳を飲ませたら、皆で座敷に座って世間話などをした。
「でね、京介くんったら面白いんだよー」
 俺の話をする彼女の横顔は、何となく見入ってしまうほど感じが良い。
「……どしたの?」
 清那はきれいな顔しているな、と褒めてやったら一気にデレデレになった。

「ふぇへへ……あ、そうだ。ちょっと膝枕して?」
 公共の場で寛ぎすぎだろと思うが、まあ良いか。
「グッドアイデア! 私タチモシマショウ!」
 デーブルを挟んであちらはあちらで乗り気の様子。
 俺は正座をしてどうぞとぽんぽんすると、清那はすぐに体を横にして頭を乗せてきた。

「ん、京介くんの感触だ。……特等席だよ、良いでしょミーシャ」
「私ハ、ダーリンニ膝枕スル方ガ好キデス」
 ミーシャも尋に膝枕をして、髪とか顎とか撫でくりまわしている。
「これ、人前では恥ずかしいな。見られてるよな絶対」
 しかし気にも留めないアメリカン、今度は顔にぎゅっと巨乳を押しつけていた。

「……ひょっとして、羨ましい?」
 視線を下に戻すと、清那の顔が俺を見上げていた。
「いや、面白い光景だから生暖かく見守ってあげようと」
 ああいうのも良いかもしれない、と少しは思ったが。
 反省しつつ、俺も頬を軽く撫でてやると、清那は気持ち良さそうに息をついた。

「ありがと。でも」

「こんな小っちゃい私で良かったら……今度は私がしてあげても、良いよ?」


おわり

261:名無しさん@ピンキー
13/10/01 19:37:25.98 lrrEIMX2
素晴らしい!素晴らしい!

これはエッチな展開も希望したいw

262:名無しさん@ピンキー
13/10/01 22:07:37.57 YxSo6M3Q
>>260 乙ー
お互いに自分のパートナーしか眼中にないのがすごく萌える!

263: ◆fEzkEcuNwqHK
13/10/05 12:04:34.51 8JFllwQm
サンマ


「お昼はサンマです。サンマの季節です」
「本当、美味しいですねぇ……ゆかりさん、焼き魚食べるの上手ですね」
「もちろんです。大和撫子のたしなみ、ですから」
「ちょっと教えてもらえませんか?」
「いいですよ。まずはしっぽを―」


「……うぅ」
「ほ、ほら、そうすけさん!人には向き不向きってありますし!」
「いえ、慰めの言葉はいりません……」
「うーん……。! そうすけさん」
「はい?」
「はい、あーん」
「ええっ!?」
「あーん」
「い、いや、それは……」
「……ぐすっ、あーん」
「わぁあ!あ、あーん!」
「はい、どうぞ。美味しいですか?」
「お、美味しい、です」
「ふふ、慰めの言葉はいらないって言うから、行動にしてみました」
「あ……ゆかりさん、すみま」
「はいあーん!」
「せむぅ!?……ああ。ごほん。えっと、ありがとうございます、励ましてくれて」
「はい、どういたしまして。では気を取り直して、あーん」
「え、まだ?」


「うぅ、腕が痛くなりました……」
「完食するまでやれば、そりゃあ……」
「だから今夜は、そうすけさんが私に、してくださいね?」
「……ははは……」

264:名無しさん@ピンキー
13/10/06 03:49:04.55 O0b8qEIL
>>263GJ

しかしこの時期は新しい属性のネタが少なくて困る
夏と秋の境目あたりってイベントはあっても特徴的なのが少ない・・・

265:名無しさん@ピンキー
13/10/06 23:10:10.52 +tWhPiN/
>>263
GJ!
あーんは触れないいちゃいちゃの極地だなあ

>>264
ここは既存のネタを深めていくのもありなのではなかろうか

266:名無しさん@ピンキー
13/10/08 19:45:07.08 0JAuLQe4
>>264
運動会ってあんまりでてこないよね
というわけで、お待ちしております

267:名無しさん@ピンキー
13/10/09 23:41:44.82 u6lNvztv
>>266
運動会か・・・パターンが多くて難しいんだよな・・・二人の年齢差でいくつも作れるから・・・

268:名無しさん@ピンキー
13/10/10 02:39:35.09 JU/Xqi5o
弟の運動会に駆けつけて周りが引くほど応援するお姉ちゃんとかいいと思います

269:名無しさん@ピンキー
13/10/10 22:44:04.87 Yu4h4lC0
つ二人三脚
これならいくらでもいけるはず

270:名無しさん@ピンキー
13/10/10 23:49:35.72 ViJYIeyZ
もう直球で行こうぜ
つ借り物競争

あと養護テントとか

271:名無しさん@ピンキー
13/10/14 23:36:07.40 PI/DOyXE
甘えっ娘をかけ布団にして寝たい、そんな秋

272:名無しさん@ピンキー
13/10/16 00:58:26.99 wOQlThMY
台風で帰れなくなって一晩中甘えるカップルとかいるんだろうなー…

273:名無しさん@ピンキー
13/10/16 07:36:05.89 Rg6ebo1u
甘えん坊台風

274:名無しさん@ピンキー
13/10/16 13:28:44.86 EeK5gX4R
>>272
アメリカで大規模長時間の停電があった約10ヶ月後、なぜかその地域一帯でベビーラッシュに沸いたとかなんとかいう笑い話があったな

275:名無しさん@ピンキー
13/10/17 03:05:10.61 E4c0odQ1
今年の台風の進路は絶対何か理由があると思うんだ
たとえば九州にいた男に会いに来た甘えん坊の風の精霊が男が上京したと聞いてあわてて進路変更したとか・・・

276:名無しさん@ピンキー
13/10/17 07:05:47.58 aqu03gDr
>>275
精霊って気まぐれな所があるから、驚かせるつもりで意気揚々と九州に向かったらとっくに上京済みで
その次になって少し不機嫌になりながら「何で僕になんにも言わないで出て行くんだよ!」としがみつきながら文句いったんだろうな~と勝手に想像してみる

277:名無しさん@ピンキー
13/10/18 01:18:03.54 jZqH1Mk5
「じゃあね、明日学校でー」

少し久しぶりになる、サークルの飲み会が終わった。
やっぱり、気の合う人たちと一緒にいるのはいいものだ。
「まあ、○○くんも元気そうで安心したわー」
「大した期間でもないですからね。先輩たちこそ」
「私らはただ日本で夏休み過ごしただけだし。変わりようがないって」

「でもさー、キミたちちょっとつまんなくない?」
う。
「だってさ、一ヶ月ぶりなんでしょ? せっかく隣の席にしてあげたのにさ、
普通もっとイチャイチャとかベタベタするもんじゃないのー? 目線すらそんなに合わないし」
こういう人だとは分かっていた、けど。
だからみんな、店入ったとき不自然な動きしてたのか。
「つまんないつまんない。□□さんと△△さんの時とか、周り何もしなくてもくっついてたじゃん」
彼氏が座椅子になって、一口も自分の箸から食べなかった人たちと一緒にされたくないです。
「ま、軽薄な○○くんと違ってちゃんとした娘だからねー」
「誰が軽薄ですか。先輩のコイバナ好きのほうがよっぽどですよ」
「○○くんもさ、愛されたいならもっと愛を与えてあげないといけないよ?
あ、もしかして。おうち帰ってからラブを注いであげるのかなぁ。いやぁ偉いねー、羨ましいねー」
やめてくださいよあはは、と受け流す。
僕の隣で彼女も笑って流そうとしているけど、表情が硬すぎて引きつっている。
照れているとかではなくて、ただ困っている。
まあ、そういう娘なのだ。
相手が先輩じゃなかったら、「余計なお世話でしょう」の一言もあるところだ。
少々強引に別れて、アツいねご両人、と大声を聞きながら駅に向かう。

手を振り続けていた先輩の姿が見えなくなる、と。
僕の右腕に、ぐぐっと彼女の両腕が回された。
腕に当たる、柔らかい感触。
「え……」
大学の人に見られそうだから、って普段は電車に乗るまで、というか二人きりになるまでくっつかないのに。
だから、先輩の推測は大体当たっているのだけど。
「……酔ってる?」
「酔ってないよ?」
確かに。最初に一杯飲んだだけで、後はウーロン茶だけだった気がする。
「久しぶりで、○○くんの横顔、しっかり、見たかったから」
先輩もここは間違えてた。
僕は、こんなに愛されてるのに。
「駅まで、くっつかせて」
「……うん?」
「電車の中は、我慢するから」
「手ぐらい繋いでもいいんじゃない?」
ふるふると首を振る。
「○○くんのこと好きな私が、知らない人にばれるの、やだから」

「おうちで、一杯ぎゅーしてね……?」


なんてことがさっき電車にいた良い感じのカップルにあったんじゃないかな、クソックソッ

278:名無しさん@ピンキー
13/10/19 16:43:56.13 Hws6Bvod
ひがむだけ損だよ・・・orz

279:名無しさん@ピンキー
13/10/19 23:33:07.31 P2zkgOFn
なんかオラ鬱になってきただ……

280:名無しさん@ピンキー
13/10/20 04:48:05.23 t+6Vbhl5
ひがむな、ここを見ている以上温かく見守るというのが大切なのではないか?
・・・俺も彼女ほしい・・・

281:名無しさん@ピンキー
13/10/20 08:32:22.73 3FNSl0+p
なんでこんな流れになってんだよw

282:名無しさん@ピンキー
13/10/20 10:14:38.23 Ta+8suAC
>>277のせいさ・・・・・・・ふっ(遠い目)

283:名無しさん@ピンキー
13/10/20 12:35:59.20 bgcEAmv8
>>281
だって秋だもの……

284:名無しさん@ピンキー
13/10/20 18:41:54.85 G20ts1+D
きっと台風ちゃんがこの流れをすべて洗い流してくれるさ・・・

285:名無しさん@ピンキー
13/10/22 15:58:28.22 yXFvSmlu
キス奴隷にされたい……

286:名無しさん@ピンキー
13/10/22 18:19:56.44 1umlhYKW
それ落ち込んでんのか前向きなのかわかんねぇ……

287:名無しさん@ピンキー
13/10/22 19:05:23.78 xzPpG05N
くそっ!クソッ!!
台風までべったりあまあまかよ!
もげろ!!!!!!!!!

288:名無しさん@ピンキー
13/10/22 19:13:49.12 7tig5zG6
「今日からお前は、わたくしのキス奴隷になりました!」 ピシィ
「……何さ、キス奴隷って」
「わたくしがキスしたいときにいつでもキスさせられる奴隷のことです」
「まんまだね」
「聞いてきたのはお前ではないですか」
「それよりさ、何その一人称」
「ほら奴隷を飼えるのって上流階級の嗜み、というか?」
「考えが古いぞ」
「主人に向かって何という悪態! 分をわきまえない奴隷にはぎゅーの罰が下りますよ!」
「別に嫌じゃないな……」
「あと仕事をサボったらなでなで百回の罰なのです」
「それはちょっと疲れるかも」
「ふふん、わたくしの恐ろしさを思い知りましたか」
「でも、そんなに撫でたらいつも以上にふにゃふにゃになっちゃうよね」
「うぐ……それは奴隷の考えることではありません! さあ栄えある初仕事です、キスを! わたくしにキスを!」
「はいはいいつものでしょ、お嬢様」
「反抗的な態度なのです! かくなる上はぎゅーをむぐっ!? ……んん……ちゅ……」

こういうことだろ、前向きじゃねえか
ほらお前らも現実を見ていつもくっついてくる甘えっ娘の生態を報告するんだ

289:名無しさん@ピンキー
13/10/22 23:52:53.04 k7WJyipx
>>288
GJ

>>287
27号と28号くっつく可能性があるんだよな・・・

290:名無しさん@ピンキー
13/10/24 20:17:58.45 ttqR4QVk
台風離れるってよ

291:俺には訪れない未来…… ◆fEzkEcuNwqHK
13/10/31 00:36:25.78 oNV5cUh8
いつかの未来


「おとうさまー、おかあさまばっかりずるいー。きずなともあそんでくださーい」
「あ、きずな、母からお父様を取ってはいけませんよ」
「大人気ないですよ、お母さん。ほら、おいで、きずな」
「へへへー。おとうさますきー」
「……むぅ。私だって好きですのに……」
(ああ、俺、今最高に幸せだなぁ……)

「さ、きずな、そろそろ遅いから、もう寝なさい」
「……はぁーい……おやすみなさーい」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ、きずな」


「……」
「お母さん?」
「……きずなは寝ました。ここからは、私だけの貴方です」
「娘にやきもち焼いてたんですか、お母さん」
「今は、ゆかりと呼んで下さい……」
「ああ、すみません。……愛してますよ、ゆかりさん―」
「―っん、私も、愛してます、そうすけさん……んぅ」

「わあーっ、おかあさまたち、らぶらぶー」
「「!?」」
「き、きずな!?は、早く寝にゃさい!」
「はーい。おかあさまたちもねー」

「はぁ、びっくりしました……」
「ゆかりさん、噛んでましたもんね」
「言わないで下さい……」
「ねぇ、ゆかりさん。月末、お義父さんたちの所にきずなを預けましょうか」
「……!はい!ふふ、きずながお姉さんになるかもしれませんね」
「気が早いなぁ、もう」
「あ、そうすけさん。そういう訳ですので、月末まで、ご自分でもシちゃダメですよ?」
「…………え?」

292:名無しさん@ピンキー
13/10/31 01:04:04.78 tVv8Oboz
あなた様までそんなテンションに

293:名無しさん@ピンキー
13/10/31 01:04:29.99 TKlAyYzq
ハッピーハロウィン!
というわけで甘えっ娘にあげるお菓子作ってくる

294:名無しさん@ピンキー
13/10/31 01:08:31.34 nP/5Y/Mw
甘えっ娘が「トリーック!」と叫んで抱きつこうとしたので、お菓子はいらないのかとつぶやいたら足が止まってぷるぷる震えだした

295:名無しさん@ピンキー
13/10/31 02:07:00.23 LliaHEGO
>>294
Trick and Treatもできないとは・・・まだまだだな

296:名無しさん@ピンキー
13/10/31 19:59:24.54 7L+G+DQo
お菓子の代わりにキスでもあげたらいいんじゃないかな

297:名無しさん@ピンキー
13/11/01 18:58:07.87 hGri9Auu
>>296
口移し要求された・・・

298:名無しさん@ピンキー
13/11/02 10:40:47.96 C4xbcEuu
ハロウィンの次は3連休だな

299:名無しさん@ピンキー
13/11/02 12:00:38.77 15Sa2FfS
甘えは文化(キリッ

300:名無しさん@ピンキー
13/11/03 00:19:17.87 pz4COYua
>>298
その後に控えるはポッキーの日・・・!

301:名無しさん@ピンキー
13/11/03 08:34:12.94 n8FsnRJe
いい夫婦の日もあるでよ

302:名無しさん@ピンキー
13/11/03 08:41:55.63 wt7XS0Fy
>>300
ポッキーゲームを要求するんだなw

>>301
来年には子供が・・・w

303:名無しさん@ピンキー
13/11/04 23:51:54.13 HwCgyvMu
11月はいろんな日があるな・・・
確か去年やったのはポッキーの日といい夫婦の日、いい風呂の日、あとはいい兄さんの日だっけか・・・?

304:名無しさん@ピンキー
13/11/05 14:17:43.20 /4hIeLlO
今日は良い子の日! 良い子にしてるからむぎゅむぎゅを要求するー!

305:名無しさん@ピンキー
13/11/05 15:38:29.05 DyX3Hvjd
いいこ?
……ゴメン、覚えていない

306:名無しさん@ピンキー
13/11/05 23:36:12.04 LMH7aCA0
>>305
そうか、そうだろうね!

スレチだけどいや~クインシィって昔はすごいブラコンだったもんな、ヤンデレというか甘えん坊なおねえちゃんみたいな

307:名無しさん@ピンキー
13/11/06 00:02:48.89 uRIfAJiL
自分のばーちゃんの記憶を追体験するときに、ばーちゃんを自分に、じーちゃんを弟に脳内キャスティングするくらい
イカれ……ブラコンだしな、依衣子姉さん

依衣子のいは依存のいー

308:名無しさん@ピンキー
13/11/07 01:53:49.68 BcMAoFwy
淀みない流れに吹いた

309:名無しさん@ピンキー
13/11/09 18:22:12.07 AiuECp5G
いい奥さんの日だよー

310:名無しさん@ピンキー
13/11/13 01:10:00.31 F3wx+1hX
ちょっと遅れてるけど聞きたいことがある。
少し前にちょっとスーパーに行くと某宇宙戦争のライトセイバー?をモチーフにしたっていう
明らかに時代がおかしいんだがそれよりも気になるのは1mはあるんじゃないかという長さのポッキーだったんだが
あれ、ジャイアントポッキーっていうやつらしいんだがあれマジであの長さのものがはいってるの?
入ってるとしたらあれでポッキーゲームしたら面白そうなんだが・・・
はいってなかったとしても、はいってると思って買ってみてみるとそれほどでもなかったから
がっかりしている女の子見るのもよさそうだけどな

311:名無しさん@ピンキー
13/11/14 21:21:03.69 jib+O9CA
>>310
URLリンク(web.glico.jp)
URLリンク(www.youtube.com)
これは21.5cmらしいけど……
ポッキー風船か何かと間違えた可能性は?

312:名無しさん@ピンキー
13/11/15 06:50:55.90 rpiQMrJY
見た目はこれだったんだけど、箱入りじゃなくて袋だったしもっと長かったから風船だったのかな・・・?お菓子コーナーの近くにおいてたんだけど・・・
ってかスーパーにポッキー風船っておいてるものなのか・・・?

313:名無しさん@ピンキー
13/11/16 00:30:28.55 9GwE14xg
甘えっ娘が俺の下半身のポッキーに風船かぶせてくれる話まだー?

314:多分これが最後 ◆fEzkEcuNwqHK
13/11/16 19:15:19.93 9PMQrZOX
熱暴走


「えへ、ぎゅー♪」
「……アオイちゃん」
「なぁにっ?」
「キミこんなに甘えんぼうやったっけ?」
「変えられちゃった。大人の階段のぼっちゃったの」
「……え?」
「マモル君に、『好き』をいっぱい教えてもらったよ?」
「や、やましい事はしとらんけんね!?」
「も少しなでてぇ……」
「あっ、はい」

「はふぅ……幸せ……」
「あらら。もうゆかりちゃんのことバカに出来んねぇ」
「マモル君!他の女のこと考えないで!」
「あっ、はい。すいません」
「……ねーえマモル君。あたし、いますごく幸せ。マモル君は?」
「そんなん、幸せに決まっとるやん」
「えへへ、だーいすき」


―アオイ宅―

「さて、日記書かないとね。えーっと、『今日は、マモル君にたくさん甘え……』
 って、ほああああぁぁぁっ!?あ、あたし、今思えばなんて恥ずかしいことを……」
<ピッピロリン♪
「ぐす。あ、メール……マモル君……」
『今日はずいぶん甘えんぼさんやったね。でも新しい一面が知れて嬉しかった』
「ぐふぅ……もう許してぇ……」

315:名無しさん@ピンキー
13/11/17 20:01:13.65 QyMNJSX7
>>314
GJ
ニヤニヤした( ̄∀ ̄)

316:名無しさん@ピンキー
13/11/23 00:09:52.60 U5L7uc2D
いい兄さんの日+勤労感謝の日で兄に甘える社会人一年目の妹ください

317:名無しさん@ピンキー
13/11/28 23:54:37.92 piFNmwPO
もう名前のないアレのひとは書かないんだろうか

318:名無しさん@ピンキー
13/11/30 01:49:09.10 4D2camiN
最近作品書く人減ってきたな・・・
やっぱり前からいる人はネタを出しつくしてしまったんだろうか・・・
俺にもっと文才があれば・・・!

319:名無しさん@ピンキー
13/11/30 08:35:07.27 okoXETGo
文才は書いてるうちに身につくものだ

320:名無しさん@ピンキー
13/11/30 10:14:11.75 5WDgpzMH
そうだそうだ

321:名無しさん@ピンキー
13/11/30 14:04:28.81 9p2XECAf
文の才能って書いて文才だからある程度は生まれつきとか環境とかもあると思うんだが・・・
小説家志望の甘えっ娘って電波がなんかきた

322:名無したん(;´Д`)ハァハァ
13/12/03 00:23:03.84 gZQJpR1+
文章化をマターリ期待するぉ

323:名無しさん@ピンキー
13/12/03 14:09:23.13 VjDrbQty
恋愛小説家の甘えっ娘と担当の男か、
小説を書く参考のためという口実で毎回男に甘えるわけだな!

324:名無しさん@ピンキー
13/12/03 19:16:17.15 gZQJpR1+
逆というのも良いかも
担当の男をそそのかしたり、文学部の教授といんぐりもんぐり

325:名無しさん@ピンキー
13/12/03 22:23:49.18 HokY4JgF
―「今度の本にね、甘えん坊の女の子が出てきてね、」
ずいぶん現実に即した設定である。
「彼氏とケンカしちゃうんだよ。
んで、なかなか謝れなくて、甘えたいけど一ヶ月ぐらい甘えられないわけ」
「……それで?」
「そこがなかなか進まなくてさ。そんなに長い間くっつけない時の気持ちがね、よく分かんないんだよ」
「まあ、俺も結構甘やかしてるしなあ」
ちなみに、この会話も俺のあぐらの上でしている。
「だから、今日からくっつくのは禁止。なでるのも禁止。もちろんえっちなのも禁止!」
そう言って、俺の足から立ち上がる。
「……大丈夫なのか?」
まず出てきたのは心配だった。
「どっか触ってきたら○○くんでもぶん殴るからね! わたしの作家生命が懸かってるんだから!」
こういう訳で、こいつはいま禁欲中なのだ。

「うー…………」
案の定だった。
甘えるのをやめてから、夕食の減りが、明らかに遅い。
「ちょっと痩せてきたんじゃないか?」
尻に手を伸ばすと、ずいぶん力強くはたかれた。
「てっ」
「んー、商売道具がー」
手をさすっている。こいつも痛かったらしい。
「なんでさ、そこまでして甘えないの?」
「言ったじゃんかー。憧れの××文庫で初めて書けるから、全力でいいのにしたいの」
それでも他に努力することがあると思うが。
実生活から設定を持ってくるのをやめるとか。
「まあいいけど。辛かったら言えよ? なんかご飯も進んでないし」
「っ……あー、○○くんのごはんは今日もおいしいなー」
がつがつと流し込んでいく。
「でも大変じゃないのか? ほら来な、頑張ってるご褒美にぎゅーするから」
腕を広げる。
座った足の間をぽんぽんと示すと、それを見た顔がへろ、と緩む。
箸を置いて、もにゅもにゅと寄ってきて、抱きつこうとしたところで、
「……はっ、あやうく台無しに!」
「ちっ」
けっこう引っかかるんだな。
よだれを拭いて、口元を引き締めて、
「だめだよ、あの娘はもっと意志が強いし、あのクソ男は○○くんみたいに優しくないんだから!」
……ありがとう。
生活の管理はキミの役目なんだよ、と怒りながら、とてとてと風呂に歩いていく。
今週ぐらいからやっと、一人でもシャンプーとリンスを間違えないようになったらしい。
……俺と住む前はどうしてたんだろうか。

326:2/2
13/12/03 22:24:58.79 HokY4JgF
この通り、こいつの決意は固い。
でも俺は知っている。

夜中、俺が寝た後だ。
夜更かしのひどいこいつもベッドに入ってきて、寝入った後。
こいつは、ぬいぐるみを使って自分で引いた線を越えてくるのだ。
圧迫感に目が覚めたときにはいつも俺に全力でしがみ付いていて、顔を擦りつけてくる。
意識のない人間の力には、侮れないものがある。けっこう苦しい。
……今日も目が覚めてよかった。
このまま朝を迎えては俺が怒られる。頑張って引っぺがした後に、
踏みつけられたウサギを代わりに抱かせてむこう向きに転がす。
……落ち着いたらしい。本物だったら窒息してるんじゃないかというくらいに強く抱きしめている。
「…○○……くぅん……」という満足げな呟きを聞きながら、俺もまた眠りにつく。

まあ、寂しいのはこいつだけじゃない。
今の本が書き上がったときには、思いっきり甘えさせてやろうと、思っている。

―了―


主夫いいなーと思って書いたけど、仕事の立場を最大限に活用して彼に甘える子もいいな……

327:名無しさん@ピンキー
13/12/04 19:51:25.28 Bmf2s9I5
ぐっじょーぶ

我慢して解放してを繰り返すと、甘えの質も段々と重度になっていきそうだな
リバウンド的な感じで

328:名無しさん@ピンキー
13/12/05 07:50:05.94 2IPLNIqo
GJ
>寂しいのはこいつだけじゃない。
そう、俺もだ俺も
次は思いっきり頼むぉ

329:名無しさん@ピンキー
13/12/05 23:30:39.08 4VSHKWPH
GJ!

書き上がった時の開放も期待したいなあ

330:名無しさん@ピンキー
13/12/07 02:32:07.30 5hSxbEzU
今朝、こわい夢みたよーってなんとなく言ったら
ハグして頭なでて大丈夫だよって慰めてくれた旦那、
朝っぱらから素敵だったなー
週末まで忙しいようなのでその間に旦那用のマフラー作るんだ!
乳児が毛糸に飛びかかってくるけど!


という電波キタ

331:その00 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:34:07.72 p2OfXVug
こなさんみんばんわ
お久しぶりです、名前のないアレの人です

今回はお遊び企画、またの名を自己満足企画を持ってきました。大体20レスほど使います
エロあり、グロその他要素ほとんどなしです

【ルール】
1.文章を読み進めてください
2.選択肢が現れた場合、どちらかを選択してください
 (目安の為アンカーが振られていますが、こちらの編集ミスがあったり、途中で支援レスをいただいた場合ズレることがあります
  その場合『その○○(番号。このレスなら【その00】)』でスレ内を検索してください)
3.結果が理不尽でも怒らない、寛大な心を持ってください
4.「こんなのSSじゃないわ!ただの自己満足よ!」 → 「だったらトリップをNG登録すればいいだろ!」

長くなりましたが、それではどうぞお楽しみくださいませ

332:その01 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:34:51.55 p2OfXVug
 年末特番の時期である。
 無論外は寒風が吹き荒んでいるがこの室内に限ればそんなことはない。エアコンと、最終兵器KOTATSUによる
完全防寒が実現している。
 この最終兵器、少々難はあるが毎年我が部屋最強の防寒器具として稼動し続けている優等生だ。これで『外に
出たくなくなる』という中毒性さえなければ、全世界に広めることがノーベル平和賞の受賞理由になってもおか
しくないのだが。
 そんな愚にもつかないことを考えながら、もう何度観たか分からない若手芸人渾身のネタをぼんやり眺めてい
ると、コタツの向かいに潜り込んでいた彼女があくびをした。
「ふぁーあ、飽きちゃったなぁ」
 そうは言いつつも、チャンネルを変える気配はない。卓上にあるリモコンに手を伸ばすのが億劫なのだ。ちな
みにこれは俺も同じである。
 ああ、つくづくこの中毒性さえなければ。
「ねえ、何か面白いことしてよ」
「無茶振りにもほどがあるなお前」
 年末とは娯楽の少ない期間である。会社や学校といった既存のコミュニティは停止、クリスマスという巨大イ
ベントは過ぎ去り、雑誌やTV番組も通常刊行、通常放送は停止してしまう。こんなに刺激が足りない時期だとい
うのに、番組制作のプロが情熱と理念と理想と、あと大量の予算をブチ込んだ特別番組をつまらないと一蹴する
彼女を満足させられる話題なんてあるわけがない。
 嫌がらせに近い彼女の提言を却下してコタツの天板へべったり頬を押し付ける。火照った身体に冷えた天板が
心地良い。ぬるくなったマホービンのお湯を替えに行かないとな、なんてぼんやり考えながらも、コタツから出
るつもりにはならなかった。
「あー、気持ちいい」
「もう。……あ、そうだ」
 彼女が何かいいことを考えついたという顔をする。嫌な予感しかしない。

02 「ひとつ、お願いを聞いてくれない?」
03 「ひとつ、ゲームをしない?」

02を選んだ方 → >>333
03を選んだ方 → >>334

333:その02 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:35:18.61 p2OfXVug
「ひとつ、お願いを聞いてくれない?」
 彼女が満面の笑みでそんなことを言ってくる。
「イヤです」
 きっぱりと否定。残念ながら俺は今まさにこの瞬間、最終兵器KOTATSUの強力な依存症に囚われており、自分
のためならまだしも誰かのためにこのポジションを手放すつもりなんてこれっぽっちもないのだ。
 その旨を懇切丁寧に彼女に教えるが全く効果がなかった。
「だって私も一緒だもん。コタツから出たくないの」
「それなら俺の気持ちも分かってくれよ」
「分かるけど、他人事だもの。それにこの部屋の大掃除をしたのは一体誰だと思っているの?」
 この部屋の大掃除をしたのは彼女である。一応普段から掃除をしていたので俺個人としては大掃除なんて必要
ないと考えていたのだが、朝からやって来てレンジフード周りや窓枠なんかの大掛かりな掃除へ積極的に取り組
んでくれたのだ。
 あくまで自主的に
「別にしなくてもよかったのに」
「そう言って日中パチンコに出掛けてたのは誰?」
「……勝ってきたじゃん」
「言い訳しない。それに、あなたと一緒に作業するのがいいからって来たんだよ?」
 こうまで言われては反論の材料も尽きてしまう。観念した俺は肩を竦めて(本当は両手を挙げたかったが依存
症が強まるので断念した)彼女の求めに応じることにした。
「それじゃあ―」

04 「―台所に行って、お茶とみかんを用意してきて?」
05 「―おつかい、して?」

04の方 → >>335
05の方 → >>336

334:その03 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:36:32.19 p2OfXVug
「ひとつ、ゲームをしない?」
 思いつきなのか、視線を宙に泳がせながら彼女がそう提案する。俺に不利なゲームを提案するつもりなのだろ
うか。
 それならそれでもいい。暇なのは俺も変わらないし、適当に相手をして時間を潰すのは非常に無意義で有意義
な行為のように思える。
「あ、罰ゲーム付きでね?」
「えー、頑張らないといけないの?」
「だって手を抜いたら面白くないじゃない」
 何事も本気だから楽しい、という考えは一理ある。最近発売されたばかりの大人気アクションゲームなんか
は、オンラインでプレイすると「このゲームのために仕事辞めました!」なんて楽しそうな人がゴロゴロしてい
る。こっちとしても見ているだけならすごく楽しい。真似をしたいとは思わないけど。
「で、何するのさ?」
「ちょっと考えがまとまらないな」
「……思いつきなんだろ?」
「そうだけど、何か問題ある?」
 ジロっと睨むと、キョトンとした表情が返ってきた。いつものことながら計画性という言葉が抜け落ちてい
る。
「いいえありませんとも」
「なんだよかった。……罰ゲームなら簡単に思いつくんだけどなぁ」
 あれとーこれとー、と指を折っていくのを、グーに握り込む前に止める。なんでそんなにすぐに色々思いつく
んだ。
「ねえ、貴方は何やりたい?」
「……やりたくないから罰ゲームなんじゃないか?」
 溜息を吐きつつそう返す。やりたくないような罰ゲームを決めて一生懸命遊ぼうという趣旨にいきなり反して
いる。先のことを考えろとは言わないが、せめてほんの数十秒前の自分の発言くらいは覚えておいてほしい。
「つーかそもそも、俺がやるの前提なのかよ」
「どうせ私が勝つのは目に見えてるし!」
「確かに、俺に勝負運がないのはよく知ってるけど」
 昔から、コイツ相手にジャンケンで勝ち越した記憶がない。それを分かっていて三本先取を仕掛けてくるのだ
からいやらしい。
「せっかくだから罰ゲーム、何するか選ばせてあげるよ」
 彼女の中では俺が罰ゲームをする光景しか見えていないのだろう。何をさせたいのか、と続きを促す。
「えっとね、『辛いの』と『痛いの』、どっちがいい?」
「具体的には?」
「教えたら面白くないから、負けたら教えてあげる」
「……傍若無人って言葉、知ってるか?」
「傍若無人って八方美人と何か関係あるの?」
「お前はそれ以上に自信過剰だよ。……あー、―」

06 「―『辛いの』で」
07 「―『痛いの』で」

06の方 → >>337
07の方 → >>338

335:その04 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:36:59.08 p2OfXVug
「―台所に行って、お茶とみかんを用意してきて?」
「……お前、さっき俺が説明したKOTATSU依存症について理解出来てる?」
「もちろん。私も依存症だもの」
 まあいい、俺もちょうど行かないといけないと思っていたところだ。
 この鬼、という捨て台詞と共に未練を断ち切るように立ち上がる。ついでにコタツの中へ新鮮な空気を送り込
むと、彼女が不服そうな顔をした。
「八つ当たり禁止」
「べ、別に八つ当たりなんてしてないし」
「こっちを見て言いなさい」
 俺は敢えて彼女のほうを見ずに、台所までの遥かに近く限りなく遠い道程を進むことにした。

 板張りで足の裏が冷たい中、ヤカンにお湯を沸かして、急須にお茶っ葉を用意して、田舎から送りつけてきた
段ボール箱から適当に5、6個ほどのみかんを用意する。くしゃみも一度や二度ではなかったが、ガタガタ震えて
お祈りの準備を始める頃には準備もすっかり仕上がり、お湯を詰めたマホービンと急須とみかんを纏めて居間に
戻った。
「お疲れ様」
「おかしい、ここはミラーワールドか?」
 居間に入って向かって左側の、俺の定位置に彼女が収まっている。さっきまでは向かい側、向かって右側に
座っていたはずなのだが。
「ミラーワールド? 何の話?」
 彼女は聞き覚えの薄い単語に違和感を覚えながらも何が言いたいかは理解しているようだ。その証拠にニヤニ
ヤ笑っている。
 なんだかちょっと腹が立ったので、天板へマホービンを筆頭とした荷物を降ろすと、さっきまで彼女が座って
いたサイドへ移動すると、ちょっと、と声が掛かった。
「こっちでしょ?」
 彼女は自分の隣をバシバシ叩きながら笑っている。俺は渋々、という表情を顔面に貼り付けてそこへ座った。
「嬉しいくせに」
 こちらへもたれかかってきた。思わず言葉が漏れた。

08 「襲っちゃうぞ?」
09 「……狭い」

08の方 → >>339
09の方 → >>340

336:その05 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:37:41.12 p2OfXVug
「―おつかい、して?」
「……また?」
「いいじゃん、別に疲れるわけじゃないし」
「流石にもう頭がぼんやりしてきてるんだけど」
「じゃあコタツから出ればすっきりするんじゃないかな」
 そんなことを言いながら、彼女は手元に置いたままだった二つ折りの携帯ゲーム機のトバドライブスーパー
(略称T-DS)を取り上げると、スリープを解除した。俺もそれに渋々付き合う。ああ、腕が寒い。
 立ち上げたのは最近発売されたばかりのハンスターモンター最新作。『トライギガドス』というロゴと、バカ
デカい短刀が3本組み合わさったエンブレムが浮かび上がると、彼女は早くも行きたいシナリオを選択してい
た。
「待て待て、俺まだログインしてない」
「もう、早くしてよ」
「俺は電源落としてたんだよ」
 ぽちぽちボタンを押しながら進むと、彼女は俺を置き去りにすることもなく待っていた。まあ当たり前だが。
 というのもこのゲーム、プレイヤーに求められるスキルの比重が高いことで有名で、ハングリー・モンス
ター、『ハンスター』と呼ばれる巨大生物の攻撃をまともに受ければプレイヤーが瀕死になってしまうようなバ
ランスで制作されているのだ。装備品を購入して強化すれば多少は補えるものの、上位装備を手に入れるために
は資金や素材を稼ぐために何度も何度も何度も―
「何度も何度も……!」
「えっ?」
「いやゴメン、独り言」
 ―とにかく、何度も同じシナリオをクリアする必要がある。
 普通ならばそうしてプレイヤースキルも自然と磨かれて先へ進めるのだが、彼女は絶望的にゲーム音痴だっ
た。やってもやってもほとんど上達が見られない。プレイ当初、最初のシナリオをクリアするのに3時間かかる
と聞いたときには思わず聞き返したほどだった。普通なら十分もかからないのに。
「じゃあ、『おつかい』ね」
 『おつかい』とは資金や素材を多く獲得しやすいとされているシナリオの一つだ。彼女はこの二週間、このシ
ナリオで手に入る最上級防具の素材集めに勤しんでいるのだった。

 さて、『おつかい』という優しい文言に騙されている諸兄のために、概要を説明しよう。
 まずスタート地点は平原に突如現れた渓谷の底である。『大多数のハンスターは去った』『残りは掃討戦』
『子供のおつかいみたいなものだ』などという司令部と友軍の楽観的な発言を聞き流していると、突如『騙して
悪いが仕事なんでな』と人語を解する上級ハンスターが四方八方からワラワラ湧いてくる。殲滅か、渓谷の底で
ハンスターの海に沈められるかという初心者お断りのシナリオだった。
 慣れてしまえば高威力の時限爆弾と最低限の護身拳銃で簡単に捌ける上に、大量のハンスターが落とすドロッ
プアイテムが実においしいシナリオなのだが、前述の通り彼女のプレイヤースキルは致命的である。画面端で必
死に迎撃するも物量に押し潰されるのが常だった。
 そこで俺が敵を引きつけるアイテムを装備して迎撃、彼女はこちらから攻撃しない限り敵から無視されるアイ
テムを装備して逃げ回る作戦で、素材集めを進めているのだった。

 静まり返った部屋に響くボタン音。俺も彼女も集中していた。

 ……が、静寂は―

10 ―俺の漏らした、あっ、という声で破られた。
11 ―彼女の漏らした、あっ、という声で破られた。

10の方 → >>341
11の方 → >>342

337:その06 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:38:29.17 p2OfXVug
「―『辛いの』で」
 痛いのは嫌だ。彼女の辞書に『力加減』という単語は存在しない。シッペでもデコピンでも振りかぶって叩き
つけるのをよく見せられてきた。ついでに言うと、見る以上に体験させられてきた。
「じゃあ正座ね、ほら」
「なんでだよ」
「いいから正座」
 胡座をかいた俺の足をガンガン蹴り始めた。スネが折られる前に折れた。少し尻を持ち上げて正座に座り直
す。
「足の裏が寒い」
「文句言わないの。膝はあったかいんじゃないの?」
 言いながら彼女はコタツの中を覗き込む。そのまま姿を消した……と思ったらすぐにこちら側に頭が突き出て
きた。そのまま俺の膝の上に頭を乗せようとしてきた。素早く後退すると、床に頭をぶつける。うんうん呻いて
いる。
「ザマーミロ」
「なんだって!?」
「ごめんごめん、ついつい心の声が口から出ちゃった」
 後退した拍子に最後の砦たる膝まで外に出てしまったので再度侵入を試みるが、侵入路には彼女の頭が鎮座し
ていた。
「ちょっと、邪魔なんですけど」
「膝枕したらいいんじゃないかな?」
「そんなことしたら足痺れるじゃん」
「罰ゲームだし?」
 流石に傍若無人が過ぎる。ちょっとイラついてきた。
「なあ、お前さ」
「いいじゃん別に。……そんなに辛いの?」
 俺が機嫌を悪くしたのを察したのか、少し不安そうな顔を見せる。それに対して俺は―

12 ―そもそも『ゲーム』はどこに行ったんだよ、と訊いた。
13 ―辛いです、コタツが好きだから、とボケた。

12の方 → >>343
13の方 → >>344

338:その07 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:39:38.98 p2OfXVug
「―『痛いの』で」
「へえ?」
 そっちを選ばれるとは思ってなかったな、といった様子。
「一応言っておくけど」
「いいよ。貴方、ドSだもんね」
「……まあそういうこと」
 真顔で人のことをドSだなんて言わないでほしい。俺にだって色々あるのだ、面子とか世間体とかプライドと
か。
 マホービンから急須へお湯を注いで新たなお茶の用意をすると、彼女は自分の湯呑みを突き出した。
「……どっちがドSなんだろうね」
「何か言った?」
「いいええ、なんでもございませんよハイ」
 彼女の湯呑みへ先にお茶を注いで、自分のにも入れて、としていると、彼女は本題を思い出したようだった。
何のゲームをするつもりなんだろう。
「あ、忘れてた。で、なんで『痛いの』を選んだの?」
「そっちかよ!」
 お茶を口に含む前で良かった。吹き出すところだ。
「ゲームはどうした、ゲームは」
「いや、そんなことはどうでもいいよ。気になるじゃない、ドSが『痛いの』を選ぶ理由って何?」
 自分から言い出しておいて、結局ゲームをする気はないらしい。
「怒らないか?」
「聞いてみないと分からない」
 素直な奴だ。
「いやな、罰ゲームってことは、勝った側が負けた側に何かするってことだよな?」
「まあ、『痛いの』ならそうなるよね」
 ということは『辛いの』はもう少し違った内容だったのか。今になってみれば、そっちを選んでおいたほう
が、もう少しいい思いが出来ていた気がする。
「そういうわけで、俺はお前の怪力に、ひとたまりもなくぶっ飛ばされるだろうから『痛いの』を選んだわけ」
 彼女は細身で軽量、そして見た目通りに馬力もない。つまりはそういうことだ。
 彼女の表情が変わった。あからさまに不機嫌な顔をすると―

14 ―彼女はコタツに潜った。
15 ―彼女は立ち上がり、こちら側に回り込んでから飛びかかってきた。

14の方 → >>345
15の方 → >>346

339:その08 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:40:10.18 p2OfXVug
「襲っちゃうぞ?」

 そう言うと彼女は笑いながら渋い顔をする。

「それは困るんだよねぇ」
「そういうつもりじゃなかったのかよ」
「んー、2/8くらいはそんなつもりだったけど」
「2/8? 約分の手間を怠るなよ」
「仕方がないじゃない。選択肢は2^3=8通りあるんだから」
「選択肢?」
「そ。私と貴方がイチャイチャする可能性」
「……お前は何を言っているんだ?」

 彼女は渋い顔をしながら、今度は目がすっと細められる。

「可能性の話ではあるんだけどね。……貴方は選択肢が沢山あるゲーム、例えば恋愛ゲームなんかと行き合った
 ら、どうやってクリアする?」
「そりゃあ、まずは最初に一目惚れしたヒロインルート目指して、それから脇のルートを埋めていくけど」
「でもね、世の中には、とりあえず片っ端からルートを通らないと満足しない人もいるんだよね」
「ああ、選択肢の一番目をずーっと選んでいって、次は二番目をずーっと選んでいく、みたいな機械的なプレイ
 スタイルね」
「そうそう、今回もとりあえず最初は一番目の分岐を選んで行き着いて来た人もいると思うんだよね」

 今度は細めた目のまま笑う。器用な奴だ。

「純粋に選択肢を選んできた人には申し訳ないんだけど、このお話はループします」
「ループ?」
「そう。それに注意書きに『エロあり』なんてあったら短絡的に『襲っちゃうぞwktk』なんてロクでもない人も
 いたと思うし」

 今度は満面の笑みだ。

「そういう人を罠に嵌めるのって、とっても素晴らしいことだと思わない?」

 よく分からないけど、コイツは性格悪いと思いました。


・メタEND! あなたのぼうけんはここでおわってしまった! → >>332

340:その09 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:40:37.03 p2OfXVug
「……狭い」
「ならいいじゃない」
 もたれかかった頭が向きを変えた。横から抱きつかれる格好になる。
「こうやって、ぎゅって出来るし」
 冷えた身体に、彼女の密着はありがたかった。俺も身体の向きを変えて彼女と向き合う。腰を抱き寄せると彼
女の口元が肩に埋まった。

 そのまま、一分ばかり。沈黙に耐えられなくなったのは俺が先だった。
「……ぎゅっと、出来るし?」
「……何?」
 急ぐ必要はない。掃除も、食糧も、当面の問題はクリアしている。会話のやりとりに性急さがないのが心地良
かった。
「出来るし、の後。なんて続けるつもりだった?」
「何だと思う?」
「……ナニかな」
 ニュアンスが変わったのは彼女も気付いている。そのくせ黙ったままなのだ。自分から切り出すつもりはない
らしい。
「ズルい、かな?」
「いや。すっごくシたいのが俺だけ、ってことじゃない?」
「……そんなこと、ないよ?」
 彼女がようやく顔を上げた。ドテラは息苦しかったのか、少し涙目になっていた。
「もっと、シた―」
 我慢しきれなくて押し倒し、耳元で囁いた。

16 「―なら、身体、動かさないと」

16の方 → >>347

341:その10 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:41:08.72 p2OfXVug
 ―俺の漏らした、あっ、という声で破られた。
「えっ? ちょ、ちょっと、なんでロストしてるのよ!?」
「そんなこと言われても、ミスっちゃったんだから」
「って、うわーーーっ!」
 先程説明し忘れていたが、彼女の装備している敵に気づかれないアイテムはゲーム内部での処理的に「敵に狙
われる優先順位を著しく下げる」というもの。つまり―
「きゃー、きゃー! きたー! きたぁあっ!」
 ―他にハンスターの狙うべき標的が倒されてしまえば、必然的に彼女が優先順位第一位となるわけで。
「もう! やった!? なんで!?」
 ハンスターに倒されてロストしてしまった俺の画面からは仲間プレイヤーの様子を俯瞰で眺めることが出来
る。彼女は襲いかかってきたハンスターをなんとか倒すが、更に三体のハンスターが襲いかかっていた。
「おお、すごいすごい。上手くなったねー。最初は止まってる的相手でも外してたのに」
「そんなこと言ってないで助けてよ! きゃ、いやー!」
 そろそろ近所迷惑か、もしくはご近所の皆様に俺がレイプ魔と間違えられそうだったが、本気でパニックを起
こしている彼女に声を抑えるように言ったところで効果はなさそうだった。
 ……仕方ない、助けてやるか。
「ちょっとどこ行く……ふぇえっ?」
 強力だった依存症を断ち切って立ち上がり、彼女の側に回り込むとその後ろに座り込んだ。腕を伸ばして彼女
のT-DSを奪い取る。
「ちょ、ちょっとぉ……」
「黙ってて」
 身体を強張らせている彼女を無視してハンスターを迎撃する。残念ながら纏めて迎撃するには向かない装備で
来ている。単発砲をきっちり当てていかないといけないな。
 もぞもぞ腕の中で抵抗のようなことをしていた彼女がやっと諦め、こちらへ少しだけ体重を傾けてきた。
「観念したか」
「……うん。ありがと」
「画面観ててくれると分かるけど、まだきっつい状況なのは変わらないんだよなぁ」
 敵の位置を示すレーダーはまだ敵が七分に陸が三分といったところ。如何せん、出現数が多過ぎる。
「まったく、せめて爆弾系持っててくれればどうにでもなるのに」
「だ、だって、全部貴方がしてくれるから……」
「酷い買い被りだ、なっと!」
 自分でクリアしないと実力はつかないのを分かっていてこのザマなんだから、と愚痴を言うと、T-DSを握って
いる俺の手を、上から彼女の掌が包み込んだ。
「……いいじゃん、一緒に作業するのがいいんだから」
 彼女にしては珍しい甘えた台詞に、俺は聞こえない振りをする。その作業をするのが趣旨のゲームなんだから
ゲームを一人でもちゃんと楽しんでくれ、これで今日七十回目のシナリオだぞ、と説教してしまいそうだった。


・ゲーマーEND! シナリオを終了し、一分後にあとがきに移動します。 → >>350

342:その11 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:41:57.35 p2OfXVug
 ―彼女の漏らした、あっ、という声で破られた。
「え? なんで? なんで!?」
 どうやら誤操作で武器が暴発してしまったらしい。そして砲弾が向こうのハンスターの群れに直撃した。
 こうなっては俺もカバーのしようがない。次々と飛び掛かるハンスターの群れに、彼女のキャラクターはあっ
という間に飲み込まれてしまう。
「あー……」
「まだだ、まだ終わらんよ!」
 彼女を中心としたモンスターの群れに爆弾を放り込み、一撃でハンスターを吹き飛ばした。ダウン無敵中だっ
た彼女にはダメージは入っていない。
「なんてタイミングで……」
 ダウン無敵でなかったら間違いなく爆風に巻き込まれて死んでいた、という彼女の抗議。
「一日二十回もカバーさせられてりゃ、大体のタイミングくらい掴めるって」
 抗議に対する嫌味混じりの反論に、彼女も口を噤む。
 とはいえ一か八かの攻撃だったことに変わりはない。俺が手を下すまでもなく彼女は瀕死状態で、無視してい
てもゲームオーバーはまず間違いなかっただろう。
「さて」
「どうしようか」
 瀕死の足手まといとボンバーマンほど組み難いタッグはないだろう。味方を巻き込んだらその時点でアウト
だ。無論、ハンスターに捕まってもアウト。
「とりあえず頑張るしかないよね」
 彼女も半分諦めている。二人して溜息を吐いて顔を見合わせる。お互い笑ってしまった。

「……飽きた」
 彼女の呟きが漏れたのは『おつかい』を三周し終わった頃だった。手元のT-DSをコタツの上に放り出してその
まま後ろに倒れる。
「はいはい」
 俺も同じようにして倒れる。
「飽きたー」
 コタツの中で足を蹴られた。そんなことをされてもどうしようもないんだけど。
「ならとりあえずTVでも観てようよ。年末だし豪華な番組やってるよ」
「分かったー」
 二人同時に起き上がる。コタツに深々と入り込んで、ぬるくなったお茶を啜る。そろそろ熱々のお茶が飲みた
い。
「冬だね」
「暇だね」
 そんな会話をしながら、夜は更けていった。

・夜は長いEND! もう一周遊べるドン! → >>332

343:その12 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:42:20.77 p2OfXVug
 ―そもそも『ゲーム』はどこに行ったんだよ、と訊いた。
「え、えっと……えっとね、お空に飛んでいったと思うよ?」
 途端に視線が泳ぎ始めた。
「……まさかと思うが、今一瞬ゲームってなんだろうとか考えなかったか?」
「そ、そんなことないよ?」
 あからさまに視線を逸らされた。
「そんなことないけど、とにかく貴方は罰を受ける必要があるの!」
「どんな罰だよ」
 自分で言うのもなんだが、別に人様に後ろ指を指されるようなことをした覚えはない。まして相手が彼女なら
尚更で、逆に罰ゲームをしてほしいくらいだった。
「で、どんな罰だよ?」
 正座のまま、コタツから頭を出している彼女に圧し掛かるようにして顔を寄せる。
「いいの! 罰を受けるの! いい!?」
 逆ギレされて面食らっていると、彼女はガシッと俺の膝を掴んで無理矢理自分の頭を乗せてきた。引き剥がそ
うにも、うつ伏せになって腰を抱き寄せて、絶対にここから動かないぞ、なんて言い出す。
 こうなったらお手上げだ、テコでも動くまい。
「……もう好きにしろ、諦めた」
 本心から吐き出すと、彼女はこちらを見上げ、しっかり視線を合わせて口を開いた。
「うん、好きにする。大好き」
 大好き、の後に俺の名前まで呼びつけてくる。心臓を鷲掴みにされたようになる。言葉を失った俺の負けだっ
た。
「……こうしたかったなら、最初から言えよ」
「うん、これからはそうするね」
 コタツに全身埋めてしまって暑いのか、彼女の頬がほんのりと赤くなっていた。


・膝枕END! このまま眠ってしまって二人して体調を崩して寝正月すればいいよ! → >>350

344:その13 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:43:07.78 p2OfXVug
 ―辛いです、コタツが好きだから、とボケた。
「でも運動しないと身体に悪いんだよ?」
 彼女は特に好きなスポーツはない。その代わりに身体を動かすこと自体が好きである。毎朝三十分程、近所を
ジョギングしているくらいだ。幸いなことに今まで誘われたことはなかったのだが、これはお誘いフラグなのだ
ろうか。
「……悪くていいよ。日がな一日コタツの中でぼんやりしてるのが人生の幸せなんだから」
「貴方みたいな人のこと、『コタツムリ』って言うらしいよ?」
 今現在、コタツにすっぽり収まって足と首だけ出している自分の様子を鏡で見てからそういうことは言ってい
ただきたい。そう言う暇もなく、自分の状態に気付いたのだろう彼女がコタツから急いで這い出てきた。
「と、とにかく、私は貴方の身体が心配なんだよ?」
「それはありがとうございます」
「じゃあ―」
「―でも今はとりあえずあったまります」
 彼女が這い出てきたことに因って生まれた空間へ自分の身体を捩じ込んだ。
「はぁ~、しあわせ」
「ちょっとぉ」
 俺の隣へ彼女も身体を捩じ込んできた。仕方がないので少し身体を寄せて入れるようにしてやる。
「ねー、運動しようよー。ランニングー」
 横から抱きつかれ、ぐわんぐわん揺すられて頭が回る。
「しーなーいー。……し、頭揺れて気持ち悪いっつーのー」
「えー、しようよー、きっと汗かいて気持ちいいよー?」
「そーれー……」
 それはない、と言いかけて、不意に彼女の言葉を勘繰ってしまった。

 身体を動かして、気持ちいい、なんて。
 あ、これ、アカンやつや。

「ねーえー? ……ねぇ?」
 俺の様子がおかしいことに彼女も気付いたらしい。そして自分の発言を思い出して顔を真っ赤にする。
「ね、ねぇ」
「……何?」
「その……興奮、しちゃった?」
 俺は、彼女を押し倒すことでそれに応えた。
「そこまで言うなら、―」
 ひとつ、深呼吸をする。

16 「―なら、身体、動かさないと」

16の方 → >>347

345:その14 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:44:07.15 p2OfXVug
 ―彼女はコタツに潜った。
 足の裏でもぞもぞしている塊が、真っ直ぐ俺に向かって進んできた。胡座の真ん中、股座の前に顔を出す。
「怒ったのか、可愛いねー」
「あのねぇ!」
 火に油を注いだ俺に対して、片眉だけ吊り上げる器用さを見せながら彼女が迫ってきた。
「ちっちゃいからちっちゃいって言ってるだけだけど?」
「そういうのがムカつくの!」
 ちっちゃい身体を活かしてコタツと俺の両足の間から飛び出しこちらの上半身へ体当たりしてきた。堪え切れ
ずに倒れると、そのまま脇腹をグーでガシガシ殴りつけてくる。
「ちょっ、それは!?」
「痛いか! 痛いかあ!」
「痛痒い!」
「なっ……! この、痛がれぇ!」
 ちっちゃなグーで、中途半端な力で殴りつけても、痛さとくすぐったさが半々で反応のしようがない。小動物
をあやすようにして抱き締めて動きを制限しようとするが、彼女としてはそれが益々癪に障るようだった。
「うがー!」
「ははは、痛い痛い、痛いなー」
「もー!」
 抱き締められない代わりによしよしと撫でてやるが、こちらも気に入らないらしい。前髪の生え際辺りに置い
た手を取られる。
「……何?」
 じぃっと俺の指を見つめると、彼女は―
「ってえーーーー!」
 ―思いっきり噛みついたのだった。

 噛み痕はくっきりと、3日も残った。

・「14に行け」END! ゲームブックのお約束。貴方のイチャイチャはここまでだ…… → >>350

346:その15 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:44:40.40 p2OfXVug
 ―彼女は立ち上がり、こちら側に回り込んでから飛びかかってきた。
「うりゃー! どうだ! 重いだろ!」
「うわー重いなー、すっごく重いなー」
 女性相手に軽い重いということを軽々しく言うのもどうかと思うが、彼女は見た目通りの精神年齢なので―
「―小学生の相手をしていると思えば問題ないのでした、どっとはらい」
「誰が小学生だー! ちゃんとハタチ超えてるわ!」
「合法ロリ……だと……?」
「ロリって言うな!」
 怒った彼女は俺の着ていたドテラを引っぺがした。この寒いのに、上半身を半袖Tシャツ一枚で過ごせ、とは
なんという拷問だ。もしかしたらこれが『辛いの』なのかもしれない。
「背中が寒い」
「我慢しなさい、これは罰です」
「このままでは風邪を引いてこじらせて肺炎を発症、そこから多重感染症を引き起こしてICUに担ぎ込まれるも
 手当ての甲斐なく死んでしまう」
「何言ってるのよ、バカ」
 とはいえ彼女も流石に少しは悪いと思っているのか、一度は引っぺがしたドテラをもう一度着せてくれる。
 ……着せてくれるのはいいのだが、なんだか背中の感触が気持ち悪い。Tシャツとドテラの間に異物が混入し
ている。
「こ、これは必殺『弐忍刃折』!? 門外不出の秘技と聞いていたが……」
「……なによ、それ」
 仕方がないことではあるが、彼女には日本男児の魂が足りない。
「説明しよう! 『弐忍刃折』とは対象の衣服の中に入り込み、背後から好き勝手にするという拷問である! 
 しかしコタツから飛び出ている背中はあったかくなるのだ!」
「な、なんだってー」
 虚ろな目をしているのが手に取るように分かるような声音だった。醒めてしまったらしい。
「ううむ、拷問を我慢するか寒いのを我慢するのか迷うところだな。どっちにする?」
「じゃあ拷問を我慢しなさい」
 背中から彼女の首が伸びてきた、というか背中に覆いかぶさるようにして圧しかかってきた。
「……これ、拷問だからね?」
 後ろから囁かれ、舐められ、軽く噛み付かれた。


・甘噛みEND! 『アマガミ』はエンターブレインの登録商標です → >>350

347:その16 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:46:00.78 p2OfXVug
「―なら、身体、動かさないと」
「ん」
 彼女の身体をまさぐろうと臍の辺りへ手を置いて、上着を捲り上げる。抵抗は全くなかった。最初からそのつ
もりだったのかのようだ。露わになった腹へ口を寄せて胸に向かって舐め上げる。ずっとコタツに入っていたか
らだろうか、随分火照っているように思える。
「あったかい、な」
「私は寒いよ……?」
 抗議ではなく、苦笑いしつつの言葉。頭を抱き寄せられた。
「でも、ね」
 おっぱいに顔が埋まる。引き締まった身体をしているのは日々の節制が効いているのだろう。その辺は、あち
こちゆるくなり始めているインドア派の俺と違うところだ。
「すぐに貴方があったかくしてくれるって、思ってるから」
「なら服は」
「脱ぎたくない、寒いから」
 いつもなら、少しでも密着できるように、なんて言って、お互い素っ裸になることを強要する彼女の発言とは
思えなかった。
「あ、それと、ね?」
 空いている右手で彼女の脇腹をさすろうか、なんて考えていると、彼女が言葉を継いだ。
「もうちょっと、指先あっためてから触って?」
 右手を彼女の左手が絡め取っていった。それを口元に持っていって吐息を吹きかける。
「ホント、冷たいんだから。……あっ」
「だったら中でシたらいいよ」
「……がっつくね」
「そりゃ、相手がお前なら、ね―」

17 ―待っていられない。

17の方 → >>348

348:その17 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:46:39.37 p2OfXVug
 ―待っていられない。
 その言葉を告げず、身体ごとコタツに引き込んだ彼女の身体を満喫することにした。

 彼女も俺も、身体はすぐに出来上がった。待ち切れないという風に彼女は自分で下半身を脱ぎ捨てた。俺も下
を脱いでしまう。
 俺が上、彼女が下。いつものように凸凹の入り口を触れ合わせる。潤滑油は十分なようだった。
「ほとんど触ってないと思うけど」
「言われなくても知ってるよぉ……っあ、うぅ……」
 じわじわと侵入して奥まで到達すると、下から抱き締められる。ふぅふぅと息を荒くして余裕が無いのかとも
思ったが、そうではなかった。下からではあるが、腰をぐいぐいと押し付けてくる。刺激が足りないからと自分
から動こうとしているのだった。
 膣内は蕩けている。欲しがる彼女とは対照的に、そんなに強く締め付けているわけではない。それなのに、と
ろとろの襞が絡みつくだけでイきそうだった。
 ゆるゆると引き出して、ぬるりと突き入れる。ピストンと呼べるような激しい動きじゃないのに、それだけで
快感が振り切っていた。
「ん、ふぅ……ん、んぁう……」
「だらし、ない、な。涎、垂らしてさ……」
「別に、いい、じゃん」
「……悪くないけど」
 彼女の頬の涎を舌で拭い、唇を奪う。彼女が待ち切れないという姿勢そのままの勢いで舌を突き出してきた。
吸われて、吸い返して、唾液を捏ねる。
 下半身の結合も忘れてはいない。奥へぶつける度、彼女の喉の奥がくぐもった声で震える。絡みつくでなく、
ぬめつくでなく、ぬるま湯に身を委ねているような心地良い倦怠感が性感に変換されて、暴発寸前にまで高まっ
ていく。
 彼女の足が腰へ巻き付く。もうすぐ達する合図だった。一旦口を離して、早いな、とからかうと、相手が貴方
なんだから当然だろう、と返された。
「ホントに、あっ……好き……だい、すきっ……!」
 全身でしがみつかれて押し付けられた。変に温かい彼女の身体が密着したせいで、腹の底から湧き上がってき
た衝動が堰を切ったように溢れ出し、彼女の奥を白く汚していく。
「ひ、あ、ああぁあっ……!」
 彼女自身もほとんど同時に達していた。うわごとのように好きだ好きだと繰り返していた。

18 「うぅ、暑い……」

18の方 → >>349

349:その18 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:47:17.44 p2OfXVug
「うぅ、暑い……」
 散々お互いの身体を弄り合って、体温は上がっていた。彼女に文句を言われた指先の先まで血が巡っているの
を感じるくらいだった。
「身体中、どくどく言ってる」
 肩で息をしながら彼女は前髪を掻き上げる。房になった髪が汗でおでこに貼り付いていた。
「一旦出よう、もう倒れそうだ」
「……うん、私もダメ」
 中から抜け出ると、少し低めの室温が爽快だった。荒い息を吐きながら彼女を引っ張りだしてやると、その勢
いで抱きついてきた。
「……貴方の身体、ぽかぽかしてる」
「お前もな」
「えへへへ……これなら、コタツはいらないね」
 それはつまり、二人で身体を寄せ合うのが一番の暖房だということだろうか。
「じゃあ夏はこういうのナシだな」
「えー!?」
「だって、暖房代わりってことだろ?」
「暖房以上よ! ……だって、身体も、心もあったかくなるんだから」
 恥ずかしいことを真顔で言い出す彼女に、こっちが恥ずかしくなる。
「……お前だけな」
「あー、顔赤いよ? コタツで湯中りしちゃったのかなー?」
「うるせえ、このやろ」
 両手でワシワシと髪をシェイクすると、彼女は心底楽しそうな声で怒り始めた。

・真(?)END! 半脱ぎは性義……もとい正義です! → >>350

350:その19 ◆6x17cueegc
13/12/07 17:48:57.72 p2OfXVug
と以上です
昔懐かしのゲームブック風でお送りいたしました

すんなりここまで来た皆さん、お疲れ様でした。またよろしくお願いします
真(?)ルートまで進んだ皆さん、他のルートもよろしくお願いします
何度もループした皆さん、人生とはそんなものです。納得いかないなら【14】にでも行けばいいと思います(棒


ちょっと脱字があったので、気が向いたら整理したものをロダに上げるかもしれません

・GAME OVER ! コンティニューはこちら! → >>332

351:名無しさん@ピンキー
13/12/07 18:06:19.49 Z8x/rvyL
うーん、これはちょっと……
オマケに1レス目で批判が全部「黙れ」って潰されちゃうから、
「モヤモヤしてもお前が悪い」って言われてる気がしてなおさらモヤモヤする……

352:名無しさん@ピンキー
13/12/07 19:37:24.68 M31HSSQV
なかなか微笑ましくていい感じ。
コタツで大人二人が重なるのは高さ的にちょっと無理があるなーと思っていたら、なるほどそういうことかw
20レスを一本としてとらえ、なおかつ特定の読み進め方になると実は合法LOでしたというオチがつくので、そこはいいと思う
逆に、それに気付かない間は読んでて浮かんでくる情景がしっくりこないので、もどかしさがある
今の選択肢構成だと和気あいあいな感じで、上下逆にすると合法LO萌え(*´Д`)ハァハァになるのはやっぱ意図的かな

膝枕のとき女の子がクンカクンカして顔をすり寄せたりすると、犬属性甘えんぼうっぽくてもっと萌えたかも

353:名無しさん@ピンキー
13/12/07 19:56:57.99 3Ds+50u8
ちゃんとエロいし楽しくていいでないの
ぶつけられないモヤモヤは誤爆とかで解消

354:名無しさん@ピンキー
13/12/08 17:45:54.32 SxiR/p0A
面白いしなかなかいいと思うけどちょっと読みくさがあるな・・・
これまとめwikiにまとめるとかなり読みにくそう

355:名無しさん@ピンキー
13/12/08 21:25:55.80 C8RaNMzc
一レスずつ別のページにすれば読みやすい

356:続報 (1/5)
13/12/09 20:39:40.34 iwSkew7Y
>>328-329


外が明るんできて、鳥の声も聞こえるような時刻。
「んー…………っはぁっ!」
特大の伸び。
脱稿、である。
予想外に大きな書き直しを迫られて、禁欲期間は二週間ほど延びていた。
そこそこ根を詰めていたこいつが「充電」を始めたら何日か使い物にならないだろうから、
改稿へのモチベーションを維持させるのも大変だったのだ。
ともかく、たぶんこれでこいつの仕事は一段落したし、秘書兼料理人兼家政夫兼……の俺の仕事も一段落である。
お疲れ様、と声を掛けに行こうとしたら。
椅子はこっちに向いていて、「ん」と両腕を広げてきた。
「ぎゅってして」の合図。
ああ、そういえば。
ずいぶん久しぶりだ。
余裕を見せてゆっくりと歩くけど、胸は高鳴っている。
顔を寄せて、首に腕を回すと、体が微かに震えたように見えた。
肌が触れたところが熱く感じる。
柔らかい感触を抱き寄せた。
耳許で、すん、と鼻が鳴る。
息を吸い込むと、頭が痺れたようになって。
重みを掛ける。
ぎい、と椅子が軋んで、
「ん……ふぅぅぅ…………」
と肺の中身を全部外に出すような息を吐いて、こいつの体の力が抜けていく。
「お疲れさま。偉い」と小さな声で言うと、「あり、がと」と力弱く呟いた。
くふん、と息を吐いて頭を俺の肩に擦り付けてくる。
これは「あたま、撫でて」の合図。
リクエストに応えて、髪をす、と撫でる。
髪の感触って、こんなに心地良かったか。
撫で下ろす度にん、と吐息が漏れて、ますます体がくた、となっていくのが面白くて撫で続ける。
回された手が、俺の背中を優しく引っかく。
俺が力を強くしても、おとなしく抱き寄せられるままになっている。
と、
いつの間にか息がすうすうと規則正しいものになっていた。
「おーい。起きなさーい」
頬をべちぺちと叩く。
「……んぅ?」
「すぐ寝ていいから、とりあえずお前風呂入れ。臭いぞ」

357:(2/5)
13/12/09 20:40:28.23 iwSkew7Y
「おっふろー、おっふろー」
今のこいつを一人で入らせたら溺死は確実なので、もちろん一緒に俺も入ることになる。
まさか顔を洗うのも俺がやるとは思わなかったが。
「ちょっと、狭いね」
風呂の広いところを選んだはずだったが、二人が入るにはやっぱり無理がある。
そんなことも忘れていた。
俺の足の上で気持ちよさそうに脱力しているこいつを見て、悪戯心が頭をもたげる。
お湯の中で軽くなった体をぷかぷか、と動かしながら、
「やっぱり痩せたよな。ちゃんとご飯食べろよ」
尻に手をやる。
「ばか」
今度ははたかれなかった。

――

風呂に入ったら元気を取り戻してしまったらしく、臨時の朝食。
「んぐ。下手になったでしょー?」
「しょうがないだろ。久しぶりなんだし」
最初に慣れるまでもけっこう掛かった気がする。
二人羽織は難しいのだ。
今日はやけにもぞもぞするから狙いが定まらないし。
「ご飯はおいしいけどー、食べさせ方は修行が必要だねー」
「……はいはい」
注意しながらもう一口、食べさせようとする。
どんな角度だったかなーと考えていたら、腕ごと掴まれて俺の口まで持っていかれた。
「っぐ」
ぐいぐいと押し込まれる。
スプーンが歯に当たって痛い。
「おい、なにふぁっへ……」
流し目で振り返って。
「あー」
可愛く開かれた口を見せ付けてくる。
「これだったら失敗しないよぅ?」
……そういうことだよな。
顔を引き寄せる。
ふにふにの唇の感触は、意識しないように。
口の中のものを、舌を使って少しずつ、ゆっくりと押し込んでいく。
一回ごとにん、と声が漏れるのがなんだか艶かしい。
……いつもこんなこと、してたかな。
記憶が確かでない。
初めてではないはずだけど。
最後の分を渡し終わると、それを飲み込んで、「よくできましたぁ」と照れたように笑ってきた。

こんなことをしていたので、食べ終わったときにはすっかりご飯は冷めていた。


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