強化スーツ破壊at EROPARO
強化スーツ破壊 - 暇つぶし2ch200:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:46:54.81 d9Cu5doY
幸い、テスト期間中に怪人が襲撃してくる事は無く、栞も、由衣も全ての試験を受け、レポートも無事に提出出来た。
テスト期間が終わって最初の週末、梅雨も明け、空からは強烈な日差しが降り注いでいた。
朝食を食べ終わった由衣がパソコンをいじっていると、栞が家にやってきた。

「ねぇ由衣ちゃん、夏休みだし、海行こうよ、海!」
「えー、今から?」
「何か用事が無いんだったら行こうよ、せっかく天気もいいんだしさ」
「今、水着出してくるから待ってて」
「別に誰も泳ぐなんて言ってないから」
由衣は2階に向かおうとする所で足を止めた。

「泳ぐんじゃ無いの?」
「海を見に行くのよ、海を」
栞はキャップを被り、ショートジーンズ、Tシャル、サンダルという服装に、小さなハンドバッグと日傘を持っている。
バッグの大きさからして、水着やバスタオルを持っている様子は無かった。

「由衣、行ってみればいいんじゃない?」
珍しく1階にいた真由美が由衣の後ろにいた。

「じゃあ、ちょっと待ってて、今すぐ準備してくる」
由衣は2階に上がり、着替えを素早く済ませる。
下に降りてきた由衣は、純白のワンピースに麦わら帽子、サンダルという格好だった。穏やかな風が、ワンピースの裾を揺らした。

「で、栞ちゃん、どこに行くの?このへんでいい所なんてあったけ」
「パーパーランド。近くに別の大きい所が出来たから、そこは穴場になってるの。由衣ちゃんは初めてだっけ?」
「私、海沿いなんか行かないから」
「そっか、初めてだったのね。じゃ、電車でゆっくり行きましょ」
栞と由衣は二人並んで歩き始めた。雲一つ無い、真夏の青空から日差しがギラギラと降り注いでいた。

「由衣ちゃん、テストの手応えはどうだった?」
「え?ああ、うん、まぁまぁだと思うわ。落ちなきゃいいかな、って感じ」
「由衣ちゃんのノートね、すっごく分かりやすかった!あれが無かったらわたし、絶対落ちると思う」
「そんなに役に立ったの?」
「うん。これがあったらもう講義聞かなくてもいいかな、ってくらい」
「ちょっと、講義はちゃんと聞いてよね」
「ハハッ、冗談、冗談」
栞は軽く口を開けて笑った。電車に揺られる中で、二人の他愛ない話が続く。普段の二人はどこにでもいる普通の女子大生なのだ。

201:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:49:25.75 d9Cu5doY
二人はパーパーランドに着いた。電車で二駅ほど離れた場所に大型アウトレットモールが出来たので、その煽りを受ける形となったここは、夏休み最初の週末だというのに閑散としていた。

「やっぱ、これぐらいの人出の方がちょうどいいわ」
「栞ちゃんの実家って、田舎だっけ」
「うん。漁師町。周りの360度中、300度ぐらいは海がある所。二週間に一度ぐらい海を見ないと気分が悪くなるから、ここに結構来てるの」
栞はそう言うと、柵に手をかけ、海の潮の流れをじっと見ていた。

「…栞ちゃん、何してるの?」
「海を見てるのよ、海を。由衣ちゃんもどう?」
栞の横に立って、由衣も海を見つめてみる。時折、海から吹きつける風によって、白いワンピースが風に揺れる。

(綺麗…)
青々とした海。全てを飲み込みそうな海。自分を全て包み込んでくれそうな海。
寄せては引き、寄せては引き。その度に、波の音が聞こえてくる。その音を聞いていると、心が洗われる。
時々、何かの演出のように海面にクラゲが1匹浮かび、また沈んでいく。
人間なんて、海に比べたらちっぽけな存在だ。そう立ち止まって考えると、由衣は胸の中のつかえが取れ、抱え込んでいた悲しみが少しは晴れていく気がした。

「由衣ちゃん、そろそろお昼にしない?いいところ知ってるんだ」
「じゃ、栞ちゃんに任せるわ」
栞が入っていった店は、海鮮丼の専門店だった。お昼時だが、客の数はそこまで多くなく、二人が座る席にはまだ余裕があった。

「どれも美味しいけど、迷ったら日替わりがいいと思うよ」
由衣は栞にメニューを渡されて、どれにしようか考える。

「ここは味もコスパもいいからね。800円でこれだけ食べられたら十分過ぎる、っていうぐらい」
「じゃ、私も日替わりにするわ」
「決まりね。すいませーん、日替わり2つお願いしまーす」
由衣は迷った末、栞と一緒の物を頼んだ。

「栞ちゃんって、夏休みに実家に帰らないの?」
「お盆以外は帰らないよ。モデルの仕事結構入れてるし、実家の手伝いさせられるの嫌だし」
「実家って、栞ちゃんの家って漁師なの?」
「あれ?言わなかったけ?そうよ、グレート号で毎日漁に出てる」
「グレート号って…何それ…普通、~丸とかじゃないの?」
栞の実家の漁船の名前を聞いた由衣は吹き出してしまった。

「漁船だからって、~丸ってつけなきゃいけない決まりなんて無いよ。アルファベットだって使おうと思えば使えるし」
「なるほど、勉強になったわ。で、栞ちゃんは家業を継ぐ気は無いの?」
「継ぐ気があるように見える?」
「そりゃあ、どっちかと言えばそんなに…」
由衣と栞が話をしているうちに、日替わりの海鮮丼が2つ運ばれてきた。

「んーと、今日は甘エビとイクラとネギトロとサーモンね。それじゃ、いただきますっ!」
栞は瞬時に海鮮丼の中身を把握した。

「どう、由衣ちゃん、美味しいでしょ?」
「ええ、美味しいわ。栞ちゃんってこういう魚の味には敏感なの?」
「実家で嫌というほど魚が出るしね。本当に魚ばっかりだけど。でも、時々こういうのが食べたくなるの」
由衣は家で出た事のない海鮮丼を味わう。

(800円でこれだった相当いいわね)
値段以上の価値はある。由衣も栞も、美味しく海鮮丼を完食したのだった。

「あ、由衣ちゃん、今日はわたしのおごりだからいいよ」
「いやいや、自分で払うわ」
「いつも世話になってるからね、由衣ちゃんには」
レジで財布を出そうとする由衣を栞が制した。千円札2枚を店員に出し、釣りをもらう。

202:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:50:58.63 d9Cu5doY
「栞ちゃん、小遣いは大丈夫なの?」
「デカい臨時収入が入ったからね、だって…えっ!?停電?」
ブルーサイクロンとして戦った「危険手当」が入ったから多少は使っても大丈夫だ、
そんな話を栞が振ろうとしていると、突然店内の電気が全て消えた。店内にいた他の客も一斉にざわめき始める。

「雷が落ちたわけでもないのに、一体どうなってるのよ」
由衣が店の外に出ると、他の店でも同様の事になっているようだ。店員と思われる人間が携帯電話で何かを問い合わせている様子も見える。

「まぁ、すぐに復旧するでしょ…この海ってクラゲこんなに多かったっけ?」
栞が海にふと目をやると、クラゲが10匹近く海に浮かんでいる。しかも、その数は時間が経つごとにどんどん増えていく。
その集まったクラゲが防波堤を越えて、由衣たちのいる陸に向かってきた。

「いつ気づくのかな、アイツ」
クラゲが集まる様子を建物の影で見ていた少年がいた。左目は義眼で、左手も義手だった。

「レッドトルネード…早く出てこい」
窪島佑ーコブラ怪人ーは過去の戦いで、レッドトルネードに敗れ、左目と左手を失うという重傷を負わされていた。

「由衣ちゃん、刺されるよ、逃げよう!」
「う、うん!」
ただ事ではないと悟った栞は由衣の手を引いて逃げた。海を見物に来ていた客も次々とその場を逃げだしていく。

『森川さん、出動よ!怪人が現れたわ!』
「真由美さん、敵が出たの?」
『そうよ、もう近くにいるはずよ!由衣は今どうしてるの?」
「わたしの側にいます!」
『無理して戦わないで、って言っておいて!』
怪人反応を察知した真由美から、栞へ電話がかかってきた。

「こんな時になんで出てくるのよ!」
栞が思った通り、陸に上がって来た無数のクラゲが一つに集まり、やがて人型となった。
胴体からは無数の触手が生え、獲物を探すかのように蠢いている。クラゲ怪人が現れたのだ。
頭部の中央には青白い核がある。この怪人は、あちこちの建物の電気を吸い取って自らの養分とし、こうして巨大化したのだ。

203:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:52:29.10 d9Cu5doY
「由衣ちゃん、下がってて!わたしがやる!」
「栞ちゃん…」
心配そうに見つめる由衣を栞が手で制した。そして、右手に持った青い端末を前に突き出し、叫ぶ。

「着装!」
由衣の見ている前で、栞の全身は白い光に包まれる。その光の眩さに由衣は思わず目を閉じる。
白く、眩い光の防御フィールドの中で、栞の衣服が光の粒子となって飛び散り、栞は一糸まとわぬ裸体を晒す。
しかし、その裸身を保護するべく、すぐに足元、手先から光が駆け上がり、一気に首筋まで覆う。
青と白の鮮やかなインナースーツ姿となった栞は、装甲を受け入れるべく、そっと目を閉じる。
まず、腰、股間を保護するパーツが前後から現れ、挟み込むようにして栞の身体に密着する。
次いで、つま先、脹脛とブーツ状の青い装甲に包まれ、膝、太股にも装甲が装着される。同時に、手がメタルグローブに覆われたかと思うと、腕、肩と青い装甲が一気に覆っていった。

「あんっ…」
インナースーツに包まれた胴体が、背中、胸部、腹部の3つのパーツで挟まれるようにして覆われた。その時の締め付けるような体感に、栞は声を上げてしまう。
そして、頭部にもパーツが集まり、ヘルメット状となって栞の頭を覆う。
後頭部がロックされ、最後に露出していた栞の顔面にも、マスク、バイザーが装着されると、スーツ装着完了を知らせるかのように防御フィールドが弾け飛んだ。

「これが…栞ちゃん…」
由衣の目の先には、ブルーサイクロンの後ろ姿があった。栞は由衣の見ている前で変身したのだ。

204:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:54:35.15 d9Cu5doY
「行くわよ!」
サイクロンは蠢く触手に向かってマルチマグナムを発射した。破壊光線が正確に2本の触手を断ち切る。
直後、別の触手がサイクロンに向かって振り下ろされるが、サイクロンは冷静に右にかわす。
そして、頭部に向かって再び撃った。頭部を構成していた一部の軟体が吹き飛び、地面に飛び散る。
しかし、クラゲ怪人は全く意に介さず、別の触手をムチのようにふるい、サイクロンの胴体を打ちつけた。

「きゃあっ!」
クラゲ怪人の触手は細いにも関わらず、太い鉄のロープで叩かれたかのような衝撃がサイクロンに伝わって来た。
サイクロンは触手に向かってマグナムをまた撃った。触手のうちの1本が吹き飛ぶが、その間に別の触手がサイクロンを打ちすえる。

「ああっ!」
攻撃を受けて、構えを崩されたサイクロンに、クラゲ怪人の何本もの別の触手が次々とサイクロンを殴りつける。
右から左へ、左から右へ。上から下へ。下から上へ。何本もの触手が途切れる事無くサイクロンをいたぶっていった。
そして、触手のうちの1本がサイクロンの胴体を締め上げ、高圧電流を流し始めた。

「いぎゃああっ!」
強化スーツを突きぬけ、栞の身体の芯を凄まじい痛みが駆け抜けた。

「何、君?レッドトルネードの偽物?」
地面に倒れ伏し、起きあがろうとするサイクロンを、佑が見つめていた。
ブルーサイクロンの外見は細部こそ違うが、おおむねレッドトルネードと似ていた。

「誰が偽物よ…」
サイクロンはゆっくりと起きあがり、佑を見つめた。しかし今度はクラゲ怪人が背部から触手を伸ばし、サイクロンの首に巻きつけた。

「うう…あうっ…」
強化スーツは首筋もきっちりと覆ってくれている。それなのに、息苦しさを感じる。
両手で触手を振りほどこうとするが、触手の力は強く、下手をすれば装甲ごと首の骨が破壊されそうだった。

「レッドトルネードは逃げたみたいだね。まぁいいか、今日はパチモノで我慢してあげるよ」
「パチ…モノじゃ…ない…」
苦しむサイクロンの目の前で、佑の姿が変化していく。蛇の化け物、コブラ怪人へと。

(あの時の…)
モデルの仕事帰りに自分を襲った奴と一緒だ。そうだ、あの時、自分は、レッドトルネードに助けられて…
サイクロンの頭の中に、あの日の出来事が一瞬にして思い出される。
首を絞められ、危うく死ぬかも知れないと思った時、レッドトルネードが助けてくれた。その時に近い状況に、今の自分は置かれている。でも、あの時と違って、今の自分はブルーサイクロンという戦士だ。もうただの女子大生じゃない。

(わたしは…わたしはこんな所で負けられない!)
ゴーグルの奥にある栞の目が、コブラ怪人をしっかりと見つめていた。
コブラ怪人の左手の鋭い爪が、サイクロンの腹部を狙う。爪は以前よりもより大きく、より鋭くなっていた。
その直前、力を振り絞ったサイクロンの蹴りが、逆にコブラ怪人の身体を蹴り飛ばした。今度は素早く向き直って、自分の首を絞めつけていた触手にチョップを振り下ろした。
触手が斬り飛ばされ、呼吸が楽になったサイクロンは、2体の怪人を睨みつける。

「何人でもかかってきなさい!」
「今時精神論かい?時代遅れなんだよ!」
コブラ怪人の尻尾が足元からサイクロンの顎を襲った。

「あがっ!」
顎が外れそうな衝撃がサイクロンを襲う。視線がグラつく中、クラゲ怪人が触手の間に集めた電気エネルギーを集め、大きな球状にしていた。
サイクロンのマルチマグナムで破壊されたはずの触手や頭部はいつの間にか完全に再生した。
そして、電気エネルギーがサイクロンを飲み込むようにして叩きつけられる。

「いやああああーっ!」
サイクロンは5メートル以上高く、10メートル以上遠くに吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。

「うう…」
「やっぱりパチモノだね。だって弱いから」
サイクロンは身体の芯に痺れが残っていて、立ち上がろうにも立ち上がれない。
クラゲ怪人とコブラ怪人は、2対1でサイクロンを着実に追い詰めていった。

205:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 22:59:51.21 d9Cu5doY
(このままじゃあ…)
建物の影で戦況を見守っていた由衣の手は、汗でびっしょりと濡れていた。
サイクロンで無く自分が戦っていたとしても、2対1では明らかに分が悪い。このまま放っておけばサイクロンが負けてしまうのは明らかだった。
サイクロンをー栞をー助けに行かなければならない。そう思うのは当然だった。
手が震えていた。完膚無きまでに敗れ、死をも覚悟した戦いの恐怖心がまだ残っていた。今、自分がこっそり逃げれば、自分の命だけは助かるかも知れない。しかし、栞を見殺しにする事など出来るはずもない。
ここで辛い事から逃げたとしても、このまま逃げたら先はもっと辛い事があるに違いない。だから今は逃げてはいけない。
そう思った由衣の右手が、新たなスーツが納められた端末に伸びる。そして、勇気を振り絞って叫ぶ。

「着装!」
由衣の叫びに応えるように、全身が白い光に包まれる。その中で由衣の衣服が、頭に被っていた麦わら帽子が消え、入れ替わるようにして赤と白のインナースーツが身体を覆う。
つま先から、指先から装甲が駆け上がり、瞬く間に首筋から下が装甲で覆われる。
その僅かな時間に、由衣は今までとは何かが違う、新たな力を感じ取っていた。
由衣の髪がふわりとかき上げられ、ヘルメットの装着と同時に後頭部に収められる。
口元と鼻がレスピレーター付きのマスクで覆い隠され、最後に半透明のバイザーが露出していた目元を覆い隠す。
白い光が弾け飛び、変身が完了した直後、レッドトルネードはコブラ怪人に向かって跳び、マルチマグナムを発射していた。

「ぎゃあっ!」
コブラ怪人が直撃を受けて倒れる。その隙に、クラゲ怪人に向き直ったレッドトルネードはサイコブレードを抜き放つ。
片刃を出し、直後にもう片方の刃も出して、トルネードは棒術のようにブレードを構えた。
前に着ていたスーツとは違う。内面から湧きあがる力が違う。その力が由衣に自信を与えていた。
クラゲ怪人の触手が多方向からトルネードに襲いかかる。トルネードは両刃のブレードを振り回し、的確に触手を斬っていった。
1本、2本、3本、4本と、ブレードが振るわれる度に、触手が地面に落ちていった。

「ブルーサイクロン!今よ!」
トルネードの呼びかけに応じて、サイクロンが膝をついたまま、両ホルスターのマルチマグナムを連結させて、小型ライフルのような外見をしたダブルマグナムに変形させた。

「行けえっ!」
サイクロンのダブルマグナムから発せられた太い破壊光線がクラゲ怪人の頭部を一撃で半分ほど吹き飛ばした。

206:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 23:02:33.71 d9Cu5doY
「あなたのお望み通り、戻ってきてあげたわよ!」
「こんなに早いなんてね。でも、僕は昔の僕じゃないよ」
「あなたが昔のあなたでないように、私も昔のレッドトルネードじゃない!」
「お前も僕と同じような身体にしてやる!」
レッドトルネードのゴーグルの先に、義眼となったコブラ怪人の左眼と、義手となった左手が見える。コブラ怪人はトルネードに対する強烈な憎しみを胸に襲いかかってくる。

「はあっ!」
レッドトルネードが放ったサイコブレードの一撃が、振り下ろされてきたコブラ怪人の尻尾を叩き斬った。
前回と同じような敗れ方だ。そう思ったコブラ怪人に動揺が見えた。その隙を逃すトルネードではない。

「消えろっ!」
以前戦ったときに仕留め損ねた悔いを晴らすかのように、トルネードはサイコブレードの刀身にエネルギーを込める。

「ダブル・トルネード・スマッシュ!」
全ての思いを込め、コブラ怪人の肉体全てをこの地上から消し去ろうとの思いで、トルネードはブレードを振り下ろした。
しかし、コブラ怪人も最後の悪あがきとばかりに、口から猛毒の液体を吐き出していた。コブラ怪人の肉体も肩口から斜めに斬られていたが、トルネードも身体から力が抜けるような感覚を味わい、膝をつきそうになる。
胸元の装甲が毒液を浴びて溶け、白い煙を上げていた。双方相討ちだった。

「今度こそ…今度こそ!」
コブラ怪人はどこかへとかき消えた。レッドトルネードは詰めの甘さでまたしても勝ちを逃がしたのだ。

「よーしっ!」
ブルーサイクロンはというと、完全に自分のペースを取り戻し、マグナムでクラゲ怪人の触手を全て破壊していた。
残ったクラゲ怪人の頭部は徐々に再生していたが、そこにトルネードの援護射撃が飛び、青白い核が露出した。

「サイクロン、弱点はあそこよ!一気にトドメを刺して!」
「分かった!」
レッドトルネードに言われ、ブルーサイクロンは再びマグナムを連結する。そして、身体核に狙いを定める。

「サイクロン・バースト!」
ダブルマグナムから一筋の太い光線が発射され、その反動でサイクロンの身体が後ろへと下がる。
核を貫かれたクラゲ怪人の身体はジェル状の身体を四方八方に飛び散らし、その飛び散ったジェル状の破片もすぐに地面に吸われて消えていった。

207:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 23:06:28.31 d9Cu5doY
「終わった…かな」
サイクロンはダブルマグナムを2つに分解し、両ホルスターに収めた。そこにトルネードが近づいてきた。

プシュウウウウッ!

レッドトルネードがヘルメットの左のボタンを押すと、蒸気が噴き出すと共にロックが解除され、由衣の顔が露わになり、長い黒髪がふわりと広がった。
戦いは終わった。それを見たブルーサイクロンも同じようにしてヘルメットのロックを解除する。
蒸気が勢いよく吹き出し、ヘルメットの中から栞の顔が現れた。

「やったあ!」
由衣と栞は未だメタルグローブに包まれた両手でハイタッチを交わした。

「由衣ちゃん、すごい汗だね」
「栞ちゃんだって」
由衣も栞も、空気圧でロックされていたヘルメットの中に加え、この暑さのため、どちらも汗だくの顔になっていた。
だが、勝利の後となってはこの汗も気持ち良い。吹きつける海からの風が、二人に清涼感を与えた。

「由衣ちゃん、お揃いなんだね、これ」
「あ、そういえばそうね」
お互いに強化スーツを身に付けている自分の身体を見渡す。由衣はメタリックレッド、栞はメタリックブルーという違いはあるが、構造は全く同じである。
勝利の余韻を味わっていると、腰部のパックルに収められている端末が反応する。真由美からの通信だ。

『由衣…無理しちゃいけない、って言ったのに』
「母さん、今は栞を助けて、一緒に戦って勝った。それでいいじゃない」
『そうね。そうよね。それじゃあ、二人とも気を付けて帰ってきなさい』
「了解っ!」
真由美からの通信に、二人は元気よく答えた。

「うっ…」
栞がガクンと膝を付き、その場にしゃがみ込んだ。

「大丈夫!?」
「ちょっとまだフラフラするけど…大丈夫…」
電撃によるダメージがまだ身体に残っている栞は、気丈に微笑んで見せた。

クラゲ怪人を倒してから少しして、パーパーランド近辺の「停電」は復旧した。
無事に動いている帰りの電車の中で、戦い疲れた栞はいつの間にか眠ってしまっていた。
左隣に座っている栞の頭が、由衣の左肩にもたれかかってきている。栞は穏やかな寝顔で寝ていた。

「あー…、んっ…違う…」
栞の口から何やら寝言のような言葉が漏れる。

「夢でも見てるのかな」
電車が付くまで、今はそっとしておいてやろう。そう思った由衣はもたれかかってくる栞の頭を支え続けた。
戦いに対する恐怖心は完全に消えたわけではない。しかし、これまで一人で戦ってきた時とは違って、
今の自分には栞という仲間が、ブルーサイクロンという仲間がいる。
栞がいる限り、ブルーサイクロンがいる限り、どんな敵にも勝てそうだから。どんな困難だって乗り越えられそうだから。

「んん…ここはやっぱり税率90%…」
「何のゲームよ、それ…」
そっとしておかなくても良かったかな、と由衣は少し後悔した。
夕方になり、傾きかけた太陽の日差しが、電車の窓から降り注ぎ、いつもの女子大生に戻った二人の姿を照らしていた。

208:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/01 23:10:59.75 d9Cu5doY
今回は以上です。このような拙い文章で興奮して下さって大変恐縮です。
極力あざとさの無い萌えと、なるべく等身大の人間を描くことと、
昔のカプコン・コナミのゲームにあったような、「きちんと自分のパターンを作れば勝てる」熱さを意識しております。

いつも変身時や治療時に脱いでるんですが、エロ要素が少な過ぎですか、そうですか…

209:名無しさん@ピンキー
13/02/01 23:16:41.50 vZb1V4Vw
渋谷のデリヘル ハプニング学園のあやちゃんエロくて最高!腰をくねらせてせがむ感じが◎

おっぱいでてるし マ○コも・・・

URLリンク(www.cityheaven.net)

210:名無しさん@ピンキー
13/02/02 20:07:23.56 aeNcN2Q2
いや、露骨なエロはいらないですよw
裸が好きな人は、そういうスレに行けばいい。

211:名無しさん@ピンキー
13/02/04 14:11:14.30 Co57remv
負けて逃げようとするヒロインの様はなんかエロいな

212:名無しさん@ピンキー
13/02/11 20:48:43.76 Po89baNx
まあ強化スーツというフェチにその上破壊というシチュに興奮するというよりすぐりの変態達だからな
露骨なエロなんぞ取り立てて必要ないな

必要なのはスーツ描写

213:名無しさん@ピンキー
13/02/14 20:01:43.47 mRHNg4s3
光線とかの照射を受けて、スーツの耐熱限界を越えてしだいに
照射されてる部分が灼熱化するとかいう描写が好き
エヴァQの冒頭とかそういうシーンがあって結構良かった

アスカは赤色の鮮やかなプラグスーツが凄く映えるし、旧劇エヴァで量産機に捕食された時の
ビクンビクンしてる姿といい、このスレを代表できるキャラだと思う

214:172
13/02/14 22:00:19.18 fMe+LO8c
でもQ冒頭のアスカは光線が当たった位置のプラグスーツが光ってる演出があっただけだし
プラグスーツが光線の熱で溶けるとかしたわけじゃないからね
あとプラグスーツは単なるピッチリスーツだし強化スーツといっていいのかわからないから
このスレには微妙じゃないか?

215:名無しさん@ピンキー
13/02/14 23:16:50.15 /b6YbtWE
>>213
あてはまるかわからんけど、グランセイザーだったかが
身体が灼熱化する敵に捕まれて、スーツごと真っ赤になる
シーンがあったが、あれはよかったと思う。

スーツがどろどろに溶けてしまうのはあまり好みじゃないけど、
灼熱化した後に常温に戻った際に煤にまみれて真っ黒になっているのは
いいかも。

216:名無しさん@ピンキー
13/02/14 23:29:33.58 DgK6S4AF
つうか、強化スーツがそれだけ灼熱化すると、
着てる側もただじゃ済まないような気がするんだがw

217:名無しさん@ピンキー
13/02/14 23:39:11.96 mRHNg4s3
>>216
ただですまないのが良いんだよ
まあ生身の方は装甲の下のインナーがなんとか守って軽い火傷みたいな
灼かれた部分をかきむしりながら転げ回って悶えるヒロインとか最高やん?

218:名無しさん@ピンキー
13/02/15 10:10:36.71 I039b472
眩く輝くくらいに灼熱化してもスーツはこれと行って機能異常起こしてないのに、
中身が完全に黒こげ炭化灰化してて死んでるとかなww

219:名無しさん@ピンキー
13/02/16 01:14:59.20 1mVENfhs
>>216
インナーに守られるだろ

アーマーが熱でぼろぼろにされて(灼熱化や爆破等)、
インナーがむき出しにされてしまうのもいいな
ごついヨロイがボロボロと剥がれて、ぴったりとしたインナータイツに
包まれた身体が露わになるとか

220:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:17:19.02 eo1SB1xm
由衣は河原にいた。少し前にいたはずの場所にいた。
足元には堆積した砂利が積もっており、すぐ脇には川が流れている。

「あれ?ここ、どこ…?」
由衣はその時、背後に気配を感じて振り返る。
そこには、ハチ怪人がいた。あの時、レッドトルネードである自分をさんざんいたぶったあのハチ怪人が、鋭いドリル状になった針を差し向けていた。
由衣の脳裏に、あの時の出来事が鮮明に思い浮かぶ。

「あ…ああ…」
由衣は思わず後ずさりする。だが、ハチ怪人の太い針が、すぐに自分の腹部へと突き刺さる。

「いっ、いやああ、やめ、やめえええっ!」
針が赤と白のインナースーツを突き破り、肌に穴を開けていくのを見て、由衣は声にならない悲鳴を上げた。
不思議な事に、痛みは感じない。ただ、鮮血が噴き出しているだけだった。
ハチ怪人はさらに力を入れ、より深く由衣の体内深くに針を突き刺していく。
そして、針は内臓にまで達し、腹部に大きな穴が空く。

「嫌あああぁぁーっっ!」
自分の腹から決して飛び出てはいけない、何か暖かいものが出てきたのを感じ、由衣は断末魔の悲鳴を上げた。

その瞬間、目が覚めた。

「あっ!…はぁ…はぁ…」
金縛りから解放されたかのように、由衣はベッドから飛び起きた。一糸まとわぬ彼女の肌は汗でべっとりと濡れていた。
そこは河原などではなく、いつもの自分の部屋だった。
針が突き刺さっていたはずの腹を慌てて確認する。いつもの白い肌があり、傷一つ付いていない。

「良かった…」
由衣は夢で良かったと胸をなで下ろした。しかし、この夢は悪夢。かつて、ハチ怪人によって死を覚悟するまでに追い込まれた敗北がもたらした、心の傷による悪夢。
身体の傷は癒えても、心の傷はそう簡単に消えるものではない。
忘れようと思っても、不意にその傷は、その悪夢は襲いかかってくる。

「ううっ…」
由衣は目に涙をうっすらと浮かべながら、再びベッドへと潜り込む。寝付けないかも知れないが、こうして布団にくるまっていれば、少しは傷が癒されるかも知れないから。

221:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:17:51.63 eo1SB1xm
「由衣、おはよう」
「父さん、おはよう」
結局寝付けなかった由衣は、午前6時半に起床し、下の階に降りてきていた。丁度、篤彦も起きてきていた。

「今日はやけに早いな、由衣」
「暑いし、目が覚めちゃった」
「今日はどこかに行くのか?」
「うん。今日は水着撮影会だから、早めに出る」
「ご飯はどうするんだ?」
「自分で作っていく」
父と娘の他愛ない会話が繰り広げられる。鷹野家にとっての、由衣にとってのいつもの朝。
なにげない日常の生活を今日も送れる事に感謝の念を抱きつつ、由衣は冷蔵庫の扉を開け、朝食の準備に取り掛かった。

「ん?何これ」
由衣が家を出た後、真由美は居間の隅に落ちていた一冊の雑誌を見つけた。
拾い上げると、「GROW UP~近畿学院大学論文雑誌~」と書いてある。由衣が通っている大学からもらってきたものだろう。

「ロクに読みもしないのに…」
真由美はそれを拾い上げ、地下の研究室へと降りて行った。

「三影行雄、近畿学院大学、生物学准教授、か…」
雑誌の項目の一つに、「変異細胞(仮)がもたらす可能性に関して」というものがあった。
研究室の椅子に座りながら、真由美はその記事に目を通す。

「母さん、行ってきます」
「由衣、ちょっとこっちに来て」
挨拶をしに来た由衣に、真由美が手招きをする。

「落ちてたわよ、これ」
真由美は由衣に論文雑誌を見せつけた。

「あっ、落ちてたの?ごめんごめん」
「ごめんじゃないわよ、こういう物はちゃんと整理しておきなさい」
「気をつけるわ」
「由衣、三影行雄っていう先生が大学にいるみたいだけど、知ってる?」
「三影先生?名前だけなら聞いた事があるけど、講義は受けた事無いわ」
「学術雑誌って大学にあるでしょ?もらってきて。出来れば三影教授の論文がある号を全部」
「母さん、そんなのもらってどうするの?」
「そんなの、って言う言い方はないでしょ。それに、どうしても三影教授について気になる事があるから。時間がある時でいいから、もらってきてね」
「はーい」

(確かに、レッドトルネードとして戦わせている事は申し訳なく思う、でも…)
真由美の心配を余所に、由衣は撮影会へ出かけて行った。
いくら真紅の装甲を纏った戦士として戦っているとはいえ、あくまでもそれはそれ、これはこれ、である。

222:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:18:35.38 eo1SB1xm
真夏の突き刺すような日差しの中、由衣は撮影会場のプールセンターに辿り着いた。
更衣室に入ると、栞を含め、他のモデルも既に水着に着替え終わっており、雑談に花を咲かせていた所だった。

「鷹野さん、おはようございます」
「由衣ちゃん、おはよう」
「みなさん、遅くなってすいません…」
由衣は更衣室にかけてある時計をチラっと見る。まだ時間に余裕はあるはずなのだが、
到着したのは自分が明らかに最後だ。出遅れたか、と思うと心の中に焦りが生まれる。

「別にそんなに待ってないから、ゆっくり着替えていいよ」
栞が焦りを見せる由衣に気を遣ってフォローを入れた。栞のそんなちょっとした気遣いが、由衣にとっては嬉しかった。

「お待たせ!さぁ、皆さん、行きましょう!」
(由衣ちゃん、やっぱりスタイルいいなぁ…)
由衣も栞も、お互いの水着姿を見るのは初めてだった。
上下お揃いで、腰飾り付きの真紅のビキニに身を包んだ由衣のスタイルの良さを見た栞は、自分の身体を見返した。

(やっぱり、まだちょっと子供っぽいなぁ…)
栞は水色のワンピース水着に身を包んでいた。由衣と比べるともちろん、他のモデルと比べても自分の身体つきがまだ子供に見える。
それを見た由衣が、気にしない気にしない、栞は栞よ、とばかりに目線を送った。
栞もそれに大して笑顔でうん、と力強く頷いた。

強烈な日差しがプールの水面に反射し、キラキラと輝く中、撮影は順調に進んでいった。昼休みになり、モデル達が仕出し弁当を食べていると、栞が由衣に話しかけてきた。

「由衣ちゃん、今度比良方に行かない?」
「比良方?あそこって遊園地以外何かあったっけ?」
「プールよ、プール!ドブーンって知らないの?あそこのウォータースライダー、一度行って見たいんだ」
「へぇー、そんな所ってあるんだ」
「時間あったら今度一緒に行こうよ!」
「うん、じゃあその時は案内してね」
栞と知り合ってから、由衣は一人でも外出する事が増えた。高校時代は内向的な部分があった自分を、栞は少しづつではあるが変えてくれている。そんな栞に、由衣はあらためて感謝した。

223:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:19:11.86 eo1SB1xm
地下の研究室には、巨大なカプセルが縦置きに並べられていた。そのうちの3つには、全裸の佑、ムカデ、そして小学校高学年ほどに見える全裸の少女が入っている。
少女のカプセルには、「桐生美保」というパネルが貼られていた。
白衣の男ー三影ーは、そのカプセルの中の培養液を抜き取っていく。
培養液が抜け切った頃、中にいた少女ー美保ーが目を覚ました。

「起きたか、桐生」
「んー?今何時なの?」
「朝の8時過ぎだ」
「8時、かぁ…」
美保はカプセルの扉を開け、目を指で擦った。全裸である事は全く気にしていない。
三影はそんな美保にバスタオルを投げてよこす。頭からふわりと被さったバスタオルで、美保は濡れた髪の毛を拭く。
周囲を見渡した美保は、以前と比べて空のカプセルが多い事に気付いた。

「ねぇ、なんでこんなに空っぽのが多いの?」
「その理由を今から教えてやる。コイツらのせいだ」
三影は、モニターにレッドトルネード、ブルーサイクロンの姿を見せる。
6人もの同胞が犠牲になっているのに、未だにこの2人を倒す事が出来ない。
残りの怪人も少なくなってきた中、美保は三影にとって切り札のうちの一枚である。

「この人たちをやっつけたらいいんだね」
「そうだ。お前はなるべく人の多い所で暴れろ。そうすればアイツらは必ずやってくる」
「人の多い所?じゃあ、やるだけやってみるね!」
美保は同年代の少女に相応しい、無邪気な笑顔を浮かべた。

224:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:20:01.91 eo1SB1xm
小学校の屋内プールに、紺色のスクール水着を着て、水色のスイミングキャップを被った美保がいた。
夏休み中、このプールは近隣住民向けに有料とは言え解放されている。
客は親子連れが大半で、25メートル8レーンの、そこそこの大きさがあるプールの中で、水をかけあって遊ぶ子供や、同伴の母親らの賑やかな声が響き渡っている。
窓の外から差し込む日光が、プールの水面に反射してキラキラと輝いていた。
美保は、プールサイドに座り込み、何をするでもなくその光景を見つめていた。

(自分のお母さんなんか、もういないんだ)
美保も佑と同じく、両親に売り渡され、三影の世話になっている。
親にどれほどの金が入ったか、親がどういう生活をしているのか、もはやそんな事に興味は無かった。
ただ一つ、確実に言えるのは、自分はレッドトルネードを倒すために、変異細胞を植え付けられた怪人に過ぎない事。
そのためだけに今日まで生かされ、この場所に来ているのである。
売り渡されたその日から、人並みの幸せを享受する事は許されなくなった。
普通の子供として生きる事は出来なくなった。自分をこんなにした世の中なんか、無くなっちゃえばいいんだ。
あいつらの幸せを奪い、自分と同じレベルの立場にまで貶めてやる。
美保の心に、何かのスイッチが入った。

「きゃああーっ、な、何よあれ!」
ある妙齢の女性の目の前で、美保の姿が、小学校高学年の人間の少女の姿から、異形のものへと変わっていく。
鋭い牙に何本もの脚を見た人々が、一斉にプールから上がり、逃げだす。
美保は本来の姿であるクモ怪人に姿を変えた。そして、プールから逃げ遅れた一人の女性に脚を突きたてる。
脚の先端は鋭く尖っており、女性の背中を突き刺す。鮮やかな紅がプールに広がっていく。

「ママー!」
刺された女性の側にいた女児が悲鳴を上げる。
女性は自分の娘と思われる女児を庇うように、クモ怪人に背中を向けていた。
その背中に、何度も何度も、執拗にクモ怪人の爪が突き刺さる。

「ああっ、ぎゃあっ!」
母親の叫び声は最初は大きかったが、何度も刺され、プールに流れ出る血の量が増えていくにつれて徐々に小さくなっていった。
やがて、母親の身体がゆっくりと水面へと倒れていった。

「ママー、ママー、ママー!」
おそらくは既に力尽きたであろう母親の身体を、女児は必死にゆすっている。
目の前にいるクモ怪人から逃げる、という所まで頭は回らないのだろう。
その女児を次なる標的とすべく、クモ怪人が牙を剥いた。

225:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:21:01.85 eo1SB1xm
「今更なんだけどさぁ、1回戦ったら10万円入るみたいね。最初見た時マジで!?って思った」
「でも、死ぬかも知れない命がけの戦いで10万って微妙に安くない?」
「10万円ってさぁ、バイト何回分のお金だと思ってるの?」
栞は由衣の家に上がり込んでいた。怪人と戦う事による「危険手当」は由衣同様、栞にも振り込まれていた。そのお金で次はどのブランド品に手を出してみようか、そう栞が考えていると、由衣の端末に通信が入った。

『由衣、栞、出番よ。敵が出たわ。降りてらっしゃい』
「分かった。今行く」
真由美からの通信である。由衣はすぐに立ち上がり、栞も後に続く。
真由美はもう栞の事を「森川さん」とは呼ばない。今の栞はお客さんではなく、由衣と共に平和のために戦う戦士なのである。

「栞ちゃん、付いてきて。戦いよ!」
「う、うん!」
二人は普段は普通の女子大生だが、怪人が出たとなればいつでも駆けつけなければならない。戦士へのスイッチの切り替えは迅速に、いつでも出来るようにせざるを得ない。

「阿波路区西小学校の屋内プールにて、巨大蜘蛛が発生、子供を含む死傷者が出ている模様…!」
2人が1階に降りる途中、街の防災無線が事件を何度もアナウンスしていた。
鷹野家の外でも、消防車、パトカーのサイレンがけたたましく鳴り響き続けている。余程の大事件が起こったのだろう。

「二人とも来たわね。場所は阿波路区西小学校の屋内プールよ。行った事は無いかも知れないけど、ジェッターには登録してあるから」
「小学校のプール!?…それじゃあ、子供たちが!」
真由美が映し出したモニターには怪人のシルエットがあった。それを見た由衣も栞も危機感を抱く。
小学校で起こった事件とあっては、急がないと多くの子供たちの命が危ない。

「怪人はクモ型、母体以外に小さいのもいるみたいだし、気をつけてね」
「母さん、今は栞もいるし大丈夫だと思うわ」
「そうとくれば、由衣、栞、出動よ!」
「分かった!」
真由美に言われ、由衣と栞は顔を見合わせる。そして、戦士に変わるべく、お互いに頷く。

226:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:22:46.08 eo1SB1xm
「着装!」
二人は懐の端末を手に取り、力強く前に突き出す。
白い防御フィールドが同時に展開され、二人はその中に包み込まれた。
着ている衣服が光の粒子となって身体が離れていき、由衣と栞は、お互いに一糸まとわぬ全裸を晒す事になった。
しかしそれも一瞬で、すぐに二人の身体にはインナースーツが装着されていく。
由衣には赤と白、栞には青と白の鮮やかなツートンカラーのインナースーツが装着され、ぴったりとした身体のラインを晒す事になった。

(由衣ちゃんって、こんな感じで変身するんだ…)
栞は、由衣がレッドトルネードに変わっていく過程を初めて近くで見た。
感慨に耽る間も無く、二人の身体にはメタリックカラーの装甲が次々と装着されていく。
脚に、腰に、腕に、肩に、背中に、胸に。眩い光の中で、二人の身体の首筋から下は全て装甲に包まれていった。
由衣と栞はあらためてお互いを見つめ合う。後は、今の状態にヘルメットが装着されれば素顔が隠され、変身が完了するのである。

(栞ちゃんが…ブルーサイクロンになっていく…)
普通の女子大生から、強化スーツを纏った美しき女戦士、レッドトルネードとブルーサイクロンへ。
その仕上げを受け入れるべく、由衣も栞もそっと目を閉じる。
空間からパーツが現れ、二人の頭部でヘルメット状に結合する。
後頭部のロックが空気圧でロックされ、口元と鼻を覆うマスクが装着される。
二人はお互いに最後に露出した目元を見つめあう。これから戦士となって戦うんだ、という意思を確認し終えたかのように、
目元に半透明の黒いバイザーが降り、二人の姿が完全に覆い隠された。
そして、防御フィールドが弾け飛び、レッドトルネードとブルーサイクロンがその姿を現した。

「トルネード、サイクロン、ジェッターが上にあるわ。乗っていきなさい」
「ジェッターって、レッドトルネードが乗ってるあのバイクの事?」
「そうよ。ブルーサイクロン用に2台目もあるわ」
「わたし、バイクの免許なんか持ってないよ」
「ブルージェッターは自動操縦で勝手に着くようになってるわ。ハンドルを握ってるだけでいいから。時間が無いから早く行きなさい」
「サイクロン、行こうよ!」
「は、はいっ!」
ブルーサイクロンは、レッドトルネードに言われるままにリフトに乗る。リフトがせり上がった先には、赤と青のバイクがあった。

「サイクロン、あなたのバイクは青の方だから」
「これ?」
サイクロンが戸惑いながらもブルージェッターに乗ると、自動的にエンジンがかかる。

「レッドトルネード、出撃!サイクロン、付いてきて!」
トルネードがレッドジェッターのエンジンを吹かし、基地を飛び出していくと、それにつられるかのようにブルージェッターも基地を飛び出していった。

「な、何、何なの、これ!?」
バイクに乗った事が無いブルーサイクロンは、ジェッターの挙動に振り回されていた。
対するレッドトルネードは、ジェッターのコンピューター制御にも助けられているが、普段からバイクを乗りこなしているだけあって、レッドジェッターを軽々と乗りこなしていた。

「サイクロン、ハンドルを握ってるだけでいいのよ!」
「りょ、了解!」
赤と青、二台のバイクはトルネード、サイクロンを乗せ、事件現場である小学校へと急行していった。

227:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:23:35.28 eo1SB1xm
小学校のグラウンドでは、1匹の巨大なクモを相手に10数人の警官隊が応戦していた。
周囲は封鎖され、一般住民の立ち入りは固く禁じられていた。

「撃てー!撃ちまくれー!」
警察の特殊部隊は手持ちのサブマシンガンを撃ちまくる。だが、クモは何十発銃弾を受けてもダメージを受けている様子は無い。
弾巻が途切れた一瞬の隙を見計らったかのように、クモが脚を振り回し、最前列にいた数人の警官をまとめて吹き飛ばす。

「な、何だコイツ!」
クモは口から毒液を吐きだした。警官の一人が慌ててジュラルミン製の楯で防ぐが、その盾は10秒としないうちにドロドロに溶けてしまった。

「駄目だー!援護してくれ!」
応戦している警官のうち、また一人がクモが振り回した脚に吹き飛ばされる。
クモはどんな重火器による攻撃を受けても一瞬ひるむだけで、またすぐに暴れ出す。
特殊部隊の手持ちの火器では明らかに火力不足で、このままでは押し込まれてしまうのは明らかだった。

「このままでは、全員…」
弾数が尽きるのが先か、クモに殺されるのが先か。部隊長の顔にも焦りが浮かび始めていた。

「待たせたわね!」
その時、背後から聞こえた若い女の声と共に、上空から破壊光線が発射され、クモの巨大な身体が吹き飛ばされた。
マルチマグナムを上空から撃ち放った、全身を真紅の装甲で覆った戦士・レッドトルネードが、特殊部隊の前に降り立った。
ややあって、全身を蒼の装甲で覆った戦士・ブルーサイクロンも姿を現した。

「まさか、あのレッドトルネードか?」
「え?ああ、間違いない、そうだ!」
「でも、もう1人は誰なんだ?」
特殊部隊は降り立った2人の戦士の姿に驚いている。

「逃げ遅れた子供がまだプールに一人いるんだ!助けてやってくれ!」
部隊長が喉の奥から絞り出すようにしてレッドトルネードに叫ぶ。

「分かりました!ここは私達に任せて、早く逃げて下さい!」
「す、済まない!全員、直ちに撤退、撤退ー!」
部隊長はまだ動ける部下に指示をする。

「これ以上好きにはさせないんだから!」
ブルーサイクロンのゴーグルがクモの姿を捉える。機先を制してマルチマグナムを撃つが、脚に当たった破壊光線は簡単に弾かれる。何の効果も無い。
遠ざかっていく特殊部隊の足音を背後で聞き届けたレッドトルネードも破壊光線を放つが、腹部に当たった光線はダメージを与えてはいない。
直後、レッドトルネードのゴーグルに危機を知らせるサイトが点滅する。クモ怪人が毒液を吐きだそうとしているのだ。
ゴーグルが知らせてくれたおかげで、トルネードは余裕を持って攻撃を回避した。
サイクロンのスーツに内蔵されているコンピュータがクモの構造の解析を完了し終わり、ゴーグルにクモの弱点が表示される。

「頭よ!頭を狙って!」
「分かった!」
サイクロンの指示に従い、トルネードが再度マルチマグナムを頭部に撃つ。クモが大きくのけぞった。弱点に当たったらしく、効いているようだ。

「トルネード、サイクロン、どっちか一人が子供を助けに行きなさい!」
真由美から子供を助けにいくよう指示が出る。

「トルネード、ここはわたしに任せて、先に行って!コイツはわたしが片づける!」
「頼んだわよ、サイクロン!」
クモの相手を相棒に任せると、トルネードは100メートルを3秒未満で走り抜ける脚力で、走るというよりは飛ぶような感じでプールへと向かっていった。

228:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:24:14.32 eo1SB1xm
トルネードは現場である屋内プールに到着した。その現場の惨状を見て、トルネードは思わず目を背けた。
プールの底に大人の死体が沈んでいる。その近辺には手足がバラバラになった、子供と思われる死体があった。
怪人の仕業に違いない。そして、その怪人はすぐそこにいる。レッドトルネードは気持ちを引き締めた。

「怪人反応が無いんだけど、母さん、どういう事なの?」
『そんなはずは無いわ。先ほどまでこのプールで怪人が暴れていたんだから』
真由美に言われ、トルネードはあらためて神経を研ぎ澄ます。やはり反応は無い。
だが、近くに隠れているかもしれないので、一瞬たりとも気は抜けない。
プール内の照明は全て落ちてしまっている。プールの窓から差し込む光が、トルネードのメタリックレッドの装甲を煌めかせている。
しんと静まりかえったプール内で、トルネードの足音だけが響いていた。
トルネードのゴーグルが、生命反応がある物体を捉えた。さらに調べて見ると、怯えきった表情をし、べそをかいている少女がプールサイドの隅にいた。
それを見て、トルネードは少女の元に駆け寄った。

「泣かないで。もう大丈夫よ」
「お姉ちゃん、誰?」
「レッドトルネードよ。あなたを助けにきたの」
小刻みに震えている少女に対し、トルネードはしゃがみ込み、優しく語りかける。

「…お姉ちゃん、おんぶしてくれない?」
「おんぶ?いいわよ」
トルネードは少女を背中に背負い、プールの出口に歩き出す。

「怖いよぉ、怖いよぉ…」
「早くここから逃げましょう。しっかり掴まっててね」
少女は未だにトルネードの背中で泣きじゃくっていた。

まずはこの子を安全な場所にまで移動させ、それから怪人を倒しに行こう。
そう思いながら歩いていくトルネードだったが、そのうちにある疑念を感じ取っていた。
逃げ遅れた子が一人いると聞いたが、それがこの子なのだろうか。
みんなが逃げ去ったような場所で、殺された人もいるような場所で、
なぜこの子だけ完全に無傷で、しかも一人でいるのだろうか。あまりにも不自然だ。もしかして、この子は…

229:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:25:05.20 eo1SB1xm
「トルネード、気をつけて!怪人が近くにいるわ!」
「あぁ、あううっ!」
真由美から通信が入った後、一瞬の事だった。トルネードが考えをまとめる間も無く、背中の装甲に蜘蛛の鋭い爪が突き刺さる。
トルネードが背負っていた少女の姿は、たちまち異形の者へと変わっていった。
完全に相手の不意を突いた形となり、背中にへばりついている状態のクモ怪人が容赦なくトルネードへ襲いかかる。
強化スーツの装甲は堅牢で、クモ怪人の爪をもってしても貫通するのはたやすい事ではない。
しかし、へばり続けられていては明らかに不利な戦いとなる。

「はっ、離れて!」
トルネードは背中に張り付いたクモ怪人を引き剥がそうとする。しかし、クモ怪人の力は想像以上に強い。
鋭い爪が生えた手足で、後ろからトルネードを羽交い絞めにする。

「くううっ、ああっ!」
トルネードは壁の柱に背中側から何度もぶつかる。こうする事で痛みに耐えかねたクモ怪人が離れてくれると思ったのだ。しかし、クモ怪人は離れてくれない。
逆に、クモ怪人の方がトルネードをコンクリートの壁に向かって投げ捨てた。いや、投げ捨てたというよりは叩きつけた、というべきか。
分厚いコンクリートの壁が砕け、瓦礫となって崩れ落ちた。
凄まじい衝撃がスーツを襲う。ヘルメットが耐えきれず、バイザーが割れたような気もしたが、
トルネードのヘルメットやバイザーには、ヒビ割れどころか傷すら付いていなかった。

(良かった。まだ…)
トルネードはスーツが無事である事に安堵する。しかし、叩きつけられた衝撃までは完全に遮断出来ない。

「お姉ちゃん、遊んでよ、ねぇ」
クモ怪人が今度は口から糸を吐き出し、トルネードに絡みつかせる。

「しまった!」
クモ怪人の吐き出す糸は超合金よりも強度が高い。トルネードの強化スーツの力をもってしてもそう簡単に引きちぎれそうもない。
さらに、クモ怪人のハイキックが身動きの取れないトルネードの胸に決まる。
避けようが無かったトルネードはプールに転落し、大きな水飛沫を上げた。

「ねぇ、なんで人を殺しちゃいけないの?ねぇ、どうして?」
「あなたがやったのね!あなたがやったのね!」
物言いから、トルネードはプール内の出来事の仕業が目の前にいるクモ怪人の仕業だと確信した。

「そんなの決まってるじゃない!痛いからよ!苦しいからよ!自分がやられてみないと分からないの!?」
「ふーん、そうなんだ…」
「だったら、私が今から教えてあげる!」
トルネードの強化スーツは本来、災害救助用として設計され、あらゆる環境に適応できるようになっている。
よって、水の抵抗があるはずのプール内でも、トルネードは陸上と同じように活動出来る。

「あれ?レッドトルネード、もう終わりなの?」
しかし、クモ怪人に絡みつかされた糸は未だにほどけない。糸にも毒性があるのか、装甲が煙を出し、少しづつ溶け出し始めていた。

230:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:26:05.38 eo1SB1xm
「サイクロン・バースト!」
ブルーサイクロンが、2丁のマルチマグナムを連結させたダブルマグナムから、太い破壊光線を放つ。
光線はクモの頭部を直撃し、深く貫いた。クモの頭部に大きな穴が空き、直後その身体を四散させた。
汚い液体が周囲に飛び散り、八本の脚は大きく吹き飛び、地面のあちこちに突き刺さった。

「…サイクロン、至急プールに来て!早く!」
サイクロンが勝利の余韻を味わうまでもなく、トルネードからの通信が入った。
派手な水音と、泡の音と、ノイズが入り混じった声だった。トルネードはプール内で苦戦しているのだろう。

「分かった!今すぐ行く!」
サイクロンは遠くに見える建物に向かって駆ける。強烈な怪人反応がするので、あの建物の中がプールに違いない。
最短距離で、一直線に走ると、ガラス越しに、クモ怪人とトルネードが戦っている様子が見えた。
出入り口は近くにはない。かといって出入り口を探しているような余裕はない。
サイクロンは、どうせガラスなんか放っておいても怪人に壊されるんだ、と自分に言い聞かせ、肩口からガラスに体当たりをした。
物凄い音と共に、ガラスの1枚が粉々に砕け、ブルーサイクロンが姿を現した。

「サイクロン!」
ガラスが割れた音に反応して、トルネードはサイクロンの姿を見つけた。
サイクロンが放った破壊光線が、トルネードを縛り付けていた糸を撃ち抜いた。
強度が弱まった糸をトルネードは力任せにふりほどき、ようやく自由に動けるようになる。

「ここまでどうやって…まさか、あの子を倒して、ここまで!?」
「あの子?ああ、アンタの手下ね。とっくにやっつけたわよ!」
クモ怪人はサイクロンを前にして、まさか、という表情をしていた。

「わたしたちは一人でも強い!でも、二人揃えばもっと強い!行くよ、トルネード!」
「分かった!」
サイクロンが啖呵を切り、トルネードがそれに応える。サイコブレードを取り出し、素早くクモ怪人の脚に切りつける。
マルチマグナムの破壊光線を受け付けなかった脚が、サイコブレードの一撃で斬り飛ばされた。

「う、うっそ!?」
クモ怪人が動揺した声を出す。その隙を見逃すトルネードではない。返す刃で脚をさらに2本斬り落とす。

「サイクロンの力、教えてあげる!」
サイクロンの破壊光線が弱点である頭部に命中し、大きなダメージを与える。

「今日はもう帰るね。バイバイ」
トルネードがサイコブレードで、必殺技であるトルネード・スマッシュを放とうしているのが見えた。
それを喰らえばほぼ間違いなく死に至る。不利を悟ったクモ怪人はその場から姿を消した。

231:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:26:42.93 eo1SB1xm
「逃げられた…」
トルネードとサイクロンはプールから上がり、悔しさを噛みしめながら真由美に通信を入れる。

「二人ともお疲れ様。戻ってらっしゃい」
「申し訳ないです、逃がしてしまいました」
「…サイクロン、反省は後でしましょう。署の人間がもうすぐ現場検証に来ると思うから、早く帰ってらっしゃい」
反省したい気持ちはトルネードも同じだった。二人は立ち去ったが、後には、大きく壊れたコンクリートの壁、プールの中にある2つの死体、大きく割れた窓ガラスが残され、この場で起こった事の凄まじさを物語っていた。

プールの外に出た二人は、人目につかない物影で、ヘルメットの左についているボタンを押した。
後頭部から勢いよく蒸気が噴き出し、二人はロックが外れたヘルメットを脱いだ。
汗だくになった二人の素顔が現れたが、お互い、先日のクラゲ怪人を倒した時のような笑顔はみじんも無かった。
由衣は、プール内で起こった事を少しづつ栞に話していった。

「ねぇ栞…私って正義の味方に向いてないのかな?」
由衣は絞り出すようにして言葉を出した。騙された。よく考えもせずに、全く無警戒で近づいた自分がバカだった。
いい年してるのに、正義の味方なのに、なんであんな事ぐらい見抜けなかったんだろう。
「…由衣ちゃん、やった事は間違ってなんか無い。ただ、バカな奴に出会っちゃっただけ」
ややあって、栞が返事をした。敵を逃したという事以上に、由衣の優しさ、善意が無残に裏切られたという事実が、お互いの心に深い影を落としていた。

「ここにずっといてもしょうがないから、今は帰ろう。そしてゆっくり話そうよ」
栞が務めて由衣に笑顔を見せる。それを見た由衣は、無理しながらも笑みを浮かべようとしていた。

232:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/02/17 00:28:38.72 eo1SB1xm
今回は以上です。バトル物の脚本を書く人って本当に凄いんだなあ、って思いました。
一番のキモだと個人的に思っているスーツの装着シーンですが、皆さん興奮して頂けていますでしょうか?

233:名無しさん@ピンキー
13/02/19 00:39:27.49 kIzAf3vc
>>232
GJ!
微妙に蜂女の時の敗北のトラウマを抱えてる由衣が良いね
破壊描写は薄味風味だったけど、毎回色んなパターンを揃えてきてるんだな

234:名無しさん@ピンキー
13/02/21 21:45:16.17 Jc090caD
GJ!!
変身シーンが具体的でいいですね^^
これだけ細かく変身シーンを描写している作家はなかなかいないですよね
欲を言えば、インナータイツがツートンでなく一色のほうが好みですが…
(鮮やかな装甲とは反対に、黒がシルバーか白の一色が好みです)

今回は通常回という感じですが、また激しいクライマックスを期待します。

235:名無しさん@ピンキー
13/02/24 19:34:59.12 0csvy6UL
ダブル変身良いね

236:名無しさん@ピンキー
13/02/27 18:35:06.16 L6cboyLG
粘液爆弾とか良いよね
トリモチみたいなのを胸に直撃を受けて、壁に貼り付けられる強化スーツヒロイン
そしてジジッって粘液が着火音を立てるのに気付くが、身動きが出来ないまま零距離で爆発
張り付かれていた部分の装甲は吹き飛び、棒立ちになっていたヒロインが一拍遅れてガクッって両膝ついて倒れるみたいなシチュ

237:名無しさん@ピンキー
13/03/05 09:32:22.09 fxC7Cuii
敵に高性能バトルスーツを解析されて開発された、同系統だが自分の物よりハイスペックなバトルスーツに
全ての面での能力を圧倒されて正義の象徴であり自信の拠り所だったスーツを剥ぎ取られるヒロイン

238:名無しさん@ピンキー
13/03/05 20:17:47.76 v80fCa1A
>>237
いいね!

239:名無しさん@ピンキー
13/03/07 18:45:54.84 b9oP8lgs
ナボレオン文庫のエンジェルセイバーが、そんな話だったな。
敵により強力なスーツを作られて、装備を少しずつ潰されていき
敗北陵辱。 

240:名無しさん@ピンキー
13/03/07 21:58:10.80 PCk8KVJ/
>>239
エンジェルセイバーの翼もぎ取りは名シーンだった

241:名無しさん@ピンキー
13/03/08 19:11:06.50 42Gv2OuE
ナボレオン文庫のエンジェルセイバーが、そんな話だったな。
敵により強力なスーツを作られて、装備を少しずつ潰されていき
敗北陵辱。 

242:名無しさん@ピンキー
13/03/09 22:02:53.85 KHaBWXCC
スーツが良くても、中が甘ちゃんの女じゃあなぁ!
スーツを残して逝っちまいなぁ!糞女がぁ!

243:名無しさん@ピンキー
13/03/13 11:56:48.63 ezMX3Ca7
スーツの中に入り込んじまえばこっちのもんだぜー!ひゃっはー!

244:名無しさん@ピンキー
13/03/13 21:22:27.50 yqiN4K1y
敵『これを喰らえ』
ヒロイン『ウソ、装甲が貫らぬかれるなんて』
敵『貴様のスーツの中に、これを注ぎ込んでやるよ』
ヒロイン(な、なに、酸?それとも毒ガス・・・え!ヌルヌルした物が
胸に吸い付いてくる・・いやぁ・・股間にも)
ヒロイン『いや・・・はぁん・・・だめ・・』
敵『どうだこいつの味は。次はそのスーツを切り開いて
貴様の素顔とヌードを拝ませてもらおう』
ヒロイン『あああ・・・やめ・・て・・・はあん』

245:名無しさん@ピンキー
13/03/14 03:38:14.36 Vl851Nhv
そういえば昔、レリックアーマーレガシアムというアニメで、ヒロインがロボットアーマーの中に入って戦うんだが、
除装の仕方が分からなくてオーバーヒートを起こしているのに中から出られずに高熱に苛まれて、
ようやく開放して貰った時にグッタリしている姿は異様にエロかった

246:名無しさん@ピンキー
13/03/14 22:21:43.72 9c0vqOav
つまり、粘着爆弾や熱線で装甲を破壊され満身創痍になっていく強化スーツ
遂にダメージが限界に達しオーバーヒートして機能停止する強化スーツ
只の拘束衣と化し、除装機能もぶっ壊れた強化スーツを強引に引っぱがしていくと
汗の臭いと共に、インナースーツを汗でグッショリ濡らしたヒロインが
半分気絶した状態で現れるという展開を期待していると。

247:名無しさん@ピンキー
13/03/15 12:25:17.29 S2903EfK
不思議だ…何故俺の頭の中が分かったんだ…

248:名無しさん@ピンキー
13/03/16 01:40:40.60 /K2rt+9i
>>245
ゴテゴテのロボットアーマーの中身が
美少女というのがいい。         

249:名無しさん@ピンキー
13/03/25 07:39:52.94 J4GJgWOc
Gガンダムのメカニックのレインが整備中に敵に襲われて、急遽代理で出撃するシーンで、
格闘家仕様のパイロットスーツを着用しようとして負荷のキツさに悲鳴あげて跪くとことかエロかった

250:名無しさん@ピンキー
13/04/07 13:29:23.64 RLdtsjsW
はす

251:名無しさん@ピンキー
13/04/07 23:26:17.66 wVzP9Rxw
強化スーツじゃないけど、エヴァンゲリオンの綾波がどこかの軍隊に誘拐されて、
プラグスーツをアーミーナイフでびりびり切り裂かれて裸にされるのを妄想してオカズにしてます

252:名無しさん@ピンキー
13/04/07 23:45:46.72 eIQCdZzT
聖衣もここでいいのかな

253:名無しさん@ピンキー
13/04/08 02:35:58.77 Ad7xHJN+
シャイナさんや魔鈴さんのシルバー聖衣が破壊

254:名無しさん@ピンキー
13/04/08 02:43:01.42 qiSZKkx6
ユナちゃんの聖衣は股関と胸部のピンポイント破壊

255:名無しさん@ピンキー
13/04/08 08:57:01.76 xHtiX3QJ
ジュネちゃんの聖衣は破壊されると、素っ裸にならないか?

256:172
13/04/08 20:40:09.90 7csuVvwN
聖衣はまちがいなく強化スーツと言えるだろうから、スレ的にはアリだろうな
むかしシルバー聖衣の魔鈴さんで抜いた事あったわ俺w
魔鈴さんのシルバー聖衣って、パンティーみたいになってるでしょ?
俺がカシオスみたいな身長2メートル超の屈強なセイントくずれで、
魔鈴さんの両脚を開いて、パンティーの形のシルバー聖衣の上から
固くなったチンポをフルパワーで押し付ける
パンティー形のシルバー聖衣にびきびき亀裂が入っていって、ついに貫通

257:名無しさん@ピンキー
13/04/10 03:28:46.09 on080fa/
【六分儀座】を英和辞典で調べたら [ the Sextant; Sextans  ]だった

なんとなくエロっぽいのでググッたら
浜崎達也という人が書いた【 聖闘士星矢 ギガントマキア 】という小説に
六分儀星座(セクスタンス)のユーリという 女青銅聖闘士が登場するらしい

ウィキペディアによると
[ 天文台で誘拐されテュポンの神殿で監禁されているところを
星矢たちに救出されるが、魯鈍のパラスに殺害されてしまう。 ]

漫画作品ではないので世界各国の聖矢ファンが色々なデザインで
セクスタンスのユーリを描いている 意外と人気がある

スペインのファンが描いたユーリ↓
URLリンク(i641.photobucket.com)
中国↓
URLリンク(i641.photobucket.com)
ペルー↓
URLリンク(snk-seiya.net)
ブラジル↓
URLリンク(snk-seiya.net)

258:名無しさん@ピンキー
13/04/10 22:37:17.12 wt9/ujV7
【六分儀座】を英和辞典で調べたら [ the Sextant; Sextans  ]だった

これだけ読むとエロそうだけど、Sexってのは6を意味する接頭語でもあるしな

259:名無しさん@ピンキー
13/04/23 22:58:42.43 9tzoI2r6
Sexの文字見てエロっぽいとか、お前は中学生か。

260:名無しさん@ピンキー
13/04/25 00:02:32.88 +dcBbgzP
ネタが無いと何でもエロく見える。
聖闘士星矢のアンドロメダ瞬を美少女と妄想して、装備や聖衣を破壊されていく
アフロディーテ戦でハアハアしtれみたり・・・

アニメ版の瞬の声はベジータだけどよ。

261:名無しさん@ピンキー
13/05/08 23:18:28.36 ZmiwlPvN
age

262:[ツは戦隊スーツに比べ制作費がかかるから 9000円程度の販売価格では元が取れないのかな? 薄利多売を狙おうにも購入層が限られてるしな。



263:名無しさん@ピンキー
13/05/12 15:56:11.34 NULPO1iL
GIGAとか勘弁してくれって感じ
デザインダサいし、女優は棒だし、エロはつまんねーし、延々同じ動作繰り返してハァハァヤメローとかやってるだけじゃん

264:名無しさん@ピンキー
13/05/13 00:22:49.04 j+1fxpiL
とはいえ、半壊した強化スーツ姿で犯されるヒロインというジャンルが少ないのも事実
二次元ドリーム文庫は殆どが魔法少女か怪盗物だし
メトロイドのエロ同人は殆どゼロスーツサムスだし
バブルガムクライシスの同人は皆無だし。唯一、GANZのエロ同人に期待かな。

265:名無しさん@ピンキー
13/05/13 10:34:40.16 SP917sV+
だからこのスレがあるんだろ

266:名無しさん@ピンキー
13/05/13 11:47:59.67 w4tAA8uA
( ^∀^) ◆YtEYPux7ggさんは廃れたエロパロスレの希望の光やで!

267:名無しさん@ピンキー
13/05/13 22:25:17.01 j+1fxpiL
魔法少女ものに比べて強化スーツ少女ものが少ないのは
女性の支持を得られないせいだろうな。
基本、一部例外を除きロボットものを支持するのは男だしな。
ファーストガンダムに女性ファンが殆どいないのがいい例。
とにかく、女は魔法や吸血鬼は好きだがゴテゴテした機械や
それをおもわす物には拒絶反応を示す場合が多い。

と、攻殻機動隊を一緒に見てくれる女がいない寂しい男がいってみた。

268:名無しさん@ピンキー
13/05/13 23:47:57.15 tBHLWlVm
>>268
>ファーストガンダムに女性ファンが殆どいない

当時の腐女子に人気で、シリーズ初期の厳しい時代を支えたのは有名な話なんだが

269:名無しさん@ピンキー
13/05/14 04:13:26.55 dQ0ldIXI
変身スーツだとダメージ増加で起きる現象は
破壊ではなく解除しちゃうから書きにくいのかな?
変身しない強化スーツとなると結構減るし

270:名無しさん@ピンキー
13/05/15 09:34:33.36 gih9oCNG
ファーストガンダムを支えたのは、腐女子ではなく、シャアをはじめとする男性キャラに
熱を上げていた普通の女性ファンだったと思ったが
いずれにせよ、>>268の知識には誤りがあるけど

271:名無しさん@ピンキー
13/05/15 18:07:23.25 ORw5I2eN
ファーストガンダムが女子に支持されていたとは知らなかったです。
ガンダムには種から入ったオレの勉強不足。

272:名無しさん@ピンキー
13/05/18 00:05:15.40 5nGym6DQ
キャラスーンとフラニーさんの爆死シーンにはお世話になってしまった……
撃墜されたモビルスーツがコクピットごと爆発するとき、
爆炎でパイロットスーツとアンダーウェアがビリビリに溶け破れて
おっぱい丸出しになりながら爆炎の中に消えていくシーンで何かが目覚めた

273:名無しさん@ピンキー
13/06/02 16:28:44.76 enFu4ZnP
俺はスーパーメトロイドのゲームオーバーシーンで
全身を防護するスーツが砕け散り
衝撃で髪留めが外れて、長い髪が広がり
スーツの下に着込んだレオタードすら破れて全裸になって
光の中に消えていくサムスに大興奮。 

274:名無しさん@ピンキー
13/06/11 12:42:08.69 6J/HyCX8
このスレは、スーツ破壊か。。。俺は、スーツは、そのままで
中身が破壊されている方が好きなんだが。。。

275:名無しさん@ピンキー
13/06/11 13:32:11.61 4fNCtVra
>>275
例えばどういう状態のこと?

276:名無しさん@ピンキー
13/06/11 15:16:02.06 xyyUBMlD
>>276
あれだ
スプリガンの最後の方でマッスルスーツが衝撃を透過させてくる気功の使い手に全く防御力を発揮せずに、
主人公の肉体の内部に炸裂してダメージ与えてたみたいな感じじゃねーの?

スーツの防御力を頼って自信満々なヒロインが生身の爺さんがひょいって腹に手をあてただけでドンッって
吹っ飛ばされて、膝がくがくいわせながら立ち上がろうとするとか

277:名無しさん@ピンキー
13/06/11 15:23:05.22 JSi0UOqb
スーツの中に侵入されるとか

278:名無しさん@ピンキー
13/06/11 16:17:31.63 6J/HyCX8
スーツを切り開くと、ヒロインだった肉片&内容物が流れ出す。。。

279:名無しさん@ピンキー
13/06/12 03:51:33.17 uU0A+Q+M
>>279
嫌いじゃない

280:名無しさん@ピンキー
13/06/12 21:41:23.56 a3YFcEpS
オレはスーツもろともヒロインを破壊してほしい。
鉄壁の防御力を誇るスーツに、ものをいわせ
ブイブイいわせていたヒロインが
スーツをぶち抜く兵器を敵に開発され、異常者を改造した敵が使用
スーツもろとも腕や脚を吹っ飛ばされて、ダルマにされ
命乞いするヒロインの胴体も粉砕されて絶命
最後に残ったヘルメットを叩き割ると
苦悶の表情のヒロインの首が出てきて、敵が戦利品として回収。

・・・というのを妄想したが、ダルマになった時点で
スーツを剥ぎ取られて犯されるというのもいいな。
腕や脚が無くなって抵抗できななくなり、ヘルメットやスーツを
切り開かれていき、インナーも切り裂かれて裸も同然の姿に剥かれた後
薬を打たれて欲情させられて、異常者の敵や、その手下に輪姦され
絶望と苦痛と快楽を同時に味わいながら死んでいくヒロイン。

只の無力な女になりメスブタよばわりされ、快楽に流されたり
気絶すると傷口を刺激して無理矢理目覚めさせられ、心が折れたヒロインが
「○○(両親、兄弟、姉妹、恋人)助けて」いったりすると、尚いい。 

281:名無しさん@ピンキー
13/06/13 00:21:09.23 QuWiJVbK
オレはスーツもろともヒロインを破壊してほしい。
鉄壁の防御力を誇るスーツに、ものをいわせ
ブイブイいわせていたヒロインが
スーツをぶち抜く兵器を敵に開発され、異常者を改造した敵が使用
スーツもろとも腕や脚を吹っ飛ばされて、ダルマにされ
命乞いするヒロインの胴体も粉砕されて絶命
最後に残ったヘルメットを叩き割ると
苦悶の表情のヒロインの首が出てきて、敵が戦利品として回収。

・・・というのを妄想したが、ダルマになった時点で
スーツを剥ぎ取られて犯されるというのもいいな。
腕や脚が無くなって抵抗できななくなり、ヘルメットやスーツを
切り開かれていき、インナーも切り裂かれて裸も同然の姿に剥かれた後
薬を打たれて欲情させられて、異常者の敵や、その手下に輪姦され
絶望と苦痛と快楽を同時に味わいながら死んでいくヒロイン。

只の無力な女になりメスブタよばわりされ、快楽に流されたり
気絶すると傷口を刺激して無理矢理目覚めさせられ、心が折れたヒロインが
「○○(両親、兄弟、姉妹、恋人)助けて」いったりすると、尚いい。 

282:名無しさん@ピンキー
13/06/14 23:21:38.32 BtFEaYs9
鍛えられた肉体を持つ者のみが着用に耐えられる強化スーツを、ヒロインの親友ポジの一般人が悪戯半分に着用して
肉体を締め付ける人工筋肉に悲鳴を上げ、制御できない程上昇した運動能力に七転八倒し、
情動をコントロールする薬物投入の媚薬効果の強さに、暴れ回るスーツの内部でグチャグチャにイキまくって
ようやく救出された時には、全身骨折し筋肉は断裂して再起不能になってたりとか

283:名無しさん@ピンキー
13/06/15 21:11:17.25 MV4d8AvQ
大ケガしたヒロインの代わりにヒロインの親友が
強化スーツを装着して戦うも、スーツの力を上手く扱えず
敵にボコボコにされるという展開はいいな。
スーツの中身が違うことに気づいてもらえず
いつもの怨みとかいわれてボコられて
情報を聞き出すために連れ去られたり。

284:名無しさん@ピンキー
13/06/18 09:18:51.86 zAmeX/MK
着用者の魔力やら生命力が動力源で、カスみたいな貯蔵量しかない親友はすぐにガス欠になるんだが、
戦闘OSが戦闘続行を優先して強引にそれらを絞り取ってくるので許しを請うとか

285:名無しさん@ピンキー
13/06/19 17:58:19.22 cE8w403Z
逃げ場の無い、スーツの中で汗だくの涙目で気絶している
ヒロインはエロいな。

286:名無しさん@ピンキー
13/06/21 14:59:06.80 2CrLopkr
>>286
ガンダムF91で大人用の宇宙服の中に、空気を入れないまま赤ちゃんを放り込んで窒息させかけるシーンあったな

287:名無しさん@ピンキー
13/06/22 16:35:47.09 B/jPuk0+
リョナ好きが多いな・・・と思ったが、強化スーツを纏ったヒロインが
ボコられた揚句、自分を正義のヒロインにしている強化スーツを剥ぎ取られ
絶望するシチュなどリョナ以外の何物でもないな。

288:名無しさん@ピンキー
13/06/23 09:42:52.80 HhY5PphU
ここはメキメキ…とかバキバキッ!とかいう擬音がよく馴染むインターネッツですね

289:名無しさん@ピンキー
13/07/06 NY:AN:NY.AN 6r8Sbz0G
上げ

290:うふ~ん
うふ~ん DELETED
うふ~ん

291:名無しさん@ピンキー
13/07/06 NY:AN:NY.AN uwQXXfYJ
『イクサーガール イクセリオン』や『超光速グランドール』といった
ウィッキにすら見捨てられたアニメを救済する過疎スレというのは、ここですか?

292:名無しさん@ピンキー
13/08/05 NY:AN:NY.AN wbw8wVKy
ここまでサンクラなし

293:名無しさん@ピンキー
13/08/19 NY:AN:NY.AN fyJztiQ8
レッドトルネードの作者です
規制されまくりなのでSS深夜VIPの強化スーツ破壊スレに移動します
気が向いたら覗いて見てください

294:名無しさん@ピンキー
13/08/19 NY:AN:NY.AN q/I4KzQY
( ^∀^) ◆YtEYPux7gg です
規制されっぱなしなのでこっちに移動します 気が向いたら見に来て下さい

SS深夜VIP
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

295:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/08/25 NY:AN:NY.AN mcVYvoAB
続きはこちらです

SS深夜VIP
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

296:名無しさん@ピンキー
13/08/28 NY:AN:NY.AN PtzkMNXL
ここってガイバーとかダメ?

297:名無しさん@ピンキー
13/08/30 NY:AN:NY.AN ybsHOkuX
有りじゃね?
コントロールメタルに一撃食らって、機能不全を起こした殖装にグチョグチョにされる女ガイバーとか

298:名無しさん@ピンキー
13/08/30 NY:AN:NY.AN MenFcHTA
ガイバーって厳密にはスーツではないんだけど・・・
こまけぇ事はいいよな!触手エロいしな!

299:名無しさん@ピンキー
13/08/31 NY:AN:NY.AN zq+TSyKw
ガイバーって俺が高校生の頃から連載してるんだよな。
今は中学生の息子が読んでるがw

300:名無しさん@ピンキー
13/08/31 NY:AN:NY.AN lCVl9Msk
ヴァルキュリアは原作のよりアニメ版のほうがエロくて好きだ

301:名無しさん@ピンキー
13/09/02 16:37:24.99 iachAvTN
どんな方法でスーツが破壊されるのが好みですか。

302:名無しさん@ピンキー
13/09/03 04:30:45.24 fwh/A4zM
>>302
スーツの種類にもよるけど
やっぱ回路露出とか、普通に物理的破壊が無難かなと

303:名無しさん@ピンキー
13/09/04 20:47:39.51 XpAo6Gu0
≫303

スーツの種類というと生体装甲かメカニックかの違いって事ですか。

304:名無しさん@ピンキー
13/09/05 13:13:31.70 n0/P/J90
>>304
戦隊系のスーツかメタル系のスーツかな
ガイバーみたいな生体装甲だったら剥がすとか溶かすとか

305:名無しさん@ピンキー
13/09/05 21:35:18.06 m2LDWEvi
ここまでビーファイターの名前無し

306:名無しさん@ピンキー
13/09/07 22:06:01.37 LhHIRAW4
ビーファイターは卵植え付けられるのがよかった

307:名無しさん@ピンキー
13/09/08 18:30:21.97 nXMG7oiL
ここまで、ケメコDXの名前無し。

308:名無しさん@ピンキー
13/09/09 18:56:47.28 n/9hM2En
一番印象に残っている、スーツが破壊される場面って何ですか。

309:名無しさん@ピンキー
13/09/09 23:09:38.39 WE3yLdG8
ガイバーワンの晶がメタルをはぎ取られて強殖細胞に喰われていく所

310:名無しさん@ピンキー
13/09/10 02:25:45.56 yDKvvt77
スピルバンのダイアナレディが一人でいるところを強襲されて、ボコボコにされて
鉄球みたいな手の怪人に頭部を庇うものの、関係なく何度もぶん殴られて次第にゴーグルにノイズが走りだすとこ

311:名無しさん@ピンキー
13/09/10 03:01:42.46 2kFBfs+R
ガイバーといえば女でもないし破壊とはちょっと違うんだけど
エレゲンがアプトムに吸収される場面で俺のこっち属性が目覚めたような

312:名無しさん@ピンキー
13/09/10 04:44:09.98 xJCtcOkR
>>310
初期OVAの女ガイバーの最期をOVAシリーズのクオリティで見たかったな
あの内部から破裂するように暴走する描写すごい好き

313:名無しさん@ピンキー
13/09/10 07:35:21.77 J3TjhxuA
なかなか強烈なものばかりですね

314:名無しさん@ピンキー
13/09/10 14:50:13.03 a4hCOHdP
プラグスーツが粘液で溶かされるシチュがいいです

315:名無しさん@ピンキー
13/09/10 16:26:56.26 xJCtcOkR
綾波が使徒に侵食されてるシーンよかったな

316:名無しさん@ピンキー
13/09/10 18:46:33.35 J3TjhxuA
強化スーツに似合うキャラは誰だと思いますか。

317:名無しさん@ピンキー
13/09/10 21:35:22.26 w3PUdkc2
>>309
『幕張』でスペースガチョピンスーツの中で屁をこいた総理が
あまりの臭さに死亡するとこ。(彼は以前、握り屁で外務大臣を殺害している)

318:名無しさん@ピンキー
13/09/12 00:02:07.66 SdEb6bJq
ソルジャンヌのスーツが好き
インナーをもっとタイトにすれば・・・

319:名無しさん@ピンキー
13/09/12 11:02:04.55 Ptf2drNE
スーツのインナーは、ボディースーツタイプが好きという人が多そうだが
スーパーメトロイドのサムスみたいな水着のようなデザインも好きなんだよ。俺は。

320:名無しさん@ピンキー
13/09/12 21:10:55.41 5BwiJfBD
>>315
プラグスーツは強化スーツの仲間に入るのか?

321:名無しさん@ピンキー
13/09/13 13:45:38.37 A+QEM4dj
このスレ、やたらとプラグスーツの話題に噛みついてくる奴がいるけどなんなの?

322:名無しさん@ピンキー
13/09/13 19:50:30.98 bytvfFnw
プラグスーツは強化スーツじゃ無くて戦闘衣装なだけだからじゃ無い?

323:321
13/09/13 20:49:03.48 qhO0Nnif
そう。
強化スーツというのは身体能力を強化する意味で言うとおもうから、操縦する時に着るだけのスーツは違うんではないの?って話。
アムロがガンダム乗るときのスーツを強化スーツっていったらおかしくないか?

324:名無しさん@ピンキー
13/09/13 21:06:43.49 VEJEMSC3
まあ強化スーツもパイロットスーツも見た目的にはそれほど差はないとは思うんだけど
スレ的にはパイロットスーツは場違いなのは間違いない

325:名無しさん@ピンキー
13/09/14 00:18:08.39 dx3hJwPP
エヴァの機体が強化スーツに近いんで
プラグスーツはインナー 

326:中学二年生
13/09/14 17:47:05.48 TVZ9bdeA
衞士強化装備ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!

327:名無しさん@ピンキー
13/09/14 18:15:26.10 dhljJn9J
衛士強化装備だって、強化の文字が入っているだけで、実情はプラグスーツと変わらんじゃん

328:名無しさん@ピンキー
13/09/15 00:24:30.11 PJsCwQWX
進撃の巨人のミケがちょっとした油断から足を折られて身動きとれなくなって
たった三体の巨人(これより前のシーンで五体の巨人をあっさり屠っている)に
嬲られるように食われるシーンはこのスレ的にどうなの?

329:名無しさん@ピンキー
13/09/15 00:26:20.98 Tpc/rU3w
あまり広く扱うと、魔法少女のコスチュームや宇宙服まで
入れなければならなくなって、収拾がつかなくまるはな。

330:名無しさん@ピンキー
13/09/15 00:45:57.42 MZtVlzIA
いわゆる変身ヒーローがこのスレに該当するんじゃない?

331:名無しさん@ピンキー
13/09/15 11:35:40.43 9qeQcuJa
せめて変身ヒロインで…

ある意味類似スレ?

[アーマー]メカ×少女[パワードスーツ]
スレリンク(eroparo板)

まぁ、もっともなんか崩壊してたけど

332:名無しさん@ピンキー
13/09/15 12:41:08.53 MZtVlzIA
>>332
いや、何か変身ヒロインって言うとセーラームーンとかプリキュアが浮かんできてな…
そっちのスレはコテコテのアニメヒロインだよね
役割分担するならこっちは純粋に特撮ヒロインにしてもいいと思うけど

333:名無しさん@ピンキー
13/09/15 15:37:32.79 l6MF2NWy
魔法少女ものでも、コレクター・ユイのエレメントスーツは
強化スーツになるのでは。

334:名無しさん@ピンキー
13/09/20 23:08:11.89 gUM+OVfk
ゲーム界の忘れられた強化スーツヒロインといえば
任天堂ゲーム『P・N・03』の主人公ヴァネッサだろうな
同じ任天堂強化スーツヒロインのサムスが時代を越えて愛されてるのに
ゲーム発売が今世紀(うろ覚え)なのにヴァネッサが忘れ去られているのは
ゲームオーバシーンがエロくないからか。

335:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:16:33.70 re5pzq57
栞の住んでいるワンルームアパートは由衣の家から5分ほど歩いた近所にある。
そのアパートの自室のベッド上で、栞はゴロゴロしながらチラシを見ていた。
床やテーブルにはファッション雑誌が数冊散らかっている。

『最近太った…胸が小さい…足が太い…そんなお悩みの方、ボルタック整体所をどうぞ!
ただいま開業記念キャンペーン中!キャンペーン中は治療費2000円から!』
「2000円から、かぁ…」
エステのチラシに書かれている価格に嫌でも目が行く。ブルーサイクロンとしての「危険手当」は受け取ってはいるが、学費の事を考えるとその手当は無駄遣いは出来ない。
アルバイトでやっているとは言え、モデルは体型が命である。しかしエステは一般的には高額で、大学生がそうそう行けるような場所ではない。

「2000円ぐらい、いいよね」
2000円なら本当にちょっとした体験程度だろう。栞はそのチラシの「ボルタック」という店の場所を端末で調べ始めた。
栞の部屋にはパソコンはない。15インチの液晶テレビならあるが、別に好きなテレビ番組があるというわけではないので、スイッチを入れる事はさほどない。

「由衣ちゃんにも教えてあげよっと」
一通りの事を調べた栞は、メールを由衣の端末に送った。

「ん?…誰からなの?」
買い物の帰り、コンビニエンスストアで涼んでいた由衣の端末に着信音が鳴った。
栞からメールが来ていた。由衣はメールの中身を読み、はぁとため息をつきつつ、
その場で素早く文章を打ち込み、返信をした。

アパートにいる栞の端末の着信音が鳴る。栞はどんな返事なんだろうとワクワクしながら端末を取った。

『2000円のエステ?そんなの無い無い。行っても損するだけ』
由衣からのつれない返事に栞は閉口した。

336:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:17:44.95 re5pzq57
「全く、いつになったら涼しくなるのよ…」
由衣は、日傘をさしながら家への帰路についていた。成夏を過ぎつつあるとは言え、太陽の日差しはまだまだ激しい。
立ちのぼるような熱気の中では、流石にバイクで移動するのは辛い。

「こんな暑さでよく遊べるわね…」
通りがかった近所の公園では、子供が数人元気に遊んでいる。その中の1人が、手にヤカンを持っていた。

「コイツ、これをかけたら一発だから」
子供は、どこからか持ち出していた小さなヤカンから、地面を這いずるムカデに向けて注ぐ。
その液体は湯気を立てている。おそらく熱湯なのだろう。
ムカデは湯をかけられた直後、激しくのたうち回っていたが、その動きも徐々に小さくなっていった。

「こらー、やかんをどこに持って行ってるの!」
遠くから中年女性が怒鳴り声を上げながら子供の方に向かってくる。おそらくは子供の母親であろう。

(へぇ、ムカデって熱湯が効くんだ、殺虫剤じゃないんだ)
由衣はムカデを見た事はあるが、刺されると大変な事になると篤彦によく言われていたので、見たらすぐに逃げるようにしている。
と、由衣の上でボトっと何かが落ちてきたような音がした。

「えっ、何?」
由衣が日傘を振ると、目の前には毒々しい色をした毛虫が落ちてきた。

「わっ!」
おそらくは木の上から落ちてきたのだろう。毛虫は由衣の目の前で不気味に蠢いていた。日傘をさしていたからいいものの、刺されていればタダでは済まなかっただろう。

(このへんはまだまだ自然が豊かなのかも知れないけど、こういうのは勘弁して欲しい…)
由衣は一息つくと、家に向かう足を早めた。

337:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:18:37.91 re5pzq57
真由美は研究室でパソコンに向かっていた。傍らには由衣が大学から貰ってきた三影の論文が掲載されている本―「GROW UP~近畿学院大学論文雑誌~」―があった。

(『三影総研』…新薬、生物の総合研究―今こそ人間の新しい可能性を追求するべきなのです。)

真由美が見ているホームページはその「三影総研」のものだった。
代表者とされている三影行雄の経歴には、近畿学院大学(助教授)というものもある。

(そう言えば、強い怪人反応がここから発生した事もあるけど、うーん…)
真由美はパソコンの前で腕組みをする。点と点は見つかっている。しかし、どうしても線にはならない。
そうしているうちに、家のインターホンが鳴り、しばらくして由衣が地下室へと降りてきた。

「母さん、ただいま」
「おかえり、由衣。暑かったでしょ」
「うん。本当にもう、蒸し暑過ぎるよ」
「父さんが冷やしみたらし団子を買ってきてるわ。冷蔵庫にあるから」
「ありがと」
由衣は台所に上がり、冷蔵庫の中から皿に盛られている冷やしみたらし団子を取り出す。スプーンで蜜ごと団子を一つ、口に運ぶ。冷えた蜜と白玉の組み合わせが絶妙だった。

「どう、由衣、団子はおいしいか?」
由衣が団子を味わっていると、篤彦が台所に入ってきた。

「由衣、食べながらでいいから聞いてくれ」
「ん?なぁに?」
「県内でな、行方不明者が相次いでいる、って事はもう知ってるだろ。それでな、警察も動き出したんだ」
「えっ、警察?という事は、私たちの活動も知られてるって事?」
「あれだけ派手に戦っておいて知られないはずはないだろ」
篤彦が言うように、もはやレッドトルネードの戦いは鷹野家だけの範疇で済むような問題ではなくなっていた。

「えー、警察の取り調べとかあるの?」
「由衣はそういう事は心配しなくていい。母さんが全てやってくれる。いつも通り過ごしなさい」
(怪人と戦っている時点で「いつも通り」じゃないと思うんだけど…)

「最近はこの近辺で若い女性が行方不明になる事件が多発している。怪人絡みかどうかはまだ分からないけどな。由衣も気をつけてな」
「分かった」

338:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:19:16.10 re5pzq57
「ここかぁ…」
左肩にカバンを下げ、右手にチラシを持った栞はお目当ての「ボルタック整体所」へとたどり着いた。
最近出来たと思われるそのエステサロンは市街地の中心部からやや離れた、入り組んだ路地の中にあった。
栞がそっと扉に手をかけると、中には誰も先客はいない。扉が開いた事に気付いた女エステティシャンが声をかけてくる。

「いらっしゃい、どうぞ」
栞は声に導かれ、ドアをくぐった。
店内はベージュを基調とした色合いとなっており、天井や壁の照明からの光がやさしく部屋全体に降り注いでいる。
ベッドは3つあり、全て綺麗に整えられていた。

「靴は脱いで下さいね」
「あっ、すいません」
土足で店内に入り込もうとすると、店主に呼び止められた。靴を脱いで、あらためて店内に入る。

「こちらへどうぞ」
女主人は栞に右端のベッドに座るように促す。栞は言われるままに座ろうとすると、女主人が再び声をかけてきた。

「もしかして、緊張してます?」
「べ、別に…」
「その様子から見るとエステは初めてでしょうね。でも、ご心配なく」
「は、はい…」
「本日はどちらのコースにいたしましょうか?2000円からでいろいろございますが…」
「じゃあ、2000円で」
「2000円でも内容には自信がありますから。では、服を脱いで下着になって下さい」
肌にうるおいを与えるのだから、なるべく肌を露出しなければならないのは分かっている。でも、いざ脱ぐとなるとやはり恥ずかしい。
でも、栞にとっては何もかもが初めての体験だ。言われるままにしないと事が進まない。

339:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:20:17.35 re5pzq57
「下着、ですか…」
「恥ずかしがらなくてもいいですよ」
エステティシャンはにっこりと微笑む。栞はカバンを脇に置き、顔を赤らめながら、ブラウスを脱ぎ、次いでスカートのホックを外した。

「ベッドに仰向けに寝て下さいね」
上下お揃いの薄い水色のブラジャーとショーツ姿になった栞はベッドの上に横たわる。

「綺麗な肌をしてるわね。これからもっと綺麗になるんだけどね」
「そんなこと無いと思います…」
「あなた、学生さん?」
「そうです」
「肌年齢はほぼ実年齢だと思います。ボロボロの人は本当にボロボロですからね。では、これからマッサージを始めます。深呼吸して力を抜いて下さいね」
「はい」
栞は大きく深呼吸をして、天井の照明を見つめる。

「あ、そこは!」
エステティシャンの手が栞の胸にかかると、栞は思わず声を上げる。

「ここはね、特にマッサージしておかないといけないの」
「ああぁん…」
胸を揉まれる快感が伝わり、栞は地声とは違う甘い声を上げてしまう。

「うらやましいわね、大き過ぎる事も無く、小さすぎる事もなく…それでいて感度もいい感じ」
「うぅん…」
「じゃあ、次は下着を脱ぎましょう」
「下着って、全部?」
「そう、全部。身体を締め付けるものは無い方がいいからね。さぁ、早く」
人前で脱いだ事の無い自分が、下着姿どころか、一糸纏わぬ姿まで晒そうとしている。そのあまりの恥ずかしさに、栞は耳たぶまで真っ赤になっていた。

340:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:21:26.85 re5pzq57
「どうしたの?脱がないと続きが出来ないわ」
「は、はい…」
エステティシャンに促され、栞はブラジャーの後ろのホックに右手をかけて外す。
ブラジャーがはらりと床に落ちたが、栞は左腕で胸を隠している。

「下の方も脱いで下さいね」
エステティシャンは栞に目線でも脱げ、と指示する。
視線を感じた栞は観念して、ショーツに手をかけ、ゆっくりと下に降ろしていき、足を上げてつま先から抜き取った。

「そう、それでいいの。ベッドの上にうつぶせになって下さいね」
栞は人前で裸身を露わにするが、すぐに瑞々しい乳房を左手で、股間の黒い茂みを右手で隠した。
ブルーサイクロンに変身する時に一瞬全裸にはなるが、その時とはまた違う恥ずかしさがあった。

「あなた、本当にいい体してるわねぇ。真っ赤になっちゃって本当に可愛いわ」
エステティシャンは栞の身体に再び手をかける。

「深呼吸して、身体の力を楽に…では、まず脚からね」
栞は太ももを揉みしだかれると、快感で再び声が出てしまう。

「んっ…あっ」
「お尻の部分も念入りにマッサージしておくわね」
「いっ…いっ…あっ…」
栞は身体を揉まれるたびに不思議な感覚を覚えていた。気持ちいいと言えば気持ちいいのだが、徐々に身体から力が抜けていくような感覚だった。

341:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:22:18.78 re5pzq57
「気持ち良すぎて寝ちゃいそうでしょ?」
「う…ん…」
「そう、あなたはこのまま寝ちゃうのよ。ここで、ずーっとね…」
「えっ…ずーっと…?」
「そう、ずーっと」
栞は身体を動かそうとした。だが、ゆっくりとしか動けない。身体から力を抜き取られていたのだ。

「悪いけど、あなたはもう逃げられないわよ」
「そ、そんなの嫌だ…」
「諦めなさい…もうあなたは逃げられないんだから」
そうこうしている間にも自分の身体からはさらに力が抜けていく。

「あ、あなたは一体…」
「別に分かる必要も無いでしょ?」
栞がエステティシャンに疑念を持っていると、カバンの中にある端末が、怪人出現の警報を鳴らした。
このままでは自分は力を全て抜き取られて死んでしまう。ブルーサイクロンに変身すればもしかしたら助かるかも知れない。
端末は口が開いたカバンの中の、割と上の方にある。大声で叫べば端末が反応してくれるかも知れない。
そう望みを抱いた栞は、腹の底からこう叫んだ。

「着装っ!」
栞の叫びに応えるかのように、カバンの中の端末が白く輝き、栞の身体を防御フィールドで包み込む。
まばゆい光の中で、一糸纏わぬ姿の栞の身体がより一層激しく輝く。
足元から、指先から光の帯が駆け上がり、青と白のツートンカラーのインナースーツに変化する。
成功したんだ、と栞が安堵する中、その上からメタリックブルーの装甲の装着が始まる。
まず股間と臀部を保護するパーツが装着され、次いで美脚を守るフットパーツ、レッグパーツが栞の身体に密着していく。
端末はというと、次いで装着された腰部パーツに付属しているパックルに吸い込まれていった。
下半身のパーツが装着されている間、同時進行に近い形で上半身の装着も進んでいた。
手がメタルグローブに覆われ、そこから上に駆け上がるように下腕部、肘、上腕部、肩の装甲が装着されていく。
次いで、前後から背部パーツ、胸部パーツ、腹部パーツが現れ、インナースーツに覆われた栞の身体に前後から挟み込むように密着していく。
首から下の装着が完了し、後は頭部を残すのみとなった。
その頭部近辺にも、ヘルメットのパーツが現れ、栞の髪が巻き上げられると同時に後頭部に収められる。
後頭部が、顎がロックされ、栞はほぼブルーサイクロンの姿となった。
そして、口元にレスピレーター付きのマスクが装着され、残された目元を半透明のゴーグルが覆うと、防御フィールドが弾け飛んだ。
そこには先ほどまでいた全裸の女子大生の姿は無く、全身をメタリックブルーの装甲にくまなく包んだ戦士の姿があった。
耐衝撃、耐熱、耐寒、あらゆる環境に適応できる戦士、ブルーサイクロンに栞は変身したのである。

342:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:23:18.37 re5pzq57
驚くエステティシャンをゴーグル越しに見据えたブルーサイクロンは、身体の中から暖かく、かつ力が湧きあがってくるのを感じていた。

「…あなたがブルーサイクロンだったのね」
エステティシャンは驚きを隠せない。

「アンタ、ここで何をしようとしていたの!」
ブルーサイクロンの右手がホルスターにあるマルチマグナムに伸びる。

「今から逝くあなたが知っても意味ないでしょ?」
エステティシャンの眼が怪しく輝き、周辺の空間が歪みだしたかと思うと、数秒後には毒々しい色をし、多数の脚が付いている二足歩行の怪人に変化していた。

「やっぱり怪人だったのね!」
「そっちが本気でいくなら、こっちも本気で行くわ」
本性を現したムカデ怪人が身体を丸め、ボール状になって飛びかかってくる。

「きゃあっ!」
突っ込んでくるムカデ怪人に反応しきれず、サイクロンはまともに攻撃を受けてしまう。壁際にあるベッドが、吹っ飛ばされたサイクロンに当たって粉々に砕けた。

さらにムカデ怪人は、ボール状の身体で部屋のあちこちを反射するように動き回る。
床、壁、天井をビリヤードの球のように反射し、サイクロンを翻弄する。

「どこ?どこなの?」
「こっちよ」
「はっ…あうっ!」
サイクロンの背中にムカデ怪人の強烈な体当たりが決まる。背骨がズレ、内蔵が口から飛び出そうな衝撃を受けた。

「あああっ!」
サイクロンは、今度は体当たりを右側頭部に受ける。モニターの機能は一瞬ブラックアウトした後、すぐ復帰したが、
衝撃がヘルメットだけでは吸収しきれない。視界がグラついて見える。

343:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:24:11.96 re5pzq57
「全部避けられるかしら?」
ムカデ怪人は二足歩行の状態に戻ると、そのトゲが身体から離れ、一斉にサイクロンに向かって放たれた。
サイクロンは横っ跳びでかわす。トゲが鋭く壁に突き刺さる。
起き上がろうとしたサイクロンの眼の前にはさらにトゲが飛んできていた。場所は狭い室内であり、遮蔽物もない。反射的に両腕でガードをする。

「フフ…」
ブルーサイクロンの腕や身体に無数のトゲが突き刺さる。すると、トゲが刺さった場所の装甲が紫色に変化していく。

「あ…あ…ううっ…!」
サイクロンは身体から力が抜けていく奇妙な感覚を再び味わっていた。先ほどまでエステティシャンに身体を揉まれていたのと同じ、あの感覚だ。

「あなた、ムカデに刺された事ってある?無いでしょうけど」
「こんな…もの!」
せせら笑うムカデ怪人に反撃すべく、サイクロンは必死に立ち上がる。スーツの防御機能が働き、トゲが全て抜け、床に落ちた。だが、スーツのエネルギーをかなり消費してしまった。

「負けない…から」
サイクロンは両手でそれぞれマルチマグナムを抜き放ち、二丁同時にムカデ怪人に向かって破壊光線を撃つ。もはや店が壊れるとか、そんな事は気にしていられない。

「無駄よ」
ムカデ怪人はとっさに身体を丸める。破壊光線が命中し、爆発とともに店内の照明や観葉植物が粉々に吹き飛ぶが、
煙の中から現れたムカデ怪人は全く手傷を負っていなかった。

344:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:25:18.74 re5pzq57
「えっ!そんな!」
「大事な事を今から教えてあげるわ」
動揺するサイクロンに向かってムカデ怪人が飛びかかってくる。
床に倒され、組み伏されてしまったサイクロンを、ムカデ怪人は締め上げ始めた。

「関節は、いくら強化スーツを着ていても防げないから」
「あぐああっ・・・」
サイクロンの右腕、左脚が別の方向に引っ張られ、栞の肉体に凄まじい負担がかかり始める。いわゆるバックブリーカーの形である。
ダメージがスーツにかかり、火花が飛び散り始める。内部部品がショートし、スーツから煙が出始めた。

「はぁ、ああ、くああっ!」
サイクロンは逃げようと必死に身をよじる。だが、ムカデ怪人の力は異様に強く、抜けられそうもない。

「あなた、首も凝ってるんでしょう、マッサージしてあげるわ」
ムカデ怪人はフラフラになったブルーサイクロンに馬乗りになると、首から顎を掴んで海老反り状にした。キャメルクラッチだ。

「う、うああ、ああううっ!」
サイクロンの首に、背骨に、腰に大きな負担がかかり、スーツがさらにダメージを受ける。
小さな爆発が断続的に身体のあちこちから起こり続ける。ゴーグルにはスーツが多大なダメージを受けている事を示す警告が表示されているが、分かった所でどうしようもない。

「もうダメ、もうダメ、死んじゃう、死んじゃううっ!」
スーツが破壊されるのが先か、首や背骨を折られて死ぬのが先か、怪人に自分の命を脅かされているサイクロンはパニックになっていた。

「あっそ。じゃあ、死ねば?」
「やだ、やだ、離してええぇっ!やだああぁぁっ!」
サイクロンの視界にノイズが入り始める。初めは小さかったノイズが、徐々に大きく、その本数も増えていく。

「はい、これで終わりっ!」
「い、いや、あ、あああああぁぁっー!」
ムカデ怪人がひときわ強く、サイクロンの上体を上に逸らす。
栞の断末魔の悲鳴と共に、既に煙を上げていたメタリックブルーの装甲の数か所から大きな爆発が起こった。ついにスーツの耐久力が尽きたのだった。
ブルーサイクロンの身体が光り輝く白い防御フィールドに覆われたかと思うと、ボロボロになった青い装甲が、ヘルメットが、バラバラのパーツになり、ベルトのバックルに吸い込まれていく。
フィールドが解除されると、そこには青と白のツートンカラーのインナースーツ姿になった栞がいた。

345:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:26:31.55 re5pzq57
「あなたも私の若返りに協力してもらうわよ」
ムカデ怪人が倒れこんでいる栞に歩み寄る。

「若返りって…何の…」
「あなたはね、一人じゃここから逃げられないんだから、もう諦めなさい」
ムカデ怪人は質問を遮るかのように栞の首筋にトゲを伸ばす。強化スーツを破壊された今の栞は無力な少女に過ぎなかった。
もう怪人に抗う手段は無い。自分はこのまま負けてしまうのか。栞は絶望した。

「確かに一人じゃあ、ここからは逃げられないわね」
ムカデ怪人が栞の生気を吸い取ろうとする直前、部屋の入り口の方で凛とした声が響いた。
ムカデ怪人が聞きなれない声に驚き、後ろを振り向くとそこには、メタリックレッドの装甲に全身を包み、頭部もフルフェイスのヘルメットで覆われた人影がいた。
その人影は、ムカデ怪人を見るなり言い放つ。

「レッドトルネードが来たからにはもう大丈夫よ!」
「トルネード!」
栞がレッドトルネードの姿を見て希望を取り戻す。

346:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:27:23.37 re5pzq57
「シャワーでも浴びなさい!」
「な、何をする、やめろ!」
トルネードの声を聞き、マルチマグナムを構える仕草を見たムカデ怪人が急に怯え始める。

「あなたの弱点、もう分かってるのよ!」
トルネードのマルチマグナムから、もうもうと湯気を上げる熱湯が発射され、ムカデ怪人に浴びせられた。

「あぎゃああっ!」
熱湯を浴びたムカデ怪人は激しく苦しみ出す。その声も、今までの若々しい声とは違い、老婆のようなしわがれ声に変わっていた。

「まだまだぁ!」
トルネードは二発、三発と熱湯をムカデ怪人に浴びせかける。
ムカデの弱点は熱湯だ。先日、子供がムカデに熱湯を浴びせて遊んでいたのを見た、その観察が生きた形となった。

「トドメよ!」
レッドトルネードが左のホルスターからサイコブレードを抜き放つ。グリップの両方から光の刃が伸び、トルネードが刀身を一回転させて構えを取る。

「はっ!」
サイコブレードの刀身が、マルチマグナムの破壊光線すら弾き返した硬い皮膚を貫く。

「ぐおおぉっ」
ムカデ怪人は醜い呻き声を上げる。すぐ目の前には今まさに、刃を降り下ろそうとするレッドトルネードの姿があった。

「ダブル・トルネードスマッシュ!」
両刃のサイコブレードが、一回転、二回転三回転と、ムカデ怪人の身体を両断する。
仕上げに、X字状にムカデ怪人の身体を斬ったトルネードが後ろを向き、構えを解くとほぼ同時に、怪人の身体は跡形も無く爆散した。

347:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:28:24.91 re5pzq57
「栞ちゃん!」
勝利の余韻に浸るまでもなく、レッドトルネードはインナースーツ姿でへたりこんでいる栞に駆け寄った。

「ううっ…うっく…」
栞はべそをかいていた。大ダメージを受けて強化スーツの装着が解除されてしまったのだろうが、命に関わるような怪我を負っている、というわけではなさそうだ。

「さて、と…」
レッドトルネードのゴーグルには別に生命反応が表示される。ムカデ怪人に捕まって行方不明になっていた人たちのものだろうか。
ほんの微かではあるが、声も聞こえてくる。
トルネードは、ゴーグルの表示通りにその場所へと向かう。まだ生きている事を祈って。
(もしかして、この裏に…)
サロンの棚の裏から確かに生命反応が確認できた。
トルネードが棚と棚の隙間に手をかけ、左右に押し広げると、そこには引き戸があった。間違いなく、この奥に捕らわれた人々がいるのだろう。
もう躊躇する理由などない。引き戸にはカギがかかっていたが、律儀にカギを探す必要などない。

「はあっ!」
トルネードは強化スーツの力で無理やり戸を引く。カギが壊れた派手な音とともに、扉が開いた。

「あれ?ここってどこ?」
「何してたんだろう…?」
中には全裸の若い女性が数人おり、ゆっくりと起き上がってきた。外傷は無いようだ。ムカデ怪人が倒された事によって、一種の催眠術が解けたのだろう。

348:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:29:18.14 re5pzq57
「栞ちゃん、大丈夫!?」
「怖かったよぉ、怖かったよぉ」
レッドトルネードは行方不明だった女性たちの無事を確認すると、あらためて栞のもとに駆け寄った。

プシュウウウッッ!

トルネードはヘルメット左にあるボタンを押す。顎の、後頭部のロックが解除され、トルネードはヘルメットを脱いだ。
後頭部に収められていた由衣の髪がふわりと広がる。

「ふぅっ…」
由衣は汗だくの顔を左右に振って汗を飛ばす。その目の前には、死の恐怖から解放された栞の姿がある。
助かったことを実感した栞が、目に涙を浮かべて由衣の胸に覆いかぶさってきた。

「由衣ちゃん、ごめんね、ごめんね、本当にごめんね」
インナースーツ姿の栞は、未だ首筋から下が装甲に覆われているレッドトルネードの胸の中で泣いた。

「栞ちゃんのせいじゃないよ」
「でも…」
「反省会なら帰ってからよ。さ、帰りましょう」
「う、うん…」
トルネードはヘルメットをかぶり直し、再びフルフェイスの状態になる。
栞も大破した店内に転がっている自分の靴を見つけ出して履いた。

「ジェットストライカー、転送!」
トルネードの叫びに応じて、二枚二対の翼が出現し、背部に装着される。

「しっかり掴まってて!」
栞の身体を抱きかかえたトルネードは、静かに地面から浮いたかと思うと、次の瞬間急上昇し、鷹野家の方角へと飛び立っていった。

349:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:30:18.17 re5pzq57
「ただいま」
栞を抱きかかえたレッドトルネードが鷹野家の地下室へと帰ってきた。

「お帰り、レッドトルネード」
栞も、行方不明だった女性達も無事だという事が分かり、真由美は安堵の表情を浮かべていた。

「着装、解除」
栞を床に降ろし、トルネードは本来の姿である由衣に戻る。
白く輝く防御フィールドの中で、ヘルメットが、装甲が、無数の光の粒子となり、腰部に収納されたバックルへと吸い込まれていく。
装甲を纏う時と同様、由衣は赤と白のインナースーツ姿となったが、そのインナースーツも光の粒子となって飛び散っていく。
スーツから完全に解放された一糸纏わぬ姿の由衣が現れ、その中で変身前に着ていたブラジャー、ショーツが、次いでスカートとブラウスが復元される。
完全に由衣の姿に戻ると、防御フィールドが消滅し、視界も普段のものに戻った。

「栞、今晩はカプセルの中に入った方がいいと思うわ。スーツがあれだけやられてて身体の方が無傷で済んでいるはずがないから」
「は、はい…」
悄然とした栞がカプセルの方へと歩を進める。

「良かった、良かった、栞ちゃんが助かって…」
あらためて栞の無事を実感した由衣の目に涙が浮かんでいた。

「あのエステティシャンね、80代のおばあさんだったみたい」
「は、80代!?」
「後はもう…分かるでしょ」
栞が入ったカプセルに緑の液体が満たされていく間、真由美は由衣に事件の背景を話す。確かに、ダメージを与えたときの声はしわがれていたが、それにしても80代とは。由衣が驚くのも無理はなかった。

「若い時のキレイなままでいたい、年をとってシワシワになっていく自分を認めたくなかった…って事ね」
「そう、それで若い女の子を誘って若さを吸い取っていた、ってわけ」
真由美からそう聞かされた由衣はため息をついた。モデルをやっているこの美貌も、年をとれば必ず失われてしまうのだ。

「美はいつかは無くなっちゃうものなの。でも、気立てはいつまでも無くならないわ。
確かに美にこだわりたくなる気持ちだって分かるけど、それよりも大事なのは中身だと思う」
「中身…ね、分かった」
「で、その中身なんだけど、由衣、単位は大丈夫なの?」
「だ、大丈夫だって!…多分だけど」
(落としたんじゃないかと思う単位があるなんて言えないよね…)
真由美に図星を突かれ、由衣は戦いの時とはまた違った冷や汗をかいた。

350:( ^∀^) ◆YtEYPux7gg
13/09/21 18:30:59.01 re5pzq57
というわけで、皆様本当にお久しぶりです。規制騒動がおさまったみたいなので投下してみますた。

351:名無しさん@ピンキー
13/09/21 20:10:46.31 rWjiLHGN
おお!
お疲れ様です!

352:名無しさん@ピンキー
13/09/21 20:16:06.80 DNYsqdG1
>>351
お帰りなさい
やっぱ強化スーツヒロイン良いわ
GJ!

353:名無しさん@ピンキー
13/09/22 00:31:17.32 SBJ9S3lG
>>351
待ちわびましたぞ!
また前のようにIFで完全敗北ENDなんかも見てみたいッス!

354:名無しさん@ピンキー
13/09/22 21:46:32.97 kxdtzLkQ
スーツは完璧だけど、整備員や開発者サイドの女性(母親や親友)の無力かつ生身の肉体に
強化スーツヒロインに向けるための責めを叩き込んでぶっ壊して堕として、スーツに細工させて
無力化は当然として視界などのセンサー停止、内部爆発、電流感電、神経制御介入で性感帯弄りまくり

こちらは指一本とて出す事なくヒロインは大ダメージ戦闘不能
最後の力を振り絞って繰り出すノロノロパンチを敢えて受ける事すらせずに装甲貫通ボディーブローカウンターでぶっ倒す
こんな話読みたい

355:名無しさん@ピンキー
13/09/27 20:54:10.67 EnwEwxMv
>>355

敵に一方的に敗北する話が好みって事ですか。

356:名無しさん@ピンキー
13/09/28 17:46:40.00 uhwza3/Z
完全敗北の話は見てみたいですね。
装甲ごと串刺し状態になってもがく姿、
装甲を破壊されてだんだんと人間のシルエットに近づく姿など
いいかもしれません。

357:名無しさん@ピンキー
13/09/28 18:35:00.14 Dy6U1A4k
こういう奴に破壊して貰いたいってのはあります。

358:名無しさん@ピンキー
13/09/30 21:42:19.89 9OBxNemc
ゴリラみたいな巨漢

359:名無しさん@ピンキー
13/10/01 00:15:24.69 t07W2vCq
高性能巨大ロボ
おびき出された建物自体が巨大な敵で
逃げ場の無い敵の中で四方八方から攻撃される。

360:名無しさん@ピンキー
13/10/01 18:37:01.09 R+q2I0ZP
>>360

それ、面白そう

361:名無しさん@ピンキー
13/10/01 18:48:17.77 R+q2I0ZP
強化スーツとは直接関係ない話ですが、
「ロックマンX」である敵を弱点である武器で攻撃すると、
装甲が外れるのですが、
そんな感じで特殊な攻撃で装甲が外れたりして無防備になるってのはどうですか。

362:名無しさん@ピンキー
13/10/01 21:32:13.51 UhzaiiTa
そういえばタイトル忘れたけど電撃文庫で強化スーツを纏った企業の広告塔のアイドル同士がバトルする作品があったな
あんな感じでヒロインが相手のスーツ破壊をして陵辱するのが勝利条件のキャットファイトする話とか

363:名無しさん@ピンキー
13/10/02 17:05:52.17 U3fLW6Uo
温度差攻撃で装甲を破壊するってのも面白そう。

364:名無しさん@ピンキー
13/10/02 23:00:01.28 aBmgGmfR
石を熱した後、水で急に冷やすと熱膨張率の違いで内部にヒビが入って
割れやすくなると言うけど、強化スーツにそれをやるってこと?
つまりレッドトルネードのスーツに熱と冷気の波状攻撃みたいな感じですか
おもしろいけど、俺じゃ文章ヘタだから書くの無理だわw
特撮ヒーローの番組とか見ないからレッドトルネードの人みたいに
オリジナルでイメージが膨らまない
特撮ヒーロー路線のメカニックっぽい強化スーツは無理なんで、ほかに
強化スーツのアイデア無いですかね?

365:名無しさん@ピンキー
13/10/03 00:17:57.76 ztNpZJZA
俺は昔、メタル系の正義の味方ではなく、怪盗スーツを纏った正義の怪盗少女というのを考えた。
スーツのデザインは、エヴァのプラグスーツみたいなボディスーツに
バックパックとゴーグルという感じで、筋力増幅機能の他に
銃弾を防ぐ程度の防護力や暗視装置、ステルス機能が備わってるが
宿敵の悪の大富豪にスーツを解析され、金にものをいわせて作った
ステルス機能を無効化する装備やら、より高性能なスーツを装備した
用心棒たちにボコられて、スーツを完全破壊された後、輪姦、薬漬けにされ
闇市場に奴隷として売られる。


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