12/10/14 16:45:12.44 8EuhmcF6
本スレの天井舐めの流れ見てたら、
天井を見たくないと怖がるふみちゃんに騎乗位にしたらいいと提案するゲゲさん
という妄想がとまらなくてやばい
385:名無しさん@ピンキー
12/10/14 17:49:12.28 oqdvcWhP
職人さんの投下が最近なくて寂しい
自分は妄想あっても文才ないからなあ
386:名無しさん@ピンキー
12/10/17 19:51:00.29 ldcnTFCa
自分も妄想しかできないw
けど何回かここのネタを職人さんが昇華させてるのが微笑ましくて嬉しくて
しがない妄想をたまに書き込んでる
387:名無しさん@ピンキー
12/10/21 21:24:20.21 VZK7JT3a
ハチミツぺろぺろプレイするなら是非ふみちゃんに自分の身体に垂らさせる羞恥プレイ込みを…と
本スレを見て思う
388:名無しさん@ピンキー
12/10/22 11:20:10.18 y+MipeZ5
夫婦共演はないですかね?
篤姫、龍馬、シャルウイダンスやら映画やCMで再共演してるけど
389:名無しさん@ピンキー
12/10/25 10:48:38.80 dnQ+tmY/
他のを準備中でしたが、>>384さんのレス見たらなんだか放っておけなくてww
結婚した年の秋、音松親方が現れる少し前くらいの話と思ってごしない。
390:常世の国 1
12/10/25 10:49:47.38 dnQ+tmY/
ぽとん。畳の上に、一滴の水が落ちてきて吸い込まれた。
「・・・あれ?なんの水だろ・・・?」
ちゃぶ台で家計簿をつけていたフミエは思わず上を見上げた。
ぽとん、ぽとん・・・天井の羽目板に出来た水のシミからぶら下がった水滴がみるみる
膨らんで、つぎつぎに落ちてくる。
「やだ・・・雨漏り?」
あわてて新聞紙と茶碗を持ってきて、畳に水染みをつくり始めた水滴の下にあてがった。
夕方から吹き始めた風がいつの間にか雨を連れて来て、枯れ葉まじりの時雨が
窓ガラスを叩いている。
たかが一滴の水なのに、ぴちょん、ぴちょんという水音は静かな家の中にけっこう
大きく響く。フミエは今つけていた家計簿と、雨漏りを交互にながめてため息をついた。
「いつか来るかもしれんとは思っとったけど・・・。」
茂には悪いが安普請のこの家で、雨漏りがしても不思議はないのだが、梅雨どきも
台風の季節も乗り切ったこの時期に来るとは・・・やっぱりちょっと心が沈んだ。
(修繕するお金なんてないしなあ・・・。)
安来の家も古いから、雨漏りは珍しいことではなかったが、すぐさま出入りの大工が
呼ばれて直してくれたものだ。雨漏りを放置しておいて家全体が傷んでは、ご先祖に
申し訳がたたないというのが父の源兵衛の口ぐせだった。
「ああ・・・また出とる・・・。」
フミエは上目遣いに眼球だけを動かして天井のシミを見た。それは以前からフミエが
(人の顔みたい・・・。)と不気味に思っていたものだ。
男とも女ともつかない不気味な顔が、空洞のような目でフミエをみつめ、ぽっかりと
黒く開いた口から呪いの言葉を吐いているように見えるそのシミが目に入らないよう、
フミエは普段からあまり天井を見上げないようにしていた。
391:常世の国 2
12/10/25 10:50:31.59 dnQ+tmY/
水分を得たシミはくっきりと輪郭を際立たせ、心なしか前よりも活き活きとして
さえ見える。
「あのひと・・・どげしたんだろう?もうこげに暗いのに。」
戌井の家を訪ねると言って午後から出かけた茂は、そろそろ夕食どきと言うのに
まだ帰って来ない。窓に映ったフミエの心細げな顔に雨粒が吹きつけ、ガラスが
ガタガタと鳴った。
「しげぇさん・・・早く帰ってきて・・・!」
フミエは急に寒気を覚え、両手で自分の肩を抱いた。
「ああ・・・雨漏りか。ボロ家だけんしかたないな。」
急に雨が降ってきたので戌井のところで待たせてもらったとかで、茂は八時を
まわってからようやく帰ってきた。フミエの訴えを聞いて天井を見上げたが、茂は
慣れっこという感じで特に深刻にとらえる様子もなかった。
「木目が顔に見えるのは、ようあることだ。・・・障子を張り替えても張り替えても
同じ場所に現れる顔、と言うのなら怪談だけどな。」
江戸時代の怖い話の聞き書き集にあるとかで、茂は夕食を食べながら嬉しそうに
その怪異についてこと細かに教えてくれた。
(聞かんだったらよかった・・・ますます怖くなってしもうた。)
茂に妖怪の相談をしたのは失敗だった。ますます怖い気持ちがふくらんでしまって、
フミエは泣きたくなる。
「また読み返してみたくなったな。・・・戌井さんとこで思いついた話もあるし、
これ食ったらさっそく仕事だ。」
雨宿りの間、戌井と漫画談義に花が咲いて新しい着想を得たらしく、南瓜の
煮たのと大根漬けでモリモリとご飯をたいらげると、茂はさっさと仕事部屋に
こもってしまった。
392:常世の国 3
12/10/25 10:51:19.06 dnQ+tmY/
その日の夜。布団に入ってからずいぶん時間が経っても、フミエはなかなか
寝つけないでいた。天井を見ないようにしていても、目を閉じるとまな裏に
あの顔が浮かんでくる。茂に聞いた怖い話も思い出されて、眠るどころでは
なくなってしまったのだ。
宵のうちの時雨はとうに止み、顔を出した月の光が差し込んで部屋はうす明るい。
相変わらず風はつよく、雲がどんどん流れて不気味な陰を部屋の中に投げかけている。
つめたく湿った布団の中で、フミエはまんじりとも出来ずに、無理やり目をつぶって
怖いのを我慢していた。
深夜になって、茂が仕事部屋のフスマを開けて部屋に入ってきた。フミエは
心からホッとして、思わず起き上がってしまった。
「・・・なんだ、あんたまだ寝とらんだったのか?」
寝巻きに着替えながら、茂が驚いたように聞いた。
「眠れんようになってしもうて・・・あなたが怖い話されるけん。」
「怖い話・・・?そげなもんしたっけか?」
茂はさっきの話などすっかり忘れてしまったようで、さっさと自分の布団に
もぐり込んだ。
「うう、布団がつめたい・・・。ちょっこしあっためてごせ。」
ようやく少しだけ温まってきたフミエの布団に、茂の冷たい身体が入ってくる。
広げられた腕の中に包み込まれ、フミエはホッと安堵のため息をついた。
(あったかい・・・。)
同じように冷たい身体なのに、ふたり寄り添うとなぜ温かくなるのだろう・・・
フミエは今度こそ眠れそうな気がして、茂の胸に顔をうずめた。
「そう言えば、シミがどうとか言うとったな・・・。天井のシミは天井舐めと言う
妖怪が舐めた痕だと言うが、妖怪いうのは舐めるのが好きだなあ・・・。」
よせばいいのに、茂がまた怖い話を始める。
「もぉ・・・やめてください!・・・せっかく眠れそうなのに・・・。」
「なんだ・・・あんたも、夜更かししとるとお化けが足の裏べろ~んと舐めーぞ、
とおばばに脅かされた言うとったじゃなーか。」
茂がふざけて足の指でフミエの足の裏をすぅっと引っかいた。
393:常世の国 4
12/10/25 10:52:07.78 dnQ+tmY/
「ひゃっ・・・!!」
ぞくっとして反射的に足を引っ込め、フミエは思わず茂にぎゅっと抱きついた。
「こ、こら・・・そげにしがみつかれたら、別のところが起きてしまうが・・・。」
「え・・・?」
ふと力をゆるめたフミエの下腹に、覚えのある硬さが押しつけられる。息をのんだ
フミエの唇を、茂の唇が押しつつんだ。
「ン・・・んん・・・っふ・・・ぅ・・・。」
自分を欲している証しをつきつけられながら、口中を激しく責められる。フミエの
はだかの脚を、茂の足先がからかうように何度もこすり上げる。いつしか大きく
拡げられた脚のあいだが、とろとろに蕩けていくのがわかった。
「・・・あんた、こげしてほしくて、怖い怖い言うとるんじゃないのか?」
唇を離した茂が、少し息をはずませながらからかった。
「ち・・・ちがいます!」
「なんだ・・・違うのか。」
「え・・・?」
ちょっとがっかりしたような言い方にきょとんとしたフミエの唇が、また塞がれる。
「・・・ン・・・はぁ・・・ぁ・・・っん・・・。」
唇と唇が溶け合い、冷えていた肌に茂の大きな手が這わされる。さらしあった素肌と
素肌のふれ合いがたまらなく心地よくて、フミエは幸せそうに茂の背に腕をまわし、
甘い声であえぎ続けた。
「ぁあ・・・ぁん・・・っん・・・ぁあ・・・!」
胸乳を舐め吸いながら、潤いを確かめた手が膝を押し上げた。いつもより性急な
ことの運びが、茂につよく欲されていることを実感させて、歓びがじわりと拡がる。
394:常世の国 5
12/10/25 10:53:09.61 dnQ+tmY/
快をこらえながら少しずつ身を沈めていく時の、ちょっと苦しげないとしい顔を
少しだけ垣間見たくて、フミエはうっすらと目を開けた・・・そのとたん、茂の肩ごしに
あの天井のシミが目に入った。
「ぃ、いや・・・!こわい・・・。」
フミエは天井を見たくなくて、茂の胸に顔をうずめた。
「ん・・・?どげした。・・・今さら『こわい。』って・・・。」
結婚してから1年たらずとは言え、もう数え切れないほど抱き合って、身も心も
馴染んでいるはずのフミエの言葉に、茂は一瞬勘違いをして手を止めた。
「だ、だって・・・見とる・・・。」
フミエの指さす方を見ると、さっき見せられた天井のシミがフミエを見下ろしている。
「ははは・・・子供みたいだな、あんたは。」
「だって・・・目が合ってしまうんですもん。」
フミエは抱きついた胸から顔も上げずに、くぐもった声で反論した。
「ふーーーん・・・俺が一生懸命はげんどる時にも、あんたは天井見て『あのシミ、
人の顔に見える・・・。』とか考えとる余裕があるんだな・・・。」
茂は今にも貫こうとしていた体勢を元に戻し、わざと傷ついたような声で言った。
「・・・えっ・・・そ、そげなことありません!」
思っても見ない茂の反応に、フミエは驚いて胸から顔をあげた。
愛される時、フミエに周りの景色を気にしている余裕などほとんどなかった。
ただひとつ、超至近距離にある茂の端正な顔が、汗を浮かべ、快感に歪み、
のどぼとけがゴクリと動く・・・そんな官能的な表情に目を奪われることはあっても・・・。
「あげにひいひい言うとったのは、芝居だったんかな・・・。」
舌に指に、そして茂自身に・・・蕩かされ、占められ、奪いつくされる時のフミエの、
啼き声、涙、蜜、内部の収縮・・・それらが演技などではないことは、茂が一番よく
知っているはずなのに・・・。
395:常世の国 6
12/10/25 10:53:57.75 dnQ+tmY/
「・・・そげな・・・芝居・・・だなんて、私・・・。」
「本当に、よがっとるふりをしとるんじゃないんだな?」
言葉でなぶりながら、指は紅く色づいた実をつまんでこじっている。フミエは
もじもじと身体をうごめかせてなんとか逃れようとするが、重い身体に押さえつけ
られていて動けず、息を荒くして目に涙をため、震える声で答えた。
「・・・ぁ、ゃめっ・・・ほ・・・ほんと・・・ですけん・・・っ!」
「まあ・・・あんたにそげな演技力があるとも思えんが・・・。」
「だ、だけん・・・ほんとに・・・!」
乳首からじんじんと送り込まれる痺れが、フミエの思考能力を奪い去る。信じて
ほしいあまり何かすごく羞ずかしいことを口ばしりそうになって言いよどむ。
「わかった、わかった・・・。ほんなら、もっと見せてみれ。」
頭を撫でられてホッとしたのも束の間、さらけ出されたままの、蜜にまみれた花を
指でなぞられ、悲鳴をあげて身悶えた。
「・・・ひぁああっ・・・だめっ・・・だめぇ・・・。」
指で、言葉で・・・弄られ、責められて、ずきずき疼いている女陰から、情けないほど
温かい水があふれてきてしまう。
「まあ、演技じゃこげにぐしょぐしょには出来んだろうな・・・。」
引き抜いた指をわざと灯りにすかして、淫らに糸をひく粘液をフミエに見せつける。
「んっ・・・ぐ・・・ぅ・・・。」
蜜に濡れた指を口に挿し入れられ、舌や口蓋をくすぐられる。フミエはその手を
両手でつかみ、なぶる指に舌をからめて夢中で舐め吸った。
「だが・・・シミと目が合うと気が散るかもしれん・・・。」
フミエは頭がぼうっとして、もうシミのことなどさほど気にならなくなっていた。
けれど茂は、うるんだ瞳を霞ませて溶けた身体を横たえているフミエを見下ろし、
「ほんなら今日は、あんたが上になれ。」
と言った。
「・・・え・・・?」
「上を見んようにすれば、怖くないだろ?」
ごろんと横になると、フミエの手をぐいと引っぱった。
396:常世の国 7
12/10/25 10:54:40.08 dnQ+tmY/
(これ・・・羞ずかしいけん、いや・・・。)
何度もさせられているけれど、フミエはこのかたちが正直あまり好きではなかった。
そもそも男女の交わりに、さまざまな体位などと言うものがあると言うことさえ、
結婚するまでは知らなかったフミエだった。
正面から抱きあうだけでなく、後ろから、横から、座ったまま向かい合ったり、
茂のあぐらの上に子供のように抱かれたり・・・。なかでも、上になるかたちでは、
自らをつらぬく凶器を自分でなかにおさめなければならないのだ。
閨のことでは、男性に全てをまかせていればいいと思っていたフミエは、最初
このかたちにとても抵抗があったし、今でも慣れてはいなかった。
手を引かれるままに起き上がって、しぶしぶ上になる。大きく開いた両脚の
中心が、痛いほど高ぶってフミエに充足を求めているけれど、すぐにその行為に
うつることはためらわれた。
せめてもの触れ合いが欲しくて、前のめりになって茂に口づける。いとおしげに
頬を手で包み、伸ばされた舌を茂の分身にするように唇をすぼめて愛撫した。
「・・・っふ・・・ぅん・・・んふぅ・・・はぁっ・・・。」
茂が手をまわして抱き寄せ、下から奪う。激しくなる口づけの間にも、いっぱいに
開いた秘裂はだらだらと涙を流しつづけていた。
「・・・んふぁ・・・っは・・・ぁあ!!・・・っ。」
口づけに夢中になっているフミエの、後ろに向けてさらされていた秘裂を、茂が
持ち上げた膝でぐっと衝いた。フミエは悲鳴をあげて頭を上げ、身をよじった。
「・・・ゃっ・・・ぁ・・・ダメッ・・・だ・・・。」
再び唇を奪われて後頭部を押さえつけられ、更に持ち上げた膝で女陰をぐりぐりと
なぶられる。前にも後ろにも逃げようがなくて、フミエはほとんど達きそうなほど
感じていた。
397:常世の国 8
12/10/25 10:55:32.63 dnQ+tmY/
「っ・・・く・・・はぁっ・・・はぁ・・・。」
唇が離れ、茂の胸を涙で濡らして伏せたまま荒い息をついていると、無防備な
秘裂に硬起した男性が押し当てられた。
「ゃっ・・・ぁああ・・・!!」
茂が手で持った自身を、とろとろに溶けたフミエのなかに挿し入れている。フミエの
複雑な花の一片一片が、歓喜にざわつきながら最愛のひとの一部を迎え入れた。
「・・・んっ・・・で、でも・・・うえに・・・なれって・・・。」
それなりに覚悟を決めて上に乗ったのに・・・。フミエがもたもたしていたとは言え、
不意打ちされて、勝手に歓喜に沸く身体をどうすることもできない。
「あんたが、とろくさいけんだ。」
大きな手が臀の肉をつかみ、下に向かってぐいっと押しつけた。
「ゃあっ・・・ダメ・・・そげにしたらっ―――!」
フミエを押し拡げている剛直が、さらに深いところをえぐる。フミエは自分の涙で
しょっぱい胸肌に唇を押しつけ、のどを絞り上げるような喜悦の叫びを塞いだ。
「ぃく・・・も・・・ぃっちゃ・・・う・・・。」
フミエは茂の肩に爪をたて、胸に顔を伏せたまま悦びに身体をふるわせている。
「・・・あんた、そこはとろくさくないんだがな・・・。」
フミエの到達の早さに少し驚きながら、茂はその身体を上に乗せたまま上体を起こし、
背中を抱いて支えてやりながら向かい合った。
「は・・・っん・・・だめっ・・・まだ、なかが・・・。」
斜めに脚を組み合わせたかたちになって、新たな刺激につらぬかれ、まだうごめいて
いるフミエの内部がどよめいた。
「ぃやっ・・・あた・・・っちゃ・・・。」
茂の先端の突き当たるところに、フミエがことのほか歓ぶ場所がある。
「ん・・・?ここか・・・?」
腰をつかまれてぐっと押し当てたまま、がくがくと揺すぶられる。
398:常世の国 9
12/10/25 10:56:20.79 dnQ+tmY/
「んぁぅ・・・だめっ・・・しんじゃ・・・死ん・・・じゃうぅっ・・・!」
フミエが身悶えてのどを反らし、そのまま後ろにくずおれそうになる。
「こら、まだ死ぬな・・・。」
茂が少し笑って、右手でフミエの右手を握った。フミエは左手を後ろにつき、
茂の手をたよりに弓なりに背をそらせた。もはや羞じらいも何もなくなり、腰を
浮かせ、長い髪を振り乱して甘く啼きつづける。
「・・・ゃっ・・・ぁあ・・・!・・・ぁあ・・・んっ・・・!!」
律動的な動きに突き上げられ、フミエも必死で腰を波打たせた。
「んんっ・・・ぁあっ・・・あ・・・ぃ・・・い・・・。」
素直に快感を追って腰を躍らせる妻を、茂はいとおしそうに眺めた。
「んぁっ・・・っく・・・ぃく・・・ぁあ―――!」
後ろに倒れそうになったフミエを、茂は腕で支えてそっと横たえた。びくびくと
ふるえる身体に、いとしい重さがのしかかってくる・・・。その時、フミエの脳裡に、
忘れていたはずのあの顔がよみがえった。
「いやっ・・・!天井が・・・!」
「だら・・・俺の顔だけ見とれ!」
伏せていた目をあげると、フミエをまっすぐにみつめる視線とぶつかった。
「ゃ・・・羞ずか・・・し・・・。」
自分を貫いている男の顔をまじまじと見、見られるのはたまらなく羞ずかしくて、
フミエは目を伏せ、顎をあげようとする茂の手に抗った。
「んんっ・・・ぐ・・・。」
しのごの言わせず唇で唇をふさがれ、舌がしのびこんで来る。上の口も下の口も
とろとろに溶けて、茂にいっぱいに占領されている。自分が、ただ茂を容れるため
だけの器になってしまったような感覚にとらわれる。
「ん・・・んふぅ・・・ぅ・・・んぅ―――!!」
茂の中に絶頂のすべてを吐き出し、フミエは真っ白な世界に旅立った。ひとつに
溶け合った身体のなかに、茂もすべてを解き放って果てた。
399:常世の国 10
12/10/25 10:57:19.49 dnQ+tmY/
「・・・はぁあ・・・。」
法悦のあとの気だるさの中で、フミエは温かい腕の中でたゆたっていた。
「なんだ、大けなため息なんぞついて。」
「こげしとると、安心だなあ・・・って。」
さっきまでの寂しい独り寝とは比べ物にならない、幸福感と安堵感・・・。それなのに、
茂に意外なことを言われて、フミエはギクッとした。
「・・・俺が、お化けだったらどげするんだ?」
自分を抱いている男は、茂の声で話すけれど、その顔は窓のうすあかりからは逆光に
なっていて、全く判別がつかない。茂さえ隣りにいてくれれば、闇を怖いと思ったこと
などなかったフミエなのに・・・。
急に怖くなって、フミエは目の前の真っ黒な顔を両手でさわった。すっと伸びた鼻筋、
男らしい眉毛、滑らかなほお、くすぐったそうにまつ毛が震え、しのび笑いがもれる。
顔が見えなくたって、このひとはこのひとだ。
「・・・そしたら、私もお化けになりますけん。」
フミエはそう言うと、茂の両頬を包んで口づけた。下から伸びてきた腕にぎゅっと
抱きしめられる。肌の下の甘い痺れはいともたやすくよみがえり、フミエは息苦しく
なって茂の胸に頬を寄せた。
「そげだな・・・自分もお化けになってしまえば、こわくなくなるけん。」
フミエがふふふと笑った。暗闇の中で茂とふたり、お化けの夫婦になった気になると、
なんだか楽しくさえなってくる。
「そう言やあんた、さっき『しぬ死ぬ』言うとったなあ・・・。」
ふいに茂がそんなことを言い出した。
「そ、そげに何度も言うとりません!いっかいだけ・・・です。」
行為のさ中に見せた反応や、夢中で口走ったことを、後から言われるのはたまらなく
恥ずかしくて、フミエの頬が熱くなる。
自分がどうなってしまうのかわからない不安と恍惚を表すのには『死ぬ』と言う言葉
しかなかったのだけれど、愛し合う時にそれはふさわしくない言葉だったのだろうか?
400:常世の国 11
12/10/25 10:58:33.43 dnQ+tmY/
「ぁ・・・でも、こげな時に言うたら、いけんだったでしょうか?」
「・・・いや?達く時に『死ぬ』言う女は多いらしいぞ。なるほど、死ぬほど快ければ、
本当に死なんでも魂だけは常世(とこよ)の国に行けるかもしれんな。」
茂がふとそう口にした。それがこのいとしいぬくもりに包まれて沈んでいる闇の底の
ことならば、フミエもそんな気がしてくる。
「常世・・・って、十万億土のことですか?」
「うん・・・そうとも言うな。海の彼方にある理想郷とも言われとるが・・・。」
「子供の頃、お盆にはご先祖様がキュウリの馬に乗って帰ってきて、また十万億土と
いう所に戻っていく・・・とおばばに教わりました。」
「ああ・・・昔はもっと、死が身近なものだったもんだ。」
普通は縁起でもないとされる死の話題だが、茂にとっては妖怪とならんで重要な
研究テーマだった。懐かしそうに、時に嬉しそうに死について語る茂に、フミエも
最初は面食らったものだが、次第に慣れてしまっていた。
「自分とつながる人達がおる所と思えば、なんだか懐かしい気もしますね・・・。」
おばばが教えてくれたあの世の世界に、今はそのおばばもいる・・・いつかは誰もが
行く場所が、やすらかで幸せな世界であるのなら、人は安心して死ねるだろう。
真っ暗な中で死についてあれこれ考えている自分に気づいて、フミエは
(私はほんとに、このひとの女房になったんだなあ・・・。)
と、嬉しいようなおかしいような気持ちで微笑んだ。
「『死ぬ』ことを『逝く』とも言うな・・・。だけん、気がいく時に『死ぬ』と
言うのかもしれん。」
また話がそこに戻って、フミエはまた頬を赤らめた。だが、どうにもならないほど
責め上げられ、追い落とされた瞬間に魂がふわりと浮かぶようなあの感覚・・・
あれはやはり小さな死に似ているかも知れない・・・とフミエは実感した。
「あんた、今日は二度・・・いや三度、死んだな・・・。」
「・・・ゃだ、もう・・・。」
そんなこと、数えないでほしい・・・フミエは燃えるように熱い頬を、冷えだした茂の
胸肌に押しつけて冷やした。
「熱っつい頬べただな。ええ行火(あんか)になるが・・・。」
茂がフミエの頭をぎゅっと抱いて胸に押しつけた。そのこころよい束縛をたのしむ
ように、フミエは目を閉じて深く息を吸い込んだ。
401:名無しさん@ピンキー
12/10/26 19:19:51.69 QQvi3NE4
いつも素敵な作品ありが㌧!!
自分も、フミちゃんって怖がりなイメージあったから
何か良かった
抱きつかれてムラムラしちゃうゲゲも最高でしたw
402:名無しさん@ピンキー
12/10/27 23:25:24.67 5/1xMklF
>>390
GJ!
わざとを期待するゲゲさんがかわいいw
403:名無しさん@ピンキー
12/10/30 22:13:52.47 gcHVPXqn
>>390
GJ!!
次の作品も心待ちしておりますです
404:名無しさん@ピンキー
12/11/02 23:23:39.98 uT4HYUZ9
>>389
384ですが、ほんにだんだん!
こんなに嬉しいことは無いです
GJでした!
405:名無しさん@ピンキー
12/11/10 10:49:59.17 dZm+2/n7
家計簿も終わっちゃったんだね
さびしいなあ…
406:名無しさん@ピンキー
12/11/12 14:07:23.28 GkvnoC/j
本スレにあった脚もみ、イイけど妊娠中なんだよなあ、惜しいww
407:名無しさん@ピンキー
12/11/16 16:43:23.91 RLoqfj4M
>>405
家計簿、おとうちゃんがドラマよりやさしい時があってニヤニヤしたw
単行本楽しみだわ
408:名無しさん@ピンキー
12/11/19 17:58:54.72 r5MRk4O8
フミちゃん中の人のエアコンCM
キレイ可愛い~
あんな瞳をウルウルさせるゲゲは幸せ杉
409:名無しさん@ピンキー
12/11/22 17:57:46.25 sPMVJtzf
いい夫婦の日記念カキコ
>>408
かわいいよねぇ
ゆうちゃんになって綾子さんとイチャイチャしたいと本気で思う事が多々あります…
410:名無しさん@ピンキー
12/11/23 09:27:07.80 H/f52tok
コーセー、JAバンク
新作続けてみれた!
とくにJAはフミちゃんをモチーフにした作りだね
ちょっとどんくさい、でも可愛さMAXな感じ
411:名無しさん@ピンキー
12/11/23 19:03:13.63 4xtzE9eF
>>409
ハゲドウ
あんな可愛い奥さん(彼女)と目いっぱいイチャイチャ出来たら
どんな事でも頑張れるよなあ…
412:名無しさん@ピンキー
12/12/02 23:01:29.04 LBXsKvL1
未放送のエア食事会を観たかった
保守。
413:名無しさん@ピンキー
12/12/04 08:24:39.38 UKFQ48nM
>>412
ふみちゃんがエア食事会でエアあんこでも服に落としてぺろぺろ舐められれば良いよね
エア生クリームが思い浮かんだけど時代的に厳しいっつーw
414:名無しさん@ピンキー
12/12/12 10:43:10.66 rYaZFKoA
もうじきクリスマス…
寒くなるといろんなあったまるシーンを思い出す
415:名無しさん@ピンキー
12/12/18 20:39:42.10 OY+YEDV+
>>414
出産当日の送ってくときとかねー
もうほんとにほんとにかわいい
ああもうまた見たくなってきた!
CS見れない自分が憎い!
416:名無しさん@ピンキー
12/12/24 14:54:33.79 wyrzJveT
投下がないなあ…
職人さんいつでも待ってるよ!
417:名無しさん@ピンキー
12/12/24 22:02:19.72 M3hPHvHn
藍子よっちゃんおめでとう!
418:名無しさん@ピンキー
12/12/27 16:35:26.09 NzwcOvPz
>>416
祐綾のクリスマスを書いてたんだけど、なんか時間がとれなくて
とうとう間に合わず・・・。
『待ってるよ!』なんて言われたらがんばっちゃうかもw
いつ完成するかわからないけど、時期はずれでも良ければ投下します。
419:名無しさん@ピンキー
12/12/27 18:32:29.21 BBDMV2p7
職人さん!
時期とか気にしないで
是非とも首を長くして待ってまーす♪
420:名無しさん@ピンキー
13/01/04 11:06:54.00 N4I58r48
保守
421:名無しさん@ピンキー
13/01/05 15:48:04.11 t5yU39az
JAの新しいCMが髪型のおかげでふみちゃんと綾子さんにしか見えないw
綾子さんはポニテってイメージあるけどこれは多分自分が携帯に保存してて
ちらちら見てるいちせん夫婦の画像がポニテだからなんだろうな…w
おろしてる方が多いもんな
422:名無しさん@ピンキー
13/01/09 19:19:35.88 VuSgpX/7
>>421
リス更新編が神すぎた…
波照間っ♪も可愛いけど
423:名無しさん@ピンキー
13/01/11 19:48:18.62 jnldGRSa
ゲゲがプロダクション立ち上げる時
いそいそと簿記?の本で勉強しようと帰ってきたのに
すっかり置いてきぼりをくらうフミちゃん
可哀想なんだけど、あのシーン好きだったな~
いじらしくて健気で可愛い
鈍感てか
お前は家の事だけやっとればええモードなゲゲも何か好きだw
夜はちょっとだけ拗ねてるフミちゃんと
何の事だかサッパリわかってないゲゲの
お布団の中を妄想してみたりする自分…
424:名無しさん@ピンキー
13/01/12 08:55:26.42 PAYgXX1E
ふみちゃんお誕生日おめでとう!
釣書に書いてあったとは…気づかなかった…
>>423
家の事だけやっとればいいモードいいよね
自分も好きだ
ちょっと拗ねるふみちゃんとわからないゲゲとか…超かわいいww
425:名無しさん@ピンキー
13/01/16 01:56:05.71 jySZrhld
昨日はいちごの日
426:名無しさん@ピンキー
13/01/17 20:31:14.96 Kdcd/POJ
つぶやきサイトでリアル喜子がつぶやいてるリアルおとうちゃんの様子がかわいすぎる
聞いてるのはリアルおかあちゃんなのにうれしそうなのはおとうちゃんってのがもう
427:名無しさん@ピンキー
13/01/24 01:15:24.51 wdScyeRD
ゲゲさんの中の人が今度でる映画に結構なシーンがあるらしいね
いつか見れたらゲゲふみで脳内変換しよう…
428:名無しさん@ピンキー
13/01/25 21:12:08.52 sXPXCNbu
お見合い日記念カキコ!
一目惚れ記念日でもあるよねw
429:名無しさん@ピンキー
13/01/25 23:00:19.72 FrhLbJgk
お見合いシーン好きだ
初めてお互いの顔をみるところ
おずおずと見上げるフミちゃん可愛い
ちょっとピントのズレてるゲゲも一瞬フミちゃんをチラミする辺り
初々しい二人だw
430:名無しさん@ピンキー
13/01/30 01:30:38.44 qev4Swf/
結婚記念日おめでとう!
>>429
かわいいし面白いし、ほんといいよね
431:名無しさん@ピンキー
13/01/30 03:15:42.64 TFuvbzts
おめ!
432:名無しさん@ピンキー
13/01/30 15:51:25.48 Lec52BIh
最近ある対談で読んだんだけど、先生とほぼ同世代・島根出身の絵本作家さん。
やはり東京からとんぼがえりで見合いして、帰りの電車内でどんどん相手を
美化しちゃって、次に会ったらアレ・・・?なんて言ってたけど、本当は
一度で気に入っちゃったってことの、この世代的照れ隠し表現なんだろうなあ…
なんて、ちょっとゲゲふみに応用できないかななんて考えてみたりw
433:名無しさん@ピンキー
13/02/03 10:34:32.22 r0pCppV3
>>432
先生もそうだけどあの時代の男性の照れ隠しってほんとかわいいよねw
434:名無しさん@ピンキー
13/02/07 01:14:39.49 6iLtHMxp
そろそろ深大寺デートあたりだったのね
ようやく名実ともに夫婦に…w
435:名無しさん@ピンキー
13/02/14 11:26:24.84 hv0J47JO
ふみちゃんはきっとバレンタインにチョを、ホワイトデーにはキャンディーをどっちもゲゲさんにあげるんだろうなとニヤニヤする
もし万が一ホワイトデーにゲゲさんから貰ったとしても二人で食べるんだろうな
436:名無しさん@ピンキー
13/02/25 20:42:57.12 dky1EyKP
クリスマスのお話描いてくれてる職人さーん
投下待ってま~す♪
437:名無しさん@ピンキー
13/03/08 14:49:31.81 7FLP4OXU
クリア朝日で晩酌する佐々木夫婦
438:名無しさん@ピンキー
13/03/08 20:09:23.40 3tohqYJk
かわいい~~ひと~
439:名無しさん@ピンキー
13/03/14 11:02:11.88 RK5l+8b1
走れー!とかするゆうあや良いなあ…
ゲゲふみはふみちゃんが足ひねったらおんぶしてもらえるかも!とおもったけど
よく考えたら肩を貸すくらいが限界か…
ゲゲさんの性格でおんぶするってすごいオイシイんだけどなー
440:名無しさん@ピンキー
13/03/14 16:15:43.76 iYbFjxtA
あのCMここ見て作ったとしか思えないw
441:名無しさん@ピンキー
13/03/18 09:30:05.11 COzViTwP
あのCM、「えっちしよ?」に思えて仕方ないんだが!
聞こえるというより思ってしまうというかw
442:名無しさん@ピンキー
13/03/21 10:32:20.63 BTKjfR4E
>>441
ノ
443:名無しさん@ピンキー
13/03/21 11:13:01.50 upykBbD1
CM皆いいね
ただ自分はフミちゃんにしろ綾子ちゃんにしろ「えちは受け身」の方が好きかな!
キャラの性格がおっとりとか若干天然ぽいからイメージだけどw
ゲゲや祐ちゃんに、ちょっと強引に…のが最高!!(あくまでも好みですサーセン)
444:名無しさん@ピンキー
13/03/23 20:07:05.39 Z9FPrikd
自分もそう思う、同意
だが
その超受け身なふみちゃん綾子さんが
超恥ずかしがって超もじもじしながら
小声で耳元にこっそり言ったら…
超萌えると思った
445:名無しさん@ピンキー
13/03/23 23:19:39.84 XjmhF26a
あの…えっち…しよ?
446:名無しさん@ピンキー
13/03/25 02:32:06.39 eCXa0YmB
>>444
もう一晩中寝かせてもらえないだろうなw
447:名無しさん@ピンキー
13/04/03 01:20:59.79 ZllynFfj
>>446
萌え死ぬww
その後綾ちゃんは夕方まで寝ちゃうけど、
祐ちゃんは昼くらいに目が覚めて色々反省しつつも綾ちゃんの寝顔見てニヤニヤして二度寝すればいいよw
ゲゲふみは逆になるかなー
448:名無しさん@ピンキー
13/04/19 23:07:00.60 Vs2F1K+Z
リアルゲゲさんの虫歯疑惑で
今まで虫歯になった事がなかったふみちゃんが結婚後はじめて虫歯になったらとか
つい妄想してしまう
449:名無しさん@ピンキー
13/04/20 09:40:53.23 M6TOzzrA
>>448
実話では、質屋さん、米屋さん、歯医者さんが3大恩人のようですね。
ふむふむ、あらゆる菌を伝染しあう夫婦…いいかも。
さて、遅くなってスミマセン…。今さらですが祐綾。
クリスマスのお話のはずが、書いてるうちに前後のお話もどんどん増殖しちゃって
収拾とれなくなってましたw
あまりにも長いので季節で適当に区切りましたが、つきあい始めてから1年未満の
秋~冬の、綾ちゃんの揺れる想い…というテーマの4連作として投下予定です。
以前に、このふたりの初めて…を書いてくださった作品。
共感できる設定が多くて、いくつかそのまま使わせていただいてる部分があります。
綾ちゃんが見かけによらず可愛い服が好き、とか、綾ちゃんは初めてで、デートの
別れ際、離れたくなくて…みたいなところです。
最初ゆうちゃん呼びじゃなかったとことか、違う設定もありますが、いろいろな
解釈ということでご了承ください。
読んでくださる方がまだいることを祈りつつ…。
あ、言うまでもなく『いちせん』に興味ない方はスルーでお願いします。
450:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋1
13/04/20 09:42:17.43 M6TOzzrA
「…ぁ…ぁっ…はぁ…っ!」
何かすがるものが欲しくて伸ばした指が、まだ乱れていないシーツをむなしく引っかいた。
「っぁ…あ…っ!…ンンッ…ん…。」
激しく首を振って初めてその存在に気づいた枕の端を握り締める。涙に霞む両目には、
自らの白い大腿を押し拡げてその中心を口唇で愛している恋人が映っていた。
「ゆ…いちく…っ…も…っ…!」
名前を呼ばれて、綾子の中心に顔を埋めている祐一がふと顔をあげ、また愛撫に戻った。
この部屋に入ってすぐ、立ったまま唇を奪われ、口づけあいながら服を脱がされた。
ふわりと持ち上げられ、すとんとベッドに下ろされて、息がつまるほど抱きしめられる。
深いキス、素肌と素肌の触れ合い…祐一の指が、唇が触れる場所に熱が生まれ、ただ
祐一だけが綾子の世界のすべてになってしまう…。
そしてふと気づくと、いつしか最も羞ずかしい体勢をとらされ、最も感じる部分に
祐一の舌が分け入っていた。
「ダメ…ぉねがっ…ぁ…ぁああ―――!」
ダメ、ダメと言いながらも、綾子が思わずその部分を突き出してしまうほどソフトに
責めていた舌が、ころあいとばかりぐっと押しつけられた。綾子はせつない悲鳴を
あげて達した。快楽にゆがむ顔を見られない代わりに、祐一は締めつけてくる綾子の
長い脚の慄えをたのしんだ。
端整な顔が近づいてきて、ゆっくりと唇を奪われる。全身の血管がドキドキ脈打って、
シーツの上の身体が持ち上がりそうな錯覚に襲われる。
…ここまで許しているのに、綾子の心臓は片思いの頃のままだ。こんな日が本当に
来るなんて、思ってもみなかった。お互いの視界を独占しあうほどの至近距離で
見つめあい、全てを溶かしあう…その時間が、二年の間仕事中にこっそりと彼を
盗み見て来た時間を超えたなら、もうドキドキしなくても済むようになるのだろうか?
唇が離れ、綾子の目尻ににじんだ涙を祐一の指がすくいとった。もう一度深く口づけ
ながら、祐一が身を沈めてくる。
祐一の存在に身体のすみずみまでも埋め尽くされるこの瞬間、綾子はいつも至福と
恐れと期待の入り混じった圧倒的な感覚に襲われる。そして、その後は胸のドキドキと
いれ代わりに、激流のような快楽にさらわれて、ただ押し流されるがままになって
しまうのだった。
451:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋2
13/04/20 09:43:45.54 M6TOzzrA
(私…しあわせ…だよね?…今…たぶん…。)
自分の部屋のベッドに横たわり、綾子は甘苦しい愛の記憶をよみがえらせていた。
自分の身体が今どうなっているのかわからなくなるほど交わり方を変えられ、
そのつど激しい悦びを刻みつけられた。全てが終わった後、眠りに落ちた綾子を、
祐一は目覚めるまで胸に抱いていてくれた。
…ほんの数時間前、ホテルの素っ気無い真っ白なシーツの上で祐一に愛され、
悦楽に痺れていた身体…今は慣れ親しんだ自分のベッドでひとり、綾子はなかなか
寝つかれず、その身を抱きしめてちいさなため息を吐いた。
二年もの長い間、ずっとずっと好きだった祐一に告白出来たのは、二人がバイトを
止めるその日の、まさに別れ際だった。
出会いはむしろ悪印象。けれど彼の仕事ぶりや隠れた優しさに触れて、次第に
彼のことが気になるようになっていった。スタッフのみならず、客の女性からも秋波を
送られるほどモテる祐一を、時々視界の端でとらえることでせつない胸を慰めていた
日々…。
祐一は大学を、綾子は専門学校を卒業すると同時にアルバイトを止めることになり、
仲間が開いてくれたささやかな送別会。
(もう二度と会えなくなってしまう…!)
明日も仕事だからとさっさと別れて行った祐一を、小雨の中夢中で追いかけた。
振られてもいい、今ここで言わなければ一生後悔する…服や髪が濡れるのもかまわず、
必死で追いついて、これっきりもう会えないなんていやだと言った綾子に、祐一は
「じゃあ、俺たちつきあおっか?」
と明るく言い放った。
あれから半年…。二年間の片思いがウソのように濃密な関係に、綾子は夢のような
幸せと同時に少し戸惑いも感じていた。
(なんか、大人のつきあい過ぎるっていうか…。)
初めて深い関係になったのはつきあい始めて三ヶ月ほど経ったころ。デートの帰り際、
『帰りたくない、帰したくない。』ふたりの気持ちが、口に出さなくても伝わりあって、
なんの心の準備もなくホテルに入った。
意識しすぎて変なテンションの綾子を、祐一はごく自然に、けれど最大限に大切に
導いてくれた。
452:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋3
13/04/20 09:45:01.85 M6TOzzrA
それから五ヶ月が過ぎ、今は秋。まだまだ社会人見習いのようなふたりは、仕事を
覚えるのが精一杯の毎日だ。そんな中、なんとか時間をみつけてはデートを重ねて
来たけれど…。
(私は…そんなに毎回、ホテル行かなくってもいいんだけどなぁ…。)
平日、仕事の後の夕食だけのデートでも、最後は必ずベッド…というのがお決まりの
コースのようになってしまっている。
(最近、自分で自分がわからないっていうか…。)
最初の頃は、緊張と幸福感で、自分が何をされているのかすら正確にはわからないと
言う感じだった。けれど最近では、祐一に次々と仕掛けられる初めての愛の行為が、
羞ずかしすぎるのと…
(き、気持ち…快すぎて…。)
最初の頃とは違う意味で、自分で自分を制御できない。綾子がまだ慣れていない頃は
手加減してくれていたのだろうけれど、今はもう、抱かれるたび啼かされつくし、
奪いつくされずには済まないのだった。
普通にデートしている分には、3歳の年の差もあまり感じずにつきあえている。
というか、つきあい始めの頃バイトの時の延長で『佐々木さん』と呼んでいたら、
祐一に『恋人どうしって感じがしない。』と文句を言われて『祐一くん』に変えた
くらいで、普段は全然対等な感じなのだけれど…。
(ベッドだと、全面降伏…って感じになっちゃうんだよね…。)
最初のときから、祐一は一貫して優しくて、自然で、戸惑いがちな綾子を上手にリード
してくれている。でもそれは、いつも彼のペースに乗せられて、何がなんだかわからない
うちにかなり羞ずかしい姿態をさらさせられることにもなるわけで…。
(特に…あの…なんかもぅ…羞ずかしすぎ…。)
祐一が口唇で綾子を愛するあの行為…思い出すだけで、うなじをざわりとしたものが
奔り抜ける。
(私…主体性なさすぎっていうか…いいのかな?こんなんで…。)
普通、恋愛において男性がうまくリードしてくれるというのは理想的なことのはずだ。
けれど、自分の場合、祐一に主導権を握られすぎなのではないか…特にベッドにおいて。
なんだか祐一に会っている時間の半分以上は裸で過ごしているような気がする
今日このごろ…半年前までは無垢だった綾子が思い乱れるのも無理はないことだった。
(もぉ…こんなことばっかり考えてないで、眠らなきゃ…明日も会社だもん。)
綾子は考え事を頭から振り払うようにベッドの中で体勢を変えた。甘くせつない記憶に
うっとりしたり胸苦しくなったり、かと思えば、祐一との蜜愛にただ翻弄されるばかりの
自分が不安でたまらなくなったり…まことに忙しい独りのときの綾子だった。
453:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋4
13/04/20 09:46:14.49 M6TOzzrA
「わあ、これ可愛い…!」
会社帰りにふと立ち寄ったファッションビルの下着売り場。綾子が思わず手にとった
のは、サーモンピンクの地にココアブラウンのレースとリボンがついたキャミソール。
(うわ…でも、下、これかぁ…。)
それとセットになったショーツは、腰の横でひもで結ぶようになっている、最低限の
部分しか隠せない布切れのような代物だった。
(ちょっと…これはね。あはは…。)
綾子はそのセットのかかったハンガーを戻すと、別の下着を手に取った。
(いい色…これも素敵。)
青みの強いラベンダー色の揃いのブラジャーとショーツ。試着してみると、綾子の
肌のいろによく映えて体型をひきたて、着けるだけで優雅な気分になった。うっとり
するような手触りの生地に、品よくあしらわれたレースもかなり上質のものらしい。
(これイイ!けど…た、高価いな…。)
値段も上質だ…。綾子の頭の中で計算が始まる。
「え~い。買っちゃお!」
綾子は意を決したようにレジへと向かった。
日ごろ堅実な綾子だけれど、仕事がハードになるにつれてこんなささやかな贅沢が
ストレス解消になっていた。
あるプロジェクトが、納期を直前にして全面的に見直しとなったおかげで、この
一週間というもの残業につづく残業だった。しまいには土日連続で休日出勤を余儀
なくされ、やっと間に合わせることができた。さすがに関わった全員が交代で代休を
とることになり、綾子は迷わず祐一の店の定休日を選んだ。
ハードなこの一週間の代償は、残業手当と休出手当…それに思わぬ休日。ぽっかりと
空いたその1日に、祐一を誘った。
そして…この優美な蒼い下着を着けて祐一の前に立つ時のことを思うと、綾子の胸は
妖しくときめいた。
「あ~…いいお天気!」
展覧会を見終わった後、綾子と祐一は、美術館の敷地内の広い芝生の上に座って、
買ってきたランチボックスでお昼にしていた。
今日のデートは綾子が企画したもので、気になるアーティストの作品を見た後は、
都心とは思えないこの庭でランチを食べようと決めていた。
454:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋5
13/04/20 09:47:52.73 M6TOzzrA
「あ…でも祐一くん、退屈じゃなかった?ごめんね。日本画なんて興味なかったかも。」
図版でしか見たことのなかった作品の大群に出会ううち、綾子はつい祐一の存在を
忘れてしまうほど見入っていた。
「え…そんなことない、すごく見ごたえあったよ。綾子は前からこのヒト知ってたの?」
「うん…。わりと商業ベースにのってる人だし、仕事がらね。」
「そっか。綾子は広告会社だもんな。仕事にも役立てられるよね。」
「いや~、ウチは弱小だから、こんなすごい仕事には縁がないよ。でも、いつでも
アンテナは張っておきたいもんね。」
「俺もさ…せんべいなんて昔からあるもんだけど、だからって何もしないでいるのは
いやなんだ。だからいいモノ見れてよかったよ…ありがとな、綾子。」
今日は綾子の趣味につきあってくれただけだと思っていたのに…。
(祐一くんって、めったに誉めてくれないけど、誉める時はすごく的確に誉めて
くれるんだよね…。)
ここのところずっと仕事が忙しくて、慌しいデートが続いていた。のぼせあがったり、
落ち込んだり、彼のよさを落ち着いて思い出しもせず、ひとりできりきり舞いしていた
自分が恥ずかしくなる。
「綾子、ピクニックする気まんまんだったみたいだね。」
今日の綾子は、座りやすいコットンのロングスカートに暖かそうなケープをまとい、
かごバッグからはビニールシートまで出てくる周到さだった。
「えへへ…先週、仕事で大変だったから、お日様の下でのんびりしたかったんだ。」
レモネードをひと口飲んですっぱい顔をする綾子を、祐一はまぶしげにみつめた。
「じゃあ、今日は健康的に過ごしますか…。」
「ぇ…。」
ストローをくわえたまま、綾子が固まった。思わずまわりを気にして見回す。
場所を選ばずにセクシャルな言葉をささやいて綾子をあわてさせるのは、いつもの
意地悪…そう思ったのに、祐一は意外や少し不安げで真剣なまなざしで綾子を見ていた。
「ど、どういう意味…?」
「この後、買い物でもして、お茶飲んで…明日も仕事だから早く帰る、とか。
もし綾子が…その、疲れてるんなら…。」
この1週間がいかにハードだったか、綾子はさんざん祐一にこぼしてしまっていた。
会うたびにホテルに行かなくてもいいのに、と思っていたくせに、綾子は急に
さびしくなる。
「…そんなに早く帰らなくても、いいよ…。」
思わず言ってしまって、目を伏せる。眼球を冷たく感じるほどまぶたが熱くなっていた。
祐一が、何も言わずにぎゅっと綾子の手を握った。
455:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋6
13/04/20 09:51:16.00 M6TOzzrA
「いい…お天気だね。」
さっきの芝生の上とはうってかわった調子で綾子が窓の外を見た。昨日の雨に洗われた
緑が、群青色の空に映えてまぶしい。
「…いいお天気すぎる?」
祐一がペリエの壜に口をつけながら隣りに立った。先ほどの会話から一時間も経って
いないのに、ふたりはもう美術館からさほど離れていないホテルの一室にいた。
「あ…明る過ぎるよ。」
綾子が遮光カーテンの紐に伸ばした手を、祐一がさえぎった。
「ダメ。明るいところで綾子を見てみたいから。」
ペリエをぐっとあおって綾子に口づける。シュワシュワとした水が流れ込んでくる。
こくんと飲み下す可愛い喉の動きにかきたてられるように深くむさぼる。
「んんっ…ゃ…だ…はずか…し…。」
くず折れてしまいそうなキスをされながら、着ているものが剥ぎ落とされていく。
「まっ…って、あ、汗、かいたからっ…。」
ベッドへ直行されそうになって、綾子は必死でシャワーを浴びることを求めた。
ようやく離してもらって、祐一が服を脱ぐ間にバスルームに飛び込んだ。祐一が遅れて
入ってきて、しかたなく一緒にシャワーを浴びる。
「もうきれいになっただろ?だいたい綾子なんて洗わなくたってきれいなんだから!」
キュッとシャワーを止め、さっさと身体を拭いた祐一が、もたもたしている綾子の
身体をゴシゴシ拭いて、拉するようにしてベッドへ戻った。
「ん…っふ…んゃんっ…!」
ベッドに座るか座らないかのうちに唇を奪われ、抱き倒される。仰向けになった綾子の
瞳に、どこまでも蒼い空が映っていた。
「ン…ぁ…はぁ…んん…っ。」
肩をギュッと抱き寄せられ、感覚の狭まった双つの尖りを祐一の長い指がとらえて
弄っている。むずがゆいような心地よさにあえぐ唇をふさがれて、深くむさぼられる。
もう片方の手が両脚の間に差し込まれ、いちばん長い指がいきなり核心をとらえた。
息を呑んで身を硬くした綾子が、思わずいたずらな指を止めようとした手を
とらえられ、硬度を増しつつある雄根に導かれた。
「はぁ…は…ぁあ…ぁ…。」
なんだかもう、急所を全部押さえられ、後は祐一の思いのまま、あえぎ続けるしか
ないという感じだ。またこのまま達かされて、今この手の中で勢いを増しつつある
凶器に貫かれ、何もかもわからなくなってしまうのか…。
456:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋7
13/04/20 09:52:38.91 M6TOzzrA
「ゃはぁっ…んっ…!」
秘蕾を苛んでいた指が急に引き抜かれ、綾子は小さな悲鳴をあげて慄いた。足首を
つかまれて、ズキズキと疼くように熱くなっている秘所がさらされる。
「ま…待って…!!」
今にもその中心に口づけようと顔を寄せていた祐一が、いぶかしげに顔を上げた。
「き…聞きたいことがあるの…。」
「フツー、このタイミングで聞くかぁ?」
祐一はあきれ顔で、綾子の足首をつかんで押し拡げたままだ。
「は、離して…。」
「あ、ごめん。」
祐一が手を離すと、綾子はあわてて脚を閉じた。
「聞きたいことって…なに?っていうか、綾子…もしかしてコレいやだった?」
祐一が心配そうに顔を近づけてくる。綾子は安心させるように彼の背に腕を回した。
「私がいたくないように…なの?」
彼の顔を見なくて済むのをありがたく思いながら、綾子は祐一の耳にささやいた。
「え…?」
「最初の時…も、してくれたよね?その…。」
その名を知らないわけではないけれど、口に出すのは羞ずかしくて口ごもった。
「ああ…。前はそれも大きかったかな。綾子のことも快くしてあげたかったし。
女の人って、最初から快いってわけにいかないみたいだから。でも今は、自分の
ためってのが大きいよ。」
祐一は綾子と向かい合いになって、頭の下に腕を入れて腕枕をしてくれた。
いったん行為を中断して、綾子の言い分をしっかり聞いてくれようと言う態度だった。
「え…だって、祐一くんが気持ちいいわけじゃないでしょ?」
「…バッカだな~。綾子って、男なんて自分が挿入れて射精せば気持ちいいんでしょ
とか思ってんの?」
真っ赤になって絶句した綾子にかまわず、祐一はすごいことを言い続ける。
「使えるとこ全部使って、あやのこと感じつくしたいんだよ…。これ、すっげ興奮
するって知らないの?」
綾子を蕩かせ、達きやすくさせるため…それくらいにしか思っていなかった行為を、
祐一が純粋に楽しんでいたなんて…意外な答えに、綾子はどう返していいかわからない。
「あやが感じてるの見るのもうれしいしさ…。で、ものは相談だけど、俺の気持ち、
わかってみない?」
457:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋8
13/04/20 10:23:19.96 tr4SOXb5
「…は?」
祐一はポカンとしている綾子にかまわず一人起き上がってベッドのふちに腰掛けた。
「…こっち来て。」
綾子はわけもわからず起き上がって祐一の横に座った。祐一は綾子を抱きしめて
ひとつキスをすると、肩を押してベッドを降りるようにうながした。導かれるまま
祐一の前に立つと、肩を押し下げられてひざまずいた。
「……キスしてみる?」
少し拡げられた両脚の間に、祐一の分身が少し角度を持って揺れている。綾子は、
こういう行為が存在することを頭では知っていても、自分がそれをするなんて考えて
みたことも無かった。
「あ…ごめん。イヤだったらもちろんしなくていいんだよ。」
ヘビに睨まれた蛙のように硬直してしまった綾子に、祐一はしまったという顔をして、
肩を抱いて立ち上がらせようとした。
「ううん…そうじゃないの。ただ私…くやしかったの。」
「え…何が?」
「これが、自分が思いついたんじゃないってことが…。なんで気がつかなかったんだろ?
私でも祐一くんのためにしてあげられることがあるって。」
綾子は脚の間にしっかりと座り直すと、祐一を見上げた。
「どう…すればいいの?」
「や…あの…そだな…俺がいつもあやにしてるみたいに、してみたら?」
綾子は祐一の両脚の間にもっと深く身体を入れ、その真ん中に勃ちあがっている
ものを両手で包んで口づけた…けれど、そこから先、どうしたらいいかわからない。
いつもしているみたいに…と言われても、男と女では構造が違う。
『使えるとこ全部使って、あやのこと感じつくしたいんだよ…。』
祐一の言葉がよみがえる。綾子は両手で包んだものに、そっと頬を押し当てた。
温かくて、すべすべしていて、綾子の手の中で息づいている小さな生き物のような
それは、見ようによっては可愛くて、綾子が欲しくてこんなに大きくなっているのだ
と思うと、ざわりとこみあげる情欲に、胸が灼けてしまいそうなほど愛しい。
458:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋9
13/04/20 10:24:39.25 tr4SOXb5
頬から離したそれを正面に据えて、手を離した。根元から始めて、竿全体を
ところかまわず口づける。支えを失った屹立が、綾子の顔にぶつかりながら揺れた。
先端まで到達してしまうと、縫い目が集結したような面白い形をした部分を、
突き出した舌でちょん、とつついた。
「…っ!」
祐一がちょっと身じろいだのが、気配でわかる。
手を添えて、もう少し大胆に舌を拡げ、筒の部分を舐めあげる。先端のくびれまで
達すると、カリの下に沿ってぐるりと舌を這わせた。
「舐めるのはそれくらいにして…くわえて。」
指示する声が、少しうわずっている気がして、ドキドキする。綾子は舌の動きを
止めると、おそるおそる口を開けて先端をちょっとだけふくんだ。
「…もっと、深く。」
祐一が励ますように綾子の髪を撫でる。水に飛び込む前のように深呼吸してから、
大きく口を開けて、思い切り奥まで呑み込んだ。
「…んぐっ…ぇは…ぅ…っ!!」
上口蓋の奥のほうに先端があたって、えずきそうになる。
あわてて口から出し、むせている綾子を、祐一が心配そうにのぞきこんだ。
「大丈夫…?苦しかったら、やめていいんだよ?」
ちょっと涙目になりながら、綾子は首を横に振って、再び屹立を包みこんだ。
苦しくならずに深く呑み込める角度を、ゆっくりとさぐっていく。もうこれ以上
無理というところまで深めてから、途中まで引き出して、また挿入れていく…。
逞しく張りつめた雄根は口径をいっぱいに占め、唇が表皮をずらしながら上下した。
「ん…きもち…い…。」
祐一が、綾子の髪に指を差し入れて、いとおしむように何度も梳いた。
引き出してはまた呑み込む動きが、綾子を愛してくれる時の祐一の動きにかさなる。
ひとつの淫らな器官になり果てた感覚に理性は痺れ、綾子はくるおしい反復運動を
繰り返した。
459:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋10
13/04/20 10:25:58.44 tr4SOXb5
「あ…や。ちょっと、ストップ。」
夢中になっていた綾子が、ハッとして動きを止めた。何かまちがっていたのだろうか…?
「あんまり刺激されると、射精(で)ちゃうからさ。…もう、にじんでるだろ?」
おずおずと口から出してみると、たしかに先端の切れ目に透明なしずくが浮かんでいる。
(男の人でも、感じると濡れるんだ…。)
自分の行為で祐一が昂ぶっている、その事実だけで綾子も蕩けていく。
「で…ちゃっても、いいよ。祐一くんだって、私のこと…い、達かせてくれるじゃない?」
「バッ…射精(で)たやつ、どうすんだよ!あやにそんなこと、させられないだろ?」
祐一がうろたえて、少し赤くなった。
(可愛い…!)
いつも綾子より冷静で、ちょっと意地悪な時もある祐一が、ごくたまに狼狽した表情を
見せてくれると、綾子はちょっと安心して、より深く彼が好きになれる気がした。
もっと感じさせて、慌てる彼を見てみたい。そう思ったけれど…、
「これはあくまでも前戯!男は一度達っちゃうと、すぐもう一度ってわけには
いかないんだからさ。」
祐一はもうそれ以上はさせてくれないらしく、両膝の間に座ったままの綾子の肩を
抱いて引き上げようとした。綾子は名残惜しそうに、露をたたえた先端に口づけてから
ベッドに戻った。
「…俺の気持ち、少しはわかった?」
抱きしめながら、祐一がささやく。
「うん…。」
好きなひとのことを、身体の一部だけではなくて、全身で感じたい。そして、相手も
感じてくれていることを知るよろこび…。
「ふふ…祐一くん、可愛かったなあ…。」
「バ…おま、何言って…!」
祐一がまた赤くなった。綾子は笑いをこらえることが出来なかった。
460:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋11
13/04/20 10:27:13.65 tr4SOXb5
「いいよ。じゃあ、お返ししてやる!」
「きゃあ…!」
綾子を押し倒し、両脚をぐいと拡げて顔を寄せたのに、祐一はなかなか愛撫を始めよう
としなかった。
「あや…すっご、びしょびしょ…そんなに興奮した?」
自分で確かめさせられ、羞ずかしがって引っ込めようとした手をのがさず見せつける。
糸を引く粘液を塗りつけた乳首を、祐一が弄りはじめた。
「挿入れてほしい…?でも、今挿入れるとすぐ達っちゃいそうだ…。」
両の乳房を包んだ手の、親指だけが突端の紅い実をくりくりと転がしている。開かれた
まま放置された秘裂が、熱を持って涙を流しつづける。
「…ゃ…ぁあっ…ぁ…あ――っ!」
膝の裏側を押されて赤ちゃんのように臀を持ち上げられ、疼いている核そのものに
唇が押しつけられた。ずちゅ、ちゅ、と音を立てて啜られ、何も考えられなくなる。
舌が信じられないほどの深みへ分け入ってきた。
「ひゃあ。」とか「んはぅ。」とか、ヘンな声が出てしまう。気まぐれな舌を追って
持ち上がる腰を、下からささげるようにして、祐一が食らいついた。
「ひ…ゃ…っぁ…ぁああ――!」
自分で自分の悲鳴が聞こえないほどの惑溺にたたき落とされ、綾子は真っ白な世界に
墜ちていった。
「…あや!…あや、大丈夫?」
ふと目を開けると、祐一が顔をのぞきこんでいる。心配そうなそのまなざしが、泣きたい
ほどいとおしい。
深い眸のいろに吸い寄せられるように祐一の唇がかさなる。きつく抱きしめあいながら、
ふたりは想いを伝えあうような口づけを繰り返した。
「あや…いい?」
「ん…。」
羞ずかしそうに綾子がうなずいた。このままの体勢で綾子の中に沈んできてくれれば
いいのに、抱き起こされて背を向けさせられる。
461:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋12
13/04/20 10:28:31.93 tr4SOXb5
「ゆ…ういち…くん?」
ひざ立ちするようにうながされ、その膝の間に足を差し入れて割り拡げられる。
「…ゃっ…ぁ、あっ…!」
後ろから秘裂に先端が含ませられ、内腿をつかんで押し下げられた。
「ぁあ…ぁ…あ…んはぁっ…!」
ぬく…くっときしみながら挿入っていく祐一のかたちを、強烈に意識させられながら
占められていく。
「あやが好きな体位じゃないって、知ってるけどさ…。」
「ゃっ…んぁっ…ん…。」
つらぬいたまま、内腿に手を添えて腰を上げると、綾子は押し出される格好で前に
手をついて四つん這いになった。
「これはこれで、利点もあるんだよ。」
祐一の指が乳首をさいなみ、とろとろの花びらをかきまわして、ぬるんと前にすべった。
「ひぁんっ…ダ、ダメッ…!!」
綾子の指が、すがるものを求めてシーツをかきむしる。
「両手が使えるし、ね…。」
そう言いながら、両手で綾子の腰骨をつかんで、思い切り腰をひく。複雑な内部を
こすりながら引き抜き、収縮する肉襞をまた容赦なく貫く。
何度か繰り返すうち、甘美な責め苦のリズムに合わせて綾子の腰はせつなく揺れ、
喉からはかすれた嗚咽が漏れ始めた。
「すごく…いい声だよ。もっと聞かせて…。」
囁きながら、綾子の背にぴったりと覆いかぶさり、前に手をまわして熱くとろける
花芯に指をからめた。開かせてあった綾子の脚を、自分の両膝ではさんで閉じさせ、
ゆっくりと揺らし始める。
「ぁあ…ん…ゃぁっ…ぃく…ぃっちゃうっ―!」
いっぱいに満たされた秘口がずくずくと疼き、逃れられない喜悦が絶え間なく
流れ込んで、綾子を袋小路に追いつめる。腰から下が溶け落ちるような快美に、
綾子はただ『いく、いく。』と繰り返すことしか出来なかった。
「いいよ…いっちゃって…。」
ベッドカバーを探しあててつかみしめている綾子の手に手を重ね、指をからめてやる。
花唇に沈めた指をやさしく前後させながら、つよく腰を震わせると、綾子はのどを
絞るような声をあげ、祐一の指を締めつけて果てた。
462:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋13
13/04/20 10:29:51.99 tr4SOXb5
「はっ…はぁ…っん…。」
びくびくと慄える身体を持ち上げて、最初の体勢に戻る。ぐったりと背をもたせ
かける綾子の、しっとり潤った肌を心地よく感じながら、息がととのうのを待つ。
「あやってさ…素質、あるんじゃないかな?」
「?…はぁ…は…っん…はぁ…。」
返事も出来ない綾子の髪をかき分けて口づけ、甘い汗の香りを吸いこんだ。
「後ろからイけるようになれば、どんなカッコでもイけるらしいよ。」
素質…って、何の素質なのかわからないまま、綾子は、それが祐一の恋人として
ふさわしい素質ならいいな、と痺れる頭で考えていた。
「俺もイきたくなってきた…。あや、いっしょにイこ。」
一緒に達こう、と耳に囁かれただけで、背筋をぞくぞくと戦慄が走り抜ける。
振り向いて求める唇を甘くとらえられ、深いキスに溺れていると、
「ゃ…はなれ…ないで…っ!」
唇を離し、後ろに倒れてしまった祐一に、綾子が抗議の声をあげた。
「俺のために何かしてあげたいって、言ってただろ?」
片手をついて少し上体を起こし、もう片方の手で綾子の大腿に手を添えてやりながら、
腰を持ちあげてすとん、と落とす。
「んぁっ…っは…ぁんっ…!」
つらぬかれたまま、祐一の上にしゃがんでいるような格好が羞ずかしくて、綾子は
膝をついて崩れた正座のような体勢になった。
「そうそう…膝ついて、自分で動いてみ。」
綾子の体勢が安定したのを見て、祐一は両手を後ろについて大きく腰を上下した。
荒馬に乗せられたように上げては落とされ、綾子は次第に自らの腰でそのリズムを
なぞり始めた。
「…んくぅ…ンッ…っはぁんっ…。」
綾子の左手を右手でつかんで、祐一が何度も下から強く突き上げる。
「ゆう…ち、くんっ…!」
綾子が涙でいっぱいの目で振り返る。抱きとめて、綾子の指に指をからめる。
「いっしょに…いこ。」
からめた指を、蜜まみれの花蕾に押し当て、ふたり一緒に揺れる。
「ゃはぁっ…っん…も…ぃく―――!」
祐一を呑みこんでいる蜜壷が、歓喜の脈動を伝える。綾子を守る膜の内側に、祐一も
熱い精を放った。
463:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋14
13/04/20 10:31:15.08 tr4SOXb5
「あやって、さ…。」
なかば気を失っていたのか、綾子がふと気づくと後ろから祐一に抱かれたまま、
ベッドに横になっていた。
「いつまで経っても『祐一くん』なのな…。」
綾子の髪をいじりながら、祐一が何か言っている。綾子が彼を呼ぶ時の呼び名のこと
らしい…絶頂に痺れた感覚が、徐々に戻ってくる。
(男のひとって…終わったらすぐ平常に戻っちゃうのかな…。)
たいして時間は経っていないらしく、まだ勢いを失っていない祐一が内部に留まった
ままなのを感じる。祐一が膜のなかに放ったものが、たぷんと動く感覚さえ覚えて、
綾子はぞくぞくと肌を粟立たせた。
「もっとくだけた言い方ないの?『ゆういち』とか『ゆうちゃん』とかさ…。」
祐一はかまわず話し続けている。
「え…だって、『祐一くん』って言うのにやっと慣れたとこなのに…。」
綾子は甘い余韻にふるえる声をなんとか励まして答えた。
「綾子って割と古風なのな…『佐々木さん』とか、どんだけ他人行儀なんだっつーの。」
バイト時代の延長の呼び方は、つきあい出した当初から早速ダメ出しされていた。
「よ、呼び捨てとか…なんか抵抗ある…。」
「ふぅん…じゃ『ゆうちゃん』一択で決まりな!」
「ぇ…ぇえっ?」
「だって、イく時名前呼んでほしいじゃん。」
びくり…綾子の中の何かが強烈に反応した。
「ぅお…なんか、今…絞まった?」
「ち、ちがっ…んっ…!」
うろたえて振り向こうとする綾子の脚に脚をからめ、唇をかさねる。深く奪われながら
ずるりと引き抜かれ、合わさった口の中に綾子が小さな悲鳴をあげた。
「…あやが励ましてくれたら、2回目いけるかもしんないよ?」
自分の後始末をしている祐一から羞ずかしそうに目をそらしていた綾子を、祐一が
後ろから抱きしめてささやいた。
「まだ時間あるし…またしばらく会えないから、さ。」
驚く綾子の膝の裏側に手を回し、後ろ向きのまま自分の上に乗せて横になってしまう。
やさしくうながされ、綾子は自然に目の前の雄根に口づけた。
今の今まで綾子の中で暴れていたのが嘘のようにやわらかく頭を下げているそれを、
綾子はいとおしい想いで指で支え、口に含んで舌でねぶった。
464:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋15
13/04/20 10:32:23.28 tr4SOXb5
「んん…。」
寝そべって綾子に身をまかせていた祐一が、身じろいで大腿に力を入れた。口の中の
ものが少し芯を持ち、さっきより質量を増す。
「…んゃんっ…!」
祐一に向けている双丘を持ち上げられ、綾子が思わず愛していたものを口から出した。
「ひどいよ、あや…途中でやめるなんて。」
少し笑いを含んだ祐一の抗議の声に、綾子は愛撫に戻ったが、
「んはぁ…っゃあん…っ!」
いきなり長い指が差し込まれ、我慢できなくてまた吐き出してしまった。
「こっちにも、欲しそうだったからさ…。」
もう一方の指が秘蕾を弄りはじめる。祐一の顔のすぐ前に秘所をさらしてしまって
いるのがわかっていても、腰が揺れるのをどうすることもできない。
「んゃっ…ぅあん…っんん…っ!」
なかに挿入れた指が折られ、腹側に近い奥を探られる。もどかしさに、つい自ら快い
場所を指にこすりつけてしまう。
「ここ…?」
「んふぁ…んぁ…っふ…ぁあ…。」
目の前の屹立は、もう口におさめられる自信がないほど張り詰めている。綾子は
熱く息づくそれを、夢中で舐めしゃぶった。
「…ん…っゃは…ぁあ―――っ!」
祐一の指が、綾子の最弱の部分を同時にふたつ、容赦なく責めつくす。到達の予感に、
綾子は大切なものを傷つけるのを恐れて口から離し、全身をつらぬく絶頂感に身を委ねた。
「…ん…ふぁ……ぁんっ…。」
真っ白い世界から、ふっと戻ると、祐一が見下ろしている。いとおしげに綾子を
みつめる瞳に射抜かれていると、身体の中心を驚くほどスムーズに貫かれた。
「なんていうか、しっくりくる…。あやのなか…すごくイイよ。」
ゆっくりと時間をかけて愛し合ったおかげで、身体がやわらかくほぐれているの
だろうか。祐一の言うとおり、いつものようなくるおしい感覚に見舞われずに彼を
迎え入れている内部が、しっくりとひとつに溶け合って…。
(本当に、おたがいのために在るふたりって感じがする…。)
あまりに強い悦楽に、まだ痺れているせいなのか…。綾子は、まだ鋭い快感の襲って
こない、緩慢な幸福感のなかにただよっていた。
「ゆうい…ぁ、ゆう…ちゃん。」
しあわせそうに彼の背に腕をまわし、思い切り抱きついた。
「あやはやっぱり、このかたちが好きなんだな…。」
祐一がゆっくりと腰を回転させる。綾子のなかのものが、存在を主張しはじめる。
465:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋16
13/04/20 10:47:27.97 tr4SOXb5
「…ぁ…ぃ、い…ぁあ…ゆう、ちゃん…。」
甘くせつなく、祐一の名を呼ぶ声が、次第に切迫してくる。背中からはずれて、
ピローをつかんだ手を頭上に縫いとめ、激しく突き上げ、揺さぶる。
「…ぃ…ぁあ…ぃく…ぃ…っちゃ…ぁあ―――!」」
軽い束縛を解かれ、しがみついてくる綾子の、びくびくと震える身体をぎゅっと
抱きしめながら、祐一も情熱をほとばしらせた。
「やだ…返して。」
ようやく起き上がった綾子が、シーツで身体を覆いながら下着を拾おうとして、
横からひょいと祐一に取りあげられた。
「綾子って、いつも可愛いのしてるよな。」
祐一が、ラベンダー色のセットを感心したように両手で拡げて観察している。
「もぉ…そんなにしげしげと見ないで。」
そう言いながら、綾子はちょっと嬉しかった。
「こういうのって高価いんじゃないの?」
「う、うん…仕事が忙しすぎると、反動でつい買っちゃうんだよね。」
「なぁんだ…俺のためじゃないんだ。ストレス解消ってわけか。」
「え…そ、それだけじゃないよ。もちろん、ゆうい…ぇと、ゆうちゃんに、
綺麗だなって思って欲しいから…。」
いつもはとても羞ずかしくて言えないことも、身も心もしっくりと溶けあった後は、
なぜかすらりと口をついて出てしまう。
「じゃあさ…次はもっとエロいのにしてよ。…ガーターとか、ひもパンとかさ。」
祐一がニヤッと笑ってセットを手渡した。綾子は真っ赤になる。
「そ…そんなの、羞ずかしいよ!」
「いいじゃん。見るの俺だけだし。それに…。」
ブラのひもに腕をとおした綾子をの胸を、また後ろから掌で包み、耳元で囁く。
「俺も毎日いっぱいいっぱいだからさ…綾子に会えるのだけが楽しみなんだ。」
「ゆうちゃん…。」
「ま、綾子がどんな下着つけてるかなんて、気づく余裕ない時も多いけどさ。」
身に着けているものも目に入らないほど性急に剥ぎ取られ、求められる時もある…
そんな記憶がよみがえり、綾子はますます赤くなった。
「綾子、なんか身体が熱いよ…。またエロい気分になっちゃった?」
ふくらみを包んだ両手の、ひとさし指だけが尖りをくりくりと弄る。
466:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋17
13/04/20 10:48:34.49 tr4SOXb5
「や…めて。ゅうちゃっ…ゆうちゃんってば…!」
「いいな…それ。もっと呼んで。」
祐一の舌が耳殻に差し込まれ、熱い息がかかる。綾子は甘い痺れに身をまかせ
ながら、せつない声で恋人の名を呼びつづけた。
「冬になったらさ、スキー行かない?…泊まりで。」
白いシーツにしどけなく横たわる、蒼い下着だけを身に着けた綾子を、祐一は
夢見るようなまなざしで見つめている。
「え…う、うん。」
「泊まりって…やっぱ無理かな?」
「ううん、大丈夫…。てか楽しみ…!」
祐一はうれしそうに綾子の細い身体を抱きしめた。激しい愛を交わしあった後、
乱れた褥の上で甘だるい身体を寄せ合う幸せに綾子は酔った。
祐一と雪山で過ごす一夜…その頃には、いちいちドギマギしなくてもすむように
なっているだろうか?綾子はふと考える。
今夜、いつものようにただ与えられ、そして奪われるだけではなくて、自分の頭で
考えて祐一に悦びを与えることができたことに、綾子は小さな満足を覚えていた。
(私だって、ゆうちゃんをドキドキさせることが出来る…!)
どうしたって綾子のほうが翻弄されてしまう立場なのはしかたないけれど、あの時に
名前を呼んでほしいとか、エロい下着をつけてほしいとか…。
(もぉ…可愛いすぎ…!)
大人と子供くらいの差だったのが、少し縮まったようで嬉しくなる。
(でも、やっぱりこっちがドキドキさせられることの方が多いんだろうなあ…。)
それでもいい、いやその方がいいと思った。いつまでも祐一にドキドキしていたい。
そして、祐一はこれからも期待にたがわず綾子をドキドキさせ続けるだろう…
そんな予感がしていた。
「なに綾子、ニヤニヤして…。やらしいこと考えてただろ?」
「なっ…!も、もぉ、ゆうちゃんったら!」
あわてふためいて伸ばした手で、綾子はとっさに祐一の目を覆ってしまった。
その手をとってやさしく指をからめた祐一が、ゆっくりと口づけてくる。
秋の陽射しは早くも傾き、空の色が深まっていた。カーテンを開け放した部屋の
中に、日の翳りがしのびこんで来る。
別れの時間が迫るまでのつかのま、ふたりは深い愛の淵にとろりと沈んだ。
467:名無しさん@ピンキー
13/04/20 23:29:38.45 ZhpOR+tI
ずっと待っていました♪
職人さんありがとうございます!!
あなたの描く綾ちゃんもフミちゃんも、とにかく可愛くて健気で
自分の中のイメージとぴったりなんだよね
毎日スレ覗いてたわ
嬉しい~
また時間ある時、投下宜しくお願いいたします
待ってます!!
468:名無しさん@ピンキー
13/04/21 23:53:37.21 Z+oAkIEk
>>450
乙&GJ!
ゆうあやの濃厚なイチャラブたまらんです
綾子さんかわいいよ綾子さん
469:名無しさん@ピンキー
13/05/02 14:29:10.74 wJCB95pu
いつも長~い話を、読んでくださってありがとう。
前回の続きです。ふたりが過ごす初めてのクリスマス
ちょっと尻切れですが、つづきはまた後日・・・
いちせんパロですので、興味のない方はスルーよろしくです。
470:ふたりのクリスマス1
13/05/02 14:30:40.49 wJCB95pu
クリスマスには、まだ少し間がある12月のある土曜日。祐一は綾子のマンションを
訪れた。本来なら、イヴの夜を一緒に過ごしたいのだけれど、綾子はクリスマス本番には
イベントの仕事があり、祐一は年末年始に向かっての大量注文をこなさなくてはならず、
クリスマスデートはやむなくこの日になったのだ。
「いらっしゃい・・・すぐわかった?」
夜七時。祐一はマンションの入り口のオートロックを開けてもらって、綾子の部屋の
ある階まで上がった。玄関のインタホンを押すと、料理中らしくエプロンをつけた綾子が
出迎えてくれた。
「うん。ケータイ見ながらだけど。ほい、ケーキと・・・それからワイン。」
「ありがと・・・どうぞあがって。」
いつもの笑顔だけれど、ちょっと羞じらいを含んでいるのは、部屋に祐一をあげるのは
今日が初めてだから、だろうか。高校時代の親友のサチとシェアしているこの部屋は、
原則男子禁制。サチの父親の所有の物件に安く住まわせてもらうのは有り難いけれど、
綾子はていのいいお目付け役のようなものだ。
「冬休み彼と旅行行くから、クリスマスここ使ってもいいよ?」
親の心配もなんのその、サチは自由な女子大生生活を楽しんでいた。家にあげない
というだけで、彼氏とは外で会うし旅行にも行くのだから、せっかくのお目付け役も
意味が無い。綾子はサチのご両親にちょっと罪悪感を覚えながらも、サチの申し出は
有り難く受けることにした。
「綾子、大変じゃない?掃除して、料理つくってなんてさ・・・せっかくクリスマス
なのに。」
「掃除は・・・いつもちゃんとしてるもん!・・・料理だって、たまにはゆうちゃんに
私の手料理食べてもらいたいと思って・・・。」
家業見習い中の祐一の収入はあまり高くはない。口には出さないけれど、綾子は
高級レストランに行ってシティホテルに泊まって・・・なんてバブル時代みたいなことを
するために祐一に無理をさせたくなかった。
「大丈夫?何か手伝おっか?」
「大丈夫だから・・・ゆうちゃんはお茶でも飲んで待ってて。」
祐一にお茶を出すのもそこそこ、綾子はまたキッチンでディナーの準備に戻った。
471:ふたりのクリスマス2
13/05/02 14:31:50.61 wJCB95pu
「おいしい・・・これ、甘いのにお料理にも合うね。」
祐一のワインのセレクトは、そんなにお酒に強くない綾子にもぴったりの、甘口で
ありながら料理にも合う、一本で満足できるものだった。綾子はエプロンをはずして
ゆっくり料理とワインを楽しんだ。
「手際いいじゃん・・・腕あげた?」
居酒屋のアルバイトで長いこと厨房をまかされていた祐一は、綾子があまり料理が
得意ではないことをよく知っていた。
「へへ・・・サチにアドバイスしてもらったんだ。」
ディナーのメニューは、昨日から用意しておける煮込み料理以外はサラダや前菜など
あまり手のかからないものだった。これなら万一当日失敗しても、間に合わないと
いうことはない。
「綾子がパニクってたら手伝おうかと思ってたけど・・・じゃ、俺皿洗うよ。」
祐一がごく自然に片づけを申し出た。その間に綾子はコーヒーを淹れ、ケーキを切った。
「このケーキ、懐かしい味がする・・・。」
ケーキとコーヒーを持って移動し、ふたりは綾子の部屋でくつろいでいた。
「うん、俺が小さい頃から変わらないな。」
祐一が買ってきたのは、祐一の実家の近所の商店街のケーキ屋のものだ。決して
お洒落ではない包装紙やケーキのデザインは、ひと回りしてレトロな味わいを持って
いる。スポンジも生クリームも果物もごくまっとうで安心できる味だった。
「あ、そうだ。はい、プレゼント。」
綾子が渡された小箱を開けると、ブルートパーズのプチネックレスが入っていた。
祐一がそれを箱から取り出して、綾子の首の後ろにチェーンをまわした。
「・・・似合う?」
祐一がチェストの上からスタンドミラーをとって綾子の前に置いた。蒼い色の石と
冷たすぎないホワイトゴールドが綾子の肌にしっくりとなじんでいる。
「素敵・・・ありがとう、ゆうちゃん。」
綾子は大切そうに鎖骨の上の小さな宝石を掌でつつんだ。円形の鏡の中で、その手に
祐一の大きな手が重なった。まわされた腕に、いとしげに頬をすり寄せる綾子を
振り向かせて、今日はじめてのキスをする。
472:ふたりのクリスマス2
13/05/02 14:33:00.09 wJCB95pu
「・・・ン・・・っふ・・・。」
キスは次第に深くなり、テーブルの上の鏡は、ごく自然に甘い愛の時間に入っていく
ふたりを映し出している。
「・・・ぁ・・・はぁ・・・っ。」
祐一が唇からあご、首筋と唇を滑らせると、腕の中の身体が慄えながらしなった。
オフショルダーのロングニットがずれて、片方の肩がむき出しになっている。背中の
リボンを解いてずり落とし、タンクトップの背中に手を入れる。ブラジャーのホックを
はずしてずらすと、つるんとした布の下で可愛い実がぽちりと存在を主張した。
「ぁっ・・・あん・・・。」
ベッドの側面に押しつけられ、布越しにふたつの実を弄られる。中心に向かって
円を描くようにこすったり、引っ張ったり押しつぶしたり・・・。可愛いあえぎを
洩らす唇をふさがれ、体内にどよめく快感が綾子を蕩かしていった。
「ゃ・・・っは・・・ぁ・・・っ!」
ショートパンツの前を開けて手を入れると、そこはもう甘い蜜がしとどにあふれて
いた。いたずらな指から逃れるように思わず腰を浮かせると、その動きを利用して
祐一がパンツを下着ごとくるりと脱がせ、綾子をベッドの上に押し上げた。
「脱いで・・・。」
綾子がゆっくりと起き上がってタンクトップを脱ぐ間に、祐一は着ているものを
全て脱ぎ去って覆いかぶさってきた。
「ゃっ・・・ま、まだ・・・っ!」
全裸なのに脚にだけ白いニーソックスを履いたままの足をばたつかせ、綾子は
ベッドの上に押し倒された。
「・・・ぁあ・・・。」
肌と肌の触れ合った箇所から熱が生まれ、いとしい重みに理性が解き放たれていく。
「んふ・・・ぅ・・・んゃ・・・っぁあ!!」
口づけに夢中になっていた綾子は、溶け崩れそうな秘唇を指でとらえられ、悲鳴を
あげて腰をよじりたてた。
「またそんなにしっかり閉じて・・・それじゃ快くしてやれないだろ?」
綾子から身体を離して膝立ちになった祐一が、揃えられた膝を優しくつかんで左右に
押し拡げる。
「ん~…なんか、マニアな感じ…?」
白い素朴なソックスに包まれた両脚とその間の隠微な風景のコントラストが、不思議な
エロスを醸し出している。祐一はざっくりとした木綿の感触を掌に感じながら、綾子の
長い脚を肩にかつぐようにして折り返し、中心部に顔を寄せた。
473:ふたりのクリスマス3
13/05/02 14:34:13.49 wJCB95pu
「・・・ひぁ・・・!」
熱く疼く花芯にひたりと口づけられ、反射的に閉じようとした脚が祐一の頭を締めつけた。
祐一に愛される時、必ずと言っていいほど施されるこの行為に、わかっていても綾子は
つい脚を閉じ、逃れようとしてしまう。
「・・・くるしいよ・・・あや。」
「あ・・・ご、ごめん。」
綾子が慌てて力をゆるめた脚から解放されて、祐一はやれやれという風に上体を起こした。
「しょうがないなあ・・・。」
かたくなに両腿を閉ざし、前を隠す綾子を見下ろして、祐一は苦笑しながら閉ざされた
膝頭をとらえてくすぐった。
「ひゃ・・・ゃんっ!」
くすぐったくて、思わず力の抜けた内腿を、苦もなく再び押し拡げてしまう。
「・・・ゃあっ・・・ゃめっ・・・!」
くすぐる祐一の手を止めようとしていた手をとられ、拡げた両腿を押さえさせられる。
「やめて・・・あげない。」
少し意地悪にそう言って両脚の間に顔を寄せると、三角形のしげみに口をつけ、ふうっと
熱い息を吹きかけた。
「ふ・・・ゎっ・・・!」
思いもよらぬ刺激に驚き、綾子は一瞬、泣きたいほど羞ずかしい気持ちを忘れた。
「ほら・・・力、ぬいて・・・ひらいてられないなら、自分で押さえてて。」
「・・・そん・・・な・・・羞ずかしいよ・・・。」
羞恥心のつよい綾子に新しいことを試す時、祐一はこんな風に緊張と緩和の両方を巧みに
織り交ぜ、いつの間にか思い通りにしてしまう。やさしく辛抱づよい導きのままに、また
ひとつ、綾子は淫らな行為を受け入れ、馴らされていくのか・・・。
「離しちゃ、ダメだよ・・・。」
さらけ出された秘所に、祐一の視線が食い込むのを感じる。自由を奪われているわけでも
ないのに、彼の視線と言葉に縛られたように動けないまま、皮膚の下の血が熱く滾っていく。
(な・・・に?・・・この感じ・・・。)
これ以上ないほど羞ずかしい自らの姿態と、それを凝視している祐一を正視できずに
目を閉じる。視線に犯され、昂ぶった女陰が、さらなる充足を期待して蜜をこぼし、
それが後孔の方へと流れ落ちていくのがわかる。
474:ふたりのクリスマス5
13/05/02 14:36:18.10 wJCB95pu
「でん・・・き・・・消して・・・。」
普通にお茶を飲んでいての流れなので、天井の蛍光灯はあかあかと点いたままだ。
ホテルでは、真っ暗にはしないまでも、間接的なうす灯りにしてくれていたのに・・・。
「・・・ダメ。」
「なんで・・・?こんなに明るくちゃ・・・やだ・・・。」
愛しあう時、祐一は綾子にかなり羞ずかしいことはさせても、苦痛や侮辱を与えるような
ことは決してしない・・・と信じているけれど、その境界が時々自分でもわからなくなる。
流されてしまうことを恐れる自分と、蕩かされるままにどんな羞ずかしいことも
受け入れてしまいそうな自分とが綾子のなかでせめぎあっていた。
「前にも言ったじゃん。綾子が快くなるとこ、全部感じたいんだよ。顔とか、声だけ
じゃなくって、ここも変わるんだよ・・・。」
「いやっ・・・羞ずかしいこと、言わないで!」
「ほら・・・すごく、可愛くなってる・・・。」
「やめて・・・やめて、見ないで・・・っ!」
祐一が顔を寄せたとたん、魔法が解けたかのように綾子は手を放すことが出来た。だが、
祐一はすかさずその手を押さえ、さらに大きな角度で開かせてしまった。
「・・・ひぁ・・・ぁあ―っ!」
熱くふくらんだ陰核をぺろり、と舐められて、綾子の手は思わず激しく祐一の手を振り
払った。脚を閉じて抱え込み、子供のように身を庇う姿がいたいたしい。
「だめ・・・ムリ・・・もう・・・。」
祐一がこわいのではなく、祐一のなすがままに、どうなってしまうのかわからない自分が
こわくて、綾子は泣き出してしまった。
「ごめん・・・そんなにイヤだった?」
祐一があわてて顔をのぞき込んだ。やさしい口づけが落ちてくる。綾子は祐一の首に
かじりついて子供のように泣きじゃくった。
「こわ、いの・・・。どうにか・・・なっちゃい、ヒック、そうで。」
祐一の心配そうな顔が、パッと明るくなる。
「それって・・・快くって・・・ってこと?」
「わか、ヒック、らない・・・。」
「・・・泣かないで。もう、させないから。」
祐一は起き上がって天井のライトを消し、代わりに淡いルームランプを点けた。
475:ふたりのクリスマス6
13/05/02 14:37:32.18 wJCB95pu
「ごめん・・・俺、ちょっと急ぎすぎたかな・・・ホントごめん。」
心やすらぐ淡い光の中でやさしく抱かれ、顔じゅうにキスが降ってくる。泣きじゃくりが
次第におさまっても、祐一はゆっくりと綾子を甘やかした。
「・・・ふ・・・ぅふ・・・っう・・・。」
下唇や舌をやわらかく噛まれ、綾子の息遣いが次第にあえぎに変わっていく。ひたすら
謝っていたはずの祐一の手は早くも乳房を揉みしだき、脚は綾子の膝を割って腿の
内側をこすりあげていた。
「・・・ん・・・ぁあ・・・っは・・・ん・・・。」
何度も何度も口づけあい、溶け合った唇を甘く噛みながら、肩をぎゅっと抱き寄せて
寄せられた双の尖りを長い指で同時に苛む。
「ぁあ・・・ゆうちゃん・・・も、もう・・・。」
「もう・・・なに?」
「も・・・ダメ・・・お願い、だから・・・。」
唇や胸乳に執拗な愛撫をほどこしながら、中心部には触れようとしない。秘部の疼きは
さっきとは比べ物にならないほど激しく、ズキズキと脈うって綾子をくるしめた。
「ふぅん・・・何して欲しいの?・・・ちゃんと言って。」
片肘をついて頭を乗せ、綾子の腰骨のあたりをくすぐりながら、祐一が意地悪く聞く。
綾子は祐一にぎゅっと抱きついて、ふるえる声で耳にささやいた。
「さわっ・・・て・・・おねがい・・・。」
「・・・どこに?」
「・・・いじわる!」
綾子はすがっていた腕を放し、祐一の胸板を押すようにして身体を離した。
「ごめんごめん・・・。さっき拒否られたから、ちょっと仕返し・・・。」
祐一は起き上がると、そっぽを向いている綾子の膝をつかんで脚を上に折りあげた。
「いや・・・見ない・・・でって・・・!」
これではさっきと同じだ・・・綾子が手を伸ばして祐一の目を隠そうとした。
476:ふたりのクリスマス7
13/05/02 14:38:36.20 wJCB95pu
「見せたくないもん・・・ゆうちゃんに、こんなとこ・・・。」
「ケチ・・・こんなに綺麗なのに。」
祐一は顔の前で邪魔している綾子の手をとると、その指を口に含んだ。
「あやのゆび・・・綺麗だな。この粒も、ピンク色ですっごく綺麗だ。綺麗なゆびで、
綺麗な粒をいじってみ・・・ほら。」
唾液に濡れた綾子の指を、露をふくんで輝く真珠にそっと置く。
「ゃ・・・だめ・・・んんっ・・・。」
逃げようとする綾子の手をつよく押さえながらも、祐一は敏感な部分に触れる指には
決して力を加えないよう加減している。
「すごく湧いてきてる・・・ほら、ゆびにつけて・・・くるくるって・・・。」
何もされていないのに湯のようにあふれてくる蜜液を指にとらされ、その指を蕾の上で
踊らさせられる。
「んゃっ・・・ぁ・・・あ、も・・・ぁあっ・・・!」
綾子の指が抵抗をやめたのを見計らい、手を放さないまま背中から包み込むように抱く。
綾子の足に足をからめて、拡げたまま拘束しながら耳にささやいた。
「気持ちいい?・・・俺のこと考えながらなら、ひとりでしてもいいよ。あやが欲しい
時、いつでもそばにいてあげられるわけじゃないから。」
「そ・・・んな・・・こと・・・っ!」
手と足はつよい力で拘束しながら、核心を責める指はあくまでもソフトに苛んでいる。
花蕾のまわり一帯がぴりぴりと痺れるように昂ぶっているのに、むずがゆいような
刺激を与えるだけの指を追って、綾子の腰がもどかしげに揺れた。
「ああ・・・だめだ。やっぱり、俺がしたいよ。」
歯がゆい刺激も徐々に溜まって、解放まで後もう少し、と言うところで、祐一が急に
ガバッと起き上がった。
「ほら、こうして・・・指に力いれてて。」
突然放り出され、しどけなく開いた両脚の間に置いたままの綾子の手をとり、二本の
ゆびで秘粒のうえの皮膚を引きあげさせる。
「・・・ゃ・・・ダメッ・・・そんなのっ・・・んぁあっ・・・!!」
綾子の指で剥き出しにさせた秘珠の上に、熱くざらりとした舌が押しつけられた。
つよ過ぎる快感におびえ、激しく暴れる両腿を押さえつけながら、蜜液をからめた舌が
核の上で踊りまわる。
477:ふたりのクリスマス8
13/05/02 15:03:28.72 xm7GlBPG
「ぁ・・・ゃぁあ・・・っぁ・・・あ―――っ!」
両手で口を押さえて悲鳴をふさぎ、綾子が登りつめた。びくびくと引き攣る両脚の
中心で、ぷっくりと充血した花唇が蜜に濡れて光っている。それを満足げに見下ろし、
祐一はゆっくりと綾子の上に覆いかぶさった。
「・・・ふ・・・ぅん・・・ん・・・。」
力いっぱい口を塞いでいた手がそっとのけられ、代わりに熱い唇に包まれる。今の
今まで秘所をなぶっていた舌が綾子の舌をとらえ、口腔内を動き回った。
「あやが可愛いから・・・ほら・・・。」
握らされた充実は硬く大きく反り返り、綾子の手を圧している。これからこれで祐一と
繋がりあう至福を思うと、頭も身体も芯がバターのように溶けてしまう。
「・・・ゃ・・・まっ・・・・・・ぁあ!!」
力の抜けた腰を引き上げられ、うつ伏せにされて膝を大きく割られる。
「・・・ゃっ・・・ぁ・・・ぁあ――!」
まだ脈うっている秘孔に、ぐいと押しつけられた剛直が、めりめりとくい込んで来る。
柔らかいのにきつい肉の壁がやさしい抵抗を見せながら、祐一のかたちに押し拡げ
られるのを感じる。綾子のなかを占領し尽くしているそれが、なおも膨張をやめない
気がして、綾子はうめいた。
「んぁっ・・・ぉ・・・っきくしちゃ・・・だめっ・・・!」
綾子の口から出た意外な言葉に、祐一はぞくぞくするほどそそられた。綾子の
初々しさが可愛いすぎて、本当にもう一段大きくなるような気さえしたが、懸命に
余裕を取りつくろって平静な声を出した。
「・・・べつに、いつもと変わらないと思うけど・・・。ぁあ、こっちからだと大きく
感じるんだ。」
「・・・え・・・。」
「ふぅん・・・なんだかんだ言っても、これが一番快いってことか・・・。」
「ち、ちがうもん・・・!」
バックスタイルが好き、なんて思われてはたまらない。必死で振り返る綾子の唇に、
祐一が笑いながら口づける。
478:ふたりのクリスマス9
13/05/02 15:04:51.57 xm7GlBPG
「別に恥ずかしいことじゃないよ?・・・あやが一番気持ちいいようにしてあげたいしさ。
ま、『おっきい。』なんて言われたら俺もうれしいけどw。」
低くて心地いい祐一の声が、とびきり羞ずかしい言葉を耳に注ぎ込んでくる。けれど
綾子は、その囁きをじっと聞いてなどいられない。熱くとろけた蜜壷に祐一を呑みこんで
いるだけで、たまらなく感じてしまう。焦らさないで、早くなんとかして欲しい・・・
綾子は落ち着かなげに身をよじり、切ない目で祐一を見返った。
「どうしたの?・・・ひとの話はちゃんと聞かなきゃダメだろ?」
わざとらしく落ち着き払った声音で祐一が焦らす。綾子は耐え切れずにまた顔を背けた。
「・・・見せて。あやのイイ顔・・・。」
綾子の目の前に、さっきネックレスをつけた時に使ったスタンドミラーが差し出された。
「・・・っゃ・・・んぁ・・・っっ!」
祐一がテーブルの上のミラーに手を伸ばしたせいで繋がった部分が動いて、鏡の中の
綾子の顔が快感にゆがんだ。
「・・・あ・・・っゃ・・・ぁっ・・・ぁあっ!!」
そのまま激しい律動が始まった。腰をつかまれ、打ちつけられるたび臀がたてる音が
淫らに響く。祐一の先端のくびれが、綾子の複雑なひだの中をかきわけて突き込まれ、
引っかかりながら引き抜かれる・・・。それを何度も繰り返されて、綾子はもう羞じらいも
忘れ、腰を振りたてて啼きつづけた。
「ほら・・・ちゃんと持ってて・・・。」
祐一が綾子の手を取ってミラーの脚を握らせた。涙に霞む目を開けると、鏡の中には
今まさに男につらぬかれ、上気した肌に淫らな表情を浮かべた自分の顔が映っている。
「ぃやっ・・・!」
手を離すと、不安定なベッドの上で、鏡はパタリと倒れた。
「ちゃんと持っててって言ったのに・・・。まあいいか。ここに置いとくよ。」
後ろから激しく責められながら、綾子がミラーを保持するなど不可能だろう。祐一は
ベッドの頭に付いている棚の上にミラーを置いて綾子の顔が映るように角度を調節した。
「ほら・・・顔あげて・・・あや、すごく、エロいよ・・・。」
脇から入れた手で胸乳をつかみ、綾子の上体を起こさせる。そのまま揉みしだかれて
あえぐ顔が、裏返された凹面鏡の中に離れていてもはっきりと映し出された。
「ぁあ・・・あ・・・っや・・・・・・ン・・・ぁあっ・・・!!」
必死で振り返る綾子の唇を痛いほど吸ってやる。びくりと感じて思わず振りほどくと、
離れた唇と唇の間に、妄りがわしい唾液が離れがたく糸をひいた。
479:ふたりのクリスマス10
13/05/02 15:06:01.02 xm7GlBPG
「・・・ぁあ・・・っあ・・・も・・・ィく・・・もぉ・・・!」
ともすれば突っ伏しそうになる綾子の二の腕をつかみあげる。引き寄せて深く腰を入れ、
何度も突きあげると、鏡の中の可愛らしいピンク色の唇がいっぱいに開いて、淫らな
叫びをあふれさせた。
「ゃっ・・・ィく・・・イクのぉっっ――!」
ちょっと怒ったように到達を告げると、綾子は美しい背中をこわばらせてびくびくと
けいれんした。そっと手の力を抜いてやると、綾子はぐったりと前に倒れ、鏡の中には
つよい射精感に耐えて唇を噛む祐一の顔が映った。
「可愛いかったよ・・・あや。」
祐一がいたわるように汗ばんだ肩甲骨の辺りに口づける。そのまま横に滑らせた唇が、
荒い息に上下するわき腹を這い、腕を持ち上げて下をくぐり、ぴんと勃った乳首を
含んでころがした。
「ゃ・・・ぁん。」
綾子がいとおしそうに腕をまわして身体をひねり、祐一の方を振り返った。
「・・・っゃ・・・ゃあっ・・・!」
身体をつなげたまま、祐一が綾子の腰をつかんで自らの腰の上に引き上げた。
「・・・ゃっ・・・だめ・・・こんなの・・・。」
後ろから貫かれたままの両脚をひらいて晒されたような形がたまらなく羞ずかしく、
綾子は身をくねらせて抵抗する。
「ほら・・・暴れると抜けちゃうぞ。」
祐一は上体だけを起こして綾子を後ろから横抱きにし、腰骨をぐっとつかんで繋がりを
深めた。足をからませて綾子の動きを封じると、後ろから耳をなぶったり腋を責めたり、
好き勝手に弄びはじめた。
「ぁ・・・あっ・・・だめ・・・だめっ・・・またィッ・・・ちゃ・・・。」
嵌めこまれた雄根が、また少し大きさを増したような気がした。またも脈うつ寸前に
なった女陰に、さらに男の指がひたりと押し当てられる。
「・・・っんゃ・・・ぁ・・・ぁああ―――!」
剥き出しになった核を、ぬるりぬるりと撫でられ、祐一の刀身を呑みこんでいる
肉の鞘がひくひくと脈打ち、からみつかれたままの足先がぴいんと突っ張った。
責める腕に爪を立て、胸の中で思い切りのけ反る綾子の裸身のなかに、祐一も熱を
吐き出した。
480:ふたりのクリスマス11
13/05/02 15:06:49.56 xm7GlBPG
「・・・ぁ・・・れ・・・?」
ふと気づくと、綾子はベッドにひとりで横たわっていた。素肌にタオルケットが
掛けられ、祐一は見当たらない。
カチャ、カチャという音がして、祐一がトレイを手に部屋に入ってきた。
「あ・・・起きた?なんか腹へっちゃって・・・綾子も食べる?」
紅茶が載ったトレイとリボンで結んだケーキの箱を、祐一がテーブルの上に置いた。
「ん・・・お茶だけ・・・。」
時計を見ると十一時ちかい。祐一はちゃんとTシャツとショーツを身に着けているのに、
全裸でいる自分が恥ずかしい。でも起き上がるのも気だるくて、綾子はお茶に手を
伸ばすこともせず、タオルケットにくるまったままぼんやりと祐一をみつめていた。
(なんだかんだ言いながら、結局好きなようにしちゃうんだから・・・。)
羞ずかしい体勢に泣き出した綾子をなだめながら、さらに淫らな行為をゆるさせて
しまった祐一・・・。
(好きなようにされちゃう私も、いけないんだろうけど・・・。)
とんでもない要求を、つよく羞じらいながらも綾子が結局はゆるしてしまうのは、
祐一の、強引なのに強引と感じさせないやさしさと、一生懸命さを拒みきれないから
・・・そして、その結果与えられるのは、魂がはじけ飛ぶような激しい悦びと、身体の
すみずみまで祐一に愛された充足感・・・。
(惚れた弱み・・・ってやつ?)
そんなことを考えながら、ケーキをぱくつく祐一の健康そうな頬のあたりに見惚れた。
「何、とろんとした顔してんの?・・・なんかイイこと思い出してた?」
「ばっ・・・何言って・・・!」
慌てて目をそらし、タオルケットに肩までくるまる。
「ほら、イチゴやるよ・・・好きだろ?」
横になったままの唇に冷たいイチゴが押しつけられ、綾子は素直に口を開いた。
「んん・・・・・・ぁ・・・ゃんっ。」
口いっぱいのイチゴに綾子が気をとられている隙に、祐一がタオルケットを剥いだ。
「・・・ゃ・・・なに、するの・・・?」
取り戻そうと伸ばした手をつかまえられ、ケーキの箱からとった紅いリボンが
手早く綾子の手首のまわりにまわされた。
「ちょ・・・ゆうちゃん!こういうの、ダメ・・・!」
片方の手首のいましめを解こうと近づけた手をもからめとり、頭の上に掲げさせて
ベッドの支柱にゆるく巻きつけてしまう。
481:ふたりのクリスマス12
13/05/02 15:07:42.84 xm7GlBPG
「ぃや・・・んんっ・・・ぅふ・・・。」
その腕をやさしく押さえながらキスでなだめる。愛されたばかりの裸身はしっとりと
柔らかく、祐一は誘われるままに二の腕の内側から腋に唇を這わせ、乳房を愛撫
しながら指先で突端を刺激した。
「ダメ・・・ふぁ・・・ん・・・ぁんっ!」
かるい束縛が、快感をさらに増幅させる。じんじんとしびれるような感覚がみるみる
下腹部に溜まり始め、それはすぐに濃い蜜になってあふれ出した。激しく首を振って
離れた唇からせつないあえぎを洩らしながらも、綾子の胸は無意識に突き出され、
無情な指を追った。
「・・・っふゃ・・・!」
胸肌に冷たい感触を覚えたと思ったとたん、祐一の温かい唇が乳首を包んだ。
「・・・んゃんっ・・・なに・・・?」
乳首を包んだクリームをぺろりと舐め取ると、祐一はまた新しいクリームをフォークで
すくって乳房に塗りたくる。時おりフォークが胸肌に触れ、綾子はくすぐったくて
思わず小さな声を上げて身じろいだ。
「動いちゃダメだよ・・こぼれるから。」
綾子の分のケーキも総動員して、もうひとつのふくらみにもたっぷりと盛る。
「つめ・・・たいっ・・・やめてっ・・・!」
白くてふわふわのクリームの先端に飾ろうとしたイチゴがころげ落ち、わき腹を
滑り落ちていった。綾子は冷たくてぶるっと身震いした。
「ふぁ・・・んっ・・・ゃ・・・。」
世にも甘美なスイーツに祐一がむしゃぶりつく。
「あは・・・ゅうちゃん、鼻のあたま・・・っゃ・・・ぁん!」
鼻の先にクリームをくっつけた祐一を笑ったとたん、果実をつよく吸われてあえいだ。
「・・・ぁ・・・ぁ、あん・・・。」
双つの苺を味わいながら、祐一がとろりと蜜をこぼすもうひとつの果実に手を伸ばす。
「んぁんっ・・・ゃ・・・っ!」
熱い蜜の中に沈んだ指に快いところをさぐられ、綾子が腰をうごめかせた。クリームで
滑りがよくなっている尖りを何度も何度も唇から出し入れしながらねぶられ、しびれる
ような快感が綾子の全身に溜まっていく。綾子の指が、必死で届くところにあるピローの
端をつかみしめた。
482:ふたりのクリスマス13
13/05/02 15:08:31.62 xm7GlBPG
「ぁあ・・・ぁ・・・ゅうちゃ・・・ゆうちゃんっ・・・!」
吸いつづけられて、何倍にも腫れてしまっているような錯覚を起こす両の乳首から
注ぎ込まれる毒のような快感と、祐一の巧緻な指が繊細な襞に与える責めが結びつき、
自由を奪われた綾子の身体の中で荒れ狂った。
「・・・も・・・だっ・・・ぁぐ・・・んぁあっ――!」
祐一の指を可愛らしく締めつけながら、綾子の内部が脈をきざんだ。祐一はようやく
甘い菓子から唇を離し、絶頂に震える綾子の顔を満足げにみつめた。
「・・・っふ・・・。」
ぐったりした綾子の、ぴんと勃ったままの尖端に口づけると、ひくんと小さく慄えて
祐一の唇を際限なく誘う。リボンを解いてやっても、掲げさせられた腕をそのままに
うごけないでいる綾子の、少し開いた唇から垣間見える象牙のような二本の前歯が、
祐一の中の雄を突き動かした。下半身に再び欲望がチャージされるのを感じながら、
祐一は努めてなにげない感じで綾子をシャワーに誘った。
「ベタベタして気持ち悪いだろ・・・シャワー浴びよ?。」
挙げたままの腕をおろしてやりながら、透明な歯を舐めるように口づける。
「・・・ゆうちゃんが、ベタベタにしたくせに・・・。」
思いがけないプレイで自分だけ達かされてしまった綾子が、恨めしげに祐一をにらんだ。
「や、普通にケーキ食べようと思ってたんだけどさ・・・。綾子にのっけて食ったら、
よけい美味いかな?って思いついて・・・。」
「・・・あっち、向いてて。」
綾子はなんとか身体を起こしたが、クリームでべたつく肌を、タオルケットで隠す
わけにもいかず、祐一の頬を軽く押して向こうを向かせようとした。
「なんだよ・・・今さら羞ずかしがるなんて。」
祐一が立ち上がってTシャツを脱ぎ、綾子の手を引っ張って立たせた。
「・・・ゃっ・・・ん。」
素裸の綾子をえいやっと抱えあげて歩き出す。素肌と素肌の触れ合いが心地よくて、
綾子は夢見心地で浴室まで運ばれていった。
483:ふたりのクリスマス14
13/05/02 15:09:43.49 xm7GlBPG
バスタブの中にザアザアと降り注ぐ熱いシャワーを浴びながらふたりは抱き合った。
深く唇をむすび合わせながら熱い湯に打たれていると、この世界に祐一しか存在しない
ような錯覚に陥ってしまう。
また足元が危なっかしくなった綾子を支えながら、浅く湯が溜まり始めた中に腰を
下ろす。祐一がバスバブルのボトルを取って、シャワーの落ちる部分に液体を注ぐと、
たちまちホワホワと白い泡が立ち始めた。
(やっぱりゆうちゃんって、要領良すぎかも・・・。)
プレゼントのネックレスをつけた後から怒涛のように与えられ続けた悦楽がすこし醒め、
綾子の胸にまたお馴染みのもやもやが現れた。
「髪、濡れちゃうよ・・・。」
洗い場に忘れてあったバレッタを取り上げ、祐一が綾子の髪をくるりとひと巻きして、
泡につからないようにまとめてくれる。
(他のひとにもこんなこと・・・してあげたことあるのかな・・・。)
気だるげにバスタブの縁にもたれている綾子の首すじに、祐一が唇を寄せる。かるく
吸いながらうなじへと移動する柔らかい感触に、官能の記憶がたちまちよみがえる。
(ゆうちゃんにああして、こうしてって言われると、なんか拒みきれなくて・・・結局
最後は死ぬほど・・・イかされちゃうんだもん・・・。)
とんでもなく淫らなことを仕掛けてきては、綾子の反応を見てなだめたり一気に攻めたり
・・・自分をこんなに思いのままにしてしまう祐一は、やっぱり恋の手練れ(てだれ)なの
かも・・・なんて考えてしまい、悲しくなって揺れる泡を眺めていると、
「どしたの?あや・・・ぼんやりして。」
顔をのぞきこんだ祐一がプッと吹き出した。
「鼻に泡つけて・・・ピエロみたいだ。」
「もー・・・。」
熱心に泡を見つめすぎて、鼻に泡をくっつけてしまったらしい。笑われたお返しとばかり、
綾子が両手にすくった泡を祐一の顔に吹きかけた。ふたりは子供のように泡を投げあい、
笑いつかれて、また抱き合って唇をかさねた。
484:ふたりのクリスマス15
13/05/02 15:10:34.26 xm7GlBPG
「・・・ん・・・ふゃ・・・ぁん・・・。」
泡をすくった手が綾子の胸肌から首、腋やわき腹を這い回る。今夜これまでに何度も
刻まれた悦楽の記憶がたやすく引き出され、綾子はまた息遣いを荒くした。
「そ・・・んなに洗わなくても、もう大丈夫だから・・・。」
「んじゃ、今度は綾子が洗って・・・。」
綾子は泡をすくって祐一の胸や肩に手を這わせた。洗うのに一生懸命で無防備になった
身体に、祐一がまた手を伸ばす。泡にまみれた両手が双つのふくらみを、円を描くように
さすり、両の尖りをつまんで弄る。
「っゃ・・・ん・・・洗えなくなっちゃうじゃん・・・っ。」
綾子は身をよじり、いたずらを阻止しようと祐一の手をつかんだが、逆に手をとらえられ、
祐一の膝の上に抱きとられてしまう。
「綾子がイイ反応するから・・・またキちゃってるよ。」
つかんだ手をそのまま股間にみちびかれ、確かめさせられる。再び猛りはじめた凶器を、
泡にまみれた綾子の手がおずおずとなぞった。
「・・・ぁっ・・・ん・・・ん。」
いきなり抱きしめられ、唇を奪われる。ぬるつく身体の中心が、今すぐ満たされたいと
訴えてくる。
祐一の大腿の上に脚を拡げて座っている綾子の秘裂が、湯の中でもそれとわかるほど
潤沢にあふれさせている。大腿でこすってやると、綾子は祐一の肩にすがりついて、
身も世も無く腰を前後させた。
「・・・ゃっ・・・ぁん・・・ぁあ・・・!」
あえぐ唇をとらえられて激しく奪われながら、両の尖りを弄られる。ただあふれ出す
蜜の中心を貫かれることだけに支配され、理性が消し飛びそうな頭の片隅に、ある躊躇が
浮かび、綾子は必死で声を振り絞った。
「・・・っここ・・・じゃ・・・だめ!」
ルームメイトと共用のバスルームで行為に耽るのは・・・そんな気持ちを察してくれたのか、
「ん・・・そだな・・・ベッド行こ。」
綾子と同じく理性が崖っぷちにありそうな声で祐一がささやいた。泡まみれのふたりは
ざっとシャワーを浴びると、バスタオルにくるまり、もつれあいながらまた綾子の
部屋へ戻った。
ベッドにたどり着くと、祐一はもう焦らす余裕も無く、温かい綾子のなかに身を沈めた。
耳にそそぎ込まれる綾子のかすれ声が、今夜の激しさを物語る。
あとはただ、言葉のない時間をふたり共に分かち合い、冬の夜は静かに更けていった。
485:469
13/05/02 15:16:59.84 xm7GlBPG
やっちまいました。スミマセン
『深まりゆく日々』連作のⅡの『ふたりのクリスマス』なんですが、
長すぎて入りませんでした。
それと、2番目の2とその次の3は、正しくは3と4です。
内容はちゃんと続いてますのでおわかりかとは思いますが…
486:名無しさん@ピンキー
13/05/03 21:16:28.66 6OqgcfAd
>>470
GJー
ゆうちゃんの綾子さん愛が変態の領域(褒め言葉)にww
綾子さんマジでかかわいい
487:名無しさん@ピンキー
13/05/03 21:17:23.15 6OqgcfAd
しまったsage忘れてしまった…すみません
488:名無しさん@ピンキー
13/05/05 08:36:07.43 eGLwtmwJ
職人さん、いつもありがとう♪
このクリスマスバージョンの後に、スキー旅行(祐ちゃんの大学時代のサークル仲間が出てくる)が続くのかな!?
綾ちゃんの取り越し苦労で安心したいので、また宜しくお願いいたします
489:名無しさん@ピンキー
13/05/16 01:15:30.31 ING4lQm9
>>470
生クリームプレイに萌えました!
GJでした
490:470
13/05/18 09:59:32.59 OLa2m7wq
読んでくださった方々、ありがとうございます。
>>489さん、"生クリームプレイ"はずいぶん以前にここでふられたネタでして。
その時は無理だ~と思うネタでも、後になって突然書けるということもよくあって…。
書け過ぎて、女体盛りまで行ってしまいました…やっぱりHentaiの域ですね、>>486さん
当時、書けない代わりにゲゲふみでハンドクリームプレイを書いたりしましたw
>>488さん。そうです。覚えててくださってうれしいです。この後ヴァレンタインデー
の話もあるんですが(しつこい)スキーの話をはさんで整合性をとるのに苦労しました。
さて、綾ちゃんの揺れる日々第三弾、いちせんパロに興味ない方はスルーでお願いします。
491:深まり行く日々Ⅲ 思わぬ逢瀬1
13/05/18 10:01:15.02 OLa2m7wq
「ゆうちゃん、起きて・・・ごはんよ。」
エプロン姿の綾子が、カーテンをサッと開けながら祐一に声をかける。
「ん~・・・眠いよ・・・。」
祐一は窓から射し込む朝日のまぶしさに顔をしかめ、布団にもぐり込んだ。
「起きてってば・・・。仕事に遅れちゃうよ?・・・きゃ・・・っ!」
布団をめくってのぞきこんだ手を引っ張られ、綾子はバランスを崩して祐一の
胸の中に倒れこんだ。
「ゃあ・・・ん、はなして・・・っ。」
抱き込まれて綾子がじたばたともがく。
「キスしてくんなきゃ、起きない・・・。」
ようやく手を離されて身体を起こすと、祐一はまだ目をつぶったままだ。綾子は
しかたなく祐一の唇に唇をそっと重ねた。
「・・・ちょ・・・っん・・・。」
すぐに身を起こそうとした綾子の後頭部と肩に手をまわし、祐一が離すまいとする。
朝としてはちょっと深すぎるキスに、綾子の膝から力が抜けていく・・・。
「ふぁ・・・っ!・・・んっ?」
軽く鼻をつままれて、綾子は甘い夢から覚めた。
「あーやーこ、そろそろ起きろよ。」
優しい声に目覚めると、部屋はすっかり明るくなっていた。
「やだっ!・・・会社!ち、遅刻しちゃう!」
綾子はガバッと起き上がってベッドから飛びおりようとした。
「綾子・・・。」
祐一が、黙って綾子の胸の辺りを指さす。
「ゃっ・・・!」
自分だけが素裸なのに気づいて、綾子は慌ててシーツをかき寄せた。
「まったく・・・今日は綾子、休みだろ?仕事に行かなくちゃなんないのは俺だよ。
早く来いよ・・・メシ出来てるから。」
祐一はすこし呆れ気味にそう言うと、台所へ戻って行ってしまった。
492:深まり行く日々Ⅲ 思わぬ逢瀬2
13/05/18 10:02:17.72 OLa2m7wq
「・・・ごめん。」
大急ぎで服を着た綾子がダイニングに行くと、テーブルの上にはおいしそうな朝食が
湯気をたてていた。祐一がタイミングよくコーヒーを手渡す。
「よく寝てたから起こすのもかわいそうかと思ったけどさ・・・疲れさせたの、俺だし。」
綾子の頬がボッと赤くなる。
「でも、何も言わずに帰っちゃうのもアレかな、と思って。」
「うん。へへ・・・。」
綾子が嬉しそうに相好をくずす。ふたりは幸せな気分で朝食を食べ、祐一は
朝もやの中を帰って行った。
(あ~あ、お正月まで会えないのかあ・・・。)
祐一がドアを出るまで見送ってから、急いで窓に走り寄り、駅へと続く道を見守る。
背の高い後ろ姿が人気のない街角に消えるのを見送ってから、テーブルに戻り、
コーヒーをひと口飲んでため息をついた。
(それにしても、ゆうちゃんってやることにそつがないって言うか、いつも余裕が
あるんだよね・・・。)
テーブルの上の食器をトレイに集めながら、綾子はあらためて感心していた。ゆうべ
あれだけ何度も愛しあい、疲れているのはお互い様のはずなのに、祐一はちゃんと
綾子より早く起きて、これだけのものを他人の台所でサッと作ってしまった・・・。
(性格もあるかもだけど、なんていうか・・・同世代なのに、経験豊富って感じなんだよね。)
経験・・・という言葉が、否応なしにいつも綾子の胸を暗くよぎるある不安を呼び起こした。
(ゆうちゃんって・・・いろいろ経験・・・あるんだろうなあ。)
いつもにも増して濃密に過ごした一夜のあと・・・。ことが済んだら出てしまうホテルと
違って、甘い空気が残るこの部屋にいると、心より先に身体が昨夜の感触を思い出す。
つよい幸福感と裏腹に、これほどまでの悦びを綾子に与えられる祐一には、かなりの
女性経験があるのではと邪推してしまう。
(お・・・大人なんだから、当たり前だよね。ゆうちゃん、カッコいいし・・・。)
綾子が知っているのは、バイト先で初めて会った大学2年の時からの祐一に過ぎないの
だけれど、当時の祐一は、スタッフの女の子たちはおろか、客の中にも彼目当てで
通ってくる子も多いほどの人気ぶりだった。
493:深まり行く日々Ⅲ 思わぬ逢瀬3
13/05/18 10:03:12.33 OLa2m7wq
(私なんかがつきあっちゃってて、いいのかなあ・・・?)
綾子は、同性の友達からあきれられるほど自己評価が低い。女友達はそのスタイルを
羨ましがるけれど、大概の男性と同じかそれ以上高い身長は、綾子にとって災難以外の
何者でもなかった。
高校時代、告白されて一応おつきあいも経験したけれど、生来真面目でおっとりの
綾子はそれ以上発展もせず、その彼とは自然消滅。美術系の専門学校時代は、課題と
その画材の費用を稼ぐためのアルバイトに明け暮れ・・・。
(あの頃は、ゆうちゃんに会えるのだけが楽しみだったなあ・・・。)
片思いはつらいけれど、かなうはずもないと割り切ってしまえば、彼の横顔をぬすみ
見るだけで満足だった。
(あの頃にくらべたら、今のこの状況は夢みたいなのに、つらいなんて・・・。)
ベッドでの祐一は、やさしくて、いつも綾子のことを第一にことを運んでくれる。
決して無理強いはしないのに、いつの間にか思い通りにしてしまう祐一に、綾子は
ためらいのベールを一枚一枚剥ぎ取られ、かなり羞ずかしいことも許してしまっていた。
(まだつきあって1年も経ってないのに、こんなにいろいろ・・・た、試されちゃって、
結婚する気がなくなっちゃったりしないかなあ・・・。)
ふとそんな疑念が湧いて、動揺した手から滑り落ちたカップがガチャンと音をたてた。
「ぁーあ・・・やっちゃった。」
(そういえば、今までつきあった人達って、どうして別れることになったんだろ?)
そんな考えてもどうしようもないことを考えながら、カップの破片を拾う。祐一のあの
指や唇が、他の女性を愛したことを思うだけで胸が痛くなる。
「あ、痛っ・・・。」
カップの破片で手を切ってしまい、とっさに指を口に入れた。口中にひろがる鉄の味に、
ますます憂鬱な気分になる。
「ネガッてちゃ、だめだよね・・・。」
傷に絆創膏をはってゴム手袋をはめ、気を取り直してテキパキと食器をかたづけ終わり、
キュッと蛇口をしめた。
「いいお天気・・・さて、今日は何をしようかな。」
祐一は今日も仕事。ぽっかりと空いた一日を、何か有意義なことをして過ごして
憂愁を忘れたかった。
祐一と二人きりのこの部屋で、十分すぎるほど愛され、満たされた昨夜のことを思うと
身体が震えるほど幸せを感じた。けれど、悦びが深ければ深いほど、綾子の胸に小さく
芽生えた哀しみも深く根を張っていくのだった。