【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ6【再放送】at EROPARO
【朝ドラ】ゲゲゲの女房でエロパロ6【再放送】 - 暇つぶし2ch347:名無しさん@ピンキー
12/09/14 23:05:14.70 hwiB+zas
>>345
夫婦っぷりといえば今日の仲人に行く前の二人は最高だった!
ふみちゃんが和服なのもポイント高い

348:名無しさん@ピンキー
12/09/15 22:43:03.57 Fff0Tjb8
イトツとイカル、良かったなぁ

>>347
和服ふみちゃんの美しさは異常

349:名無しさん@ピンキー
12/09/15 23:56:18.72 /MRgx3uq
あんなに美しいフミちゃん見たら…あの晩はやはり…でしょうね

350:名無しさん@ピンキー
12/09/16 14:17:39.47 AQgrWuaz
>>349
しげぇさん、あの時はぐでんぐでんに酔っ払っていたけど
奇跡の復活を果たすんですね、わかりますw

351:名無しさん@ピンキー
12/09/18 09:51:07.09 0mRvrSQ3
かなり前になりますが、2編ほどイトツとイカルの若かりし頃の話を書きました。
一応その続編、になります。

脇キャラに興味のない方はスルーでお願いします。

終盤はつまらない、と言う書き込みを見るたびに「『人生は活動写真のように』が
あるじゃないか!」と思っていたくらい、この週が好きでした。
再放送で、終盤の他の週も十分面白いと思えたけど、やっぱりこの週は特別です。
・・・序盤・中盤が面白すぎるせいで終盤は減速して見えるんでしょうかね。

352:或る夜のできごと 1
12/09/18 09:52:08.73 0mRvrSQ3
「ねえ、お父さんまだ帰って来ないの?」
「・・・さあ。今夜もお仕事の話で遅うなるんでしょ。あんたはさっさと寝なはい。」
ある夜。茂は父の修平の帰りを待っていた。手には毎晩夜遅くまで勉強のべの字も
せず没頭して仕上げた、何十ページにも渡る絵物語が握られている。
「でも、約束したんだよ!絵を見てくれるって。」
「早こと寝んとまた明日寝坊しますよ!それよりあんた、宿題はやったの?」
しまった、母は虫の居所がわるかったらしい。イカルの名のとおりよく怒る母の
こめかみに青筋が立ち始めたのを見て、茂は早々に部屋に引き上げた。

「ちぇっ・・・最近イカルの奴、いっつも機嫌がわるうてかなわん。」
茂は子供部屋に戻って机の上に大作を放り投げた。兄の雄一が何事かと問いかける。
「・・・不景気な面して、どげした?」
「イトツまだ帰って来んのかって、イカルに聞いたら怒られた・・・。」
雄一は布団の上に寝転んだままおかしそうに笑った。
「ははは・・・よりによって一番聞いたらいけんことを聞いたな。」
「イカルは、イトツが大阪から帰って来るとたいてい機嫌がようなるのになあ・・・。」
「帰って来たってちっとも家におらんのだけん、イカルが怒るのも無理ないが。」
「どこで何しとるんだ?・・・イトツは。」
「ふふん・・・まあ子供にはわからんよ。」
「オラァもう子供じゃねえぞ!仲間やちからも将来はガキ大将に推されとる。」
「お前のそういうところが子供だというんだ。・・・まあええ、宿題はやったのか?」
「う・・・。」
雄一も母と同じことを言う。同じようにコロコロと育っても、雄一はさすがに長男だけ
あってやるべきことはやっている。茂と違って遅刻もなく、教師の覚えもめでたくて
旧制中学校への進学を勧められていた。
「お前もなー・・・せめて中学くらいは出とかんと上の学校に行けんぞ。」
「わかっちょーわ!」 

353:或る夜のできごと 2
12/09/18 09:53:06.93 0mRvrSQ3
「俺は長男だけん、今からちゃ~んと将来のことを考えとる。・・・今、ウチはイトツが
 珍しく仕事が長続きしとるけん余裕があるが、あげに芸者遊びばっかりしとったら、
 どうせまたピーピーするじゃろ。兵学校なら学費がいらんけん、俺は海軍兵学校に
 行って将校になーだ。」
「兄ちゃん、オラも!オラも海軍さんになる!」
茂は興奮して大声をあげた。茂ぐらいの少年で海軍さんに憧れない者はいない。        
「ダラ!お前のような阿呆が兵学校に行けるもんか。だいいち、軍隊は規律がきびしい。
 お前みたいな寝ぼすけの屁こき野郎にはとうてい勤まらんわ。」
「な、なんだと?!もういっぺん言ってみれ!」
茂は雄一につかみかかったが、そこは小学校五年生と三年生の違いで、とうてい腕力で
かなうものではなかった。たちまち押さえ込まれ、ぽかりとひとつくらった。

「お前は絵しか取り得がないんだけん、その道に励めばええ。これからの世の中、
 それで食っていけるかどうかはわからんがな。」
茂は悔しかったが、兄の言うことにも一理ある。海軍さんにはもちろん憧れるが、
寝坊できないのはたまらないし、絵の道も捨てがたかった。
 芸術が好きな父の修平は、茂が勉強ができなくとも一度も怒ったことがなかった。
絵を見せるとうまいうまいと誉めてくれ、絵の道具も買い与えてくれる。茂はそんな
父が大好きだった。
 だが、父の修平は、映画館を経営に乗り出すも映写機を盗まれて失敗し、時をほぼ
同じくして勤め先の銀行もクビになって、今は単身大阪に働きに行っていた。母の絹代は
夫の留守を気丈に守っているが、腕白ざかりの三人の男の子を抑え込むためには、イカル
の名のとおり、怒るばかりの毎日にならざるを得なかった。
(イトツがおらんと家が静かだな・・・時計の音がやかましく聞こえるわ。)
誰も口には出さないけれど、父の不在をそれぞれが強く感じていた。けれど、その父は
せっかく境港に帰ってきても、営業だ寄り合いだと言って出かけては遊興し、朝まで
帰って来ない日もしばしばだった。

354:或る夜のできごと 3
12/09/18 09:54:00.44 0mRvrSQ3
(芸者あそび・・・鬼ごっこでもするんだろうか?ええ大人なのに、そげなことして
 面白いんかな?)
芸者という者を茂は見たことがないが、境港にもいる女郎をもう少し高級にしたもの
らしい。髪を高く結い上げてこってりと厚化粧し、びらびらの着物を着た女とイトツが
座敷で追いかけっこをしている光景が目に浮かび、少年はますます怪訝な顔になった。    
「なして女なんぞと遊ぶんだろう?弱さが伝染るだけなのに・・・。」
女とは弱くてつまらないものとしか認識していない軍国少年の茂には、芸者あそびなど
という物はまったく理解の外だった。
「早こと帰って来い、イトツ・・・。イカルが機嫌わるうてかなわん。」
茂は乱雑に放り出した絵を拾い上げて丁寧に並べなおした。真っ先に父に見せようと、
懸命に描きあげた絵は、まだ乾ききっていない部分が前のページにくっついてはがれて
しまっていた。茂はため息をついてそのページを描き直しはじめた。            

 その夜おそく。一滴の酒も入っていないのにご機嫌の修平が、艶っぽい小唄など
歌いながら村井家に帰ってきた。
「お~い、ご帰館だぞ~。」
玄関の鍵をようとして、鍵がかかっているのに気づく。
「おい、開けてくれ・・・誰かおらんのか?おい、絹代・・・雄一!茂か光男でもいい。
 誰か開けんか、こら!」
戸をガタガタと鳴らし、妻はおろか子供全員の名を呼ぶが、玄関も窓々も真っ暗で、
誰も起きてくる気配もない。
「あいつらはいったん寝込むと雷が鳴っても起きんからな・・・。おい、ばあやか誰か
 おらんのか?」
ぼやきながらしかたなく勝手口にまわるがやはり鍵がかかっており、こんな時間では
通いのばあやもいない。

355:或る夜のできごと 4
12/09/18 09:55:01.38 0mRvrSQ3
「弱ったな・・・。こげなことなら米子に泊まってしまえばよかった。」
単身赴任先の大阪から帰るたび、修平は営業のためだの何だのと理由をつけて、
境港よりも大きな町の米子まで繰り出しては遊んでいた。まだ深い仲ではないものの、
染香という芸者に入れあげて、金はあまりない代わりに持ち前の調子のよさで、
なんとか懇ろになろうとて足しげく通っているのだった。
「だがまあ・・・妓(おんな)に色よい返事ももらえんのにひとりで茶屋に泊まるなぞ
 阿呆の骨頂だけんな。・・・掛かりだって高うつくし。」
修平は家の者を起こすのをあきらめて踵を返した。                   

「この時間では知り合いの家に頼るのも外聞がわるい・・・しかたない、雨露のしのげる
 ところへ行くか。」
家の門を出ると、朧月夜にぽつりぽつりと雨が落ちて来た。
「春雨じゃないが、濡れてまいろうか・・・。」
得意のセリフを言いながら歩き始めたものの、雨はみるみる激しくなって、修平は
あわてて走り出した。
「やれやれ・・・えらいこと濡れてしもうた。」
軒下に走りこむと、背広を脱いで水滴を払い、ハンケチを取り出して濡れた頭を拭いた。
 修平が着いたたところは、彼が一昨年まで経営していた映画館の建物だった。元々あった
芝居小屋を、芝居の公演のない時だけ借りていたのだが、この不況で田舎廻りの一座も
来ぬ小屋は閑散として、傾いた『境港キネマ』の金文字があわれを誘った。 
         
「カギはあったかな・・・おや、開いとる。無用心だな・・・。」
きしむドアを押して中へ入ると、うら寂れた木戸口に古い映画のチラシが落ちている。
修平はなんの気なしにそれを拾い上げてからホールのドアを開けた。
(ん・・・?灯りがともっとる・・・も、もしやお化け・・・?)
客席の一番前、ステージに近いところにぼんやりと灯りが見える。修平はあわてて
スイングドアを開けて逃げようとして、ドア下部の金属の板にしたたか足をぶつけた。
「痛っ・・・いたたたた・・・!」
「・・・!誰っ・・・?!」
女の声がし、洋燈の光がさしつけられた。

356:或る夜のできごと 5
12/09/18 09:56:02.58 0mRvrSQ3
「あなた・・・?!」
暗くてよくわからないが、声の主はなんと妻の絹代だった。
「な、なしてお前がここにおる・・・。」
まぶしさに顔をしかめ、両手で頭を庇った情けない姿の男は、今の今まで彼女の胸を
悩ませていた夫に他ならなかった。
「お前がおらんけん、家に入れんだったんだぞ。」                   
恨みがましくそう言う修平に、絹代はぴしゃりと言い返した。
「帰ってくるか来んかわからん人をそげにいつまでも待っとれません!」
「む・・・。それなら家で寝とればええ。こげな時間に女ひとりで、物騒でなーか!」    
ちゃらっと音がして、絹代が修平の手に鍵の束を押しつけた。
「勝手口の鍵です・・・あなたは帰って寝てごしない。私は朝までここにおーますけん。」
「そげなわけにいくか・・・!」                             
「放っといてごしない!私はひとりになりたいの!」
絹代は渾身の力で修平の身体をぐいぐいと出口のほうへ押し戻そうとした。
「何を意地はっとるんだ。一緒に帰ろう。」
小柄だけれど絹代の気性はおそろしく激しい。その気迫にはたじたじとなるけれど、
そこはか弱い女の力、いくら押されても修平は一歩も動くことはなかった。
(俺がよその女にかまけとるけん、ヤキモチ妬いとるのか・・・。)
そう思うとなんだか可愛く思えて、修平は押されるがままになっていた。
「ええけん帰ってごしなさい!家に入れればそれでええでしょ?」
動こうとしない修平に焦れて、絹代はズボンのポケットに無理やり鍵を押しこもうとした。
それを突っぱねようと伸ばした修平の手に握られたチラシがクシャクシャと音をたてた。
「・・・ほれ見い。くしゃくしゃになってしもうた。」
修平はしわになったチラシを膝の上で丁寧に伸ばして、絹代に渡した。
「・・・何ですか?これ・・・。」
絹代が紙片に洋燈の灯りを差しつけ、メガネを直して渡されたものをよく見た。

357:或る夜のできごと 6
12/09/18 09:56:54.78 0mRvrSQ3
「・・・映写機が盗まれる前、最後にかけた映画を覚えとるか?」
「ええ・・・。」
「あれは受けんだったなあ・・・。田舎もんには、まだ洋画は早すぎたかもしれん。」
「でも・・・私は好きでした。」
絹代は先ほどまでの激昂ぶりはどこへやら、座席に座りなおして、洋燈の灯りの下で
懐かしそうにチラシをみつめた。危なっかしい夫が始めた映画館の経営を、文句を
言いながらも手伝っていた絹代だった。口に出しては言わないけれど、絹代にとっても
この映画館は、修平とふたりで築いた大切な思い出なのだ。
「主人公の女がお前そっくりのジャジャ馬だけんな。・・・まあ、俺はこげな狆がクシャミ
 したような顔より、お前の方がええけどな。」
修平は絹代の隣りに腰を下ろすと、ネクタイをゆるめながら絹代の顔をのぞき込んだ。
絹代はプイと横を向いた。
「おあいにくさま。私は、あなたがゲヱブルより美え男だなんて言いませんよ。」
「お前はリヤリストだのう。」
「・・・顔で人を好きになるわけだありませんけんね。」
そっぽを向いたままの絹代の顔がみるみる赤くなる。修平はニヤリと笑うと、腕を
伸ばして絹代の肩を抱き寄せた。

「意地っ張りめ・・・。」
修平の手を突き放そうとする手を座席のひじ掛けに縫いとめて唇を奪う。
「ぃや・・・んっ・・・。」
細い手首を押さえつけ、頑なに閉じた唇を舐めると、震えながら開いて修平の舌を
迎え入れる。じたばたと暴れる脚の間に膝を割り込ませてのしかかり、抱きすくめて
口中を責める。ひじ掛けをつかんでいた絹代の両手が、いつしか夢中で修平の背に
回され、つよく抱きしめた。
「は・・・ゃ・・・こげ、な・・・ところで・・・ぁあっ・・・。」
唇をむさぼりつつ、修平は早くも襟元から手を差し込んで柔らかな乳房を揉みしだいた。
深夜、閉館されたとは言え、こんな公共の場所での行為に抵抗を覚えながらも、絹代の
唇からは甘いあえぎが漏れてしまう。

358:或る夜のできごと 7
12/09/18 09:58:25.44 0mRvrSQ3
「いけ、ん・・・やめ・・・てっ・・・!」
修平がもどかしそうに着物の襟をつかんで帯から引っ張り出した。はだけた胸元から
こぼれ出る両の乳房は夜目にも白く、いつぞや修平が与えた香水と入り混じった
絹代の肌の香がたちのぼり、官能の記憶を呼び覚ます。
「は・・・ぁあん・・・ぁっ・・・や・・・。」
紅い実を口に含んで舐め転がしながら、もう片方をこねるように揉みあげてやる。
 甘い責め苦からのがれようと次第に座席の上へとずり上がっていく絹代の片脚を、
ひじ掛けに引っかけるようにして裾を開かせると、地味な水色の蹴出しの下の紅い
湯文字がちらりと目を射る。その下の秘所に手を差し込むと、予想どおり豊潤な蜜が
指を濡らした。
「ゃっ・・・こげな、ところで・・・野合なんて・・・いや・・・っ!」
潤いを確かめられ、この後に待っている行為を予測して、絹代が激しく抗った。
「こげに濡らしとるくせして・・・ほんなら、挿入れてほしい言うまでおあずけに
 してやらか?」
修平が意地悪く耳に注ぎ込む淫らな言葉が、毒のように絹代の自尊心を蝕む。
「・・・ぃや・・・いや・・・ぁあ・・・。」
絹代の身体を知り尽くしている修平の手管の前には、絹代の意気地も風前の灯だった。
たまにはこんな所で情交に及ぶのもおつなものだ・・・。紳士にあるまじき場所での
行為に劣情を刺激され、修平の中心にも力が漲りわたっていた。

(昼間はおっかないが、こいつもこうなれば可愛いばっかりだけん・・・。)
明治生まれの夫婦としては珍しく、絹代は修平にポンポンものを言い、修平はそれを
甘受していた。絹代の気の強さに辟易し、少しでも隙があればよその女に目が行く修平
ではあるが、彼は彼なりにこの妻を存外愛しているのだ。
 娘時代から度外れて気が強く、修平と祝言を挙げてからも結ばれるまでひと悶着
あった絹代だが、閨の中ではうって変わって従順でかわいらしく、修平の思うままに
染められていった。絹代の気性の激しさは、名家の生まれと没落の憂き目という
生い立ちから来る矜持と負けん気によるもので、初めてその堅固な障壁をやぶって
柔らかな内部へと侵入を果たしたのが修平であった。
 それから十年あまり、ただでさえ移り気な修平が、絹代に愛想をつかしもせず
三人も子を生したのは、昼間の猛妻ぶりと閨での可愛さの落差のせいかもしれなかった。

359:或る夜のできごと 8
12/09/18 09:59:34.57 0mRvrSQ3
(もう、ひと息だな・・・。)
修平は床に膝をついて絹代の両脚の間に身体を割り込ませた。ひじ掛けに掛けた方の
脚を押さえ、長い指を蜜壷にゆっくりと沈ませる。
「ひぁあっ・・・だめ・・・っだめぇっ・・・!」
絹代は腰をよじって抵抗するが、修平はかまわずに指を折り曲げ、別の指で核心を
やわらかく圧した。
「ゃめ・・・て・・・おねがい・・・。」
よわよわしい声で絹代が懇願する。口ではやめてほしいと言いながら、修平の指を
締めつける肉の花は熱くふくよかに充血して、もっと大きな充足を欲していることを
修平に告げていた。
「ここは欲しい、と言うとるぞ・・・挿入れて、とひとこと言えばええのに。」
「・・・そ、そげなふしだらなこと、言えません!」
「・・・ほうか。ほんなら、おあずけだな。」
修平はつぷり、と指を抜くと、乳首に蜜を塗りつけ、こすり合わせて苛みはじめた。
「・・・は・・・ぁあ・・・ン―――!」
開かされたままの秘口は放ったらかしにされ、ずきずきと疼いて涙をこぼし続けている。
絹代はたまらずに腰をよじりたて、声を漏らすまいと奥歯を噛みしめた。
「そげに歯を食いしばっとると、奥歯がすり減ってしまうぞ。」
修平は絹代の柔らかい頬をつかんで口を開けさせると、唇を舐め、何度もはげしく舌を
出し入れした。淫らな口づけはいやでも他の行為を連想させ、爆発的にせりあがって
くる情欲の前に絹代の自制心はもろくも崩れ去った。
「・・・挿入れて・・・ほしいか?」
先ほどからの絹代の痴態を見るうちに、修平もこれ以上我慢できなくなっていた。
「・・・は・・・ぃ・・・。」
目に涙をいっぱい溜め、荒い息をつきながら絹代が蚊の鳴くような声でこたえた。
「早こと言えばええのに・・・まあ、お前のそういう素直じゃないとこがええんだけどな。」
修平は立ち上がって絹代を見下ろした。映画館という公共の場所で、胸乳をあらわに
髪を乱し、両脚を大きく開いて肌蹴た湯文字の間から秘部をさらしている妻は、何者かに
陵辱された後のようで、修平の劣情を激しくあおった。

360:或る夜のできごと 9
12/09/18 10:00:33.49 0mRvrSQ3
「・・・立てるか?」
ひじ掛けに引っかけられたままの脚を下ろしてやり、肩につかまらせて立たせてやる。
足に力が入らない絹代をなかば抱きかかえるようにしてステージの方を向かせる。
「・・・ぃ、いやです・・・こげな恰好・・・!」
ステージに腹ばいにさせ、裾をまくりあげる。立たせたまま後ろから貫く心づもりと
気づいた絹代が憤慨して振り返る。修平はズボンの前を開けて硬起したものを解放し、
誇示するように突きつけた。
「ええけん、黙って前を向いとれ。」
しとどに濡れた裂け目を、押し当てられた屹立で前後にこすられ、絹代がへなへなと
くず折れそうになる。修平は両手で双の内腿をつかんで拡げ、ずくりと埋め込んだ。
「・・・ぁ・・・ぁあああっ―――!」
焦らされ、充足を切望していた肉身が歓喜に慄える。絹代の両脚は完全に床から離れ、
小柄な肢体がぴんと張りつめた。つかんだ手の中でわななく細い腿が痛々しくて、一瞬
胸を衝かれたが、力をゆるめずにぐい、と押し挿入れる。
「・・・はぁ・・・ぁ・・・やっ・・・ぁあ・・・!」
完全に繋がると、ステージの床に押しつけられた乳房を揉みしだきながら、より深く
えぐった。啼きながら前へと逃れようとする腰をつかんで容赦なく剛直を出し入れする。
絹代の指が、すがるものを求めて木の床に爪を立てた。
「よせ・・・爪が剥がれるが。」
修平が手をつかんで上から指をからませてやると、震えながら握り締めてくる小さな手に、
いたいけなさと同時に嗜虐心をあおられる。そのまま後ろから口づけながら結合部を
揺すぶると、絹代は小さくてかたちのよい臀をよじらせ、もう身も世もなく嗚咽した。
「もぅ・・・も・・・達きます・・・け・・・。」
修平の脚に藤蔓のようにからまった脚が更にきつくからみついてくる。ステージの縁に
つかまらせてやった手の甲を噛んで嬌声をこらえた分、絹代の秘唇はよりつよく修平を
締めつけて絶頂をつたえた。

361:或る夜のできごと 10
12/09/18 10:01:37.89 0mRvrSQ3
「ぁ・・・っあ・・・ぁあ・・・。」
まだうち慄えている身体からぐいと引き抜く。がくりと膝をつきそうになった小さな
身体を支えて、ひょいと抱き上げた。
「ひゃっ・・・や、やめて・・・。」
ほんの二、三歩・・・絹代を抱いたまま歩いて、座席に腰を下ろした。
「二回戦だが・・・。」
こちらを向かせて自分の上にまたがらせると、有無を言わさず男と女の部分をつき合わせ、
絹代の腰をつかんで押し下げる。
「だっ・・・だめぇっ・・・んぁ―――!」
今さっきまでぴったりと一つになっていた雌雄は、いとも簡単に再び溶け合った。
「く・・・。」
修平も眉根を寄せ、小さく声を漏らして強い快感をやり過ごした。雨に濡れた髪が額に
垂れて、端正な顔に男の色気を添えている。絹代は涙にかすむ目をうすく開け、自分を
貫いている男の官能的な表情をいとおしげに見つめた。

「なぁ・・・知っとるか・・・?」
ゆっくりとひとつ、深い口づけをくれてから修平が尋ねた。ただ繋がっているだけで
ずくずくと湧きあがる快感に苛まれる絹代は返事をすることもできない。
「・・・おい、聞いとるのか・・・?」
息も絶え絶えに涙に咽んでいる絹代に、答える余裕などないことをわかっていながら
修平は、意地悪く下からつきあげて返事を催促した。
「ひぁっ・・・な・・・にを?・・・ぁあっ・・・!」
何の問いかわからぬままに責められて、絹代はのけぞった。辛うじて修平の腕をつかみ、
身体を支えて荒い息をついている絹代の乳首を、ぎゅっとひねってやる。強い快楽に
支配された身体には、痛いくらいの刺激ががちょうど良い。
 もう片方の乳首も捻り上げ、絹代が苦痛にも似た快感に身悶える様を満足げに観察
しながら、修平はいつもの薀蓄ばなしのような調子で唐突に話し出した。          
「・・・くろうとの女はな、客は取っても唇はゆるさんと言う。間夫(まぶ)ともなれば
話は別だが。別に客もそんなことは望んでおらんしな・・・。」

362:或る夜のできごと 11
12/09/18 10:02:49.26 0mRvrSQ3
「・・・・・・?」                                  
あえぎ果て、啼きつかれた絹代はわけが分からず呆然としている。激しい行為のために
はずれかけて曲がっている絹代のメガネを、修平がすっと取って隣の座席へ置いた。
涙に濡れた頬を両手でそっと包んでやさしく口づける。
「ふぁ・・・ぅ・・・。」
「・・・口を吸いあうのは本気の相手だけ、いうことだ。」
ぴくり、と絹代の小づくりな肢体がふるえた。ざわざわと総毛だつような感覚に見舞われ、
修平の胸に顔をうずめて必死で耐える。
「ふ・・・お前は、ここは素直なんだなあ。」
「・・・な・・・にが、です・・・?」
「嬉しいことを言われて、なかがきゅうっと締まったが。」
「そ・・・そげなこと・・・!」
羞ずかしさに、絹代はキッと顔をあげて怒りの眼で修平を見返した。
「ほぅ・・・そげな威勢が残っとったか。」
修平は絹代のぷっくりとした下唇を歯ではさみ、何度も甘く噛んだ。
「・・・ぁ・・・ン・・・っは・・・。」
たちまち快感に蕩けてくる舌をもとらえて噛み吸ってやると、絹代の手ははもう修平の
腕をつかむ力も失くしてだらりと垂れ下がった。
「・・・ぁあ・・・もぅ・・・達く・・・あなた・・・。」
ぐったりと身体をもたせかけた絹代の双丘をつかんで己が腰に引きつけ、小刻みに揺すぶる。
絹代は修平の肩に顔を押しつけ、せつない声で耳に到達を囁きつづけた。
「そげな小声でのうて、もっとええ声で啼け。」
絹代の腋に腕を入れて起こし、二度三度と強腰で下から突き上げる。
「ぁっ・・・ゃあっ・・・だめぇっ・・・あ――っ!」
修平の腕の中で痛々しいほど背を反らせ、絹代ががくがくと全身をけいれんさせた。
「外に・・・出すか?」
つよい射精感をこらえながら、修平が尋ねた。
「・・・・・・なか・・・に・・・。」
ふるえて掠れる声で、絹代が答えた。
「子が出来ても、ええのか・・・?」
「・・・はい・・・。」
佳境にさまよいながら、絹代がしあわせそうに微笑んだ。次の瞬間、勢いよく迸る種子を
最奥に浴びせかけられ、幸福感の中で絹代の意識が遠のいた。

363:或る夜のできごと 12
12/09/18 10:04:01.45 0mRvrSQ3
 ふと気づくと、絹代は座席にひとり座らせられていた。そばでは修平が立って
ネクタイを結んでいる。絹代を抱く間も、修平はワイシャツと、サスペンダーで吊った
ズボンを身に着けたままだった。こんな場所で自分をさいなみ、なかば気を失うほど蹂躙
しておいて、自分だけさっさと紳士の装いを取り戻している夫を勝手な男だと思いながら、
その姿から目を離すことが出来ない。
(・・・芸者に会いに行くからって、あげにお洒落して・・・。)
ぴんと糊のきいた白いシャツにネクタイ、仕立てのよい背広に、伊達なサスペンダーで
吊ったズボンの折り線にはピシッと火のしが当てられている・・・。お目当ての妓のところへ
行くとて修平がするこうしたお洒落も、結局のところ絹代が用意したものなのだ。
(たまに優しうしてくれても、また他の女の所へ行ってしまうんだろうか・・・。)
 ひさしぶりに濃密に愛され、嬉しいことを囁かれた幸福感が、すぅっと醒めていく。
重だるい腕で散らされつくした我が身を庇いながら、絹代は甘い夢から覚めた物哀しさに
身をゆだねていた。

「外で待っとるけん、ゆっくりでええぞ。」
まだ身動きできぬまま、あられもない姿をさらす絹代の襟と裾をあわせてやり、襟の間に
懐紙をしのばせてやる。洋燈を残し、真っ暗な中をホールから出て行く修平を、絹代は
座席の背に身体をもたげたままぼんやりと見送った。
(ゆっくりでええなんて言うて、せっかちのくせに・・・。)
待たされることが嫌いな修平のために、絹代は重い身体を引き起こして身支度にかかった。
帯を解いてしまうと面倒なので、引っ張り出された襟と裾をなんとか帯に押し込んで直す。
髪の乱れを撫でつけてメガネをかけると、落ちていたチラシを拾い上げて大事そうに帯に
しまい、洋燈を手に外へ出た。

「あなた・・・?」
映画館の入り口に、タバコを吸っている男のシルエットが見える。雨上がりの空は雲が
切れて月が顔を出し、つよい光を修平に射しつけていた。
「・・・おう。」
修平が気がついてこちらを振り向いた。ちょっとまぶしげに目を伏せ、ゆっくりと近づいて
来る絹代は、心なしか足取りが覚束なく、いつものきびきびとした彼女とも思えなかった。  
(・・・ちょっこし、苛めすぎたかな・・・?)
自らの男の力に征服されつくして弱っている女というものは、いやがうえにも男の自尊心を
くすぐるものだ。

364:或る夜のできごと 13
12/09/18 10:05:31.67 0mRvrSQ3
「・・・おぶってやらか。」
修平はタバコを映画館の足つきの灰皿にこすりつけて消すと、背広を脱いで絹代に渡し、
しゃがんで背を向けた。
「え・・・ええですよ。ちゃんと・・・歩けますけん。」
情交の名残でうまく歩を運べないと思われるのが羞ずかしく、絹代はことわった。
「ええけん、おぶされと言うんだ。」
修平は強引に絹代を背負いあげると、月明かりの中を歩き始めた。

 外はかまびすしいほど虫が鳴きすだいている。
「もぉ・・・鞄より重いもの持ったこともないくせに・・・。」
絹代はそう言ったけれど、いつも『静養第一』で、身体を使う仕事など決してしない
修平でもさすがに男だけあって、広い背中の乗り心地は悪くなかった。
「・・・これが、美女を盗み出して嬉しい道行(みちゆき)とかならええんだがな・・・。」
「また芝居の話ですか・・・ええかげんにしてごしない。」
「芝居じゃあない。伊勢物語だ。・・・お前はほんに情趣を解さん女だのう。」
「ほんなら私は鬼に喰われるんですか・・・。私だって物語は好きだけど、あなたのように
 情趣だの風流だの言うとる余裕がなーだけですが。」
修平はすこし胸が痛んだ。絹代は少女の頃才媛であったと聞くが、家の没落が彼女に
女学校以上の教育を許さなかったのだ。今でも本や物語が好きではあるが、三人の
育ち盛りの男の子の世話や、決して豊かではない家政の切り盛りに追われ、絹代には
修平のように芸術をたのしむ暇などないのだった。                  

「物語といえば・・・茂は今夜ずっとあなたのお帰りを待っとったんですよ。お父さんに
 絵物語を見てもらうんだ、言うて・・・。」
「おお、忘れとった・・・茂に悪いことしたなあ。」
「茂だけじゃあーませんよ。雄一だって光男だって、あなたが大阪に行かれとると、
 時計の音ばっかり響いて家の中が静かでつまらんって・・・。」
「・・・これからは、なるべくあいつらと遊んでやるかな。」

365:或る夜のできごと 14
12/09/18 10:06:35.78 0mRvrSQ3
「ええ・・・大阪から帰っていらした時くらい、よそへはいらっしゃらないで・・・。」
修平がいなくて一番寂しいのは自分なのだけれど、絹代は子供にかこつけて修平が
境港にいる間、紅燈の巷へと浮かれ出ることを禁じたのだ。
「お・・・おう。わかった。」
絹代の声に混じる、必死な想いにほだされ、修平はついそう答えてしまった。
「本当に・・・?約束ですよ。」
絹代が、自分の脚を支える修平の手をさぐって、小指に指をからませた。
(南無三・・・染香ともこれまでか・・・。まあええ、脈があるようでもなかったしな。)
修平は少し残念に思ったが、日頃離れて暮らしているのに、帰って来た時まで遊び
歩いて妻子を放ったらかしにしていた自分を反省する気持ちにもなった。
 立ち止まり、安心させるように絹代の小指をぎゅっと握ってやってから肩へ戻して、
修平はまた歩き続けた。

 温かくて広い背中に身をゆだねているうち、幸福感と愛された疲れで眠くなって
しまったらしく、肩につかまる絹代の手の力がゆるんだ。
「・・・こら、寝るな!寝ると重くなるけんな。」
「きゃあ!」
揺すり上げられ、絹代は悲鳴をあげて修平の肩にしがみついた。ワイシャツの肩に
食い込む細い指の感触に、修平はふと微笑んだ。このちょっと変わった、けれど
可愛い女と歩んできた人生と、二人の間に生した子供たちがいとおしくてならない。

「茂の奴はほんに絵が好きだなあ・・・。死んだ昇三おじさんの生まれ変わりかもしれん。
 絵だけでのうて、それに物語をつけるのも得意だな。そこは俺に似とる。」
「そげですねえ・・・。勉強はちーっともしませんが。」
「まあ、嫌いなもんは無理にやらんでもええ。好きな道で生きられたら、それが
 一番しあわせだが。」
「・・・そげに上手くいきますかねえ。」
「絵と物語両方の才能が生かせる仕事・・・そげなものがあるとええがなあ。」

 ふたりはいつになく穏やかに子供たちのことを話しつづけた。背負い背負われた
身体の重なりから、情を交わしたばかりのお互いの肌のぬくみが伝わってくる。
 いろいろ悩みはつきないけれど、ふたりでひとつの影は、今はこのうえない幸せに
浸りながら月夜の道を歩いていった。

366:名無しさん@ピンキー
12/09/19 21:03:49.17 uk+0Z+HG
>>352
イトツとイカル!GJ!
思い出の、でも朽ちかけてる劇場で…というのがたまらんでした!

367:名無しさん@ピンキー
12/09/20 23:43:49.06 JpOX13ct
おかあちゃんをいじめるなに萌え転がった

>>352
イトツのSさがゲゲさんに通じるものでなんかいいなと思ってしまったw
GJでした!

368:名無しさん@ピンキー
12/09/22 21:24:02.64 miFcXkx7
>>367
あのセリフはヤバイ
さらっと言ってるのがより妄想を掻き立てる

369:名無しさん@ピンキー
12/09/22 23:14:40.08 Lk3oDLf6
妄想
「おかあちゃんをいじめていいのは俺だけだ」とか?

370:名無しさん@ピンキー
12/09/23 20:03:51.34 G2h1Vh8f
静かに言ってるのが無意識な独占欲の表れみたいでなんかいいよね!
熟年期のデレは濃くて深くて、リアル夫婦の今のデレにつながってる感じで良いよね

371:名無しさん@ピンキー
12/09/24 18:36:32.51 rceDmw5a
うん
ゲゲはフミちゃんに対して独占欲強いと思う
貧乏どん底でも働きに出さなかったし
基本的には自分の仕事にも関わらせたくないタイプ
フミちゃんには自分の奥さんって部分だけでいて欲しかったんじゃないかな
ある意味、男らしいんだけどねw

372:名無しさん@ピンキー
12/09/26 19:31:57.10 cXREiyBR
もう今週で終わりとか信じられない…
再放送でもがっつり萌えさせてもらった

373:名無しさん@ピンキー
12/09/27 23:10:11.04 ymOBekE/
「着物作れ」からの「お、ええな」
そして明日の最大のデレ
ほんともう!ゲゲふみかわいい!

374:名無しさん@ピンキー
12/09/28 13:53:00.55 zPq6HkrN
>>373
花束を渡す動のデレと、涙をながしてるところへの肩ポンの静のデレ
二度美味しかったね

375:名無しさん@ピンキー
12/09/28 18:43:55.35 q4Ng7w6r
手がふれ合うところが萌えすぎてヤバかった

376:名無しさん@ピンキー
12/09/29 22:12:32.04 wtUWMJlW
ああ終わっちゃった…
ありがとうゲゲふみ

377:名無しさん@ピンキー
12/09/30 19:25:36.07 OFhEtIfU
次の朝ドラ、キスシーンがあるらしい
その上、宣伝ポスターはヒロインが相手役に思いっきり抱きついてる写真だた…
何故ゲゲふみはないのかと・・・

378:名無しさん@ピンキー
12/10/02 20:36:12.40 YGRz2xJ0
>>377
抱きあうくらいは見たかったかもなぁ
ゲゲふみがだめならゆうあや…!

379:名無しさん@ピンキー
12/10/04 22:05:16.65 kGskPJNs
本スレのいろんな考察にじたばたごろごろしたくなる
ゲゲさんやっぱふみちゃん大好きなんだな!

380:名無しさん@ピンキー
12/10/05 11:20:18.70 jjsi322o
>>379
再放送になっていちだんと考察が深くなって感心することしきり>本スレ
本当に愛されているんだな…
フミちゃんの定員は1名って、なんかエロいww

381:名無しさん@ピンキー
12/10/06 23:29:11.57 q/w12qSA
定員一名も萌えたけど、
目玉には魂が、魂がこもってるものは宝物
だからふみちゃんは宝物ってのが、もう

382:名無しさん@ピンキー
12/10/09 16:02:21.41 81A0jmp7
うんうん、今ごろつなげてきたかって感じw

リアル先生の発言で
「出雲の人は誠実で品がよくて特別の感じがする。」
「家内は出雲の出」
と言う発言もあります。どうせならつなげて言ってあげてごしないw

383:名無しさん@ピンキー
12/10/12 01:00:35.00 wkgx2zMB
水木プロの某つぶやきサイトでの投稿にたまーに奥さんネタが出てくるんだけど
ドラマ夫婦で変換しては妄想している…
ゲゲさんに桃をむいてあげるふみちゃんとかおいしすぎる

384:名無しさん@ピンキー
12/10/14 16:45:12.44 8EuhmcF6
本スレの天井舐めの流れ見てたら、
天井を見たくないと怖がるふみちゃんに騎乗位にしたらいいと提案するゲゲさん
という妄想がとまらなくてやばい

385:名無しさん@ピンキー
12/10/14 17:49:12.28 oqdvcWhP
職人さんの投下が最近なくて寂しい

自分は妄想あっても文才ないからなあ

386:名無しさん@ピンキー
12/10/17 19:51:00.29 ldcnTFCa
自分も妄想しかできないw
けど何回かここのネタを職人さんが昇華させてるのが微笑ましくて嬉しくて
しがない妄想をたまに書き込んでる

387:名無しさん@ピンキー
12/10/21 21:24:20.21 VZK7JT3a
ハチミツぺろぺろプレイするなら是非ふみちゃんに自分の身体に垂らさせる羞恥プレイ込みを…と
本スレを見て思う

388:名無しさん@ピンキー
12/10/22 11:20:10.18 y+MipeZ5
夫婦共演はないですかね?
篤姫、龍馬、シャルウイダンスやら映画やCMで再共演してるけど

389:名無しさん@ピンキー
12/10/25 10:48:38.80 dnQ+tmY/
他のを準備中でしたが、>>384さんのレス見たらなんだか放っておけなくてww

結婚した年の秋、音松親方が現れる少し前くらいの話と思ってごしない。

390:常世の国 1
12/10/25 10:49:47.38 dnQ+tmY/
 ぽとん。畳の上に、一滴の水が落ちてきて吸い込まれた。
「・・・あれ?なんの水だろ・・・?」
ちゃぶ台で家計簿をつけていたフミエは思わず上を見上げた。
 ぽとん、ぽとん・・・天井の羽目板に出来た水のシミからぶら下がった水滴がみるみる
膨らんで、つぎつぎに落ちてくる。
「やだ・・・雨漏り?」
あわてて新聞紙と茶碗を持ってきて、畳に水染みをつくり始めた水滴の下にあてがった。
 夕方から吹き始めた風がいつの間にか雨を連れて来て、枯れ葉まじりの時雨が
窓ガラスを叩いている。 
 たかが一滴の水なのに、ぴちょん、ぴちょんという水音は静かな家の中にけっこう
大きく響く。フミエは今つけていた家計簿と、雨漏りを交互にながめてため息をついた。
「いつか来るかもしれんとは思っとったけど・・・。」
茂には悪いが安普請のこの家で、雨漏りがしても不思議はないのだが、梅雨どきも
台風の季節も乗り切ったこの時期に来るとは・・・やっぱりちょっと心が沈んだ。
(修繕するお金なんてないしなあ・・・。)
安来の家も古いから、雨漏りは珍しいことではなかったが、すぐさま出入りの大工が
呼ばれて直してくれたものだ。雨漏りを放置しておいて家全体が傷んでは、ご先祖に
申し訳がたたないというのが父の源兵衛の口ぐせだった。

「ああ・・・また出とる・・・。」
フミエは上目遣いに眼球だけを動かして天井のシミを見た。それは以前からフミエが
(人の顔みたい・・・。)と不気味に思っていたものだ。
 男とも女ともつかない不気味な顔が、空洞のような目でフミエをみつめ、ぽっかりと
黒く開いた口から呪いの言葉を吐いているように見えるそのシミが目に入らないよう、
フミエは普段からあまり天井を見上げないようにしていた。

391:常世の国 2
12/10/25 10:50:31.59 dnQ+tmY/
 水分を得たシミはくっきりと輪郭を際立たせ、心なしか前よりも活き活きとして
さえ見える。
「あのひと・・・どげしたんだろう?もうこげに暗いのに。」
戌井の家を訪ねると言って午後から出かけた茂は、そろそろ夕食どきと言うのに
まだ帰って来ない。窓に映ったフミエの心細げな顔に雨粒が吹きつけ、ガラスが
ガタガタと鳴った。
「しげぇさん・・・早く帰ってきて・・・!」
フミエは急に寒気を覚え、両手で自分の肩を抱いた。

「ああ・・・雨漏りか。ボロ家だけんしかたないな。」
急に雨が降ってきたので戌井のところで待たせてもらったとかで、茂は八時を
まわってからようやく帰ってきた。フミエの訴えを聞いて天井を見上げたが、茂は
慣れっこという感じで特に深刻にとらえる様子もなかった。
「木目が顔に見えるのは、ようあることだ。・・・障子を張り替えても張り替えても
 同じ場所に現れる顔、と言うのなら怪談だけどな。」
江戸時代の怖い話の聞き書き集にあるとかで、茂は夕食を食べながら嬉しそうに
その怪異についてこと細かに教えてくれた。
(聞かんだったらよかった・・・ますます怖くなってしもうた。)
茂に妖怪の相談をしたのは失敗だった。ますます怖い気持ちがふくらんでしまって、
フミエは泣きたくなる。
「また読み返してみたくなったな。・・・戌井さんとこで思いついた話もあるし、
 これ食ったらさっそく仕事だ。」
雨宿りの間、戌井と漫画談義に花が咲いて新しい着想を得たらしく、南瓜の
煮たのと大根漬けでモリモリとご飯をたいらげると、茂はさっさと仕事部屋に
こもってしまった。

392:常世の国 3
12/10/25 10:51:19.06 dnQ+tmY/
 その日の夜。布団に入ってからずいぶん時間が経っても、フミエはなかなか
寝つけないでいた。天井を見ないようにしていても、目を閉じるとまな裏に
あの顔が浮かんでくる。茂に聞いた怖い話も思い出されて、眠るどころでは
なくなってしまったのだ。 
 宵のうちの時雨はとうに止み、顔を出した月の光が差し込んで部屋はうす明るい。
相変わらず風はつよく、雲がどんどん流れて不気味な陰を部屋の中に投げかけている。
つめたく湿った布団の中で、フミエはまんじりとも出来ずに、無理やり目をつぶって
怖いのを我慢していた。
 深夜になって、茂が仕事部屋のフスマを開けて部屋に入ってきた。フミエは
心からホッとして、思わず起き上がってしまった。
「・・・なんだ、あんたまだ寝とらんだったのか?」
寝巻きに着替えながら、茂が驚いたように聞いた。
「眠れんようになってしもうて・・・あなたが怖い話されるけん。」
「怖い話・・・?そげなもんしたっけか?」
茂はさっきの話などすっかり忘れてしまったようで、さっさと自分の布団に
もぐり込んだ。
「うう、布団がつめたい・・・。ちょっこしあっためてごせ。」
ようやく少しだけ温まってきたフミエの布団に、茂の冷たい身体が入ってくる。
広げられた腕の中に包み込まれ、フミエはホッと安堵のため息をついた。
(あったかい・・・。)
同じように冷たい身体なのに、ふたり寄り添うとなぜ温かくなるのだろう・・・
フミエは今度こそ眠れそうな気がして、茂の胸に顔をうずめた。
「そう言えば、シミがどうとか言うとったな・・・。天井のシミは天井舐めと言う
 妖怪が舐めた痕だと言うが、妖怪いうのは舐めるのが好きだなあ・・・。」
よせばいいのに、茂がまた怖い話を始める。
「もぉ・・・やめてください!・・・せっかく眠れそうなのに・・・。」
「なんだ・・・あんたも、夜更かししとるとお化けが足の裏べろ~んと舐めーぞ、
 とおばばに脅かされた言うとったじゃなーか。」
茂がふざけて足の指でフミエの足の裏をすぅっと引っかいた。

393:常世の国 4
12/10/25 10:52:07.78 dnQ+tmY/
「ひゃっ・・・!!」
ぞくっとして反射的に足を引っ込め、フミエは思わず茂にぎゅっと抱きついた。
「こ、こら・・・そげにしがみつかれたら、別のところが起きてしまうが・・・。」
「え・・・?」
ふと力をゆるめたフミエの下腹に、覚えのある硬さが押しつけられる。息をのんだ
フミエの唇を、茂の唇が押しつつんだ。
「ン・・・んん・・・っふ・・・ぅ・・・。」
自分を欲している証しをつきつけられながら、口中を激しく責められる。フミエの
はだかの脚を、茂の足先がからかうように何度もこすり上げる。いつしか大きく
拡げられた脚のあいだが、とろとろに蕩けていくのがわかった。

「・・・あんた、こげしてほしくて、怖い怖い言うとるんじゃないのか?」
唇を離した茂が、少し息をはずませながらからかった。
「ち・・・ちがいます!」
「なんだ・・・違うのか。」
「え・・・?」
ちょっとがっかりしたような言い方にきょとんとしたフミエの唇が、また塞がれる。
「・・・ン・・・はぁ・・・ぁ・・・っん・・・。」
唇と唇が溶け合い、冷えていた肌に茂の大きな手が這わされる。さらしあった素肌と
素肌のふれ合いがたまらなく心地よくて、フミエは幸せそうに茂の背に腕をまわし、
甘い声であえぎ続けた。
「ぁあ・・・ぁん・・・っん・・・ぁあ・・・!」
胸乳を舐め吸いながら、潤いを確かめた手が膝を押し上げた。いつもより性急な
ことの運びが、茂につよく欲されていることを実感させて、歓びがじわりと拡がる。

394:常世の国 5
12/10/25 10:53:09.61 dnQ+tmY/
 快をこらえながら少しずつ身を沈めていく時の、ちょっと苦しげないとしい顔を
少しだけ垣間見たくて、フミエはうっすらと目を開けた・・・そのとたん、茂の肩ごしに
あの天井のシミが目に入った。
「ぃ、いや・・・!こわい・・・。」
フミエは天井を見たくなくて、茂の胸に顔をうずめた。
「ん・・・?どげした。・・・今さら『こわい。』って・・・。」
結婚してから1年たらずとは言え、もう数え切れないほど抱き合って、身も心も
馴染んでいるはずのフミエの言葉に、茂は一瞬勘違いをして手を止めた。
「だ、だって・・・見とる・・・。」
フミエの指さす方を見ると、さっき見せられた天井のシミがフミエを見下ろしている。
「ははは・・・子供みたいだな、あんたは。」
「だって・・・目が合ってしまうんですもん。」
フミエは抱きついた胸から顔も上げずに、くぐもった声で反論した。

「ふーーーん・・・俺が一生懸命はげんどる時にも、あんたは天井見て『あのシミ、
 人の顔に見える・・・。』とか考えとる余裕があるんだな・・・。」
茂は今にも貫こうとしていた体勢を元に戻し、わざと傷ついたような声で言った。
「・・・えっ・・・そ、そげなことありません!」
思っても見ない茂の反応に、フミエは驚いて胸から顔をあげた。
 愛される時、フミエに周りの景色を気にしている余裕などほとんどなかった。
ただひとつ、超至近距離にある茂の端正な顔が、汗を浮かべ、快感に歪み、
のどぼとけがゴクリと動く・・・そんな官能的な表情に目を奪われることはあっても・・・。
「あげにひいひい言うとったのは、芝居だったんかな・・・。」
舌に指に、そして茂自身に・・・蕩かされ、占められ、奪いつくされる時のフミエの、
啼き声、涙、蜜、内部の収縮・・・それらが演技などではないことは、茂が一番よく
知っているはずなのに・・・。

395:常世の国 6
12/10/25 10:53:57.75 dnQ+tmY/
「・・・そげな・・・芝居・・・だなんて、私・・・。」
「本当に、よがっとるふりをしとるんじゃないんだな?」
言葉でなぶりながら、指は紅く色づいた実をつまんでこじっている。フミエは
もじもじと身体をうごめかせてなんとか逃れようとするが、重い身体に押さえつけ
られていて動けず、息を荒くして目に涙をため、震える声で答えた。
「・・・ぁ、ゃめっ・・・ほ・・・ほんと・・・ですけん・・・っ!」
「まあ・・・あんたにそげな演技力があるとも思えんが・・・。」
「だ、だけん・・・ほんとに・・・!」
乳首からじんじんと送り込まれる痺れが、フミエの思考能力を奪い去る。信じて
ほしいあまり何かすごく羞ずかしいことを口ばしりそうになって言いよどむ。
「わかった、わかった・・・。ほんなら、もっと見せてみれ。」
頭を撫でられてホッとしたのも束の間、さらけ出されたままの、蜜にまみれた花を
指でなぞられ、悲鳴をあげて身悶えた。
「・・・ひぁああっ・・・だめっ・・・だめぇ・・・。」
指で、言葉で・・・弄られ、責められて、ずきずき疼いている女陰から、情けないほど
温かい水があふれてきてしまう。
「まあ、演技じゃこげにぐしょぐしょには出来んだろうな・・・。」
引き抜いた指をわざと灯りにすかして、淫らに糸をひく粘液をフミエに見せつける。
「んっ・・・ぐ・・・ぅ・・・。」
蜜に濡れた指を口に挿し入れられ、舌や口蓋をくすぐられる。フミエはその手を
両手でつかみ、なぶる指に舌をからめて夢中で舐め吸った。
「だが・・・シミと目が合うと気が散るかもしれん・・・。」
フミエは頭がぼうっとして、もうシミのことなどさほど気にならなくなっていた。
けれど茂は、うるんだ瞳を霞ませて溶けた身体を横たえているフミエを見下ろし、
「ほんなら今日は、あんたが上になれ。」
と言った。
「・・・え・・・?」
「上を見んようにすれば、怖くないだろ?」
ごろんと横になると、フミエの手をぐいと引っぱった。

396:常世の国 7
12/10/25 10:54:40.08 dnQ+tmY/
(これ・・・羞ずかしいけん、いや・・・。)
何度もさせられているけれど、フミエはこのかたちが正直あまり好きではなかった。
そもそも男女の交わりに、さまざまな体位などと言うものがあると言うことさえ、
結婚するまでは知らなかったフミエだった。
 正面から抱きあうだけでなく、後ろから、横から、座ったまま向かい合ったり、
茂のあぐらの上に子供のように抱かれたり・・・。なかでも、上になるかたちでは、
自らをつらぬく凶器を自分でなかにおさめなければならないのだ。
 閨のことでは、男性に全てをまかせていればいいと思っていたフミエは、最初
このかたちにとても抵抗があったし、今でも慣れてはいなかった。
 手を引かれるままに起き上がって、しぶしぶ上になる。大きく開いた両脚の
中心が、痛いほど高ぶってフミエに充足を求めているけれど、すぐにその行為に
うつることはためらわれた。
 せめてもの触れ合いが欲しくて、前のめりになって茂に口づける。いとおしげに
頬を手で包み、伸ばされた舌を茂の分身にするように唇をすぼめて愛撫した。
「・・・っふ・・・ぅん・・・んふぅ・・・はぁっ・・・。」
茂が手をまわして抱き寄せ、下から奪う。激しくなる口づけの間にも、いっぱいに
開いた秘裂はだらだらと涙を流しつづけていた。
「・・・んふぁ・・・っは・・・ぁあ!!・・・っ。」
口づけに夢中になっているフミエの、後ろに向けてさらされていた秘裂を、茂が
持ち上げた膝でぐっと衝いた。フミエは悲鳴をあげて頭を上げ、身をよじった。
「・・・ゃっ・・・ぁ・・・ダメッ・・・だ・・・。」
再び唇を奪われて後頭部を押さえつけられ、更に持ち上げた膝で女陰をぐりぐりと
なぶられる。前にも後ろにも逃げようがなくて、フミエはほとんど達きそうなほど
感じていた。

397:常世の国 8
12/10/25 10:55:32.63 dnQ+tmY/
「っ・・・く・・・はぁっ・・・はぁ・・・。」
唇が離れ、茂の胸を涙で濡らして伏せたまま荒い息をついていると、無防備な
秘裂に硬起した男性が押し当てられた。
「ゃっ・・・ぁああ・・・!!」
茂が手で持った自身を、とろとろに溶けたフミエのなかに挿し入れている。フミエの
複雑な花の一片一片が、歓喜にざわつきながら最愛のひとの一部を迎え入れた。
「・・・んっ・・・で、でも・・・うえに・・・なれって・・・。」
それなりに覚悟を決めて上に乗ったのに・・・。フミエがもたもたしていたとは言え、
不意打ちされて、勝手に歓喜に沸く身体をどうすることもできない。
「あんたが、とろくさいけんだ。」
大きな手が臀の肉をつかみ、下に向かってぐいっと押しつけた。
「ゃあっ・・・ダメ・・・そげにしたらっ―――!」
フミエを押し拡げている剛直が、さらに深いところをえぐる。フミエは自分の涙で
しょっぱい胸肌に唇を押しつけ、のどを絞り上げるような喜悦の叫びを塞いだ。

「ぃく・・・も・・・ぃっちゃ・・・う・・・。」
フミエは茂の肩に爪をたて、胸に顔を伏せたまま悦びに身体をふるわせている。
「・・・あんた、そこはとろくさくないんだがな・・・。」
フミエの到達の早さに少し驚きながら、茂はその身体を上に乗せたまま上体を起こし、
背中を抱いて支えてやりながら向かい合った。
「は・・・っん・・・だめっ・・・まだ、なかが・・・。」
斜めに脚を組み合わせたかたちになって、新たな刺激につらぬかれ、まだうごめいて
いるフミエの内部がどよめいた。
「ぃやっ・・・あた・・・っちゃ・・・。」
茂の先端の突き当たるところに、フミエがことのほか歓ぶ場所がある。
「ん・・・?ここか・・・?」
腰をつかまれてぐっと押し当てたまま、がくがくと揺すぶられる。

398:常世の国 9
12/10/25 10:56:20.79 dnQ+tmY/
「んぁぅ・・・だめっ・・・しんじゃ・・・死ん・・・じゃうぅっ・・・!」
フミエが身悶えてのどを反らし、そのまま後ろにくずおれそうになる。
「こら、まだ死ぬな・・・。」
茂が少し笑って、右手でフミエの右手を握った。フミエは左手を後ろにつき、
茂の手をたよりに弓なりに背をそらせた。もはや羞じらいも何もなくなり、腰を
浮かせ、長い髪を振り乱して甘く啼きつづける。
「・・・ゃっ・・・ぁあ・・・!・・・ぁあ・・・んっ・・・!!」
律動的な動きに突き上げられ、フミエも必死で腰を波打たせた。
「んんっ・・・ぁあっ・・・あ・・・ぃ・・・い・・・。」
素直に快感を追って腰を躍らせる妻を、茂はいとおしそうに眺めた。
「んぁっ・・・っく・・・ぃく・・・ぁあ―――!」
後ろに倒れそうになったフミエを、茂は腕で支えてそっと横たえた。びくびくと
ふるえる身体に、いとしい重さがのしかかってくる・・・。その時、フミエの脳裡に、
忘れていたはずのあの顔がよみがえった。

「いやっ・・・!天井が・・・!」
「だら・・・俺の顔だけ見とれ!」
伏せていた目をあげると、フミエをまっすぐにみつめる視線とぶつかった。
「ゃ・・・羞ずか・・・し・・・。」
自分を貫いている男の顔をまじまじと見、見られるのはたまらなく羞ずかしくて、
フミエは目を伏せ、顎をあげようとする茂の手に抗った。
「んんっ・・・ぐ・・・。」
しのごの言わせず唇で唇をふさがれ、舌がしのびこんで来る。上の口も下の口も
とろとろに溶けて、茂にいっぱいに占領されている。自分が、ただ茂を容れるため
だけの器になってしまったような感覚にとらわれる。
「ん・・・んふぅ・・・ぅ・・・んぅ―――!!」
茂の中に絶頂のすべてを吐き出し、フミエは真っ白な世界に旅立った。ひとつに
溶け合った身体のなかに、茂もすべてを解き放って果てた。

399:常世の国 10
12/10/25 10:57:19.49 dnQ+tmY/
「・・・はぁあ・・・。」
法悦のあとの気だるさの中で、フミエは温かい腕の中でたゆたっていた。
「なんだ、大けなため息なんぞついて。」
「こげしとると、安心だなあ・・・って。」
さっきまでの寂しい独り寝とは比べ物にならない、幸福感と安堵感・・・。それなのに、
茂に意外なことを言われて、フミエはギクッとした。
「・・・俺が、お化けだったらどげするんだ?」
自分を抱いている男は、茂の声で話すけれど、その顔は窓のうすあかりからは逆光に
なっていて、全く判別がつかない。茂さえ隣りにいてくれれば、闇を怖いと思ったこと
などなかったフミエなのに・・・。
 急に怖くなって、フミエは目の前の真っ黒な顔を両手でさわった。すっと伸びた鼻筋、
男らしい眉毛、滑らかなほお、くすぐったそうにまつ毛が震え、しのび笑いがもれる。
顔が見えなくたって、このひとはこのひとだ。
「・・・そしたら、私もお化けになりますけん。」
フミエはそう言うと、茂の両頬を包んで口づけた。下から伸びてきた腕にぎゅっと
抱きしめられる。肌の下の甘い痺れはいともたやすくよみがえり、フミエは息苦しく
なって茂の胸に頬を寄せた。
「そげだな・・・自分もお化けになってしまえば、こわくなくなるけん。」
フミエがふふふと笑った。暗闇の中で茂とふたり、お化けの夫婦になった気になると、
なんだか楽しくさえなってくる。

「そう言やあんた、さっき『しぬ死ぬ』言うとったなあ・・・。」
ふいに茂がそんなことを言い出した。
「そ、そげに何度も言うとりません!いっかいだけ・・・です。」
行為のさ中に見せた反応や、夢中で口走ったことを、後から言われるのはたまらなく
恥ずかしくて、フミエの頬が熱くなる。
 自分がどうなってしまうのかわからない不安と恍惚を表すのには『死ぬ』と言う言葉
しかなかったのだけれど、愛し合う時にそれはふさわしくない言葉だったのだろうか?

400:常世の国 11
12/10/25 10:58:33.43 dnQ+tmY/
「ぁ・・・でも、こげな時に言うたら、いけんだったでしょうか?」
「・・・いや?達く時に『死ぬ』言う女は多いらしいぞ。なるほど、死ぬほど快ければ、
 本当に死なんでも魂だけは常世(とこよ)の国に行けるかもしれんな。」
茂がふとそう口にした。それがこのいとしいぬくもりに包まれて沈んでいる闇の底の
ことならば、フミエもそんな気がしてくる。
「常世・・・って、十万億土のことですか?」
「うん・・・そうとも言うな。海の彼方にある理想郷とも言われとるが・・・。」
「子供の頃、お盆にはご先祖様がキュウリの馬に乗って帰ってきて、また十万億土と
 いう所に戻っていく・・・とおばばに教わりました。」
「ああ・・・昔はもっと、死が身近なものだったもんだ。」
普通は縁起でもないとされる死の話題だが、茂にとっては妖怪とならんで重要な
研究テーマだった。懐かしそうに、時に嬉しそうに死について語る茂に、フミエも
最初は面食らったものだが、次第に慣れてしまっていた。
「自分とつながる人達がおる所と思えば、なんだか懐かしい気もしますね・・・。」
おばばが教えてくれたあの世の世界に、今はそのおばばもいる・・・いつかは誰もが
行く場所が、やすらかで幸せな世界であるのなら、人は安心して死ねるだろう。
 真っ暗な中で死についてあれこれ考えている自分に気づいて、フミエは
(私はほんとに、このひとの女房になったんだなあ・・・。)
と、嬉しいようなおかしいような気持ちで微笑んだ。

「『死ぬ』ことを『逝く』とも言うな・・・。だけん、気がいく時に『死ぬ』と
 言うのかもしれん。」
また話がそこに戻って、フミエはまた頬を赤らめた。だが、どうにもならないほど
責め上げられ、追い落とされた瞬間に魂がふわりと浮かぶようなあの感覚・・・
あれはやはり小さな死に似ているかも知れない・・・とフミエは実感した。
「あんた、今日は二度・・・いや三度、死んだな・・・。」
「・・・ゃだ、もう・・・。」
そんなこと、数えないでほしい・・・フミエは燃えるように熱い頬を、冷えだした茂の
胸肌に押しつけて冷やした。
「熱っつい頬べただな。ええ行火(あんか)になるが・・・。」
茂がフミエの頭をぎゅっと抱いて胸に押しつけた。そのこころよい束縛をたのしむ
ように、フミエは目を閉じて深く息を吸い込んだ。

401:名無しさん@ピンキー
12/10/26 19:19:51.69 QQvi3NE4
いつも素敵な作品ありが㌧!!

自分も、フミちゃんって怖がりなイメージあったから
何か良かった
抱きつかれてムラムラしちゃうゲゲも最高でしたw

402:名無しさん@ピンキー
12/10/27 23:25:24.67 5/1xMklF
>>390
GJ!
わざとを期待するゲゲさんがかわいいw

403:名無しさん@ピンキー
12/10/30 22:13:52.47 gcHVPXqn
>>390

GJ!!

次の作品も心待ちしておりますです

404:名無しさん@ピンキー
12/11/02 23:23:39.98 uT4HYUZ9
>>389
384ですが、ほんにだんだん!
こんなに嬉しいことは無いです
GJでした!

405:名無しさん@ピンキー
12/11/10 10:49:59.17 dZm+2/n7
家計簿も終わっちゃったんだね
さびしいなあ…

406:名無しさん@ピンキー
12/11/12 14:07:23.28 GkvnoC/j
本スレにあった脚もみ、イイけど妊娠中なんだよなあ、惜しいww

407:名無しさん@ピンキー
12/11/16 16:43:23.91 RLoqfj4M
>>405
家計簿、おとうちゃんがドラマよりやさしい時があってニヤニヤしたw
単行本楽しみだわ

408:名無しさん@ピンキー
12/11/19 17:58:54.72 r5MRk4O8
フミちゃん中の人のエアコンCM
キレイ可愛い~
あんな瞳をウルウルさせるゲゲは幸せ杉

409:名無しさん@ピンキー
12/11/22 17:57:46.25 sPMVJtzf
いい夫婦の日記念カキコ

>>408
かわいいよねぇ
ゆうちゃんになって綾子さんとイチャイチャしたいと本気で思う事が多々あります…

410:名無しさん@ピンキー
12/11/23 09:27:07.80 H/f52tok
コーセー、JAバンク
新作続けてみれた!

とくにJAはフミちゃんをモチーフにした作りだね
ちょっとどんくさい、でも可愛さMAXな感じ

411:名無しさん@ピンキー
12/11/23 19:03:13.63 4xtzE9eF
>>409
ハゲドウ
あんな可愛い奥さん(彼女)と目いっぱいイチャイチャ出来たら
どんな事でも頑張れるよなあ…

412:名無しさん@ピンキー
12/12/02 23:01:29.04 LBXsKvL1
未放送のエア食事会を観たかった
保守。

413:名無しさん@ピンキー
12/12/04 08:24:39.38 UKFQ48nM
>>412
ふみちゃんがエア食事会でエアあんこでも服に落としてぺろぺろ舐められれば良いよね
エア生クリームが思い浮かんだけど時代的に厳しいっつーw

414:名無しさん@ピンキー
12/12/12 10:43:10.66 rYaZFKoA
もうじきクリスマス…
寒くなるといろんなあったまるシーンを思い出す

415:名無しさん@ピンキー
12/12/18 20:39:42.10 OY+YEDV+
>>414
出産当日の送ってくときとかねー
もうほんとにほんとにかわいい

ああもうまた見たくなってきた!
CS見れない自分が憎い!

416:名無しさん@ピンキー
12/12/24 14:54:33.79 wyrzJveT
投下がないなあ…

職人さんいつでも待ってるよ!

417:名無しさん@ピンキー
12/12/24 22:02:19.72 M3hPHvHn
藍子よっちゃんおめでとう!

418:名無しさん@ピンキー
12/12/27 16:35:26.09 NzwcOvPz
>>416
祐綾のクリスマスを書いてたんだけど、なんか時間がとれなくて
とうとう間に合わず・・・。
『待ってるよ!』なんて言われたらがんばっちゃうかもw
いつ完成するかわからないけど、時期はずれでも良ければ投下します。

419:名無しさん@ピンキー
12/12/27 18:32:29.21 BBDMV2p7
職人さん!
時期とか気にしないで
是非とも首を長くして待ってまーす♪

420:名無しさん@ピンキー
13/01/04 11:06:54.00 N4I58r48
保守

421:名無しさん@ピンキー
13/01/05 15:48:04.11 t5yU39az
JAの新しいCMが髪型のおかげでふみちゃんと綾子さんにしか見えないw

綾子さんはポニテってイメージあるけどこれは多分自分が携帯に保存してて
ちらちら見てるいちせん夫婦の画像がポニテだからなんだろうな…w
おろしてる方が多いもんな

422:名無しさん@ピンキー
13/01/09 19:19:35.88 VuSgpX/7
>>421
リス更新編が神すぎた…
波照間っ♪も可愛いけど

423:名無しさん@ピンキー
13/01/11 19:48:18.62 jnldGRSa
ゲゲがプロダクション立ち上げる時
いそいそと簿記?の本で勉強しようと帰ってきたのに
すっかり置いてきぼりをくらうフミちゃん
可哀想なんだけど、あのシーン好きだったな~
いじらしくて健気で可愛い

鈍感てか
お前は家の事だけやっとればええモードなゲゲも何か好きだw

夜はちょっとだけ拗ねてるフミちゃんと
何の事だかサッパリわかってないゲゲの
お布団の中を妄想してみたりする自分…

424:名無しさん@ピンキー
13/01/12 08:55:26.42 PAYgXX1E
ふみちゃんお誕生日おめでとう!
釣書に書いてあったとは…気づかなかった…

>>423
家の事だけやっとればいいモードいいよね
自分も好きだ
ちょっと拗ねるふみちゃんとわからないゲゲとか…超かわいいww

425:名無しさん@ピンキー
13/01/16 01:56:05.71 jySZrhld
昨日はいちごの日

426:名無しさん@ピンキー
13/01/17 20:31:14.96 Kdcd/POJ
つぶやきサイトでリアル喜子がつぶやいてるリアルおとうちゃんの様子がかわいすぎる
聞いてるのはリアルおかあちゃんなのにうれしそうなのはおとうちゃんってのがもう

427:名無しさん@ピンキー
13/01/24 01:15:24.51 wdScyeRD
ゲゲさんの中の人が今度でる映画に結構なシーンがあるらしいね
いつか見れたらゲゲふみで脳内変換しよう…

428:名無しさん@ピンキー
13/01/25 21:12:08.52 sXPXCNbu
お見合い日記念カキコ!
一目惚れ記念日でもあるよねw

429:名無しさん@ピンキー
13/01/25 23:00:19.72 FrhLbJgk
お見合いシーン好きだ
初めてお互いの顔をみるところ
おずおずと見上げるフミちゃん可愛い
ちょっとピントのズレてるゲゲも一瞬フミちゃんをチラミする辺り
初々しい二人だw

430:名無しさん@ピンキー
13/01/30 01:30:38.44 qev4Swf/
結婚記念日おめでとう!

>>429
かわいいし面白いし、ほんといいよね

431:名無しさん@ピンキー
13/01/30 03:15:42.64 TFuvbzts
おめ!

432:名無しさん@ピンキー
13/01/30 15:51:25.48 Lec52BIh
最近ある対談で読んだんだけど、先生とほぼ同世代・島根出身の絵本作家さん。
やはり東京からとんぼがえりで見合いして、帰りの電車内でどんどん相手を
美化しちゃって、次に会ったらアレ・・・?なんて言ってたけど、本当は
一度で気に入っちゃったってことの、この世代的照れ隠し表現なんだろうなあ…
なんて、ちょっとゲゲふみに応用できないかななんて考えてみたりw

433:名無しさん@ピンキー
13/02/03 10:34:32.22 r0pCppV3
>>432
先生もそうだけどあの時代の男性の照れ隠しってほんとかわいいよねw

434:名無しさん@ピンキー
13/02/07 01:14:39.49 6iLtHMxp
そろそろ深大寺デートあたりだったのね
ようやく名実ともに夫婦に…w

435:名無しさん@ピンキー
13/02/14 11:26:24.84 hv0J47JO
ふみちゃんはきっとバレンタインにチョを、ホワイトデーにはキャンディーをどっちもゲゲさんにあげるんだろうなとニヤニヤする
もし万が一ホワイトデーにゲゲさんから貰ったとしても二人で食べるんだろうな

436:名無しさん@ピンキー
13/02/25 20:42:57.12 dky1EyKP
クリスマスのお話描いてくれてる職人さーん

投下待ってま~す♪

437:名無しさん@ピンキー
13/03/08 14:49:31.81 7FLP4OXU
クリア朝日で晩酌する佐々木夫婦

438:名無しさん@ピンキー
13/03/08 20:09:23.40 3tohqYJk
かわいい~~ひと~

439:名無しさん@ピンキー
13/03/14 11:02:11.88 RK5l+8b1
走れー!とかするゆうあや良いなあ…
ゲゲふみはふみちゃんが足ひねったらおんぶしてもらえるかも!とおもったけど
よく考えたら肩を貸すくらいが限界か…
ゲゲさんの性格でおんぶするってすごいオイシイんだけどなー

440:名無しさん@ピンキー
13/03/14 16:15:43.76 iYbFjxtA
あのCMここ見て作ったとしか思えないw

441:名無しさん@ピンキー
13/03/18 09:30:05.11 COzViTwP
あのCM、「えっちしよ?」に思えて仕方ないんだが!
聞こえるというより思ってしまうというかw

442:名無しさん@ピンキー
13/03/21 10:32:20.63 BTKjfR4E
>>441


443:名無しさん@ピンキー
13/03/21 11:13:01.50 upykBbD1
CM皆いいね

ただ自分はフミちゃんにしろ綾子ちゃんにしろ「えちは受け身」の方が好きかな!
キャラの性格がおっとりとか若干天然ぽいからイメージだけどw

ゲゲや祐ちゃんに、ちょっと強引に…のが最高!!(あくまでも好みですサーセン)

444:名無しさん@ピンキー
13/03/23 20:07:05.39 Z9FPrikd
自分もそう思う、同意
だが
その超受け身なふみちゃん綾子さんが
超恥ずかしがって超もじもじしながら
小声で耳元にこっそり言ったら…
超萌えると思った

445:名無しさん@ピンキー
13/03/23 23:19:39.84 XjmhF26a
あの…えっち…しよ?

446:名無しさん@ピンキー
13/03/25 02:32:06.39 eCXa0YmB
>>444
もう一晩中寝かせてもらえないだろうなw

447:名無しさん@ピンキー
13/04/03 01:20:59.79 ZllynFfj
>>446
萌え死ぬww
その後綾ちゃんは夕方まで寝ちゃうけど、
祐ちゃんは昼くらいに目が覚めて色々反省しつつも綾ちゃんの寝顔見てニヤニヤして二度寝すればいいよw
ゲゲふみは逆になるかなー

448:名無しさん@ピンキー
13/04/19 23:07:00.60 Vs2F1K+Z
リアルゲゲさんの虫歯疑惑で
今まで虫歯になった事がなかったふみちゃんが結婚後はじめて虫歯になったらとか
つい妄想してしまう

449:名無しさん@ピンキー
13/04/20 09:40:53.23 M6TOzzrA
>>448
実話では、質屋さん、米屋さん、歯医者さんが3大恩人のようですね。
ふむふむ、あらゆる菌を伝染しあう夫婦…いいかも。

 さて、遅くなってスミマセン…。今さらですが祐綾。
クリスマスのお話のはずが、書いてるうちに前後のお話もどんどん増殖しちゃって
収拾とれなくなってましたw
 あまりにも長いので季節で適当に区切りましたが、つきあい始めてから1年未満の
秋~冬の、綾ちゃんの揺れる想い…というテーマの4連作として投下予定です。

 以前に、このふたりの初めて…を書いてくださった作品。
共感できる設定が多くて、いくつかそのまま使わせていただいてる部分があります。
綾ちゃんが見かけによらず可愛い服が好き、とか、綾ちゃんは初めてで、デートの
別れ際、離れたくなくて…みたいなところです。
 最初ゆうちゃん呼びじゃなかったとことか、違う設定もありますが、いろいろな
解釈ということでご了承ください。
 
 読んでくださる方がまだいることを祈りつつ…。
あ、言うまでもなく『いちせん』に興味ない方はスルーでお願いします。

450:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋1
13/04/20 09:42:17.43 M6TOzzrA
「…ぁ…ぁっ…はぁ…っ!」
何かすがるものが欲しくて伸ばした指が、まだ乱れていないシーツをむなしく引っかいた。
「っぁ…あ…っ!…ンンッ…ん…。」
激しく首を振って初めてその存在に気づいた枕の端を握り締める。涙に霞む両目には、
自らの白い大腿を押し拡げてその中心を口唇で愛している恋人が映っていた。
「ゆ…いちく…っ…も…っ…!」
名前を呼ばれて、綾子の中心に顔を埋めている祐一がふと顔をあげ、また愛撫に戻った。

 この部屋に入ってすぐ、立ったまま唇を奪われ、口づけあいながら服を脱がされた。
ふわりと持ち上げられ、すとんとベッドに下ろされて、息がつまるほど抱きしめられる。
深いキス、素肌と素肌の触れ合い…祐一の指が、唇が触れる場所に熱が生まれ、ただ
祐一だけが綾子の世界のすべてになってしまう…。
 そしてふと気づくと、いつしか最も羞ずかしい体勢をとらされ、最も感じる部分に
祐一の舌が分け入っていた。
「ダメ…ぉねがっ…ぁ…ぁああ―――!」
ダメ、ダメと言いながらも、綾子が思わずその部分を突き出してしまうほどソフトに
責めていた舌が、ころあいとばかりぐっと押しつけられた。綾子はせつない悲鳴を
あげて達した。快楽にゆがむ顔を見られない代わりに、祐一は締めつけてくる綾子の
長い脚の慄えをたのしんだ。

 端整な顔が近づいてきて、ゆっくりと唇を奪われる。全身の血管がドキドキ脈打って、
シーツの上の身体が持ち上がりそうな錯覚に襲われる。
 …ここまで許しているのに、綾子の心臓は片思いの頃のままだ。こんな日が本当に
来るなんて、思ってもみなかった。お互いの視界を独占しあうほどの至近距離で
見つめあい、全てを溶かしあう…その時間が、二年の間仕事中にこっそりと彼を
盗み見て来た時間を超えたなら、もうドキドキしなくても済むようになるのだろうか?
 唇が離れ、綾子の目尻ににじんだ涙を祐一の指がすくいとった。もう一度深く口づけ
ながら、祐一が身を沈めてくる。
 祐一の存在に身体のすみずみまでも埋め尽くされるこの瞬間、綾子はいつも至福と
恐れと期待の入り混じった圧倒的な感覚に襲われる。そして、その後は胸のドキドキと
いれ代わりに、激流のような快楽にさらわれて、ただ押し流されるがままになって
しまうのだった。

451:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋2
13/04/20 09:43:45.54 M6TOzzrA
(私…しあわせ…だよね?…今…たぶん…。)
自分の部屋のベッドに横たわり、綾子は甘苦しい愛の記憶をよみがえらせていた。
 自分の身体が今どうなっているのかわからなくなるほど交わり方を変えられ、
そのつど激しい悦びを刻みつけられた。全てが終わった後、眠りに落ちた綾子を、
祐一は目覚めるまで胸に抱いていてくれた。

 …ほんの数時間前、ホテルの素っ気無い真っ白なシーツの上で祐一に愛され、
悦楽に痺れていた身体…今は慣れ親しんだ自分のベッドでひとり、綾子はなかなか
寝つかれず、その身を抱きしめてちいさなため息を吐いた。
 二年もの長い間、ずっとずっと好きだった祐一に告白出来たのは、二人がバイトを
止めるその日の、まさに別れ際だった。
 出会いはむしろ悪印象。けれど彼の仕事ぶりや隠れた優しさに触れて、次第に
彼のことが気になるようになっていった。スタッフのみならず、客の女性からも秋波を
送られるほどモテる祐一を、時々視界の端でとらえることでせつない胸を慰めていた
日々…。
 祐一は大学を、綾子は専門学校を卒業すると同時にアルバイトを止めることになり、
仲間が開いてくれたささやかな送別会。
(もう二度と会えなくなってしまう…!)
明日も仕事だからとさっさと別れて行った祐一を、小雨の中夢中で追いかけた。
 振られてもいい、今ここで言わなければ一生後悔する…服や髪が濡れるのもかまわず、
必死で追いついて、これっきりもう会えないなんていやだと言った綾子に、祐一は
「じゃあ、俺たちつきあおっか?」
と明るく言い放った。
 あれから半年…。二年間の片思いがウソのように濃密な関係に、綾子は夢のような
幸せと同時に少し戸惑いも感じていた。
(なんか、大人のつきあい過ぎるっていうか…。)
初めて深い関係になったのはつきあい始めて三ヶ月ほど経ったころ。デートの帰り際、
『帰りたくない、帰したくない。』ふたりの気持ちが、口に出さなくても伝わりあって、
なんの心の準備もなくホテルに入った。
 意識しすぎて変なテンションの綾子を、祐一はごく自然に、けれど最大限に大切に
導いてくれた。

452:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋3
13/04/20 09:45:01.85 M6TOzzrA
 それから五ヶ月が過ぎ、今は秋。まだまだ社会人見習いのようなふたりは、仕事を
覚えるのが精一杯の毎日だ。そんな中、なんとか時間をみつけてはデートを重ねて
来たけれど…。
(私は…そんなに毎回、ホテル行かなくってもいいんだけどなぁ…。)
平日、仕事の後の夕食だけのデートでも、最後は必ずベッド…というのがお決まりの
コースのようになってしまっている。
(最近、自分で自分がわからないっていうか…。)
最初の頃は、緊張と幸福感で、自分が何をされているのかすら正確にはわからないと
言う感じだった。けれど最近では、祐一に次々と仕掛けられる初めての愛の行為が、
羞ずかしすぎるのと…
(き、気持ち…快すぎて…。)
最初の頃とは違う意味で、自分で自分を制御できない。綾子がまだ慣れていない頃は
手加減してくれていたのだろうけれど、今はもう、抱かれるたび啼かされつくし、
奪いつくされずには済まないのだった。
 普通にデートしている分には、3歳の年の差もあまり感じずにつきあえている。
というか、つきあい始めの頃バイトの時の延長で『佐々木さん』と呼んでいたら、
祐一に『恋人どうしって感じがしない。』と文句を言われて『祐一くん』に変えた
くらいで、普段は全然対等な感じなのだけれど…。
(ベッドだと、全面降伏…って感じになっちゃうんだよね…。)
最初のときから、祐一は一貫して優しくて、自然で、戸惑いがちな綾子を上手にリード
してくれている。でもそれは、いつも彼のペースに乗せられて、何がなんだかわからない
うちにかなり羞ずかしい姿態をさらさせられることにもなるわけで…。
(特に…あの…なんかもぅ…羞ずかしすぎ…。)
祐一が口唇で綾子を愛するあの行為…思い出すだけで、うなじをざわりとしたものが
奔り抜ける。
(私…主体性なさすぎっていうか…いいのかな?こんなんで…。)
普通、恋愛において男性がうまくリードしてくれるというのは理想的なことのはずだ。
けれど、自分の場合、祐一に主導権を握られすぎなのではないか…特にベッドにおいて。
 なんだか祐一に会っている時間の半分以上は裸で過ごしているような気がする
今日このごろ…半年前までは無垢だった綾子が思い乱れるのも無理はないことだった。

(もぉ…こんなことばっかり考えてないで、眠らなきゃ…明日も会社だもん。)
綾子は考え事を頭から振り払うようにベッドの中で体勢を変えた。甘くせつない記憶に
うっとりしたり胸苦しくなったり、かと思えば、祐一との蜜愛にただ翻弄されるばかりの
自分が不安でたまらなくなったり…まことに忙しい独りのときの綾子だった。

453:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋4
13/04/20 09:46:14.49 M6TOzzrA
「わあ、これ可愛い…!」
会社帰りにふと立ち寄ったファッションビルの下着売り場。綾子が思わず手にとった
のは、サーモンピンクの地にココアブラウンのレースとリボンがついたキャミソール。
(うわ…でも、下、これかぁ…。)
それとセットになったショーツは、腰の横でひもで結ぶようになっている、最低限の
部分しか隠せない布切れのような代物だった。
(ちょっと…これはね。あはは…。)
綾子はそのセットのかかったハンガーを戻すと、別の下着を手に取った。
(いい色…これも素敵。)
青みの強いラベンダー色の揃いのブラジャーとショーツ。試着してみると、綾子の
肌のいろによく映えて体型をひきたて、着けるだけで優雅な気分になった。うっとり
するような手触りの生地に、品よくあしらわれたレースもかなり上質のものらしい。
(これイイ!けど…た、高価いな…。)
値段も上質だ…。綾子の頭の中で計算が始まる。
「え~い。買っちゃお!」
綾子は意を決したようにレジへと向かった。
 日ごろ堅実な綾子だけれど、仕事がハードになるにつれてこんなささやかな贅沢が
ストレス解消になっていた。
 あるプロジェクトが、納期を直前にして全面的に見直しとなったおかげで、この
一週間というもの残業につづく残業だった。しまいには土日連続で休日出勤を余儀
なくされ、やっと間に合わせることができた。さすがに関わった全員が交代で代休を
とることになり、綾子は迷わず祐一の店の定休日を選んだ。
 ハードなこの一週間の代償は、残業手当と休出手当…それに思わぬ休日。ぽっかりと
空いたその1日に、祐一を誘った。
 そして…この優美な蒼い下着を着けて祐一の前に立つ時のことを思うと、綾子の胸は
妖しくときめいた。

「あ~…いいお天気!」
展覧会を見終わった後、綾子と祐一は、美術館の敷地内の広い芝生の上に座って、
買ってきたランチボックスでお昼にしていた。
 今日のデートは綾子が企画したもので、気になるアーティストの作品を見た後は、
都心とは思えないこの庭でランチを食べようと決めていた。

454:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋5
13/04/20 09:47:52.73 M6TOzzrA
「あ…でも祐一くん、退屈じゃなかった?ごめんね。日本画なんて興味なかったかも。」
図版でしか見たことのなかった作品の大群に出会ううち、綾子はつい祐一の存在を
忘れてしまうほど見入っていた。
「え…そんなことない、すごく見ごたえあったよ。綾子は前からこのヒト知ってたの?」
「うん…。わりと商業ベースにのってる人だし、仕事がらね。」
「そっか。綾子は広告会社だもんな。仕事にも役立てられるよね。」
「いや~、ウチは弱小だから、こんなすごい仕事には縁がないよ。でも、いつでも
 アンテナは張っておきたいもんね。」
「俺もさ…せんべいなんて昔からあるもんだけど、だからって何もしないでいるのは
 いやなんだ。だからいいモノ見れてよかったよ…ありがとな、綾子。」
今日は綾子の趣味につきあってくれただけだと思っていたのに…。
(祐一くんって、めったに誉めてくれないけど、誉める時はすごく的確に誉めて
 くれるんだよね…。)
ここのところずっと仕事が忙しくて、慌しいデートが続いていた。のぼせあがったり、
落ち込んだり、彼のよさを落ち着いて思い出しもせず、ひとりできりきり舞いしていた
自分が恥ずかしくなる。

「綾子、ピクニックする気まんまんだったみたいだね。」
今日の綾子は、座りやすいコットンのロングスカートに暖かそうなケープをまとい、
かごバッグからはビニールシートまで出てくる周到さだった。
「えへへ…先週、仕事で大変だったから、お日様の下でのんびりしたかったんだ。」
レモネードをひと口飲んですっぱい顔をする綾子を、祐一はまぶしげにみつめた。
「じゃあ、今日は健康的に過ごしますか…。」
「ぇ…。」
ストローをくわえたまま、綾子が固まった。思わずまわりを気にして見回す。
場所を選ばずにセクシャルな言葉をささやいて綾子をあわてさせるのは、いつもの
意地悪…そう思ったのに、祐一は意外や少し不安げで真剣なまなざしで綾子を見ていた。
「ど、どういう意味…?」
「この後、買い物でもして、お茶飲んで…明日も仕事だから早く帰る、とか。
 もし綾子が…その、疲れてるんなら…。」
この1週間がいかにハードだったか、綾子はさんざん祐一にこぼしてしまっていた。
会うたびにホテルに行かなくてもいいのに、と思っていたくせに、綾子は急に
さびしくなる。
「…そんなに早く帰らなくても、いいよ…。」
思わず言ってしまって、目を伏せる。眼球を冷たく感じるほどまぶたが熱くなっていた。
 祐一が、何も言わずにぎゅっと綾子の手を握った。

455:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋6
13/04/20 09:51:16.00 M6TOzzrA
「いい…お天気だね。」
さっきの芝生の上とはうってかわった調子で綾子が窓の外を見た。昨日の雨に洗われた
緑が、群青色の空に映えてまぶしい。
「…いいお天気すぎる?」
祐一がペリエの壜に口をつけながら隣りに立った。先ほどの会話から一時間も経って
いないのに、ふたりはもう美術館からさほど離れていないホテルの一室にいた。
「あ…明る過ぎるよ。」
綾子が遮光カーテンの紐に伸ばした手を、祐一がさえぎった。
「ダメ。明るいところで綾子を見てみたいから。」
ペリエをぐっとあおって綾子に口づける。シュワシュワとした水が流れ込んでくる。
こくんと飲み下す可愛い喉の動きにかきたてられるように深くむさぼる。
「んんっ…ゃ…だ…はずか…し…。」
くず折れてしまいそうなキスをされながら、着ているものが剥ぎ落とされていく。
「まっ…って、あ、汗、かいたからっ…。」
ベッドへ直行されそうになって、綾子は必死でシャワーを浴びることを求めた。
ようやく離してもらって、祐一が服を脱ぐ間にバスルームに飛び込んだ。祐一が遅れて
入ってきて、しかたなく一緒にシャワーを浴びる。
「もうきれいになっただろ?だいたい綾子なんて洗わなくたってきれいなんだから!」
キュッとシャワーを止め、さっさと身体を拭いた祐一が、もたもたしている綾子の
身体をゴシゴシ拭いて、拉するようにしてベッドへ戻った。
「ん…っふ…んゃんっ…!」
ベッドに座るか座らないかのうちに唇を奪われ、抱き倒される。仰向けになった綾子の
瞳に、どこまでも蒼い空が映っていた。

「ン…ぁ…はぁ…んん…っ。」
肩をギュッと抱き寄せられ、感覚の狭まった双つの尖りを祐一の長い指がとらえて
弄っている。むずがゆいような心地よさにあえぐ唇をふさがれて、深くむさぼられる。
もう片方の手が両脚の間に差し込まれ、いちばん長い指がいきなり核心をとらえた。
 息を呑んで身を硬くした綾子が、思わずいたずらな指を止めようとした手を
とらえられ、硬度を増しつつある雄根に導かれた。
「はぁ…は…ぁあ…ぁ…。」
なんだかもう、急所を全部押さえられ、後は祐一の思いのまま、あえぎ続けるしか
ないという感じだ。またこのまま達かされて、今この手の中で勢いを増しつつある
凶器に貫かれ、何もかもわからなくなってしまうのか…。

456:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋7
13/04/20 09:52:38.91 M6TOzzrA
「ゃはぁっ…んっ…!」
秘蕾を苛んでいた指が急に引き抜かれ、綾子は小さな悲鳴をあげて慄いた。足首を
つかまれて、ズキズキと疼くように熱くなっている秘所がさらされる。
「ま…待って…!!」
今にもその中心に口づけようと顔を寄せていた祐一が、いぶかしげに顔を上げた。
「き…聞きたいことがあるの…。」
「フツー、このタイミングで聞くかぁ?」
祐一はあきれ顔で、綾子の足首をつかんで押し拡げたままだ。
「は、離して…。」
「あ、ごめん。」
祐一が手を離すと、綾子はあわてて脚を閉じた。
「聞きたいことって…なに?っていうか、綾子…もしかしてコレいやだった?」
祐一が心配そうに顔を近づけてくる。綾子は安心させるように彼の背に腕を回した。

「私がいたくないように…なの?」
彼の顔を見なくて済むのをありがたく思いながら、綾子は祐一の耳にささやいた。
「え…?」
「最初の時…も、してくれたよね?その…。」
その名を知らないわけではないけれど、口に出すのは羞ずかしくて口ごもった。
「ああ…。前はそれも大きかったかな。綾子のことも快くしてあげたかったし。
 女の人って、最初から快いってわけにいかないみたいだから。でも今は、自分の
 ためってのが大きいよ。」
祐一は綾子と向かい合いになって、頭の下に腕を入れて腕枕をしてくれた。
いったん行為を中断して、綾子の言い分をしっかり聞いてくれようと言う態度だった。

「え…だって、祐一くんが気持ちいいわけじゃないでしょ?」
「…バッカだな~。綾子って、男なんて自分が挿入れて射精せば気持ちいいんでしょ
 とか思ってんの?」
真っ赤になって絶句した綾子にかまわず、祐一はすごいことを言い続ける。
「使えるとこ全部使って、あやのこと感じつくしたいんだよ…。これ、すっげ興奮
 するって知らないの?」
綾子を蕩かせ、達きやすくさせるため…それくらいにしか思っていなかった行為を、
祐一が純粋に楽しんでいたなんて…意外な答えに、綾子はどう返していいかわからない。
「あやが感じてるの見るのもうれしいしさ…。で、ものは相談だけど、俺の気持ち、
 わかってみない?」 

457:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋8
13/04/20 10:23:19.96 tr4SOXb5
「…は?」
祐一はポカンとしている綾子にかまわず一人起き上がってベッドのふちに腰掛けた。
「…こっち来て。」
綾子はわけもわからず起き上がって祐一の横に座った。祐一は綾子を抱きしめて
ひとつキスをすると、肩を押してベッドを降りるようにうながした。導かれるまま
祐一の前に立つと、肩を押し下げられてひざまずいた。
「……キスしてみる?」
少し拡げられた両脚の間に、祐一の分身が少し角度を持って揺れている。綾子は、
こういう行為が存在することを頭では知っていても、自分がそれをするなんて考えて
みたことも無かった。
「あ…ごめん。イヤだったらもちろんしなくていいんだよ。」
ヘビに睨まれた蛙のように硬直してしまった綾子に、祐一はしまったという顔をして、
肩を抱いて立ち上がらせようとした。
「ううん…そうじゃないの。ただ私…くやしかったの。」
「え…何が?」
「これが、自分が思いついたんじゃないってことが…。なんで気がつかなかったんだろ?
 私でも祐一くんのためにしてあげられることがあるって。」
綾子は脚の間にしっかりと座り直すと、祐一を見上げた。
「どう…すればいいの?」
「や…あの…そだな…俺がいつもあやにしてるみたいに、してみたら?」

 綾子は祐一の両脚の間にもっと深く身体を入れ、その真ん中に勃ちあがっている
ものを両手で包んで口づけた…けれど、そこから先、どうしたらいいかわからない。
 いつもしているみたいに…と言われても、男と女では構造が違う。
『使えるとこ全部使って、あやのこと感じつくしたいんだよ…。』
祐一の言葉がよみがえる。綾子は両手で包んだものに、そっと頬を押し当てた。
 温かくて、すべすべしていて、綾子の手の中で息づいている小さな生き物のような
それは、見ようによっては可愛くて、綾子が欲しくてこんなに大きくなっているのだ
と思うと、ざわりとこみあげる情欲に、胸が灼けてしまいそうなほど愛しい。

458:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋9
13/04/20 10:24:39.25 tr4SOXb5
 頬から離したそれを正面に据えて、手を離した。根元から始めて、竿全体を
ところかまわず口づける。支えを失った屹立が、綾子の顔にぶつかりながら揺れた。
 先端まで到達してしまうと、縫い目が集結したような面白い形をした部分を、
突き出した舌でちょん、とつついた。
「…っ!」
祐一がちょっと身じろいだのが、気配でわかる。
 手を添えて、もう少し大胆に舌を拡げ、筒の部分を舐めあげる。先端のくびれまで
達すると、カリの下に沿ってぐるりと舌を這わせた。
「舐めるのはそれくらいにして…くわえて。」
指示する声が、少しうわずっている気がして、ドキドキする。綾子は舌の動きを
止めると、おそるおそる口を開けて先端をちょっとだけふくんだ。
「…もっと、深く。」
祐一が励ますように綾子の髪を撫でる。水に飛び込む前のように深呼吸してから、
大きく口を開けて、思い切り奥まで呑み込んだ。
「…んぐっ…ぇは…ぅ…っ!!」
上口蓋の奥のほうに先端があたって、えずきそうになる。
 あわてて口から出し、むせている綾子を、祐一が心配そうにのぞきこんだ。
「大丈夫…?苦しかったら、やめていいんだよ?」
ちょっと涙目になりながら、綾子は首を横に振って、再び屹立を包みこんだ。
 苦しくならずに深く呑み込める角度を、ゆっくりとさぐっていく。もうこれ以上
無理というところまで深めてから、途中まで引き出して、また挿入れていく…。
 逞しく張りつめた雄根は口径をいっぱいに占め、唇が表皮をずらしながら上下した。
「ん…きもち…い…。」
祐一が、綾子の髪に指を差し入れて、いとおしむように何度も梳いた。
 引き出してはまた呑み込む動きが、綾子を愛してくれる時の祐一の動きにかさなる。
ひとつの淫らな器官になり果てた感覚に理性は痺れ、綾子はくるおしい反復運動を
繰り返した。

459:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋10
13/04/20 10:25:58.44 tr4SOXb5
「あ…や。ちょっと、ストップ。」
夢中になっていた綾子が、ハッとして動きを止めた。何かまちがっていたのだろうか…?
「あんまり刺激されると、射精(で)ちゃうからさ。…もう、にじんでるだろ?」
おずおずと口から出してみると、たしかに先端の切れ目に透明なしずくが浮かんでいる。
(男の人でも、感じると濡れるんだ…。)
自分の行為で祐一が昂ぶっている、その事実だけで綾子も蕩けていく。
「で…ちゃっても、いいよ。祐一くんだって、私のこと…い、達かせてくれるじゃない?」
「バッ…射精(で)たやつ、どうすんだよ!あやにそんなこと、させられないだろ?」
祐一がうろたえて、少し赤くなった。
(可愛い…!)
いつも綾子より冷静で、ちょっと意地悪な時もある祐一が、ごくたまに狼狽した表情を
見せてくれると、綾子はちょっと安心して、より深く彼が好きになれる気がした。
もっと感じさせて、慌てる彼を見てみたい。そう思ったけれど…、
「これはあくまでも前戯!男は一度達っちゃうと、すぐもう一度ってわけには
 いかないんだからさ。」
祐一はもうそれ以上はさせてくれないらしく、両膝の間に座ったままの綾子の肩を
抱いて引き上げようとした。綾子は名残惜しそうに、露をたたえた先端に口づけてから
ベッドに戻った。
「…俺の気持ち、少しはわかった?」
抱きしめながら、祐一がささやく。
「うん…。」
好きなひとのことを、身体の一部だけではなくて、全身で感じたい。そして、相手も
感じてくれていることを知るよろこび…。
「ふふ…祐一くん、可愛かったなあ…。」
「バ…おま、何言って…!」
祐一がまた赤くなった。綾子は笑いをこらえることが出来なかった。

460:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋11
13/04/20 10:27:13.65 tr4SOXb5
「いいよ。じゃあ、お返ししてやる!」
「きゃあ…!」
綾子を押し倒し、両脚をぐいと拡げて顔を寄せたのに、祐一はなかなか愛撫を始めよう
としなかった。
「あや…すっご、びしょびしょ…そんなに興奮した?」
自分で確かめさせられ、羞ずかしがって引っ込めようとした手をのがさず見せつける。
糸を引く粘液を塗りつけた乳首を、祐一が弄りはじめた。
「挿入れてほしい…?でも、今挿入れるとすぐ達っちゃいそうだ…。」
両の乳房を包んだ手の、親指だけが突端の紅い実をくりくりと転がしている。開かれた
まま放置された秘裂が、熱を持って涙を流しつづける。
「…ゃ…ぁあっ…ぁ…あ――っ!」
膝の裏側を押されて赤ちゃんのように臀を持ち上げられ、疼いている核そのものに
唇が押しつけられた。ずちゅ、ちゅ、と音を立てて啜られ、何も考えられなくなる。
舌が信じられないほどの深みへ分け入ってきた。
「ひゃあ。」とか「んはぅ。」とか、ヘンな声が出てしまう。気まぐれな舌を追って
持ち上がる腰を、下からささげるようにして、祐一が食らいついた。
「ひ…ゃ…っぁ…ぁああ――!」
自分で自分の悲鳴が聞こえないほどの惑溺にたたき落とされ、綾子は真っ白な世界に
墜ちていった。

「…あや!…あや、大丈夫?」
ふと目を開けると、祐一が顔をのぞきこんでいる。心配そうなそのまなざしが、泣きたい
ほどいとおしい。
 深い眸のいろに吸い寄せられるように祐一の唇がかさなる。きつく抱きしめあいながら、
ふたりは想いを伝えあうような口づけを繰り返した。

「あや…いい?」
「ん…。」
羞ずかしそうに綾子がうなずいた。このままの体勢で綾子の中に沈んできてくれれば
いいのに、抱き起こされて背を向けさせられる。

461:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋12
13/04/20 10:28:31.93 tr4SOXb5
「ゆ…ういち…くん?」
ひざ立ちするようにうながされ、その膝の間に足を差し入れて割り拡げられる。
「…ゃっ…ぁ、あっ…!」
後ろから秘裂に先端が含ませられ、内腿をつかんで押し下げられた。
「ぁあ…ぁ…あ…んはぁっ…!」
ぬく…くっときしみながら挿入っていく祐一のかたちを、強烈に意識させられながら
占められていく。
「あやが好きな体位じゃないって、知ってるけどさ…。」
「ゃっ…んぁっ…ん…。」
つらぬいたまま、内腿に手を添えて腰を上げると、綾子は押し出される格好で前に
手をついて四つん這いになった。
「これはこれで、利点もあるんだよ。」
祐一の指が乳首をさいなみ、とろとろの花びらをかきまわして、ぬるんと前にすべった。
「ひぁんっ…ダ、ダメッ…!!」
綾子の指が、すがるものを求めてシーツをかきむしる。
「両手が使えるし、ね…。」
そう言いながら、両手で綾子の腰骨をつかんで、思い切り腰をひく。複雑な内部を
こすりながら引き抜き、収縮する肉襞をまた容赦なく貫く。
 何度か繰り返すうち、甘美な責め苦のリズムに合わせて綾子の腰はせつなく揺れ、
喉からはかすれた嗚咽が漏れ始めた。

「すごく…いい声だよ。もっと聞かせて…。」
囁きながら、綾子の背にぴったりと覆いかぶさり、前に手をまわして熱くとろける
花芯に指をからめた。開かせてあった綾子の脚を、自分の両膝ではさんで閉じさせ、
ゆっくりと揺らし始める。
「ぁあ…ん…ゃぁっ…ぃく…ぃっちゃうっ―!」
いっぱいに満たされた秘口がずくずくと疼き、逃れられない喜悦が絶え間なく
流れ込んで、綾子を袋小路に追いつめる。腰から下が溶け落ちるような快美に、
綾子はただ『いく、いく。』と繰り返すことしか出来なかった。
「いいよ…いっちゃって…。」
ベッドカバーを探しあててつかみしめている綾子の手に手を重ね、指をからめてやる。
花唇に沈めた指をやさしく前後させながら、つよく腰を震わせると、綾子はのどを
絞るような声をあげ、祐一の指を締めつけて果てた。

462:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋13
13/04/20 10:29:51.99 tr4SOXb5
「はっ…はぁ…っん…。」
びくびくと慄える身体を持ち上げて、最初の体勢に戻る。ぐったりと背をもたせ
かける綾子の、しっとり潤った肌を心地よく感じながら、息がととのうのを待つ。
「あやってさ…素質、あるんじゃないかな?」
「?…はぁ…は…っん…はぁ…。」
返事も出来ない綾子の髪をかき分けて口づけ、甘い汗の香りを吸いこんだ。
「後ろからイけるようになれば、どんなカッコでもイけるらしいよ。」
素質…って、何の素質なのかわからないまま、綾子は、それが祐一の恋人として
ふさわしい素質ならいいな、と痺れる頭で考えていた。
「俺もイきたくなってきた…。あや、いっしょにイこ。」
一緒に達こう、と耳に囁かれただけで、背筋をぞくぞくと戦慄が走り抜ける。
振り向いて求める唇を甘くとらえられ、深いキスに溺れていると、
「ゃ…はなれ…ないで…っ!」
唇を離し、後ろに倒れてしまった祐一に、綾子が抗議の声をあげた。
「俺のために何かしてあげたいって、言ってただろ?」
片手をついて少し上体を起こし、もう片方の手で綾子の大腿に手を添えてやりながら、
腰を持ちあげてすとん、と落とす。
「んぁっ…っは…ぁんっ…!」
つらぬかれたまま、祐一の上にしゃがんでいるような格好が羞ずかしくて、綾子は
膝をついて崩れた正座のような体勢になった。
「そうそう…膝ついて、自分で動いてみ。」
綾子の体勢が安定したのを見て、祐一は両手を後ろについて大きく腰を上下した。
荒馬に乗せられたように上げては落とされ、綾子は次第に自らの腰でそのリズムを
なぞり始めた。
「…んくぅ…ンッ…っはぁんっ…。」
綾子の左手を右手でつかんで、祐一が何度も下から強く突き上げる。
「ゆう…ち、くんっ…!」
綾子が涙でいっぱいの目で振り返る。抱きとめて、綾子の指に指をからめる。
「いっしょに…いこ。」
からめた指を、蜜まみれの花蕾に押し当て、ふたり一緒に揺れる。
「ゃはぁっ…っん…も…ぃく―――!」
祐一を呑みこんでいる蜜壷が、歓喜の脈動を伝える。綾子を守る膜の内側に、祐一も
熱い精を放った。

463:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋14
13/04/20 10:31:15.08 tr4SOXb5
「あやって、さ…。」
なかば気を失っていたのか、綾子がふと気づくと後ろから祐一に抱かれたまま、
ベッドに横になっていた。
「いつまで経っても『祐一くん』なのな…。」
綾子の髪をいじりながら、祐一が何か言っている。綾子が彼を呼ぶ時の呼び名のこと
らしい…絶頂に痺れた感覚が、徐々に戻ってくる。
(男のひとって…終わったらすぐ平常に戻っちゃうのかな…。)
たいして時間は経っていないらしく、まだ勢いを失っていない祐一が内部に留まった
ままなのを感じる。祐一が膜のなかに放ったものが、たぷんと動く感覚さえ覚えて、
綾子はぞくぞくと肌を粟立たせた。
「もっとくだけた言い方ないの?『ゆういち』とか『ゆうちゃん』とかさ…。」
祐一はかまわず話し続けている。
「え…だって、『祐一くん』って言うのにやっと慣れたとこなのに…。」
綾子は甘い余韻にふるえる声をなんとか励まして答えた。
「綾子って割と古風なのな…『佐々木さん』とか、どんだけ他人行儀なんだっつーの。」
バイト時代の延長の呼び方は、つきあい出した当初から早速ダメ出しされていた。
「よ、呼び捨てとか…なんか抵抗ある…。」
「ふぅん…じゃ『ゆうちゃん』一択で決まりな!」
「ぇ…ぇえっ?」
「だって、イく時名前呼んでほしいじゃん。」
びくり…綾子の中の何かが強烈に反応した。
「ぅお…なんか、今…絞まった?」
「ち、ちがっ…んっ…!」
うろたえて振り向こうとする綾子の脚に脚をからめ、唇をかさねる。深く奪われながら
ずるりと引き抜かれ、合わさった口の中に綾子が小さな悲鳴をあげた。            

「…あやが励ましてくれたら、2回目いけるかもしんないよ?」
自分の後始末をしている祐一から羞ずかしそうに目をそらしていた綾子を、祐一が
後ろから抱きしめてささやいた。
「まだ時間あるし…またしばらく会えないから、さ。」
驚く綾子の膝の裏側に手を回し、後ろ向きのまま自分の上に乗せて横になってしまう。
やさしくうながされ、綾子は自然に目の前の雄根に口づけた。              
 今の今まで綾子の中で暴れていたのが嘘のようにやわらかく頭を下げているそれを、
綾子はいとおしい想いで指で支え、口に含んで舌でねぶった。

464:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋15
13/04/20 10:32:23.28 tr4SOXb5
「んん…。」
寝そべって綾子に身をまかせていた祐一が、身じろいで大腿に力を入れた。口の中の
ものが少し芯を持ち、さっきより質量を増す。                     
「…んゃんっ…!」
祐一に向けている双丘を持ち上げられ、綾子が思わず愛していたものを口から出した。
「ひどいよ、あや…途中でやめるなんて。」
少し笑いを含んだ祐一の抗議の声に、綾子は愛撫に戻ったが、
「んはぁ…っゃあん…っ!」
いきなり長い指が差し込まれ、我慢できなくてまた吐き出してしまった。
「こっちにも、欲しそうだったからさ…。」
もう一方の指が秘蕾を弄りはじめる。祐一の顔のすぐ前に秘所をさらしてしまって
いるのがわかっていても、腰が揺れるのをどうすることもできない。
「んゃっ…ぅあん…っんん…っ!」
なかに挿入れた指が折られ、腹側に近い奥を探られる。もどかしさに、つい自ら快い
場所を指にこすりつけてしまう。
「ここ…?」
「んふぁ…んぁ…っふ…ぁあ…。」
目の前の屹立は、もう口におさめられる自信がないほど張り詰めている。綾子は
熱く息づくそれを、夢中で舐めしゃぶった。
「…ん…っゃは…ぁあ―――っ!」
祐一の指が、綾子の最弱の部分を同時にふたつ、容赦なく責めつくす。到達の予感に、
綾子は大切なものを傷つけるのを恐れて口から離し、全身をつらぬく絶頂感に身を委ねた。  

「…ん…ふぁ……ぁんっ…。」
真っ白い世界から、ふっと戻ると、祐一が見下ろしている。いとおしげに綾子を
みつめる瞳に射抜かれていると、身体の中心を驚くほどスムーズに貫かれた。
「なんていうか、しっくりくる…。あやのなか…すごくイイよ。」
ゆっくりと時間をかけて愛し合ったおかげで、身体がやわらかくほぐれているの
だろうか。祐一の言うとおり、いつものようなくるおしい感覚に見舞われずに彼を
迎え入れている内部が、しっくりとひとつに溶け合って…。
(本当に、おたがいのために在るふたりって感じがする…。)
あまりに強い悦楽に、まだ痺れているせいなのか…。綾子は、まだ鋭い快感の襲って
こない、緩慢な幸福感のなかにただよっていた。
「ゆうい…ぁ、ゆう…ちゃん。」
しあわせそうに彼の背に腕をまわし、思い切り抱きついた。
「あやはやっぱり、このかたちが好きなんだな…。」
祐一がゆっくりと腰を回転させる。綾子のなかのものが、存在を主張しはじめる。

465:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋16
13/04/20 10:47:27.97 tr4SOXb5
「…ぁ…ぃ、い…ぁあ…ゆう、ちゃん…。」
甘くせつなく、祐一の名を呼ぶ声が、次第に切迫してくる。背中からはずれて、
ピローをつかんだ手を頭上に縫いとめ、激しく突き上げ、揺さぶる。
「…ぃ…ぁあ…ぃく…ぃ…っちゃ…ぁあ―――!」」
軽い束縛を解かれ、しがみついてくる綾子の、びくびくと震える身体をぎゅっと
抱きしめながら、祐一も情熱をほとばしらせた。

「やだ…返して。」
ようやく起き上がった綾子が、シーツで身体を覆いながら下着を拾おうとして、
横からひょいと祐一に取りあげられた。
「綾子って、いつも可愛いのしてるよな。」
祐一が、ラベンダー色のセットを感心したように両手で拡げて観察している。
「もぉ…そんなにしげしげと見ないで。」
そう言いながら、綾子はちょっと嬉しかった。
「こういうのって高価いんじゃないの?」
「う、うん…仕事が忙しすぎると、反動でつい買っちゃうんだよね。」
「なぁんだ…俺のためじゃないんだ。ストレス解消ってわけか。」
「え…そ、それだけじゃないよ。もちろん、ゆうい…ぇと、ゆうちゃんに、
 綺麗だなって思って欲しいから…。」
いつもはとても羞ずかしくて言えないことも、身も心もしっくりと溶けあった後は、
なぜかすらりと口をついて出てしまう。
「じゃあさ…次はもっとエロいのにしてよ。…ガーターとか、ひもパンとかさ。」
祐一がニヤッと笑ってセットを手渡した。綾子は真っ赤になる。              
「そ…そんなの、羞ずかしいよ!」
「いいじゃん。見るの俺だけだし。それに…。」
ブラのひもに腕をとおした綾子をの胸を、また後ろから掌で包み、耳元で囁く。
「俺も毎日いっぱいいっぱいだからさ…綾子に会えるのだけが楽しみなんだ。」     
「ゆうちゃん…。」
「ま、綾子がどんな下着つけてるかなんて、気づく余裕ない時も多いけどさ。」
身に着けているものも目に入らないほど性急に剥ぎ取られ、求められる時もある…
そんな記憶がよみがえり、綾子はますます赤くなった。                    
「綾子、なんか身体が熱いよ…。またエロい気分になっちゃった?」
ふくらみを包んだ両手の、ひとさし指だけが尖りをくりくりと弄る。

466:深まりゆく日々Ⅰ ゆれる秋17
13/04/20 10:48:34.49 tr4SOXb5
「や…めて。ゅうちゃっ…ゆうちゃんってば…!」
「いいな…それ。もっと呼んで。」
祐一の舌が耳殻に差し込まれ、熱い息がかかる。綾子は甘い痺れに身をまかせ
ながら、せつない声で恋人の名を呼びつづけた。

「冬になったらさ、スキー行かない?…泊まりで。」
白いシーツにしどけなく横たわる、蒼い下着だけを身に着けた綾子を、祐一は
夢見るようなまなざしで見つめている。
「え…う、うん。」
「泊まりって…やっぱ無理かな?」
「ううん、大丈夫…。てか楽しみ…!」
祐一はうれしそうに綾子の細い身体を抱きしめた。激しい愛を交わしあった後、
乱れた褥の上で甘だるい身体を寄せ合う幸せに綾子は酔った。
 祐一と雪山で過ごす一夜…その頃には、いちいちドギマギしなくてもすむように
なっているだろうか?綾子はふと考える。
 今夜、いつものようにただ与えられ、そして奪われるだけではなくて、自分の頭で
考えて祐一に悦びを与えることができたことに、綾子は小さな満足を覚えていた。
(私だって、ゆうちゃんをドキドキさせることが出来る…!)
どうしたって綾子のほうが翻弄されてしまう立場なのはしかたないけれど、あの時に
名前を呼んでほしいとか、エロい下着をつけてほしいとか…。
(もぉ…可愛いすぎ…!)
大人と子供くらいの差だったのが、少し縮まったようで嬉しくなる。
(でも、やっぱりこっちがドキドキさせられることの方が多いんだろうなあ…。)
それでもいい、いやその方がいいと思った。いつまでも祐一にドキドキしていたい。
そして、祐一はこれからも期待にたがわず綾子をドキドキさせ続けるだろう…
そんな予感がしていた。
「なに綾子、ニヤニヤして…。やらしいこと考えてただろ?」
「なっ…!も、もぉ、ゆうちゃんったら!」
あわてふためいて伸ばした手で、綾子はとっさに祐一の目を覆ってしまった。
その手をとってやさしく指をからめた祐一が、ゆっくりと口づけてくる。

 秋の陽射しは早くも傾き、空の色が深まっていた。カーテンを開け放した部屋の
中に、日の翳りがしのびこんで来る。
 別れの時間が迫るまでのつかのま、ふたりは深い愛の淵にとろりと沈んだ。

467:名無しさん@ピンキー
13/04/20 23:29:38.45 ZhpOR+tI
ずっと待っていました♪
職人さんありがとうございます!!

あなたの描く綾ちゃんもフミちゃんも、とにかく可愛くて健気で
自分の中のイメージとぴったりなんだよね

毎日スレ覗いてたわ
嬉しい~
また時間ある時、投下宜しくお願いいたします
待ってます!!

468:名無しさん@ピンキー
13/04/21 23:53:37.21 Z+oAkIEk
>>450
乙&GJ!
ゆうあやの濃厚なイチャラブたまらんです
綾子さんかわいいよ綾子さん

469:名無しさん@ピンキー
13/05/02 14:29:10.74 wJCB95pu
いつも長~い話を、読んでくださってありがとう。

前回の続きです。ふたりが過ごす初めてのクリスマス
ちょっと尻切れですが、つづきはまた後日・・・

いちせんパロですので、興味のない方はスルーよろしくです。

470:ふたりのクリスマス1
13/05/02 14:30:40.49 wJCB95pu
 クリスマスには、まだ少し間がある12月のある土曜日。祐一は綾子のマンションを
訪れた。本来なら、イヴの夜を一緒に過ごしたいのだけれど、綾子はクリスマス本番には
イベントの仕事があり、祐一は年末年始に向かっての大量注文をこなさなくてはならず、
クリスマスデートはやむなくこの日になったのだ。

「いらっしゃい・・・すぐわかった?」
夜七時。祐一はマンションの入り口のオートロックを開けてもらって、綾子の部屋の
ある階まで上がった。玄関のインタホンを押すと、料理中らしくエプロンをつけた綾子が
出迎えてくれた。
「うん。ケータイ見ながらだけど。ほい、ケーキと・・・それからワイン。」
「ありがと・・・どうぞあがって。」
いつもの笑顔だけれど、ちょっと羞じらいを含んでいるのは、部屋に祐一をあげるのは
今日が初めてだから、だろうか。高校時代の親友のサチとシェアしているこの部屋は、
原則男子禁制。サチの父親の所有の物件に安く住まわせてもらうのは有り難いけれど、
綾子はていのいいお目付け役のようなものだ。
「冬休み彼と旅行行くから、クリスマスここ使ってもいいよ?」
親の心配もなんのその、サチは自由な女子大生生活を楽しんでいた。家にあげない
というだけで、彼氏とは外で会うし旅行にも行くのだから、せっかくのお目付け役も
意味が無い。綾子はサチのご両親にちょっと罪悪感を覚えながらも、サチの申し出は
有り難く受けることにした。

「綾子、大変じゃない?掃除して、料理つくってなんてさ・・・せっかくクリスマス
 なのに。」
「掃除は・・・いつもちゃんとしてるもん!・・・料理だって、たまにはゆうちゃんに
 私の手料理食べてもらいたいと思って・・・。」
家業見習い中の祐一の収入はあまり高くはない。口には出さないけれど、綾子は
高級レストランに行ってシティホテルに泊まって・・・なんてバブル時代みたいなことを
するために祐一に無理をさせたくなかった。
「大丈夫?何か手伝おっか?」
「大丈夫だから・・・ゆうちゃんはお茶でも飲んで待ってて。」
祐一にお茶を出すのもそこそこ、綾子はまたキッチンでディナーの準備に戻った。

471:ふたりのクリスマス2
13/05/02 14:31:50.61 wJCB95pu
「おいしい・・・これ、甘いのにお料理にも合うね。」
祐一のワインのセレクトは、そんなにお酒に強くない綾子にもぴったりの、甘口で
ありながら料理にも合う、一本で満足できるものだった。綾子はエプロンをはずして
ゆっくり料理とワインを楽しんだ。
「手際いいじゃん・・・腕あげた?」
居酒屋のアルバイトで長いこと厨房をまかされていた祐一は、綾子があまり料理が
得意ではないことをよく知っていた。
「へへ・・・サチにアドバイスしてもらったんだ。」
ディナーのメニューは、昨日から用意しておける煮込み料理以外はサラダや前菜など
あまり手のかからないものだった。これなら万一当日失敗しても、間に合わないと
いうことはない。
「綾子がパニクってたら手伝おうかと思ってたけど・・・じゃ、俺皿洗うよ。」
祐一がごく自然に片づけを申し出た。その間に綾子はコーヒーを淹れ、ケーキを切った。

「このケーキ、懐かしい味がする・・・。」
ケーキとコーヒーを持って移動し、ふたりは綾子の部屋でくつろいでいた。
「うん、俺が小さい頃から変わらないな。」
祐一が買ってきたのは、祐一の実家の近所の商店街のケーキ屋のものだ。決して
お洒落ではない包装紙やケーキのデザインは、ひと回りしてレトロな味わいを持って
いる。スポンジも生クリームも果物もごくまっとうで安心できる味だった。
「あ、そうだ。はい、プレゼント。」
綾子が渡された小箱を開けると、ブルートパーズのプチネックレスが入っていた。
祐一がそれを箱から取り出して、綾子の首の後ろにチェーンをまわした。
「・・・似合う?」
祐一がチェストの上からスタンドミラーをとって綾子の前に置いた。蒼い色の石と
冷たすぎないホワイトゴールドが綾子の肌にしっくりとなじんでいる。
「素敵・・・ありがとう、ゆうちゃん。」
綾子は大切そうに鎖骨の上の小さな宝石を掌でつつんだ。円形の鏡の中で、その手に
祐一の大きな手が重なった。まわされた腕に、いとしげに頬をすり寄せる綾子を
振り向かせて、今日はじめてのキスをする。

472:ふたりのクリスマス2
13/05/02 14:33:00.09 wJCB95pu
「・・・ン・・・っふ・・・。」
キスは次第に深くなり、テーブルの上の鏡は、ごく自然に甘い愛の時間に入っていく
ふたりを映し出している。
「・・・ぁ・・・はぁ・・・っ。」
祐一が唇からあご、首筋と唇を滑らせると、腕の中の身体が慄えながらしなった。
 オフショルダーのロングニットがずれて、片方の肩がむき出しになっている。背中の
リボンを解いてずり落とし、タンクトップの背中に手を入れる。ブラジャーのホックを
はずしてずらすと、つるんとした布の下で可愛い実がぽちりと存在を主張した。
「ぁっ・・・あん・・・。」
ベッドの側面に押しつけられ、布越しにふたつの実を弄られる。中心に向かって
円を描くようにこすったり、引っ張ったり押しつぶしたり・・・。可愛いあえぎを
洩らす唇をふさがれ、体内にどよめく快感が綾子を蕩かしていった。
「ゃ・・・っは・・・ぁ・・・っ!」
ショートパンツの前を開けて手を入れると、そこはもう甘い蜜がしとどにあふれて
いた。いたずらな指から逃れるように思わず腰を浮かせると、その動きを利用して
祐一がパンツを下着ごとくるりと脱がせ、綾子をベッドの上に押し上げた。
「脱いで・・・。」
綾子がゆっくりと起き上がってタンクトップを脱ぐ間に、祐一は着ているものを
全て脱ぎ去って覆いかぶさってきた。
「ゃっ・・・ま、まだ・・・っ!」
全裸なのに脚にだけ白いニーソックスを履いたままの足をばたつかせ、綾子は
ベッドの上に押し倒された。
「・・・ぁあ・・・。」
肌と肌の触れ合った箇所から熱が生まれ、いとしい重みに理性が解き放たれていく。
「んふ・・・ぅ・・・んゃ・・・っぁあ!!」
口づけに夢中になっていた綾子は、溶け崩れそうな秘唇を指でとらえられ、悲鳴を
あげて腰をよじりたてた。
「またそんなにしっかり閉じて・・・それじゃ快くしてやれないだろ?」
綾子から身体を離して膝立ちになった祐一が、揃えられた膝を優しくつかんで左右に
押し拡げる。
「ん~…なんか、マニアな感じ…?」
白い素朴なソックスに包まれた両脚とその間の隠微な風景のコントラストが、不思議な
エロスを醸し出している。祐一はざっくりとした木綿の感触を掌に感じながら、綾子の
長い脚を肩にかつぐようにして折り返し、中心部に顔を寄せた。


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