甲田学人作品でエロパロ3at EROPARO
甲田学人作品でエロパロ3 - 暇つぶし2ch1:名無しさん@ピンキー
12/01/08 19:31:06.73 QjEfojJI
ここは自称メルヘン作家、甲田学人の作品のエロパロスレです
「Missing」
「断章のグリム」
「夜魔」
等の色々とスプーン一杯入った小説や妄想を書き込みましょう
18禁スレにつき18歳未満は立ち入り禁止になっています


本スレ
甲田学人考・第三十七巻【Missing/断章のグリム】
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ライトノベルキャラで抜こう! 7th
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過去スレ
甲田学人の作品でエロパロ
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甲田学人作品でエロパロ2【Missing/断章のグリム】(dat落ち)
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2:名無しさん@ピンキー
12/01/08 21:41:44.64 DppHwArj
>>1乙。久々の復活だな

さあ、それじゃいよいよ、みんな大好き『甲田学人作品』のエッチなお話をしましょう

3:名無しさん@ピンキー
12/01/08 22:22:51.03 E6t9Iutw
クリック?

4:名無しさん@ピンキー
12/01/08 22:33:10.65 ulOYnIil
また人知れず落ちないことを願う

5:名無しさん@ピンキー
12/01/08 22:51:42.24 7BOQQWX7
クラック!

6:名無しさん@ピンキー
12/01/09 00:40:04.83 mj4+dSNQ
スレ立て乙!

7:名無しさん@ピンキー
12/01/09 00:40:15.80 aVSUUG1d
ついに立ったか
詠子ちゃんと風乃ちゃんの魔女っ娘コンビで
百合々々なお話を誰か頼む

8:エロではないが保守がてら投下
12/01/09 11:10:02.80 lRJggj5v
―その『少女』は、出逢ったときには既に『経産婦』だった。


ただ“姫”とだけ呼ばれるその有名な少女のことは、彼女がこのロッジに来る前から知っていた。
だから姫がこのロッジに来た理由も、最初から識っては、いた。

姫は、三度の出産を経験したとは思えないほどピュアで、可愛い少女だった。
実年齢は20代らしいが、どうみても10代後半の外見と性格―それが、頭の中に巣食う蟲に凡ての記憶と感情を喰われ続けているせいだと気付くのには、そう時間はかからなかった。
首から下げた手帳を大事に大事に、僅かな記憶と感情を忘れないように繰り返し眺めながら過ごす姫に惹かれるのにも、時間はかからなかった。

9:エロではないが保守がてら投下
12/01/09 11:27:50.72 lRJggj5v
「大好きですよ」
姫の言葉は、甘い蜜となって身体に染みていく。
「恥ずかしいですけど……何だか以前にもこうしたことがあった気がします……」
初めての夜、戸惑いながら呟く姫。
姫の記憶の片隅に残っている『誰か』の存在に激しく嫉妬しながら、瑞々しい身体を抱き締める。
「あ……っ、やん」
態度は処女のそれ。しかし身体の反応の端々に見え隠れするのは、かつてこの身体を味わった男たちの影。
その影を自分の存在に置き換えたくて、姫を連日抱き続けた。

10:名無しさん@ピンキー
12/01/09 11:30:28.12 mj4+dSNQ
おお、ナイス!

11:エロではないが保守がてら投下
12/01/09 11:38:50.34 lRJggj5v
蜜月は、長くは続かなかった。
姫のお腹に、新たな命が宿った―毎日抱き合っていれば当然の帰結だが、それは姫との別離れを意味していた。
「男の子かな?女の子かな?」
お腹を撫でながら、幸せそうに微笑む姫。
「この子のことは、毎朝起きても絶対覚えているんです」
覚えていられる―そんな存在を、束の間でも彼女に与えることが出来ただけでも、自分の存在価値はあったのかもしれない。
例え、出産後には忘れてしまう子だとしても。

12:エロではないが保守がてら投下
12/01/09 11:46:54.99 lRJggj5v
そして姫が安定期に入り、別離れの日がやってきた。
「おはようございます。今日もこの子は覚えてました。もちろん、あなたも」
いつも通りの朝。いつも通りの姫の第一声。
「今日は『お仕事』があるんです。久しぶりのお仕事みたいです。世話役さんがそう言ってました」
彼女の『仕事』は妊娠が解ってから控えられていた。
食害を使うことで、お腹の子に万一のことが起こらないように。
彼女は、大事な『繭』だから。
だから、仕事と言うのは嘘だ。姫をこのロッジから離すための口実に過ぎない。
そして、姫は二度とこのロッジには還ってこない。

13:即興なので遅い、スマン
12/01/09 11:58:53.09 lRJggj5v
こうなることは最初から解っていたはずだ。
彼女がこのロッジに来た理由……それは、年齢の近い自分との間に子どもを作らせるため。
大切な『食害』の血脈を途切れさせないように。

だが、そんな周囲の思惑とは関係なく、惹かれずにはいられなかった。
子どもと同じく、いずれ彼女の記憶から自分の存在が消えてしまうと解っていても。



風の便りで、彼女が無事に女の子を出産したと聞いた。
姫がいなくなった日常。姫が来る以前に戻っただけ―そうは思えない自分がいる。
彼女が忘れてしまう代わりに、せめて自分は彼女と、彼女の子どものことを憶えていたい。

14:もう少しだけ続きます
12/01/09 12:13:49.51 lRJggj5v
そんなある日。
世話役から封筒を渡された。
「渡すべきかどうか、かなり迷ったんだけど」
申し訳なさそうな表情を浮かべながら、世話役が言葉を続ける。
「姫の最期の相手である君に、これを持っていて欲しい」


頭の中が真っ白になる。
出産を繰り返しているといずれ『食害』に全身を喰われる―過去の例から導き出された事実。
知っていたはずなのに、姫が元気であることを疑いもしていなかった。
『出産』は無事に終わった。
でも彼女は……。




15:このスレの繁栄を祈って。ラスト。
12/01/09 12:23:48.94 lRJggj5v
封筒を開けると、中に手帳が入っていた。
姫がいつも大事に首からぶら下げていた手帳だ。
恐る恐る、手帳を開いてみる。表紙の裏のページには、ひらがなの50音表が貼ってあった。
そして、ノートには毎日の記憶を補う、彼女の文字。
たわいもないことから重大なことまで、雑多に書かれた、記憶の欠片たちに一気に目を通す。
最終ページを見た瞬間、嗚咽が止まらなくなった。


★つぎのてちょうにも、ぜったいにかく


わたしのなまえ
  たのうえ さつき

たいせつなひと
  しらのさん
  ゆきのさん
  ゆみこちゃん
  かがりやさん
    :
    :
    :



並んだ「たいせつなひと」の最後には、自分の名前が書いてあった。

16:名無しさん@ピンキー
12/01/09 12:30:25.84 mj4+dSNQ
乙!GJなり

17:名無しさん@ピンキー
12/01/09 12:37:12.36 5P8LzPw7
GJ
画面が歪んで見えるが泣いている訳ではないぞ!

18:名無しさん@ピンキー
12/01/09 12:54:07.31 2JYUZPlY
いずれこうなるんだなあと思うと……

19:連投すまぬ。かがりー×雪のん投下
12/01/09 17:08:59.30 lRJggj5v
鹿狩雅孝は苦悩していた。
ここ数日、新しく神狩屋ロッジに預かることになった少女―時槻雪乃の処遇について、四野田笑美と連日議論を重ねている。
大筋では共通の見解に至ったのだが、ある一点でなかなか意見が妥結しないのだ。


「だからね」
笑美は言いつのった。
「“痛み”がトリガーなのが問題なのよ」
断章の暴発を防ぎ、出来れば雪乃を日常に戻す―そのために《断章詩》と『服装』で二重の安全装置を設定する―そこまでは二人の世話役の意見は完全に一致していた。
しかし。

20:名無しさん@ピンキー
12/01/09 17:14:26.79 lRJggj5v
「雪乃ちゃんだって、いずれ恋をするかもしれない。恋をすれば、当然そういうことも起こりうるわ。そのときに、相手を焼き殺しちゃったら、雪乃ちゃんは今度こそ耐えきれないわ」
笑美曰く。
破瓜の痛みで、思わず安全装置が外れることも考えられる。日常へ還る最終段階とも言える恋愛で却って傷口が大きくなれば、雪乃は日常から完全に逸脱する可能性が高い。
だから雪乃が混乱している今のうちに、手を打っておくべきだ、と。

「だからといって、なぜ僕が……」
人によっては、役得と考えられる者もいるのかもしれない。
だが、神狩屋にとってはなるべく避けたい展開だ。
渋る神狩屋に、笑美は笑ってこう言った。
「だって、断章という不幸を子供がちゃんと大人になるように導くのが、私たち世話人の役目じゃない」

21:最後の文、不幸を“背負った”が抜けた……
12/01/09 17:30:20.83 lRJggj5v
「何で私がこんな目に逢わなきゃいけないの?」
ベッドに両手を繋がれた雪乃は、目に大粒の涙を浮かべて叫んだ。

叫びたい気持ちは痛いほど解る。
姉に浮かんだ泡禍によって父母を、家族を喪い、そして、処女をこんな形で喪うなんて、納得など出来る訳がない。
「君のためなんだ」
神狩屋にはそう呟くことしか出来ない。
焼かれても死ぬことのない神狩屋が雪乃の処女を奪い、その後颯姫の食害を用いて破瓜の記憶を消す―
それが雪乃のためだと笑美に説得されて、渋々ながらも承諾したのは、『所詮男には破瓜の痛みが解らないから、だからそんな楽観出来るんだわ』との笑美の台詞に反論出来なかったからだ。

22:まさかの途中落ち……orz
12/01/09 17:36:18.28 lRJggj5v
すまぬ。
ようやく前段が終わってさてエロパートだってときに、呼び出しくらった。
今日中には続き書いて完結させる。

23:続き。
12/01/09 19:16:09.76 lRJggj5v
あえてゴシックロリータの衣装は着せたまま、服の上から胸をまさぐる。
「やだ……っ。神狩屋さん……やめて……っ」
雪乃は激しく抵抗するが、所詮は大人の男と少女。力の差は歴然で、のしかかった神狩屋をはね返すことはできない。
「……あまり暴れると、手首が傷付くよ」
やんわりとたしなめるが、手首が傷付くことも実は計算のうちだ。
なるべく痕が残らないよう幅広の布で縛ってはいるが、抵抗すれば痛みは少なからず手首に残る。
痛みを手首に記憶させ、手首以外への刺激での暴発をなるべく抑制する―これも笑美と二人で考えた、安全装置の一つだった。

24:名無しさん@ピンキー
12/01/09 19:17:12.65 5P8LzPw7
>>22
GJわっふるわっふる!

25:名無しさん@ピンキー
12/01/09 19:21:52.34 mj4+dSNQ
ゆきのん超ナイス!

26:名無しさん@ピンキー
12/01/09 19:51:21.94 lRJggj5v
「なるべく痛くないようにするから」
今の神狩屋の役目は、雪乃を快楽に染めること。
破瓜の痛みを軽減し、かつセックスの快感を身体に覚え込ませる―これは雪乃の将来のために、世話役として“やるべきこと”だ。
性具も色々と用意してある。むしろ神狩屋自身も、雪乃を悦ばせるための道具に過ぎない。
そう思わないと、やっていられなかった。

しばらくは雪乃の抵抗は激しかったが、だんだん疲れてきたのか、少しずつ身体から力が抜けてきた。
勿論、抵抗を受けながらも神狩屋が胸への愛撫をやめなかったせいもあるだろう。
「……んっ」
雪乃の唇から、くぐもった吐息が漏れ始めた。


27:名無しさん@ピンキー
12/01/09 19:57:35.57 lRJggj5v
雪乃の反応を確認しながら、神狩屋はローターのスイッチを入れ、雪乃の胸に押し当てた。
膨らみの周辺から頂点へ、円を描くようにゆっくりと刺激を与え続ける。
「………っ」
雪乃は吐息を噛み殺すが、小さな粒が徐々に尖ってきたのが、服の上からでもはっきりと解るようになった。
神狩屋はなおも執拗に、しかし慎重にローターで乳首を責める。もう一方の乳首には、神狩屋自身の指で、そして歯で刺激を与える。
「んふ……っ……やぁっ」
雪乃が弱々しくかぶりを振る。

28:名無しさん@ピンキー
12/01/09 20:00:42.93 lRJggj5v
「や……ん………嫌っ………あ……ふ…っ」
少しずつ弱くなる抵抗。
神狩屋は、雪乃のスカートを捲り上げた。
「……嫌!赦して、神狩屋さんっ!」
我に返った雪乃が、足をバタつかせたが、構わずにドロワーズとパンティを剥ぎ取る。
そのまま強引に太ももを押し上げると、雪乃の秘められた部分が露になった。
まだ男に散らされるには少し早い、幼さを残した泌部が、湿り気を帯びている。
「……処女だし、これくらい濡れてたら上出来かな」
あえて卑猥な言葉をかけると、雪乃の全身が固まり、すすり泣きが聞こえてきた。
「………もう……やめて……神狩屋さん……っ。……お願……い………」

29:名無しさん@ピンキー
12/01/09 20:26:43.40 lRJggj5v
しかし神狩屋は雪乃の懇願を無視して、回転を続けるローターを雪乃の泌部に近づける。
「んっ……ふ……っ、あんっ!!」
敏感な豆に刺激を与えて転がすと、雪乃の口から抑えきれない嬌声が漏れ始めた。
「あ、あっ……やっ」
雪乃の全身が跳ね上がる。
「や、いや……っ」
拒絶の声にも、艶っぽく色めいた気配が混ざりこんでゆく。
「……あっ、ああっ……ん……や………も……っ」
雪乃の身体が、小刻みに揺れる。限界が近いようだ。
「あっ!やぁぁ……っ!」
一際高い嬌声が上がった。

30:エロって書いてみると難しいね……
12/01/09 20:42:49.67 lRJggj5v
神狩屋はローターのスイッチをオフにした。
「………ふ……っ」
雪乃はただぐったりとして、荒い息を吐き続けている。
意識が朦朧としているらしく、目の焦点が全く合っていない。
初めての刺激は、まだ中学生の少女には少々強すぎたようだ。
「………ごめんね」
神狩屋は、呟いた。
「でも、ここでやめる訳には、いかないんだ」
そして、細身のバイブレータを手にとる。
「せめて、少しずつ慣らすから」
―そんなことで許される筈はないけれど、言わずにはいられなかった。
雪乃の肢体は、神狩屋が喪った『生』そのものだったから。

31:名無しさん@ピンキー
12/01/09 20:57:42.21 lRJggj5v
雪乃は、自身の身に起きていることが未だに信じられなかった。
姉が起こした事件で茫然自失だった雪乃を保護し、今は唯一頼れる存在だと思っていた神狩屋が、自分の身体を弄んでいる。
それが雪乃のためだといくら説明されたところで、納得など、到底出来る筈がなかった。
しかし、身体は雪乃自身の意思とは裏腹に、与えられる快楽を素直に覚えてゆく。

「……もぅ、や……赦して………っ」
いつか本当に好きな人とするものだと信じて疑わなかった行為を、つい最近知り合ったばかりの『世話役』としている現実。
心を裏切って、快感を得る身体。
褪めていく心。
「……やだ……っ!」
雪乃は、全身がカッと熱くなるのを感じた。

32:名無しさん@ピンキー
12/01/09 21:13:01.39 lRJggj5v
「………っ?!」
涙が頬を伝う感触で、雪乃は目が覚めた。
「あ、良かった。目が覚めた」
タオルを片手に雪乃の顔を覗き込んでいた少女―確か颯姫という名前だったはず―は、ホッとした様子で微笑んだ。
「神狩屋さーん!雪乃さん、目が覚めましたよー♪」
嬉しさを全く隠さない声で、颯姫が叫ぶ。
ほどなく部屋のドアが開いて、先日から世話になっているこのロッジの世話役である鹿狩雅孝が顔を覗かせた。
「……目覚めたんだね」
優しげな笑みを浮かべて神狩屋が近づいてくる。
初めて会った時と同じ笑み。しかし、何となく感じる、違和感。

33:名無しさん@ピンキー
12/01/09 21:23:34.39 lRJggj5v
雪乃は身を起こし、その違和感の原因を考えてみようとしたが、靄がかかったような感触しか思い出せない。
「……もう大丈夫かな?」
神狩屋が雪乃の額に手を当てようとした瞬間、雪乃の身体がビクッと震えた。
―この人は、信用できない。
それは、確信。
神狩屋だけではない。颯姫も、誰も、信用など、してはいけない。


『……やっと本当に“目醒めた”のね、愛しい妹。……うふふ』
背後から、両親を殺し自らの命を絶ったはずの、姉・風乃の声が聞こえた。



~FIN~

34:あとがき
12/01/09 21:29:51.29 lRJggj5v
正直すまんかった

即死回避にエロでも書くか~~と甘い気持ちで書き始めたことを即後悔したwww


エロパロ職人さんを心から尊敬するよ!
修行して出直してくる
ノシ

35:名無しさん@ピンキー
12/01/09 21:37:57.39 mj4+dSNQ
十分だ乙!

36:名無しさん@ピンキー
12/01/09 22:07:18.59 5P8LzPw7
ありがとう本当にありがとう
めちゃくちゃおいしかったですGJ!

37:名無しさん@ピンキー
12/01/10 22:11:56.59 j5k8GstF
エロい効果持った断章とかどうだろう

38:名無しさん@ピンキー
12/01/10 23:43:48.91 4Ur4vUiL
確認したいんだが、非エロSSのここへの投下はあり?
それともエロパロ以外はお断り?

39:名無しさん@ピンキー
12/01/11 00:00:46.16 t4Dvw2W4
倉庫見る限りだとエロなしもあるよな

誰も投下する人居ないならいんでないかと思うけどね
どうせ過疎っちゃうんだから

40:名無しさん@ピンキー
12/01/11 00:17:39.57 x47uHvQo
個人的には大歓迎
本スレにSS投下はご法度だし、パロ全般ここでいいんじゃね?

限りなく総合パロに近いエロパロスレ、て認識でおkな気がする

41:人形師と雪乃1/2
12/01/11 09:23:29.40 tLuO8JuH

 とある一軒家の部屋、リビングの中―。

 小太りした醜悪な男が椅子にふんぞり返り、腕組みしながら少女を股下に従わせていた。黒いレースで髪を束ね、セーラー服をまとった女子学生、時槻雪乃である。
 男はにやつき顔で見下ろす。
 彼は雪乃にフェラチオをさせていたのだ。
 ベルトとズボンのチャックを下ろさせ、一物をつまみ出してもらい、そして咥えてもらっている。手で陰茎を握らせ、絶妙な舌使いで研磨させるのがとても心地良い。
「いいねえ、雪乃ちゃん。とても気持ちいいよ」

 ―ギロッ

 雪乃は口淫をしながらも、上目遣いで睨んできた。
 当然だろう、男は強引に卑猥な行為をさせている。
 自ら<人形師>と名づけた断章の力によって、身体の動きを指先一本まで操作している。念じることによって、力をかけた相手は思い描いた通りの動作を取るのだ。
 だから雪乃ともあろうものが醜悪な男の股につき、肉棒をしゃぶり頭を前後させていた。
 それを見下ろし快楽に浸るのは、男にとてつもない優越感を与えている。
 雪乃は始終その目を鋭くして、切れ味さえありそうなほどの視線を飛ばすせめてもの反撃を続けていた。
 しかし、肉体を意のままにしている以上は攻撃される心配はなく、雪乃も抵抗できない悔しさに苛まれている。それでいてフェラチオに励んでいるのが、絶好の興奮材料だった。
「出すから飲んでね」
 言葉の意味を理解してのことだろう。雪乃は鋭く視線を細めつつ、しかし微妙に逃げたくて仕方なさそうな表情を浮かべた。
 そして……

 ―ドピュッ、

 白い液体を口内へ放出し、飲み込むようにと念じる。雪乃はごくりと喉を鳴らし、汚い男の精を胃に収める。吐き出したい気持ちもあったろうが、そんなことは男の断章が許してはいなかった。
「美味しかったかい?」
「―っ! ふざけてるの? そんなわけないでしょ!」
 怒鳴り返してくるが、口元から精がとろりとこぼれている。
 その気になれば<人形師>の力は言葉を封じることもできる。何なら好きな台詞を強制的に喋らせることさえ可能だが、男は口だけは自由にしてやっていた。反攻不可能な状態にも関わらず、常に殺意を醸し出しているところを嬲るのが面白いと考えたからだ。
「俺は気持ち良かったよ? ほら、一回出したのにまだ勃ってる。本番にいきたいから服は全部脱いでもらおうかな」
「誰がっ!」
 脱いでたまるものか、とでも言いたいのだろうが、男は欲望のままに雪乃を操作する。

42:人形師と雪乃2/2
12/01/11 09:24:04.31 tLuO8JuH
 まずセーラー服をたくしあげ、少しずつ素肌を晒していきながら脱ぎ去っていく。スカートのジッパーに指をかけ、白いショーツを見せるように下ろしさる。下着姿で靴下を脱ぎ、背中に手を回してブラジャーを外す。
 大事な部分が順々に見えてくるのが色っぽく、男は一層興奮した。
「必ず殺してやる……!」
 さすがの雪乃も、逆らえないことは悟ったのだろう。状況を嫌々受け入れはするが、きっとチャンスを見つけて逆転してやる、といったつもりなのは明白だ。
 だが、雪乃にチャンスはない。
 身体操作という能力を応用して、相手に禁止行為を加えることができる。「~を禁ずる」と念じれば、相手はそれができなくなる。男は「俺に危害を加える行為を禁ずる」と念じ、刷り込んでいるので、既に反撃が来ないよう設定済みなのだ。
 もっとも、雪乃には伝えていないので本人はそれを知らない。だからこそありもしないチャンスを虎視眈々と狙い、睨み続けてくる姿が滑稽でいい。それを犯すのがまた、とても面白いのだ。
 ただ念じるだけ、それがトリガーとなって断章は発動する。
 町で偶然見かけた美貌の少女を、さも相手が勝手に家まで上がりこんできたかのような形にして捕らえるのは、いともたやすいことであった。
 雪乃の名は生徒手帳から知ったのだが、反応から察するに彼女も断章のことを知っている側の人間なのだろう。だが、欲望を満たしたいだけの男にとって、そんなことはどうでもいい。
 全裸となった雪乃のまぶしい肢体を好きにすることこそ、男には重要なことである。腕に巻きつけられた包帯が彼女がリストカッターであることを物語っているが、傷があるのは腕だけだろう。他の全体が綺麗であれば、肉体を楽しむのに支障はない。
「さあ、ベッドへ行こうか」
 男は雪乃を部屋まで連れ、シーツの上に寝かしつけた。
「せいぜい今のうちに楽しんでおくことね。アンタへの付けは必ず倍にして返す。焼き殺す」
 倍返しされる瞬間などとっくにありえないのに、雪乃は観念したというより隙をつけ狙うつもりで押しだまったのだろう。
 男は雪乃の裸体に覆いかぶさり、遠慮なく唇を奪う。むしゃぶって唾液の糸を引かせると、不快そうに顔を歪めた。
「くっ、気持ち悪い……!」
 悪態をつくのはせめてもの抵抗か。
 男は乳房を揉み、乳首を指でこねる。秘所へ手をやり執拗に愛撫した。
「おやおや、その気持ち悪い相手に濡れているんだねえ? 雪乃ちゃんは」
 わざとらしくクチュクチュと水音を立てると、雪乃はより悔しげに顔を歪め、目に涙まで溜め込んだ。泣きそうになりながら、それでいて恥じらい、かつこちらを睨むのをやめない。
「気持ちいいんだろう? ほらほら」
 男は股間に顔を埋めてなめずった。
「くっ……うぅっ!」
 雪乃は人差し指を咥えて、喘ぎ声を出すまいとしている。
「我慢しちゃってるところが感じてる証拠だよね~」
 わざとらしく言葉を投げつけると、キッと視線を飛ばしてくる。目に涙の溜まった、頬の赤らんだ睨み顔ほどそそろものはない。
「じゃ、そろそろ本番いこうか」
 男は雪乃の入り口へ亀頭を当てて、ずぶりと挿入する。破瓜の血が股から流れ、痛みに背をのけぞらせた。
「へぇ、中々の名器じゃん」
 デュフッ、と男は興奮しながら腰を振り、ついで胸を揉み、尻に手を差し込む。雪乃は髪を振り乱し、よがり、シーツを握って耐えていた。
「じゃ、出すよ」
 ドピュ、と膣内へ精を打ち込み、棒を引き抜く。愛液と精液の交じり合ったものが糸を引き、性器の貝からも白い滝がとろりと漏れ出る。
「ハァ、ハァ……」
 雪乃は最後まで泣くことはなく、涙目のまま堪えきったようだった。
 さて、次は禁止設定を刷り込んでトイレでも我慢させてみようか。
 さらなるたくらみを胸に抱き、男は卑猥なさらに笑顔を浮かべていた。

43:名無しさん@ピンキー
12/01/11 09:25:13.50 tLuO8JuH
以上、オリジナル断章持ちのモブで投下しました。
とりあえずはこれで終了です。

44:名無しさん@ピンキー
12/01/11 17:58:37.68 kBU9jALM


45:名無しさん@ピンキー
12/01/11 19:01:39.11 x47uHvQo
乙!

気が向いたら続編または新作投下も検討してくれ


46:名無しさん@ピンキー
12/01/11 20:04:01.41 2yrUfhXi
ケータイから
41です。
不定期でよければ続きで他の子狙ったりもしたいです。

47:名無しさん@ピンキー
12/01/11 21:01:39.70 efxIzN5Z
ホルダーの断章耐性はドウシタ

48:名無しさん@ピンキー
12/01/11 22:46:52.74 2yrUfhXi
>>47
ごめんその設定だけスルーして書いてた

49:名無しさん@ピンキー
12/01/12 15:23:29.59 Yj4IcqMH
さて、笑美さんでも狙うか

50:名無しさん@ピンキー
12/01/14 06:29:05.81 N9Z3nmco
以前のスレで出た事故でキスする蒼衣と雪乃ネタを拝借
エロなし

51:蒼衣と雪乃が事故でキスする話1/4
12/01/14 06:30:15.20 N9Z3nmco
 ある日、学校帰りの神狩屋に寄ると
「あれ、神狩屋さんは」
 店主は不在のようで、蒼衣より先に店に来て席についている雪乃に尋ねる。
「買い出しに出かけているそうよ。颯姫ちゃんは奥でお茶の用意」
「そっか」
 何か話そうかと思ったが、それきり黙りこむ雪乃の横顔を見つめる。
 いつもの光景だと苦笑して思考を切り替えして、辺りを見回す。
 なんとはなしに棚にあった置物に手を伸ばした時だった。つるりと足元が滑った。
「―っ!」
 床にモップをかけたばかりだったのだろうか。とっさに近くの棚を掴み、転倒をまぬがれた。跳ね上がる心臓を押さえる。
 しかし棚を掴んだ拍子に展示されている商品を壊したりしたらことだった。気をつけなければ。自戒する。
「……」
 何やってるのよ、と言いたげに一部始終を見ていた雪乃の視線に、蒼衣は照れ笑いを浮かべると、
雪乃は今まで自分が蒼衣を見ていたことに気付いて、その事実を不快に感じたのかむっと眉を寄せる。
 それを受けて蒼衣は苦笑をした。いつものことだ。
「!」
 と、油断した蒼衣の足元がさらに滑った。
「……!」
 転倒の寸前、とっさに雪乃が身を乗り出し蒼衣の服の袖を掴んだ。しかし止めること叶わず、
もんどりうって二人とも床に倒れこむ。
「いた!」
 目の前に火花が見えたような衝撃が走り、額をぶつけたと一瞬遅れて認識したあと、柔らかなものが唇に触れた。
「……」
 時間からすれば一瞬のこと。
「…………」
 このうえなく近い距離にいる雪乃と目が合った。
「………………っ!」
 互いの視線が交わったその瞬間、水を打ったかのように思考が戻り―ばっと引き剥がすように離れた。
 今、自分の唇に触れたのは……雪乃の唇……?
 そのことに気付いて再度動揺する蒼衣。
「あ……ご、ごめん!」
「……っ」
 とっさに出た謝罪の言葉に、雪乃は何かを言おうとして―しかし何も発せず、
唇をきゅっと引き締めると、無言で立ち上がる。
「……本当に、ごめん」
「うるさい、殺すわよ」
 蒼衣の謝罪を遮るようにそう切って捨てると、もはや何も聞きたくないとばかりに、
不機嫌に顔を背ける。
 これ以上話しかけるなと何よりも如実に語る背中。
 それを天より高く聳え立つ壁を見るような思いで見ながら、照れているのだろうかと
考えるのはあまりにも楽天的だろうと思う。
 ……どうしよう。
 雪乃が気になる身としては刹那的には幸せかもしれないが、そんな刹那の幸福など
味わう暇もなく霧散し、重いものが胸を占めた。
 頭を抱えたい思いで一杯になり、何か手はないかと考えをめぐらせた時だった。

52:蒼衣と雪乃が事故でキスする話2/4
12/01/14 06:31:45.53 N9Z3nmco

 カタン……!

 音がしたほうに目をやると店の奥に繋がる通路で少女が立ち尽くしていた。
 両手で持ったお盆に載せられた茶器のカップがかたかたと震えていて今にも取り落とさないか心配だった。
「……颯姫ちゃん……」
 颯姫の顔は、何を見たのかと問いただすまでもなく一目瞭然だった。
 蒼衣はそれを見てこの先の展開を予想し―この上なく嫌な予感で満たされる。
「……ごめんなさい! ごめんなさい!」
 開口一番、頭を下げる颯姫。
「いや、その……」
「見るつもりはなかったんです!」
「そうじゃなくて」
 ここで颯姫に騒がれては事の成り行きがこじれそうで蒼衣は取り繕うとするも、混乱した颯姫は聞いていない。
「大丈夫です、すぐに忘れちゃいますから!」
 何が大丈夫なのか。頬を真っ赤に染め、おろおろと恥ずかしげに右往左往する。
「だからそうじゃないんだ。えーっと」

「―颯姫ちゃん」

 混乱する場の空気を冷たい声が遮った。
 思わず固まる蒼衣。
「これは事故なの」
 雪乃の、この上なく冷たい声。
「そうよね、白野君」
「う、うん」
 念を押されて、少し悲しいがそれが事実なので、同意した。
「だからあなたが思うようなそういうことではないの」
 首筋に氷を押し付けるかのような雪乃の声に気圧されてこくこくと頷きかえす颯姫。
「わかりました……」
 その凄みでとりあえずはその場の混乱が収まった。
「えーっと、お茶持ってきますね」
「いや、お茶ならここに……」
「お菓子を持ってくるの忘れちゃいました! あははー」
「……」
 逃げるように奥に引っ込む颯姫の背中を蒼衣はどこか恨めしい思いで見送った。

* * *

53:蒼衣と雪乃が事故でキスする話3/4
12/01/14 06:34:40.57 N9Z3nmco
「……」
 いつもの巡回に出かける。しかし雪乃は無言だった。
 元より雪乃はお喋り好きというわけではないが、状況が状況なだけに意図的な無視に思えて、蒼衣は焦る。
「雪乃さん」
「……」
 前を行く雪乃に話しかけるも、返るのはやはり無言。
「そのうがいとかしなくていいのかなって」
「……?」
 その言葉に雪乃はようやく振り返り、訝しがる視線で続きを促す。
「その、あんなことがあったし……口をゆすがないと嫌なんじゃないかって」
 それを聞いて、雪乃は一瞬呆気に取られたような顔をして、やがてため息でもつきそうに眉を寄せる。
「……うるさいわね。もうその話題はやめてっていっているの」
 話題に出すのも嫌ならしい。

『あらあら雪乃、照れているのかしら』

 突如、風乃が現れる。
 面白いものを嗅ぎつけた猫のような無邪気な嗜虐心に満ちた笑みを浮かべながら。
「……姉さんは黙っていて」
 そんな野次馬根性の的に挙げられるのは我慢ならないのだろう。雪乃は不機嫌さを押し殺した眼差しを向ける。
 しかし雪乃が風乃に勝てた試しはなく、
『初めて男の子とキスしたというのに。素直じゃない子ね』
「……!」
 初めてと聞いて、思わずぎょっとする蒼衣。風乃の挑発に雪乃はもはや不快感を隠そうとせず眉間に険しい皺を寄せる。
 そんな雪乃の反応に風乃はますます楽しげに声を踊らせる。
『これが物語ならさしずめお姫様に目覚めを促す王子様のキスといったところかしら? 
 ふふ……偶然も必然も神様の手の上だもの。だとすればこれはどんな物語になるのかしらね』
「…………黙って」
 押し殺した雪乃の殺意。
『頑張ってね、王子様』
 風乃は蒼衣に微笑むとかき消えた。
 この状況を楽しみかき回すだけかき回して消えていった風乃を蒼衣は恨めしく思いながら消えた虚空を眺める。

 ややあって。
「……白野君こそ、いいわけ?」
 雪乃の言葉に一瞬、考える。風乃が現れる前までの会話の続きだ。それで雪乃が蒼衣に
気を使っているのだと考え至り、
「いや、僕は別に……嫌じゃないし」
「……っ!」
 後で思えば見当外れなことを言ったように思う。でも蒼衣は後悔しなかった。本心だ。
 さすがにキスできて嬉しいと言うことまではできなかったけれど。
「……」
 その場から歩みを早める雪乃。
「……雪乃さん?」
 一瞬見えた横顔、その頬が赤く染まっているような気がしたが、前を行く雪乃の顔をもう一度見ることは出来なかった。

54:蒼衣と雪乃が事故でキスする話4/4
12/01/14 06:36:37.80 N9Z3nmco
……
…………

『蒼衣ちゃん、キスしようか』

 ある日いつもの場所で遊んでいたら、葉耶がそんなことを言った。
 葉耶は早熟な子供だった。だからそんなことを言ったのだろうと思う。
 好きだからキスをする。蒼衣も葉耶のことが好きだったからそれを抵抗なく受け入れた。
 別に恥ずかしいことだとは思わなかった。社会的な常識を身に着ける以前の二人だけの
世界ではそれはおかしなことではないと思ったのだ。
 葉耶がそういうなら、それは両者の関係では自然なことだと―

「……」
 今日、事故とはいえ雪乃とあんなことがあっても、葉耶を思い出してしまった。
 自分がそれだけ葉耶に―自分が見捨てた幼馴染に捕らわれていることを意識する。
 雪乃を好きだという気持ちに変わりはない。だが、こうして葉耶を思い出すたびに、
雪乃に対しての裏切りになるのではないかという思いが脳裏をよぎる。
「……」
 雪乃は今も怒っているだろうか。
 気にしているとまた疎ましがられるかと、明日会う時はなるべく普段と変わらないよう
接するべく心がけようと思うが、今はどうにも頬の熱が引きそうにない。
 甘くて苦い思いを蒼衣は噛みしめた。



……
…………

 雪乃は唇に触れる。
「……」
 忌々しさが胸中にこみ上げてくる。
 ただ、皮膚同士が触れただけだ。そう言い聞かせる。
 化け物はこんなことは気にしない。こんなことで苦痛も恐怖も感じない。
 ましてや喜びや幸福などあるはずがない。
 しかし思い出してそうした穏やかならない浮ついた感情が去来するようで。
 今もまだその感触が残っているようで、そんなことを気にする自分自身が不快で雪乃は唇を擦った。

55:名無しさん@ピンキー
12/01/14 07:17:01.07 BiJ38oaB
乙!GJなんだぜ

56:名無しさん@ピンキー
12/01/14 11:22:03.13 FbdsbKNZ
乙乙!
やっぱ非エロもええのぉ~~

雪のん超カワユス!

57:名無しさん@ピンキー
12/01/16 20:26:31.69 p3OAAry4
 学校の身体測定の日、時槻雪乃は体操着に着替えて内診検査を受けていた。
 布をたくし上げ、決して巨乳でないが綺麗な曲線を帯びた美乳を医者に晒している。
 いくら医者とはいえ、羞恥心の強い年頃の少女が胸を見せることには大きな抵抗かある。雪乃の顔は真っ赤に染まり上がり、医者の視線が刺さる乳首のあたりにはじわりと熱を感じていた。
『あら、恥ずかしがっちゃって』
 ーーうるさい!
 風乃の声に内心いきり立つが、しかし関係のない医者にまで怒りが伝わっても困る。やり場のない気持ちを今は溜め込むしかなかった。
「では音を聞きますね」
 聴診器を押し付けられ、胸は柔らかく潰れた。
 右胸、左胸と続いて、次は背中の音を聞いてもらう。
『ねぇ雪乃、好きでもない人に見られてどんな気分?』
 ーーうるさい、殺すわよ。
 いつもの台詞も、心の中で唱えるしかない。
「じゃあ触診しますね」
 再び前を向いた雪乃は、今度は直に胸を触られた。下乳をすくわれ、弾ませるかのように指から振動を加えられ、ぷるぷるとした乳揺れを視診される。
 乳房の健康具合を確認するため、指で触られた上に形状変化を観察されるのだ。
『あら雪乃、乳首が立っていないかしら』
「…………っ!」
 感じてしまったことを嘲られ、雪乃は顔をしかめる。
 さらに胸全体を鷲掴みされ、じっくりと揉まれた。踊る指と共にマシュマロのように変形を繰り返す。
『雪乃ったら、本当に気持ち良さそうねぇ』
 もはや知らない男に触れられるより、風乃にかけられる言葉の方がよほど屈辱的だ。向こうはあくまで検査で触っているのに対し、風乃は雪乃を貶めることを面白がっている。
 固くなった両の乳首にそれぞれ人差し指を押し付けられ、そして摘ままれ、くりくりと責められる。
「…………っ、ぅぅっ」
『声が出そうね、雪乃』
 雪乃はひらすら、医者に触られる恥ずかしさに加え、その様子を側で楽しまれるという屈辱に耐え続けた。
「はい、いいですよ」
 終了が告げられ、雪乃は即座に胸をしまう。
『もう終わりだなんて寂しいものねえ。雪乃? 快感の具合はどうだったかしら』
「二度とこういう時に出てこないで」
 雪乃は小さな声で、しかし確かに鋭く、風乃に牙を向けて検査場を退室した。

58:名無しさん@ピンキー
12/01/17 12:48:01.94 sGOATET0
>>57
タイトル付け忘れてた。
「雪乃、内科検診を受ける」

59:名無しさん@ピンキー
12/01/17 17:53:23.46 QUgeqx/q
乙!

だが実際にこんな検診する校医がいたら医者免許剥奪+訴訟もんだろうな(笑)
二次だからこそ許される所業だ

60:名無しさん@ピンキー
12/01/17 18:00:26.29 lfNoBPIG
乙! イイヨイイヨー

61:名無しさん@ピンキー
12/01/17 19:25:59.71 fM2WMByy
>>57
乙だが校医が『変われよ』されました

62:名無しさん@ピンキー
12/01/17 19:33:14.38 4lWDTlgH
葉耶が蒼衣にお医者さんごっこを教えてるのとかどうだろう

63:名無しさん@ピンキー
12/01/17 22:22:01.08 Pf+3/XB4
葉耶「ねえ蒼衣、病気によっては医者はおっぱいを触診する場合もあるのよ」
蒼衣「ええと、こうかな?」
葉耶「そう、そんな揉み方でしこりを探すのよ」
蒼衣「うん。じゃあ探してみるね」
葉耶「どお? 見つかりそう?」
蒼衣「……わかんない」
葉耶「なら私に病気はないのね。でも不安だから、念のためにもう少し診て?」
蒼衣「わかったよ、葉耶」
葉耶「乳首もよ?」
蒼衣「指でつまんでこりこりするの?」
葉耶「そう、そうよ」

こんな感じで蒼衣に触ってもらって楽しむのか

64:名無しさん@ピンキー
12/01/18 08:22:54.88 QTsIJtZO
>>63
おお、そんな感じそんな感じ!
まさか書いてもらえるとは思わなかったありがとう!

65:雪乃と風乃をハメ放題
12/01/20 04:41:58.05 SAkml6Pl

*雪乃風乃は「あげるわ」無しでフリーダムに交代しまくります。
 面倒なので風乃の台詞は表に出てる最中も『』で通します。

 願望叶って雪乃といい関係まで到着した白野蒼衣は、なしくずし的に風乃とも愛し合うことに。
 その夜、ベッドで営みを交わす蒼衣だが、大変な気苦労に始終苦笑いしながらハメることになる。
「姉さんはすっこんでてくれない?」
『あら、やっぱり二人っきりが一番なのかしら』
 現在、既に全裸の雪乃の上で蒼衣は腰を振っている最中なのだが、その隣に現れた風乃が雪乃をからかう。すると雪乃はいきりたち、膣を突かれ感じながらという状態のまま姉に悪態をつくのだ。
「別にそうは言っていないわ! ただ、鬱陶しいから出てくるなってだけよ」
『寂しいことを言うのねえ。素直じゃない雪乃にはこうよ!』
 そして、雪乃と風乃は入れ替わった。
「あ、あの……」
 まさに挿入してピストン運動をしていた最中だったので、蒼衣はこの交代に困惑する。
『続けて頂戴? 可愛いアリス』
「……はい」
 こんな普通でない交際状況だが、せっかく好きな相手と付き合えている蒼衣は仕方なく受け入れる。雪乃もとい、風乃の乳房に顔を埋めてしゃぶりつつ、奥を突き上げる。
『いいわよアリス、とっても気持ちいい。そうだ、いいことを思いついたわ。体位を変えたいから一旦抜いてもらえるかしら』
「いいけど、なんか悪い予感がするなあ……」
 その予感は的中する。
 引き抜くと同時に風乃は四つん這いとなり尻を向けてきた。白く丸い尻肉を目の前でフリフリしてくるので、さしもの蒼衣も我慢ならずに揉み始めてしまう。
『そのまま割れ目を開いて? そう、そうよ―』
「いやぁ!」
 次の瞬間、雪乃の悲鳴があがった。
 風乃はわざと恥ずかしいポーズを取り、あまつさえ尻の割れ目を開かせ、それから雪乃に身体を返したのだろう。
 肛門を見られた恥ずかしさに、雪乃は顔を真っ赤にしながら涙目になり、蒼衣を睨みつける。怒っているが、可愛い表情だ。
「なんてことをしてくれるの? いくら私達がこういう関係だからって、こんな場所まで―」
『いいじゃないの、せっかくの恋人に私達の全てを見てもらいましょう?』
 風乃はちゃっかり自分も恋人のうちにカウントしている。
 元々、雪乃と付き合う気でいた蒼衣は苦笑いするばかりだ。
「全てって、姉さんが良くても私はまだ隅から隅までを見せるつもりは―あぁん!」
 姉妹の言い争いを聞いていても置いてきぼりになるだけなので、蒼衣はバック挿入で雪乃相手に続行した。
「ちょっと! まだ私は姉さんとの話がついてないの!」
「でも、せっかくこういうことするために時間取ったのに、姉妹喧嘩で終わられたらたまらないよ」
 蒼衣はパンパンと腰を尻に打ちつけ、雪乃をよがらせる。
『ふふっ、雪乃ばかりずるいわ。交代よ』


66:雪乃と風乃をハメ放題
12/01/20 04:42:20.86 SAkml6Pl
「そんな勝手に……」
『あっ! あぁ! ああん!』
 風乃は問答無用に主導権を奪い、喘ぎ声を響かせる。
「風乃さん、僕そろそろ出したいんだけど……」
『いいわよ? 今日は安全日だものね』
「待ちなさい! わざわざ手間をかけて健康管理をしたのは私なのよ? 楽して甘い汁をそそろうなんてそうはさせないわ!」
 雪乃が肉体を取り返し、目で「早く出しなさい!」とすごんでくる。
『酷いわ雪乃。この前も、その前も、前の前の安全日の日も私は一度も中にもらっていないのよ?』
「ふん、死人がイイコトできるだけでも感謝したら?」
「うぅ、二人とも……」
 蒼衣は気まずい思いで突き続け、ついで尻肉を揉む。
『そうね。安全日のチェックは雪乃の愛によって行われているのだから、やっぱり優先権は可愛い妹に譲るべきなのかしらね』
「……っ! 私は付き合ってるよしみで恋人らしい務めをしてやってるだけで、愛情なんてくだらない感情抱いてないわ!」
『あらあら、なのにどうして、そもそもアリスと付き合っているのかしら』
「そ、それは……」
 止まらない争いを他所に、「あのぅ、正常位に戻ってもらっても……」と、蒼衣はかなり遠慮がちに頼む。雪乃は「チッ!」と舌打ちしながら表を向いた。
 蒼衣は腰を振りつつ上から胸を揉みしだき、そして言った。
「そのさ、それって僕が二回出せば解決したりしないかな?」
『二人分出してもらえれば、言い合う必要は確かにないわね』
「けど、いつも一回出したら萎んでるじゃない」
「いや、勃たせて復活させればいいし……」
 蒼衣の答えに、雪乃はしぶしぶ頷く。
「じゃあ、雪乃さんからいくよ」
 ―ドピュ! 一発目を放出し、雪乃は果てる。
『じゃあ、次は私の番ね』
 蒼衣はしばし風乃に胸とアソコを弄び、再度興奮しなおすことで棒の元気を取り戻す。再び挿入して腰を振った。
 ―ドピュ! 二発目の放出で風乃も果てた。
「ふぅ……。雪乃さん、風乃さん、二人ともありがとう。すごく気持ちよかった」

終了

67:名無しさん@ピンキー
12/01/20 18:07:33.53 9m1tVk4l


68:名無しさん@ピンキー
12/01/22 11:02:52.78 XNiqrpHc
このスレが過疎いのは住人が機関に消されるからか…

69:保守がてら小ネタ
12/01/22 11:24:20.95 KmMRAxK1
~~新しく見つかった保持者を前に~~

神狩屋「発動条件が射精で、効果が君がリア充たと思った人物が一人自然発火で爆発する……か。
なかなか厄介な断章だね」
保持者「………」
神狩屋「まず、君には断章の抑制を学んでもらう必要があるね。あと、断章名もつけておいた方がいいかな」
保持者「断章名て、何スカ?」
神狩屋「君の断章を一言で表す記号のようなものだよ」
保持者「……希望があるんスけどwww」
神狩屋「とりあえず言ってみてごらん」
保持者「《リア充爆発》で」
神狩屋「却下」


―かくして、彼の断章は《キモオタDT》と名付けられた。




……《変われよ》されてくるわ

70:名無しさん@ピンキー
12/01/22 11:26:58.23 KmMRAxK1
>>68

書き込んだ人間が次々《変われよ》されてるせいかもな

71:名無しさん@ピンキー
12/01/22 12:52:06.59 XNiqrpHc
>>70
なるほど雪乃ペロペロした奴は皆…

>>69
一体どんな物語の放火でホルダーになったW

72:名無しさん@ピンキー
12/01/22 15:33:50.08 KmMRAxK1
>>71

弟「暇だから安価でキモオタな兄を虐めるwww」

    ↓

兄「弟が安価スレ立てやがったので安価で復讐するお」

    ↓

妹「キモオタピザな兄同士が喧嘩してるwワロス」

    ↓

弟「発狂した兄に頃されかけた件www 」

    ↓

妹「長兄逝き、次兄重体……ワロエナイ」

    ↓

弟「リア充な妹がマジで爆発したった」

    ↓

弟「周りのリア充が次々爆発するのは俺のせいらしいwww」

    ↓

弟「リア充爆発させまくってたら去勢された件」

73:名無しさん@ピンキー
12/01/23 23:49:02.86 KqdMUJAx
>>72

兄弟全員vipperとか、それ自体が悪夢だなwww

74:名無しさん@ピンキー
12/01/24 01:01:18.46 fvHZJjz4
>>73
最寄り駅オフで兄が出てきた私に謝れ

75:名無しさん@ピンキー
12/01/24 01:24:59.62 8ELpzwAO
>>74
まさかここに妹がいるとは

76:名無しさん@ピンキー
12/01/24 11:05:07.57 VQkXZyIe
兄弟たち、真っ当な人間に『変われ!』

77:名無しさん@ピンキー
12/01/24 17:58:43.41 K8kpCkjW
そして誰もいなくなった……

78:名無しさん@ピンキー
12/01/24 18:59:49.75 vCNbZ6Mt
真っ当な人間だれもいないのかよwww

79:名無しさん@ピンキー
12/01/24 20:03:11.49 47r8pHY8
自信満々に挙手しようとした俺の兄貴が占有者の疑い有りとして機関に処理されました

80:名無しさん@ピンキー
12/01/24 21:08:47.04 oCAX4GIA
兄の自室を覗いたら海苔の佃煮のようになった死体が(ry

81:名無しさん@ピンキー
12/01/25 11:52:53.40 2AH61K4S
みんな読者アンケートでグリムプッシュしたってるか?

82:名無しさん@ピンキー
12/01/26 10:14:35.92 ELAQxRvz
エロパロを書けとのプッシュか?www

83:名無しさん@ピンキー
12/01/28 16:05:01.87 UEI1LMsn
今日も寒いなぁ……雪のんの火で暖まりたい


84:名無しさん@ピンキー
12/01/28 17:16:14.35 pM+7rqYq
《私の痛みよ>>83を焼け!》


85:名無しさん@ピンキー
12/01/29 04:26:10.18 rB7jn+Mt
雪山で遭難し凍えそうになっている蒼衣を懸命に暖めようとする雪乃
そんな想像をして萌えたそして燃えた

86:名無しさん@ピンキー
12/01/30 22:49:33.17 Ezp3CqFU
空目と蚊狩屋が延々と知識を語り合い続けるという夢のコラボを誰か

87:名無しさん@ピンキー
12/01/30 23:06:23.94 ljU+ePsj
沖本と敷島って気が合いそう

88:蒼衣と雪乃が事故でキスする話4/4
12/01/31 04:19:37.79 sMSD0ZpB
彼女いない暦=年齢の敷島と
下半身だけの彼女のいる沖本とでは天と地ほどの差があるが

そうと知らない敷島が彼女持ちの沖本を「このリア充爆発しろ」的にうらやむ
薄ら寒い会話が繰り広げられたら面白そうだなw

89:名無しさん@ピンキー
12/01/31 17:13:39.27 CKxElCUa
>>88
名前は前の物語に犯されてるぞ渦禍くるで

90:名無しさん@ピンキー
12/01/31 18:03:14.99 6KoyJcdh
いや、これは予告という可能性も…

91:名無しさん@ピンキー
12/01/31 23:20:52.16 BGxw8N6r
ぎゃーーーーーー!!!名前残ってたw
ありません続編なんて叩いても出てきません爆発しろ俺!

腹いせにゆきのんをめちゃくちゃにするSSを書いてくるw
今度は甘くないぜ!

92:名無しさん@ピンキー
12/02/01 03:18:34.94 ArmciVRB
爆発しろの言葉をみて断章思いついた。
<我が心を抉るリア充よ! 爆発しろ!>
トリガーは彼女いる奴とかに嫉妬すること。

93:<リア充爆発しろ>
12/02/01 14:58:17.17 LezV93CB
彼はお世辞にも"普通"とは言い難い風貌だった。

「あ、あの、白野です。ここの世話役さんに頼まれて来ました」
「……」
「こちらは時槻さんです」
「…………<雪の女王>は知ってる」
「それで、その…<泡禍>と<異端>についてお聞きしたいんですが」
「ああ、あれは、駄目だね。俺の<断章>じゃ爆発できない。リア充じゃないから」
「り、リア充?」
「<泡禍>は知らない。関係ないし、興味ない」
「は、はぁ…」
「それより、白野君と<雪の女王>は高校生……デキてるの?」
「は!?」
「そんなわけないでしょ。殺すわよ」
「ふぅん…」
「誰彼構わず下卑た詮索されても不愉快だわ」
『ふふ、気を付けてね<アリス>彼の嫉妬は恐ろしいわよ?』

怒りも露に雪乃は退室。
蒼衣と男が残された。

「えっと、貴方の<断章>は、爆発とかその……広範囲なんですか?」
「範囲は、広くないなぁ。リア充が爆発するだけだから」
「そのリア充、というのは?」
「リアルが充実してる奴のこと」
「あ、なるほど…」
「俺これでも、高校の時はすっげーリア充だったの。イケメンで可愛い彼女もいてさぁ」
「え?はぁ」
「そしたらそれを妬んだバカがさ、理科の実験中に「ふひひwwリア充爆発しろwww」とか言いながら薬品変に混ぜやがって爆発」
「うわっ……」
「バカはいいよ。死んだんだから。けど俺は最悪だよね。顔が酷い火傷でさ。彼女もどっかいって、イジメられるようになったってわけ」
「それは……」

ぼさぼさでフケの浮いた髪に隠れる火傷の痕を掻きながら彼は続ける。

「ある日<リア充爆発しろ>って言って外にいた高校生カップルが爆発した時は驚いたよ」
「…………」
「で、白野君は、彼女いるの?」


なんか短く纏める気が長くなっためんご!
\(^o^)/

94:名無しさん@ピンキー
12/02/02 01:47:07.03 nr8d//+S
リア充爆発がキタ!
蒼衣逃げてw超逃げてw

95:名無しさん@ピンキー
12/02/02 19:14:43.95 izzA/ZcV
葬儀屋コンビに使ったらどうなるんだろう
あれをリア充と見なせるのか
もし爆発したら、葬儀屋は不本意そうに、可奈子さんは幸せそうに爆発していくんだろうな

96:名無しさん@ピンキー
12/02/02 19:19:24.23 2EeF5GDg
2人でギシアンしてたら可南子さんが発狂し始めて
お預け状態で泣く泣く解体を始める葬儀屋さんとか想像すると泣けてくる

可南子さんはまだしも葬儀屋さんをリア充と呼んではいけない

97:名無しさん@ピンキー
12/02/02 19:54:54.41 eBGKkPFa
〈リア充爆発しーー〉
〈変われええぇえぇぇ!〉

>>91のゆきのん待機中

98:名無しさん@ピンキー
12/02/02 21:27:52.60 izzA/ZcV
あと、グリムでカップルといったら、
カガリーとしづるさんか、『幸せな王子』のお二人くらいしか思いつかないんだけど
他に誰かいたっけね
グリムは家族や親子関係の話は多いけど、恋人は案外出てこないね

99:名無しさん@ピンキー
12/02/02 21:56:53.92 +tsyHqrW
つ入谷さん

100:名無しさん@ピンキー
12/02/02 22:47:45.70 4Ll7KKq8
つ臣とことり

あと、アリとキリギリスの比奈美&先輩もカップル

101:名無しさん@ピンキー
12/02/04 08:50:07.69 aymibKpV
空目とあやめお幸せに

102:名無しさん@ピンキー
12/02/04 17:57:02.27 6w64mh6z
リア充爆発の断章が空目とあやめに向かったらどうなるんだろう

103:名無しさん@ピンキー
12/02/04 23:12:47.58 aymibKpV
キモ男「効かない…だと!」
空目「お前の断章はどこからがリア充でどこからがリア充ではないのか、実は一定の区別を付けていた。特定の人間のみを爆発させる特性上、必ずお前の断章自身が相手をリア充であると認識していなければならなかった。だから不発に終わったんだ」


みたいな構図が浮かんだ。

〈変われ〉はできなくても、蒼衣より理解スピード早そう。

夢のタッグで無敵化だな

104:名無しさん@ピンキー
12/02/05 19:19:28.91 77iNav0L
けど確か空目って答がいきなり分かる→自分で納得する為に間を埋めるってタイプじゃなかったっけ
蒼衣は理解共感拒絶ってのが大事だからついていけるのか

105:名無しさん@ピンキー
12/02/05 21:12:48.04 j9jvAouA
蒼衣も割と大概な部分があるし大丈夫じゃない?
真相に気付いた時は一部の配役から逆算して筋道を組み立てることもあるし

106:名無しさん@ピンキー
12/02/06 12:22:17.20 TGauyXcX
へんなあらすじを思いついてしまった。

神狩屋のいなくなった矢先、新たな怪現象が発生してしまう。
その現場で偶然出会ったのは空目恭一。
彼の神狩屋にも匹敵する知識量の蒼衣は驚愕する。
「怪異と泡禍、俺達の力で必ず処理しよう」
<魔王><女王>と<アリス>の力が交わるとき、ここに新たな奇跡が誕生する!


107:名無しさん@ピンキー
12/02/06 22:37:26.15 qbqY7Xu4
そーいや、喪失と断章でクロスオーバーとか妄想したなぁ…
町に来た空目が「…焦げ臭いな?」とか雪のんを嗅ぎ付ける的な

108:名無しさん@ピンキー
12/02/07 17:45:28.29 pnXlotM8
>>106>>107
ちょっと純粋に読んでみたいw
ところで不純なMissing小説は需要ありますか

109:名無しさん@ピンキー
12/02/07 17:49:40.28 I6RQG5Sc
>>108
書いてみなさい
話はそれからだ

110:名無しさん@ピンキー
12/02/07 17:52:24.01 M4Ipt1NK
>108 凄く読みたい

111:名無しさん@ピンキー
12/02/07 19:27:18.07 kKadTO/8
>>108


パンツが異界に取り込まれた

112:名無しさん@ピンキー
12/02/07 19:48:57.49 ejgLnwAb
>ところで不純なMissing小説は需要ありますか
超ある

113:名無しさん@ピンキー
12/02/07 21:45:03.60 pnXlotM8
まさかの反響w
了解、長くなりそうだからちょっとまとめてくる
事前予告しとくが邪道カプだからな!怒るなよ!

114:名無しさん@ピンキー
12/02/07 22:59:57.63 kKadTO/8
>>113

異界からパンツが還ってこない……風邪ひきそうなのでなるべく早めにお願いしまつ

115:名無しさん@ピンキー
12/02/07 23:13:06.71 EeulrNH8
>>114
きっと陛下のいた高校の裏山の神さんが弄んでるよ

116:名無しさん@ピンキー
12/02/08 00:34:03.04 9VI6syGz
>>114が風邪ひくと困るからとりあえず投下
でもごめん、まだ本番まで行ってない…逆効果かも、すまん
今至急書きなおしてるからもう少しだけ待ってくれ

途中まで、微妙にグロ(?)注意
まさかの空目×亜紀です
NGは「夢魔の金曜日」で


117:夢魔の金曜日
12/02/08 00:35:42.77 9VI6syGz
その匂いが最初に空目の"嗅覚"に触れたのは、ある冬の朝に文芸部室の扉が開いた時だった。
「あ、魔王様おはよー」
「………ああ」
いつも通りやってきた彼が怪訝そうな顔をしたのを見て、入れ違いに部室を出ようとしていた稜子は首をかしげた。
「?どしたの、わたしの顔に何かついてる?」
「いや………日下部、何か香水でもつけているのか?」
「ええ?」
慌てて稜子はふんふんと自分の髪や服の匂いを嗅ぐ。
「別に何も……………何の匂いがするの?」
「………いや」
もう一度鼻を利かせたときには、その香りは霧消していた。
「あ、そういえば昨日シャンプー変えたんだ。それかな」
「そうか、ならいい」
その場はそれで終わった。
だが――



118:夢魔の金曜日
12/02/08 00:36:23.38 9VI6syGz
「これでもう四件目か」
それから約一週間後の金曜の朝、文芸部は珍しく時事ネタで盛り上がっていた。
武巳の広げた新聞の一面に踊るのはおどろおどろしい見出し。
「被害者は全員鋭利な刃物で腹部を刺されており、警察は同一人物の犯行として捜査中…………」
「ああ、それか………」
横から俊也が紙面をのぞきこむ。
「最近羽間市周辺で女子高生が連続不審死してるって事件だよな」
「不審死っつーか殺人だろ、どう見ても」
「いや、それがな」
そこで彼は少しだけ声のトーンを落とした。
「クラスに親が警察関係の奴がいてな…………どうもこの事件、おかしいらしい」
「へ?何が」
「その切り傷ってのが、刺した感じじゃないらしい。こう横に――」
そう言って俊也はちょうど武士が切腹するようなしぐさをした。
「ええ………ハラキリ?」
「かなり悲惨な状況だったそうだ」
「うわ……………グロっ」
"怪異"だったりして、と武巳が呟いて、なあ陛下、と空目に声をかけた。
「………だとしても現場に行ったわけでもなし、俺の鼻は何の役にも立たん」
それよりは夜道に気をつけた方が賢明だな、とあしらわれ、彼は早々に話の方向を変える。
「稜子ー、夜とか気をつけろよ」
「あのねえ、わたし寮だよ?そんな不審者が出るような道歩かないよ」
「んじゃあやめちゃん…………は大丈夫か、さすがに」
「一番危ないのは亜紀ちゃんだって、ねえ!………亜紀ちゃん?」
「え?」
そう言われ、亜紀がはじめて顔を上げた。彼女らしくもなくどことなくぼうっとしている。
「どしたの?具合悪い?」
「…………いや、ちょっと寝不足なだけ」
「本当?あ、わかった」
稜子が大げさに手をたたく。
「恋煩いでしょ!それでぼーっとしてんだー」
「………何をどう考えたらそうなんの」
「違うの?だってほら、なんか最近亜紀ちゃん服の趣味とか変わったし」
「え?」
亜紀の着ているふんわりとした白いワンピースを引っ張りながら彼女は言った。
「これアースの新作でしょ?前は亜紀ちゃんってジーナとか大人っぽいブランド好きだったじゃん」
白ワンピは乙女の勝負服だもん!と稜子は笑ったが、亜紀は何かまずいことがばれたかの様な顔を一瞬し、視線をさまよわせた。
「………………ばかだね、私だってたまにはこういうの着たくなるの。そもそも男に合わせて服装変えるなんて私はやだね」
「えー?」
「ほら、もう一限目始まるって。行くよ」
つかつかと足音を立てて出ていく彼女を慌てて稜子が追いかけはじめたのを皮切りに、文芸部面々は席を立ち始めた。
――その時。
「……………………?」
空目の鼻をあの匂いが擽った。
甘く、それでいて動物的な、どろりとした匂い。
「……………」
その匂いは、確実にあの朝より強くなっていた。

119:夢魔の金曜日
12/02/08 00:36:55.11 9VI6syGz
「……………………っ」
夕方、無人の女子トイレに、うずくまる人影――木戸野亜紀の姿があった。
「………何………なの、これ」
猛烈な嘔吐感がせり上がってくる。思わず口元を押さえた。
これは――これでは、まるで――

――ぐぷり。

「!」
ぎくり、と上体を起こす。
何かが身体の中で動いた――腹の中で。
「……………………嘘、でしょ」
全知識を総動員しても、この状況に合う原因はひとつ。
「そんなわけ……………」

その症状は、

120:名無しさん@ピンキー
12/02/08 00:37:22.18 9VI6syGz
「ねえ」
不意に背後から呼び止められ、空目は振り向いた。
「……………………十叶先輩」
「こんにちは、影の人」
声の主――魔女・十叶詠子はいつもの透明な笑みを浮かべてそこにいた。
「何の用でしょう」
「うーんとね、割と緊急かな」
ちっとも緊急でない顔で彼女は彼に近づき、手に持っていたものを見せた。
「………これは」
それは、今朝武巳たちが読んでいたのと同じ新聞記事だった。
「ちょっと厄介なことが起きてるの」
「……………これが"怪異"だと?」
「そう」
彼女が世間話に新聞を持ちだすはずがない。空目はすぐに状況を把握した。
「………あんたが言うなら本物か」
「勿論。でね、これはちょっと危ないの」
愛らしくさえあるほほえみで詠子は続ける。
「普段だったら謎解きはあなたの役目なんだけど…この物語は、毒にしかならないから。早く止めなきゃなって」
「簡潔に説明して頂けますか」
すると、彼女は提げていた小さなポシェットから赤い小瓶を取り出し、彼の手をとってのその中身を少量つけた。
「この匂い、知ってるでしょう?」
それは――間違いなくあの"匂い"だった。
甘く、動物的で、そして――官能を呼び覚ますような、危険な香り。
「……………これはね、ムスクの香り。日本語だと麝香っていって、古来には媚薬とされていた」
「この香りがその事件と何の関係がある」
「話は最後まで聞いて?…………一説には、ある悪魔が現れた後に残る香りとされている」
そこで、はっと気がついた。
ムスクの香り。
腹を裂かれた死体たち。
被害者は少女だけ。
そして、脳裏に蘇った、その悪魔の名―――
「ねぇ、あなたの周りにいるでしょう」

おなかのおおきな、女の子が。

今朝、亜紀があのワンピースの下に隠していたのは―――
「……………………」
さすがの空目も、戦慄した。
「頭のいい影の人なら、ここまで言えばわかるよね?」
「あんたは…………」
「今なら命は救えるよ?ココロはわからないけど」
でも、死んじゃうよりはいいよねぇ、と彼女は笑う。
「いち女の子として助言すると、今回のことはあなただけで解決してあげるのがいいんじゃないかなあ………
彼女のことはわたしも気に入っているし、助けてあげたいのは山々だけど」
聞きながら彼の頭脳はありとあらゆる方法をはじき出す。しかし、どれも端から不可能の上書きがされていく。
「救えるのはあなただけだよ」
現時点で実行可能な方法はひとつ。
「だって、あなたは男の子だから」
そう言って、魔女は聖母のように目を細めた。

121:夢魔の金曜日
12/02/08 00:37:51.40 9VI6syGz
「あれ、亜紀ちゃんは?」
「あ、あの………」
放課後、部室に戻った稜子に訊かれ、あやめは慌てた。
「えっと、風邪っぽいって早退されました」
「風邪?そういえば朝ヘンだったよね………インフルじゃないといいけど」
「今はやってるもんな…………そういえば陛下もいないし」
「えっと、今日は何か用事があられるみたいで」
内心冷や汗ものだ。嘘は得意ではない。
だが、こうしなければ。
「へー、じゃああやめちゃんフリー?」
「あっ、はい」
「あ、じゃあいっしょに買い物行こうよ!わたしもアースの新作見たくなっちゃった」
「え、そんなことしていいのかよ」
「い、行きたいです!」
珍しく声をあげたあやめに武巳が驚いた顔をした。が、すぐに生来の能天気さで笑って俊也を呼ぶ。
「よっしゃ、じゃあ村神もいこーぜ!」
「はあ、なんで俺が?」
「いいじゃん、みんな一緒のほうが楽しいよ!」
その様子を横目で見て、あやめは小さく息をついた。
今回のことにはむろんあやめも気づいていた。
だが、いったい何が元凶なのか、どういうことが起きようとしているのかは全く分からなかった。
そもそも、あの"匂い"も、今日になって急に濃度をましたのだ。彼女に何かができるわけはなかった。
『あやめ、今日は学校にいるか、誰かの家に行っていろ』
ただ、空目のその言葉から、何かが危ないことはひしひしと感じていた。

――――だから、どうか。

あやめはぎゅっと目を閉じ、祈った。


122:夢魔の金曜日
12/02/08 00:38:20.96 9VI6syGz
「っ、く、はぁ…………」
校門を出たところで、亜紀の視界は揺らぎ始めた。
急激な貧血のように頭がくらくらする。どう考えてもおかしい。
「病院………」
ことの始まりは先週だった。順調だった月経周期が突然乱れた。
そこから少しずつ症状が進行し、今ではこの状態だ。

―――ぐぷり、

また腹の中で何かがうごめく。
たった半日の間に腹部は大きく腫れあがっていた。
「なんで………」
何も心当たりはなかった。強いて言えば――奇妙な夢を見た、そのくらいだ。
(想像妊娠?まさか…………)
そう、いくらあの夢がリアルだったからといって――
とりあえず、今はどうにか病院まで行かなくては。
タクシーでも何とか呼べないか、と周りを見回したとき、不意に腕を掴まれた。
「!」
振り返ると、黒い色が目に飛び込んできた。
「……………恭の、字?」
「木戸野、」
亜紀は心中歯噛みした。今一番会いたくない人物だった。
「木戸野、話がある」
「ごめん、私いま具合、悪いんだ………後に、してくれない?」
必死に気力を振り絞り、それだけを言う。
だが、腕をつかむ力は緩まなかった。
「分かっている。だから一緒に来い」
「え?」
「このままでは、お前の命が危ない」
ぞっとするほど真剣な瞳が、彼女を捕らえた。

123:名無しさん@ピンキー
12/02/08 02:31:12.29 bMC/Uxvs
支援いる?

124:名無しさん@ピンキー
12/02/08 06:54:15.88 9obME8X3
続き待機っ!

125:名無しさん@ピンキー
12/02/08 13:14:16.88 JiWgQ9QF
ふぅ・・・ 雪が舞い始めたが全裸待機ということか

126:名無しさん@ピンキー
12/02/08 22:50:53.06 jcJG5dx7
全裸で雪に埋もれてる>>125、生きてるか?


127:名無しさん@ピンキー
12/02/08 23:40:18.24 aEMffIhU
全裸で雪乃さんに埋もれてるだと……!!?

128:名無しさん@ピンキー
12/02/09 00:31:28.51 2YztMxjW
中断ごめん、再開!
キャラ崩壊がだいぶ進行してるが勘弁


129:夢魔の金曜日
12/02/09 00:32:23.05 2YztMxjW
身体が熱い。
「っ………」
乾いた唇で浅く呼吸を繰り返す。先程までの"症状"はおさまりつつあったが、今度はまるで火に焼かれるような熱さが亜紀を襲った。
いっそ気を失ってしまいたい―――だがそれは許されない。
「いいか、よく聞け」
半ば抱えられる様にして空目の家の玄関をくぐり、寝室までたどり着いたところで身体を支えきれなくなった。
へたり込む亜紀の肩を支えながら彼は"犯人"を告発する。
「お前を襲っているのは、いわゆる夢魔というやつだ」
「……………む、ま?」
薄く眼を開け、苦しい息の下訊き返すと、頷きが返される。
「ああ。英名はインキュバス。キリスト教における下級悪魔の一種とされている……特質は、睡眠中の女性を襲い精液を注ぎ込み、悪魔の子を妊娠させること」
これが今回の"怪異"が取っている形だ、と彼は言った。
「もっと早く気付くべきだった。匂いはあった………だが薄すぎた」
そう、最初は本当にかすかだった。それもこの悪魔の正体を知れば納得がいく。
――――敵は彼女の胎内にいたのだから。
「今朝近藤たちが読んでいた新聞の事件、あれがこの"怪異"の仕業だとすれば、お前の中の”夢魔”も遅くないうちに――出てくる」
――死んだ少女たちの腹は大きく引き裂かれていた。
あれは、夢魔が胎内から肉を食い破って……………
「…………私も、」
背筋に氷の欠片を滑り落とされたような気がした。
「お前の症状から見てもうあまり時間はない。………考えたが、方法は一つしかない」
珍しく歯切れの悪い言い方だった。亜紀は思わず顔を上げた。
「私は………どうしたらいいの」
「………夢魔に顕現される条件を崩せば"物語"は成り立たなくなる。条件は三つ」
物語に感染していること、女性であること――
『いわゆる邪説だけどね、キリストの父親は"夢魔"って言われてるんだよ』
去り際に詠子が言った台詞。
『つまり、夢魔は汚れなき乙女がお好みなの』
変えられる条件はひとつ。

………処女であること、だけ。

「…………俺は手詰まりだ。決断はお前に任せる」
「………………」
亜紀はただ瞬きもせずに彼を見上げた。
「生物学的には俺はお前を『助ける』ことは出来る。だが人間としての尊厳は別だ」
その口調は落ち着いていた。だが、それは内心の葛藤を否定するものではなかった。
一人の少女の心の前では、彼もまた一人の少年でしかないのだから。
「お前の理性が、精神と生命の兼ね合いにおいて最も合理的だと考える判断が、正解だ」
返す言葉は出てこない。
このまま腹を食い破られて死ぬのか、それとも…………

「……………恭の字」

しばらくの後、亜紀は肩を支える手に額を押しつけて、呟いた。

「抱いて」

130:夢魔の金曜日
12/02/09 00:41:48.99 2YztMxjW
「それが、私の理性の答えだから」

死への恐怖があった。理不尽さへの怒りがあった。
生きるための判断だ。
でも、一つだけ嘘をついた。

「………済まん」

力を抜くと、自然に彼の腕に落ちる格好になる。
抱きしめられているのだ、と感じたとき、不思議と恐怖は消えた。

「これから何が起こっても、それはお前の責任ではない、いいな」

恋人の抱擁ではないと分かっていても、初めて知った想い人の体温が亜紀を慰めた。
理性の導きではない。
――夢魔よりも淫蕩に彼女を唆したのは、恋だった。

目を閉じて、自分からも腕を回す。
こんな状況じゃなくて、本当にこの男に愛されて抱かれるのならどんなによかったろう―――
そう考えるとじわりと涙が滲みそうになって、一層強く瞼を閉じた。
(馬鹿だね…………私は)
こんな"怪異"でもない限り、そんなことはあり得ないと分かっていた。
愛などどこにもないと知っていて、手段だと理解していてこの道を選んだ自分を亜紀は自嘲した。
――それでも。

寝台へ運ばれる。電気が消される。
黒に近いダークグレイのカーテンが閉められ、部屋は闇に沈む。
暗がりに慣れない目には互いの姿は輪郭程度にしか見えない。それでよかった。
再び閉じた瞼の裏に、白い天井だけがやけに高く焼きつく。
「………手術台の上にでもいる気分、だね」
せめてもの強がりに軽口をたたいた。
「医療行為、みたいなもんだと思ってるから、私は大丈夫」
「…………木戸野」
うっすらと汗の浮かんだ額を空目の手のひらが拭う。
村神あたりが少し捻れば折れてしまいそうな身体のくせに、男子に相応しい広い掌。
「安心させる材料になるかは分からんが、基本程度の知識はある」
日下部に山と少女漫画を押しつけられたこともあるしな、と呟いた。
冗談返しのつもりだったのかもしれない。
「甘ったるい話ばっか…だったでしょ、稜子のことだから」
「ああ」
せめて、ハーレクインロマンスのように抱いて。
馬鹿馬鹿しいくらいに優しく、恋人同士のような錯覚をするくらいに。
「木戸野」
再び名を呼ばれる。目が合う。
決意を示すように見つめ返すと、頭を抱かれ、くちびるにくちびるが重ねられた。
―――正真正銘のファースト・キス。
もはや退けないのだと、その感触が教えた。

131:夢魔の金曜日
12/02/09 01:04:04.77 2YztMxjW
「脱げるか」
「へい、き」
震える指でカーディガンのボタンをはずす。
続いて前開きのワンピースに手をかけたが、思うように指が動かない。見かねた空目が手を貸した。
手早く肩から布を落とすと、下着のホックを外す。
ぷちん、という音に亜紀は小さく身を震わせた。
「………後はなんとか、するから」
視線を逸らして自らも襟元を緩め始めた彼の配慮を受け取り、力の入らない手で布団を引き上げる。
その陰で思い切って残りの衣類を脱ぎ、上着でくるんでベッドサイドに落とした。
そのまま次の行動の取り方も分からず布にくるまって固まっていると、後ろから腕を回された。
「っ………く、」
肌と肌が触れ合うだけでぞくぞくと何かが這い上がってくる。
思わず力が抜けた瞬間、位置を入れ替えられ、覆い被さるように再び口づけられた。
「んぅっ」
確実に先程のものとは違う。歯列を割って温かな舌が咥内をかき回す。
………………ちゅ、くちゅ、
味わうような、撫でるような、 いつくしむようでいて淫靡なキス。
息継ぎのタイミングを計りかねて金魚のように口をぱくぱくとあけると、自分のものとは思えない淫らな声が漏れた。
髪を束ねていたシュシュが外される。頭の下に手が入り、栗色がかった猫っ毛を梳いた。
「あっ…はっ…んっ」
おかしい。キスだけでこんなに感じてしまうなんて。
これが夢魔の力なのか―――それとも、彼女の持つ生来の資質か。
首筋から背骨に伝わる快感に身を反らすと、白い喉を舐めあげられた。
意に反して嬌声を上げようとする口元を必死に両手でふさぐ。
幼子にするように優しい手櫛の動きに反して、まるでその柔肌を捕食するかのように唇は下がっていく。
「ん、…………んんぅ、ふぅ、」
二の腕の内側を、鎖骨の下を、かと思えば耳たぶをきゅうと吸い上げられ、息が上がる。
「手を離せ」
ふるふると首を振ると、耳元で宥めるように囁かれた。
「誰にも聞こえやしない。後がきつくなるぞ」
そう言われたが、どうしても嫌だった。これ以上無様な姿を晒すのは瀕死のプライドがかたくなに拒んだ。
「………木戸野」
目元にかかる乱れた前髪を掻きあげられ、額を合わせられた。間近に覗く眼はかすかに濡れて潤んだ光を湛えている。
聞き分けのない子供にするように頬をすり寄せ、そのまま首筋をたどって肩に歯を立てられた。
「っ……………………!」
その一挙一動にびくびくと身体を震わせながらも、頑固に手を離さない亜紀を見て、次の手が打たれる。

132:名無しさん@ピンキー
12/02/09 01:08:25.79 Q7525lqR
①①①①

133:夢魔の金曜日
12/02/09 01:36:37.34 2YztMxjW
「んっ……………!?」
手のひらが頭の後ろからするりと抜け出て、やわらかい胸のふくらみに添えられる。
確かめるように強弱をつけ、外縁を押し揉みながら、時折すこし伸びた爪の先が色づいた突起をかすめた。
それでも亜紀は耐えた。恥じらいと背徳観が快楽の解放を妨げていた。
しかし、それにもやがて限界が来る。

「……ん、」
「ひっ、ぅ、うぁ、あ………っ!?」

どろどろに濡れた舌先が頂点を捕らえる。ざらついた感覚に、眼の奥がぱちんっと爆ぜた。
柔らかくて熱いものが、ぴちゃ、と音を立てながらそこに吸い付いてこね回している。
息ができない、耳の奥が痛い、神経の密集した個所が、過剰な感覚の洪水に悲鳴を上げる。
ぞくぞくする、思わず手が離れる。閉じていられない口元から唾液が垂れた。
呼吸がどんどん浅くなり、激しくなって、頭がわんわんする。それなのに声が止まらない。
「……うあっ……あはぁ……はあっ!」
喉が引きつった音を立てる。不意に唇を塞がれた。
「んっ、んっ」
苦しさに涙がボロボロとこぼれる。背中をさすられ、くちびるを離しては重ねてを繰り返される。
「大きく息をしろ、過呼吸になる」
跳ねそうになる身体をぎゅっと抱かれて、宥められた。
落ち着き始めたところで、また愛撫され、限界に達すると緩められる。
そのうちに少しずつ身体が波を捕らえられるようになってきた。
それと同時に――胎の中の魔物もうごめき始める。

「………あ…ぅあ、きょ…の、じ、」
「ああ」

空目と密着した皮膚の中、膨れ上がった子宮の中で、なにか熱いものがどろどろととぐろを巻いている。
コツコツと内部から外を目指すそのなにかとは裏腹に、二脚の間は既に大量の蜜をこぼして侵入者を待ち望んでいた。


134:名無しさん@ピンキー
12/02/09 01:49:59.26 2YztMxjW

ごめん、なんかさっきからPCの調子がやたらおかしい
最悪なところで申し訳ないがいったん中断させてくれ
回復し次第戻ります

135:名無しさん@ピンキー
12/02/09 01:55:49.43 Q7525lqR
復帰まで靴下とネクタイで正座しながら待ってます!

136:名無しさん@ピンキー
12/02/09 04:51:31.53 3FXALkfi
絶賛待機中

137:名無しさん@ピンキー
12/02/09 07:59:07.42 V3ojQsr5
ワクワクテカテカ  +
 + 。 
ワクテカ  ∧_∧  +
 +  (u☆∀☆)
 ⊂ ̄(0゚∪ ∪。⊃+
⊂ ゚̄と_u_)_) ̄⊃ +
 ⊂_。+ ゚+_⊃ +
   ⊂__⊃ + ワクテカ

汗が凍ったがそのまま待機

138:名無しさん@ピンキー
12/02/09 19:21:05.49 bgUQ1wHq
キャラ崩壊してないしエロいから最高だ
続きマダー

139:名無しさん@ピンキー
12/02/09 19:47:44.70 nGbCP/dO
適度に原作らしさがでてるやないか

140:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:11:36.91 C8nshgr+
うわああんみんなありがとう
これで完結!

141:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:12:38.38 C8nshgr+
「…………………分かっている」
一度両脇に腕を通され上体を起こされた。くちびるが耳元に当たる、それだけでまた熱いものがシーツに落ちる。
亜紀の腹部を彼の手のひらが滑り、膨らみを確かめる。表情が曇った。
「悪いが、時間がない。ここから一気にカタをつけるぞ」
そういう声も掠れている。ただの前戯だけの体力消耗ではないことは明らかだった。
魔物はますます強い麝香の香を放ち、宿主を汚そうとする男を拒んでいた。

ふいに、彼の肩に熱い雫が落ちた。
「………っく」
細い背中を震わせて、亜紀は泣いていた。
先程までの生理的な涙ではない、心を削るような涙だった。
「………」
言葉が見つからず、その背を撫でる。
「ごめん………ごめん、私」
「お前が謝ることじゃない」
「さいあく、だ………ね。ばかみたいだ、最後の最後になって」
しがみつく腕はあまりに細い。
「……………………怖いか」
今更に、その脆さを思い知る。
「…………私は…自分が怖い」
滲んだ声は今迄に聞いたことがないくらい弱々しかった。
「じぶんが、壊れていくみたいで………苦しくて怖いのに気持ちよくて、あさましくて」
「最初に言ったろう、お前のせいじゃない」
「ちがう」
また息が上がり始めた。魘されるように彼女はつづけた。
「あの夜、こいつが入ってきた夜、私………あんたの夢を見てた」
こんなことを言いたいんじゃない、言ってはいけないと理性が叫んでいる。
しかし、もうそれは、他人の声にしか聞こえない。
「これは私が招いたんだ、私の醜い感情がこうなることを望んでた、
だってこうされてよろんでる自分がいる、私は、わたしは………」
あんたが好きだったから。
「おかしいよ、おかしいよねこんなの…無駄なのに、届かないのに、」
「木戸野……………」
堰を切ったように亜紀はないた。
「ごめん、私あんたが好きだ。どうしてかわかんない、どうしようもないの、ごめん、ごめんね」
泣きながらわらった。自傷的な笑い方だった。
カッターの刃をうずめるように、何度も何度も。
「ねえお願いだから好きって言って、たぶん私壊れちゃうから、おねがい、嘘でいいから」
「もういい、喋るな………」
激しく震えはじめる身体を、その中で爆ぜようとする何かを抑え込むように抱きしめた。
一言発するたびに彼女のいのちが一秒ずつ消えていくような気がした。
「いっそあのまま死んじゃえばよかったかな、ねえ…………」
「喋るな」
抱き起こして乱れた髪を掻きわける。
「お前は悪くない。なにも間違っていない」
胸の中を探す。恋とは何かなど分からなかった。
定義をいくつ知っても、どんな知識も役に立たない。
「俺にはお前の気持ちを理解できる自信はない。
お前の見ている赤と俺の見ている赤が同じとは証明できない、だが、」
魔女に真実を知らされた時、ただ闇雲に、彼女を助けたいとだけ思った。
「お前が死ぬのは嫌だ」
失いたくないという気持ちをもまた恋と呼ぶのなら、
「…………お前が好きだ」

142:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:13:49.87 C8nshgr+
亜紀の震えが、一瞬止まった。
そのままくちびるを捕らえて、片手を腿から秘所に這わせ丹念にほぐし慣らした。
指先で弄り、指の腹でぷくりとした芽を捏ねる。
「んっ、ん、んぁ、ああ、あっ……」
そのどれもが快感を刺激した。攻められるたびに体をそらし、びくんびくんと痙攣して反応した。
下だけではない。首筋、鎖骨、胸。わき腹、背中、腰のライン。
「いやだ、ぁ、こわい、きもち……いい、なんて、」
「こういうことするときみんなそうなる。 気持ちいいのは怖いことじゃない」
さすられ、撫で上げられてはしゃぶられる。
「受け入れろ」
手と手が絡む。倒れこんでさらに追い詰める。
「もうすぐ終わる、ここだけ越えれば楽になる」
「…………っ、ぁ、」
うまくうなずくことさえできない。
「力を抜いて…そう、それでいい」
ただ、行動で示す。わかっていると、覚悟はできていると言いたくて。
「突っ張っていると痛みが強くなるから、可能な限りその状態を維持しろ。
長くはかからない。噛もうが引っ掻こうが構わないから」
押し当てられたものは熱く、固く、そしてぬるりと湿っていた。
本能的恐怖。抑え込んで息を詰めてそれに耐える。
一瞬ののち、圧倒的な質量が貫いた。

「やあぁぁぁんっぁぁぁあぁっ!」

ひと息に奥まで押し込まれる。
のけぞる体を押さえつけられ、唇を塞がれ呼吸まで奪われる。

熱くて痛くて熱くて熱くて、
痛くて切なくて苦しくて、
熱、痛み、血、快感、疼き、快感、涙、
それを上書きする、快感。

たまらず彼の背に爪を立てる。
痛みにか快感にか、抑え込んだ息を吐き出して腰を動かす。
粘膜がこすれる感覚にあげる声は悲鳴に近い。

143:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:14:16.76 C8nshgr+
「や、いやぁぁ、ひぁ、やめてっ! ……やめてぇ、動かさないでっ」
「き、どの」
ずちずち水音、、新たな痛みと快感が湧く。
彼女が喘げば喘ぐほど、空目は抱き潰さんばかりに強く抱え込む。
密着した肉と肉がひくひくと体内で痙攣する。脈打つ。
かき回されるいやらしい水音や口の端から溢れる唾液、
処理限界、処理限界、何がどうなっているのか分からなくなる。
「いや、いやぁ、やぁぁあ、もう……こわ、れ……」
「壊れない」
額が合わせられる。
むしろ同じ敵と戦う同志のように二人は見つめあった。

人工呼吸のような口づけ。
遠のく意識の中応じる。ちゅ、くちゅ、音だけは鮮明で。
ぐいぐい奥を突かれて、息ができない。突き上げられるたび漏れてしまう声に、呼吸を持っていかれてしまっているためだ。

「見ないで、見ないで、あっ……いやあっ」
「もう少しだ、ほら、こんなに熱くして、」
「ひあぁ、あぁっ……………!」
痛みと熱と快感に気が狂いそうだった。腹の中のばけものとともに。
打ち付ける力が強くなる。快感の波が大きくなる。
くんっとひときわ強く突き上げられた。
「ぁぁあ―――っ!」
しがみつく。声にならない悲鳴を上げる。
それは亜紀のものか、滅ぼされようとする夢魔の断末魔か。
「きょうの、じっ……!」
骨が軋むほど握り合った手から、体から力が抜け―
代わりに甘い感覚が、浮遊感が走りぬけ―
悪魔の血のように潮が吐き出され、結合部を伝って流れ落ちた。

「きどの、」
空目がぎゅうぅっと抱きしめ返してきた。
動きが止まる。大きく震え、そして堰き止めていた欲望を解放した。
どくどくと注ぎ込まれるそれが、淫らな悪魔の這いずった後を消していくのを感じながら、
勝利のままに意識が飛んだ。
掻き消えていく麝香の香を、白く塗りつぶされる世界で嗅いだ気がした。


144:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:14:39.58 C8nshgr+
―――目覚めると、悪夢の金曜は終わっていた。
瞼の上に、心地いい冷たさを感じて意識が浮上する。
「…………起きたか」
「恭の、字」
「よくやった、お前の勝ちだ」
固く絞ったタオルで額とほほを拭われる。
「……………終わったの」
無言で手をとられ腹に導かれる。布団の上からでももうふくらみがないのは分かった。
「飲めるか」
水と薬を渡される。含むとひどく甘く感じた。
「…………ありがとう」
しばらくの後、ぽつりとつぶやいた。
「ああ」
それだけで全てが了解された。
体中が痛かった。泣きたいくらいに切なかった。それでいてひどく穏やかな気分だった。
しばらくの後、空目が口を開いた。
「一ついいか」
「………………なに?」
「昨夜のことは全てなかったことだ」
亜紀は俯いた。それでいいはずだった。
なのに、かなしかった。
「……うん、そうだね」
努めて明るく言う。
「妙な夢を見た」
「そ、だね」
「ただ………」
そこで少し黙った。亜紀がためらいがちに見上げてきた。
「…………寝言は、真実を語っていたかも知れんが」
え、と声を上げそうな表情。それは、あの告白が―――
一瞬目が合い、逸らすと同時に体温を感じた。
抱きしめられているのだと、今度は即座に理解した。
首筋に息を感じる。
「あの甘ったるい匂いで気付かなかったが」
どうしよう、どうしよう、鼓動だけが、うるさい。
ここまでが夢?――――いや、世界は、確かにそこにある。
「本当のお前はこんなにいい匂いがするんだな」
反則だ―――
ぼやける視界のなか彼の存在だけが変わらない。
亜紀も静かに、腕をまわした。


145:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:17:19.32 C8nshgr+
おしまい!
なんかいろいろ不慣れで申し訳なかった
いい勉強になりました、少しでも楽しんでもらえたらいいな
次があればもう少し甘い話でも書きたいです
感謝!

あ、今気付いたが後半タイトル入れるの忘れた...最後まですまん

146:名無しさん@ピンキー
12/02/10 01:40:01.50 Hivy5jXb
GJ
なんと言っていいかわからないがとにかくGJ
雪の中全裸待機した甲斐があったぜ・・・!

147:名無しさん@ピンキー
12/02/10 02:37:22.42 /0kz5dD2
神作GJ!

148:名無しさん@ピンキー
12/02/10 06:21:18.87 +Fsh1qX5
ふいんきが好きすぎてgjとしか言えないgj

149:名無しさん@ピンキー
12/02/10 17:58:36.26 cX1GZ42A
俺の股間に物語が感染しよった!

150:名無しさん@ピンキー
12/02/11 10:29:01.53 9wA91Rre
前作の人です、>>146寒い思いさせてすまんw
みんなありがとう、本当に感謝です!
こんなにGJもらったの初めてかもしれんwマジで嬉しいぜ…どうしようw
一番えろと遠そうな組み合わせだったので苦労したが一気に報われた思いだ
カプ厨なんで応用範囲少ないが
空亜・村あや・武稜・神詠あたりなら書けるので
また気が向いたらご用命くださいw
では長々失礼

151:名無しさん@ピンキー
12/02/11 16:44:03.30 HCjkc02J
あやめちゃんを、あやめちゃんを是非に!

152:名無しさん@ピンキー
12/02/11 17:33:53.32 XSNuDOTs
武稜のはじめてが見たいです先生!

153:名無しさん@ピンキー
12/02/11 17:57:49.48 zvG2Nbf+
150ですーただいまw
新たな萌えレスを期待して帰ってきたらまさかのリクエスト…
おいら調子にのっちまうぜ
>>151氏と>>152氏、もしシチュとか希望あればください
あと別カプ愛好者のみなさん、出しゃばってほんとごめん

154:名無しさん@ピンキー
12/02/11 17:59:05.60 HCjkc02J
向こう側にひっぱられかけたあやめちゃんを村上っちが引き戻すために(ry

155:名無しさん@ピンキー
12/02/12 03:37:39.58 irhX6cHa
亜紀が原作で不憫だったから大変おいしゅうございましたGJ!!!!!!!!
空目から原作のカリスマを感じるし亜紀ちゃんからも原作の知的で不器用なオーラが出ていて、
本当によい空亜でした。ごちそうさまです。
できれば引き続き空亜を読みたいです。

156:名無しさん@ピンキー
12/02/12 12:52:04.38 t8BVCiDK
153です
みなさんほんとうにありがとう…
マジこの板でこんなに喜んでもらえる日が来ると思わんかった
時間かかるかも知れんが頂いたリクエストは大事にすべて消化します、待っててね

>>154
ちょw自分の筆力じゃ前と設定だだかぶりになっちまう予感しかしないぜ…
そっから延長で思いついたネタがあるからそっちでもいいかな
>>155
丁寧に感想いただき恐れ入ります、空亜推しなんで嬉しいですー
もしよかったらシチュ指定ください(添えるかは分かんないけどw)

157:名無しさん@ピンキー
12/02/14 19:03:51.61 a5fIDP7t
こんばんは
村あやあがりましたー
ただ、えろまでが無駄に長くなってしまった…
どういう風に投稿したら一番迷惑かかんないかな、前半は外部ロダとか使うべき?

つかスレストしてて怖いんだが…自分のせいだったら申し訳ない

158:名無しさん@ピンキー
12/02/14 21:56:47.97 EaNQZc95
>>157
普通に話すことなかっただけでは

いつも通りに貼っつけていいと思う。

ロダ使うなら一部だけとかじゃなくて、丸ごとtxtの方がいいかな、一部だけとかはあれだし。

159:名無しさん@ピンキー
12/02/14 23:49:43.72 a5fIDP7t
>>158
丁寧にありがとう!チキンで申し訳ない………
試し上げしたらロダだと文字化けしちゃったんで、ここに失礼します

内容は先述通り村あや
バレンタインネタで、もし全てが上手く終わって文芸部全員無事であやめちゃんが人間になったら…なパラレルになっちまったでござる

「引き込む」は被るな→むしろ引き込み後に→じゃああやめちゃん人間に→そういや14日だな
という流れで……どうしてこうなった
154氏、リク叶えられずすまん…

女の子たちをきゃっきゃさせようと思ったら長くなっちゃったんで必要なら前半4~5レス飛ばしてください
NGはタイトル「インザボックスガール」で
文法が変?こまけぇこたぁ(ry

160:インザボックスガール
12/02/14 23:51:06.65 a5fIDP7t
2月が来た。
あまりに大きな犠牲を払い得た、あまりに平和な2月だった。
すっかり何事もなかったかのように日常は戻っていた。
だが、それがどれだけ幸せな事かを知った少年少女たちは、日々をいとおしむように生きている。
そんな喪失の痛みと引き換えの穏やかな日々を、文芸部5人――いや、6人も送っていた。

「………それでそんな顔してたって訳ね」

亜紀にため息をつかれ赤面する少女は、もうあの赤い服を纏ってはいなかった。
代わりにその小さな身体を包むのは、聖学付属の制服。
可憐な彼女が歩けば誰もが振り返る――つまり少女、あやめはもはや神隠しではなかった。

紆余曲折をへてただの女の子になった彼女は現在立派な聖学付属の生徒として稜子とともに寮に住んでいる。
最初は馴染めるか懸念された学校生活も、少々数学に苦労はしているが生来の暗記力で文系科目をしのぎ、それなりにうまくやっていた。
そんな彼女が悩んでいたのだ――むろん、学校生活についてのこと以外で。

「うーん……男心って難しい」

稜子も思案顔ではちみつをたっぷりかけたフラペチーノを啜る。
月曜日の某有名コーヒー店は学校帰りの女子高生で混み合っていたが、みな一様に楽しそうだ。
こんな難しい顔をして考え込む集団はこの文芸部3人組だけ。
「明日はバレンタインだっていうのにねぇ…」
「まあウチの男共で気にしそうなのは近藤くらいのもんだけど」
「だから困るんだよ…魔王さまくらいになるとなんかもう超越してるからいいんだけど」
話の爼上に上がっているのは残る一人――あやめの恋人、村神俊也。
ぱっと見接点がなさそうな二人だったが、その実あやめは空目に向ける保護者に対する視線とは確実に違う瞳で俊也を見ていて、
また俊也もあやめを意識しているのはそう遅くないうちに明白になった。
彼女が人間ではなかったころから稜子などはそれに気づいていて、煮え切らない二人に対し
いろいろ手を尽くして交際にまでこぎ着けたのだ。

161:インザボックスガール
12/02/14 23:52:28.04 a5fIDP7t
そして今日はそれから初めてのバレンタイン。
3人で示し合わせて午後を空け、亜紀の家でチョコレートを作った。
そして明日の必勝を祈願…と、ここで盃ならぬコーヒーやら何やらを酌み交わしていたのだが、
そこであやめが堪えかねたように悩みを打ち明けたのである。
「避けられてるような気がする……かぁ」
「もともとベタベタするタイプじゃないとは思うけど」
「でも……前とは違うんです」
――付き合っているとは言っても、正直フレンチキスにも至らない間柄だった。
それでも、たまにこわごわ手を繋いでみたり、いっしょに帰ってみたり。それで幸せだった。
だが……ここ最近、急に俊也があやめを避けるようになったのだという。
「あれかな、倦怠期」
「いくらなんでも早いでしょ」
「じゃあ何?」
「分かったらすぐ答えてるよ…」
「うーん………明日どうしよう」
しばらくこんな会話ばかりがループしていた。
やがて亜紀がしびれを切らしたように立ち上がる。
「とりあえず私らに出来るのはお膳立てだけだね。もう会って直接聞きな」
「でも……」
口ごもるあやめに亜紀はぴしゃりと言いはなつ。
「あのね。あんたはもう普通の16歳の女の子なの。触れようが抱きつこうが人を異界に引き込んだりしないし、
人に聞こえる言葉が話せる立派なお口がついてるの。同じ土俵でちゃんと勝負しなさいよ」
はたで聞いていた稜子が苦笑する。厳しいが愛あることばだ。このふたりも仲良くなった証左であろう。
「まあまあ、ちなみにお膳立てって……」
「まだこの辺の店開いてるでしょ?服の一着でも買って明日に備えるってもんじゃない」
「服………」
稜子がはっとしたように言った。
「た、確かにあやめちゃん普段制服だし……これはギャップ萌えのチャンス!?」
「えっ…」
「そうと決まったら早く早く!ゆるふわモテかわ愛され服を探しに!」
「ちょっ、待ちな稜子っ!!」
言うが早いか稜子はあやめの手を取って走り出した。
何故か言い出した亜紀が取り残される。
「フットワークの軽さにも限度ってもんが……」
呆れつつも、彼女もまた二人の背を追った。

162:インザボックスガール
12/02/14 23:52:59.32 a5fIDP7t
「ワンピのほうがいいかなー…あ、このスカートかわいい!」
「あのねぇ、あんたの買い物に来たんじゃないの」

そして行き着いたファッションビルの一角。
亜紀に軽くはたかれて、えへへ、と稜子は笑い、隣にあった紺地にドットがプリントされたレトロなワンピースを取った。
「これは?清楚でかわいいと思うけど…」
「……ちょっと待って、若干犯罪の匂いがする」
ひらひらとそれをあやめの身体に当てかけた稜子を、亜紀は制止する。
もともとの丸襟のデザインと色味があわさって、これではまるで小さい子のピアノの発表会だ。
むしろどうみてもロリ…いや、これ以上は言うまい。
とはいえ店頭に並ぶ服は膨大だ。慣れないあやめは立ち尽くすしかない。
「あやめちゃんはどれがいいの?」
「ぇ、ぁ……えと……」
困って近くにあったロングスカートを取ろうとすると、亜紀にまたもや止められた。
「あのねぇ………あんた、自分の身長分かってる?」
そう言われても、本来は昭和生まれ、加えて山奥育ちのあやめには、脚の出る丈には抵抗がある。
制服のスカートさえ長めに切っているのだ。
それに………ちらりと亜紀の脚を見る。
マニッシュなショートパンツからすらりとのびた美脚はテレビに映る隣国のアイドルグループ顔負け。
稜子のほうを向けば健康的で女の子らしい曲線がブーツに続いていた。
それに比べて――自分は細いばかりで色気もなにもない棒脚だ。
隠したくなるのもわかって欲しかった。
「……ちょっとこれ着てみて」
そんなことを考えて真っ赤になっていると、幾分か優しい声で亜紀が言った。
手にはピンクベージュのワンピース。柔らかな素材にレースの襟が映える。
「あ、いいね!似合いそう」
「これなら普段のコートにも合うでしょ?」
「で、でもっ……」
「いいから着てみる」
半ば強引に店員を呼ばれ、試着室に押し込まれる。
困惑しながらも逃げられず、持たされた服に袖を通した。
「あやめちゃーん、いい?」
「あ…は、はい」
どうにか着終わって、鏡も見ずに返事をする。カーテンが開いた。

163:インザボックスガール
12/02/14 23:53:31.09 a5fIDP7t
「…………ほら」

――稜子が息をのみ、亜紀が見よと言わんばかりに頷く。
うしろで見ていた店員までが感嘆の声を上げた。
まるで少女誌のモデルのようなあやめの姿がそこにあった。
「……あの…」
「ちょっ、超可愛い!えぇ、似合うー!!」
「ソックスはボリュームのあるクルー丈にすれば足首が細く見えるから、
相対的にラインも綺麗に見えるってとこかな。変に隠すとバランス崩れるから」
「亜紀ちゃん天才……」
稜子は興奮気味だ。
あやめは困ったように、でも少し嬉しそうに亜紀を見る。
結局そのまま即決し、合わせるソックスも買って3人は店を後にした。

「はぁ……村神クンじゃなくてわたしがお持ち帰りしたいよ」
帰る道すがら、冷めやらぬ風に言う稜子に、あやめも少し表情が和らいだ。
「あやめ」
「あ……はいっ」
ふいに亜紀に呼ばれ顔を上げると、そのようすがおかしかったのか、彼女はすこし笑った。
「……そう、その顔。そうやって顔あげて笑ってな」
おもむろに何かを取り出し、あやめの頭に巻き付ける。見るとボルドーのスカーフだった。
てっぺんでリボン結びにするとカチューシャのように髪が押さえられ、よく顔が見えるようになる。
「いい感じ!これで明日の準備は万全だね」
「そういう稜子は大丈夫なの?」
「バレンタイン対策?もうばっちり~」
亜紀ちゃんだって魔王さまと、と言いかけて稜子が口を押さえられる。
そうこうしているうちに分かれ道についた。
「それじゃ明日、がんばっていきましょー!!」
幸いにも明日は入試準備で在校生はお休み。天は乙女に味方したもうた。

――そして、14日が来る。

164:インザボックスガール
12/02/14 23:59:10.69 a5fIDP7t
「よし、これでOK」

寮の部屋、姿見の前に勝負服の二人が並ぶ。
出掛けに稜子は昨日亜紀がしたのと同じように、赤いスカーフをあやめに巻いた。
トップのリボンの形が上手く行き、一人ご満悦の彼女にあやめは礼を言う。
「あ、そーだ」
その姿に企みを思いつき、稜子はちいさな耳元に囁いた。
「………って言えば絶対大丈夫。必勝の呪文だよ」
「……ぇ、で、でも……」
「いーからいーから。いざ鎌倉!」
そのまま背を押され、あやめはつんのめりそうになりながら、しかしちいさな胸を高鳴らせて駆け出した。



村神俊也は特に予定のない休校日を持て余していた。
父は地鎮祭に呼ばれ、母は旅行。この感じでは当分帰って来ないだろう。
とりあえず暇に任せて部屋の掃除は済ませたが、綺麗になった部屋でやることといえば勉強か読書しかない。テスト前でもないし、読む本も手元になかった。
ふとあやめの姿が思い出された。昨日学校で会ったばかりだろう――首を振って寂寥感を紛らす。
しょうがない、本屋にでも出掛けるかと立ち上がる。そのときやにわに呼び鈴が鳴った。
誰だろうか、と玄関を開ける。

「………!あやめ…」
「あ、あの……」

まさか、と思った。
慌てて2、3度瞬きをする。彼女は消えない。
「……どうしたんだよ」
視線を落とすと細い素足が見えた。生憎の曇り空、雪が降りだしそうに風は冷たい。
「とりあえず……入るか?」
当惑しつつも招き入れると、あやめは円い瞳で俊也を見上げこくんと頷いた。

165:インザボックスガール
12/02/15 00:04:55.76 a5fIDP7t
部屋に通すと、あやめは落ちつかなげに辺りを見回した。
上着の下は薄いピンクのワンピース。華奢な彼女によく似合っている。
慣れない服装に、正座してすこし短い裾を引っ張る姿が愛らしい。
「で、どうしたんだ?」
「あの……えっと、今日はバレンタインデーという日だときいたので……」
「…あ」
カレンダーを見る。元々こういった類いのイベント事には疎い彼だったので、すっかり忘れていた。
女子ならこういう行事は気にするものかもしれない。少々反省する。
「これ、お口に合うかわからないんですけど…」
差し出されたのは小さな箱。
「……ありがとう」
その意味もこめて素直に受け取った。
ぱっと表情が輝き、あやめは照れながらも嬉しそうに笑う。
「手作りか?」
「は…はいっ。上手くできたか自信、ないんですけど…」
「いや、いい」
こういうときに気のきいた返しができたらな、と思ったが、出てきた返事は短いもの。
会話が途切れ、なんとなく落ち着かない間ができる。
と、いきなりあやめが顔を上げた。
「それとっ、もうひとつ」
「もうひとつ?」
「その………」
もじもじとうつむいて、口ごもる。
促すと、しばらくためらって………しかし、まるで何か重大な決意をしたかのように彼女は顔をあげ、言った。

166:インザボックスガール
12/02/15 00:09:09.74 NvuCoQqU
「………たし、が」
「え?」
「わっ……私が、プレゼントですっ」

……………………。

ど真剣な顔。
だが………今、何言った?

「………誰に吹き込まれた」

しばらくの沈黙の後、ようやっと尋ねた。おおよその見当はついていたが。
「稜子さんが……」
「……やっぱりな」
またわけわからん台詞を……若干目眩を感じる。
――ただ、その目眩が呆れから来るものだけでないことも、頭のどこかではわかっていて。
「………とりあえず気持ちだけ受け取っとく」
そうやってため息をついて、誤魔化す。
リボンの跳ねる頭に手を乗せかけてやめた。

けれど、彼女はそんな些細な逡巡さえも見逃さない。小さな拳を膝の上で握って、抑えた声で言った。
「………どうして避けるんですか」
「別に避けてなんか……」
うそ、とくちびるが声なく動く。
「……やっぱり、私、嫌われて…」
「待てよ」
嫌いになどなるわけがない。
こんなに可憐でけなげで一途な少女を嫌うほうが難しいだろう。
むしろ日に日に想いは募っていった。
だが――だからこそ、だ。
「……俊也、さん…」
………愛せば愛すほど肉体の悪魔はざわめく。
体育の後の甘い香りに、背伸びしたときに覗くちいさな膝小僧に、
隣で数学を教えたときに知った長いまつげや果実のようなくちびるに、何度その身体を掻き抱きたいと思ったことだろう。
一度口づけのひとつでも交わそうものなら、その全てを蹂躙しつくすまで止まれない気がした。
だから、これ以上触れるわけにはいかなかった。

「………お前が大切だからだよ。傷つけたくないから」
「傷つくなんて………っ!」
シャツの袖口を掴まれる。長い髪がこぼれて、甘い香りがした。
異界の錆ついた香などではない、体温の香り。
「私、私なにも怖くなんか――」
それを知覚した時には――既に身体が動いていた。

「こうされてもか」

167:インザボックスガール
12/02/15 00:15:21.66 NvuCoQqU
た、とん。

あっけなく上体が反れ、両手首が床に縫いとめられる。
呆然と開いた小さな口から、温かそうな舌が見えた。視線がそこから外れない。
その紅い果実を衝動のままに貪りかけて―――
彼女の瞬きに、はっと我に返った。

「……悪ぃ」
手を離す。自分は何をしていた?

「…怖かったろ、ごめんな」
男なんてこんなもんだ、と自嘲気味に笑い背を向ける。
振り返れなかった。あんなに傷つけたくないと思っていたのに。
「……」
唇を噛んだ、その時。

―――――後ろから抱きつかれた。
ぎゅうぅぅ、と、痛いくらいに。

「やめないで」

呼気が首筋にかかる。
「――生贄にされる前、私は…花街に売られることになっていたんです」
震える声。
「幸か、不幸か……神隠しになって、ひとりになって。でも、今こうして…あなたのそばにいられて、幸せで」
思わず振り返るとずるずると細い腕が肩から落ちる。
慌てて抱きとめると二の腕にしがみつかれた。
「お願いです……好きな人に捧げたいんです、あきらめかけた生だから、どうか…」
大きな瞳にみるみる涙が湧き出し、ぽろりと宝石のように落ちた。
「………後悔しないか」
答えの代りに、手が取られた。
手のひらにおちる接吻の感触。懇願のキスだと定義したのはグリルパルツァーだったか。
しゅるり、スカーフをほどいて頬を両手で包み込む。
初めてふれたくちびるは、ほんの少し涙の味がした。

168:インザボックスガール
12/02/15 00:18:56.60 NvuCoQqU
カーテンを引いても昼間の部屋は薄明るい。それがほのかに背徳感を背中に忍び込ませる。
前開きのボタンを外して脱がすと、皺にならないようにかるく畳んで置く。
白いレースの下着姿になった彼女を見ると、何故かありありとその身体が現世のものになったのだと実感する。
少女とはなんと脆くはかなげなものなのだろう。肩に触れても厚みが違うし、長い髪から覗く耳も、
まるいラインを描く腰から足も、彼とは二回りも違って思わず呟く。
「小せーな……」
びく、とあやめが震えた。
自らの胸に視線を落とし真っ赤になる。
「…って、そういう意味じゃねえよ」
なんだかこちらのほうが恥ずかしくなり、照れ隠しに頭をくしゃくしゃと撫でる。
ふと思いつき手のひら同士を合わせてみた。大きな手のひらに、あやめの紅葉のお手々と形容するにふさわしい手のひらがすっぽり隠れる。
指をからめて抱き寄せると、仔猫のように胸板に頬を擦り寄せてくる。さらさらとした髪が素肌に当たって心地よい。
指を入れて梳き撫でると、滑らかな冷たさがその間を抜ける。ふいに爪先がブラジャーの留め具に引っかかり、ぷちっと外れた。

「ふ…ぁっ」

驚きに離れた身体の間を小さな布はあっけなくほろほろすべり落ちた。
ふんわりとかわいらしくふくらんだ双丘が現れる。
男の無骨な手なら簡単に覆えるほどの円の柔らかな頂点には、桜色の蕾がぷつんとついていた。
あるだけ重ねた枕の上に横たえると、恥じらいに耐えかねたように顔を覆う。
額に唇をつけてその手をのけると、瞼の上にもうひとつ。
繰り返して、ようやく二つの口唇が重なる。今度は啄ばむように。もどかしげに、焦らすように。
舌がからむ。息が上がり始める。一度離すと首へ、鎖骨へ下がっていく。
「ひゃっ、ぁ」
「………大丈夫か?」
「ふっ………ぅ、くすぐったいような………変なきもち、です」
もう片手の親指で口元を撫でるとそっと食まれ、ちゅ、と吸われた。
その仕草はまるで幼子のようでいて、ひどく淫靡でもある。
お返しとばかりにささやかな乳房を撫で、舌の先でつつくと、小さな嬌声が上がり敏感に身体が跳ねた。
「ひぁ………ん、あぅ」
やわやわと愛で、下腹部をさすり、また戻り。
そのうち、時折上がる声が艶を帯びる。目を覗きこむと、少女の顔にはアンバランスなほどの色香が宿っていた。
「ぁ、」
指が最後の砦にかかる。気づいて、あやめが膝の内側を擦り合わせるような動きをする。

169:インザボックスガール
12/02/15 00:27:49.10 NvuCoQqU
「………今なら間に合うぞ」
もう退けないと分かっていて、そのくせ不安が抜けなくて尋ねた。
「いえ………このまま、」
それさえも見通していたのだろうか。彼女はかすかに微笑みを作った。
その免罪符を得て、先に進む。腰を支え浮かせ、白い布をそうっと抜きとる。
「ん………っ」
まるで宗教画の世界のようにその裸体は美しい。しかし、血の通う身体は色づいて欲望を誘う。
一糸まとわぬ身体に、片足だけ脱げかかった靴下が残っていて、それがやたらに扇情的だった。
「は………ぁ」
甘い息の音。なんだか直視できなくて、彼も服を脱いだ。
まさか使う機会が来るとは、と思いつつ所謂男子の御守りの封を切る。
あやめは目を閉じている。口元に手を添えて、何かに耐えるように。
「………ん」
改めて抱き起こす。深く深く口づけて、手は内腿をなぞる。
「ぁっ、ふぁ」
腰が揺れた。二脚のちょうど中心に指を添わせる。
ぎこちなく探ると、じんわりと蜜が染み出してきた。
「………濡れてる」
「ゃ、ぁ」
たったそれだけの言葉であやめは過敏に反応する。
泣き出しそうな表情は庇護欲と、かすかな嗜虐心をそそる。
「っきゃ………ひぅ、んっ、んっ」
ぷくりと膨らむ芽を擦り、襞をなぞってみた。指先に分かるほどそこはびくびく震える。
「ふぇ、ぇ、あ」
「気持ちいいか」
「あっ………やぁ、は……ぃ、ぁ!」
広げられた脚が突っ張り、つま先が丸まる。ぽろりと靴下が脱げる。
細かい快感の波が寄せては返し成熟しきらない身体を翻弄していた。
「ぁぁ、いっ………っ」
「どうした、怖いか?」
「っ………ちがうんです、きもちよく、て、はじめてで…どうしたらいい、か、っ」
「ん………」
少しずつ進めていた指は、きゅうきゅう締め付けられながらも秘所に吸い込まれている。
その様は先刻のあどけなく指を吸っていた彼女の口元にも似て。
「ちょっと、力抜けるか」
「ぁ、どうしたら………い、ですか」
言って動こうとしたその時、指先がいいところに当たってしまったらしい。
「あ、ぁっ!」
ひときわ大きい啼き声を上げ、震える。その媚態が火をつけた。

170:インザボックスガール
12/02/15 00:37:07.97 NvuCoQqU
「………悪ぃ」
「ぇ、」
指を抜き、抱きしめる。耳元であやめが忙しなく酸素を求める。
「ごめんな、痛くするかもしれない」
「………だいじょうぶ、です」
誰でもそうなんですから、と彼女は言った。芯の強さがちらりと見える。
「我慢しなくていい、誰も来ないし――きつければ俺の肩でも腕でも噛んでくれてかまわない」
こくり、と頷く気配を確認する。
もう一度だけキスをして、腰をずらした。
「っ………!」
先端が蜜口に当たる。何度か擦り合わせ、侵入経路を定める。
「ぁ、ぁ、っ………!」
熱い入口は出産に耐える造りになっているとは思えないほど狭い。
溢れる恋情にしどとに濡れても、かたくなに閉じているようにさえ思える。
それを無理やりこじ開けているのだ、痛くないはずがなかった。
「っくぅ、ひぅ、ぅぅ………っ」
喘ぎが鳴咽に近づく。背中に10本の爪が食い込む。
「………ごめん、な」
「あやまらな………ぃで、くださ、っ」
言うものの、見ている方が痛々しいほどその額には汗が浮かび、眉はぎゅうと寄せられている。
「もういい、ここまでにしよう」
たまりかねて囁いた。
「いや………」
「最初、なんだから………」
「いや、です」
だがあやめは頑として首を縦に振らない。
「ぜったい、ひとつにって………決めたんです、おねがい」
脚が腰に巻きつく。思いのほか強い力。
「もう、はなさないで………」
つぅ、と涙が頬を伝う。永劫の孤独を知った少女は繋がりに必死に縋っていた。

171:インザボックスガール
12/02/15 00:46:01.94 NvuCoQqU
「………分かった」
かくなる上は。
「っ………ぅ、ぁぁぁああぁあっ!」
覚悟を決めて、一気に押し入った。
激痛が走っているはずなのに、まるで二つの身体に一ミリの隙間も許すまいとするようにあやめは離れない。
可聴域を外れそうに高くせつない声を上げて、熱に痛みに身を削る。
皮肉なほどに、彼女の痛みに反比例するがごとく彼は追い詰められていく。
搾り取るように強く強くそこは彼を締め付ける。
「っ………!」
ぢちゅ、くちゅ、ず、
音が、熱が、快楽が、涙が、痛みが、
「ぁぁあ――――………っ!」
少女の絶叫に合わせるように何もかもが真っ白くなって、昇って昇って、
堕ちるようにすべてが解き放たれた。
「………ぁ、」
あやめの白い腿に朱混じりの赤い筋がつぅ、と伝う。
それを見届けて、二人は糸の切れた操り人形のように倒れこんだ。


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