キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40at EROPARO
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40 - 暇つぶし2ch600:吸精之鬼
12/01/14 13:32:02.53 3ruNtYcY
投下終了

久し振りの長編、更にゲーム機からなので色々とおかしな点もあるでしょうが、多目に見ていただけると有り難い。

601:名無しさん@ピンキー
12/01/14 13:51:52.03 abQMatIA
なんと…妹がサキュバス的な鬼になったのかと思いきや
鬼は兄の方だったとは…

602:名無しさん@ピンキー
12/01/14 18:08:40.60 tWnIa6cF
Gj!
妹は吸血鬼をイチャイチャする大義名文にしてるな

603:名無しさん@ピンキー
12/01/14 19:00:56.86 KmVYo6c0
gj。
この場合は兄が奴隷になってるな

604:名無しさん@ピンキー
12/01/14 19:44:08.27 tPzl/NHU
GJ!
こういう関係っていいよな

605:名無しさん@ピンキー
12/01/14 23:33:15.86 oU7shNRT
新年早々書き手だらけてんな
全員並べや、気合い入れてやるから

606:名無しさん@ピンキー
12/01/14 23:40:06.95 exIWPBpm
GJです。
泥棒猫が現れたらどうなるやら……。期待しています。

607:名無しさん@ピンキー
12/01/15 00:52:45.22 qPV2u+J3
投下します

608:人格転生
12/01/15 00:56:27.85 qPV2u+J3
「おい、由衣、起きろ、由衣」

いつものようにベッドの上にいる由衣を起こす俺。

「むにゃむにゃ、もう食べられないよ、お兄ちゃん…」

このアホ面で気持ちよさそうに寝ているのが我が妹、美里由衣(みさと ゆい)。
正真正銘のアホである。こんな奴と血がつながってるんだから恐ろしい。
何しろほうっておいたら、平気でこのまま夕方まで寝て、夕焼け空が暗くなるのを見ながら「おはよう、今日は曇りだね(笑)」だ。
その無駄につやのあるセミロングの黒髪を引っ張る。

「いたい…」

顔は整ってるのに髪型はまったく整ってない。変わらずほやけたツラで寝続ける。
神様も酷いと思う。俺が言うのもなんだがこいつは黙っていれば絶対にモテるはずだ。
整いかけのプロポーションも悪くない。
うちの家系の女はスタイルが抜群なので、まだ成長途中のこいつが成長しきったらどうなるかもある程度は予測できる。

でもなぁ…今度はほっぺたを引っ張る。

「い…ぃはいよ、ほにいひゃん…」

他が壊滅的すぎるもんなぁ…

「ぃたい、ひたい…」

勉強するときはこいつの周りのクラスメイトを気にしないといけない。
こいつがいるだけで周りの偏差値が5以上は下がる。
中学時代にこいつのせいで受験時のご学友たちが犠牲になるところだった。
俺がなんとかしないとヤバかったのでご学友を一人一人助けた。
正確には教師と一緒に教えた。危うく9割は受かる高校受験の確率を5割以下に下げるところだった。

運動するときは周りの視線を気にしなければならない。
こいつが動くだけで体育の授業が、血気盛んな祭りになる。
なにしろ無駄に身体能力が高い上にパフォーマンスだけ一流なのだ。
運動部のエース相手に挑発したり、相手チームを一人で相手にしたり、味方や男子を巻き込んで応援させたりしている。
おかげで体育教師に注意されるのはいつも俺だ。

料理するときは周りの火器をまっさきに気にしないといけない。
家が焼けて火災保険のお世話になるから。
この前もラーメンを作ろうとして警報装置を鳴らさせた。
たかがラーメンだぞ? 茹でて火を通すだけだぞ?
あのときほどカップ麺の素晴らしさを感じたことはない。
火を使わずに熱湯だけで作れるという偉大な発明に敬意を評した。
日本の技術万歳、と。まあこいつならカップ麺つくるのでも何かしらやらかしそうだが。

なにより、異性関係には特に気を付けなければならない。
なにしろこいつのことだ。男に声をかけられてホイホイついていって帰ってきたときには「初めてって意外と痛いんだね、てへ☆」とか言いかねない。
兄妹の俺にすら擦り寄ってきまくるのに、これが他の男だったら一発でこいつの貞操はなくなっているだろう。
友人にも異性関係のもの、交友関係、告白やラブレターなどの恋愛相談はすべて俺に報告して通すように言ってある。
今のこいつの処女を守っているのは俺の状態だ。はっきり言って全然嬉しくない。

さらに、いかなることが起きても駆けつけるため、こいつの携帯は子供用のGPS付きのものを持たせている。

とにかく歩くテロリスト女…こと由衣を起こすためにいつもの最終手段をつかうことにする。
騒音問題になりそうなくらいの目覚まし時計を多数、こいつの頭の周りに配置する。

俺が部屋を出て一階に降りると同時に大量の騒音と同時に『ぎゃ~~っ!!』という悲鳴が聞こえてきた。今日も平和だ。

609:人格転生2
12/01/15 00:59:42.19 qPV2u+J3
「おはよう! お兄ちゃん!」
「おはよう。ほら、ちゃんと服着ろ」
「うんうん」

いつものように二階から降りてきた平和ボケしたツラの由衣の着てるセーラー服を整える。
ついでにちゃんと寝癖でボサボサの髪も綺麗にツインテールにセットしてやる。
前はポニーテールだったんだが「ハゲるよ~」との訴えにより今の髪に落ち着いた。
三つ編みもしたことがあったのだが時間がかかり過ぎて遅刻して以来してない。

「はい、寝癖」
「うひひ」
「キモイ声を出すな」

脇腹にチョップを入れる。かなりキツめに。

「ぐえ」

それくらい自分でやれと言っててやらせてた時期もあったが、さすがに年頃の女子の中でも浮きまくった存在になって風紀問題になりかけたので、仕方なく俺がやってる。
外見だけ無駄に可愛いだけに、余計に教師からの苦情が俺に来るのだ。
つかそもそもなんで本人じゃなくて俺に来るんだと言いたい。
きっと教師も本人に任せている方が危険だと判断したのだろう。
こういうのは教師がちゃんと自主性を重んじて教育しないとダメだと思うんだが。
日本の教育問題は深刻だ。

「はい、顔」
「んぐ」

濡れタオルで顔を拭いてやる。
いや、わかってる。世話焼きすぎっだってことは。

「お兄ちゃん」
「ん?」
「いつもありがとね」
「そう思ってるんならちょっとは自分でもやってくれ」

満面の笑みで感謝する由衣。悪意がないのもタチが悪い。俺以外の男ならきっと騙されちゃんだろう。

「さ、飯食って学校行くぞ」
「うん、遅刻しないようにね」
「お前が言うな」
「えへへ」

頭の上に軽くツッコミを入れておいた。
なんだかんだで今日も遅刻スレスレに二人で登校することになった。



「おい、急ぐな!」
「お兄ちゃん、遅いよー」
「はぁ…はぁ…お、お前が速すぎるんだよ」

前述の通り由衣の足は速い。横の俺の息は上がっていた。

「それと、ちゃんと前向いて走れ!」

いつものように由衣の腕を掴んでスピードを落とさせようとする。

「きゃ!」「あ!」

腕をつかむ前に2つの悲鳴が交差した。

610:人格転生3 ◆qtuO1c2bJU
12/01/15 01:17:06.76 qPV2u+J3
見ると由衣と見慣れぬ女性が道路に腰を落としていた。

「すみません! 大丈夫ですか?」
「いたた…」

その女性は腰をさすりながら起きようとしていた。
謝りながら助けようと手をとった。

「うえーん。いたいよぅ…」

こっちは無視だな。

「あの、お怪我はありませんか?」

紳士的にその女性の手を取り体を起こす。

「ええ…はい…ありがとうございます」
「いえ、悪いのはこちらです」
「あちらの女の子は」
「あいつが悪いからあれでいいんです」

ひどいよぉという声が聞こえてくると同意に、その女性と目が合う。

「え!?」

思わず声をあげてしまった。
後ろにくくった髪。ポニーテールに少し前髪が額にかかっている。
ルックスは間違いなく美人に属するだろう。それもかなりのレベルだ。
でも、問題はそこじゃなくて…

「どうかしましたか?」

この人、見覚えがあるようなないような…いや、気のせいだろう。
でもなんか引っかかる。でも思い出せない変な感覚。まあいい。

「すいません。ちょっと知り合いに似てるかな~って」
「そうでしたか。まさか今、私口説かれちゃってたりします?」
「そんな滅相もありません。本当にこちらからぶつかってしまい申し訳ないです」

大げさに頭を下げる。

「こら。お前も来い!」

由衣を引っ張って来て無理に頭を下げさす。

「いたいよ~」
「あはは。お互い様ですし、いいんですよ。それよりこちらの地区で美里様というお宅はご存知ですか?」
「あの…も何も俺たちも苗字は美里ですが」
「え? もしかして美里良也さんと美里由衣さんでいらっしゃいますか?」
「そうですけど」
「失礼致します!」

あらら、物凄い勢いで商店街の方に駆けて行っちゃったよ。
いったいなんだったんだろう。

611: ◆qtuO1c2bJU
12/01/15 01:22:39.19 qPV2u+J3
とりあえず投下終了です。

このスレは初めてなのでよろしくお願いします。
他でならSS書いたことはありますが、オリジナルは初めてなので上手く続けられることを目標にします。

ここのSSもまだ読んで日が浅いですが、鉄板と呼ばれてるものは読みましたが最高に面白かったです。
とくにみゃー姉シリーズとかはお気に入りです。


612:名無しさん@ピンキー
12/01/15 04:40:46.61 cUeevZai
2連続新連載なんて・・・!

613:名無しさん@ピンキー
12/01/15 06:57:59.00 QO9hd4Hc
2つとも楽しみにしてます

614:名無しさん@ピンキー
12/01/15 07:10:35.79 q+iE7VTK
>>600
兄が鬼ってことは、他の女が出てくる展開も期待できるな。
そして妹も入れて三角関係とか!GJ

615:名無しさん@ピンキー
12/01/15 14:41:21.98 +Egl3fxl
両者ともGJ!
今年もいい年になりそうだ

616:名無しさん@ピンキー
12/01/15 14:42:51.07 s0XYKtH1
そういえばゲーム機で書いてるんだっけ?キーボード買ってあげたいなw

617:吸精之鬼
12/01/15 16:39:47.80 lG8lbEkO
人格転生、続きが楽しみです。

投下します。

618:吸精之鬼
12/01/15 16:40:39.53 lG8lbEkO
吸精之鬼、それが男女いずれに対する罰なのか、
長い時を生きる清水理沙にさえ、その答えは出ない。

吸精之鬼は、男が女に自らの精を与える事で、自身の所有物、奴隷と出来る人間の事だ。
それだけを考えれば、女に対する罰だと言える。
何せそうなった女は、他の人間を愛する事が出来なくなるのだ。
だが、もう一つ、別の事実がある。
吸精之鬼となった男は、女に対して自らの精を供給し続けなければならない。
精は必ずしも無限ではない。体力と同じで回復こそ可能なれど、限度がある。
それを越えた先に待つのは、死だけだ。

ただ一つ分かっている事、それはいずれの罰にせよ、そうなった者達が繰り広げる物語は、清水理沙にとって、喜劇だと言う事。

そして清水理沙は、その喜劇を盛り上げる為に長い年月を、それこそ清水理沙になる以前より、存在しているのだ。

619:吸精之鬼
12/01/15 16:42:01.40 lG8lbEkO
日曜、大輝と桜は久し振りに二人だけで出かけていた。
「デート!デート!」
と桜は浮かれているようだが、そんなに艶やかなものではなく、単に親戚への用事を頼まれていた大輝に、たまたま部活が休みだった桜が着いて来ただけで、大輝にとってみれば、余計な仕事と厄介者がセットだ。

「兄ちゃん兄ちゃん!コレ、可愛いよ、見て見て!」
桜は親戚に対する用事がある事など気にした様子なく、途中で通った商店街で、自分が気になった店に大輝を引っ張り込んでは、そうしてはしゃいだ。

あの日以来、桜の調子はその前より格段と良くなっていた。
キスをする度、精を注ぐほどに桜は元気になっていく。

「あのなぁ、福原の叔父さん家に届け物するために出てきたんだぞ?」
「だいじょーぶ!時間はタップリとあるんだから!」
呆れた声で窘める大輝に、桜が笑顔で答える。

確かに時間は十分にある。
とっとと用事を済ませるつもりでいた大輝は、朝早くに家を出たのだ。
それでも既に昼近くにはなっていた。
「いい加減急ぐぞ」
大輝がそう声をかけた時、桜はじっとある商品を見ていた。

大輝が近寄り、桜の視線の先にある商品を見る。
それは指輪だった。


620:吸精之鬼
12/01/15 16:43:04.17 lG8lbEkO
「兄ちゃん・・」
大輝の存在に気づいた桜が、懇願するような眼で大輝を見る。
大輝はそんな桜に呆れつつも、その指輪と値段を見る。
高校生である大輝から見ても、それほど高価な物ではない。

「にーちゃん!」
その言い方は本格的に何かをねだる時の言い方で、ついでに言えば、眼をウルウルさせている。
「はぁー」
そんな桜に大輝は溜め息を一つ大きくつくと、
「それ買ってやるから、とっとと行くぞ!」
と、口調を乱暴にしながら、そっぽを向いて言う。

なんだかんだと言った所で大輝は桜に甘い。
それと知られたくないのと、テレがあるだけだ。

「兄ちゃんありがとう!」
桜が大声で礼を言いながら、大輝に抱きつく。
「うわっ!ばか、離れろ!」
そんな慌てる大輝に関係なく、
「だぁいすきだよ、兄ちゃん!」
と、桜は満面の笑みで喜びの声をあげた。
そんな桜に、大輝の顔は真っ赤になっていた。

621:吸精之鬼
12/01/15 16:44:11.70 lG8lbEkO
昼飯を食べる為、二人はファミレスに寄っていた。
このままの時間で行くと、食事時に叔父の家に着いてしまい、それは迷惑ではないか、そう桜が主張したためだ。
赤の他人の家ではないし、そこまで気を遣う必要はないようにも大輝には思えたが、桜は”親しき仲にも礼儀ありだよ”と言って譲らない。
この叔父の家には、自分は何度となく訪れているものの、部活が忙しい桜は滅多に来る事がないので、その事で遠慮があるのかもしれない、そう考えた大輝はあっさりと桜の言葉に従った。

日曜の昼時なので、混んでる事もすぐに席に案内された。
近くにオープンしたばかりの別系列のファミレスがあり、そこが今、セールをやっている為か、思った以上に空席が目立つ。

「うーん、何にしようかなあ?パスタもいいけどハンバーグも捨て難いし、わふーを選んで大人な女ってイメージを兄ちゃんに植え付けるのもイイかも」
和風の何が大人なんだか良く分からなかったが、既にメニューを決めていた大輝は、メニュー表を見ながら色々と悩む桜の姿を、微笑ましく見守る。
そして散々悩んだ挙げ句、ようやく桜が、「きめた!」と声を上げる。そして、
「兄ちゃんと同じのにする!」
と、どうだと言わんばかりの声で宣言した。
「散々悩んで、それかよ・・」
「うん!やっぱりデートなんだから、恋人同士で同じ物を食べなきゃ!」
「あ、そう」
桜の妄言に色々と言いたい事もあったが、大輝はそれだけを言うと、店員を呼んだ。

暇なのか、店員はすぐに来た。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「チーズハンバーグのライス、サラダセット二つ」
「兄ちゃん兄ちゃん!」
事務的に聞く店員に大輝も事務的に返した時。桜が目を輝かせながら大輝に聞く。
「デザートも頼んでいい?」
「別に構わないよ」
「じゃあ、甘くて甘いストロベリーチョコパフェ一つ!」
大輝の返答を得るや、桜が勢い良く注文した。
”そんなんがたべたいのか”
びっくりしながら大輝が桜の顔を見ると、桜は嬉しそうに、
「へっへへ、兄ちゃんと来た時にコレを食べたかったんだ」
と、とびっきりの笑顔を見せる。
そして、なぜか店員も微笑ましそうな顔をしていた。


622:吸精之鬼
12/01/15 16:45:22.56 lG8lbEkO
注文を待つ間、大輝は桜にビニール袋を渡そうとした。
それは先程の店で買った指輪が入ってるものだ。
しかし、桜はそれを受け取ろうとしない。

「兄ちゃん、分かってないわね?」
誰かの真似してるのか、桜が急に足を組みながら大輝に言う。
「こういう物を渡すにはじょうきょおってものがあるのよ?」
懸命に大人びた口調で語る桜だったが、その年齢以上の童顔と声では、はっきりと似合わない。
「まだ若い若造の貴方には分からないかしら?」
妙に格好付けて言う桜、自分の言葉には気付いてない。
そんな桜に大輝も頭が痛くなる思いで、何も言う言葉がない。
「あたくし、御トイレに行ってきますので、その間に考えなさい」
そう言ってから席を建とうとして、ちょっとよろけた(自分が足を組んだのを忘れてた)桜に、大輝はもう、”せめて御手洗いだろう”としか突っ込みようがなかった。


トイレに行く、それは桜にとって口実だった。
本音は、今日一日、いや、今までずっと自分たちを見ている相手に一言、言ってやりたかったからだ。
幸い、店自体が空いているせいか、女子トイレには桜とその相手しかいない。

「ねえ、お姉さん、なにがしたいの?」
桜がその相手に問いかける。
正確に言うならば、その空間に声をかけた。
そこには誰もいない。桜にしても、女の気配を感じるだけだ。
第三者が見れば、桜が独り言を言ってるようにしか見えないだろう。
「ねえ、なんで何も答えないの?いるんだよね」
それでも桜が言葉を続ける。
「私は話をしたいだけだよ、何で出てこないの?」
桜のそんな声に、それまで空間であった場所が少しづつ歪んでいきながら、一人の女性を形作っていく。
そして、誰の目にもはっきりと分かる女性になったその姿は、
清水理沙、その人だった。

623:吸精之鬼
12/01/15 16:49:42.51 lG8lbEkO
投下終了です。

色々とルールがあるようですが、自分の後ならすぐにでも作品投下してもらって構いません。
投下ラッシュ大歓迎です。
ただその時、自分の作品にも感想は下さい。
ごめんなさい。

624:名無しさん@ピンキー
12/01/15 16:52:06.23 s0XYKtH1
素晴らしい投下速度だな!GJ!
完結してくれるとなお嬉しい

625:名無しさん@ピンキー
12/01/15 19:54:13.54 QO9hd4Hc
内容的に必然とキモウトになるわけか
これから期待

626:人格転生4 ◆qtuO1c2bJU
12/01/15 23:24:19.36 qPV2u+J3
「さっきの人、すごい綺麗だったね」
「ああ…だな…」
「鼻の下ビヨーン」

由衣が俺の唇を掴んで下に下げようとしてくる。

「痛いわっ!」

って、それより、なんで思い出せないんだろう。デジャブみたいな感覚なのだろか。あの人にあったって感覚がするだけっていう。

まさか…昨日爺ちゃんに聞いてた家政婦さんじゃないよな。
でも普通おばさんぐらいの人がくるもんだよな。
でも、やばい。あの爺ちゃんのことだから、あの人の感じなので怖い。
俺のこういうカンはよく当たる。既視感があるのも紹介の写真かなんかで見たからだろう。

うちの家は見ての通り一戸建てというより、自分で言うのもなんだが豪邸だ。
死んだ両親がITと商社のエリートだったからだ。今は爺ちゃんがあの家と資産を管理している。
このへんもいろいろと複雑なのでおいおい説明していこうと思う。

とにかく、うちの場合が場合だけに、もしあの人が家の家政婦になると困ったことになる。
とくに、こいつがいるだけに。俺は由衣を見つめる。

「やだ…お兄ちゃん…そんなに見つめられたら恥ずかしい…」

何も考えてないバカはほっとこう。

「学校行くぞ」
「待ってよぅ」



教室に入る。

「おはよう」
「おはようございまーす!」

なぜお前まで上級生のクラスにまでついてくるんだと、あえて由衣には突っ込まない。
いつものことだからだ。

「ああ、おはよう」

さらに、いつものように声をかけてくれる一名以外はスルー。
他のクラスメイトはおはようと小声で返すか無視だ。

俺みたいなシスコン野郎はお断りとでも言わんばかりなのだが、それは違う。原因は由衣だ。
そりゃそうだろう。自分の兄に付きまとい同級生はおろか上級生にも多大な迷惑をかけてる奴だからだ。
例えば球技のイベントで、うちのクラスにいるバスケ部のエース相手に一人で61点取ってチームを優勝させるくらい目立てば、嫌でもそういう視線にもなる。ちなみにあの試合はヤバかった。
ソフトボール大会では上級生のエースを全打席ランニングホームラン。

さらに全学年の男子生徒の告白を「あたしブラコンだから無理」というふざけた断り方で振ったりしていたのも原因だ。

一時はそれで由衣がいじめられそうに、というより、いじめてきた相手に危害が及びそうだったので、以降は俺を通して告白などの面倒事を処理している。
運動神経が良すぎるというのも考えものだ。他はからっきしなのに。さらに天然。

だからなのかこいつは全然周りを気にした素振りをみせない。

627:人格転生5 ◆qtuO1c2bJU
12/01/15 23:28:06.16 qPV2u+J3
一部の由衣に、というより俺に友好的な女友達に助けてもらってる形だ。
きちんと返事をしてくれる学級委員の姫乃愛理(ひめの あいり)も数少ない友人だ。
ストレートの髪に身嗜みに歪みがなく優雅な姿勢と物腰。
相変わらずお嬢様特有の優雅な気配が伝わってくる。
そういやこいつも変わってるんだよな。人のこと言えないけど。

「今日も元気でなによりだな。美里兄妹」
「まあな」
「元気だよ~で、聞いてよ…あのね…今日ね、お兄ちゃんがね…」
「だが今度からはもう少し早めに登校することだな。二人共、もう少し時間に余裕を持ったほうがいい」
「ああ、今朝ちょっとあってな」
「でね…お兄ちゃんってば鼻の下伸ばしてさ…」
「何があったんだ?」
「由衣が通りすがりの人とぶつかってさ」
「すごく綺麗な人だったんだよ~でお兄ちゃんったら」

微妙にズレてる俺たちの会話。人の会話中に入ってくるのもやめて欲しいが言っても聞かない。

「なるほど。由衣君が通りすがりの綺麗なお姉さんとぶつかったんだな。で良也君がデレデレしていたと」
「うん! そうそう!」

あっさりと理解してしまう愛理も凄いと思う。しかも手の方は日直の仕事もこなしながら。
さすがハードボイルド口調の委員長。将来は探偵かなんかになればいいと思う。

「それはそうと、結衣君」
「え、なになに?」
「紗月が来てるぞ」

廊下を見ると由衣と同級生のスカーフをした女の子がいた。
姫乃さつき(ひめの さつき)は160cmの由衣より小柄で150前後くらいのちっちゃい子だ。
本人はそのことを気にしているのでちっちゃい子という紹介は失礼かも知れない。
ちなみに委員長の愛理とは苗字が一緒だが、従姉妹で姉妹ではないらしい。

「あ、先輩、愛理さ…愛理先輩、おはようございます」
「ああ、おはよう、さつきちゃん」
「おはよう、サツキ」

さっき、口ごもったけど、さつきちゃんって、ときどき愛理様って呼ぶ時あるんだよな。
最初は百合百合な関係かとドキドキしてしまったが、何を考えてるか愛理に一発で当てられてこっちが顔を赤くしたこともある。
まあ、お嬢様同士の付き合いもいろいろあるらしい。

「由衣ちゃん、行こ」
「うん! さっちん!」

しかもこの二人仲がいい。
本当にさつきちゃんにはお世話になっている。
俺がいない間、学校で由衣の面倒を見てるのは実質さつきちゃんだからな。
さつきちゃんのおかげで、由衣は自分のクラスでこのクラスで浴びるような冷たい視線を浴びずにすんでいる。
由衣の情報は全部さつきちゃんからのものだ。
さらには頭は弱いが運動神経抜群の憎めない子という地位を確立してくれている。
どんだけいい子なんだよ。涙出てきた。

「それでは失礼します」
「ああ、由衣を頼む、さつきちゃん、君しかいないんだ」
「あの、なんで泣いてるんですか?」

俺はさつきちゃんと由衣を見送った。

「良也君も大変だな」
「まあな」

628:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/15 23:30:54.90 qPV2u+J3
投下終了です。とりあえず今日はこれくらいだと思います。

吸精之鬼読んでます。一緒に頑張って行きましょう。

629:名無しさん@ピンキー
12/01/15 23:48:26.88 Bv6hXBiD
>>623
>>628
両方GJ!
新作が二本も来て嬉しいよ

630:名無しさん@ピンキー
12/01/16 00:04:18.67 P4A5CJDG
>>628
投下速度早すぎワロタw


なんだかんだ今年もキモウトスレは大丈夫そうだな

631:名無しさん@ピンキー
12/01/16 00:55:53.34 ZCmOpbaz
おぉ、早いなwGJ!

632:名無しさん@ピンキー
12/01/16 01:04:41.91 PRmEDkAf
二作品ともGJ!!
今後が楽しみ

633:名無しさん@ピンキー
12/01/16 01:07:46.45 wsTJok+t
そろそろセンター試験の出来が悪かった兄弟を慰める姉妹のSSが投下されるはずだ!

634:名無しさん@ピンキー
12/01/16 04:20:51.49 Uvtfst8v
>>633
こっそり小ネタ投下
姉モノだよ!

不意にコトッという音を立てて置かれたホットミルクで満たされたマグカップに驚き、顔をあげる。
そこには優しげな微笑みを浮かべた姉の顔があった。
「カズくん、あんまり気を落とさないで」
そう言いながら、姉が手を俺の肩に置く。
俺はついに耐えきれなくなり、姉に縋りつき泣いた。
「優姉さんにあんなに.....あんなに、勉強みてもらったのに.....、それなのに俺.....あんなつまらないケアレスミスして.....」
「いいんだよカズくん、私が好きでやった事だし。それに今回の結果で志望校が無理なら留年したって良いんだよ?」
そう言いながら、優しく慈しむように俺を抱きしめながら頭を撫でる姉に、歯止めが効かなくなった俺は、それから約30分姉の胸でひとしきり泣いた。
「そろそろ落ち着いた?」
そう心配そうに姉が囁く。
俺は小さく頷いて、目尻の涙を拭う。
「みっともないとこ見せてゴメン。でも、もう大丈夫だから.....ありがとう」
照れ隠しに、俺が俯いたままそう告げると、姉は屈託のない笑顔を浮かべた。
「よかった。あっ、ホットミルク冷めちゃったね、温め直してくるよ」


635:名無しさん@ピンキー
12/01/16 04:48:38.96 Uvtfst8v
そう言ってマグカップを持って立ち上がる姉を引き留める。
「そのままで良いよ、俺猫舌だし」
そう言って、マグカップを受け取って冷めたミルクを一気に飲み干す。
すると視界がグニャリと歪み、体の力が抜けていく。
そのままソファに倒れ込み、意識を失う瞬間、今まで見たことのない妖艶な笑みを浮かべた姉が見えた気がした。

以上、PSPから失礼

636:吸精之鬼
12/01/16 11:53:14.52 ew+5bN5Q
続き、ありますよね?

投下します。


637:吸精之鬼
12/01/16 11:54:28.42 ew+5bN5Q
吸精之鬼、それは吸精之鬼の血を引く者がそうなる訳ではない。
吸精之鬼は一代限り、その能力を子孫が受け継ぐ事はない。
異能者の血と妖の血、その異なる二つの血が混じり合った時、吸精之鬼は誕生するのだ。

その理由については詳しく分かっていない。
薄れ消えゆくだけの双方の血が、それを途絶えさせない為なのか、それとも・・。

その理由はともかくとし、父方である大野の家は異能者の血を持ち、母方である福原の家は妖の血を受け継いでいた。
そしてその結果、長男である大輝が吸精之鬼として覚醒した。

ならば、同じ血を持つ妹の桜はどうなのだ。
同じ両親の元に生まれた妹、

女が吸精之鬼となる事はない。
女では精を与える方法が貧弱すぎるから。

今まで清水理沙は、吸精之鬼と成り得る血を持った女は、吸精之鬼に対する抵抗力があるものだとばかり考えていた。

だがそれは大きな誤りであった。


638:吸精之鬼
12/01/16 11:55:48.69 ew+5bN5Q
何もない空間から姿を現した女性、
そんな相手に対して桜は臆するどころか、逆に好奇心を溢れさせていた。

「お姉さん、すごぉい!」
気付かれる可能性などないはずなのに気付かれた事に警戒する理沙の事などお構いなしに、桜が感嘆の声を上げる。
「ねえねえ、それどうやってやるの?私にも出来るようになる?」
「貴女、私が怖くはないの?」
「居るのは知ってたんだから、怖いワケないよ」
「そんなのより、今のどうやってやるのか教えて!」
桜の興味は、理沙がどのようにして姿を隠していたかに尽きるようで、理沙の正体に微塵も興味をみせない。
そんな桜を、理沙は未だ驚愕の目を持って見ている。

吸精之鬼、その奴隷となった女は何らかの特異な力を持つことがある。
が、それはあくまでも性行為の後の話だ。
女が吸精之鬼になれない理由でもあるが、キスだけでは不充分、体内に直接、精を受ける事で、完全に吸精之鬼の奴隷となり、その代償として特異な力に目覚める。

理沙が観察している限りでは、大輝と桜との間にキス以上の関係はない。

639:吸精之鬼
12/01/16 11:57:27.74 ew+5bN5Q
「私にもそれが出来たら、ずっと兄ちゃんと一緒に!お風呂に入っても怒られないし、トイレにだって着いてっても・・、へっへへ、恥ずかしいなあ」
「貴女!私に話があるんじゃないの?」
一人、現実逃避を始めた桜に、理沙が大きめの声で問い掛ける。
それで現実に戻った桜が、理沙の方に向き直り言う。
「そうだ、忘れるとこだった」
「お姉さん、何で私達に付きまとうの?はっきり言って迷惑だよ」
先ほどまでとまるで変わった厳しい視線と声が理沙に突き刺さる。

「それが私の使命だからよ」
桜の厳しい視線に何ら動ずることない理沙の答え。
「しめい?」
「そう、吸精之鬼とその周りの人間を観察するのが私の使命」
「吸精之鬼・・」
その言葉は桜も知っているし、自分がそうであろうと考えている。
そしてその事を自分と兄が知ったのは、
そこまで思い至った時、桜の脳裏に自分達にその事を教えてくれた女性の顔が思い浮かんだ。
それは目の前にいる清水理沙の顔だ。

「お姉さん、あの時の!」
桜の表情がまた変わり、驚きの中にも喜びが見える。
「思い出してくれたのね」
「あの時はありがとう!おかげで兄ちゃん、私にたっくさんキスしてくれるようになったよ!」
嬉しそうに無邪気な笑顔を浮かべながら言う桜、
そんな桜に理沙は「良かったわね」と笑顔で言うと、
「そう言えば、貴女達は吸精之鬼について勘違いしているわ」
と桜を見据えながら続ける。
「吸精之鬼は貴女じゃない、お兄さんなの」
事実を知った桜がどのよう反応を見せるか、楽しみにしていたのだ。

640:吸精之鬼
12/01/16 11:58:55.88 ew+5bN5Q
「それ、どういう意味ですか?」
桜が理沙を見上げながら聞く。
「貴女のお兄さんが吸精之鬼、つまりは貴女に精を与える事で、貴女を我が物に出来る能力があるって事よ」
理沙は桜の変化を見逃さぬよう努めながら言葉を続ける。
「貴女へのキス、その一回一回で貴女を自分だけの物にしていってるの」
「えっと、私がどうなるって事ですか?」
「このままでは貴女はお兄さんしか愛せない。お兄さんだけの為の存在になってしまうわ」
吸精之鬼の本質、吸精之鬼の問題点、それを理沙は隠す事なく、桜に告げた。
まだキスだけの段階なら助かる余地はある。
桜が助かりたいと言うのならば、助ける事もやぶさかではない。
だが、桜の反応は理沙が考えていたものとまるで違うモノだった。

「で、それでなんですか?」
言葉の意味が分からない、そう言いたげに問い掛ける桜。
「貴女、このままだとお兄さんだけの・・」
「それ、当たり前だよ?」
理沙の言葉を遮り桜が言い切る。
「ずっとずっと前から私は、桜は、兄ちゃん、大輝兄ちゃんだけの物なんだよ」
クスクスと笑いながら言う桜、その瞳の奥に隠しきれない炎を宿して。

理沙にとって有り得ない話だ。
キスだけでそこまで心を縛れない筈なのだ。
その時、理沙は一つ思い出した事がある。
この兄妹に初めて本格的に接触した時の事だ。
あの時、吸精之鬼の物としての副作用がでていた桜を見て、既にキスはしているものだと考え、理沙は大輝にキスをするように告げた。
だが、その時のぎこちなさや躊躇を考えれば、まだしていなかった、そんな事実が浮かび上がる。
それがどういう事なのか、理沙はその事を有り得ないと思った。
が、桜の言葉がそれを肯定させた。

「ちいちゃい頃から望んでたんだ!」
「兄ちゃんだけの物になることを」
その言葉は、大輝を吸精之鬼として覚醒したのではなく、桜が大輝を吸精之鬼として覚醒させた、その事実を肯定するのに、充分な言葉だった。


641:吸精之鬼
12/01/16 12:00:19.00 ew+5bN5Q
理解、出来る訳がない。
確かに、大輝と同じ父、同じ母をもつ桜ならば、そう言った能力があったとしても不思議ではない。
だが、大輝が覚醒した時の桜でさえ、幼女のようにしか見えなかったのだ。
それ以前から、自我さえ目覚めていたかも分からない年齢の時からそれを望み、そうなるように働きかけていたなどとは、どう理解すれば良いのか。

始めて畏怖の目を持って桜を、人間を観た。
その姿、その顔に一点の迷いも曇も感じられない。

「ほ、本当に良いのかしら」
桜に気圧されながらも理沙が問う。
「確かに貴女はお兄さんだけの物、でもお兄さんは貴女だけの物にはならないのよ」
少しでも揺さぶりをかけたかった、そんな理沙の言葉に桜は何ら動ずる事なく、胸を張って言う。
「大事なのは、私が兄ちゃんだけの物ってコト!それ以外はどうでもいいの」

「それに兄ちゃんには息抜きが必要だろうしね」
「ただの息抜きで済むかしら?」
桜が続けて言った言葉を捉え、理沙が冷静を装った声で言う。
「息抜き以上にさせるワケ、ないよ?」
桜の顔はあくまで笑顔、だが、その言葉には言い知れぬ狂気が込められていた。

流れ出した緊迫の空気、それを壊したのも桜だ。
「あー!兄ちゃんがまってるんだ!」
桜はそう声をあげると、
「お姉さん、ごめんね。私、もう行かなきゃ!」
と言って駆け出して行った。
最後に、
「あんまり私たちのコト、見てちゃやだよ?恥ずかしいから!」
そんな言葉と笑顔を残して。

残された理沙は考える。
アレが相手では普通の人間では勝ち目かない。
そんな桜に対抗出来るであろう女、妖の血を引く福原の娘、
その娘は、大輝と桜の兄妹より強く、少なくとも二倍は強く、その血を受け継いでいる。
”ただの息抜きじゃ終わらないかもよ”
理沙が呟く。
これだから面白い、これだから観察は止められない。
気づけば理沙は、声を出して笑っていた。

642:吸精之鬼
12/01/16 12:01:53.45 ew+5bN5Q
桜が席に戻ると、既にチーズハンバーグ、ライス、サラダセットは届けられていた。

「ごめんね、兄ちゃん。ちょっとだけ時間かけすぎちゃった」
「それはいいんだけど、桜、大丈夫か?」
謝りながら席に着いた桜に、大輝が心配そうな声で聞く。
「ん、なんで?私はいつでも元気いっぱいだよ!」
「いや、随分と長かったからな、それで・・」
「心配しちゃったんだ!」
「ばっ、ばか!そ、そんなの当たり前だろ!」
顔を赤くしながら、そっぽを向いて起こる大輝、
そんな大輝に桜は笑みを零し、
「ごめんね、兄ちゃん。心配かけちゃって」
と言うと、
「早く食べよう、お腹空いた!」
と明るく元気な声で言った。
大輝はまだ不機嫌な様子だったが、それでも元気な桜に安心したのか、共に食事を始めた。

ちなみに、その後に来たデザートの”甘くて甘いストロベリーチョコパフェ”なる物は、最初の一口を互いに”アーン”しなければ料金二倍という、大輝にとって罰ゲームとしか言いようがない物だった。


643:吸精之鬼
12/01/16 12:02:50.80 ew+5bN5Q
投下終了です。
以下、次回ネタバレと注意点。


次回登場予定のもう一人のヒロインは非処女なだけでなく、ピッチ設定です。
NTRはありませんが、そう言うキャラが駄目だという方は注意してください。
また、そのヒロインの設定に基づく、大輝と桜の母に関してもNG要素を含んでいます。


644:名無しさん@ピンキー
12/01/16 12:07:23.52 ZWO/2Du4
マジすか…

645:名無しさん@ピンキー
12/01/16 13:20:58.84 9v+aIzIQ
注意書きしてくれれば、難癖つける奴減るからいいでしょ

646:名無しさん@ピンキー
12/01/16 14:04:35.76 GzrOeSUR
まとめてGJ
注意書きしたんだ、気にせず行っちゃってください

647:名無しさん@ピンキー
12/01/16 14:41:16.30 HfXQT3rv
GJ!
こういう妹はホントいいわ

648:名無しさん@ピンキー
12/01/16 15:09:36.01 TcDYM0v6
GJ!
ビッチ登場だと…
兄の童貞がピンチじゃないか!

649:名無しさん@ピンキー
12/01/16 15:15:23.24 EVkGBlf6
>>633
勉強を教えてあげるとか言いつつボディタッチとかエッチなことされて常に悶々とした状態で集中できるはずもなく
センター試験の結果を見て落胆している弟に「弟くんは大学なんて行かなくてもいいの。私が養うんだから」
とかいって、全て計画通りなんですね分かります

650:名無しさん@ピンキー
12/01/16 17:39:37.78 8e9uXk6G
「お兄ちゃん、ゴメンなさい!」
「いいから、早く離せ! 今ならまだ間に合うかもしれないんだ!」
俺はすがりつく妹を引き剥がそうと苦労していた。
「ゴメンなさい、ホントにゴメンなさい、身体でも貞操でも処女でも何でもあげるからぁ!」
人の話を聞かないで泣いている妹。だが、泣きたいのは俺のほうだ。
なにせ今日は、俺のセンター試験の日なのだ。
そんな大事な日、バカ妹が珍しく早起きして俺を起こそうと思ったらしいが、そこはそれ超バカ妹。
俺のベッドで二度寝、しかも目覚ましは止めていたという最悪なコンボ。
今の時刻は遅刻寸前、というかほぼ確定だ。
しかし諦めるわけにはいかない。なにせセンター試験なんだから。
「俺は行くから、だから、離れろ!」
「ぐすっ、ならせめて、私が作った朝ごはんは食べていって」
「いいって、時間ないし」
「せっかく、せっかく、お兄ちゃんのために、早起きして作ったのに。頑張って豪勢なの作ったのに」
「分かったから、時間ないから少しだけな。もしくは持っていけるようなものがあれば」
「うん、茹でたカニと、伊勢海老、それにチーズフォンデュ、どれにする?」
「どれもいらねー!」

なんとか試験会場に辿りつき遅刻ながら受験はでききたものの、時間は短いし腹は減ってるし疲れてるし、で。
失敗した。浪人である。
そして翌年、今度こそは合格。
しかし、バカだバカだと思っていた妹が、学校ではそこそこ良い成績をしており、しかも俺と志望校が同じだったらしく同時合格。
まあ、妹と同級生というのはちょっと格好悪いが、めでたしめでたし、かな。

651:名無しさん@ピンキー
12/01/16 18:14:02.37 ZCmOpbaz
>>649
文から願望がだだ漏れ
仕事しろよ

652:名無しさん@ピンキー
12/01/16 21:15:52.19 W0Dfl7hb
どうやらこのスレにも奴が現れたか....風見め...

653:名無しさん@ピンキー
12/01/16 22:04:49.14 TcDYM0v6
>>649
キモ姉とキモウトどちらに養われたい?
姉のヒモ、妹のヒモ

654:名無しさん@ピンキー
12/01/16 23:21:48.92 oDC+vqTy
自衛隊にはいるわ

655:名無しさん@ピンキー
12/01/16 23:43:12.41 wsTJok+t
>>650
>>635
GJ!
センター試験は冬の風物詩だなw

>>643
設定がどう活かされるかに期待
面白かったです

656:名無しさん@ピンキー
12/01/16 23:51:21.35 W0Dfl7hb
ここに緊急風見対策本部を設置する。取り敢えず風見迎撃コピペを使って戦うか?

657:名無しさん@ピンキー
12/01/16 23:55:13.43 p0M00kkK
遂にここにも風見が沸いたか
わーにんわーにん

658:名無しさん@ピンキー
12/01/17 00:02:46.21 nGQD2Yzi
俺らが協力してこのスレから風見の毒牙から守るぜ!ここで風見は吸精之鬼とかいうモノを押し付けて居るようだな(o^-')b

659:名無しさん@ピンキー
12/01/17 00:04:42.24 ycL9chsJ
風見避けにキモスレも避難所作るか

660:名無しさん@ピンキー
12/01/17 00:06:14.70 nGQD2Yzi
取り敢えずここで風見を破壊してからにしようぜ^ ^吸精風見さんよぉ

661:p2100-ipad310kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp
12/01/17 00:10:56.97 G6VO+nb4
風見だけは絶対に許せねえな

662:名無しさん@ピンキー
12/01/17 00:25:34.82 zUOFofog
お前はヤンデレスレから出てくるな

663:名無しさん@ピンキー
12/01/17 00:38:55.21 PXSJC6mz
永遠のしろをまだ期待して待ち続けているのは俺だけでいい

664:p2100-ipad310kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp
12/01/17 00:43:24.05 G6VO+nb4
そんなことどうでもいい
今は風見

665:名無しさん@ピンキー
12/01/17 02:10:57.55 S8zjUkxK
一人暮らしの弟の家で火事が
精神的にまいってる弟を優しく招き入れる姉
しかし火を付けたのは・・・

666:人格転生6 ◆qtuO1c2bJU
12/01/17 02:14:00.79 TG32BtEP
下校時。鮮やかな夕暮れの中、いつもの靴箱の前で由衣が待っていた。
混雑した廊下を歩いていると生徒の世間話も聞こえてくる。

「ほら、またあの子だよ」
「ああ、例のブラコン女」
「何様って感じだよね。ちょっと運動神経いいからって」
「でも…」
「うん。頭の中は空ーっぽだもんね、あはは」
「笑えるよね。お兄ちゃん、お兄ちゃんってキモイっての」

こいつらは由衣が理由もなく俺に擦り寄ってきてるブラコンバカだとでも言いたいのだろうか。
由衣にはちゃんと理由がある。それがわかってるだけに腹立たしい。
さすがに由衣のクラスまでしか、さつきちゃん効果は期待できない。

「あの、先輩方」

あれ。この声。ウワサをすればなんとやらで、さつきちゃん。

「な…なによ」
「私の親友が何かしましたか?」
「はぁ?」
「ですから私はあの子の友達なんです。先輩方のお気に触ることをしましたかと尋ねてるんです」
「何よこの子…」
「バスケ部の自称エース相手に61得点して、チームを勝たせる子の友達です」
「…なっ!? このっ!」

さつきちゃんが胸倉を掴まれた! ヤバイ!

「この子、球技大会でブラコン女とプレーしてた子じゃん、やっちゃいなよ」

もう一人の女子も止めるどころが焚きつける。

「ソフトボールでも一緒にプレーしてましたよ。打ちやすい球を投げてもらってすいませんでした」
「くっ…! ちょっとアタシにも貸してよ、そいつ!」

まずい! なんとかしないと!

「あー! ちょっと先生! こっちです! こっちのロッカー!」

すかさず大声で階段の方に教師を呼ぶふりをする。

「いやー、すいません、俺のロッカー開かなくなっちゃって」

ちょっとわざとらしいかな?

「くそ! ヤバイよ、ほら、部活行こ!」
「でもコイツ…!」
「離しなって! 先生に見つかるよ!」
「覚えてなよ…!」

よかった。なんとか騙せたみたいだ。

「『姫乃』相手に喧嘩を売るつもりでしたら、いつでもどうぞ」
「「な!?」」

ふたりとも一瞬固まったあとすぐに退散した。
俺はすぐにさつきちゃんに駆け寄る。

「さつきちゃん!」
「あ! 先輩…」

667:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/17 02:16:25.01 TG32BtEP
投下は不定期になりそうですが、少しずつでも書き続けていきます。
投下時は割り込み雑談感想批評、なんでもお願いします。

668:人格転生7 ◆qtuO1c2bJU
12/01/17 02:56:37.43 TG32BtEP
セーラー服の1年生の赤のスカーフが乱れていた。
自分でそれを直しながら俺の方をむいて慌てたそぶりをみせる。

「何もあそこまでやる必要ないんだって」
「でも…」
「由衣のことかばってくれるの嬉しいけどさ。さっきの上級生だろ。それにあの子らバスケ部とソフト部じゃん」
「本当のことを言ったまでです」
「でも、さつきちゃんまで目を付けられたら…」

黒のスカーフだったのであれは3年生だ。2年は青。1年は赤だ。

「大丈夫です。ちゃんと姫乃の名前を出しておきましたから二度と言ってこないと思います」
「そういう問題じゃなくてさ…」

確かに姫乃グループは日本有数だから効果はあるんだろうけど…

「先輩は腹が立たなかったんですか?」
「いや、立ったけど。普通無視するって」
「それだと悪口は止まりませんよ」

そうか。さつきちゃんの言うことがわかった。逆に目立つ由衣を守るためにはここまでする必要があるってことか。
悪いイメージや悪口はすぐに広まる。特に由衣のような自由気ままに生きてる人間は、すぐにそういう的になりやすい。
改めてさつきちゃんに感謝する。

「ごめん!」

おもいっきり頭を下げた。

「え? あ、ちょ、ちょっと、先輩」
「いつも由衣のことばかりでごめん」
「い、いえ。いいんです。私も結衣ちゃんのことは好きですから」
「でも、申し訳なくて」
「いいんです。もう過ぎたことです」
「これからも友達でいてくれるかな」
「あ、はい。喜んで」
「本当にごめん」
「いいんですって。私が好きで…」

あれ? なんだか周囲の視線がやけに痛いな。
周囲からはなにやらひそひそ声が…

「ねえねえ、どうなったの?」
「下級生の子が告白したみたい」
「で?」
「ごめんなさいって」

はい!?

「あの子スカーフも乱れてるし一悶着あったんじゃない」
「でも友達でいようって」
「そりゃ、そう言うわよフツー」

ちょっと待て! さつきちゃんに目をやると顔を真っ赤にしてる。
かわいい…じゃなくて! なんかピンチになってる!

「おっぱいふにふに~!」
「きゃあっ!」

見ると由衣が側まで来てさつきちゃんの胸を揉んでいた。
ナイスだ! なんて羨ましい…じゃなかった、こういう時だけ役に立つな! 

669:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/17 03:25:54.50 TG32BtEP
投下終了です。一旦寝ます。
それにしても過去作品は面白いですね。
続きが来ない作品は作者さんもいろいろ忙しいからでしょうか。

670:名無しさん@ピンキー
12/01/17 05:59:05.11 qD5O8OJl
>>GJ!
なんか泥棒猫ぽいのが出てきたな

いなくなってしまった作者は皆キモ姉妹に監禁されているんだ…

671:名無しさん@ピンキー
12/01/17 12:40:52.06 GOX+LrQO
正直居なくなった作者なんてもうどうでもいいし来ても今更?って感じだわ
今書いてる作者とこれから来る作者のほうが期待してる

672:p2100-ipad310kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp
12/01/17 16:10:18.16 8PiOv6LA
>>671
風見がいなくなりゃいいのにな。

673:名無しさん@ピンキー
12/01/17 21:44:41.46 xOCF1HRl
101匹ねえちゃん


674:名無しさん@ピンキー
12/01/17 22:13:25.15 gxS6iWu8
いなくなった作者さんにも都合はあろうよ
気長にな

675:名無しさん@ピンキー
12/01/17 23:48:08.44 0idYCTqc
俺は転生恋生と三つの鎖と未来のあなたへを待ち続ける。
いつまでもな

676:名無しさん@ピンキー
12/01/17 23:48:20.17 WkK7RQRj
>>671
今いる作者のが大切なのは同意だけど
居なくなった作者もスレを発展させてくれたんだ、感謝しようぜ


677:名無しさん@ピンキー
12/01/17 23:52:05.85 0idYCTqc
>>676
禿同
三つの鎖が毎週土曜に更新されてた時代はみんなウキウキしてたんじゃないかな
あれから随分経つけどさ
そういうわけで>>671、一本どうかね

678:名無しさん@ピンキー
12/01/18 00:09:07.85 bmxtJ25G
虎とアキ姉と永遠のしろも待ってます
経過3年以上だから無理かなぁ…
基本、妹好きだったけど姉属性に目覚めさせてもらいました

679:名無しさん@ピンキー
12/01/18 00:40:15.38 LvsP+bn5
古参の雑談ほど新しい書き手を遠ざける荒らし行為はないけどな

680:名無しさん@ピンキー
12/01/18 00:46:51.02 gCO2jkc5
101人キモ姉がいたら結託して弟は飼われてしまうな
弟の仕事は毎日お姉ちゃん達を性的に満足させる事

産まれてきた子供も男が一人で父と同じ道を歩む事に

681:人格転生8 ◆qtuO1c2bJU
12/01/18 02:40:12.27 bmxtJ25G
「ちょっと! 由衣ちゃん!」
「ふにふに~ふにふに~」

揉み続ける由衣。

「抱きつくな!」

嫌がるさつきちゃんから引き離す。
その様子を見て告白じゃないと感じたのか周りの生徒も引いていく。
ったく、現金だよなあ。

「ほら、ちゃんとしろ」

由衣の姿勢を正してやる。
誰のための騒ぎだと思ってるんだ。

「さつきちゃん、大丈夫?」
「ええ…はい」

ショートカットの髪をかき上げながら苦笑いするさつきちゃん。いい子だよな。
このバカにも見習わせたい。不可能に近いけど。

「さっちんね。あたしよりちっちゃいけど胸は一緒なんだよ」

マジすか? えー由衣は今、80ちょっとだから…

「由衣ちゃんっ!」

今度はさつきちゃんが由衣を引っ張る。
由衣、その先はあとで訊かせろよ。

「何をしている」

ハスキーな声の方を振り向く。
優雅な佇まいで階段から降りてくる人物。

「愛理様…」
「あまり騒ぎを起こすな」

相変わらずのハードボイルド口調のお嬢様委員長。しびれるよな。

「風紀について兎や角言うつもりはないが、もう少し静かにしたらどうだ」
「はい。ですが…」
「なんだ?」
「いえ。申し訳ありませんでした」
「わかればいい」

助け舟を出さないと。

「あのさ、さつきちゃんは由衣をかばってくれたんだから悪くないぞ」
「だが姫乃の名を出していただろう?」
「それはしょうがなく…」
「どちらにせよ安易に家の名を持ち出すべきではない」
「最善の解決方法だったと思うぞ」
「だが他の方法もあった。違うか?」
「でもさ…」

俺が反論しようとしたところ愛理がさつきちゃんの方を向く。

682:人格転生9 ◆qtuO1c2bJU
12/01/18 02:57:28.82 bmxtJ25G
「サツキ」
「はい」
「おまえのことだ。きっと正しい行動だったのだろう」
「はい」
「だが次からはもっと良い方法をとれ」
「わかりました」

由衣は俺の後ろに隠れてもじもじしている。
こういう、さつきちゃんに怒ってるときの愛理が怖いのだ。
気持ちはわかる。オーラあるもんな。
こら。お前のせいなんだぞ。わかってないんだろうけど。

「だが由衣君をかばった行為は褒めておく」
「はい、ありがとうございます」

そこで笑顔を見せると空気が戻る。


それにしても、このふたり、上下関係じゃなくてなんか別の雰囲気があるんだよな。
マジで百合な関係じゃないんだろうか。

「違います」

へ!?

「それくらい緩んだ表情をされていたら何を考えてるかわかります」

しまった。顔に出てたか。さつきちゃんって愛理と共通してるとこ多いよな。

「由衣君」
「う、うん」
「これからもサツキをよろしくな」
「うん」

由衣の頭を軽く撫でる愛理。こういう物腰はお嬢様だよな。

「帰るぞ」
「はい」

外には黒塗りのベンツが見える。ついでに持ってるものも。

「おまえたちも乗って帰るか? 送っていくぞ」
「無理」

俺は庶民なんだよ。

「そうか」

一応裕福ではあるが愛理たちとは次元が違う。

「乗ってこーよ! お兄ちゃん!」

おまえは黙っとけ。な?

諸悪の根源が図々しい。

凛とした格好で校門に歩いて行く。
さつきちゃんはこっちを見て何回も軽くお辞儀をしていた。

683:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/18 03:00:11.78 bmxtJ25G
投下終了です。

完結させるのが目標です。
作者さんの凄さがわかります。

とりあえず書き続けること。
これを念頭においてます。

684:名無しさん@ピンキー
12/01/18 04:50:49.51 tvBydOdy
もうちょっとまとめて投下して欲しいです

685:p2100-ipad310kobeminato.hyogo.ocn.ne.jp
12/01/18 05:07:09.89 4T0CdzwR
>>683
お前も風見だろ

686:名無しさん@ピンキー
12/01/18 07:05:42.15 /t/qMQVU
>>683
お願いだから書きためてまとめて投下してください
割り込み投下許可すれば良いってもんじゃないですし

687:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/18 08:26:41.62 bmxtJ25G
ごめんなさい。週1か週2にします。
書き続けないとサボっちゃったり書かなくなったりする体質なので。
これからは出すときはまとめてにします。

688:名無しさん@ピンキー
12/01/18 09:06:29.07 gCO2jkc5
>>687
良いこと考えた毎日書いてまとめて投下すれば良いじゃないかキリッ

次も期待してます

689:名無しさん@ピンキー
12/01/18 11:43:42.23 4FHuKT7g
まーた風見が駄作投下してんのかよ

690:名無しさん@ピンキー
12/01/18 17:36:08.46 4vNYxSWH
せっかく投稿してくれてんのに文句ばっかとかまじでオワットル

691:名無しさん@ピンキー
12/01/18 17:36:58.38 7hGqSR/h
>>690
お前風見か?

692:吸精之鬼
12/01/18 17:47:22.24 DgYQQ3Em
投下します。

前回の注意点通り、今回からビッチヒロインが出ます。
今回はメイン二人(大輝と桜)は出ません。

693:吸精之鬼
12/01/18 17:48:51.41 DgYQQ3Em
大輝と桜が福原の家に行く前日の夜、
市内のラブホテルの一室、裸の男女がベッドで横になっていた。
既に事後なのだろう、男の方が疲れた荒い息の中で女に聞く。
「なあ、どうだったよ?気持ちよかったろ?」
「別に・・、普通」
にやついた顔で自分の胸に手を伸ばしてきた男の手を、鬱陶しそうに振り払いながら、つまらなそうに女が答えた。

活発で健康的な顔立ちは見る物に爽やかさを与え、その顔立ちとは正反対のように思える成熟した身体は劣情をそそる。
彼女の名は福原明日香、
大輝達の母の弟である福原の叔父の娘だ。

「何言ってんたよ、散々ヨガってたじゃねえか」
「当たり前じゃない」
自分を抱こうとしてきた男の手をすり抜けるようにしながらそう言うと、そのままベッドから出て、何も身につけぬまま、男に言い放つ。
「アタシだって気持ち良くなりたいんだから、盛り上げるタメに声ぐらいは出すに決まってるてしょ!」
「それなのに、・・はあ…」
最後に呆れて声も出ない、そんな溜め息をしながら、男を見る。

男に言葉がないまま数秒が経過すると、明日香はすぐに帰り支度を始める。
「ちょ、ちょっと待てよ!もう帰るのか?」
「当たり前でしょ!ここにいても意味ないし。それに、」
慌てる男を見る事なく、明日香は言い切り、そこでタメを作ると、
「明日は弟が来るからね」
と笑顔を見せた。
「その弟っての、そんな大事か!?」
「少なくても、今の時間よりは、ね!」

その後、明日香は男に何も答える事なく、テキパキと身支度を済ませると、
「じゃあね」とだけ言い残して、部屋を後にした。

694:吸精之鬼
12/01/18 17:50:27.83 DgYQQ3Em
その帰り道、明日香は溜め息を付きながら歩く。
”今日のはハズレだった”
友人に誘われて行った合コン、思ったより話が合ったそれなりのルックスの男と、ホテルに行ってSEXしてみた。

"ヤリマン""ビッチ"、良く言われており、今日の男もそんな事を口にしていた。
それの何が悪いのか、明日香には分からない。
気持ち良い事を求める事に何の問題があるのか、
男女の繋がり、いや、人と人とのつながり肉欲だろう。

たまにアタリもあるが、今日のはハズレだった。

「上手くいかないなあ」
明日香がつい口にそんな言葉を出した時、それは現れた。

現れた、そうとしか言いようがない。それまでそこには何もなかった。人の気配など微塵も感じなかったのだ。

「な、何、何なの?」
「初めまして、福原明日香さん。私、清水理沙と申します」
驚き慌てる明日香とは対象的に、理沙は落ち着いて自己紹介をする。

「アンタ、一体なんなの?アタシになんの用!」
「大野大輝の事で、貴女に伝えておきたい事があってきました」
「え、大輝の?」
それまで狼狽していただけの明日香が、その言葉で正気に戻ったように落ち着き、理沙を見る。
「はい、貴女には聞いておいてもらわなければならない話です」
そんな明日香をみた理沙は静かな声でそう言うと、ゆっくりと話を始めた。


695:吸精之鬼
12/01/18 17:51:59.31 DgYQQ3Em
話の内容、それは大輝が吸精之鬼となった事実と、吸精之鬼とは何なのか、と言うことだ。

その話を明日香は半信半疑のまま、聞いていた。
突拍子もない話で、現実的には信じがたい話だ。
だが、それを喋るこの女、彼女自体が現実的な存在ではない。

全てを話終えた理沙が静かに問う。
「そういうことです。お分かり頂けましたか?」
「そ、そんなの信じられるワケない・・」
明日香が懸命に否定の言葉を絞り出した。
そんな明日香に理沙は、
「信じるか、信じないかは貴女次第」
と冷めた言い方をすると、一転、厳しい口調になり、
「大事なのは貴女も取り込まれる危険がある、その事です」
と、脅迫めいた言い方に変わる。

一瞬の沈黙、その後にあったのは明日香の笑い声だった。
「可笑しいですか?」
「ハッハハ!可笑しいも可笑しくないも・・」
そこまで言うと、明日香はまた苦しそうになるまで笑った。

その笑いが落ち着いた時、ようやく理沙が言う。
「アンタの話を信じたとしてもさ、アタシと大輝がそんな関係になるワケないじゃん!」
「仮になったとしてもさ・・、アタシが一人の男だけで満足するって、有り得るワケないでしょう!」
そう言うと、明日香は再び笑い出した。

笑いが止む気配のない明日香に、理沙は表情を変えずに聞く。
「しかし、貴女は快楽主義者、危険性がある」
「確かにいとこ同士はカモの味ってのを聞いたコトあるし、それが本当なら、大輝は極上の味がするのかもしれないよ」
笑いと涙目を堪えながら、明日香が答えを続ける。
「それでもアタシは大輝に興味ないんだから!」
そう言い切った。

「いやあ、笑った!アンタが人間じゃないのはわかるけど、それは笑わせてもらったよ!アタシ、もう帰るけど、笑わせてもらったコトには礼を言っておくから!」
明日香はそれだけを言うと、後はもう理沙を振り返らずに帰路に付いた。


696:吸精之鬼
12/01/18 17:53:21.83 DgYQQ3Em
残された理沙に不快な感情はない。
今回は明日香への顔見せ、それが大きな理由だったからだ。

それ以外にも収穫はあった。
それは、笑いに隠した明日香の表情から、その本音が伺えた事、
また、明日香が自身の出生について、本人が知っている事が分かった事。
そこまで分かったのだから、充分な成果だったと言える。

この時の里沙はまだ、明日香という駒の動かし方を考えていた訳ではない。

697:吸精之鬼
12/01/18 17:58:25.78 DgYQQ3Em
投下終了です。


”母”について、本編では登場予定はありませんが、それでも不快に感じられる方がいるならお詫びします。
また、本編は妹、桜の話として読んで頂けると良いかと思います。


698:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:04:43.55 +LfW50Zv
風見キターーーーーーーーーーーーーーー
つまんねーSS書くなボケ。ビッチ大好きなんでしゅねw

699:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:06:02.68 7hGqSR/h
風見ワロタ

700:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:10:15.43 GKVhL/RB
>>687>>697
お二方GJ!
続き期待してます。

701:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:11:23.08 7hGqSR/h
>>700
風見自演乙

702:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:30:16.43 5ctwaZ8P
>>687>>697 GJです!
批判コメスルーで完結目指して頑張ってください!

703:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:32:21.40 jYALxzQ7
2作品ともgj
続き楽しみにしとるよ

704:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:32:34.74 +LfW50Zv
>>702
自演すんな糞風見wwwww
それに風見が作者じゃなくてもこの作品は糞だしな

705:名無しさん@ピンキー
12/01/18 18:54:38.10 AZ+nTeU8
そういえばみなさんは作品をどういった手順で創作していらっしゃるのでしょうか
教えてもらえると幸いです

706:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:00:35.21 GnFMmhwB
>>705
風見今更勉強しても無駄だよ

707:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:47:00.47 7+g3nK62
他人の作品を風見の作品と断定してアンチ装ってスレ荒らし
まぁその荒らしが風見なんだけど

708:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:49:21.42 LvsP+bn5
まず風見がなにか分からない
前々からいる荒らしなのか?意味がわからなくて反応できない

709:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:50:12.36 z1Z01Cjy
風見は昔からいる荒らし

710:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:55:15.42 gCO2jkc5
>>692
GJ!
ビッチは従姉妹なのか…
弟は主人公の事だな
従姉妹は姉じゃないからセーフ!

711:sage
12/01/18 20:24:28.70 Mh09AGNF
ヤンデレスレからでてきた荒らしがスレ潰しのイチャモンに風見の名前出してるだけ

712:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:26:15.75 z1Z01Cjy
はいはい風見乙

713:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:28:12.81 +LfW50Zv
>>711
うわあああああああ風見に自演攻撃だあああああ!!!!お前Yスレに寝取られSSで攻撃し破壊した後も飽きたらずにこのスレを潰す気か?!しょうがねえ風見が謝罪文を載せるまでここで風見闘争集会を開いて風見を倒すぞっ!!!

714:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:33:12.08 Mh09AGNF
sageミスした
スンマセン

715:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:34:56.52 z1Z01Cjy
>>714
風見さっさと書き手やめろ

716:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:52:55.81 alGr5XeH
荒れないように皆さん荒らしを無視しましょうね。

717:名無しさん@ピンキー
12/01/18 21:15:59.43 +LfW50Zv
>>716
風見自演すんな

718:名無しさん@ピンキー
12/01/18 22:42:20.59 C+8PbteC
ヤンデレスレから出てくるなや

719:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:01:42.06 P1iTsA//
>>717
帰れ

720:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:17:18.63 4vNYxSWH
さっきから叩いてる人同じだお

721:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:24:10.71 eeEYcSKY
単純な疑問なんだけど、風見って、複数人まとめての名称なの? 
だって、なんか小説の感想を書いてる人全てを風見だって断定してるけど、そんなのわからなくない?
風見だって決めつけられる根拠が知りたい…(もちろん風見って人の小説に感想書いているということ以外で)


722:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:28:44.39 wzjmIQb1
二作品の作者さん
乙乙!

723:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:34:44.49 z1Z01Cjy
>>721
風見の作品読んでみろすぐ分かるから

724:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:35:02.88 ahA0d1Yx
ここにぶちこみましょうスレリンク(housekeeping板)


725:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:14:27.99 jx9YL2op
>>724
これ見たら削除姉てのを思いついたぞ
キモ姉の神様がキモ姉達から荒し(泥棒猫)の報告を受け削除していくとか
姉史上主義世界での姉を侮辱する発言は全て封殺されるキモ姉の支配する世界とか

726:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:15:25.41 ZLQxRtmP
まあ反応しないのが一番いいさ
投下乙乙

727:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:19:49.50 m8kmmo2N
ID:wzjmIQb1=ID:ZLQxRtmP

728:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:29:10.97 +f10bE01
NGワードでスッキリ

729:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:37:59.68 4juk2Wnj
>>725
いい国だなぁ
疲れた姉に奉仕する慰安弟(実弟)はないんですかね?

730:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:38:40.98 ja21qV7j
二作品ともgj

ふと思った
なぜ質の高い作品は、血縁を重視してしまい、キモ姉妹はhappy endを向かえられないのだろう?
もしかして此処の方々は、以外と常識をお持ちで、心の中では近親はタブーだとわかっているのか…

僕ら親推奨派だよね?

731:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:40:20.82 ja21qV7j
X親推奨→○近親推奨
なんか変な意味にorz

732:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:48:51.09 jx9YL2op
ハッピーてのが姉妹にとってどんな物なのか?
廃人になった兄弟でも幸せなのか?
兄弟に心から愛されて幸せなのか?

733:名無しさん@ピンキー
12/01/19 00:55:54.87 NGUTjSaX
>>730
近親相姦のタブーがあるからこそのキモ姉妹だしね

あと、質の高い作品は~なんて発言は大勢の書き手に対して配慮に欠けてると思うよ

734:名無しさん@ピンキー
12/01/19 01:01:29.02 VJ8rs9gs
基本的に読む側は上からものをみるよな

735:730
12/01/19 01:28:55.61 ja21qV7j
>>732
愛し合うが故に道をたがうのは、やはり幸せでないのでは?
ロマンチストなのはわかっています

>>733
確かに失礼な記述でした、作家の方々すいません

X質が高い→○おもしろい作品?
…うまく表現できない…
稚拙な日本語ですいません

736:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 01:45:03.98 TYMCT2Sl
やろうと思えば3時頃に投下できると思います。4レス前後くらいで。
今書いていますので。

ですが、まとめて出してと言われましたがどうすればいいのでしょうか?
2レスだと確かに短いと思います。

範囲がわかりません。

あと、やはり書き続けるには習慣を作らないと書けなくなるので、2レスでも認めてもらいたいのですが。

737:名無しさん@ピンキー
12/01/19 01:56:58.53 0zRt2EOc
俺は別に2レスでも問題ないんだけど、やっぱり最低六~七レス。多くて十~十五レスぐらいはまとめて投下したほうが読みやすいかもな
後叩かれる原因とかにもなるからなるべくまとめて投下したほうがいいよ

738:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:06:00.59 U7CFv2YI
>>736
2レス程度で毎日投下はホントやめてほしい
>>737の言うとおり書き溜まってから十~十五レスぐらいになったら投下してくれればいいから

それに「書き続ける習慣」を作るんだったら、書いていれば毎日投下はしなくてもいいんじゃね

739:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:10:52.51 TYMCT2Sl
う~ん。どうしたらいいんだろ。今で5レスくらいです。内容は前回投下よりかなり濃いと思いますが。

>>733
俺は特に気にしないです。>>730も気にしなくて良いのでは。
読んで感想もらえるだけでいいです。

>>705
プロットを決めて書くだけです。
そのプロット考えるのも書く前に決めますが、
書きながらも考えて決めてますから。やり方はそれぞれなんだと思います。

740:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:20:14.01 0zRt2EOc
>>739
投下なんて人それぞれなんだけど、あまりに短いと断片的すぎて物語が頭に入ってこないからねぇ…

書けるとこまで書いて、いい区切りが見つかれば投下終了って感じ
基本的に皆投下する人は10レス消費とかそのへんだな


741:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:48:43.46 TYMCT2Sl
よくわからないので4~10の間をとって7くらい溜まってから投下します。

742:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:55:31.80 guaoNidq
>>741
また風見かよいい加減にしろ

743:名無しさん@ピンキー
12/01/19 03:54:22.33 FT641br7
レス数より内容だろ
話とか場面の区切りごとに分ける方がいいと思う

744:名無しさん@ピンキー
12/01/19 07:00:47.00 455IYbt6
風見さん、もう別の小説サイトで発表する方がいいかもね。

あと、風見風見と粘着してる糖質は
早く病院に行け。ウザい。気持ち悪い。

745:名無しさん@ピンキー
12/01/19 09:57:48.80 asNCox8U
>>744

ある意味その風見って人を宣伝してるつもりなのかもね。>>742
熱烈なファンとか?

いずれにしろ「糞構ってちゃん」だって事はわかるね。

746:名無しさん@ピンキー
12/01/19 10:24:18.06 0fEeDQwl
>>745
風見自演するな屑

747:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 11:50:12.98 TYMCT2Sl
投下します。

748:人格転生10 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 11:52:33.58 TYMCT2Sl
由衣と一緒に学校から帰ってきてからテレビを観ながらリビングでくつろいでいた。
ソファで俺の横になってウトウトしている由衣。
そろそろあいつとの交代時間か。

「由衣、眠いか?」
「ふぅ…う、うん…」
「そっか。でも日記はちゃんと書いとけよ」
「うん…んにゃむ…」

いつものようにリビングの棚にある真っ赤な日記に手を伸ばし今日の出来事について書き始める。
表情は眠そうだが真剣だ。こういう懸命なところは見てて可愛い。

「ふあぁ…また明日起こしてね、お兄ちゃん…」

そのままテーブルに日記を置いてソファに寝転がる。

「わかった。おやすみ」

そのまま眠りにつく由衣。
あいつを迎える準備をする。
と言っても気構えだけだが。

―こんばんわ、兄さん

由衣と同じ姿の妹が俺にそう呼びかけた。


 ~人格転生~


「ふわぁ…ご飯ですか?」
「ああ」

いつものようにあくびをしてから尋ねてくる。

「…食前?」
「そうだよ」
「わかりました」

起き上がりキッチンに向かおうとする。

「兄さんも一緒にするんですよ?」

目の前の冷静な口調で俺に問いかける由衣とまったく同じ姿をした人物。
由衣のもう一人の人格、美里由利(みさと ゆり)。
正真正銘の天才である。こいつは由衣と同じ姿形はしているが中身はまるで別物だ。
何しろIQテストなどの知能検査の類や学力試験で望みの点数を出せる能力がある。
高校受験の時は由衣に風邪ということで無理やり休んでもらって、特例の試験を夕方に受けさせてもらった。
まあ法律上は問題ないし同一人物だからいいのだろうが。

「わかってるって。でも昨日のカレーがまだあるぞ」
「捨てちゃいましょう」
さらに由衣の長所の運動神経などはほぼ変わらない。
だが由利が言うには細かいところも含めると運動能力に関しては由衣の方が上だとか。
前に由衣の撮影された体育祭のビデオを観てそう言っていた。

「もったいないだろ」
「いいんです。昨日は私が起きるのが遅かったら、作ってくれたんでしょう? あの子と一緒に」

749:人格転生11 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 11:55:06.52 TYMCT2Sl
由利は由衣のことを、あの子、と言う。このように性格も仕草も口調もまったく違う。
由利は由衣のような奔放さは一切ない。合理的で感情の起伏が少ない。

「だけど、まだ残ってるしさ」
「私は兄さんと一緒に作りたいんです。ダメですか?」

と言っても例外がある。俺に関することに異常な執着をみせる。
他人が見れば由衣もブラコンらしいが、それは当てはまらないと思う。
なぜなら俺は世話を焼いているだけだからだ。
当てはまるとすれば由利みたいなのを言うんだと思う。
由利は手段を選ばずに俺にくっついてくる。

「じゃあカレースパゲッティにしないか」
「そんなに私と料理を作るのが嫌なんですか」
「そうは言ってないだろ」
「麺を茹でるだけじゃないですか、つまらない」

まあ、その茹でるだけができない奴もいるけど。
膨れた顔をしているが、それも由衣とはぜんぜん違う。
もう髪のツインテールを外してストレートに下ろしている。
さっきキッチンに入るときも少しだが軽く化粧もしたりしていた。
表情も全く違う。由衣にはまったくない緊張感というのがある。

「サラダもつければいいんじゃないか?」
「なんで兄さんは簡単な料理を選ぼうとするんですか」

いったいどうしろと?

結局、予定通りカレースパゲティとサラダになった。

今、俺と由利はテーブルで食事をしている。
あのあと結局ぶつぶつ言いながらも由利と一緒に料理をした。

由衣と由利のことについて改めて考える。

 多重人格。正式名称、DID乖離同一性障害。

由衣と由利の病名だ。ちなみに戸籍上は由衣になっている。
多重人格は幼児期のトラウマで発症するものとされている。
トラウマから逃げるために別の人格を創りだす、と。
ただ由衣たちに限ってはこの説には当てはまらないと思う。

「兄さん、何を難しい顔をしてるんですか?」
「別に」

確かに初めは由衣だけだった。由利の存在に気がついたのは俺が物心付く前だった。
両親が死んだ時期と重なるが、それが由衣に影響を与えたとは思えない。
それだったら俺もなにかしか心に傷を負っているはずだからだ。
別に過去に何かトラウマがあったとも思えない。

「おかわりはいりますか?」
「ん、たのむ」
「はい。うふふ…」

小学生低学年の頃までは由衣の一人遊びだとおもっていた。
ちょっと性格がおかしなことになる時もあったが別に違和感なんかなかった。
そう、由利は「最初からいた」。変な表現だがこう表現するしかない。
そもそも由衣と由利のどちらが美里由衣なのかも疑問だ。
紛らわしいから「由衣」と区別するために「由利」という名をつけただけだし。

750:人格転生12 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 11:58:03.92 TYMCT2Sl
「ごちそうさんっと、さあてPCでもするかな」
「ごちそうさま、では私もやります」
「じゃ俺テレビみるわ」
「何が何でも私といたくないんですね」
「違うって。つか先に日記みろよ」
「あ、忘れてました」

そして二人が交代する時間が決まっている。
夜寝て朝起きるときと夕方に寝て起きた時だ。
交代がどういう仕組みで起こるのかはわからない。

「片付けはあとでしておきます」
「サンキュ」

このことを知っているのは爺ちゃんと俺だけだ。
両親が知っていたのかはわからないが多分知っていたんだろうと思う。
他のみんなは知らない。愛理やさつきちゃんたちも知らない。
由利も夜にあの子らに会うと、由衣の振りはするが、ほとんど喋らなくてニコニコ微笑んでるだけだ。


リビングに置いてある俺と由利の共用PCでネット巡回をする。
ちなみに由衣はPCを使えない。使うどころかまた破壊されてもおかしくない。
32型の液晶テレビも横にあるが、繋げているのでそちらでも見ることができる。

「兄さん」
「何?」
「この『きれいな人』って誰ですか?」

日記を見ながら由利が尋ねてくる。なんかイライラしてるみたいだ。

「知らない人かな…たぶん」

あの人のこと忘れてた。俺の勘が正しければ、明日来る家政婦さんの可能性が…

「たぶん?」
「ああ、知り合いになる可能性もあるから」
「どういうこと?」

でも由利のことだ絶対に反対するに決まってる。

「いや、ごめん。なんとなく会った気がしただけだからマジでよくわかんない」

誤魔化したほうがいいと判断する。まだ決まったわけじゃないし。

「デレデレしてたって書いてるわよ。それに愛理さんとさつきともずいぶん仲がいいみたいね」
「まあ仲はいい方だと思うが」

由利も愛理とさつきちゃんと会ったことはあるから面識はある。
彼女らとの付き合いは俺たちが高校に入ってからなのでバレていないはずだ。
夜に二回ほど会ったことがあるが微笑んで一言もしゃべらずに誤魔化していたし。
でもあのふたりはかなり勘がいいから、家に招待したら100%に近い確率でバレるだろう。
固定電話も俺が取るようにしてるし、由衣の携帯のデータには俺しか入れてないしチェックもしている。

「ほら、あの子からのメッセージもあるわよ」

由利が日記を俺に見せてくる。由衣たちにプライバシーというものはない。

「えっと…」

751:人格転生13 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 12:04:25.45 TYMCT2Sl

おにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好き
おにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好き
おにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好き
おにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好きおにいちゃん大好き
おにいちゃん大好きおにいちゃん大好き…

5行ぐらいに下手な字で書かれているのが目に付く。引くよなぁ。
でも由衣が書くとヤンデレ風というより、小学生を相手に見てる気になってむしろ微笑ましくなってしまう。
あとは普通に今日の出来事が書かれていた。

「私も負けないように書こうかしら」
「なんて?」
「兄さん愛してるって。あの子は31回書いてるから私は倍の63回書くわ」
「やめてくれ」
「冗談よ」

マジで洒落にならない。由利が書くと達筆だし本気でドン引きするだろう。
俺たちはテレビを観てから寝る準備を整える。

明日は土曜日で休みだ。たぶんあの人が来るんだろうな。
朝に来るか夜に来るかで違う対応を取らないといけない。
どうすればいいんだろう。その理由である由利に目をやると訝しげにこちらを見た。

「どうかしましたか」
「なんでもない」

ホントどうしたもんか…

752:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/19 12:05:50.45 TYMCT2Sl
投下終了です。

753:名無しさん@ピンキー
12/01/19 12:21:05.93 Uyc6WWzD

書き手の好きなように投下するのがいいよ

754:名無しさん@ピンキー
12/01/19 12:29:54.13 dqf4eiIe
多重人格キモウトか・・・
一粒で二度おいしいな

755:名無しさん@ピンキー
12/01/19 12:47:15.01 F55tpOYv
>>752
風見駄作投下すんなカス

756:名無しさん@ピンキー
12/01/19 12:53:07.94 jx9YL2op
GJ
多重人格妹でキモサ2倍
続き楽しみです

757:名無しさん@ピンキー
12/01/19 13:10:57.53 aG0SWYgv
>>752
乙乙


758:名無しさん@ピンキー
12/01/19 19:07:16.49 Q2yEt/q6
>>752
GJ

759:名無しさん@ピンキー
12/01/19 19:09:20.44 m8kmmo2N
風見自演して
GJ、乙乙だらけじゃん

760:名無しさん@ピンキー
12/01/19 22:18:57.55 lRCvLY4L
gj
なかなか味がある作品でびっくりだわ


風見はこれなんかよりも全然酷いw

761:名無しさん@ピンキー
12/01/19 22:21:14.28 JvSq4Kn5
風見死ね屑

762:名無しさん@ピンキー
12/01/19 23:01:59.50 rh+cAYVZ
>>752


お約束すら守れない輩のレスなんて、
気にせず、がんばってくれ

763:名無しさん@ピンキー
12/01/20 01:29:12.25 +mYekHRM
gj
多重人格キモウトとは楽しみ
人格色々あるキモウトとか最強だろ

764:名無しさん@ピンキー
12/01/20 01:33:48.06 YK2ZdqQw
>>739 レスありがとうございます


765:名無しさん@ピンキー
12/01/20 10:01:48.84 lDIX1Eog
風見氏ね

766:名無しさん@ピンキー
12/01/20 11:10:31.38 SbFWsb5C
GJです。
アホの子だと思っていたら別人格があったとは。
ですが31回の倍でしたら62回なのでは?

767: ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 11:44:28.21 ETtsFxCZ
由利は無意識に2進数で考えているようです。
でも正確な答えじゃないですね。
指摘ありがとうございます。

11111 = 31
111111 = 63

早ければ今日。明日には投下できると思います。
60行で4レスか5レスが一話の区切りになると思います。

768:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:00:21.36 ETtsFxCZ
投下します。

769:人格転生14 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:02:14.76 ETtsFxCZ

朝が来た。ベッドから起き上がる。支度をしてから由衣を起こしに行かないといけない。
ああ鬱だ。あの家政婦さん来るんだよな。帰って下さいとか言えないよな。
どうするどうするどうするどうするどうする
どうするどうするどうするどうするどうする
ああ昨日の由衣の思考が移った。マジでどうしよう。

爺ちゃんからは絶対にうちで働いてもらうように言われている。
なんでももう契約済みだとか。そして信用度もお墨付きらしい。
どの筋からなのかは言わなかったが、とにかくプロ中のプロらしい。

今日は休日だし由衣は起こさないでいいか。ほっておこう。

ん? リビングから声がする。

なんだ泥棒か!

急いでリビングに行く。

「いや~それでね。お兄ちゃんったらさ~愛理さんに怯えちゃってたの~」
「はは、そうなんですか。でも、お嬢様も面白い方ですね」
「そうかなあ、お兄ちゃんほどじゃないよ」
「それで、続きを聞かせて下さいませ」
「なんだったっけ?」
「お兄様が怯えながら愛理様になんと言ったのですか、です」
「そうそう、あのね…」

俺はリビングに入った瞬間コケた。
まるで芸人のように鮮やかに前へ倒れた。
単に足が引っかかったんだけど。

「おはよう! お兄ちゃん!」
「おはようございます、ご主人様」

開いた口が塞がらない。
いったい何が起こってるんだ? 眼の前でお茶してるふたりはなんなんだ?
そもそもなんで由衣が起きてる? 今日は台風か?
それにメイド服を着たポニーテールにカチューシャの女性は誰なんだ?

「お兄ちゃん。おはよう、は? お・は・よ・う」
「ちょっと来い」

俺は由衣を引きずってキッチンの奥に連れ込む。

「えへへ、どうしたの?」
「えへへじゃねぇ! なんで起きてんだよ!」
「起こしてもらったの」
「誰に?」
「あの人」
「あのメイドさんか?」
「うん」

ゆっくりと由衣を問い詰める。

770:人格転生15 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:03:26.41 ETtsFxCZ

「どうやって起こしてもらったんだ?」
「外から『きーん!』って音がしたから起きた」
「それから?」
「窓開けたらあの人がにこにこ笑ってた」
「で?」
「玄関向かって指さして、こっちに向いてウィンクしてた」
「それで玄関のドアを開けた、と?」
「うん!」

由衣は満面の笑みで頷いた。

「うん、じゃねー!!」

由衣にチョークスリーパーをかけた。

「ぐぐぐ…ぐるじい…やめで…!」

ちょっと弱めてやる。

「お前な、もしあの人が強盗とかだったらどうすんだよ」
「ぜぇぜぇ…そ、それはないよ」
「なぜだ?」
「だ、だってメイドさんだもん」
「は?」

言ってる意味がわからない。とうとう頭逝っちゃったか? 元から逝ってたけど。

「メイドさんが泥棒なわけないよ」
「ちょっと待て。メイド服着てたのか?」
「うん」
「朝っぱらから?」
「うん、日の出だったから綺麗だったよ」

想像してみる。朝焼けを背に家の前で佇むメイドさん。シュールな光景だ。
だが、そんなことはどうでもいい。

「俺が問題にしてるのはお前が知らない人を家に上げたということだ」
「知ってるよ」
「はぁ?」
「昨日ぶつかった人」
「…」

言葉を失う。俺は由衣を羽交い締めにしつつ、そーっと首を伸ばしてリビングを伺う。
こっちを向いて微笑んでる。その姿を観察する。こちらに会釈してきた。
俺もガン見しつつ会釈を返す…確かに昨日のあの人だ。気が動転してて気づかなかった。

「おい」
「なになに?」
「おまえにちょっと質問がある」
「いいよーでも腕どけてー」
「おまえの返答による」
「あうう…早く言ってよぉ」

771:人格転生16 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:04:25.11 ETtsFxCZ

今日はあの人だったからまだいいが、別の人だったら大問題だ。
こいつが下手したら強盗でも来客として招待する可能性がある。

「よし。今日の例に例えるぞ。スーツ姿のイケメン君が朝方に玄関のドアの前でウロウロしていたとする」
「イケメンってお兄ちゃんみたいな?」
「何気に嬉しいこと言ってくれるな。今度小遣い増やしてやる」
「やったあ!」
「話を戻す。そのイケメンスーツ君が困ったことがあるから玄関を開けて欲しいと、由衣に言ってきた。さあ、どうする?」
「う~ん。なんで玄関を開けて欲しいのかな?」
「家の財産が目的かも知れん。だが純粋に何か困ったことがあるのかも知らない」

つーか質問を質問で返すな。余計に難しくなるだろうが。主に出題者側が。
これはお前の防犯意識を計るテストなんだ。

「ドア越しで話してみるよ」
「そうか」

なんでコイツはここまで質問にのめり込めるのだろう。

「そいつは財布を無くしたから電車賃を貸してくれと言ってきている。どうする?」
「うーんうーん…! 開けないっ!」
「おお偉いぞ! 兄ちゃんは嬉しい!」
「やった! あたし勝ったんだね!」

由衣は万歳している。アホだなあ。

「でもその人はこう言ってきたんだ『俺、俺だよ、ここ開けてくれよ』」
「えぇっ? 俺って誰?」
「『君の兄だ』と言ってる」
「ええ!? 早く開けて助けないと!!」
「アウトーッ!!」

側にあったスリッパで思いきり由衣の頭をはたく。スパーンという音がした。

「あうぅ!!」
「なんで一瞬でオレオレ詐欺に引っかかってんだよ。相手は『君』って言ってるだろ。俺がおまえを『君』って言ったことあるか?」
「うう、ない…ぐすん。うえぇん、ええぇぇん…」

ヤバイ、本気で泣かせてしまった。リビングからの視線も気になる。

「ごめん。言い過ぎたよ。今度からは気をつけてくれたらいいんだ」
「ぅぅ…違うよ…お兄ちゃんを間違えちゃった自分が恥ずかしいの…ぐす…えぇん…ごめんなさい」
「いやだから、悪いのは俺だから。第一、俺だったら声でわかるもんな」
「うぅぅ…でも…」

全力でフォローするしかない。確かに質問も曖昧だった。マジですまん。

「今日はさ。これからのこともあるし、あのメイドさんと3人で紅茶とケーキ買ってきて家で家族会議…じゃなかった、楽しくおしゃべりしようぜ。ほら、クオリアのケーキ買ってきてさ」
「う…うん、わかったよ…ぐす…でもそのケーキ今食べてるよ」
「へ?」
「メイドさんが持ってきてくれたから一緒に食べてたの」
「…そ、そうか」

もう驚かない。驚かないったら驚かない。
俺は由衣の手を引いてリビングに顔出した。

772:人格転生17 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:05:27.97 ETtsFxCZ

「あの…はじめまして。美里良也と妹の由衣です。よろしくお願いします」

そう言うとメイドさんは椅子から立ち上がり深々とお辞儀をしてから髪をかきあげながら顔を上げた。

「はい。改めて紹介させていただきます。姫乃メイド協会から参りました如月薫(きさらぎ かおる)と申します。こちらこそよろしくお願い致します」
「…姫乃メイド協会? …姫乃?」
「わーい! メイドさんだメイドさんだ!」

由衣は喜んでいるが。俺はそのメイド協会とやらの名前に引っかかった。
あと如月にも…

「おい由衣」
「なぁにお兄ちゃん」
「ちょっとメイドさ…如月さんと話させてくれるかな?」
「うんいいよ」
「じゃあテレビでも観ててくれ」
「うん」

俺はキッチンの上のリモコンを操作して土曜の朝の子供向け番組にチャンネルを合わせる。
ちなみにリビングの方は32型だがこちらは26型のテレビ専用だ。音量を少し小さめに設定する。

「あの、如月さん」
「はい、ご主人様」
「すみません、とりあえずご主人様はやめてもらえませんか?」
「はい、では坊ちゃまで」

背筋がひやりとした。勘弁してくれ。

「いえ、それもやめてもらえると」
「では良也様と」
「それも」
「良也さん」
「うーん、普通に良也でいいですよ」
「雇用主に対して呼び捨ては困ります。敬意を持って仕えさせていただく身としては呼び捨てとは大変失礼に当たるかと存じます。それにわたしにもプロ意識と言うものがあります。そのへんを考慮に入れて貰えたら大変嬉しいのですが」
「でも、ご主人様はちょっと」
「では良也様と」
「わかりました。それでいいです」

この辺が妥協点だよな。ってなんか凄い妥協させられたような気がするんだが気のせいか?

「あと、こいつのこともお嬢様とか呼んじゃダメですよ。つけあがりますから」
「了解致しました。由衣様とお呼びします」

由衣はテレビに集中している。確か料理戦隊マイだったか。よくこんなに必死になれるもんだ。まあ確かに主人公のマイは可愛い。きっといい子役を使っているんだろう。

「爺ちゃんから聞きました。俺の学業の負担を軽くするために来てもらったとか」
「さようでございます」
「どの辺りまで聞いてるんですか?」
「とおっしゃいますと?」

言いにくいなぁ。この人もかなりやりにくい相手だ。
由衣の人格について知ってるか聞きたいがどう聞けばいいんだろう。
くそ。でも住み込みで働くと契約済みらしいから隠しても仕方ない。

ふとテーブルを見ると赤い日記が目についた。
ケーキの箱が大きくて視角になり見えなかったのだ。
俺は日記を手に取る。

773:人格転生18 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:07:23.45 ETtsFxCZ
こういうときだけ律儀に読むなよ! こいつ朝は読まない日の方が多いのに。
昨日も読まなかったはずだ。由利との交代で支障がでる場合があるため毎朝読むように言ってあるが、普段は忘れることが多いのだ。帰ってきてから書くときだけ読むことがほとんどである。

「由衣はこれ読んで何か言っていましたか?」
「いいえ特に。何かとはなんでしょうか」
「例えば夕方や夜のこととかを…」
「特に聞いておりませんが」
「そうですか」

ため息をつく。なるほど由衣も少しは考えているらしい。見直したぞ由衣。

「あ、そういえば『由利ちゃんはなんで怒ってるんだろう』と言っていました」

前言撤回。楽しそうにテレビを見てる由衣をグーで殴りそうになる。
由利は絶対に反対するぞ。どうすんだよ?
ああ、もう話すのも面倒くさい。嫌でもわかるんだから夕方まで黙っておこう。
ここで話しても由衣がいるし余計な混乱を招くだけだ。

「それと如月さん」
「薫と及び下さい」
「じゃあ薫さん」

今度は話術に引っ張られないぞ。

「なんでしょう」
「そのメイド服どうにかならないんですか?」
「何か問題でもございますか」

そう言って自分の服を見る薫さん。
完全にコスプレというより完璧な洋式のメイド服。
カチューシャに黒のタイトな服にエプロン。
しかも綺麗な人なのでその道の人が見たら萌え死にしそうだ。

「ああ、和装の方が好みでしたか」
「そういう問題じゃありません!」

いや、それも見たい。見たいけどダメだろうそれは。
今日もその格好で朝に家の玄関にいたらしいし。
とにかく目立つのはまずい。

「もう少し普通の服はないんですか?」
「ああ、なるほど」

薫さんは服を脱ぎだす。

774:人格転生19 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:08:44.49 ETtsFxCZ

「だああああああ!! なにしてんすか!?」
「落ち着いて下さい。エプロンを取っただけです」
「あああ…びっくりさせないでくださいよ」

ああ。寿命が縮まる。

「お兄ちゃん、うるさいよぉ」

テレビを見ながら由衣に注意される俺。
俺、なんか悪いことしたかなぁ?
あとでいじめてやる。

「これでどうでしょうか」
「あ。確かに普通ですけど、メイド…服…ですよね?」
「ええ。でも外に出ても違和感はないでしょう」

まあ確かに。ひらひらの白いエプロンと派手なカチューシャを少しカジュアルな白いブラウスとシックなカチューシャに変えただけだがずいぶんと印象が違う。
それでもメイドの体裁は保ってる。なんかこだわりでもあるのかな。

「あのそれでは本日より家事を承らせて頂きます」
「あ、はい。お願いします。それでは家を案内します」
「お願い致します」
「そんなかしこまらなくていいですよ」
「はい。ありがとうございます」

結局その場は収めて薫さんに家の案内する。
夕方のことを考えるとさらに欝になるのだった。
由利は怒る。絶対怒る。どうしよう。

775:人格転生 ◆qtuO1c2bJU
12/01/20 17:09:31.55 ETtsFxCZ
投下終了です。

776:名無しさん@ピンキー
12/01/20 19:21:36.84 c4XtiXzW
風見死ねでちゅ

777:名無しさん@ピンキー
12/01/20 19:32:04.71 RqsyaoUj
seyana

778:名無しさん@ピンキー
12/01/20 19:56:11.12 K9OZ1Vcg
>>774GJ!
もう一人の妹がどう思ってるのか…

779:名無しさん@ピンキー
12/01/20 20:05:00.01 E/93C8hz
>>775
風見断筆宣言はやく

780:名無しさん@ピンキー
12/01/20 21:48:58.51 VnetyCIA
自演が痛々しいな…本人どんな気持ちなんだか

781:名無しさん@ピンキー
12/01/20 22:19:58.46 aMaKIUIr
>>775
投下乙

>>780
キモウトに監禁されたいんだよきっと

782:名無しさん@ピンキー
12/01/20 22:23:03.29 bzFTK9FI
>>768
GJです。
掲示板荒れるから、名前出すのやめない?

783:名無しさん@ピンキー
12/01/20 22:27:54.22 RqsyaoUj
風見の自演だらけだな

784:名無しさん@ピンキー
12/01/20 23:58:09.26 K9OZ1Vcg
優しい姉が弟に女が近づくと豹変するとか良いよね

785:名無しさん@ピンキー
12/01/21 00:52:22.10 5kkzF1Qm
サキュバススレにキモ姉出現

786:名無しさん@ピンキー
12/01/21 01:21:56.74 DFb+2tRD
サキュバスでキモ姉とか胸熱
きっとついついチャームで弟くんを性奴隷にしちゃうのかな

787:名無しさん@ピンキー
12/01/21 03:32:45.24 j8rSkKB3
>>782
釣り?

788:名無しさん@ピンキー
12/01/21 10:34:00.99 yIYc+APs
>>775
乙乙!

789:名無しさん@ピンキー
12/01/21 11:34:40.32 /j24/NwV
ガキは投下が無くならなきゃわかんないのかよ

スルーできる住民素直に尊敬するわ


790:名無しさん@ピンキー
12/01/21 14:56:20.09 YBIl1zqo
ちょっとサキュバススレ行ってくうわなにするやめろ姉ちゃ

791:名無しさん@ピンキー
12/01/21 14:59:52.07 XpRRIb+A
おい!>>790がヤラれたぞ!

792:名無しさん@ピンキー
12/01/21 21:53:19.76 xq+VMTRF
風見にか?

793:名無しさん@ピンキー
12/01/21 23:10:06.30 omw0sM6V
ツンデレキモ姉とか良いよね
いつもツンツンしてるのに弟が他の女と一緒だと嫉妬しちゃうんだよ
それでもツンツンしちゃって弟に恋人と聞い日の夜中に部屋に入ってきてキモクデレるんだ


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch