キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40at EROPARO
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40 - 暇つぶし2ch200:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:38:32.98 v9tMIho3
 
(やれやれ……)
 心中に呟きながら、自らの裸身に絡みつく妹の手足を外し、寝間着越しに背中に押し付けられた薄い乳房から身を離して、立ち上がる。
 妻でなかったのは意外であったが、それでも夢見心地に菊座や男根に愛撫を受けたような感覚は、確かにまだ彼の記憶に残っている。だが―それでも、その触肉の名残は錯覚であったと判断せざるを得ない。
 さもなければ、天女のようなあどけない寝顔を晒すこの妹が、お濃や犬千代を思い出させるほどに濃厚な愛撫を睡眠中の兄に施した、ということになるからだ。
(そんな馬鹿なことがあってたまるか)
 さすがの三郎といえどもそう思う。
 兄に肉欲を抱く妹など、いかに戦国乱世といえど聞いたこともないからだ。
 すると、ようやく目を覚ましたのか、少女の細い声が聞こえた。

「あにうえさま……おはようございます……」

 まだ完全に意識が覚醒していないのか、のろのろと身を起こしながら市は焦点の合わない瞳を三郎に向けていたが、その瞬間、彼女は頬を赤らめ、うつむきながら口を開く。
「も、申し訳ございません兄上……」
「い、いや、こっちこそ、済まぬ」
 三郎も反射的に妹に背を向ける。
 彼女が、起き抜けにいきり立った三郎の股間を目撃したのは間違いない。そして、普段ならばむしろ勝ち誇るように余人に勃起を見せ付けるような三郎も、彼らしくない羞恥に身を包みながら、うつむかずにはいられない。
 しかし、それも無理はないだろう。
 頬を朱に染めながら、それでも上目遣いにこちらを見つめる市は、まさにこの世ならざる美しさに輝いていたからだ。


/////////////////

「入りますよ殿」
 と言いながら、少女は返事を待つことも無く、からりとふすまを開けて彼の居室に入る。
 そこでは、三郎が朝餉の膳を食べながらも、書見台の本をめくっていた。
(あらあら、相変わらず無作法な)
 そう思いながらも、少女は口元に浮かぶ笑みを抑え切れない。
 勿論それは嘲笑ではない。
 たとえ世間的にはどれほど無礼・無作法に見えようが、彼の行動には、つねに彼なりに追求された美意識や合理性が含まれていることを少女は理解しているからだ。
 たとえばこの場合は、口では食を摂りながら、同じ時間内に読書という頭脳労働をすることで、二つの行為を別々に行う場合にかかる時間を節約しているつもりなのだろう。

 また、それは食膳の品ひとつとっても変わらない。 
 彼の食膳に並ぶ煮物や煮魚は、色が変わるほどに味噌や醤油で煮込まれており、素材の味を可能な限り殺さず活かす京料理を上品とするならば、まさに悪趣味と呼ぶほどに濃厚な味付けのものばかりである。 
 少なくとも朝っぱらからこんなものを喜んで食べる人間は、彼の家族にはまずいないはずだが、彼は違う。おかずの味が濃ければそれだけめしが進む。結果、少ない副食物で満腹になり、その分の食材を節約できるというのが三郎の理屈なのだ。
 もっとも、当時の上流階級が好む京料理の馬鹿馬鹿しいまでの薄味にどうしても馴染めぬ三郎―信長が、この種の味付けに、おのれの嗜好と相容れぬ世俗の象徴として憎しみさえ抱くようになるのは、また後代の話であるが。
 しかし、好物のはずの煮魚をおかずに丼めしを口にかきこみながらも、少年の顔は冴えない。それは珍しい眺めであったと言わねばならないだろう。


201:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:40:30.12 v9tMIho3

「あらあら、今朝の殿は何やら御不興のようですこと」

 そう言いながら彼女は、ころころと玉を転がすような笑顔を見せる。
 三郎の気性の激しさを知る家臣や侍女たちならば、こんな揶揄するような口を彼に利くことはまず在り得ないが、それでも少女は口元に浮かべる笑みを消そうともしないし、そして彼も、そんな彼女を咎めもしない。
 なぜなら、この少女こそが―彼の妻たる女であったからだ。


「お濃か、早いな」
「おはようございます殿。しかし、相変わらず帰蝶(きちょう)とは呼んで下さらないのですね」
「美濃の女ならばこそ、お濃と呼ぶ―当たり前のことであろうが。そんなことより犬千代たちはもう揃っておるか?」
「はい。前田様、池田様たちがいつものところで、すでにお待ちでございます」
「待たせておけ」
「また朝から水練でございますか?」
「水練などというものではない。ただの水遊びじゃ」
「そろそろ風も冷たい季節でございましょうに」
「体が冷えれば相撲でもして暖を取るまでじゃ」
「あらあら、まったく殿方のお遊びというのは乱暴ですこと」

 そう含み笑いをしながら彼女―帰蝶―いや、濃姫はぺたりと三郎の隣に腰を下ろす。
 夫と呼ぶにはあまりにも腕白丸出しの子供っぽい三郎であったが、それでも少女にとっては愛しい伴侶であることには間違いない。
 いや、むしろ「美濃の蝮」とよばれた梟雄を父に持つ彼女としては、この少年は、いかにも小賢しげな利発さが顔に出すぎた彼の弟の勘十郎などより、よほど好感の持てる存在であった。
 が―その清々しいまでに直情的な腕白坊やが、今朝に限っては屈託ありげな顔を隠さない。

「で、どうなされたのです殿、朝から何か御不快なことがあったのですか?」
 そう訊かれて、三郎はじろりと濃姫を見る。
「そんなに俺は険しい面をしておるか」
「はい。まるで素足で油虫でも踏みつけたかのような」
 そう言って彼女は微笑み、三郎もようやく苦笑いを浮かべた。
 

「市が、また俺の寝床に潜り込んで来た」


 あらあらまあまあ、と濃姫は口元を押さえて目を瞬かせた。
 むろん彼女は、絶世の美少女たるその義妹を知っている。
 しかしそれでも、彼女が常に浮かべている柔和な微笑が消えることは無い。なぜなら妹が兄の布団に潜り込んだというだけの話ならば、それはむしろ兄妹の微笑ましい仲を示す罪なき逸話のはずだからだ。
 だが、三郎は瞳にはふたたび沈鬱な光が宿る。

「あやつが俺の臥所に忍んで来たのは、これが三度目じゃが、どうもその度に奇妙なことが起こってのう」
「奇妙?」
「うむ。おかしな夢を見る」
「夢、ですか?」
「うむ、夢じゃ」


202:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:42:21.63 v9tMIho3

 そう言いながらも三郎は照れたようなしかめっ面のまま、その夢については説明しようとしない。
 まあ、さすがに彼といえど、他人に背中から犯される夢を見たなどと言えるものではないのだろうが、それでも濃姫は聡明である。彼が敢えて口にせぬという事実と、その含羞の表情から、その夢とやらのおおよその内容が想像できてしまった。
(なるほど、つまりそういう夢だということですのね……)
 濃姫の微笑が苦笑に変わる。
 この、人並みはずれて気位の高い少年をからかうのも楽しいが、それでも限度というものがある。これ以上、彼から言葉を引き出そうとするのは無粋というものであろう。
 
「夢を見るというだけならば別に問題は無いように思えますが……でもまあ、それが殿の御心のうちを悩ませるというのならば、わたくしから市姫様に、もう殿の寝所には勝手に行かぬように申し聞かせておきましょう―それで宜しゅうございますか?」

「うむ、助かる」
 三郎は素直にうなずくと、そのまま味噌汁を飲み干し、箸を置いた。

 
///////////////

 お市は窓の外に熱っぽい視線を向けている。
 といっても、眼下に広がる那古野の城下に彼女が見るべきものなど何も無い。
 彼女の視界の焦点は、下帯一丁になって川べりで戯れる数人の少年たち―その中の、ただ一人のみに向けられていた。

 そこにいたのは彼女の兄―織田三郎。

 彼はこの家にとっては三男坊であるにせよ、正室の子―つまり嫡出であるために、父の正式な後継者であると認められていた。だが、その母や弟、さらに家臣たちから兄がどのような眼で見られているのか、お市は十分に理解している。
 だが、そんなことは少女にとってはまったく関係の無いことだった。
 そういうこととは全く別次元のところで、彼女は兄を愛していたからだ。
 この感情がいつ以来のものなのか、実はお市自身にも分からない。
 分からない、というよりも思い出せない、と言った方が正確であるかも知れない。
 それほどまでに以前―おそらくは物心ついた当時から、彼女は兄に惹きつけられていたのだろう。

 何故、もしくはいつから、などという己の慕情の起源をたどる事など彼女にとってはどうでもいい。
 むしろ考えるべきは、あの兄に、いかにして自分の恋を受け入れさせるかという事であろう。この妹の思考法は、三郎に似て、あくまで前向きかつ具体的だった。
 むろん兄と妹が契りを交わすなど、いくら乱世といえどもあってはならない醜聞だ。普通に考えれば、三郎がお市の想いを受け入れるなど在り得る話ではない。
 だが、その点では彼女はむしろ楽観的だった。非常識という点では、およそ彼女の知る限り兄の三郎以上の存在はいない。ならば、たとえ世間一般でいかに禁忌を謳われようとも、一度欲しいと思ったものに手を伸ばすことを躊躇するような兄ではないはずだ。
 つまりそれは、女の魅力を磨いてさえおけば、兄はいつの日か必ずや自分に手を出すであろうという事を意味している。お市は自分の外見が世間的にどれほどの価値を持っているか、ちゃんと認識していたからだ。

 そういう意味では、お市もまた、三郎と同じく常識を逸脱した少女であったかも知れない。
 いまだ彼女は十二歳。満年齢に換算すれば僅か十歳の少女に過ぎない。
 だが、彼女の胸のうちに宿る恋の炎は、単なる耳年増の一言で済ませられる程に矮小ではなかった。


203:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:45:08.52 v9tMIho3

 お市は妾腹の子ではない。三郎と同じく、父の正室たる土田御前の娘である。妾腹の子ならば、家臣の誰かに降嫁することもあろうが、嫡出ならばそうはいかない。
 近攻遠交の鉄則に従い、他家との同盟のために、いずれ遠からず自分が嫁に出され、そこで恋しい兄とは似ても似つかぬ馬の骨に抱かれて子を生まねばならない運命についても、彼女は充分に理解していた。
 つまり、自分に時間が無いということをだ。
(まあ、それでもまだ数年くらいは猶予があるでしょうけど……)
 そう思いながら、お市の視線には徐々に険しいものが含まれてゆく。
 それはつまり、その数年の間に結果を出さねばならないということだからだ。

 兄と通じ、兄の子を宿し、兄の子を生む。
 いわば俗に言うところの「傷物」になってしまえば、たとえ父といえどもそう簡単にお市を嫁には出せなくなるだろう。
 何よりその時点ですでに兄の愛情を獲得してしまっていたなら、お市がこの家を去らねばならなくなる確率は、さらに低下するはずだ。なにしろ兄はいずれ、父・弾正忠信秀に代わってこの織田家を継ぐべき人間だからだ。

 だからこそ彼女は行動に出たのだ。
 睡眠中の兄に性的な刺激を与え、その快楽を無意識下に刷り込むという行動に。
 すでに昨日の夜で、彼女の「夜這い」は三度目になるが、兄の肉体がお市の与えた愛撫に快感を覚えていることは、彼の反応を見れば分かるし、その快感を、起床時に見るお市に結び付けているのも分かる。
 初体験どころか初潮すらも未だ迎えていないお市ではあるが、世評でいうところの「肉悦」なるものがどういうものであるかは、侍女や家臣たちに聞いて、彼女はすでに充分すぎる知識を入手している。
「そういう夢」を見た翌朝に、おのれの布団に共に朝を迎えた女がいれば、たとえその女を抱いていなくとも―むしろ抱いていなければこそ―意識するようになるのは自明の理である。
 そういう結論を、すでにしてお市は得ているのだ。

 兄が余人に伽を命じず、一人で眠る夜というのは、実はさほど珍しくは無い。
 夜明けから日暮れまで、お付の少年たちを引き連れて、真っ黒になるまで駆け回り、遊びつくす三郎は、食事と入浴が済めば泥のように熟睡してしまうことはよくあることなのだ。
 ならばこそ機会はこれからもいくらでもある。あるはずだった。
 しかし……。

 お市の奥歯がぎしりと音を立てる。

 兄の寝込みを襲ったのは、これで三度目だったが、それでも彼の態度が変わることはなかった。
 三郎は、あくまでお市を妹として遇し、それ以外の視線などちらりとも寄越さなかったのだ。
 なるほど、確かに今朝は珍しく頬を染め、視線をそらす兄というものを見た。だがそれは、あくまで兄妹のスキンシップの範疇を出るものではない。
 むしろ兄の性格を考えれば、その行動はお市が望むものとは正反対のものだと言うべきかも知れない。あの兄は、おのれが情欲を感じた女には、逆に喜んで勃起した男根を見せ付けるであろうし、その女の肌を見て目を逸らしたりなどするはずがないからだ。


204:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:48:12.03 v9tMIho3

(どこかで間違えちゃったかなぁ……)
 そう思いながら、。お市はちらりと視線を下にやる。
 彼女の袂(たもと)が窓から入る風になぶられ、ゆっくりと揺れている。
 そこには昨夜、兄の尻を貫いた木彫りの張型が入っているのだ。
 勿論それは、男にしか為し得ない「挿入」という快感を発生させることで、兄の記憶を混乱させる―などという下らない目的のためではない。
 兄の菊座は、陰茎と並ぶ彼の最大の性感帯であると聞いていた以上、お市からすれば、たとえ僅かであっても、兄により多くのエクスタシーを与えるために、その箇所を責めるのは当然の行為だったからだ。

 だが、それと同時に、ある懸念がちらりと彼女の頭をよぎる。
(もしも兄上の本当の意趣が、女ではなく男なのだとしたら)
 その想像は彼女の背筋を寒くするが……すぐさま否定し、苦笑する。
 衆道の習慣は一般に広く認められたものではあり、兄もその例に漏れず夜伽童を愛でる趣味を持っているが、それでも兄がこれまで手を付けた女の数や、何よりあの濃姫の様子を見れば、兄が女より男が好きだなどという想像は、まず成立しないことは分かる。
(やっぱり、あの蝮の娘が嫁に来てからよね……おかしくなったのは)
 が、そう思うとともに口元の苦笑は消え、お市の眉間に深い縦皺が走った。
 幸せそうに三郎に寄り添う、その女の顔が頭に浮かんだから―というだけではなく、背後の足音とともに、その女独特の花のような体臭がお市の鼻に届いたからだ。


「あらあら、こんなところにいらっしゃったのですか市姫様」


 振り向くと、案の定そこには例の女―嫂(あによめ)がいた。
 あるかなしかの微笑をつねに口元に浮かべ、見る者の心をホッとさせるような雰囲気を持つ女性―とはいっても、年齢的には兄と一つしか変わらぬ少女に過ぎないのだが、彼女はお市と違い、すでにして成熟した人妻の空気を発散している。
 すでにお市は先程までの怒りを完全に表情から消し去っており、いつものように、にっこりと太陽のような笑顔を向けると、ぺこりと頭を下げた。

「おはようございます帰蝶様―あ、濃姫様とお呼びした方が宜しいですか?」
「駄目です。義姉(あね)上もしくは帰蝶とお呼びなさい」
「はい、義姉上様」
「よろしい。これからは気をつけるのですよ?」

 そう言って二人はくすくすと笑い合う。
 無論お市は、その心中までは笑っていない。この女が自分を「お濃」と呼ばせるのは、あくまでも三郎だけなのだ。あたかもその「特別な名」を呼んでいいのは夫一人のみの権利であると言わんばかりに。
 もっともそれは、見知らぬ他国に嫁いできたからには、せめて夫以外の者たちからは親より与えられた名で呼んで欲しいというだけの話かも知れないが、それでもお市の目には、彼ら夫婦がそういう仇名をダシに、いちゃついている様にしか見えない。

 この時代の、この階級の婚姻というものは後世の恋愛結婚とは違って、家門同士の外交手段の一環である。
 当然ながらその夫婦生活も、当人同士の愛情の果ての行為などではなく、次代を担う男児の出産という、半ば義務的な目的のものであるはずなのだが―にもかかわらず彼ら二人はよほど馬が合ったのか、傍目にも微笑ましくなるほどに仲のよい夫婦であった。


 そしてお市は、その事実が何よりも我慢できない。



205:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:50:26.40 v9tMIho3

 兄はお市に優しかった。
 世間のあらゆる慣習・道徳・価値観を鼻で笑い、あくまで自己流の信条を押し通そうとする兄は、それゆえに周囲の者を怯えさせるほどに峻烈な気性の所有者であった。その「威」があればこそ、彼は廃嫡を免れていたと言えるほどに。
 が、そんな兄がたった一人、親しみと優しさを見せる存在は、このお市だけであったはずなのだ―少なくとも、隣国から濃姫が嫁いでくるまでは。
 あの優しかった兄が、その濃姫との祝言以来、ほとんどお市と遊んでくれなくなってしまった。
 それだけではない。それまでお市が独占していたはずの兄の笑顔や優しさを、濃姫は当然のように享受しているのだ。それまでお市だけのものだったはずの、誰も知らない兄の一面を、この女が奪ってしまったのだ。

 許せなかった。
 耐えがたかった。
 認めたくなかった。
 
 そしてまた、その許しがたき女が自分に向けて口を開く。
「ねえ市姫様、やっぱり独り寝は寂しいですか?」
「え?」
「あなたが兄上様をどれだけお慕いしているかはわかりますけど、わたくしもたまにはあなたと一緒に夜語りなどして楽しみたいですわ」
「と、言われますと?」
「ええ、ですから―」
 言いながら濃姫は、お市の肩にそっと手を置き、
「お寂しい夜は、兄上様だけでなく、わたくしの寝所にもいらっしゃって下さいな。一日遊んで高いびきをかくだけの三郎様とは違って、精一杯のおもてなしをさせていただきますわ」


 その濃姫の言い草を、
(つまり、これ以上兄上の部屋に勝手に行くなと言いたいのか)
 と、お市は解釈した。
 ではその台詞を聞いて「蝮の娘が女房気取りで何を偉そうに!!」とお市が叫び出しそうになったかといえば、実はそうではない。

 彼女の心に込み上げた感情は、むしろ歓喜であったからだ。

 濃姫が自分の判断でそんなことを言うわけが無い。
 なぜなら、お市のとった行動は客観的に見れば、夜間むずがった十歳の妹が、勝手に十四歳の兄の寝床に忍び込んだというだけの微笑ましい逸話に過ぎないからだ。
 濃姫が、そんな事実にまで嫉妬心を燃やすような女ならば、三郎がここまで無軌道に妻以外の女に手を付けまくれるはずが無い。
 ということは、必然的にその言葉は濃姫のものではなく、兄が彼女に言わせたものであるという事実を示している。
(つまり、兄上自身が私を警戒して距離を起きたがっている)
 ということになる。


 警戒しているということは言い換えれば―すなわち、兄がお市を“女”として意識している、ということに他ならないではないか。


 ならば、この女の言葉に従う必要などどこにもない。今はとりあえずハイハイ言っておけばそれでいい。
 どちらにしろ、兄はすでに自分を意識し始めている。
 そうなってしまえばこちらのものだ。もうあと一押しで兄は堕ちる、いや陥とせる!!
―そういう思いが、彼女に大輪の花びらのような笑顔を与え、その美しさにむしろ濃姫は言葉を失った。

「では、今夜か明日にでもさっそく義姉上様のお部屋に伺わせていただきますわ」

 お市はそう言い、うっとりと目を細めた。


206:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:52:29.26 v9tMIho3
投下はここまでです
ではでは

207:名無しさん@ピンキー
11/12/06 08:54:30.08 Rl8tBwfP
GJ
今後に期待

208:名無しさん@ピンキー
11/12/06 08:58:08.05 ei9tZ4ws
GJ

209:名無しさん@ピンキー
11/12/06 09:22:39.91 D3I4BqVO
お、歴史物好きだから続きに期待

210:名無しさん@ピンキー
11/12/06 12:18:37.62 0J9Qdk5m
新作来たか!GJ
戦国キモ姉妹無双期待をする

211:名無しさん@ピンキー
11/12/06 12:31:01.30 76sJMi0d
GJ
歴史ものとは渋い
今後も期待してるぜ

212:名無しさん@ピンキー
11/12/06 13:23:41.36 vjSNnGJ8
歴史ものは難しい言葉使おうとするから、書くの疲れて途中で辞める人いっぱいいそう

213:名無しさん@ピンキー
11/12/06 16:49:06.36 7oBZaLkj
GJ!
幼いキモウトで頭脳派でお姫様って最強だな

214:名無しさん@ピンキー
11/12/06 21:09:29.90 gr40MI2R
GJ!!こんな素晴らしいSS風見にはかけないなw
おい風見!おまえが暴れないようしっかり俺が見張ってるからな!!
URLリンク(beebee2see.appspot.com)


215:名無しさん@ピンキー
11/12/06 23:56:08.01 D3I4BqVO
寒い…
姉にストーブ送ってもらうか(´・ω・`)

216:名無しさん@ピンキー
11/12/07 07:14:26.60 4Oh07Dgd
寒がる弟を自分の体で温めようとする姉

217: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】
11/12/07 08:44:48.65 V1mdvbS0
確かに姉ストーブいや姉湯たんぽは暖かそうだ
身体的な意味で

218:名無しさん@ピンキー
11/12/07 10:53:33.75 2UwqhP3L
久々にWikiを見てから来たけど、
ひきこもり大戦記がとても面白かった。
やっぱり主人公視点の話のほうが俺は好き。

219:名無しさん@ピンキー
11/12/07 23:45:28.34 9gCBT0cP
サッパリした性格の友達みたいな双子キモ姉が実は弟を狙ってる女だった

220:名無しさん@ピンキー
11/12/08 06:56:45.23 FQtv2J0J
>>206
GJ!!目的の為に我慢の出来る理性的なキモウトとはかくも魅力的なものか
続きも期待してます

221:名無しさん@ピンキー
11/12/08 17:34:36.03 XYvv7BVA
とある国の女王は権力や金などあらゆるモノを手に入れたが
唯一手に入れていない生き別れの弟
国の軍事力全てを使って弟を探し自分のものにするため
あらゆる違法行為を使って調教

222:名無しさん@ピンキー
11/12/08 18:34:19.43 fMfc1UX/
>>221
だからなんだ?としか言いようがないな

223:名無しさん@ピンキー
11/12/08 19:09:36.14 BpE6G//R
>>220
弟の幼馴染が全世界を敵に回して戦うんだな

224:名無しさん@ピンキー
11/12/08 23:20:08.25 ZKuKKW5p
>>221
弟幼馴染連合vsキモ姉帝国か胸熱

225:名無しさん@ピンキー
11/12/08 23:45:29.31 BpE6G//R
キモ姉帝国の弟狩りだ―

226:名無しさん@ピンキー
11/12/09 03:01:51.20 fSUMz0L4
シスが暗黒卿ダースネーチャン
弟の下着スーハー

227:名無しさん@ピンキー
11/12/09 03:05:34.55 /wrrZccr
全ての女性は自分の嗜好を受け入れるべきだと、世界中から姉弟を拉致って目前で強制結合させまくるキモ姉女王

228:名無しさん@ピンキー
11/12/09 05:13:04.21 u5grua5z
今のところ短篇やSSを丸々一本でっちあげるだけの力量ないし体力がないのがつらいところ。

229: ◆wBXWEIFqSA
11/12/09 18:40:22.88 dMUtoX6p
こんばんは
>>78の続きを投下します


230:狂依存 300
11/12/09 18:41:13.42 dMUtoX6p
窓から、薄い朝日が差し込んで部屋が明るくなり始めた頃、目覚まし時計が鳴り響き、反射的にベルを止めた。
あれから、ずっとベッドで仰向けになりながら天井を見つめ、起き上がることも出来ず、ただ呆然としていた。
麻由お姉ちゃんに拒否された―
悪夢のような現実を突然、突きつけられ、何もする気が起きない。
でも、今日も学校はある。休みたい……いや、むしろ学校に行く事でこの現実を少しでも忘れたい。
そう思い立ち、ベッドから飛び起きて、支度を始めた。
まだ学校に行くにはかなり早いが、今の時期、早朝から学校の自習室に来て勉強している奴もいるので、別におかしな事もないだろう。

「麻由お姉ちゃん……」
麻由お姉ちゃんの部屋に入るが、まだベッドに横になっていた。
最近、本当に寝てばかりじゃないか……体調が悪いって言ってるけど、昨日額に触ってみた限りでは熱もなかったし、医者にも行こうとしない。
顔色が悪いから、実際に気分が悪いのだろうが、それにしてもあのイライラした態度を見ていると、こっちも気分が悪くなってくる。
「何だよ、この女は」
家事もしないし、犯らせてもくれないし、僕には当り散らすしで……こんな不愉快な麻由お姉ちゃんは初めてだ。
「もう、良いや。さっさと行こう……」
これ以上、麻由お姉ちゃんを見てても虚しい気分になるだけだったので、部屋を出て、下に降りていった。

「しまった……」
台所に行って、パンでも食べて出ようとしたが、食べ物が無い事に気がつく。
あ……だから、夕べ麻由お姉ちゃんが買いに行けって言ったんだよな……。
だけど、あんな夜遅くに買いに行けと言われて、ムッとなって断ってしまったが、朝どころか昼食を買うお金も今は無い。
麻由お姉ちゃんから渡された5千円札は部屋に置いてきちゃったし……。
「いや、あれを持っていけば良いか」
黙って持っていくのは気が引けるが、背に腹は変えられない。
何せ、昨日の夜から何も食べていないのだ。

二階に上がり、麻由お姉ちゃんの部屋に入って、昨日床に置いたはずの5千円札を探す。
だが、あれから財布の中にでも閉まったのか、何処にも落ちてなかった。
「まいったな、どうしよう……って」
まいったも何も、麻由お姉ちゃんを起こして金を借りれば良いんだ。
「ねえ……」
と、ベッドに寝ている麻由お姉ちゃんに声を掛けて起こそうとした時、
「……」
昨日の麻由お姉ちゃんが頭をよぎって、思いとどまる。
このまま、起こして金を貸せなんて言ったら、怒られるかも……そしたら、また口論になっちゃうな。
それに、夕べの麻由お姉ちゃんの事を思い出したら、何だか腹が立ってきた。
「でも、どうしよう……ん?」
ふと、床に目を向けた瞬間、麻由お姉ちゃんが普段持ち歩いているバッグが目に入った。
(確か、この中に財布を閉まってあったはず……)
麻由お姉ちゃんが良くこのバッグから財布を取り出して、僕に小遣いをくれていた事を思い出した。
僕が金をねだったら、好きなだけ麻由お姉ちゃんはここから、お金を渡してくれた。
麻由お姉ちゃんは最近は単発のバイトをたまにやっているくらいだが、お母さん達が家にいる頃は予備校でかなり時給の良いバイトをしていた上、他にも色々なバイトをやっていたので、お母さんから渡される生活費以外にも、その時稼いだ金がまだ結構あるらしい。
『私の全てはあなたの物だから、全部使っていいのよ』って、言ってた気も……。
(そうだよ……麻由お姉ちゃんの物は僕の物なんだ……)
だから、黙って持っていってもいい筈だ。
バッグのファスナーを開けて、財布を取り出し、千円札を一枚こっそり抜き取る。
「千円だけだし、良いよね」
少し罪悪感はあったが、麻由お姉ちゃんの昨日の態度が今でも腹に立っている上、麻由お姉ちゃんの物は僕の物なんだから持っていってもいいはずという意識が強く出たので、すぐに財布に入れて部屋を後にし、家を出た。
千円だけじゃ、今日一日分の食費にしかならないし、昨日払ったガス代も後で立て替えてもらおう。
何て事を思いながら、いつにも増して冷え込む中、駅へと歩いていった。

「ただいま」
「大輝!あんた、何やったのよ!!」
「何、麻由お姉ちゃん?」
学校から帰り、鍵を開けて玄関に入ると、麻由お姉ちゃんが物凄い剣幕で怒鳴りかかってきた。


231:狂依存 301
11/12/09 18:42:17.07 dMUtoX6p
「しらばっくれるんじゃないわよ!私の財布から勝手にお金持って行ったでしょ!!千円だけだから、わからないとか思ったんでしょうけど、ちゃんと毎日中身をチェックしてるんだからね!!」
「ああ……だって、お金が無かったんだし仕方ないでしょ。昨日、ガス代だって僕の小遣いから出したんだから、その分も立て替えておいてよ」
財布から昨日、ガス屋から貰った領収書を取り出して、麻由お姉ちゃんに立て替えを要求する。
「な……!自分が何をやったのか、わかってるの!?私のお金を勝手に……!」
「何がいけないんだよ?麻由お姉ちゃん、前に自分のお金は好きに使って良いって言ったじゃないか。だから、どうしようが僕の勝手だろ。それより、早くガス代出して。お母さんから生活費を貰ってるんだからそこから出せるでしょ」
「もう終わりにするって言ったじゃない……これから、もう今までの様な事はしないで、普通に接して。それより、人の財布から勝手に金を抜き取って謝りもしないって、何様のつもりなのよ!」
何様のつもり?僕は麻由お姉ちゃんがして良いよって言った事をやってるだけなのに、今更、何を言ってるんだ。
「とにかく、もう二度としないで。今度やったら、本気で許さないからね」
と、言い放った後、きびすを返して部屋へと台所へと行く麻由お姉ちゃん。
終わりにするだって?僕はそんな事を了承した覚えは一度も無い。
訳も分からず、こんな一方的な事を言われたって納得できるわけが無いじゃないか。
(今の麻由お姉ちゃんは我侭すぎて、何かイライラしてくる)
こんなモヤモヤした気持ちを抱えながら、自分の部屋へ入って着替えた。

「ねえ、大輝」
「何?」
夕食を食べていると、突然麻由お姉ちゃんが、
「食器の洗い物はあんたがやって。私は洗濯物取り込まないといけないし、明日説明会の予約してるから、その準備とかも色々しないといけないから」
「何で?麻由お姉ちゃんが全部やってよ」
「これからは分担しましょう。私も就職活動が始まるから、中々時間取れなくなるし、あんたも皿洗いぐらいなら出きるでしょ」
「僕だって、もうすぐ受験で忙しいんだよ。それに家事は全部麻由お姉ちゃんがやるって話だろ」
「あんただって、『手伝える事があったら、何でも言って』って言ったじゃない。だから、お願いだからやって。料理もこれからは交代で作りましょう。わからなければ、私が教えるから」
う……確かに言ったけどさ……でも、
「……嫌だよ。僕、料理なんて出来ないし、麻由お姉ちゃんが作ったほうが良いだろ。麻由お姉ちゃんが自分で全部やるって言ったんだから、今更したくないよ」
「やらないなら、今月の小遣いは抜きにするわよ。もう今までみたいに甘やかしたらあんたの為にもならないし、私も疲れるから」
と、言いながら、食べ終わった食器をまとめて洗い桶につけ、台所を去る。
「何だよ……今頃になって……」
麻由お姉ちゃんは今までとは明らかに変わってしまった。
急に家に閉じこもったかと思ったら、僕との関係を終わりにしたいだって?
沙耶さんの家に行ったらしいけど、何があったのか検討もつかない。
その沙耶さんとも連絡がつかないし……。
食べ終わった後、一応、麻由お姉ちゃんの言われた通り、皿洗いを始める。
(何で、僕がこんな事を……)
確かに以前、手伝うとは言ったけど、麻由お姉ちゃんのあの押し付けるような態度が鼻について仕方が無い。
今までは僕が手伝うって言っても、ほとんどやらせてくれなかったのに、今になってあの言い草は納得がいかない。
麻由お姉ちゃんの茶碗を手に取り、じっと見つめる。
これは僕のやる事じゃない。家事は……僕の身の回りの世話は……麻由お姉ちゃんの……麻由お姉ちゃんの仕事だ!!
ガシャーンッ!!!
「っ!?何!?」
台所に麻由お姉ちゃんの茶碗が割れる音が響き渡ると、何事かという声を出して、麻由お姉ちゃんが駆けつけてきた。
「大輝……あんた、何のつもりなのよ!!」
「え……?ああ、ちょっと手が滑って」
「嘘でしょ!!わざと私の茶碗を叩きつけたじゃない!何で、こんな事するのよ!」
床に散らばった茶碗の破片を片付けながら、物凄い形相で僕に怒鳴りつける。
「仕方ないでしょ。慣れないことやったんだから、こういう事もあるよ。それより、早く昨日のガス代払ってよ。領収書渡しただろ。お金なくて困ってんだから片付けたら、僕の机の上にでも置いておいて」
「ほ、本気で言ってるのあんた……?」
「何で?」
「どうしたのよ……?私の茶碗を割っておいて、ごめんなさいの一言もないの?何で、そんな意地悪な事するのよ……」


232:狂依存 302
11/12/09 18:43:10.22 dMUtoX6p
泣きそうな顔をして、僕に語りかける麻由お姉ちゃん。
何で、そんなに悲しそうな顔をしてるんだろう?泣きたいのは僕の方なのに。
「そんなの決まってるじゃないか。麻由お姉ちゃんが最近、抱かせてくれないから色々フラストレーションが溜まってるんだよ」
「だ、だから、それはもう……とにかく、これは弁償してもらうからね。そしたら、水に流してあげるから」
バツの悪そうな顔をして、目を背け、破片をまとめて袋に入れる。
「じゃあさ、裸になってよ」
「は?」
「裸になって、そこの壁に手をついてお尻を突き出して犯させてよ。そしたら、弁償してあげる」
「聞こえなかったの?もう、大輝とはそういうことはしないの……別にあんたの事、嫌いになった訳じゃないけど、とにかく今はしたくない……」
「麻由お姉ちゃんがしたくないかどうかなんて、関係ないよ。僕がしたいから、脱いでって言ってるの。わかったら、早く脱いでよ……!」
「いや!!」
いつまでも脱がないことに業を煮やして、麻由お姉ちゃんの服を掴み、強引に脱がそうとすると、嫌がり抵抗する。
くっ!やっぱり、麻由お姉ちゃんは結構力があるな……。
でも、関係ない。何日もしてないんだ。だから、早く麻由お姉ちゃんを……。
「いい加減にしてっ!!」
パンッ!!!!
麻由お姉ちゃんの悲鳴と共に台所で僕の頬を叩く音がはっきりと響き渡った。
「はあ……はあ……もう、良いわ。後は私がやる。だから、あんたはさっさと部屋に行って」
「麻由お姉ちゃん……」
「早く、行けええっっ!!!」
力一杯叫んだのを見て、頬を抑えながら、渋々台所を去り、部屋へと戻る。
麻由お姉ちゃん……どうして、そんなに嫌がるの?
納得がいかないんだよ……急に終わりにしろなんて、言われても……。
本当にこのまま麻由お姉ちゃんの関係が終わったら、僕は……気がおかしくなってしまうかもしれない。
「う……麻由お姉ちゃん……」
何で、こんな事になったんだ?
このまま、終わったら二人はどうなる?麻由お姉ちゃんの体を二度と抱けないのか?
他の男に取られるのか?嫌だ。嫌だ―

キーンコーンカーンコーン……
あれから、麻由お姉ちゃんと一言の会話もないまま、朝を向かえて学校へと行った。
朝食は麻由お姉ちゃんが買ってきた食パンで適当に済ませた。
当然、授業なんか耳に入るはずも無く、ひたすら机に俯いてモンモンとすることしか出来なかった。
「三船、ちょっと良いか?」
「はい?」
休み時間、トイレから出て教室へ戻ろうとすると、担任の石田先生に呼び出されて職員室へと行く。
何だろう……?

「三船、最近やけに元気が無いようだけど、何かあったのか?」
「え……?そうですか?別に何も……」
職員室の机で僅かに苦笑しながら、僕に尋ねる。
「そうか?昨日も今日も授業中もやけにそわそわしてるし、顔色も良くない様に見えるけどな……」
まあ、そうだよな……友達にもそう言われてるし、先生が見ても変に思うか……。
「お前、確か今はお姉さんと二人で暮らしているんだって?大変だろう。色々、ストレスも溜まってるんじゃないのか?」
「いえ、大したことは無いですよ……ちゃんと二人でやっていますし……」
石田先生は中年を過ぎた男性教師だが、面倒見が良く生徒からも割りと慕われていて、僕も嫌いではないのだが、核心に触れる事を突いて来たので、もしやバレているのではないかと、ドキッとした。
やっぱり、教師暦が長いと生徒の悩みとかにも敏感に感じ取れる物なのだろうか?
とは言え、実の姉がやらせてくれないから悩んでいます、なんて口が裂けても言えないので、ごまかすしかない。
「ま、期末も近いし、追い込みで大変な時期だから落ち着いてられないのもわかるがな。家庭の事に深く首を突っ込む気は無いが、あまり溜め込むのも良くないぞ。少し勉強や家の事から離れて、気分転換でもしたらどうだ?」
「は、はあ……」
まるで僕が何で悩んでいるのか見透かしたように、先生は机に向かって微笑みながら、優しく語り、それ以上の事は何も突っ込まなかった。
「失礼しました」
気分転換か……溜め込むのは良くないと言われてもどうすれば……
そうだ、麻由お姉ちゃんが駄目なら沙耶さんとやれば良いじゃないか。
麻由お姉ちゃんほど満足は出来ないけど、この人でも気は多少は晴れるだろう。うん、良い気分転換になるな。
でも、連絡取れないし、どうやって会おうか……



233:狂依存 303
11/12/09 18:43:57.48 dMUtoX6p
「一条さんなら、先月辞めましたよ」
「え?何でですか……?」
学校の帰りに沙耶さんがバイトしているお店に行き、見当たらなかったので尋ねてみると、予想外の返事が返ってきた。
「ああ、就職活動が忙しくなるからとか言ってましたけど……元々、今年中には辞めるって話をしてましたし」
「そうですか……ありがとうございました」
ここで会えればと思ったが……いないとなると、直接家に出向くしか無いのかな?
でも、今日は平日だし、大学はあるのだろうか……
とにかく、行ってみるか。

沙耶さんの自宅に着き、玄関の前で立ち尽くす。
来たのは良いけど、どうしよう?沙耶さんの親御さんが出たら、説明に困るしな……。
取り敢えず、呼び鈴を鳴らしてみるか。
「……っ!?」
「え?あ……」
呼び鈴を鳴らそうとして、門の前に行くと何か驚いたような声がしたので、右を向いてみたらスーツ姿の沙耶さんが驚いた顔をして僕を見ていた。
やっと、見つけた……。
「な、何をしに来たの……」
手で口を抑えながら、脅えたような声で、後ずさりしながら話しかける。
「何しにって……僕が沙耶さんにする事なんて、一つしかないじゃないですか……」
「いや……!」
沙耶さんの腕を掴むと、悲鳴を上げて顔を背けた。
くそっ!この人もかよ。でも、良い。無理矢理にでもやってやる。
「家には誰かいるんですか?いないなら、中に入りましょう。いるなら、僕の家に……」
「あ、あのね!大輝……悪いんだけど、今日は……というか、もうあなたとは……」
「あなたの都合なんて関係ないんですよ!今は沙耶さんとしたい気分なんです……さあ、行きましょう……」
「お願い!話を聞いて……いやっ!!」
沙耶さんの腕を引き、強引に壁に押し付けて、体を弄っていく。
この人は麻由お姉ちゃんほど力が無いので、僕でもねじ伏せられる。
今まで、散々僕が嫌がっても付きまとって、強引に誘ってきたんだ。
だから、僕が一度くらい強引にやっても……文句なんか言わせない。沙耶さんだって僕の女のはずだ!
「いや、嫌っ!!お願いだから、話を聞いて……!」
沙耶さんの胸に手を触れると、更に抵抗を強め、じたばたと必死であがいている。
はは……これは、あれかな?僕にレイプ体験でもさせようってのかな?
「くそ!大人しく……あたっ!!」
振り上げた手が顔に当たり、怯んだ隙に、沙耶さんは僕の手から逃げ出して、門の中に駆け込んでしまった。
「待て!くっ……」
門を開けようとするが、鍵が掛けられてるのか扉が開かず、ビクともしなかった。
「ちょっと!早く開けて下さい!!」
門をドンドン叩いて、呼びかけるが、全く返事が無い。
こうなったら、塀をよじ登ってでも……と、思って顔を上げた所に、門柱に貼ってあった警備会社のステッカーが目に入った。
まずい……これ以上、無理に入ろうとすると、警備会社に通報されるかもしれない。
「ちっ……ここは引いておいた方がよさそうだな……」
警察の厄介になるのは流石に御免なので、ここは一旦離れる事にした。
だが、まだ諦める気は無い。

駅に戻って電話ボックスに駆け込み、携帯のアドレスで沙耶さんの電話番号を表示する。
「ええと……080……」
携帯からでは何度かけても繋がらないので、着信拒否されているのかと思い、公衆電話からなら繋がると思ったからだ。
トゥルルルルルル……
「……はい」
「何、逃げ出してるんですか!早く家から出てきて駅前に来てください」
「え……?もしかして、大輝!?」
「僕以外に誰がいるって言うんです?さっきの事は忘れますから、早く駅前のホテルに来てやらせて下さい。逃げ出すなんてひど……」
ブツっ!
「もしもし!?切れたか……」
だが、受話器を置き、すかさず沙耶さんの携帯に再び掛ける。
トゥルルルルルル……
出ない……だが、出るまではいつまでも切るつもりは……おっ、



234:狂依存 304
11/12/09 18:44:52.29 dMUtoX6p
「勝手に切らないで下さい!自分の立場分かってるんですか!あなたには僕を拒否する権利なんて無いはずですよ!」
受話器越しで怒鳴りつけると、ようやく重く口を開き、
「今までの事は謝るよ……納得できない気持ちもわかる……大輝の事、嫌いになったわけじゃないよ。でも、もう無理なの……私も何でこうなったのか、良くわからないけど、前みたいに……」
「あなたがどう思ってようが関係無いって言ってるでしょ!とにかく、すぐに駅前に来て下さい!嫌なら、また家に押しかけますよ!」
弱々しい声で僕の誘いを断る沙耶さんに対して、苛立ちを覚え、大きく声を張り上げた。
とにかく、今は誰かとしたい。そうでなければ、頭がおかしくなりそうだから。
「だ、だからね。本当に謝るから、もう私とは……」
「悪かったというなら、責任取って、僕の言う事聞いてください!とにかく、今はあんたとやりたいんです。わかったら、ありがたく……」
ブツッ!
「もしもし?くっ……またか!」
テレホンカードを三度差込み、再びプッシュボタンを押す。
誘いに乗るまで、何十回でもかけてやるつもりだった。
トゥルルルルルル……
「出ないな……」
流石に警戒されてしまったか。だけど、このままでは収まりがつかない。
何とか呼び出して、強引にでも犯してやる。おっ……
「ちょっと、いい加減に……」
「いい加減にするのはそっちです!つべこべ言ってないで、僕の言う事聞いて、大人しく来い!僕はあんたの気持ちなんかどうでも良いんですよ!」
「お、お願いだからそんなに怒鳴らないで!どうしたのよ……ずっと放置してたのに今になって、こんな事言い出すなんて……」
「僕があなたをどうしようが勝手だって言ってるじゃないですか。今まで僕に好き勝手な事しといて、都合が悪くなったら逃げ出す気ですか?勝手な真似をしてるのはそっちだろ!!」
「う……もう、私に関わらないで……これ以上は耐えられない……」
「はあ?何言ってるんですか?……もしもし?」
また切れた。
嫌がらせのつもりか?ふざけやがって……!
「あ……」
ふと、振り向くと、電話ボックスの前に怪訝そうな顔をして見つめている中年のサラリーマン風の男性が立っていた。
ま、まずい……
受話器を置き、電話ボックスから飛び出て、小走りでこの場を後にする。
ちょっと興奮しすぎてしまった。電話ボックスでひたすら怒鳴りつけるなんて、これじゃ、ただの危ない男じゃないか……。
「でも、こうなったのは沙耶さんが僕の誘いを断るからだ」
いつもみたいに、喜んで体を差し出せば良いのに、あんなに渋るなんて酷すぎる。
悪いのは全部沙耶さんと麻由お姉ちゃんのせいだ。
だが、こうなっては仕方ない。一旦、家に帰ってどうするか考えよう。
今まで感じたことの無い苛立ちを抱えながら、家へと戻る。
もう僕の心の中に麻由お姉ちゃんと沙耶さんを思いやる気持ちなど、完全に消え失せていた。

「電話もメールも駄目……無理に家に押しかけたら、僕がまずい事になる……」
家に帰って、部屋に戻り、今後どうするか考える。
一応、家の電話からもかけてみたが、繋がらなかったので、おそらく着信拒否されているのだろう。
とにかく、体がうずうずするというが、ムカムカしてこのままじゃ、本当に収まりがつかない。
帰りがけに通りがかった女でも誘って、食ってやろうかと思ったが、そんな事をしても気休め程度にもならないと思い止めた。
僕がこんな思いをしてるのも、あの二人のせいなんだから、二人を滅茶苦茶に犯すまでは気が済まない。
嫌がってようが何だろうか、関係ないよね。二人とも僕のなんだから……。
「そうだ。パソコンからメールを送って、連絡を取ってみるか」
家のパソコンを立ち上げて、沙耶さんにメールを送る事を試みる。
どうやって、誘うか……下手に紳士的に誘っても断られるだけだろうし、あくまでも強気な姿勢で嫌というぐらいまで追い込んで恫喝しないと出てこないだろうしな。
「ええと……沙耶さんのアドレスは……」
アドレスを打ち込み、件名に僕のイニシャルを打ち込んで、本文に何を書こうか考える。
「とりあえず……」


235:狂依存 305
11/12/09 18:45:29.50 dMUtoX6p
『閉じこもってないで、早く出て来て、体を差し出せ。あと着信拒否と受信拒否をしてるのなら、さっさと解除しろ。5分以内に返事をしろ!』
これで、よしと……送受信ボタンを押し、しばし返事が来るのを待つ。
沙耶さんはもう一つ携帯を持っていたので、そっちにも同じ文で送る。
実際に面と向かって喋ってる時は年上の人にタメ口で喋るのに抵抗があったので、敬語を使っていたが、メールでまで敬語を使うと恫喝にならないと思い、敢えて乱暴な言葉遣いで書いた。
「早くしろ……」
5分待っても来ないので、もう一度送る事にした。いや、一度だけでは伝わらない。
何度も同じ文面でメールを送りつけ、嫌がらせの様に送りつけた。
「ふう……これで、良しと……」
返事を寄越さなかったら、何度でも送ってやる。
いや、待てよ。これも受信拒否されたら、意味が無いな。
そうだ……。

ピロリロンっ!ピロリロンっ!
「もう……!何なのよ、一体……!」
あまりにもしつこく携帯の受信音が鳴り響いているので、溜まりかねて開いてみる。
「な……」
ディスプレイを開いてみると、メールが次々に何十件も豪雨のごとく送られてきて止まらずにいる。
「ちょっと!何で……」
受信拒否していたはずだが、メアドを見てみると、それぞれ違うアドレスの物が複数送られてきていた。
何で……?いい加減に止まってよ!
「あ……ようやく、止まった……」
一旦、止まったのでメールを開いて見てみると、全て最初に来た、メールと同じ本文だった。
「まさか、大輝が……」
流石に溜まりかねて、大輝の携帯に電話を掛ける。
トゥルルルルル……ぶつ
「3分だけ、待ちます。その間に僕の携帯とメールの着信拒否設定を解除してください。二つともです」
「何で、こんな酷い事するのよ!もう、大輝とは……」
「何度も言わせんじゃねえっ!!この馬鹿女が!!つべこべ、言ってないでさっさと解除してください!!3分待ったら、そっちに電話かけますから。しなかったら、もっと酷い目に遭わせますよ!!」
ブツッ!!
受話器越しに、今まで聞いた事も無いような恐ろしい罵声を耳元に浴びせられ、鼓膜が一瞬、キーンとして痛んでしまった。
「な、何なのよ……一体……」
今のは本当に大輝なの?あのちょっと気弱で優しそうな子が、あんなヤクザみたいな乱暴な言葉遣いと怒号を浴びせてくるなんて、想像も出来ない……。
「どうしたの……?私のせいで変わっちゃったの……?」
今は本当に怖い。あんな大輝とは会いたくもない。嫌だ……嫌だ。

3分経ったので、もう一度沙耶さんの携帯にかけてみる。
受信拒否されても届くように、いくつかのフリーメールに登録して、一気に何十件も送りつけてやった。
流石にちょっと興奮しすぎてしまったと反省しているが、あのぐらい言ってビビらせておかないと、言う事を聞きそうにないので、まあ良いか。
「出るかな……?」
「はい……」
小さく弱々しい声で、返事をする。やっと繋がったか……。
「じゃあ、今すぐ家の近くの公園に来て下さい。今日は外で犯してあげますから」
「もう、いや……二度と掛けてこないで……」
「何度言わせれば、わかるんですか?あなたの意思なんて関係ない。僕がしたいから、やるって言ってるでしょ。僕を怒らせないで、いつもみたいに黙って……」
「二度と私に関わらないで!!今度やったら、本当に警察に通報するから!!最低っ!!」
ブツッ!!
と、沙耶さんは思いっきり叫んだ後、一方的に切ってしまった。
「何が最低だよ……」
せっかく、誘ってやったのに何が最低だ。それはこっちの台詞だよ!
だが、警察に本当に通報されるとまずいので、今日のところはもう引いていた方が良いな。
まあ、良い。あの人はいつでも犯せるだろうし、やればまた元に戻るだろう。
怒鳴り散らしたせいか少し気分が晴れたので、鞄から教材を取り出し、期末の勉強を始めた。
赤点を取るとまずいので、こっちはこっちでちゃんとやらないとな……。



236:狂依存 306
11/12/09 18:46:13.26 dMUtoX6p
「大輝、これ見て」
「何、これ……?」
夕飯を食べ終わった後、麻由お姉ちゃんが僕に一枚のプリントを差し出した。
「見ればわかるでしょ?家事の当番表よ。こうやって決めておけば、わかりやすいでしょ」
当番表?見てみると、曜日ごとに食事、掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物などの家事について、二人が何処を担当するのか細かく手書きで書いてあった。
「昨日も言ったと思うけど、もうあんたをこれ以上甘やかす事はしない。今までの事は謝るわ。だけど、これからはあんたがいつも言ってた様に普通に過ごしたいの。だから……」
「ちょっと、それは勝手すぎるんじゃない?麻由お姉ちゃんが全部やるって言い出したんだから、今頃こんな物を作って押し付けようとするなんて、筋が通らないし、納得いかないよ」
「何で、そんなにやりたがらないのよ?大輝だって、手伝うって散々言ってきてたんだから、自分の言った事守りなさいよ」
「言ったけど、麻由お姉ちゃんが何度も断ったんじゃないか。それが、今になって急に家事を手伝えとか、抱かせてくれないとか……麻由お姉ちゃん、何処か頭でも打ったんじゃないの?」
「どうしたの、本当に……おかしいわよ、あんた……お願いだから、私の言う事を聞いて……」
おかしいのは、そっちの方だ。
「それより、一緒にお風呂入ろう……麻由お姉ちゃんに体を洗って欲しいな。さっ、早く……」
「ちょっと!」
麻由お姉ちゃんの腕を掴み、浴室へと連れて行く。
へへ……久しぶりに、麻由お姉ちゃんの体で気持ち良く洗ってもらおう……。
「嫌だって、言ってるでしょ!そういう事すると、本当に嫌いになるわよ!!」
「あっ!待って!」
僕の手を振りほどき、逃げ出した麻由お姉ちゃんを追う。
何で、そんなに嫌がる?ずっと麻由お姉ちゃんのほうからやってきたのに、何でなの?
「麻由お姉ちゃん!」
「来ないで!!」
自分の部屋に逃げ込んだ麻由お姉ちゃんを追って中に入ると、麻由お姉ちゃんは部屋に置いてあったバットを持ち、
「そんなの置いて、こっちに来て。僕と一緒にお風呂に入ろう」
「来るな!!」
僕が近づくと、叫びながらバットを振り回し、間一髪の所で避けた。
「麻由お姉ちゃん……どうしてなの?僕は麻由お姉ちゃんとまたエッチな事をしたいんだよ。だから、そんな意地悪しないで」
「来るなって言ってるでしょ!!お前なんか大輝じゃない!私の知ってる大輝は……弟はこんなんじゃ無い!!」
「麻由お姉ちゃん……」
バットを僕に向け、涙を目に浮かべ、叫び狂う。そんな姿を見て、僕も段々悲しくなってきた。
どうして、今になって僕の事をそこまで拒否するの?
いつまでも、はっきりしない態度を取っていたのを怒っているの?
だけど、お構いなしに僕の事を求めてきたし、面倒も見tくれたじゃないか。
「早く、出てってっっ!!私の前に姿を現すな!!」
冷えて、乾燥しているせいか、麻由お姉ちゃんの絶叫が部屋に大きく響き渡る。
その姿を見ていると、段々と自分自身が哀れな気持ちになっていった。

「……ただいま……」
翌日―
玄関のドアを開け、誰もいない家に上がり、着替えて台所に降り水を一杯飲む。
今日は土曜日だが、麻由お姉ちゃんは用事があって家にはいない。
朝起きて顔を合わせた時、麻由お姉ちゃんはあからさまに僕に対して敵意と憎しみを剥き出しにした目で睨み、挨拶しても何も返事もしなかった。
あれから、どんどん麻由お姉ちゃんとの距離が遠ざかり、僕の心も大きな穴が開いてしまった。
どうして、こんな事になったのか?普通の姉弟になる事を願ってたはずなのに、それを受け入れられず、自暴自棄になってあんな態度を取ってしまったのだろうか?
僕は……何がしたいんだ?麻由お姉ちゃんにも沙耶さんにも暴言を吐いて、当り散らして、何を得ようとしていたんだ。
自分が二人にしてきた事を思い出すたびに、次第に罪悪感で心が押し潰されそうになっていく。
何であんな事を……こんな事をすれば、嫌われるのは当たり前ではないか。
「どうしよう?これじゃ、謝っても許してもらえそうに無い……」
いくら、カっとなっていたとは言え、二人に対してとんでもない事をしてしまった……。
「あ……何で、あんな酷い事を……」
麻由お姉ちゃんにも沙耶さんに何て言えば良いんだ?これじゃ、二人にも完全に縁を切られて……

ピンポーン
「っ!?」
心が罪悪感で押し潰されそうになった瞬間、家の呼び鈴が鳴り、一旦我に帰る。
誰だろう……?麻由お姉ちゃんがもう帰ってきたのかな?



237:狂依存 307
11/12/09 18:47:10.95 dMUtoX6p
「はい……」
「こんにちはー」
「え……?」
玄関の戸を開けると、予想外の来客が家を訪ねてきた。
「おお、大輝。しばらくぶりだな」
「和輝叔父さんに菜々子叔母さん……どうしたんですか?」
「今日は二人ともお休みが取れたから、ちょっと大輝君たちが元気にやってるかなーって、思って顔を見ようと思ってね」
「朝、留守電に入れたけど、返事がなかったからどうしようかと思ったんだがね。今日二人とも休みだし取り敢えず顔だけでも出してこうと思って来たけど、今、大丈夫か?そんなに長居はしないからさ」
「あ……ええ、どうぞ」
しまった……留守電のチェックするの忘れていた。
うっかりしてたとは言え、突然の事で驚いたが、どうせこっちも用事がある訳ではないし、取り敢えず叔父さん達を家に上げることにした。

「どうぞ……」
「あら、ありがとう~」
慣れない手つきで台所でお茶を淹れ、リビングに招いた叔父達に差し出す。
「はは……済まないね、急に来て。はい、これ」
「……?何ですか?」
和輝叔父さんが、財布から小さなお年玉袋の様な物を2枚取り出し、僕に手渡した。
「大輝君と麻由ちゃんにお小遣いよお。というより、お正月に来れるかわからないから、お年玉を今の内に渡しておこうと思って」
「あ……そんな……悪いですよ……」
「遠慮するなって。実際俺も正月、仕事がありそうだし、麻由も大輝もお父さんたちがいなくて、大変だろうしさ」
「でも、都合がついてお正月も来れたら、また改めてお年玉あげるから、期待していてねえ」
「ありがとうございます……わざわざ、来てくれた上にこんな……」
正直、これは助かった……ちょうど、金欠で困ってた所だし、麻由お姉ちゃんから小遣いを貰える目処が立っていなかったので、これでしばらくは過ごせる。

「ん?今日は麻由は家にいないのか?」
「あ、姉さんは今日、合同説明会……だかに行っていて、いないんです」
「おっ、麻由ももうそんな時期なのか。今は不況で大変なんだろう。就職活動も」
「あらあら、お医者さんのあなたが言っても嫌味にしか聞こえませんよ。うふふ……」
「話の腰を折るんじゃない。全く……今は病院だって潰れる時代なんだって、お前も知っているだろう」
「はい、はい、すみませんでした。大輝君も受験なんでしょう?でも、この人の甥っ子さんなら、そんなに焦る事ないかしら」
「い、いえ!とんでもないですよ……正直、ちょっと厳しいかなって……」
国立の医学部を現役で受かったような人と同じにしないでくれ……そんな所、何浪したって受かりそうにない。
はあ……一応、僕も和輝叔父さんと同じ血が多少は入ってるはずなんだけどなあ……。
麻由お姉ちゃんはそれなりに受け継いでるみたいだけど、努力不足もあるんだろうが、僕はこの二人と比較したらかなり見劣りしている。
「そう言えば、体調の方は大丈夫か?この前、来た時、やたらと衰弱していたけど」
「え?ああ、はい。もうすっかり」
はっきりとは覚えていないが、叔父さんが来て診てもらったというのだけは、うっすら記憶に残っている。
今、あの時の事を思い出しても、本当に恐ろしい。麻由お姉ちゃんは僕に何か魔法か何かかけたのだろうか?
「そうかしらあ……何か、顔色悪いみたいだけどねえ……」
菜々子叔母さんがお茶を一口飲み、にやけながら僕を見つめると、
「女の子に振られたみたいな顔をしてるわねえ……んふふ……」
「ぶっ!!ごほっ!な、な……」
「あら、図星だったかしら?いやねえ、また私の勘が当たっちゃったの?」
あまりにもピンポイントで悩みを突かれ、思わずお茶を噴出してしまった。
「良かったら、相談に乗るわよ。年頃の男の子だもんねー。恥ずかしがる事はないからさあ」
「違います!そ、そんなんじゃありませんから……ごほっ……」
実の姉とその友達がやらせてくれなくなったから、悩んでいますとか誰にも相談できる訳が無い。
「おい、いい加減にしろ。すまんな……また、こいつの変な病気が出てしまって……」
「いえ……」
「ぶう……病気じゃないですよーだ」
見かねた叔父さんが助け舟を出し、叔母さんもやや膨れた顔をしながらもこの話を取り止めた。
いつも思うのだが、どうも、この菜々子叔母さんという人は何を考えてるのか良くわからない。


238:狂依存 308
11/12/09 18:47:59.20 dMUtoX6p
この人は和輝叔父さんよりも何個か年が下で、当然のごとくウチのお父さんやお母さんよりもかなり若いのだが、それにしても口調や外見が幼いというか、独特な雰囲気を醸し出してるし、上手く言えないが、何か見透かされたような感じがする。
今は准看の免許を取って、叔父さんと同じ病院に勤めているのだが、昔は易者だか占い師だかをやっていて良く当たると評判だったらしい。
という事は、僕が何で悩んでいるのか、全部わかっている……はずないよな、多分。
いや、麻由お姉ちゃんも沙耶さんも僕の心を読んでいるぽかったから、有り得なくも無いかも……。
「それにしても、麻由ちゃんと大輝君、お父さんとお母さんに似てきたわねえ」
「え……?そうですかね?」
まあ、良く言われるけど。
「はは、本当だな。大輝も若い頃の兄貴にそっくりになってきたよ」
「ふふ……麻由ちゃんもお母さんに似てるしねえ……本当、亜矢さんも羨ましいわ、あの年でもあんなに若々しくて。並んでみると麻由ちゃんと姉妹みたいですもの」
「いえ、それはちょっと、大げさですよ」
確かに家のお母さんは麻由お姉ちゃんに似てるし、40代後半という歳の割にはかなり若く見えるが、それでも麻由お姉ちゃんと姉妹に見えるかと言うと、流石に少し苦しい。
僕は見てもわからなかったが、最近、小じわやシミが増えたとか言って嘆いていたしな。
むしろ僕には菜々子叔母さんの容姿の方が信じられない。
確か30代後半ぐらいのはずだが、外見だけ見れば肌も真っ白で中学生っぽい感じの妙な可愛らしさがある。
何と言うか、人外の雰囲気がするというか……良く、わからない不思議な感じの人だ。
「大輝君、小さい頃は麻由ちゃんに良く懐いていたわよねー。今でもそうなのかしら、ふふふ……」
「ま、まさか……!はは……」
不気味なほどのニコニコ顔をしながら、悪戯っぽい口調でまたもや叔母にぐさりと痛いことを言い当てられ、作り笑いをしながら、思わず視線を逸らしてしまった。
冷や汗が止まらない……これって、もしかして本当に……。
「義兄さんも小さい頃から、亜矢さんに懐いていたんだって?」
「え?ああ、まあね」
突然、菜々子叔母さんが叔父さんに話を振り、叔父も頷く。
「小さい頃からって……?」
「ん?俺と兄貴と義姉さん達はハトコ同士で小さい頃からの知り合いだしさ。母親同士が従姉妹で仲が良かったから、俺達が子供の頃は、たまにだけどお互いの家を行き来してたんだよ」
いや、それは知っているんだが、
「そうらしいわねえ。その頃から、義兄さんは亜矢さんと想い合っていたのかしら?だとしたら、凄いロマンチックよねえ」
「いや、そうは見えなかったけどな。兄貴の方が一方的に入れ込んでいた感じだったし。そうだ、昔の大輝にそっくりだったな。ははは……」
「そうだったんですか?」
「俺には兄貴が何であそこまで熱を上げてるのか、理解できなかったけどなあ。正直、子供の頃はお前のお母さんに良い印象は持ってなかったよ。無愛想で挨拶も碌にしなかったしさ」

「亜矢お姉ちゃん!」
「げっ……」
スタスタ
「あっ、ちょっと待ってよ!えへへ……久しぶりに会ったんだから、二人で愛を語り合おうよ。スリスリ……」
「ちょっと、変な所、触るんじゃねえっていつも言ってるだろ!!いい加減にしないとぶっ殺すわよ!!」
「いてて……もう、恥ずかしがらなくても良いじゃん。せっかく、未来の夫が来たんだから、もっと二人で……」
「いい加減にしろ、この糞ガキが!離れろ……離れろって言ってるだろ!!」
ゴンッッ!!!

「いてて……亜矢お姉ちゃん、最近冷たいんだよなあ。いい加減に素直になれば良いのに。な、和輝」
畳に寝そべってクレヨンでお絵描きしている弟にウキウキした顔で話しかけると、
「えー……?俺、あの姉ちゃん嫌い」
「ええっ!?何でよ?将来、ぎりのおねえさんになる人なんだぞ!いや、好きになっちゃ駄目だけど、嫌いになるのもダメ!」
「だって、何かおっかないし……」
「何、言ってるんだよ。亜矢お姉ちゃんはとっても優しくて好きな人には尽くすおしとやかな女の子なんだよ。今はほら、あれだ。僕の事好きだけど、素直になれなくてツンツンした態度を取ってるだけなんだよ」
「……」
「僕にはわかるんだ。だって、僕と亜矢お姉ちゃんは運命の赤い糸で結ばれているんだし。へへ……また、亜矢お姉ちゃんの行って来るかな」


239:狂依存 309
11/12/09 18:48:50.53 dMUtoX6p
「ってな、感じでさ。正直、兄貴はどっか頭でも打ってるのかと思ったよ。ははは……」
「んふふ……♪本当、やんちゃだったのねえ……って、どうしたの、大輝君?」
「い、いえ……」
叔父さんの話を聞いて、思わず全身の力が抜けてしまった。
あ、あれ?これ僕の話じゃないよな?
お父さんがお母さんに小さい頃から憧れていたみたいな話しは聞いてはいたが、今まで興味も無かったので詳しく聞いた事も無かったし、お父さんもお母さんも言わなかったんだけど、まさか僕と全く同じ事をしてたとは思わなかった……。
しかし、そんな状況から、いつどうやって付き合い始めて結婚までしたのかは気になるな。
「あの……お父さん達が付き合い始めたのって、いつ頃からなんですか?」
「ん?確か、兄貴が大学生の頃、東京で偶然義姉さんと会ってそれからだって聞いたけど、詳しい経緯は俺も良く知らないな」
そうなのか?うーん……

「でも、運命の赤い糸で結ばれているっていうのは本当だったのよね。こういう子供の勘って結構当たるものなのよお。もしかしたら、大輝君も同じかもしれないわね」
「え……?」
子供の頃の直感……僕は子供の頃、麻由お姉ちゃんの事をどう思ってたのか?
思い出すまでも無い。根拠なんか何も無いのに、運命の赤い糸で結ばれていて、将来は絶対に夫婦になると確信していた。
お父さんだって、根拠がなかったけどそう思ってお母さんに付きまとっていた。
と言う事は、僕だって……。
「じゃあ、そろそろお暇しましょうかね。あまり長居しても迷惑だろうし」
「そうだな。じゃあ、大輝。俺達はもう帰るよ。麻由にもよろしくな」
「あ、はい……」
叔父さん達が立ち上がり、バッグを手に持って帰り支度を始める。
もう少し、話を聞いてみたかったが、無理に引き止めるのもあれなので、僕も玄関まで二人を見送る事にした。
「今日はお世話になりました。また、いつでも来て下さい」
「ふふ……何かあったら、遠慮なく呼んでね。それじゃあ、大輝君。頑張ってねえ」
「?はい。それでは、また」

玄関を出る際、叔母さんが何処か意味深な笑顔で僕に頑張ってと言った後、扉が閉まる。
少し、気になる仕草ではあったが、それよりもさっきの話をもう一度思い出してみよう。
お父さんはお母さんの事を恐らく、初めて見た時から好きなって運命の人だと思い込んだ。
そして、大きくなってから付き合い始めて結婚して僕達を産んだ。
夫婦の仲も悪くはないし、二人は向こうでも上手くやっているのだろう。
だから、運命の赤い糸で二人が結ばれているっていうお父さんの直感は結果的に正しかったと言える。
だったら、その息子である僕だって……僕だって子供の頃、思ってたように麻由お姉ちゃんと結ばれて幸せな家庭を築く事が出来るんじゃ……。

トゥルルルルルっ……
「ん?何だ?」
突然、電話が鳴り響いたので、受話器を手に取ると、
「もしもし」
「……大輝?お母さんだけど」
「ああ……しばらくぶり……どうしたの?」
お母さんから、しばらくぶりの電話であった。
「ちょっと、あんた達の様子が気になっただけよ。何か変わったこと無かった?」
「……別に……あ、今和輝叔父さん達が家に来たよ。後は……特に無いかな」
と、答えたが、麻由お姉ちゃんと沙耶さんの事など、お母さんに言える訳がない。
「そう……麻由とは仲良くやってる?」
「っ!?う、うん……」
「何?喧嘩でもしたの?珍しいわね」
「そんなんじゃないけど……」
力なく否定するが、今の僕達の関係は喧嘩なんて生易しい状態ではない。
何もかもがおかしくなって、どう修正したら良いか、わからない状況なんだ。だけど……
「ねえ、お母さん……お母さんとお父さんって、小さい頃からの知り合いなんだよね?」
「あ?何よ、突然?」
「いや、さっき、叔父さん達が来た時、そんな話をして、ちょっと気になってさ……お父さんとお母さんって昔から、その……仲良かったの?」
両親の馴れ初めなんて今まで興味もなかったが、どうしても聞いておきたかった。
そこに麻由お姉ちゃんとの関係を修復する糸口がありそうだと思ったからだ。



240:狂依存 310
11/12/09 18:50:03.48 dMUtoX6p
「ふう……少なくとも私は仲良くしてたつもりはないわよ。会っていたのは、年に数回だけだったけど、会う度にしつこく私に付きまとってきて、『亜矢お姉ちゃんは僕の運命の人で未来のお嫁さんなんだ』とか言って、馬鹿なんじゃねえのこいつって思ったわ」
「はは……そうなんだ……」
本当に僕と麻由お姉ちゃんと同じだったんだな……。
「じゃあ、子供の頃はお父さんの事、好きじゃなかったんだね」
「当たり前でしょ。年下って時点で眼中にもなかったし、頭のおかしな糞うぜえガキとしか思ってなかったわよ。あまりにしつこいから、中学の時、こっぴどく振ってやったの。それから大人しくなって家にも来なくなったし、しばらく会う事もなかったわ」
全くと言って良いぐらい、僕と麻由お姉ちゃんと同じ道を歩んでいるじゃないか……。
親子でもここまで似るものなのかと、驚きを隠せなかった。
「じゃあ、何で二人は付き合い始めたのかな……?」

「……ああ、私がOLやってた頃、その……歓楽街で酔い潰れていた時、偶然通りがかったお父さんに介抱されてね……それから、何となくよ……あいつ、東京の大学に来て一人暮らししてたから、下宿先のアパートに転がり込んで色々世話してやりたくなってさ……」
恥ずかしいのか、何処となく重い口調で語っていく。
「私にも良くわからないわ。あんなに酷く振ってやったのに、優しくしてくれて母性本能をくすぐられでもしたのかしらね……それで、いつの間に付き合い始めて、あいつが大学卒業して就職した後、すぐに結婚したわけ」
「ふーん……」
まだ、言ってない事はあるのだろうが、少なくともお父さんはお母さんに対して、僕が麻由お姉ちゃんにした様な酷い仕打ちはしてないようだ。
それに引き換え僕は……取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれない。
「まあ……子供の頃は、あいつが『僕達は運命の赤い糸で結ばれてるんだ』とか、言ってるのを見て、そんな訳ねえだろ死ね、とか思ってたけど、今になって思うと本当にそうだったんだなあって、ちょっと思ったりもしてるわ」
「そ、そうなんだ……」
でも、話を聞いた限りじゃ僕とお父さんはやっぱり、違うし……。
「あんたも同じだと思うわ」
「え―?」
「あんたも散々、麻由の事『嫁になるんだ』とか、『運命の赤い糸で結ばれてるんだ』とか。ほざいていたじゃない。あんたもお父さんと同じ。麻由も私と同じ……すれ違う事はあっても近い内にどの道、くっつく運命にあるんじゃないかって思ってるわ」
「え?ど、どういう……」
「実際、私がそうだったんだもん。だから、あんたのしたい様にして良いんじゃない。電話代もったいなから、もう切るわよ。麻由にもよろしく言っておいて。じゃ」

「あっ……もしもし?」
切れちゃった……。
今、お母さんが言っていたのはどういう意味だ?
僕と麻由お姉ちゃんは運命で結ばれているから、どうなっても最後はくっつく運命にあるって……。
つまり……僕と麻由お姉ちゃんは僕が子どもの頃、思ってたみたいに本当に……。
「はは……そうなんだ……きっと、そうなんだ……」
どうなったって、最後は結ばれて幸せになれるって事は……麻由お姉ちゃんは今は僕の事を嫌ってもまた僕の事を好きになる。
だから、今僕がしたいように麻由お姉ちゃんを犯したって……結果は変わらないって事なんだ。
だったら……

ピンポーン
「ん?はーい」
呼び鈴が再び鳴ったので、玄関から出てみると、
「あ、麻由お姉ちゃん。お帰り」
「……」
僕が出迎えると、麻由お姉ちゃんは黙って、僕の横を通り過ぎて家へと上がる。
本当に怒ってるんだな。でも今はそんな剥れた姿も愛おしく思えた。
バタンっっ!!
麻由お姉ちゃんはドアを思いっきり閉めて、自室へと入っていった。
これから、スーツから私服に着替えるのだろう。
「なら、今がチャンスだな」
階段を上がり、麻由お姉ちゃんの部屋へと行く。
麻由お姉ちゃんとセックスしたい。今度こそ、逃がさない。あの体は僕だけの物、生まれた時からそう決まっているんだ!
バンっ!
「!?ちょっと、何勝手に入ってきてるのよ!」
ノックもせずに、黙って部屋に押し入ると、麻由お姉ちゃんはスーツを脱いで、下着姿になっていた所であった。
「何なのよ!早く出てって!」
「麻由お姉ちゃん……昨日はごめんね。僕も酷い事しちゃったって、反省してるよ。お茶碗は弁償するし、抜き出した千円も返すよ」
投げつけた枕を手に取り、ゆっくりと近づく。


241:狂依存 311
11/12/09 18:50:55.79 dMUtoX6p
「だからさ……お詫びに、気持ち良い事してあげる……!」
「きゃっ!ちょっと、止めっ!!」
麻由お姉ちゃんをベッドに押し倒し、ブラを乱暴にたくし上げて、久々に見た豊満な乳房を揉みしだく。
(ああ……麻由お姉ちゃんのおっぱいだ……)
「いやっ!!ダメっ!!離してえええっっ!!ん、んくっ!」
「ん、んふっ、ちゅっ、んふう……」
尚も暴れてる麻由お姉ちゃんを黙らせるため、口付けをし、唇を強引に押し付けた。
「ん、んっー!!ん、んふうっ!!」
顔を思いっきり手で抑えて、苦しそうにもがく麻由おねえちゃんの口の中に舌を入れて絡ませ合わせ、麻由お姉ちゃんとのキスを堪能した。
「ん、んっ!ん、ふうっ……ちゅっ、んん……!ふはっ!げほっ!」
「麻由お姉ちゃん……大好きだよ。だから、これからもいっぱいセックスしようね……」
「なっ……いやっ!いたっ!」
一瞬、怯んだ麻由お姉ちゃんをうつ伏せに引っくり返し、腕を後ろに回して手錠を掛けた後、再び仰向けにする。

へへ……これで、動けなくなったぞ……。
「大輝、あんた、こんな事をして……んぐっっ!!」
口に麻由お姉ちゃんの部屋のクローゼットにしまい込んでいた、ギャグボールを嵌め込んで黙らせる。
「んっ!!ん、んふーっ!!」
「あははは……麻由お姉ちゃん、似合ってるよ。こんな物を隠しておくなんて、本当に麻由お姉ちゃんはエッチだねえ」
「ふっ!ふあらせっ!!ん、んんーっ!!」
何を言ってるのか、良くわからないが、もう何日も溜まったままだし、さっさと犯してすっきりするか。
「よっと……」
麻由お姉ちゃんの足を思い切り開き、パンストをビリビリに破いて、ショートパンツを横にずらし、秘部を露にする。
まだ十分に濡れてないが、僕の納まりがつかないのでさっさとぶち込むか……
「ふ……いひゃあっ……ん、んあっ!!」
既にいきり立っていた肉棒を秘所に当てがい、ぐいぐい押し付ける。
「ん、んふっ!!ん、んん……!」
後ろ手に手錠で拘束されているとは言え、体をじたばたさせて抵抗しているので、中々挿入する事が出来なかった。
「大人しくしてよ……ん、一気に……」

「ん、んふうううっっっ!!」
起き上がって逃げようとした麻由お姉ちゃんを無理矢理ベッドに押し倒して、股を開き、肉棒を膣穴に当てて一気に押し込んだ。
「ん、んんっっーーー!!ん、んっ!!」
「ははは……やっと入った……さあ、行くよ」
ようやく、入った事に感激し、腰を動かして麻由お姉ちゃんとのセックスを楽しむ。
まだ十分濡れていなかったせいか、麻由お姉ちゃんはかなり苦しそうな顔をしていたが、それでも久しぶりの麻由お姉ちゃんの膣肉が触れ合う感触は最高であった。
「ん、んんっ!んっ、んふうっ!!んはっ!!」
体を倒し、中で押し込むように麻由お姉ちゃんの子宮を突きまくる。
涙を浮かべながら、僕を睨みつけているが、そんな表情も今の僕には愛おしくて堪らなく感じ、更に欲情を刺激してピストンを速めた。
「ん、んふうっ!!ん、んんっ!ん、んんっ!!!んぐう……」
はあ……麻由お姉ちゃんの膣中はやっぱり、気持ち良い……もう、イってしまいそうだ……。
久しぶりに味わった感激と無理矢理やっているという背徳感からか、僕の中に入れていた男根は早くも限界寸前になった。
「さあ、行くよ、麻由お姉ちゃん……いっぱい、出してあげるからね!」
麻由お姉ちゃんの足を掴み、一気にピストンを加速させ、射精へと追い込む。
「ん、んふうっ……ん、んんっ!ふ、ふーーーっっ!!!」
大きな喘ぎ声を上げたのと、同時に麻由お姉ちゃんの中に思いっきり、精子を解き放つ。
久しぶりの麻由お姉ちゃんへの中出しで、どんどん子宮へと吸い込まれていった。
「はあ……最高だよ、麻由お姉ちゃん……ちゅ……」
ようやく、射精し終わった後、ギャグボールを外し麻由お姉ちゃんにキスをする。
「ん……うっ……」
何故か、悔しそうな顔をして涙ぐむ麻由お姉ちゃん。いつも、自分から嬉しそうに腰を振っていたのに、どうしてこんな顔をするのかな?
「へへ……でも、やっと麻由お姉ちゃんと出来たね」
これで、また二人でラブラブな夫婦生活をそうだ……!
「二人が結ばれた記念に沙耶さんも犯してやろう」
あの人の事だから、きっと喜ぶぞ。はははははっっ!


242:狂依存 312
11/12/09 18:51:56.05 dMUtoX6p
既に薄暗くなった近所の公園の物陰に潜んで、待ち人が来るのを待つ。
「おっ……来たな」
時間通りに来た沙耶さんが視界に入ったと同時に、飛び出す。
「沙耶さん」
「え?あっ!!」
「ま、待ってください!!」
背後から声を掛け、振り向いて僕の姿を見るとすぐに逃げ出そうとしたが、慌てて手を掴み、

「昨日は本当にすみませんでしたっ!!」
「えっ……?」
深々と頭を下げ、大きな声で昨日の事を謝罪すると、沙耶さんも立ち止まって僕の方を振り返った。
「すみません、麻由お姉ちゃんの携帯を使って呼び出して騙すような真似をして……でも、今日の事をどうしても謝りたくて……」
僕の携帯からだと不審がられて来なくなる恐れがあるので、麻由お姉ちゃんの携帯を使い、メールで大事な話があると沙耶さんの携帯に送って呼び出したのだ。
「僕、どうかしてました。実は麻由お姉ちゃんにも別れを突然告げられて、ショックで気がおかしくなってしまったみたいなんです……それで自暴自棄になって……」
「大輝……」
「許してくれなんて言うつもりはありません!でも、どうしても昨日の事だけは謝りたかったんです。本当に申し訳ありませんでした」
「……その……私もごめんね。急にあんな事を言っちゃって……でも、麻由ちゃんにまで別れを告げられたって本当なの?」
「はい。僕も理由がわからないんですけど、いきなりそう言われて気が動転して……でも、良いんです。僕も麻由お姉ちゃんや沙耶さんに酷い事をしていましたから……」
流石に驚いた表情をしたが、真摯に謝罪したのを見て次第に警戒心が薄れたのか、僕の話に黙って耳を傾けていた。
「あの……それで、三人でこれからの事をちゃんと話をつけたいと思ったんです。麻由お姉ちゃんもかなり反省してましたし、会って沙耶さんにも謝りたいって言ってました」
「そ、そうなの?」
「はい。だから、これから僕の家に来て三人で話し合いませんか?僕達の事をよ
「う、うん……良いよ。そうだよね、ちゃんと三人ではっきりさせないといけないよね」
「良かった……じゃあ、今から行きましょう」
よし、まんまと引っかかったぞ。

「お邪魔します……」
沙耶さんを家に上げ、麻由お姉ちゃんの部屋へと案内する。
「麻由お姉ちゃん、沙耶さんを連れてきたよ」
ノックをし、ドアを開けて、沙耶さんと一緒に部屋に入った。
「麻由ちゃん……えっ!?何……きゃっ!!」
沙耶さんを先に部屋へと入れ、バンと背中を押した後、ドアを閉めて鍵を掛ける。
「ただいま、麻由お姉ちゃん。久しぶりに三人でしようか」
「んっ!んん……!」
「ちょっと、何をする気なの!?これは、一体……嫌っ!!」
ベッドに縛られて身動きできない麻由お姉ちゃんを見て、驚愕しているのを見て、強引に押し倒し、コートを剥ぎ取って体をまさぐっていく。
「いやっ!!止めてっ!!ちょっと、ん、んふうっっ!!」


243:狂依存 313
11/12/09 18:53:32.84 dMUtoX6p
騒いでる沙耶さんに口付けをして、黙らせる。二人にキスするのも久しぶりだな。
「ん、んふうっ……ん、れろっ……ん、んちゅ……はあっ!何で、こんな事を……あっ、ひあっ!」
「何でも何もあなたとしたくなったから、するってだけですよ。ほら、さっさと脱いでください」
沙耶さんの履いていたスラックスを無理矢理ずり下ろして、下着越しに秘所を指で撫で回していく。
必死で抵抗しているが、以前の様な力もなく、僕でも容易にねじ伏せられた。
「やめてえっ!もし、怒ってるのならちゃんと謝るから……はんっ!」
何が止めてだ。今まで、僕にしつこく付きまとって強引に誘ってきたのはそっちだろ。
ショートパンツも引きずり下ろして、四つん這いにし、思いっきり足を開く。
「いやあ……もう、ダメだから、ダメっ!!ん、はあああぁぁぁっっ!!」
麻由お姉ちゃんとしたばかりだというのに、何日もしてなかったかのようにいきり立っている肉棒を有無を言わさず、挿入し久方ぶりの沙耶さんの体を堪能する。

「いあっ!!ダメ……あっ、はんっ!!あっ……やだあっっ……!」
泣いて苦しそうな声を出しながら、喘ぎ声を上げる沙耶さんの子宮を突きまくった。
はは……麻由お姉ちゃん程じゃないけど、やっぱりこの人とのセックスも気持ち良いや。
「さあ……行きますよ……!」
「はぐっ……!あっ、はあっっ!!あっ、嫌だ……あっ、はあ……いやあああっっ!!」
足を思いっき掴み、一気にラストスパートをかけて腰を突き動かす。
「ん……んん……」
「麻由お姉ちゃん、待っててね……これが終わったら、またしてあげるから……」
ベッドで呆然とした顔をしながら、見つめる麻由お姉ちゃんに語りかけた後、再び沙耶さんに向き合い、子宮をガンガンと突く。
もうそろそろだな……
「はっ!あぐう……あっ、はふんっ!いやあああぁぁぁっっ!!」
沙耶さんの膣内で思いっきり射精し、子宮に注ぎ込む。
「ああああぁぁぁ……はあ……はあ……えぐ……うっ……」
沙耶さんは膣中で出された事が悔しかったのか、嬉しかったのか僕に顔を背けて、涙を流していた。

ようやく、出し終わった後、肉棒を引き抜き部屋にで倒れている二人を交互に見る。
「は……ははは……」
何やってるんだ、僕は?麻由お姉ちゃんと沙耶さんを無理矢理押し倒して犯したりして……。
「良いんだよね、これで……だって……」
二人とも僕の女なんじゃないか……だから、好きにして良いんだ。喜んでくれてるはずだ。
麻由お姉ちゃんとは運命の赤い糸で結ばれているんだから、これで……良いんだ……!
「はっ……はははっ…あーはははっ、はっ、はははっっ……!!」
何がおかしかったのだろう?ぐったりとしている二人を見つめながら、僕は……ひたすら笑う事しか出来なかった。
そして、笑いながら実感した。
自分の心が音を立てて崩れ落ちていってる事を。

244: ◆wBXWEIFqSA
11/12/09 18:54:53.95 dMUtoX6p
以上です。
ありがとうございました。
長くなってしまいましたが、そろそろ、物語りも終わりに近づいていると思います。

245:名無しさん@ピンキー
11/12/09 19:09:52.75 sDCC4VA6
乙です
今までの作品にない展開になってきましたな

246:名無しさん@ピンキー
11/12/09 19:15:47.90 RFK1EsPw
乙!

思考が狂ってしまったな。どうなるんだこれは・・・

247:名無しさん@ピンキー
11/12/09 19:21:36.55 G3iu9cja
片方が狂うと片方が正常になるのか・・・
なんか最後両方狂いそうだな

248:名無しさん@ピンキー
11/12/09 19:56:35.79 WpI06dxE
なんだこれ・・・すげええ・・・・

249:名無しさん@ピンキー
11/12/09 21:30:59.93 gItbLglc

なんかお母さんの方も冷めてるみたいだな

250:名無しさん@ピンキー
11/12/09 21:54:26.72 IvePJH8D
風(ry............ドゴォ!..

251:名無しさん@ピンキー
11/12/09 21:57:31.05 OjS3lGHq

何か展開がやばすぎるだろw

252:名無しさん@ピンキー
11/12/09 23:02:47.23 wkA93vCx
乙。
バッドエンドまっしぐらだな

253:名無しさん@ピンキー
11/12/09 23:24:45.65 9t7QLSHm
楽しみで見てる作品なだけに、すんげー嫌な予感する…。

254:名無しさん@ピンキー
11/12/09 23:26:50.42 AJ0HhFIo
Gj
だが待って欲しい
母もデレた後またツンに戻って犬みたいに犯されてまたデレたのかもしれない

255:名無しさん@ピンキー
11/12/10 00:25:47.12 hSH29JcS
大輝が元に戻って沙耶と付き合うのが理想のエンドだな。
狂依存を克服という意味でもね。

256:名無しさん@ピンキー
11/12/10 01:08:50.14 icPDgLVl
大輝がかなり酷く感じるけど、実際やってることは麻由お姉ちゃんや沙耶さんがやってきたことと同じなんだよな

257:名無しさん@ピンキー
11/12/10 02:11:07.13 SmqSs8W6
このスレ的にはダメなエンドだな

258:名無しさん@ピンキー
11/12/10 02:47:02.01 EGLsKCxs
読んでてここまで胸糞悪くなる主人公は初めてだわ
単なる基地外だろこれ

259:名無しさん@ピンキー
11/12/10 03:38:03.23 /5J6QiT1
そこが話として面白いのに何言ってんのお前

260:名無しさん@ピンキー
11/12/10 09:20:28.62 TI3vY25C
>>259
どうせ昨日の投下だけをちょろっと見て、書き込んでんだから無視っとけ

261:名無しさん@ピンキー
11/12/10 13:26:42.08 3mAJAuCZ
ハブ姉VSマングース妹
最後はダイナミック的に共闘して幼馴染を倒す

262:名無しさん@ピンキー
11/12/10 17:17:02.73 kMjlsujS
…というか、この驚愕展開から作者氏が、どう纏めるか期待



263:お悩み相談
11/12/11 20:49:13.42 8vyvAJY9
初めて投稿させてもらいます。
私はごく普通の高校に通うごく普通の女子高生です。学業も友人関係も上手くいっています。
そんな私の悩みはただ一つ、兄が真性の同性愛者なことです。
同性愛に偏見があるわけではありません。
それでも兄が、兄さんが同性愛者なのはだめです。兄さんが愛していいのは私だけてにいさんのこだねのすべてはわたしにしかだめなんです。にいさんはわたしだけわたしたけのもの
私はどうすればいいのでしょう。

O「さ、最初からキツい質問がきたね、Nさん」
N「そうかしら?答えは簡単よ」
N「レイプしなさい。私が良い薬を送ってあげるから」
O「ちょちょっ、それダメでしょう!」
N「成功を祈ってるわ、私も今日、O君に使う予定だから」
O「いやいやいや、姉さ、Nさん、何を」
N「相談者の娘も頑張ってね!私もおとう、O君と幸せになるから」
O「ほんと、ちょっと待ってって#$」
N「じやぁ、今日はここで」
O「まだ終わらせないで」
N「楽しい兄妹、そして、姉弟ライフを!」
O「そのシメも意味が分からない、そして姉さん、眼が怖い眼が怖い!いやー!!」

264:名無しさん@ピンキー
11/12/11 22:20:06.88 JXUJCy6J
>>263
小ネタ乙
行列の出来るキモ姉妹相談所か

265:名無しさん@ピンキー
11/12/12 01:46:17.93 T9SflESM
このあと姉もといNさんがOくんをおいしくいただいちゃったってことですね

266:歩美14歳
11/12/12 09:35:14.54 CD9+ZDg3
歩美は14歳の中学2年生だ。今日も白いレオタードに身を包んで市の新体操クラブの練習を終えた
「ふう‥」おでこの汗をぬぐう歩美。長いポニーテール、うっすら透ける乳首、アンダーのパンツ、前後の幼いワレメ‥かなりの美少女だ
見学にくる男子たちの目線はやらしいが、歩美は一人の男の子を探している
(たっくん‥)仲良しの弟の達也、12歳の小学6年生だ。母子家庭の歩美にとって一番身近で頼れる「男性」だ
いっしょに寝ることもお風呂に入ることもあるが、歩美にとってお風呂で裸を見せっこしたり洗いっこする時は一番の幸せだ
(たっくんと一番仲のいい女の子はあたしなんだから‥!他の女なんか許さない!)いつしか歩美は幼い歪んだ淫らな愛情を達也に感じるようになった
見学者の人混みに飛び込んだ歩美。乳首の突起やパンツの下のタテスジに男子たちが注目している
「あっ!たっ‥くん‥達也‥そんな‥」笑顔で手をあげて最愛の弟を呼ぼうと思った歩美
そんな美少女中学生の目に飛び込んできたのは達也が他のレオタード少女と楽しそうにおしゃべりする姿だ
(そんな‥たっくん‥なんでそんな女と!)歩美は目に涙を溜めてその場に背を向けて更衣室に向かった
よりによって歩美が一番嫌いな藤井理奈と最愛の弟、未成熟な身体まですべてをさらけだせるかわいい弟が、仲良しになっていたのだ
バタン!バシン!ドアもロッカーも乱暴に開け、歩美はレオタードを乱暴に脱ぎ始めた
「あゆ?どうしたの?」「歩美センパイ?」仲のいい友達は歩美にびっくりしている
(たっくん‥)歩美のくりっとした目から暖かい涙が溢れて、目も顔も真っ赤だ
「ズズッ!ズズッ!」鼻水をすすりながら歩美は全裸になった

267:名無しさん@ピンキー
11/12/12 10:29:18.50 /HtczgGW
>>266
続きは?規制でも食らったかな

268:名無しさん@ピンキー
11/12/12 14:12:54.85 RKULuEmp
夜中に初めて投稿しようとおもいます宜しくお願いします

269:名無しさん@ピンキー
11/12/12 14:20:06.05 M5UQ+DW+
>>268
ありがたいけど、これ書かれると別の作者は>>268が投稿するまで投稿できなくなる

270:名無しさん@ピンキー
11/12/12 14:21:48.52 RKULuEmp
>>269
すみません、ではまた別の機会にしますごめんなさい

271:名無しさん@ピンキー
11/12/12 14:26:55.53 M5UQ+DW+
>>270
ごめん別に叩いた訳じゃ無いんだ
ただ予約みたいな書き込みすると、別の書き手は「投下するんか…なら時間空けるかな」っ遠慮するよ~ってこと
普通に楽しみにしてるから投下はありがたい

272:名無しさん@ピンキー
11/12/12 15:21:18.26 /HtczgGW
今から投下しますよ~位で大丈夫だよ

273:名無しさん@ピンキー
11/12/12 17:49:19.40 N2nVxdnc
今からパンツ脱ぎますよ~

274:名無しさん@ピンキー
11/12/12 18:07:38.21 VctJxZTd
そんな粗チン見せないでください汚らわしい

275:名無しさん@ピンキー
11/12/12 18:22:45.23 /HtczgGW
キモ姉妹がパンツ脱いだのかも知れない

276:名無しさん@ピンキー
11/12/12 18:24:24.66 0sBbNglo
どんどん投稿しちゃお1

277:歩美14歳・第1部
11/12/12 22:02:43.25 CD9+ZDg3
続きいきます

歩美の恋敵の藤井理奈は同じ中2で、ショートカットで美少女だが目付きがキツイ
なかなかのスタイルの美少女だが歩美には及ばない
しかしその実力はクラブ1で大会入賞の常連だ。上手い演技からその体も大人っぽく見える。
歩美にはない「大人の魅力」が理奈にはあり、達也を惚れさせた
(たっくんのバカ‥)歩美は少しずつ女性になりつつあるがまだまだ幼い、163cm36kg、76ー56ー78の幼い自分の裸を恨めしく思い、
(藤井め!)涙まみれの目で理奈のロッカーをキッと睨んだ
その夜、母親が出張のため不在。夕食後、達也が話しかけてきた
「お姉ちゃん、なんで先に帰ったの?待ってたのに」
「うん‥気持悪くなって‥」目を合わせない姉だが、
「ふうん‥」達也はソファーに座って携帯ゲームに夢中だ
美しいロングヘアとピンク色の音符模様のミニスカートをふわっとさせて、歩美は達也の横に座った
「たっくん‥藤井理奈と仲がいいの?」
「えっ?付き合ってるんだけど」
「そんな!」歩美にとって最悪の結果だ。自分が一番達也を愛していたのに‥裸まで見せてすべてをさらけだしてきたのに‥
弟に裏切られた‥しかし携帯ゲームに無邪気に夢中になる美少年の横顔を見ると、その怒りは理奈に向けられた
(達也を取り戻そう!あたしのものだもん!)頭の悪い歩美は達也にストレートに言った
「あんな女やめたほうがいいよ!たっくんには合わないよ!」
「なんでだよ!」達也は携帯ゲーム機を置いて歩美を睨んだ
弟として姉の美貌は普段から友達に自慢しているが、このときばかりは憎たらしく見える
達也は6年生、彼女がいてキスくらいなら済ませていてもおかしくない。
身長こそ歩美より低いが、腕力は歩美を上回り、「たっくんってたくましくて頼もしいな~」と歩美をニコニコさせている
「藤井理奈って小学生の時から男の子を部屋に連れ込んでるみたいだよ」
「理奈はそんなことしてない!」
「あたしの友達でたっくんをいいって言ってる子がいるからその子にしなよ!真面目だし、たっくんにぴったりだと思うの‥」
ここまで聞いて達也は「歩美!」と怒鳴り、同時にビンタをしてきた
「痛あいッ!」パンと歩美の顔面を捕らえると、(たっくんが‥歩美をぶった!)歩美の目から涙が溢れてきた

278:歩美14歳・第1部
11/12/12 22:06:10.39 CD9+ZDg3
しかしビンタのショックなどかわいいものだ。顔に似合わず凶暴な達也は、
「オラ!オラー!」と歩美の頭、肩、腕、所構わず殴ってきた
「痛いッ!やめて!たっくんやめてえ!」歩美は丸まっているが、痛みのため反撃ができず、ただ泣くだけだ
「あゆみー!」って叫びながら達也は歩美のロングヘアを掴んで振り回す
「髪はやめて!痛いよー!」細い身体まで振り回され、ドスンと床に歩美は叩きつけられた
「痛いよーッ!」仰向けで猿のような真っ赤な顔をしわくちゃにして泣く歩美
達也は素早く姉のスカートの中に手を入れ、白いパンツをぐっとつかんだ
「いやあーッ!」
「お前なんかフルチンにしてやるよ!(※正しくはフルマン)」
ズルッズルッと素早くパンツが歩美の太もも、膝、足首を通過
「いやあーッ!パンツ脱がさないでーッ!」歩美はレイプを味わった。今まで女性生殖器を達也に見せてきたが、今回は仲良し姉弟として中学生マンコを見せるわけではない
頼りない太ももの間にはようやく生えた陰毛に守られて中学生マンコが顔を出している
「いやあ!」歩美は股間に気が行ったため、達也が白いセーター、ブラウス、ブラを脱がして、スカートのホックを外して靴下以外全裸にするのは簡単だった
「や、やだ‥やめて‥」カタカタ泣きながら震えてる歩美。座って、右手でおっぱいを左手でマンコを隠す。
歩美の裸は綺麗だ。手足は細いが胸やお尻はヘタクソな新体操で鍛えられ、未成熟なりに綺麗な形だ
「キャア!」うつ伏せにされるとぷりんぷりんのみずみずしい中学生のお尻が丸出しだ
「大人しくしろよ歩美ー!」
「や!いや!こないで!」背中に達也が乗ってきた。位置的に達也の小学生チンポがズボン越しに歩美の白いお尻に当たった
(たっくん!勃起してる!たっくんの男の子が‥)いつもは裸を見せて、達也を勃起させて満足する歩美だが、今は、まだかぶっている小学生勃起チンポが怖い
「オレに逆らえないように大人しくさせてやるよ!」
「ああん!やめて!やめなさい達也ーッ!」達也は素早く歩美を仰向けにして、股を開かせた
「姉弟でこんなことダメなんだよ!ママに怒られるよ!」
「うるせえ!」達也は歩美を犯して大人しくさせようとしている
(こんなのイヤ!こんなの、たっくんじゃない!)歩美はきつく目を閉じて涙を流している


279:歩美14歳・第1部
11/12/12 22:27:54.57 CD9+ZDg3
「ハアハア‥」達也がチンポを出そうとしたその時、「あたしやだあ!」と歩美が膝を動かして暴れたら、達也のチンポを直撃した
「いてえ!」苦しむ達也の下から靴下以外全裸で逃げると歩美は泣き叫んだ
「優しくしてくれないたっくんなんて大嫌い!うわあーん!」姉ではあるが、歩美は弟相手に何もできずに犯されそうになった
今夜は歩美の完全敗北だ。達也との仲良し姉弟は崩れ、姉としての威厳も失ったのだ
泣きながらバタンと真っ暗な自分の部屋に入った歩美。全裸のまま泣いている
怖い‥恥ずかしい‥悔しい‥まだまだ幼い14歳の少女の心をさまざま思いがめぐる
今朝まで仲良し姉弟だったのに‥完全に決別してしまった
「たっくん‥たっくん‥ズズッ」全裸のままベッドにうつ伏せになるお尻丸出しの歩美だった
次の日から歩美は孤独だった。達也は会話してくれないし、学校では藤井理奈に「フン」とニヤッとされた
(藤井とたっくんがあたしの知らないところで‥)歩美にはなすすべがなかった
さらに歩美の幼い心を苦しめる達也と理奈
放課後、市営体操クラブを見学に来た達也は歩美に見せつけるように理奈とイチャイチャ
理奈も冷えた目で純白レオタードの歩美に見せつけている
(たっくんやめて!お姉ちゃんのことを応援してくれないの?)歩美は泣きべそをかいた
(くやしい!藤井めー!あたしの方がかわいいし、スタイルいいのに!)歩美は本当に頭が悪かった
(今度の大会であたしが優勝して藤井に勝ったらたっくんも「お姉ちゃんの方がかわいい!」って言ってくれるわ!)歩美は涙をふき、ロッカーに走った
「このレオタードでたっくんを取り戻すわ!」歩美が取り出したのは大会用の純白レオタードで、身体の前後に紫色のチョウチョが飛んでいる
しかし、「達也のお姉ちゃんうざいんだけど」
「歩美?アイツ調子にのれないようにしてやろうか?」
この時歩美は大会で「丸裸」にされて、地獄の日々を送ることになるとは思っていなかった


第1部・完

280:名無しさん@ピンキー
11/12/12 22:40:02.45 /HtczgGW
Gj
なんという馬鹿お姉ちゃん虐めだ、ガラスの仮面思い出した

あと纏めてならべく投下した方が良いよ

281:名無しさん@ピンキー
11/12/12 22:58:26.60 CD9+ZDg3
>>280
すみません不慣れなもので
二部書いたらまとめて投下します

282:名無しさん@ピンキー
11/12/12 23:36:28.04 u43WPk9F
弟「姉さん・・・・人の部屋で何してるの」
姉「もぉ弟君、帰ってくるのおそーい」
弟「あれ?今日バイトで遅くなるって言ってなかったっけ」
姉「言ってたよー、でもね」
姉「弟はクリスマス、お家でお姉ちゃんとラブラブしないといけないってきまりがあるんだよぉー」
弟「そんな決まりは無い」
弟「そんな事よりも、人の部屋で何してんだよ」
姉「見てわからなぁい?姉体盛クリスマススペシャルだよ」
姉「さぁ召し上がれぇー」
弟「姉さん、そんな事してないで、彼氏の一人でも作ったらどうよ」
弟「昔からそうだよ、いつもいつもいつも、僕に付きまとってジャマなんだよ!」
弟「じゃぁ、僕これから彼女とデートだから行って来るよ」

ガチャ

姉「弟君・・・・・・フフフフフフフフ」
姉「私の弟君はあんなこと言わない言わない言わない言わないイワナイ」
姉「きっと彼女とか言う雌猫のせいだ、弟君は雌猫の毒にやられちゃってるんだ」
姉「そうだよ、弟君はいつでも私の味方だもんフフフフフフ」
姉「待っててね弟君、今お姉ちゃんが助けてあげるからね」

クリスマスにキモ姉キモ妹は
弟や兄と過ごすのか、それとも泥棒猫を消して過ごすのか
どっちが多いだろう


283:名無しさん@ピンキー
11/12/12 23:38:50.05 s0+ybQxN
つまんね

284:名無しさん@ピンキー
11/12/13 00:22:27.34 TrldellZ
泥棒猫?いねえよそんなもん

285:名無しさん@ピンキー
11/12/13 10:14:44.60 rg7Jq0uL
妹「ちくしょう!泥棒猫だ!」

妹「プランBでいこう。プランBは…なんだ?」

姉「あ?ねぇよんなもん」

こうか

286:名無しさん@ピンキー
11/12/13 17:07:45.71 DZwnJCB/
つ、つまんね....

287:名無しさん@ピンキー
11/12/13 17:08:23.94 LN0KflIG
最近、お兄ちゃんに彼女だと名乗る変な女がまとわりついています。
この変な女がお兄ちゃんに色々と手を出そうとしてくるから、わたしは心配でお兄ちゃんから離れる事が出来ません。
どうすればお兄ちゃんを守り抜く事が出来ますか?
上手く殺せる自信はないし、でも、生理がきての初めてのクリスマス、そこからずっとお兄ちゃんとつながっていたいのです。

O「こ、これは・・、どのあたりの常識から教えればいいのかな?」
N「そうね、殺しは駄目ね」
O「それもあるけど、それだけじゃなくて・・」
N「そんな事をしなくても、答えは簡単よ」
N「隔離しなさい、良い離島に送って上げるから」
O「ちょ、ちょっと!Nさん、何を?」
N「そこでゆっくりとお兄さんに色々と分からせなさい」
N「1ヶ月もしっかりと教えれば、お兄さんもきっと変わるから」
O「えっえ?ね・Nさん、何をさせる気」
N「そういえば、お礼の手紙が届いてたわ」
O「話をきこう、Nさん」
N「Nさんへ、先日はお薬、有難うございました。早速、兄に飲ましたところ、すぐに効き目が現れ、今では私以外の人間が近づくと発狂するようになりました。もう兄には私しかいないのです。こんなに嬉しい事はありません。本当に有難うございました」
O「そそそ、その薬って前に僕に飲まそうとしたのだよね?あんた、弟に何を飲まそうとした?!」
N「幸せになってくれたなら、私もネタバレをしてしまった価値があるわ」
O「だから話をきいて!」
N「もうすぐクリスマス、恋する姉、一途な妹さん達、行動は隠密に」
O「このシメも意味が分からない」
N「私も隠密に、実力公使をするわ」
O「隠密に実力行使って意味が分からない、そして姉さん、眼が怖い眼が怖い!じりじり近寄って来るのが怖い!いやー!!」

288:名無しさん@ピンキー
11/12/13 23:33:09.54 eO8W1q4A
歩美まだ?

289:名無しさん@ピンキー
11/12/13 23:50:38.80 mpzjzthk
誰っすかそれ?

290:名無しさん@ピンキー
11/12/13 23:58:58.83 8adhRo4k
姉と妹はどちらが価値があるか考えたんだけど
妹は親に頼めば出来るけど姉は出来ないから姉のが貴重だと結論がでた

291:歩美14歳・第2部
11/12/14 00:23:24.13 KQV8voGD
歩美は家で達也に、学校で藤井理奈に、体操クラブでは二人そろっていじめられていた
母親がいない時を狙われ、入浴後で「パンツはこうっと‥」とした時に後ろから達也に羽交い締め
「い、いたあい!たっくんやめて!」全裸の歩美は泣くしかできない
ツルツルゆで卵のようなお尻に達也の勃起チンポを感じながら、「やめて‥やめて‥ください‥ズズッ‥身体が痛い!新体操できなくなっちゃう!」
「うるせえ!歩美なんか失敗しちゃえ!」
さらに姉の脱いだ白いパンツを取り上げる達也
「ガキっぽいパンツ履いてるな!クンクン‥ションベンくさい!歩美のパンツ、ションベンくさい!」
「もうやめてえ!」
歩美の清純な外見にぴったりな純白のパンツは黄色いオシッコのシミがついてるのを最愛の弟にあばかれた
さらに学校では理奈にいじめられる。「数学6点 草野歩美」と書かれた答案を晒し者にされ、「草野ってバカなんだな!」
エロ男子たちの前で短いスカートをめくられた
「キャアアーッ!」恥ずかしがる歩美は、男子たちの中に片想いの相手を見つけた
「草野のパンツ見えた!」とやらしく言われて歩美は失恋を味わった
「も、もうやだ‥」泣きながら学校から帰り、身心はボロボロだ
間もなく近づく大会は身体の美しさと同時に豊かな心で演技しなければ優勝は狙えない
今の歩美は14歳というデリートな身心をボロボロにされている
「藤井め!ぶっ殺してやる!ちくしょう!」美少女が台無しになる汚い言葉を吐いて泣きながら歩美は帰宅。誰もいない
「‥オナニーしようっと‥」中学生になってから回数が増えたオナニーが最近の歩美のストレス解消法だ
ケンカ中でも歩美は最愛の弟を愛する気持はかわらない
壁にかかる純白&チョウチョのレオナルドを眺めながら歩美は制服のままベッドに寝そべった
クチュクチュ‥ピチャピチャ‥幼いがオナニーの音は大人の女性と変わらない
「あっ‥はあ‥たっくん‥歩美のたっくん‥たつやあ‥」ほっぺたをピンク色にして想像オナニーにふける歩美
実の弟にレオタード姿の自分が無理矢理犯される妄想‥歩美はもはや完全な変態だ
「んっ!んっ!はああ‥おしっこ出ちゃうようーッ!」びくびくしながら歩美はイッた‥
白いチョウチョレオタードは、主人が中に入って来るのを静かに待っている


292:歩美14歳・第2部
11/12/14 00:35:06.58 KQV8voGD
大会が迫り、歩美は家でも練習している
「歩美スペシャル」‥歩美考案&命名のボール技。両膝をつき、ふくらはぎでボールをはさんで、美しく両手を広げて前に倒れる
その際、ボールをふくらはぎ→お尻→背中→首→背中→お尻→ふくらはぎ、と往復させる
ボールを転がすかわいらしさ、揺れるポニーテール、歩美の美貌からの笑顔‥萌え要素を入れて歩美が考えた技だ
「歩美スペシャル!」部屋で全裸で練習するが、まだ歩美スペシャルが成功したことはない
(歩美スペシャルが成功すれば絶対に優勝するわ!たっくんだってあたしに萌えてまた仲良くしてくれるもん!)歩美の頭の中は小学生並みに幼かった
他にもボールを真上に投げて、でんぐり返ししてキャッチする「歩美トルネード」とか、
自分の名前「歩美・歩み」に似合う技として先にボールを転がして自分は躍りながらボールを追いかけて、寝そべってキャッチして、最後はなぜか股間をぐいっと上げる「歩美フィニッシュ」、
寝そべり、右手でボールを持ち、左手を頭の上に伸ばす。そこから股間というか14歳マンコを天井に突き上げながらブリッジで起き上がる「歩美ブリッジ」
など、訳のわからない意味不明な達也を萌えさせることだけを目的にした技の練習を繰り返す歩美
「んっ!痛いッ!ダメ‥練習しすぎると歩美ブリッジと歩美フィニッシュでアソコ‥おまんこが筋肉痛で痛くなっちゃう‥」
そして大会前夜。歩美は白いレオタード、ベージュのアンダーパンツを枕元に置いて眠った


第2部終了

293:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:17:14.84 Lo9hjRy+
なんなのコイツ

294:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:18:14.38 nn9aYUUS
天才書き手

295:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:26:57.02 cAoX2LlM
即興で執筆したらそらそうなるわな

296:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:34:54.82 G427z5YG
弟を萌えさせようとして体操してるのはキモイ姉だな
これは馬鹿姉ギャグ物なんだよ!
投下前に投下宣言をしたら方が良いよ、頑張ってくれ

297:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:36:57.71 LNv0SYIf
ちょっと話がよくわからん
てかキモ姉なのか?

298:名無しさん@ピンキー
11/12/14 01:59:06.60 rGmmhod9
なかったことにしよう

299:名無しさん@ピンキー
11/12/14 03:53:48.54 DIHIlXkX
まさか風見か?

300:名無しさん@ピンキー
11/12/14 07:40:47.63 2badQKDS
誰それ

301:名無しさん@ピンキー
11/12/14 07:54:10.82 pHe9C4gv
>>300
ヤンデレスレ見てこい。ひどい事になってるから。
見て分かったら何も言わないでくれ…

302:名無しさん@ピンキー
11/12/14 08:15:26.33 kTHWdqqh
あれwiki模様替えした?

303: ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:43:58.39 QwbmmOWb
狂もうと投下します。

304:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:44:27.93 QwbmmOWb
真っ白なカーテンに真っ白なベッド…綺麗に整頓された部屋は清潔と言う文字しか頭に浮かばない。
その白に統一された小さな部屋に僕は居た。
パイプ椅子に腰かけ、綺麗なベッドに眠るお兄ちゃんを眺めている…。
顔には包帯が巻かれており、今は麻酔の影響で深い眠りについている。
三日前に突然部屋に入ってきた男に襲われ、お兄ちゃんは顔に大きな火傷を負ってしまったのだ…。
何かの薬品を目に流し込まれたらしく、医者が言うにはもう目は見えないそうだ…。
その事実を兄ちゃんになんて伝えたらいいのだろう…由奈姉ちゃんが伝えるからお前は黙ってろって言われたけど…兄ちゃんが壊れるんじゃないかと思うと本当に恐い。
何の薬品か分からないけど、ベッド下から鉄製のスポイトが見つかったので、かなり危険な薬品だと警察は言っていた。


そしてあの男の正体……僕が包丁を背中に突き刺した時に男の帽子がポロっと落ちて顔が見えた。
そして目と目が合い、思い出したのだ。
間違いなく、あの男は零菜をよく迎えに来ていたデブだった…。
それを警察の人に伝えたのだが、昨日来た警察の人に聞くと、どうやら行方不明になっているそうだ。

305:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:45:31.82 QwbmmOWb
そして、不思議な事に零菜を突き飛ばした犯人…あれは僕が突き飛ばしたのだけど、何故かデブが突き飛ばして逃げた事になっていた。何でも複数の目撃証言があったらしく、ニュースでも大きく流れていた。
何が起きてるのか状況が飲み込めないけど、あのデブが兄ちゃんを傷つけたのは許せない。
あのデブは見つけ次第僕の手で殺す…。
兄ちゃんを傷つけたあのデブは絶対に許さない。
それに郵便局員の制服を着ていたあたり、警察が言うにはデブの確信的犯行らしく、殺意を持って兄ちゃんを襲った可能性があるそうだ。
兄ちゃんとデブの間に何があったのか…零菜が知ってるんだろうけど、零菜は生憎集中治療室で意識不明の重体患者として今も目を覚まさない。
それに零菜に目を覚まされたら…でもそう考えると由奈姉ちゃんだって共犯扱いされるだろうから、零菜が目を覚ました時に何か対策を考えていると思うけど…。
とにかく今は、兄ちゃんが目を覚ますまで待つこと…そしてデブとの対戦に備えてスタンガンを常に装備し、由奈姉ちゃんと一緒に兄ちゃんを守ること。

「兄ちゃん…」
パイプ椅子から立ち上がり、兄ちゃんに近づく。
ゆっくりベッドの端に手を乗せて兄ちゃんの顔を覗き込んだ。

306:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:45:54.51 QwbmmOWb
鼻から上は包帯で覆われている…だけど鼻からしたは無傷で綺麗なお兄ちゃんの口がそのまま寝息を立てていた。

「ゴクっ…」
生唾を飲み込み、一度お兄ちゃんから離れると、部屋から顔を外に出して様子を伺う。

「……よし…」
由奈姉ちゃんは兄ちゃんの服を取りに行くために家に戻ってる…戻ってくるのも少し遅くなるはず。

「兄ちゃん、寝てる?」
再度兄ちゃんに近づくと、兄ちゃんの耳元で囁いてみた。
何の反応もしない…麻酔が効いてるみたいだ。

「どうしたらいいんだろ…」
まず、どうしたらいいのか……零菜のビデオを見た時は、初っぱなから既にエッチをしていたので始め方が今一分からない。

「いや…別にエッチな事をしようと思ってる訳じゃないんだ……うん…」
独り言を呟き頭で零菜がしていた事を思い出してみる。
たしか零菜は兄ちゃんに股がって抱きついてキスしてた…舌も入れてた気がする。

「起きないでよ…本当に…」
パイプ椅子をベッドに近づけ座ると、掛布団の中に手を入れて兄ちゃんの手を優しく握る。
そして兄ちゃんの顔を伺いながら、自分の唇を兄ちゃんの唇にそっと近づけた。

「…っ」
唇と唇が触れる瞬間目を瞑って小さくキスをした。

307:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:46:19.89 QwbmmOWb
正真正銘、僕の初めてのキス。
すぐに顔を遠ざけて、兄ちゃんの様子を見る。
動かない…そりゃ麻酔が効いてるんだからキスぐらいでは起きないはず…。
緊張の糸がピンと張る空気の中、もう一度口を近づけ兄ちゃんの唇に口づけした。

「ん…んっ」
今度は一度目より長くキスをしてみた。
唇を離して今度は近くで兄ちゃんの顔を見下ろす。
唇は僕の唾液で光り、未だに小さく息を吐き眠っている。

「……」
ここで引けば取り返しがつくかも…起きても、冗談だよ~ですむ話…。
だけど兄ちゃんは麻酔で起きない。
その根拠の無い理由が私を積極的に突き動かした。
僕の手は兄ちゃんの手から胸へ移動する。
そしてゆっくりとパジャマの中へと指が入っていく。

「うわぁ…暖かい…」
つるつるした肌を震える指で撫でまわし、兄ちゃんの温もりを堪能した。

後は舌を入れるキスを―



―ガラガラガラッ

「―遅くなってごめん。家に帰るのめんどくさいから服買ってきちゃ……何してるの?」
突然扉を開けた由奈姉ちゃんの声に反応した僕は勢いよく手を引き抜き、咄嗟に兄ちゃんに布団を掛け直しているフリをした。

308:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:46:45.17 QwbmmOWb
「い、いや、兄ちゃんの布団がずれてたから……そ、それより由奈姉ちゃん早かったね」
布団を掛け直すフリを終え、パイプ椅子に座り直すと、何故か手を隠して由奈姉ちゃんの方へと振り向いた。
数秒間、僕の顔を凝視していた由奈姉ちゃんは、何か言おうとしていた口を閉じて、部屋にそのまま入ってきた。
息を吐き胸を撫で下ろすと、パイプ椅子から立ち上がり洗面器へと向かう。

「……(兄ちゃん…暖かかったなぁ…)」
温もり残る指を見ていると、背中がむずむずする。
兄ちゃんと肌を合わせている零菜は凄く幸せそうな顔をしていたけど…もしかしたら本当に―。

「……」

「何してるの?」
背後から覗き込んできた由奈姉ちゃんに驚き、咄嗟に水を出して手を洗ってしまった。

「手が汚れたから…」
咄嗟に考えた言葉でその場を取り繕う。

「ふ~ん……汚れた手でお兄ちゃんに触らないでね?今はお風呂に入れないんだから」

「う、うん。分かった」
花瓶を持っているので花瓶の水を替えに来たのだろう。後ろに一歩下がると、由奈姉ちゃんは花瓶の中に入っている水を洗面器に流し、新しい水に入れ替えた。
花瓶に花を挿して棚に飾る。

309:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:47:10.98 QwbmmOWb
「まだ、あのデブ捕まらないのかな?」

「そうね…」
新しい衣服を取り出す由奈姉ちゃんの背中を見ながら、パイプ椅子に股がる。
由奈姉ちゃんを見ていると、本当に兄ちゃんの事が好きなんだなぁと思う。
兄ちゃんを見る由奈姉ちゃんの目は本当に優しい目をしているのだ。
僕を見る目とはまったく違うもの。
それは別に寂しいとは思わない…当たり前の事だし、今更由奈姉ちゃんに優しくされても逆に警戒してしまうだろう。
だけど僕自信は仲良くできるなら仲良くしたいと思っている。
たった一人の実姉だし、仲良く兄ちゃんと一緒に妹でありたい。

―コンコンっ

「はい?」
看護婦だろうか?扉が優しくノックされる。

「あの~…篠崎 勇哉さんの部屋は此方でしょうか?」

「はい、そうですけど?」
由奈姉ちゃんがドアの外にいる相手に対応する。
女の声だったけど、看護婦じゃない?だとしたら誰だろうか?
自然と腰に隠しているスタンガンに手が伸びた。

「あの…失礼します」

「あれ?あんた…」
扉を開けて目の前に立っていたのは、胸の大きな可愛い女性。
僕は見たことがある…たしか零菜が友達のフリした…。

310:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/14 12:47:43.00 QwbmmOWb
「何か御用ですか?お兄ちゃんの“元”友達の…」

「杉原 薫です…お久しぶりですね」
名前を言えない由奈姉ちゃんに怒るでもなく、小さく笑顔を向けると勝手に病室へと入ってきた。

「どうしてこの場所が分かったんですか?」

「朝のニュースで見たんです。優くんが大怪我を負ったって」
ニュース?椅子から立ち上がりリモコンを掴んでテレビをつけてみる。

「あんたバカ?ドラマじゃあるまいし、そんな都合よくお兄ちゃんのニュースがテレビに映る訳ないじゃない」
呆れたように言い捨てる由奈姉ちゃん。
確かに…ドラマや映画だったらテレビをつけた瞬間に映る。
恥ずかしくなりテレビを消す。

「でもなんで兄ちゃんのニュースが?」
ニュースで見たという事は兄ちゃんの名前が出たと言うことだろう…よく分からないけど普通、実家や由奈姉ちゃんに話が来るんじゃないだろうか?
それにこの三日で病室に訪れたのは私達の他には誰もいない…お父さんすらお兄ちゃんが入院している事を知らない。


「零菜が兄って公言したからでしょ」
由奈姉ちゃんはめんどくさそうにそう呟くと、お兄ちゃんの胸を布団の上から撫でた。


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