キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40at EROPARO
キモ姉&キモウトの小説を書こう!part40 - 暇つぶし2ch150:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:08:26.92 a9m8wlMU
「二年ほどの食料は地下にあるから。島には貴女とその子の二人だけ……島に行くか行かないか貴女が決めていいわよ?貴女達の両親は私が何とかしてあげる。
緊急で何か必要なら、鍵の掛かった緊急電話があるからそれを使いなさい」
留美子さんを小さく嘲笑い、車のエンジンをかけた。
この留美子さんという人間は本当にわかりやすい……あの目…独占欲にまみれた純粋な子供のような目をしている。

「……」
私の言葉に耳を傾け、無言のまま私を見ている。
数十秒後―留美子さんは私に一度深く頭を下げると、昌彦くんを抱き抱えたまま闇の中へと消えていった。
それを見送り、車を発進させる。

「なぁ、あの二人大丈夫なの?なんか留美子のヤツ危ないような顔してたけど…」

「大丈夫でしょ。もう会うことはないだろうけど、幸せになるといいわね」
本来なら私とお兄ちゃんで使おうかと思っていた別荘なのだけど、少し不便なので迷っていたのだ。
誰も居ない小さな島で二人だけ…しかも相手は小さな子供…クルーザーなんて運転できないはず……そう考えたらあそこは昌彦くんにとって監獄のようなものじゃないだろうか?

151:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:08:54.10 a9m8wlMU
精神を壊して作り替えるには持ってこいの場所。
どうせ留美子さんも零菜さんを裏切った時点で居場所なんて無いのだから、死ぬまで仲良く二人で“混ざれば”いい。

「早く兄ちゃんの所に行こうよ。多分寂しがってるから」
心配そうに呟く空ちゃんを見て、今すぐ外に捨ててやろうかと思った。
当たり前のように兄ちゃん…兄ちゃん…兄ちゃん…兄ちゃんッ!
昌彦くんを留美子さんに手渡す為に家を出る時も「僕が兄ちゃんについてるから由奈姉ちゃん行ってきなよ」とほざいたのだ。
二人にすると何をするか分からないので無理矢理連れてきたけど、何か勘違いをしている“これ”にもちゃんとわからせないといけない。
妹は私一人だけ…。

「由奈姉ちゃん唇血出てるよ?」
空ちゃんに言われてミラーでちらっと確認する。
確かに唇から血が一筋ツーっと垂れている。

「えぇ、そうね」
それを拭き取る事なく車を走らせた。
零菜さんを潰した後は…やはりこの子が目障りになってきた。
いや…前々から気にくわなかったが、さりげなくお兄ちゃんの側にいようとするこの“女”が憎くなってきたのだ。

(まぁ…そんな空ちゃんとも、もうすぐお別れだからいいか)

152:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:09:20.51 a9m8wlMU
空ちゃんを横目で見ながら心の中で呟いた。

―今朝…零菜さんの事がニュースで流れた。
意識不明の重体。死んだかと思っていたのだけど…ゴキブリ並みにしぶとい生命力だ。
まぁ、零菜さんが意識を取り戻して警察にたれ込んでも問題無い…だって突き飛ばしたのは私ではなく空ちゃんなのだから。
そして空ちゃんが突き飛ばした時、私は意識朦朧とするお兄ちゃんと車の中で一緒に居た。
そう……警察から何を言われても、お兄ちゃんは必ず私を守ろうとするのだ。
もうすぐ空ちゃんともお別れ…悲しくは無いけど、笑って送り出してあげよう…満面の笑みで…ね。






―隠しきれない~移り香が~♪

「……ずいぶん古い歌知ってるわね。そう言えば空ちゃん演歌ばっかり歌ってるけど好きなの?」
助手席に座る空ちゃんが機嫌よく演歌を歌っているので気になって聞いてみた。
普段からよく歌を口ずさむけど、すべて演歌なのだ。

「うん、お母さんがよく歌ってたから僕も好きになったんだよ。いつしかあなたに浸みついた~♪」
窓の外を向いたまま歌を歌い続けた。

「ふぅん…ねぇ…」

「誰かに盗られる~くらいならぁ…なに~?」

153:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:09:46.27 a9m8wlMU
「……お母さん何で亡くなったの?」
何となく…本当に軽い興味で聞いてみた。
自分の母親がどんな死に方をしたのか。



「あなたを殺して…いいですかぁ~………僕が殺したよ?」
ブレーキを踏む。
別に空ちゃんの言葉に驚いてブレーキを踏んだ訳ではない。
単純に赤信号だから踏んだのだ。
ただ、軽く会話するように呟いた事に少し驚いた。
空ちゃんに目を向けるが、窓側に顔を向けているので此処からでは表情がまったく見えない。
本当か嘘かの区別がつかない…だけど多分本当だろう。
背中を見て不思議とそう思った。

「……なんで殺したの?」

「兄ちゃんに酷いことしようとしたから…だから首にヒモくくりつけて引っ張った」
兄ちゃん…お兄ちゃんの事だろう。
しかしこれで分かった…何故躊躇無く零菜さんを突き飛ばす事ができたのか。
この子はたった一度の殺人で人を殺す事に“慣れて”しまっている。


「そう…酷いこと…それなら仕方ないわね」
どうせ篠崎が証拠隠滅したに違いない。
事故か自殺扱いにでもしたのだろう…。
でも私は空ちゃんを責めない…多分私も同じ状況なら同じような事をするに違いないから。

154:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:10:12.41 a9m8wlMU
赤信号から青信号になるのを確認すると、再度車を発進させる。
それからは家までお互い無言を通した。

「兄ちゃ~ん、帰ったよー」
家に到着し、玄関で靴を脱ぎ捨てると、空ちゃんはお兄ちゃんの部屋へと一人走っていった。
帰った?残念ながら此処は私とお兄ちゃんの部屋。
他の誰のモノでも無い。
明日になったら実家に電話して迎えに来てもらおう…それで完全に終わり。
関係は完全に断ち切る。

「お兄ちゃんただいま。身体の具合はどう?」
部屋に入ると、ベッドに座るお兄ちゃんが視界に入ってきた。
いつも通りのお兄ちゃん…だけど、やっぱり表情は暗い。
私の声に痛々しく笑うと、空ちゃんの頭を撫でて私から目を反らした。
お兄ちゃんの心にできた傷は深い…その傷を癒せるのは私。
職場も家も全て変えて心機一転…今度は絶対にバレない遠い田舎にでも行こうかと思っている。
海外でもよかったのだけど、言葉の壁でお兄ちゃんのストレスがたまってしまうかもしれない…だから田舎で自営業をして二人で暮らして行く。
お兄ちゃんを傷つける者が居ない場所に行くのだ。

「お兄ちゃん、お風呂入らない?」

「いや…いいよ」

155:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:11:06.22 a9m8wlMU
「そう…それじゃ身体だけ拭こうか。タオル持ってくるからちょっとだけ待っててね」
消えそうな声を震わせるお兄ちゃんを置いて部屋から出ると、洗面所へと向かった。
零菜から引き離し家に帰ってきた時から、お兄ちゃんは私に対しても少しおかしい…。
やはり前に強引に身体の関係を迫ったから私も警戒されているのだろうか……だとしたら後悔の念が津波のように押し寄せてくる。
私はお兄ちゃんの妹……お兄ちゃんの妹……だけどお兄ちゃんの身体に所々刻まれた赤い痣…零菜のキスマークの痣を見る度に私の欲が首をもたげてくるのだ。
そして強い殺意に似た感情が自分を支配する。
何故零菜さんなのだろうか?私ならお兄ちゃんを傷つける事なく愛し合える自信があるのに…。
お兄ちゃんのすべてを自分の色に染めようとした零菜さんはお兄ちゃんを傷つけただけ……だけどお兄ちゃんと長い時間愛し合った。

「ッ……ぐッ!」
湯で濡れたタオルを握りしめ、力強く捻る。
これは間違いなく嫉妬…私は零菜さんに嫉妬している。
お兄ちゃんとキスをして…お兄ちゃんに舌を這わせて…お兄ちゃんと繋がったあの女が……羨ましかった。

「ふざけんな…死ね…死ね…死ね」

156:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:11:56.87 a9m8wlMU
私の殺意はやはり自分の手で零菜さんを殺さないと収まらないようだ…何とかして自分の手で零菜さんを殺して罪を空ちゃんに擦り付けられたらいいのだけど…。
それはまた、後で考えよう…まずはお兄ちゃんの傷を癒す事だけを考えないと…。


「由奈姉ちゃん、誰か来たよ?」
後ろから聞こえてくる声で我に帰る。
反射的に後ろを振り向くと、扉前に空ちゃんが立っていた。

ピンポーン―ピンポーン―

たしかに、玄関からインターホンの音が鳴り響いている。

「私はお兄ちゃんの身体拭くから、空ちゃん出てよ」

「えぇ…僕が拭くよ」

「早く行け!」
空ちゃんの頬を叩いてやろえと手を振り上げる。
振り上げる手を避けるように顔を引っ込めると、玄関へと走っていった。
それを見送った後、駆け足でお兄ちゃんの元へ向かった。

「お兄ちゃ~ん…」
扉から顔だけ突っ込み中を覗き込む。

「あれ…寝ちゃった?」
先ほどはベッドに座っていたのだが、ベッドに横たわり瞼を閉じてしまっている。
ベッドに近づきお兄ちゃんの顔を覗き込む。

「すぅ……すぅ…」
可愛らしい寝息を立てて眠っている。

「お兄ちゃんカワイイ…」

157:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:16:14.70 a9m8wlMU
お兄ちゃんの唇に人差し指を添えると、微かに感じる寝息が私の人差し指を熱くする。

「ねぇ、お兄ちゃん。私じゃダメなの?んっ…」
お兄ちゃんの唇に人差し指を添えると、微かに感じる寝息が私の人差し指を熱くする。

「お兄ちゃん…ねぇ、私じゃダメなの?零菜さんなんかよりもお兄ちゃを愛してるんだよ?んっ…」
お兄ちゃんの唇に人差し指を軽く押し込み、でこぼこした歯茎を人差し指でなぞる。
口から指を引き抜き、指を見つめる。
綺麗にお兄ちゃんの唾液で光っていた。

「はぁ、はぁ…あむっ」
その指を大切に自分の口に押し込む…。
自分の指をお兄ちゃんのペニスと想像して舌を這わせる…お兄ちゃんを起こさないよう音を立てずに…。

「は…ぁ…お兄ちゃっん゛ッッ」
一気に沸点が上がったように頭がカッと熱くなる。
自然と指は自分のズボンの中へと滑り込みパンツの中へと侵入していく。

「は、あッん…」
陰部に中指を押し込みお兄ちゃんの顔を見つめる。
お兄ちゃんにはもう変なことは絶対にできない…できないけど身体がお兄ちゃんを欲している。
数回中指を出し入れした後、引き抜く。
自分の愛液でベトベトになった指…それをお兄ちゃんの唇に薄く塗った。

158:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:16:41.76 a9m8wlMU
そして口の中へ恐る恐る押し込んだ。

「ねぇ…私のと零菜さんの…どっちが美味しい?ねぇ?私の方がいいでしょ?」
お兄ちゃん決して聞こえないように近くで囁く。
お兄ちゃんは私のモノ…お兄ちゃんは私のモノ…お兄ちゃんは絶対に誰にも渡さない…渡さない…渡さない…。
頭で何度も呟きお兄ちゃんの唇を指で“犯した”。




―ッ―ッ!

「……チッ!」
玄関から何やら騒いでる声が耳に入ってきた。
耳障りな音…何を騒いでいるのだろうか?
自分でもお兄ちゃんが起きるんじゃないかと思うほどの舌打ちをして立ち上がる。
扉を開けて玄関へと歩いていく…。
空ちゃんは一度本気で説教しないと気がすまなくなってきた。

「あんた何を一人で騒い………え?」

「あっ、由奈姉ちゃん!」
扉を開けて玄関前まで歩いてくると、まったく想像していなかった光景が視界に飛び込んできた。
玄関で空ちゃんと知らない中年が掴み合っているのだ。

「このっ、くそ野郎!」
空ちゃんが相手の腹部に何度も膝蹴りを入れる。
それでも相手は怯むことなく空ちゃんを離そうとしない。

「ぇ…なにこれ…ちょっとあんたら…」

159:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:17:09.28 a9m8wlMU
状況が飲み込めない私はその場に立ち止まり二人を眺めることしかできなかった。
真っ先に頭に浮かんだのは……あんた誰?
純粋にそう思った。
そして服装…郵便局の職員だろうか?

「コイツ郵便物があるって言うから開けたらッ、突然家の中に入ってきたんだ!」
突然中に入ってきた?何故?まったく状況を把握できない私を差し置いて二人は周りの物を壊しながら激しく掴み合っている。

「このガキッどけ!」

「痛ッ!」
空ちゃんを軽々と振り回し壁へと叩きつけると、今度は私に目を向けてきた。
―この時、初めて身の危険を感じて近くにあった花瓶を掴んだ。

「な、何よあんた?人の家に勝手に入ってきて」
見たことない人間が自宅に居る…言い知れぬ恐怖に足を震わせながらも花瓶を両手で掴んで男と対峙する。
これで頭を殴れば間違いなくただ事ではすまないだろう…だけど自分の身を守る為だ。

ゆっくりと此方へ歩み寄ってくる…。

「このっ!死ね!」
立ち上がった空ちゃんが男の背中めがけて飛び蹴りを入れる。
よろめき後ろを振り向いた瞬間、後ろから花瓶を頭に叩きつけてやった。
ガシャンッと激しい音と共に壁に血が飛び散る。

160:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:17:32.43 a9m8wlMU
「ッ!」

「なっ!?あぐ!!!」
血だらけの顔を気にする素振りすら見せず、男は再度振り返り私の頬を強く殴った。
壁に頭を叩きつけ、そのまま地面に倒れ込む…。
視界がぐらぐらと揺れ、立ち上がれない。多分、脳震盪を起こしたのだろう。
早く立ち上がらないと何をされるか分からない…。
ガクガク震える足を何とか動かすが、まったく言うことを聞いてくれない。

「……」

「ぅッ…つ…?」
私を殴った後、突然男は周りをキョロキョロと見渡しだした。
まるで私達が見えないように、何かを探している。

「由奈姉ちゃんッ…」
空ちゃんが台所を指差して何らかのジェスチャーをして見せた。
多分台所から何かを持ってくると言っているのだろう。
一度うなずくと、再度立ち上がる為に足に力を入れる。

「ふっ…うぅ…」
何とか立ち上がり、再度男と対峙する。

「どけッ!」

「きゃっ!」
今度は突き飛ばされて、地面に転ばされる。
ダメだ…まったく足に力が入らない。
下から男を睨み付け、次の攻撃に備えた。

「……あそこか…」
そう呟くと、私に目もくれずに私の横を通りすぎて行った。
その行動に私の精神は酷く揺らされた。

161:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:17:55.76 a9m8wlMU
奥の部屋にはお兄ちゃんが一人寝ているのだ。

「ちょっと待ちなさいよ!!!あんた何が目的よ!」
足を引きずり男を追うが、男は私の声が聞こえないようにスタスタ歩いていった。
「空ちゃん!はっ、早く戻ってきて!早くッ!」
男がお兄ちゃんが居る部屋の扉に指を掛けて扉を開ける。
何とか立ち上がり、空ちゃんを大声で呼んだ。
今の私では何もできない…お兄ちゃんを守らなきゃいけないのに!

「ゆ、由奈姉ちゃん、持ってきてよ!」
リビングから飛び出してきた空ちゃんの両手には包丁が二つ握られていた。
それを一つもらい、お兄ちゃんの部屋へと覚束無い足取りで歩いていく。

「このっ!このっ!ダメだ!中から鍵けてる!」
空ちゃんがガチャガチャと取っ手を回して強引に開けようとする…が鍵が掛けられておりビクともしない。

「お兄ちゃん!?逃げてお兄ちゃん!!!」
私も叫びながら何度も扉を叩いた。
叩く手から血がでようとも壊す勢いで叩いた。


―ぎッああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

「お兄ちゃん!?お兄ちゃん!!!」
聞いたこともないようなお兄ちゃんの叫び声に、私の胸は張り裂けそうなほど悲鳴をあげていた。

162:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:18:21.19 a9m8wlMU
部屋の中から聞こえるお兄ちゃんの叫び声に二人で顔を見合わせる。

「開けろッ!おまえ兄ちゃんに何かしたら殺すからな!!!」
取っ手がちぎれるんじゃないかと思うほど空ちゃんが引っ張る。
ネジが緩んできてはいるが、開く気配を見せない。

「このっ、くっ、、ッ!?空ちゃん離れなさい!」
突然鍵穴からガチャガチャッと音がしたと思うと、先ほどの男が扉を開けて廊下に飛び出してきた。

「う…(何この臭い!?)」
扉を開けて真っ先に感じたのは、焼ける匂いと薬品の匂いが混じって異臭。
顔をしかめて部屋の中へと飛び込む。

「うあああああああああああああ!!!」

「お兄ちゃん!何をされたの、お兄ちゃん!?」
顔を押さえながらベッドの上で苦しそうにうずくまるお兄ちゃん。
お兄ちゃんを抱き抱えて問いかけるが、お兄ちゃんは悲鳴をあげるだけで会話にならなかった。

「兄ちゃん!だ、大丈夫か!?」

「あの男は!?」

「逃げていったよ。背中を何回か刺したけど普通に走って逃げた。それより兄ちゃんは!?」

163:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:18:52.61 a9m8wlMU
血のついは包丁を両手で握りしめ、男が戻って来ないように扉の外を見張っている。
あの男、何が目的か分からない…けど言動や行動を見る限り、初めからお兄ちゃんを狙っていたように感じた。
だけど、今はそんな事どうでもいい。
早くお兄ちゃんを病院に連れていかないと―。

164: ◆ou.3Y1vhqc
11/12/04 20:20:17.25 a9m8wlMU
ありがとうございました、投下終了です。
年内に終わらせようと思ったけどちょっと難しいかもしれません…。

165:名無しさん@ピンキー
11/12/04 20:50:19.81 rlUM/YBE
>>164
GJです!
遂に由奈と空ちゃんの一騎打ちに突入するのか…と思ったら急展開
零菜も一応生きてるみたいだしまだまだ先が読めないわ

166:名無しさん@ピンキー
11/12/04 21:14:01.09 nPFoeQ/Z
>>164
GJ!!!
とりあえず零菜が生きてるようでホッとしました。
そしてまさかの急展開にwktkが止まらないですw
次回も楽しみにお待ちしてます!

167:名無しさん@ピンキー
11/12/04 22:12:09.64 NFo1dlPA
GJ!!
零菜生きてて良かった。
そしてお兄ちゃんフルボッコになっとる

いったいどうなってしまうんあ

168:名無しさん@ピンキー
11/12/05 00:41:21.74 k/YJjhuP
GJ!!

この中年って零奈に袖にされたアイツだよなw逆恨みっていうかそんな感じのアレかw

169:名無しさん@ピンキー
11/12/05 03:20:57.92 RroGca/m
黒い百合まだぁ?

170:名無しさん@ピンキー
11/12/05 03:28:32.14 YVOesZlm
まだだよ

171:名無しさん@ピンキー
11/12/05 17:47:30.40 5EExDS7b
GJ!
零菜なんとか生きてるようで良かった。
しかし今度は勇哉が心配になってきたな•••
この文章から察するにあの液体はもしや硫酸かなんかか?

172:名無しさん@ピンキー
11/12/05 18:14:00.11 wEBaUN1H
勇哉の顔が化物みたいになっても由奈はお兄ちゃんを変わらず愛してくれるよね

173:名無しさん@ピンキー
11/12/05 19:56:00.33 hz0QxwdP
これは零菜の差し金かな?
自分も傷を負ったのと同じく兄も傷物にして、周りから遠ざけるという
とにかくGJ、続き期待してます

174:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:15:36.95 OUwc3Fu/
お前らすげぇ作者潰しにかかるよな

175:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:17:14.72 Y/S2zhKI
これも風mi(ryz...

176:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:18:13.87 N5aXDiTh
風見死ねや自演やめろやカス

177:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:21:47.94 OUwc3Fu/
>>175-176
いや、お前の自演も凄いけどなw

178:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:28:00.66 wEBaUN1H
>>175-177
これも風見の自演か

179:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:35:33.29 IJGeKQI1
おなかすいた(´・ω・`)

180:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:41:17.75 OUwc3Fu/
>>179
姉にホットケーキ作ってもらえ。
妹じゃダメだからな?姉に作ってもらうんだ

181:名無しさん@ピンキー
11/12/05 20:43:32.20 bCeMxnxV
>>179-180
風見自演乙

182:名無しさん@ピンキー
11/12/05 21:41:26.88 O4sBAZTW
はがないの小鳩がキモウトだったら…



オラわくわくが止まらね!

183:名無しさん@ピンキー
11/12/05 21:42:44.47 wEBaUN1H
キモ・・・

184:名無しさん@ピンキー
11/12/05 21:44:50.84 IJGeKQI1
壁|・ω・) ソー…

壁|・ω・)ノシ チャオ!!

壁|ミ ピャッ

185:名無しさん@ピンキー
11/12/05 22:20:49.98 Y/S2zhKI
壁 |☆~(ゝ。∂)風ちゃんで~す

186:名無しさん@ピンキー
11/12/05 22:21:55.28 wEBaUN1H
壁│☆(ゝω・)vキャピ

187:名無しさん@ピンキー
11/12/06 00:08:00.17 5sfx8O4I
>>182
小鳩と聞いて「俺つば」の方の小鳩を連想してしまった
多重人格の兄に対して健気に接する妹がいい

ただこういう多重人格と妹や姉の愛を結び付ける作品を書くのは
かなり技術が必要だわな

188:名無しさん@ピンキー
11/12/06 00:10:26.35 vjSNnGJ8
>>187
まぁ、ちょっと特殊な感じって気がするね


189:名無しさん@ピンキー
11/12/06 00:29:10.70 i7AG0IX5
wikiいろいろ見てるんだけど
妹姉ががっつり襲ってくるんだけど絶対間違い犯さない兄貴とかの作品ない?


190:名無しさん@ピンキー
11/12/06 01:35:25.54 0J9Qdk5m
弟におしっこかけてマーキングする雌犬キモ姉

191:名無しさん@ピンキー
11/12/06 03:11:28.87 wbjSwTlm
>>189
いってる意味が分かりづらいけど、転生恋生の弟は途中まで姉の誘惑にも下半身が反応してない

192:風見 ◇uXa/.w6006
11/12/06 03:19:06.06 uAkqiKjI
俺って天才!!投下するぜ!!

四年前・・・俺は家にいた。その時のノマルは異常なんてなかった・・・。何であんな感じになったんだ?
 いや・・・うっすら思い出した!ノマルがおかしくなった日、俺はとある人に会ったんだ!

 中学校に通う途中、その人は俺の前を歩いていた。
 ・・・妙に筋肉質だな・・・。その人は後ろの俺に気づくと、道を譲ってくれた。

 何だ、優しい人じゃないか。筋肉質な人は悪いなんて考えはやめようかな。
 そして俺はその人の前を通った。すると・・・。



「道を譲ると思っていたのか!?」



 グサッ!



 空が真っ赤に染まった。あぁ、左目を切られたのか?顔が真っ赤になっているのが見ないでもわかる。あぁ・・・俺、どうなるのかな・・・?



「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
 手術室に行くまでの道で、ノマルの声が聞こえた。あぁそうか・・・。愛する兄を傷つけられたこの瞬間にノマルはおかしくなったんだ・・・。くそ・・・。俺は妹を・・・。





「という夢を見ていたんだよ!」
 誰もいない部屋で俺は一人、PCに自作物語を書いていた。
 友達なんかいない。たった一人の妹は俺の顔に包丁で傷をつけ去っていった。
 理由は簡単、俺がいたら俺の幼馴染みであるシドウと一緒になれない。
 だから妹は部屋のドアを接着剤で固定して、足を砕き、顔を切り裂いて、家を出ていった。

 そんな俺の過去を面白おかしく書いてみたが、単なる自己満足で終わってしまった。

 やれやれ、そろそろ寝ようかな・・・。

 書き込みボタンを押して、俺は眠りについた。贅肉が邪魔で眠りにくいな・・・。



 夢を見た。荒野に一人立っていた俺は空を見た。
 見えるのは光の球体みたいな物。それはゆっくりと俺に近づいてきた。
 光に包まれる瞬間、声が聞こえた。

「俺は悪魔だ。」

\デデーン/

193:名無しさん@ピンキー
11/12/06 03:37:50.68 zmMdsHjs

192 風見 ◇uXa/.w6006 2011/12/06(火) 03:19:06.06 ID:uAkqiKjI
俺って天才!!投下するぜ!!

四年前・・・俺は家にいた。その時のノマルは異常なんてなかった・・・。何であんな感じになったんだ?
 いや・・・うっすら思い出した!ノマルがおかしくなった日、俺はとある人に会ったんだ!

 中学校に通う途中、その人は俺の前を歩いていた。
 ・・・妙に筋肉質だな・・・。その人は後ろの俺に気づくと、道を譲ってくれた。

 何だ、優しい人じゃないか。筋肉質な人は悪いなんて考えはやめようかな。
 そして俺はその人の前を通った。すると・・・。



「道を譲ると思っていたのか!?」



 グサッ!



 空が真っ赤に染まった。あぁ、左目を切られたのか?顔が真っ赤になっているのが見ないでもわかる。あぁ・・・俺、どうなるのかな・・・?



「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
 手術室に行くまでの道で、ノマルの声が聞こえた。あぁそうか・・・。愛する兄を傷つけられたこの瞬間にノマルはおかしくなったんだ・・・。くそ・・・。俺は妹を・・・。





「という夢を見ていたんだよ!」
 誰もいない部屋で俺は一人、PCに自作物語を書いていた。
 友達なんかいない。たった一人の妹は俺の顔に包丁で傷をつけ去っていった。
 理由は簡単、俺がいたら俺の幼馴染みであるシドウと一緒になれない。
 だから妹は部屋のドアを接着剤で固定して、足を砕き、顔を切り裂いて、家を出ていった。

 そんな俺の過去を面白おかしく書いてみたが、単なる自己満足で終わってしまった。

 やれやれ、そろそろ寝ようかな・・・。

 書き込みボタンを押して、俺は眠りについた。贅肉が邪魔で眠りにくいな・・・。



 夢を見た。荒野に一人立っていた俺は空を見た。
 見えるのは光の球体みたいな物。それはゆっくりと俺に近づいてきた。
 光に包まれる瞬間、声が聞こえた。

「俺は悪魔だ。」

\デデーン/

194:名無しさん@ピンキー
11/12/06 05:22:55.16 puf8YpX9
はーい、スルースルー

195:名無しさん@ピンキー
11/12/06 07:48:07.94 ZnpqSlya
朝から弟相手に顔面騎乗する姉がほしい

196:名無しさん@ピンキー
11/12/06 07:49:46.49 FPseOlri


197:名無しさん@ピンキー
11/12/06 08:32:58.97 v9tMIho3
投下します


198:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:35:10.97 v9tMIho3

ぞろり―。
 冷たい掌に尻を撫でさすられた瞬間、眠っていた彼の意識の一部が覚醒を果たした。

(お濃か)
 そう思い、振り向くと、案の定そこにいるのは彼の妻。
 しかし、これは珍しい事と言わねばならない。
 つい半年ほど前に祝言を挙げたばかりの彼の妻は、いまだ少女と呼ぶべきほどに幼く、とてもではないが彼との営みで自ら愛撫を行うような積極性は無い。
(いや……そうだったかな?)
 どうも頭がハッキリしない。
 彼は、中途半端にぼやける記憶をたどる。
 確かに彼女は新婚当初こそ、閨(ねや)の片隅で震えて夫の仕様を待っているような従順な娘であったが、それから半年が経ち、彼との交合に身も心も慣れてくるに従い、互いに楽しみながら快感を与え合うような仲になっていた気もする。
 そう思い当たった瞬間、にわかに彼女からの愛撫が激しさを増した。
 その手さばきに、まるで男性的な荒々しさが加わったのだ。

(ああ……そうか、そういうことか)
 彼はうなずいた。
―これは夢だ。
 その理解に到達するや否や、天地晦冥の闇の中で妻だと認識していた女が、筋骨たくましい若衆に突如姿を変えたのだ。
(犬千代……?)
 確かに、そこには彼の寵童の一人である前田犬千代がいた。
 彼とて時代の子である。乱世のたしなみとして衆道を楽しむ趣味は当然あった。
 犬千代は、いつものように激しい責めを彼の菊座に施し、さらに同時に彼の性感帯の一つでもある耳朶に甘嚙みを加えてくる。
 そのねちっこい攻撃に、思わず彼は声を漏らすが、おのれの菊門に硬いものが侵入してくるという、彼にとってはある意味馴染みの快感を知覚しながらも―しかしながら、彼の五感は違和感を覚えていた。
 
(これは……女か?)
 後門への挿入感がある以上、この相手が男性であることは間違いない。
 だが、それでもこの指使い、舌使い、皮膚感覚、何より彼の鼻腔に直撃する花の香りのごとき体臭が、この人物が女性であると彼の意識に訴えているのだ。
(誰だ?)
 思い当たる女はいくらでもいる―とは言えない。
 むろん妻以外にも側女はいるし、他にも、たわむれに手をつけた女もいくらでもいる。
 だが、今夜の彼は独り寝だった。彼が夜伽(よとぎ)を申し付けたならともかく、自ら彼の寝室に忍んで来るような女など、やはり妻以外にいない。
 含羞の微笑を見せながら、まるで赤子のように彼の股間に吸い付いてくるような、無邪気さと淫靡さを併せ持った少女―。
(そうだ、それが俺の妻のお濃だったはずだ)
 そう思い出した瞬間、彼の菊門奥深くに侵入していた硬いものが、彼の弱点である“その一点”を突く。

「~~~~~っっっ!!!」

 その“弱点”を突かれると同時に肉棒を激しくしごかれ、たまらず頂点に達した彼は、魚のように痙攣しながら精を吐き続け、そのまま意識を失った……。



199:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:36:21.99 v9tMIho3
///////////////

 織田三郎―後の正一位右大臣・織田信長―は困惑していた。

 朝、目を覚ました瞬間、いつものように布団を蹴り上げて身を起こそうとしなかったのは、昨日の夜の淫夢を思い出し、さらに下帯の中におのれが夢精している事実に気付いたから―というだけではない。
 その時、彼は自らの体にまとわり付く他人の手足の存在に初めて気がついたのだ。
 おそらく……いや、間違いなくこの者こそが、淫夢の直接原因であろう。

―誰ぞ。
 とは問わない。問うまでもない。
 まるで赤子のように彼の背にしがみつくその者が、
「あにうえさま……」
 と寝言を言うのが聞こえたからだ。
「市……もうここにはくるなと申しつけたではないか……」
 うんざりしたように呟くが、もちろん気持ち良さげに眠っている彼女に聞こえるはずもない。


 彼女は三郎の妹であって、もちろん妻でもなければ退屈しのぎに体を重ねてよいような側女どもとは違う。
 世間的には「尾張のうつけ」「織田のたわけ殿」などと呼ばれ、数々の非常識な言動で守役の平手政秀や実母の土田御前などを常に悩ませているような彼であったが、それでも妹と夜をともに過ごそうなどと思うほどに非常識ではない。
 ましてやこの妹は、父が側室に生ませた妾腹ではなく、彼と両親を同じくする正真正銘の「実妹」なのだ。さすがの三郎といえども、そんな彼女に性的関心を催すはずもなかった。
 しかし、ならば彼女が妹でなければ手を出していたかと問われれば、さすがの三郎も口を噤まざるを得ない。


 なぜなら、彼女―お市の美しさは完璧であったからだ。


 元来、少年の実家―古渡織田家は美男美女で知られた家系であり、父の弾正忠や弟の勘十郎も世間的には十分美男で通る容貌の所有者であったし、この三郎とて目鼻立ちだけを見れば、絵草子に登場する平家の公達もかくやといわんばかりの美形ではあった。
 だが、こと美貌という点では、この市に勝る者は一門一族には誰もいない。
 三郎の妻も、美濃随一の美人という触れ込みを持って嫁いできたのだが―そして実際、お濃は水もしたたるがごとき美少女には違いなかったが―それでもこの妹に比べれば、いささか見劣りすると断言せざるを得ない。

 三郎は当年とって十六歳。現代の満年齢に換算すれば十四歳の少年でしかない。
 ならばこそ当然のように、十代の少年相応の汲めども尽きぬ情欲が彼にはある。妻以外にも気に入った者がいれば、男女の区別無く平然と一夜の相手を命じるし、それを疑問には思わない。この時代のこの国には同性愛を禁忌とする価値観など存在しないからだ。
 だから、もしもこの妹が、彼に何のゆかりもない娘であったなら、むしろ三郎は進んで彼女に手を付けていたかもしれなかった。
 だが、今はそんな想像をめぐらすことに何も意味もない。
 それでも彼女が三郎の妹である現実は変えようも無いものだったからだ。



200:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:38:32.98 v9tMIho3
 
(やれやれ……)
 心中に呟きながら、自らの裸身に絡みつく妹の手足を外し、寝間着越しに背中に押し付けられた薄い乳房から身を離して、立ち上がる。
 妻でなかったのは意外であったが、それでも夢見心地に菊座や男根に愛撫を受けたような感覚は、確かにまだ彼の記憶に残っている。だが―それでも、その触肉の名残は錯覚であったと判断せざるを得ない。
 さもなければ、天女のようなあどけない寝顔を晒すこの妹が、お濃や犬千代を思い出させるほどに濃厚な愛撫を睡眠中の兄に施した、ということになるからだ。
(そんな馬鹿なことがあってたまるか)
 さすがの三郎といえどもそう思う。
 兄に肉欲を抱く妹など、いかに戦国乱世といえど聞いたこともないからだ。
 すると、ようやく目を覚ましたのか、少女の細い声が聞こえた。

「あにうえさま……おはようございます……」

 まだ完全に意識が覚醒していないのか、のろのろと身を起こしながら市は焦点の合わない瞳を三郎に向けていたが、その瞬間、彼女は頬を赤らめ、うつむきながら口を開く。
「も、申し訳ございません兄上……」
「い、いや、こっちこそ、済まぬ」
 三郎も反射的に妹に背を向ける。
 彼女が、起き抜けにいきり立った三郎の股間を目撃したのは間違いない。そして、普段ならばむしろ勝ち誇るように余人に勃起を見せ付けるような三郎も、彼らしくない羞恥に身を包みながら、うつむかずにはいられない。
 しかし、それも無理はないだろう。
 頬を朱に染めながら、それでも上目遣いにこちらを見つめる市は、まさにこの世ならざる美しさに輝いていたからだ。


/////////////////

「入りますよ殿」
 と言いながら、少女は返事を待つことも無く、からりとふすまを開けて彼の居室に入る。
 そこでは、三郎が朝餉の膳を食べながらも、書見台の本をめくっていた。
(あらあら、相変わらず無作法な)
 そう思いながらも、少女は口元に浮かぶ笑みを抑え切れない。
 勿論それは嘲笑ではない。
 たとえ世間的にはどれほど無礼・無作法に見えようが、彼の行動には、つねに彼なりに追求された美意識や合理性が含まれていることを少女は理解しているからだ。
 たとえばこの場合は、口では食を摂りながら、同じ時間内に読書という頭脳労働をすることで、二つの行為を別々に行う場合にかかる時間を節約しているつもりなのだろう。

 また、それは食膳の品ひとつとっても変わらない。 
 彼の食膳に並ぶ煮物や煮魚は、色が変わるほどに味噌や醤油で煮込まれており、素材の味を可能な限り殺さず活かす京料理を上品とするならば、まさに悪趣味と呼ぶほどに濃厚な味付けのものばかりである。 
 少なくとも朝っぱらからこんなものを喜んで食べる人間は、彼の家族にはまずいないはずだが、彼は違う。おかずの味が濃ければそれだけめしが進む。結果、少ない副食物で満腹になり、その分の食材を節約できるというのが三郎の理屈なのだ。
 もっとも、当時の上流階級が好む京料理の馬鹿馬鹿しいまでの薄味にどうしても馴染めぬ三郎―信長が、この種の味付けに、おのれの嗜好と相容れぬ世俗の象徴として憎しみさえ抱くようになるのは、また後代の話であるが。
 しかし、好物のはずの煮魚をおかずに丼めしを口にかきこみながらも、少年の顔は冴えない。それは珍しい眺めであったと言わねばならないだろう。


201:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:40:30.12 v9tMIho3

「あらあら、今朝の殿は何やら御不興のようですこと」

 そう言いながら彼女は、ころころと玉を転がすような笑顔を見せる。
 三郎の気性の激しさを知る家臣や侍女たちならば、こんな揶揄するような口を彼に利くことはまず在り得ないが、それでも少女は口元に浮かべる笑みを消そうともしないし、そして彼も、そんな彼女を咎めもしない。
 なぜなら、この少女こそが―彼の妻たる女であったからだ。


「お濃か、早いな」
「おはようございます殿。しかし、相変わらず帰蝶(きちょう)とは呼んで下さらないのですね」
「美濃の女ならばこそ、お濃と呼ぶ―当たり前のことであろうが。そんなことより犬千代たちはもう揃っておるか?」
「はい。前田様、池田様たちがいつものところで、すでにお待ちでございます」
「待たせておけ」
「また朝から水練でございますか?」
「水練などというものではない。ただの水遊びじゃ」
「そろそろ風も冷たい季節でございましょうに」
「体が冷えれば相撲でもして暖を取るまでじゃ」
「あらあら、まったく殿方のお遊びというのは乱暴ですこと」

 そう含み笑いをしながら彼女―帰蝶―いや、濃姫はぺたりと三郎の隣に腰を下ろす。
 夫と呼ぶにはあまりにも腕白丸出しの子供っぽい三郎であったが、それでも少女にとっては愛しい伴侶であることには間違いない。
 いや、むしろ「美濃の蝮」とよばれた梟雄を父に持つ彼女としては、この少年は、いかにも小賢しげな利発さが顔に出すぎた彼の弟の勘十郎などより、よほど好感の持てる存在であった。
 が―その清々しいまでに直情的な腕白坊やが、今朝に限っては屈託ありげな顔を隠さない。

「で、どうなされたのです殿、朝から何か御不快なことがあったのですか?」
 そう訊かれて、三郎はじろりと濃姫を見る。
「そんなに俺は険しい面をしておるか」
「はい。まるで素足で油虫でも踏みつけたかのような」
 そう言って彼女は微笑み、三郎もようやく苦笑いを浮かべた。
 

「市が、また俺の寝床に潜り込んで来た」


 あらあらまあまあ、と濃姫は口元を押さえて目を瞬かせた。
 むろん彼女は、絶世の美少女たるその義妹を知っている。
 しかしそれでも、彼女が常に浮かべている柔和な微笑が消えることは無い。なぜなら妹が兄の布団に潜り込んだというだけの話ならば、それはむしろ兄妹の微笑ましい仲を示す罪なき逸話のはずだからだ。
 だが、三郎は瞳にはふたたび沈鬱な光が宿る。

「あやつが俺の臥所に忍んで来たのは、これが三度目じゃが、どうもその度に奇妙なことが起こってのう」
「奇妙?」
「うむ。おかしな夢を見る」
「夢、ですか?」
「うむ、夢じゃ」


202:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:42:21.63 v9tMIho3

 そう言いながらも三郎は照れたようなしかめっ面のまま、その夢については説明しようとしない。
 まあ、さすがに彼といえど、他人に背中から犯される夢を見たなどと言えるものではないのだろうが、それでも濃姫は聡明である。彼が敢えて口にせぬという事実と、その含羞の表情から、その夢とやらのおおよその内容が想像できてしまった。
(なるほど、つまりそういう夢だということですのね……)
 濃姫の微笑が苦笑に変わる。
 この、人並みはずれて気位の高い少年をからかうのも楽しいが、それでも限度というものがある。これ以上、彼から言葉を引き出そうとするのは無粋というものであろう。
 
「夢を見るというだけならば別に問題は無いように思えますが……でもまあ、それが殿の御心のうちを悩ませるというのならば、わたくしから市姫様に、もう殿の寝所には勝手に行かぬように申し聞かせておきましょう―それで宜しゅうございますか?」

「うむ、助かる」
 三郎は素直にうなずくと、そのまま味噌汁を飲み干し、箸を置いた。

 
///////////////

 お市は窓の外に熱っぽい視線を向けている。
 といっても、眼下に広がる那古野の城下に彼女が見るべきものなど何も無い。
 彼女の視界の焦点は、下帯一丁になって川べりで戯れる数人の少年たち―その中の、ただ一人のみに向けられていた。

 そこにいたのは彼女の兄―織田三郎。

 彼はこの家にとっては三男坊であるにせよ、正室の子―つまり嫡出であるために、父の正式な後継者であると認められていた。だが、その母や弟、さらに家臣たちから兄がどのような眼で見られているのか、お市は十分に理解している。
 だが、そんなことは少女にとってはまったく関係の無いことだった。
 そういうこととは全く別次元のところで、彼女は兄を愛していたからだ。
 この感情がいつ以来のものなのか、実はお市自身にも分からない。
 分からない、というよりも思い出せない、と言った方が正確であるかも知れない。
 それほどまでに以前―おそらくは物心ついた当時から、彼女は兄に惹きつけられていたのだろう。

 何故、もしくはいつから、などという己の慕情の起源をたどる事など彼女にとってはどうでもいい。
 むしろ考えるべきは、あの兄に、いかにして自分の恋を受け入れさせるかという事であろう。この妹の思考法は、三郎に似て、あくまで前向きかつ具体的だった。
 むろん兄と妹が契りを交わすなど、いくら乱世といえどもあってはならない醜聞だ。普通に考えれば、三郎がお市の想いを受け入れるなど在り得る話ではない。
 だが、その点では彼女はむしろ楽観的だった。非常識という点では、およそ彼女の知る限り兄の三郎以上の存在はいない。ならば、たとえ世間一般でいかに禁忌を謳われようとも、一度欲しいと思ったものに手を伸ばすことを躊躇するような兄ではないはずだ。
 つまりそれは、女の魅力を磨いてさえおけば、兄はいつの日か必ずや自分に手を出すであろうという事を意味している。お市は自分の外見が世間的にどれほどの価値を持っているか、ちゃんと認識していたからだ。

 そういう意味では、お市もまた、三郎と同じく常識を逸脱した少女であったかも知れない。
 いまだ彼女は十二歳。満年齢に換算すれば僅か十歳の少女に過ぎない。
 だが、彼女の胸のうちに宿る恋の炎は、単なる耳年増の一言で済ませられる程に矮小ではなかった。


203:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:45:08.52 v9tMIho3

 お市は妾腹の子ではない。三郎と同じく、父の正室たる土田御前の娘である。妾腹の子ならば、家臣の誰かに降嫁することもあろうが、嫡出ならばそうはいかない。
 近攻遠交の鉄則に従い、他家との同盟のために、いずれ遠からず自分が嫁に出され、そこで恋しい兄とは似ても似つかぬ馬の骨に抱かれて子を生まねばならない運命についても、彼女は充分に理解していた。
 つまり、自分に時間が無いということをだ。
(まあ、それでもまだ数年くらいは猶予があるでしょうけど……)
 そう思いながら、お市の視線には徐々に険しいものが含まれてゆく。
 それはつまり、その数年の間に結果を出さねばならないということだからだ。

 兄と通じ、兄の子を宿し、兄の子を生む。
 いわば俗に言うところの「傷物」になってしまえば、たとえ父といえどもそう簡単にお市を嫁には出せなくなるだろう。
 何よりその時点ですでに兄の愛情を獲得してしまっていたなら、お市がこの家を去らねばならなくなる確率は、さらに低下するはずだ。なにしろ兄はいずれ、父・弾正忠信秀に代わってこの織田家を継ぐべき人間だからだ。

 だからこそ彼女は行動に出たのだ。
 睡眠中の兄に性的な刺激を与え、その快楽を無意識下に刷り込むという行動に。
 すでに昨日の夜で、彼女の「夜這い」は三度目になるが、兄の肉体がお市の与えた愛撫に快感を覚えていることは、彼の反応を見れば分かるし、その快感を、起床時に見るお市に結び付けているのも分かる。
 初体験どころか初潮すらも未だ迎えていないお市ではあるが、世評でいうところの「肉悦」なるものがどういうものであるかは、侍女や家臣たちに聞いて、彼女はすでに充分すぎる知識を入手している。
「そういう夢」を見た翌朝に、おのれの布団に共に朝を迎えた女がいれば、たとえその女を抱いていなくとも―むしろ抱いていなければこそ―意識するようになるのは自明の理である。
 そういう結論を、すでにしてお市は得ているのだ。

 兄が余人に伽を命じず、一人で眠る夜というのは、実はさほど珍しくは無い。
 夜明けから日暮れまで、お付の少年たちを引き連れて、真っ黒になるまで駆け回り、遊びつくす三郎は、食事と入浴が済めば泥のように熟睡してしまうことはよくあることなのだ。
 ならばこそ機会はこれからもいくらでもある。あるはずだった。
 しかし……。

 お市の奥歯がぎしりと音を立てる。

 兄の寝込みを襲ったのは、これで三度目だったが、それでも彼の態度が変わることはなかった。
 三郎は、あくまでお市を妹として遇し、それ以外の視線などちらりとも寄越さなかったのだ。
 なるほど、確かに今朝は珍しく頬を染め、視線をそらす兄というものを見た。だがそれは、あくまで兄妹のスキンシップの範疇を出るものではない。
 むしろ兄の性格を考えれば、その行動はお市が望むものとは正反対のものだと言うべきかも知れない。あの兄は、おのれが情欲を感じた女には、逆に喜んで勃起した男根を見せ付けるであろうし、その女の肌を見て目を逸らしたりなどするはずがないからだ。


204:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:48:12.03 v9tMIho3

(どこかで間違えちゃったかなぁ……)
 そう思いながら、。お市はちらりと視線を下にやる。
 彼女の袂(たもと)が窓から入る風になぶられ、ゆっくりと揺れている。
 そこには昨夜、兄の尻を貫いた木彫りの張型が入っているのだ。
 勿論それは、男にしか為し得ない「挿入」という快感を発生させることで、兄の記憶を混乱させる―などという下らない目的のためではない。
 兄の菊座は、陰茎と並ぶ彼の最大の性感帯であると聞いていた以上、お市からすれば、たとえ僅かであっても、兄により多くのエクスタシーを与えるために、その箇所を責めるのは当然の行為だったからだ。

 だが、それと同時に、ある懸念がちらりと彼女の頭をよぎる。
(もしも兄上の本当の意趣が、女ではなく男なのだとしたら)
 その想像は彼女の背筋を寒くするが……すぐさま否定し、苦笑する。
 衆道の習慣は一般に広く認められたものではあり、兄もその例に漏れず夜伽童を愛でる趣味を持っているが、それでも兄がこれまで手を付けた女の数や、何よりあの濃姫の様子を見れば、兄が女より男が好きだなどという想像は、まず成立しないことは分かる。
(やっぱり、あの蝮の娘が嫁に来てからよね……おかしくなったのは)
 が、そう思うとともに口元の苦笑は消え、お市の眉間に深い縦皺が走った。
 幸せそうに三郎に寄り添う、その女の顔が頭に浮かんだから―というだけではなく、背後の足音とともに、その女独特の花のような体臭がお市の鼻に届いたからだ。


「あらあら、こんなところにいらっしゃったのですか市姫様」


 振り向くと、案の定そこには例の女―嫂(あによめ)がいた。
 あるかなしかの微笑をつねに口元に浮かべ、見る者の心をホッとさせるような雰囲気を持つ女性―とはいっても、年齢的には兄と一つしか変わらぬ少女に過ぎないのだが、彼女はお市と違い、すでにして成熟した人妻の空気を発散している。
 すでにお市は先程までの怒りを完全に表情から消し去っており、いつものように、にっこりと太陽のような笑顔を向けると、ぺこりと頭を下げた。

「おはようございます帰蝶様―あ、濃姫様とお呼びした方が宜しいですか?」
「駄目です。義姉(あね)上もしくは帰蝶とお呼びなさい」
「はい、義姉上様」
「よろしい。これからは気をつけるのですよ?」

 そう言って二人はくすくすと笑い合う。
 無論お市は、その心中までは笑っていない。この女が自分を「お濃」と呼ばせるのは、あくまでも三郎だけなのだ。あたかもその「特別な名」を呼んでいいのは夫一人のみの権利であると言わんばかりに。
 もっともそれは、見知らぬ他国に嫁いできたからには、せめて夫以外の者たちからは親より与えられた名で呼んで欲しいというだけの話かも知れないが、それでもお市の目には、彼ら夫婦がそういう仇名をダシに、いちゃついている様にしか見えない。

 この時代の、この階級の婚姻というものは後世の恋愛結婚とは違って、家門同士の外交手段の一環である。
 当然ながらその夫婦生活も、当人同士の愛情の果ての行為などではなく、次代を担う男児の出産という、半ば義務的な目的のものであるはずなのだが―にもかかわらず彼ら二人はよほど馬が合ったのか、傍目にも微笑ましくなるほどに仲のよい夫婦であった。


 そしてお市は、その事実が何よりも我慢できない。



205:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:50:26.40 v9tMIho3

 兄はお市に優しかった。
 世間のあらゆる慣習・道徳・価値観を鼻で笑い、あくまで自己流の信条を押し通そうとする兄は、それゆえに周囲の者を怯えさせるほどに峻烈な気性の所有者であった。その「威」があればこそ、彼は廃嫡を免れていたと言えるほどに。
 が、そんな兄がたった一人、親しみと優しさを見せる存在は、このお市だけであったはずなのだ―少なくとも、隣国から濃姫が嫁いでくるまでは。
 あの優しかった兄が、その濃姫との祝言以来、ほとんどお市と遊んでくれなくなってしまった。
 それだけではない。それまでお市が独占していたはずの兄の笑顔や優しさを、濃姫は当然のように享受しているのだ。それまでお市だけのものだったはずの、誰も知らない兄の一面を、この女が奪ってしまったのだ。

 許せなかった。
 耐えがたかった。
 認めたくなかった。
 
 そしてまた、その許しがたき女が自分に向けて口を開く。
「ねえ市姫様、やっぱり独り寝は寂しいですか?」
「え?」
「あなたが兄上様をどれだけお慕いしているかはわかりますけど、わたくしもたまにはあなたと一緒に夜語りなどして楽しみたいですわ」
「と、言われますと?」
「ええ、ですから―」
 言いながら濃姫は、お市の肩にそっと手を置き、
「お寂しい夜は、兄上様だけでなく、わたくしの寝所にもいらっしゃって下さいな。一日遊んで高いびきをかくだけの三郎様とは違って、精一杯のおもてなしをさせていただきますわ」


 その濃姫の言い草を、
(つまり、これ以上兄上の部屋に勝手に行くなと言いたいのか)
 と、お市は解釈した。
 ではその台詞を聞いて「蝮の娘が女房気取りで何を偉そうに!!」とお市が叫び出しそうになったかといえば、実はそうではない。

 彼女の心に込み上げた感情は、むしろ歓喜であったからだ。

 濃姫が自分の判断でそんなことを言うわけが無い。
 なぜなら、お市のとった行動は客観的に見れば、夜間むずがった十歳の妹が、勝手に十四歳の兄の寝床に忍び込んだというだけの微笑ましい逸話に過ぎないからだ。
 濃姫が、そんな事実にまで嫉妬心を燃やすような女ならば、三郎がここまで無軌道に妻以外の女に手を付けまくれるはずが無い。
 ということは、必然的にその言葉は濃姫のものではなく、兄が彼女に言わせたものであるという事実を示している。
(つまり、兄上自身が私を警戒して距離を起きたがっている)
 ということになる。


 警戒しているということは言い換えれば―すなわち、兄がお市を“女”として意識している、ということに他ならないではないか。


 ならば、この女の言葉に従う必要などどこにもない。今はとりあえずハイハイ言っておけばそれでいい。
 どちらにしろ、兄はすでに自分を意識し始めている。
 そうなってしまえばこちらのものだ。もうあと一押しで兄は堕ちる、いや陥とせる!!
―そういう思いが、彼女に大輪の花びらのような笑顔を与え、その美しさにむしろ濃姫は言葉を失った。

「では、今夜か明日にでもさっそく義姉上様のお部屋に伺わせていただきますわ」

 お市はそう言い、うっとりと目を細めた。


206:戦国奇妹伝 (第一話)
11/12/06 08:52:29.26 v9tMIho3
投下はここまでです
ではでは

207:名無しさん@ピンキー
11/12/06 08:54:30.08 Rl8tBwfP
GJ
今後に期待

208:名無しさん@ピンキー
11/12/06 08:58:08.05 ei9tZ4ws
GJ

209:名無しさん@ピンキー
11/12/06 09:22:39.91 D3I4BqVO
お、歴史物好きだから続きに期待

210:名無しさん@ピンキー
11/12/06 12:18:37.62 0J9Qdk5m
新作来たか!GJ
戦国キモ姉妹無双期待をする

211:名無しさん@ピンキー
11/12/06 12:31:01.30 76sJMi0d
GJ
歴史ものとは渋い
今後も期待してるぜ

212:名無しさん@ピンキー
11/12/06 13:23:41.36 vjSNnGJ8
歴史ものは難しい言葉使おうとするから、書くの疲れて途中で辞める人いっぱいいそう

213:名無しさん@ピンキー
11/12/06 16:49:06.36 7oBZaLkj
GJ!
幼いキモウトで頭脳派でお姫様って最強だな

214:名無しさん@ピンキー
11/12/06 21:09:29.90 gr40MI2R
GJ!!こんな素晴らしいSS風見にはかけないなw
おい風見!おまえが暴れないようしっかり俺が見張ってるからな!!
URLリンク(beebee2see.appspot.com)


215:名無しさん@ピンキー
11/12/06 23:56:08.01 D3I4BqVO
寒い…
姉にストーブ送ってもらうか(´・ω・`)

216:名無しさん@ピンキー
11/12/07 07:14:26.60 4Oh07Dgd
寒がる弟を自分の体で温めようとする姉

217: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】
11/12/07 08:44:48.65 V1mdvbS0
確かに姉ストーブいや姉湯たんぽは暖かそうだ
身体的な意味で

218:名無しさん@ピンキー
11/12/07 10:53:33.75 2UwqhP3L
久々にWikiを見てから来たけど、
ひきこもり大戦記がとても面白かった。
やっぱり主人公視点の話のほうが俺は好き。

219:名無しさん@ピンキー
11/12/07 23:45:28.34 9gCBT0cP
サッパリした性格の友達みたいな双子キモ姉が実は弟を狙ってる女だった

220:名無しさん@ピンキー
11/12/08 06:56:45.23 FQtv2J0J
>>206
GJ!!目的の為に我慢の出来る理性的なキモウトとはかくも魅力的なものか
続きも期待してます

221:名無しさん@ピンキー
11/12/08 17:34:36.03 XYvv7BVA
とある国の女王は権力や金などあらゆるモノを手に入れたが
唯一手に入れていない生き別れの弟
国の軍事力全てを使って弟を探し自分のものにするため
あらゆる違法行為を使って調教

222:名無しさん@ピンキー
11/12/08 18:34:19.43 fMfc1UX/
>>221
だからなんだ?としか言いようがないな

223:名無しさん@ピンキー
11/12/08 19:09:36.14 BpE6G//R
>>220
弟の幼馴染が全世界を敵に回して戦うんだな

224:名無しさん@ピンキー
11/12/08 23:20:08.25 ZKuKKW5p
>>221
弟幼馴染連合vsキモ姉帝国か胸熱

225:名無しさん@ピンキー
11/12/08 23:45:29.31 BpE6G//R
キモ姉帝国の弟狩りだ―

226:名無しさん@ピンキー
11/12/09 03:01:51.20 fSUMz0L4
シスが暗黒卿ダースネーチャン
弟の下着スーハー

227:名無しさん@ピンキー
11/12/09 03:05:34.55 /wrrZccr
全ての女性は自分の嗜好を受け入れるべきだと、世界中から姉弟を拉致って目前で強制結合させまくるキモ姉女王

228:名無しさん@ピンキー
11/12/09 05:13:04.21 u5grua5z
今のところ短篇やSSを丸々一本でっちあげるだけの力量ないし体力がないのがつらいところ。

229: ◆wBXWEIFqSA
11/12/09 18:40:22.88 dMUtoX6p
こんばんは
>>78の続きを投下します


230:狂依存 300
11/12/09 18:41:13.42 dMUtoX6p
窓から、薄い朝日が差し込んで部屋が明るくなり始めた頃、目覚まし時計が鳴り響き、反射的にベルを止めた。
あれから、ずっとベッドで仰向けになりながら天井を見つめ、起き上がることも出来ず、ただ呆然としていた。
麻由お姉ちゃんに拒否された―
悪夢のような現実を突然、突きつけられ、何もする気が起きない。
でも、今日も学校はある。休みたい……いや、むしろ学校に行く事でこの現実を少しでも忘れたい。
そう思い立ち、ベッドから飛び起きて、支度を始めた。
まだ学校に行くにはかなり早いが、今の時期、早朝から学校の自習室に来て勉強している奴もいるので、別におかしな事もないだろう。

「麻由お姉ちゃん……」
麻由お姉ちゃんの部屋に入るが、まだベッドに横になっていた。
最近、本当に寝てばかりじゃないか……体調が悪いって言ってるけど、昨日額に触ってみた限りでは熱もなかったし、医者にも行こうとしない。
顔色が悪いから、実際に気分が悪いのだろうが、それにしてもあのイライラした態度を見ていると、こっちも気分が悪くなってくる。
「何だよ、この女は」
家事もしないし、犯らせてもくれないし、僕には当り散らすしで……こんな不愉快な麻由お姉ちゃんは初めてだ。
「もう、良いや。さっさと行こう……」
これ以上、麻由お姉ちゃんを見てても虚しい気分になるだけだったので、部屋を出て、下に降りていった。

「しまった……」
台所に行って、パンでも食べて出ようとしたが、食べ物が無い事に気がつく。
あ……だから、夕べ麻由お姉ちゃんが買いに行けって言ったんだよな……。
だけど、あんな夜遅くに買いに行けと言われて、ムッとなって断ってしまったが、朝どころか昼食を買うお金も今は無い。
麻由お姉ちゃんから渡された5千円札は部屋に置いてきちゃったし……。
「いや、あれを持っていけば良いか」
黙って持っていくのは気が引けるが、背に腹は変えられない。
何せ、昨日の夜から何も食べていないのだ。

二階に上がり、麻由お姉ちゃんの部屋に入って、昨日床に置いたはずの5千円札を探す。
だが、あれから財布の中にでも閉まったのか、何処にも落ちてなかった。
「まいったな、どうしよう……って」
まいったも何も、麻由お姉ちゃんを起こして金を借りれば良いんだ。
「ねえ……」
と、ベッドに寝ている麻由お姉ちゃんに声を掛けて起こそうとした時、
「……」
昨日の麻由お姉ちゃんが頭をよぎって、思いとどまる。
このまま、起こして金を貸せなんて言ったら、怒られるかも……そしたら、また口論になっちゃうな。
それに、夕べの麻由お姉ちゃんの事を思い出したら、何だか腹が立ってきた。
「でも、どうしよう……ん?」
ふと、床に目を向けた瞬間、麻由お姉ちゃんが普段持ち歩いているバッグが目に入った。
(確か、この中に財布を閉まってあったはず……)
麻由お姉ちゃんが良くこのバッグから財布を取り出して、僕に小遣いをくれていた事を思い出した。
僕が金をねだったら、好きなだけ麻由お姉ちゃんはここから、お金を渡してくれた。
麻由お姉ちゃんは最近は単発のバイトをたまにやっているくらいだが、お母さん達が家にいる頃は予備校でかなり時給の良いバイトをしていた上、他にも色々なバイトをやっていたので、お母さんから渡される生活費以外にも、その時稼いだ金がまだ結構あるらしい。
『私の全てはあなたの物だから、全部使っていいのよ』って、言ってた気も……。
(そうだよ……麻由お姉ちゃんの物は僕の物なんだ……)
だから、黙って持っていってもいい筈だ。
バッグのファスナーを開けて、財布を取り出し、千円札を一枚こっそり抜き取る。
「千円だけだし、良いよね」
少し罪悪感はあったが、麻由お姉ちゃんの昨日の態度が今でも腹に立っている上、麻由お姉ちゃんの物は僕の物なんだから持っていってもいいはずという意識が強く出たので、すぐに財布に入れて部屋を後にし、家を出た。
千円だけじゃ、今日一日分の食費にしかならないし、昨日払ったガス代も後で立て替えてもらおう。
何て事を思いながら、いつにも増して冷え込む中、駅へと歩いていった。

「ただいま」
「大輝!あんた、何やったのよ!!」
「何、麻由お姉ちゃん?」
学校から帰り、鍵を開けて玄関に入ると、麻由お姉ちゃんが物凄い剣幕で怒鳴りかかってきた。


231:狂依存 301
11/12/09 18:42:17.07 dMUtoX6p
「しらばっくれるんじゃないわよ!私の財布から勝手にお金持って行ったでしょ!!千円だけだから、わからないとか思ったんでしょうけど、ちゃんと毎日中身をチェックしてるんだからね!!」
「ああ……だって、お金が無かったんだし仕方ないでしょ。昨日、ガス代だって僕の小遣いから出したんだから、その分も立て替えておいてよ」
財布から昨日、ガス屋から貰った領収書を取り出して、麻由お姉ちゃんに立て替えを要求する。
「な……!自分が何をやったのか、わかってるの!?私のお金を勝手に……!」
「何がいけないんだよ?麻由お姉ちゃん、前に自分のお金は好きに使って良いって言ったじゃないか。だから、どうしようが僕の勝手だろ。それより、早くガス代出して。お母さんから生活費を貰ってるんだからそこから出せるでしょ」
「もう終わりにするって言ったじゃない……これから、もう今までの様な事はしないで、普通に接して。それより、人の財布から勝手に金を抜き取って謝りもしないって、何様のつもりなのよ!」
何様のつもり?僕は麻由お姉ちゃんがして良いよって言った事をやってるだけなのに、今更、何を言ってるんだ。
「とにかく、もう二度としないで。今度やったら、本気で許さないからね」
と、言い放った後、きびすを返して部屋へと台所へと行く麻由お姉ちゃん。
終わりにするだって?僕はそんな事を了承した覚えは一度も無い。
訳も分からず、こんな一方的な事を言われたって納得できるわけが無いじゃないか。
(今の麻由お姉ちゃんは我侭すぎて、何かイライラしてくる)
こんなモヤモヤした気持ちを抱えながら、自分の部屋へ入って着替えた。

「ねえ、大輝」
「何?」
夕食を食べていると、突然麻由お姉ちゃんが、
「食器の洗い物はあんたがやって。私は洗濯物取り込まないといけないし、明日説明会の予約してるから、その準備とかも色々しないといけないから」
「何で?麻由お姉ちゃんが全部やってよ」
「これからは分担しましょう。私も就職活動が始まるから、中々時間取れなくなるし、あんたも皿洗いぐらいなら出きるでしょ」
「僕だって、もうすぐ受験で忙しいんだよ。それに家事は全部麻由お姉ちゃんがやるって話だろ」
「あんただって、『手伝える事があったら、何でも言って』って言ったじゃない。だから、お願いだからやって。料理もこれからは交代で作りましょう。わからなければ、私が教えるから」
う……確かに言ったけどさ……でも、
「……嫌だよ。僕、料理なんて出来ないし、麻由お姉ちゃんが作ったほうが良いだろ。麻由お姉ちゃんが自分で全部やるって言ったんだから、今更したくないよ」
「やらないなら、今月の小遣いは抜きにするわよ。もう今までみたいに甘やかしたらあんたの為にもならないし、私も疲れるから」
と、言いながら、食べ終わった食器をまとめて洗い桶につけ、台所を去る。
「何だよ……今頃になって……」
麻由お姉ちゃんは今までとは明らかに変わってしまった。
急に家に閉じこもったかと思ったら、僕との関係を終わりにしたいだって?
沙耶さんの家に行ったらしいけど、何があったのか検討もつかない。
その沙耶さんとも連絡がつかないし……。
食べ終わった後、一応、麻由お姉ちゃんの言われた通り、皿洗いを始める。
(何で、僕がこんな事を……)
確かに以前、手伝うとは言ったけど、麻由お姉ちゃんのあの押し付けるような態度が鼻について仕方が無い。
今までは僕が手伝うって言っても、ほとんどやらせてくれなかったのに、今になってあの言い草は納得がいかない。
麻由お姉ちゃんの茶碗を手に取り、じっと見つめる。
これは僕のやる事じゃない。家事は……僕の身の回りの世話は……麻由お姉ちゃんの……麻由お姉ちゃんの仕事だ!!
ガシャーンッ!!!
「っ!?何!?」
台所に麻由お姉ちゃんの茶碗が割れる音が響き渡ると、何事かという声を出して、麻由お姉ちゃんが駆けつけてきた。
「大輝……あんた、何のつもりなのよ!!」
「え……?ああ、ちょっと手が滑って」
「嘘でしょ!!わざと私の茶碗を叩きつけたじゃない!何で、こんな事するのよ!」
床に散らばった茶碗の破片を片付けながら、物凄い形相で僕に怒鳴りつける。
「仕方ないでしょ。慣れないことやったんだから、こういう事もあるよ。それより、早く昨日のガス代払ってよ。領収書渡しただろ。お金なくて困ってんだから片付けたら、僕の机の上にでも置いておいて」
「ほ、本気で言ってるのあんた……?」
「何で?」
「どうしたのよ……?私の茶碗を割っておいて、ごめんなさいの一言もないの?何で、そんな意地悪な事するのよ……」


232:狂依存 302
11/12/09 18:43:10.22 dMUtoX6p
泣きそうな顔をして、僕に語りかける麻由お姉ちゃん。
何で、そんなに悲しそうな顔をしてるんだろう?泣きたいのは僕の方なのに。
「そんなの決まってるじゃないか。麻由お姉ちゃんが最近、抱かせてくれないから色々フラストレーションが溜まってるんだよ」
「だ、だから、それはもう……とにかく、これは弁償してもらうからね。そしたら、水に流してあげるから」
バツの悪そうな顔をして、目を背け、破片をまとめて袋に入れる。
「じゃあさ、裸になってよ」
「は?」
「裸になって、そこの壁に手をついてお尻を突き出して犯させてよ。そしたら、弁償してあげる」
「聞こえなかったの?もう、大輝とはそういうことはしないの……別にあんたの事、嫌いになった訳じゃないけど、とにかく今はしたくない……」
「麻由お姉ちゃんがしたくないかどうかなんて、関係ないよ。僕がしたいから、脱いでって言ってるの。わかったら、早く脱いでよ……!」
「いや!!」
いつまでも脱がないことに業を煮やして、麻由お姉ちゃんの服を掴み、強引に脱がそうとすると、嫌がり抵抗する。
くっ!やっぱり、麻由お姉ちゃんは結構力があるな……。
でも、関係ない。何日もしてないんだ。だから、早く麻由お姉ちゃんを……。
「いい加減にしてっ!!」
パンッ!!!!
麻由お姉ちゃんの悲鳴と共に台所で僕の頬を叩く音がはっきりと響き渡った。
「はあ……はあ……もう、良いわ。後は私がやる。だから、あんたはさっさと部屋に行って」
「麻由お姉ちゃん……」
「早く、行けええっっ!!!」
力一杯叫んだのを見て、頬を抑えながら、渋々台所を去り、部屋へと戻る。
麻由お姉ちゃん……どうして、そんなに嫌がるの?
納得がいかないんだよ……急に終わりにしろなんて、言われても……。
本当にこのまま麻由お姉ちゃんの関係が終わったら、僕は……気がおかしくなってしまうかもしれない。
「う……麻由お姉ちゃん……」
何で、こんな事になったんだ?
このまま、終わったら二人はどうなる?麻由お姉ちゃんの体を二度と抱けないのか?
他の男に取られるのか?嫌だ。嫌だ―

キーンコーンカーンコーン……
あれから、麻由お姉ちゃんと一言の会話もないまま、朝を向かえて学校へと行った。
朝食は麻由お姉ちゃんが買ってきた食パンで適当に済ませた。
当然、授業なんか耳に入るはずも無く、ひたすら机に俯いてモンモンとすることしか出来なかった。
「三船、ちょっと良いか?」
「はい?」
休み時間、トイレから出て教室へ戻ろうとすると、担任の石田先生に呼び出されて職員室へと行く。
何だろう……?

「三船、最近やけに元気が無いようだけど、何かあったのか?」
「え……?そうですか?別に何も……」
職員室の机で僅かに苦笑しながら、僕に尋ねる。
「そうか?昨日も今日も授業中もやけにそわそわしてるし、顔色も良くない様に見えるけどな……」
まあ、そうだよな……友達にもそう言われてるし、先生が見ても変に思うか……。
「お前、確か今はお姉さんと二人で暮らしているんだって?大変だろう。色々、ストレスも溜まってるんじゃないのか?」
「いえ、大したことは無いですよ……ちゃんと二人でやっていますし……」
石田先生は中年を過ぎた男性教師だが、面倒見が良く生徒からも割りと慕われていて、僕も嫌いではないのだが、核心に触れる事を突いて来たので、もしやバレているのではないかと、ドキッとした。
やっぱり、教師暦が長いと生徒の悩みとかにも敏感に感じ取れる物なのだろうか?
とは言え、実の姉がやらせてくれないから悩んでいます、なんて口が裂けても言えないので、ごまかすしかない。
「ま、期末も近いし、追い込みで大変な時期だから落ち着いてられないのもわかるがな。家庭の事に深く首を突っ込む気は無いが、あまり溜め込むのも良くないぞ。少し勉強や家の事から離れて、気分転換でもしたらどうだ?」
「は、はあ……」
まるで僕が何で悩んでいるのか見透かしたように、先生は机に向かって微笑みながら、優しく語り、それ以上の事は何も突っ込まなかった。
「失礼しました」
気分転換か……溜め込むのは良くないと言われてもどうすれば……
そうだ、麻由お姉ちゃんが駄目なら沙耶さんとやれば良いじゃないか。
麻由お姉ちゃんほど満足は出来ないけど、この人でも気は多少は晴れるだろう。うん、良い気分転換になるな。
でも、連絡取れないし、どうやって会おうか……



233:狂依存 303
11/12/09 18:43:57.48 dMUtoX6p
「一条さんなら、先月辞めましたよ」
「え?何でですか……?」
学校の帰りに沙耶さんがバイトしているお店に行き、見当たらなかったので尋ねてみると、予想外の返事が返ってきた。
「ああ、就職活動が忙しくなるからとか言ってましたけど……元々、今年中には辞めるって話をしてましたし」
「そうですか……ありがとうございました」
ここで会えればと思ったが……いないとなると、直接家に出向くしか無いのかな?
でも、今日は平日だし、大学はあるのだろうか……
とにかく、行ってみるか。

沙耶さんの自宅に着き、玄関の前で立ち尽くす。
来たのは良いけど、どうしよう?沙耶さんの親御さんが出たら、説明に困るしな……。
取り敢えず、呼び鈴を鳴らしてみるか。
「……っ!?」
「え?あ……」
呼び鈴を鳴らそうとして、門の前に行くと何か驚いたような声がしたので、右を向いてみたらスーツ姿の沙耶さんが驚いた顔をして僕を見ていた。
やっと、見つけた……。
「な、何をしに来たの……」
手で口を抑えながら、脅えたような声で、後ずさりしながら話しかける。
「何しにって……僕が沙耶さんにする事なんて、一つしかないじゃないですか……」
「いや……!」
沙耶さんの腕を掴むと、悲鳴を上げて顔を背けた。
くそっ!この人もかよ。でも、良い。無理矢理にでもやってやる。
「家には誰かいるんですか?いないなら、中に入りましょう。いるなら、僕の家に……」
「あ、あのね!大輝……悪いんだけど、今日は……というか、もうあなたとは……」
「あなたの都合なんて関係ないんですよ!今は沙耶さんとしたい気分なんです……さあ、行きましょう……」
「お願い!話を聞いて……いやっ!!」
沙耶さんの腕を引き、強引に壁に押し付けて、体を弄っていく。
この人は麻由お姉ちゃんほど力が無いので、僕でもねじ伏せられる。
今まで、散々僕が嫌がっても付きまとって、強引に誘ってきたんだ。
だから、僕が一度くらい強引にやっても……文句なんか言わせない。沙耶さんだって僕の女のはずだ!
「いや、嫌っ!!お願いだから、話を聞いて……!」
沙耶さんの胸に手を触れると、更に抵抗を強め、じたばたと必死であがいている。
はは……これは、あれかな?僕にレイプ体験でもさせようってのかな?
「くそ!大人しく……あたっ!!」
振り上げた手が顔に当たり、怯んだ隙に、沙耶さんは僕の手から逃げ出して、門の中に駆け込んでしまった。
「待て!くっ……」
門を開けようとするが、鍵が掛けられてるのか扉が開かず、ビクともしなかった。
「ちょっと!早く開けて下さい!!」
門をドンドン叩いて、呼びかけるが、全く返事が無い。
こうなったら、塀をよじ登ってでも……と、思って顔を上げた所に、門柱に貼ってあった警備会社のステッカーが目に入った。
まずい……これ以上、無理に入ろうとすると、警備会社に通報されるかもしれない。
「ちっ……ここは引いておいた方がよさそうだな……」
警察の厄介になるのは流石に御免なので、ここは一旦離れる事にした。
だが、まだ諦める気は無い。

駅に戻って電話ボックスに駆け込み、携帯のアドレスで沙耶さんの電話番号を表示する。
「ええと……080……」
携帯からでは何度かけても繋がらないので、着信拒否されているのかと思い、公衆電話からなら繋がると思ったからだ。
トゥルルルルルル……
「……はい」
「何、逃げ出してるんですか!早く家から出てきて駅前に来てください」
「え……?もしかして、大輝!?」
「僕以外に誰がいるって言うんです?さっきの事は忘れますから、早く駅前のホテルに来てやらせて下さい。逃げ出すなんてひど……」
ブツっ!
「もしもし!?切れたか……」
だが、受話器を置き、すかさず沙耶さんの携帯に再び掛ける。
トゥルルルルルル……
出ない……だが、出るまではいつまでも切るつもりは……おっ、



234:狂依存 304
11/12/09 18:44:52.29 dMUtoX6p
「勝手に切らないで下さい!自分の立場分かってるんですか!あなたには僕を拒否する権利なんて無いはずですよ!」
受話器越しで怒鳴りつけると、ようやく重く口を開き、
「今までの事は謝るよ……納得できない気持ちもわかる……大輝の事、嫌いになったわけじゃないよ。でも、もう無理なの……私も何でこうなったのか、良くわからないけど、前みたいに……」
「あなたがどう思ってようが関係無いって言ってるでしょ!とにかく、すぐに駅前に来て下さい!嫌なら、また家に押しかけますよ!」
弱々しい声で僕の誘いを断る沙耶さんに対して、苛立ちを覚え、大きく声を張り上げた。
とにかく、今は誰かとしたい。そうでなければ、頭がおかしくなりそうだから。
「だ、だからね。本当に謝るから、もう私とは……」
「悪かったというなら、責任取って、僕の言う事聞いてください!とにかく、今はあんたとやりたいんです。わかったら、ありがたく……」
ブツッ!
「もしもし?くっ……またか!」
テレホンカードを三度差込み、再びプッシュボタンを押す。
誘いに乗るまで、何十回でもかけてやるつもりだった。
トゥルルルルルル……
「出ないな……」
流石に警戒されてしまったか。だけど、このままでは収まりがつかない。
何とか呼び出して、強引にでも犯してやる。おっ……
「ちょっと、いい加減に……」
「いい加減にするのはそっちです!つべこべ言ってないで、僕の言う事聞いて、大人しく来い!僕はあんたの気持ちなんかどうでも良いんですよ!」
「お、お願いだからそんなに怒鳴らないで!どうしたのよ……ずっと放置してたのに今になって、こんな事言い出すなんて……」
「僕があなたをどうしようが勝手だって言ってるじゃないですか。今まで僕に好き勝手な事しといて、都合が悪くなったら逃げ出す気ですか?勝手な真似をしてるのはそっちだろ!!」
「う……もう、私に関わらないで……これ以上は耐えられない……」
「はあ?何言ってるんですか?……もしもし?」
また切れた。
嫌がらせのつもりか?ふざけやがって……!
「あ……」
ふと、振り向くと、電話ボックスの前に怪訝そうな顔をして見つめている中年のサラリーマン風の男性が立っていた。
ま、まずい……
受話器を置き、電話ボックスから飛び出て、小走りでこの場を後にする。
ちょっと興奮しすぎてしまった。電話ボックスでひたすら怒鳴りつけるなんて、これじゃ、ただの危ない男じゃないか……。
「でも、こうなったのは沙耶さんが僕の誘いを断るからだ」
いつもみたいに、喜んで体を差し出せば良いのに、あんなに渋るなんて酷すぎる。
悪いのは全部沙耶さんと麻由お姉ちゃんのせいだ。
だが、こうなっては仕方ない。一旦、家に帰ってどうするか考えよう。
今まで感じたことの無い苛立ちを抱えながら、家へと戻る。
もう僕の心の中に麻由お姉ちゃんと沙耶さんを思いやる気持ちなど、完全に消え失せていた。

「電話もメールも駄目……無理に家に押しかけたら、僕がまずい事になる……」
家に帰って、部屋に戻り、今後どうするか考える。
一応、家の電話からもかけてみたが、繋がらなかったので、おそらく着信拒否されているのだろう。
とにかく、体がうずうずするというが、ムカムカしてこのままじゃ、本当に収まりがつかない。
帰りがけに通りがかった女でも誘って、食ってやろうかと思ったが、そんな事をしても気休め程度にもならないと思い止めた。
僕がこんな思いをしてるのも、あの二人のせいなんだから、二人を滅茶苦茶に犯すまでは気が済まない。
嫌がってようが何だろうか、関係ないよね。二人とも僕のなんだから……。
「そうだ。パソコンからメールを送って、連絡を取ってみるか」
家のパソコンを立ち上げて、沙耶さんにメールを送る事を試みる。
どうやって、誘うか……下手に紳士的に誘っても断られるだけだろうし、あくまでも強気な姿勢で嫌というぐらいまで追い込んで恫喝しないと出てこないだろうしな。
「ええと……沙耶さんのアドレスは……」
アドレスを打ち込み、件名に僕のイニシャルを打ち込んで、本文に何を書こうか考える。
「とりあえず……」


235:狂依存 305
11/12/09 18:45:29.50 dMUtoX6p
『閉じこもってないで、早く出て来て、体を差し出せ。あと着信拒否と受信拒否をしてるのなら、さっさと解除しろ。5分以内に返事をしろ!』
これで、よしと……送受信ボタンを押し、しばし返事が来るのを待つ。
沙耶さんはもう一つ携帯を持っていたので、そっちにも同じ文で送る。
実際に面と向かって喋ってる時は年上の人にタメ口で喋るのに抵抗があったので、敬語を使っていたが、メールでまで敬語を使うと恫喝にならないと思い、敢えて乱暴な言葉遣いで書いた。
「早くしろ……」
5分待っても来ないので、もう一度送る事にした。いや、一度だけでは伝わらない。
何度も同じ文面でメールを送りつけ、嫌がらせの様に送りつけた。
「ふう……これで、良しと……」
返事を寄越さなかったら、何度でも送ってやる。
いや、待てよ。これも受信拒否されたら、意味が無いな。
そうだ……。

ピロリロンっ!ピロリロンっ!
「もう……!何なのよ、一体……!」
あまりにもしつこく携帯の受信音が鳴り響いているので、溜まりかねて開いてみる。
「な……」
ディスプレイを開いてみると、メールが次々に何十件も豪雨のごとく送られてきて止まらずにいる。
「ちょっと!何で……」
受信拒否していたはずだが、メアドを見てみると、それぞれ違うアドレスの物が複数送られてきていた。
何で……?いい加減に止まってよ!
「あ……ようやく、止まった……」
一旦、止まったのでメールを開いて見てみると、全て最初に来た、メールと同じ本文だった。
「まさか、大輝が……」
流石に溜まりかねて、大輝の携帯に電話を掛ける。
トゥルルルルル……ぶつ
「3分だけ、待ちます。その間に僕の携帯とメールの着信拒否設定を解除してください。二つともです」
「何で、こんな酷い事するのよ!もう、大輝とは……」
「何度も言わせんじゃねえっ!!この馬鹿女が!!つべこべ、言ってないでさっさと解除してください!!3分待ったら、そっちに電話かけますから。しなかったら、もっと酷い目に遭わせますよ!!」
ブツッ!!
受話器越しに、今まで聞いた事も無いような恐ろしい罵声を耳元に浴びせられ、鼓膜が一瞬、キーンとして痛んでしまった。
「な、何なのよ……一体……」
今のは本当に大輝なの?あのちょっと気弱で優しそうな子が、あんなヤクザみたいな乱暴な言葉遣いと怒号を浴びせてくるなんて、想像も出来ない……。
「どうしたの……?私のせいで変わっちゃったの……?」
今は本当に怖い。あんな大輝とは会いたくもない。嫌だ……嫌だ。

3分経ったので、もう一度沙耶さんの携帯にかけてみる。
受信拒否されても届くように、いくつかのフリーメールに登録して、一気に何十件も送りつけてやった。
流石にちょっと興奮しすぎてしまったと反省しているが、あのぐらい言ってビビらせておかないと、言う事を聞きそうにないので、まあ良いか。
「出るかな……?」
「はい……」
小さく弱々しい声で、返事をする。やっと繋がったか……。
「じゃあ、今すぐ家の近くの公園に来て下さい。今日は外で犯してあげますから」
「もう、いや……二度と掛けてこないで……」
「何度言わせれば、わかるんですか?あなたの意思なんて関係ない。僕がしたいから、やるって言ってるでしょ。僕を怒らせないで、いつもみたいに黙って……」
「二度と私に関わらないで!!今度やったら、本当に警察に通報するから!!最低っ!!」
ブツッ!!
と、沙耶さんは思いっきり叫んだ後、一方的に切ってしまった。
「何が最低だよ……」
せっかく、誘ってやったのに何が最低だ。それはこっちの台詞だよ!
だが、警察に本当に通報されるとまずいので、今日のところはもう引いていた方が良いな。
まあ、良い。あの人はいつでも犯せるだろうし、やればまた元に戻るだろう。
怒鳴り散らしたせいか少し気分が晴れたので、鞄から教材を取り出し、期末の勉強を始めた。
赤点を取るとまずいので、こっちはこっちでちゃんとやらないとな……。



236:狂依存 306
11/12/09 18:46:13.26 dMUtoX6p
「大輝、これ見て」
「何、これ……?」
夕飯を食べ終わった後、麻由お姉ちゃんが僕に一枚のプリントを差し出した。
「見ればわかるでしょ?家事の当番表よ。こうやって決めておけば、わかりやすいでしょ」
当番表?見てみると、曜日ごとに食事、掃除、洗濯、ゴミ出し、買い物などの家事について、二人が何処を担当するのか細かく手書きで書いてあった。
「昨日も言ったと思うけど、もうあんたをこれ以上甘やかす事はしない。今までの事は謝るわ。だけど、これからはあんたがいつも言ってた様に普通に過ごしたいの。だから……」
「ちょっと、それは勝手すぎるんじゃない?麻由お姉ちゃんが全部やるって言い出したんだから、今頃こんな物を作って押し付けようとするなんて、筋が通らないし、納得いかないよ」
「何で、そんなにやりたがらないのよ?大輝だって、手伝うって散々言ってきてたんだから、自分の言った事守りなさいよ」
「言ったけど、麻由お姉ちゃんが何度も断ったんじゃないか。それが、今になって急に家事を手伝えとか、抱かせてくれないとか……麻由お姉ちゃん、何処か頭でも打ったんじゃないの?」
「どうしたの、本当に……おかしいわよ、あんた……お願いだから、私の言う事を聞いて……」
おかしいのは、そっちの方だ。
「それより、一緒にお風呂入ろう……麻由お姉ちゃんに体を洗って欲しいな。さっ、早く……」
「ちょっと!」
麻由お姉ちゃんの腕を掴み、浴室へと連れて行く。
へへ……久しぶりに、麻由お姉ちゃんの体で気持ち良く洗ってもらおう……。
「嫌だって、言ってるでしょ!そういう事すると、本当に嫌いになるわよ!!」
「あっ!待って!」
僕の手を振りほどき、逃げ出した麻由お姉ちゃんを追う。
何で、そんなに嫌がる?ずっと麻由お姉ちゃんのほうからやってきたのに、何でなの?
「麻由お姉ちゃん!」
「来ないで!!」
自分の部屋に逃げ込んだ麻由お姉ちゃんを追って中に入ると、麻由お姉ちゃんは部屋に置いてあったバットを持ち、
「そんなの置いて、こっちに来て。僕と一緒にお風呂に入ろう」
「来るな!!」
僕が近づくと、叫びながらバットを振り回し、間一髪の所で避けた。
「麻由お姉ちゃん……どうしてなの?僕は麻由お姉ちゃんとまたエッチな事をしたいんだよ。だから、そんな意地悪しないで」
「来るなって言ってるでしょ!!お前なんか大輝じゃない!私の知ってる大輝は……弟はこんなんじゃ無い!!」
「麻由お姉ちゃん……」
バットを僕に向け、涙を目に浮かべ、叫び狂う。そんな姿を見て、僕も段々悲しくなってきた。
どうして、今になって僕の事をそこまで拒否するの?
いつまでも、はっきりしない態度を取っていたのを怒っているの?
だけど、お構いなしに僕の事を求めてきたし、面倒も見tくれたじゃないか。
「早く、出てってっっ!!私の前に姿を現すな!!」
冷えて、乾燥しているせいか、麻由お姉ちゃんの絶叫が部屋に大きく響き渡る。
その姿を見ていると、段々と自分自身が哀れな気持ちになっていった。

「……ただいま……」
翌日―
玄関のドアを開け、誰もいない家に上がり、着替えて台所に降り水を一杯飲む。
今日は土曜日だが、麻由お姉ちゃんは用事があって家にはいない。
朝起きて顔を合わせた時、麻由お姉ちゃんはあからさまに僕に対して敵意と憎しみを剥き出しにした目で睨み、挨拶しても何も返事もしなかった。
あれから、どんどん麻由お姉ちゃんとの距離が遠ざかり、僕の心も大きな穴が開いてしまった。
どうして、こんな事になったのか?普通の姉弟になる事を願ってたはずなのに、それを受け入れられず、自暴自棄になってあんな態度を取ってしまったのだろうか?
僕は……何がしたいんだ?麻由お姉ちゃんにも沙耶さんにも暴言を吐いて、当り散らして、何を得ようとしていたんだ。
自分が二人にしてきた事を思い出すたびに、次第に罪悪感で心が押し潰されそうになっていく。
何であんな事を……こんな事をすれば、嫌われるのは当たり前ではないか。
「どうしよう?これじゃ、謝っても許してもらえそうに無い……」
いくら、カっとなっていたとは言え、二人に対してとんでもない事をしてしまった……。
「あ……何で、あんな酷い事を……」
麻由お姉ちゃんにも沙耶さんに何て言えば良いんだ?これじゃ、二人にも完全に縁を切られて……

ピンポーン
「っ!?」
心が罪悪感で押し潰されそうになった瞬間、家の呼び鈴が鳴り、一旦我に帰る。
誰だろう……?麻由お姉ちゃんがもう帰ってきたのかな?



237:狂依存 307
11/12/09 18:47:10.95 dMUtoX6p
「はい……」
「こんにちはー」
「え……?」
玄関の戸を開けると、予想外の来客が家を訪ねてきた。
「おお、大輝。しばらくぶりだな」
「和輝叔父さんに菜々子叔母さん……どうしたんですか?」
「今日は二人ともお休みが取れたから、ちょっと大輝君たちが元気にやってるかなーって、思って顔を見ようと思ってね」
「朝、留守電に入れたけど、返事がなかったからどうしようかと思ったんだがね。今日二人とも休みだし取り敢えず顔だけでも出してこうと思って来たけど、今、大丈夫か?そんなに長居はしないからさ」
「あ……ええ、どうぞ」
しまった……留守電のチェックするの忘れていた。
うっかりしてたとは言え、突然の事で驚いたが、どうせこっちも用事がある訳ではないし、取り敢えず叔父さん達を家に上げることにした。

「どうぞ……」
「あら、ありがとう~」
慣れない手つきで台所でお茶を淹れ、リビングに招いた叔父達に差し出す。
「はは……済まないね、急に来て。はい、これ」
「……?何ですか?」
和輝叔父さんが、財布から小さなお年玉袋の様な物を2枚取り出し、僕に手渡した。
「大輝君と麻由ちゃんにお小遣いよお。というより、お正月に来れるかわからないから、お年玉を今の内に渡しておこうと思って」
「あ……そんな……悪いですよ……」
「遠慮するなって。実際俺も正月、仕事がありそうだし、麻由も大輝もお父さんたちがいなくて、大変だろうしさ」
「でも、都合がついてお正月も来れたら、また改めてお年玉あげるから、期待していてねえ」
「ありがとうございます……わざわざ、来てくれた上にこんな……」
正直、これは助かった……ちょうど、金欠で困ってた所だし、麻由お姉ちゃんから小遣いを貰える目処が立っていなかったので、これでしばらくは過ごせる。

「ん?今日は麻由は家にいないのか?」
「あ、姉さんは今日、合同説明会……だかに行っていて、いないんです」
「おっ、麻由ももうそんな時期なのか。今は不況で大変なんだろう。就職活動も」
「あらあら、お医者さんのあなたが言っても嫌味にしか聞こえませんよ。うふふ……」
「話の腰を折るんじゃない。全く……今は病院だって潰れる時代なんだって、お前も知っているだろう」
「はい、はい、すみませんでした。大輝君も受験なんでしょう?でも、この人の甥っ子さんなら、そんなに焦る事ないかしら」
「い、いえ!とんでもないですよ……正直、ちょっと厳しいかなって……」
国立の医学部を現役で受かったような人と同じにしないでくれ……そんな所、何浪したって受かりそうにない。
はあ……一応、僕も和輝叔父さんと同じ血が多少は入ってるはずなんだけどなあ……。
麻由お姉ちゃんはそれなりに受け継いでるみたいだけど、努力不足もあるんだろうが、僕はこの二人と比較したらかなり見劣りしている。
「そう言えば、体調の方は大丈夫か?この前、来た時、やたらと衰弱していたけど」
「え?ああ、はい。もうすっかり」
はっきりとは覚えていないが、叔父さんが来て診てもらったというのだけは、うっすら記憶に残っている。
今、あの時の事を思い出しても、本当に恐ろしい。麻由お姉ちゃんは僕に何か魔法か何かかけたのだろうか?
「そうかしらあ……何か、顔色悪いみたいだけどねえ……」
菜々子叔母さんがお茶を一口飲み、にやけながら僕を見つめると、
「女の子に振られたみたいな顔をしてるわねえ……んふふ……」
「ぶっ!!ごほっ!な、な……」
「あら、図星だったかしら?いやねえ、また私の勘が当たっちゃったの?」
あまりにもピンポイントで悩みを突かれ、思わずお茶を噴出してしまった。
「良かったら、相談に乗るわよ。年頃の男の子だもんねー。恥ずかしがる事はないからさあ」
「違います!そ、そんなんじゃありませんから……ごほっ……」
実の姉とその友達がやらせてくれなくなったから、悩んでいますとか誰にも相談できる訳が無い。
「おい、いい加減にしろ。すまんな……また、こいつの変な病気が出てしまって……」
「いえ……」
「ぶう……病気じゃないですよーだ」
見かねた叔父さんが助け舟を出し、叔母さんもやや膨れた顔をしながらもこの話を取り止めた。
いつも思うのだが、どうも、この菜々子叔母さんという人は何を考えてるのか良くわからない。


238:狂依存 308
11/12/09 18:47:59.20 dMUtoX6p
この人は和輝叔父さんよりも何個か年が下で、当然のごとくウチのお父さんやお母さんよりもかなり若いのだが、それにしても口調や外見が幼いというか、独特な雰囲気を醸し出してるし、上手く言えないが、何か見透かされたような感じがする。
今は准看の免許を取って、叔父さんと同じ病院に勤めているのだが、昔は易者だか占い師だかをやっていて良く当たると評判だったらしい。
という事は、僕が何で悩んでいるのか、全部わかっている……はずないよな、多分。
いや、麻由お姉ちゃんも沙耶さんも僕の心を読んでいるぽかったから、有り得なくも無いかも……。
「それにしても、麻由ちゃんと大輝君、お父さんとお母さんに似てきたわねえ」
「え……?そうですかね?」
まあ、良く言われるけど。
「はは、本当だな。大輝も若い頃の兄貴にそっくりになってきたよ」
「ふふ……麻由ちゃんもお母さんに似てるしねえ……本当、亜矢さんも羨ましいわ、あの年でもあんなに若々しくて。並んでみると麻由ちゃんと姉妹みたいですもの」
「いえ、それはちょっと、大げさですよ」
確かに家のお母さんは麻由お姉ちゃんに似てるし、40代後半という歳の割にはかなり若く見えるが、それでも麻由お姉ちゃんと姉妹に見えるかと言うと、流石に少し苦しい。
僕は見てもわからなかったが、最近、小じわやシミが増えたとか言って嘆いていたしな。
むしろ僕には菜々子叔母さんの容姿の方が信じられない。
確か30代後半ぐらいのはずだが、外見だけ見れば肌も真っ白で中学生っぽい感じの妙な可愛らしさがある。
何と言うか、人外の雰囲気がするというか……良く、わからない不思議な感じの人だ。
「大輝君、小さい頃は麻由ちゃんに良く懐いていたわよねー。今でもそうなのかしら、ふふふ……」
「ま、まさか……!はは……」
不気味なほどのニコニコ顔をしながら、悪戯っぽい口調でまたもや叔母にぐさりと痛いことを言い当てられ、作り笑いをしながら、思わず視線を逸らしてしまった。
冷や汗が止まらない……これって、もしかして本当に……。
「義兄さんも小さい頃から、亜矢さんに懐いていたんだって?」
「え?ああ、まあね」
突然、菜々子叔母さんが叔父さんに話を振り、叔父も頷く。
「小さい頃からって……?」
「ん?俺と兄貴と義姉さん達はハトコ同士で小さい頃からの知り合いだしさ。母親同士が従姉妹で仲が良かったから、俺達が子供の頃は、たまにだけどお互いの家を行き来してたんだよ」
いや、それは知っているんだが、
「そうらしいわねえ。その頃から、義兄さんは亜矢さんと想い合っていたのかしら?だとしたら、凄いロマンチックよねえ」
「いや、そうは見えなかったけどな。兄貴の方が一方的に入れ込んでいた感じだったし。そうだ、昔の大輝にそっくりだったな。ははは……」
「そうだったんですか?」
「俺には兄貴が何であそこまで熱を上げてるのか、理解できなかったけどなあ。正直、子供の頃はお前のお母さんに良い印象は持ってなかったよ。無愛想で挨拶も碌にしなかったしさ」

「亜矢お姉ちゃん!」
「げっ……」
スタスタ
「あっ、ちょっと待ってよ!えへへ……久しぶりに会ったんだから、二人で愛を語り合おうよ。スリスリ……」
「ちょっと、変な所、触るんじゃねえっていつも言ってるだろ!!いい加減にしないとぶっ殺すわよ!!」
「いてて……もう、恥ずかしがらなくても良いじゃん。せっかく、未来の夫が来たんだから、もっと二人で……」
「いい加減にしろ、この糞ガキが!離れろ……離れろって言ってるだろ!!」
ゴンッッ!!!

「いてて……亜矢お姉ちゃん、最近冷たいんだよなあ。いい加減に素直になれば良いのに。な、和輝」
畳に寝そべってクレヨンでお絵描きしている弟にウキウキした顔で話しかけると、
「えー……?俺、あの姉ちゃん嫌い」
「ええっ!?何でよ?将来、ぎりのおねえさんになる人なんだぞ!いや、好きになっちゃ駄目だけど、嫌いになるのもダメ!」
「だって、何かおっかないし……」
「何、言ってるんだよ。亜矢お姉ちゃんはとっても優しくて好きな人には尽くすおしとやかな女の子なんだよ。今はほら、あれだ。僕の事好きだけど、素直になれなくてツンツンした態度を取ってるだけなんだよ」
「……」
「僕にはわかるんだ。だって、僕と亜矢お姉ちゃんは運命の赤い糸で結ばれているんだし。へへ……また、亜矢お姉ちゃんの行って来るかな」


239:狂依存 309
11/12/09 18:48:50.53 dMUtoX6p
「ってな、感じでさ。正直、兄貴はどっか頭でも打ってるのかと思ったよ。ははは……」
「んふふ……♪本当、やんちゃだったのねえ……って、どうしたの、大輝君?」
「い、いえ……」
叔父さんの話を聞いて、思わず全身の力が抜けてしまった。
あ、あれ?これ僕の話じゃないよな?
お父さんがお母さんに小さい頃から憧れていたみたいな話しは聞いてはいたが、今まで興味も無かったので詳しく聞いた事も無かったし、お父さんもお母さんも言わなかったんだけど、まさか僕と全く同じ事をしてたとは思わなかった……。
しかし、そんな状況から、いつどうやって付き合い始めて結婚までしたのかは気になるな。
「あの……お父さん達が付き合い始めたのって、いつ頃からなんですか?」
「ん?確か、兄貴が大学生の頃、東京で偶然義姉さんと会ってそれからだって聞いたけど、詳しい経緯は俺も良く知らないな」
そうなのか?うーん……

「でも、運命の赤い糸で結ばれているっていうのは本当だったのよね。こういう子供の勘って結構当たるものなのよお。もしかしたら、大輝君も同じかもしれないわね」
「え……?」
子供の頃の直感……僕は子供の頃、麻由お姉ちゃんの事をどう思ってたのか?
思い出すまでも無い。根拠なんか何も無いのに、運命の赤い糸で結ばれていて、将来は絶対に夫婦になると確信していた。
お父さんだって、根拠がなかったけどそう思ってお母さんに付きまとっていた。
と言う事は、僕だって……。
「じゃあ、そろそろお暇しましょうかね。あまり長居しても迷惑だろうし」
「そうだな。じゃあ、大輝。俺達はもう帰るよ。麻由にもよろしくな」
「あ、はい……」
叔父さん達が立ち上がり、バッグを手に持って帰り支度を始める。
もう少し、話を聞いてみたかったが、無理に引き止めるのもあれなので、僕も玄関まで二人を見送る事にした。
「今日はお世話になりました。また、いつでも来て下さい」
「ふふ……何かあったら、遠慮なく呼んでね。それじゃあ、大輝君。頑張ってねえ」
「?はい。それでは、また」

玄関を出る際、叔母さんが何処か意味深な笑顔で僕に頑張ってと言った後、扉が閉まる。
少し、気になる仕草ではあったが、それよりもさっきの話をもう一度思い出してみよう。
お父さんはお母さんの事を恐らく、初めて見た時から好きなって運命の人だと思い込んだ。
そして、大きくなってから付き合い始めて結婚して僕達を産んだ。
夫婦の仲も悪くはないし、二人は向こうでも上手くやっているのだろう。
だから、運命の赤い糸で二人が結ばれているっていうお父さんの直感は結果的に正しかったと言える。
だったら、その息子である僕だって……僕だって子供の頃、思ってたように麻由お姉ちゃんと結ばれて幸せな家庭を築く事が出来るんじゃ……。

トゥルルルルルっ……
「ん?何だ?」
突然、電話が鳴り響いたので、受話器を手に取ると、
「もしもし」
「……大輝?お母さんだけど」
「ああ……しばらくぶり……どうしたの?」
お母さんから、しばらくぶりの電話であった。
「ちょっと、あんた達の様子が気になっただけよ。何か変わったこと無かった?」
「……別に……あ、今和輝叔父さん達が家に来たよ。後は……特に無いかな」
と、答えたが、麻由お姉ちゃんと沙耶さんの事など、お母さんに言える訳がない。
「そう……麻由とは仲良くやってる?」
「っ!?う、うん……」
「何?喧嘩でもしたの?珍しいわね」
「そんなんじゃないけど……」
力なく否定するが、今の僕達の関係は喧嘩なんて生易しい状態ではない。
何もかもがおかしくなって、どう修正したら良いか、わからない状況なんだ。だけど……
「ねえ、お母さん……お母さんとお父さんって、小さい頃からの知り合いなんだよね?」
「あ?何よ、突然?」
「いや、さっき、叔父さん達が来た時、そんな話をして、ちょっと気になってさ……お父さんとお母さんって昔から、その……仲良かったの?」
両親の馴れ初めなんて今まで興味もなかったが、どうしても聞いておきたかった。
そこに麻由お姉ちゃんとの関係を修復する糸口がありそうだと思ったからだ。



240:狂依存 310
11/12/09 18:50:03.48 dMUtoX6p
「ふう……少なくとも私は仲良くしてたつもりはないわよ。会っていたのは、年に数回だけだったけど、会う度にしつこく私に付きまとってきて、『亜矢お姉ちゃんは僕の運命の人で未来のお嫁さんなんだ』とか言って、馬鹿なんじゃねえのこいつって思ったわ」
「はは……そうなんだ……」
本当に僕と麻由お姉ちゃんと同じだったんだな……。
「じゃあ、子供の頃はお父さんの事、好きじゃなかったんだね」
「当たり前でしょ。年下って時点で眼中にもなかったし、頭のおかしな糞うぜえガキとしか思ってなかったわよ。あまりにしつこいから、中学の時、こっぴどく振ってやったの。それから大人しくなって家にも来なくなったし、しばらく会う事もなかったわ」
全くと言って良いぐらい、僕と麻由お姉ちゃんと同じ道を歩んでいるじゃないか……。
親子でもここまで似るものなのかと、驚きを隠せなかった。
「じゃあ、何で二人は付き合い始めたのかな……?」

「……ああ、私がOLやってた頃、その……歓楽街で酔い潰れていた時、偶然通りがかったお父さんに介抱されてね……それから、何となくよ……あいつ、東京の大学に来て一人暮らししてたから、下宿先のアパートに転がり込んで色々世話してやりたくなってさ……」
恥ずかしいのか、何処となく重い口調で語っていく。
「私にも良くわからないわ。あんなに酷く振ってやったのに、優しくしてくれて母性本能をくすぐられでもしたのかしらね……それで、いつの間に付き合い始めて、あいつが大学卒業して就職した後、すぐに結婚したわけ」
「ふーん……」
まだ、言ってない事はあるのだろうが、少なくともお父さんはお母さんに対して、僕が麻由お姉ちゃんにした様な酷い仕打ちはしてないようだ。
それに引き換え僕は……取り返しのつかない事をしてしまったのかもしれない。
「まあ……子供の頃は、あいつが『僕達は運命の赤い糸で結ばれてるんだ』とか、言ってるのを見て、そんな訳ねえだろ死ね、とか思ってたけど、今になって思うと本当にそうだったんだなあって、ちょっと思ったりもしてるわ」
「そ、そうなんだ……」
でも、話を聞いた限りじゃ僕とお父さんはやっぱり、違うし……。
「あんたも同じだと思うわ」
「え―?」
「あんたも散々、麻由の事『嫁になるんだ』とか、『運命の赤い糸で結ばれてるんだ』とか。ほざいていたじゃない。あんたもお父さんと同じ。麻由も私と同じ……すれ違う事はあっても近い内にどの道、くっつく運命にあるんじゃないかって思ってるわ」
「え?ど、どういう……」
「実際、私がそうだったんだもん。だから、あんたのしたい様にして良いんじゃない。電話代もったいなから、もう切るわよ。麻由にもよろしく言っておいて。じゃ」

「あっ……もしもし?」
切れちゃった……。
今、お母さんが言っていたのはどういう意味だ?
僕と麻由お姉ちゃんは運命で結ばれているから、どうなっても最後はくっつく運命にあるって……。
つまり……僕と麻由お姉ちゃんは僕が子どもの頃、思ってたみたいに本当に……。
「はは……そうなんだ……きっと、そうなんだ……」
どうなったって、最後は結ばれて幸せになれるって事は……麻由お姉ちゃんは今は僕の事を嫌ってもまた僕の事を好きになる。
だから、今僕がしたいように麻由お姉ちゃんを犯したって……結果は変わらないって事なんだ。
だったら……

ピンポーン
「ん?はーい」
呼び鈴が再び鳴ったので、玄関から出てみると、
「あ、麻由お姉ちゃん。お帰り」
「……」
僕が出迎えると、麻由お姉ちゃんは黙って、僕の横を通り過ぎて家へと上がる。
本当に怒ってるんだな。でも今はそんな剥れた姿も愛おしく思えた。
バタンっっ!!
麻由お姉ちゃんはドアを思いっきり閉めて、自室へと入っていった。
これから、スーツから私服に着替えるのだろう。
「なら、今がチャンスだな」
階段を上がり、麻由お姉ちゃんの部屋へと行く。
麻由お姉ちゃんとセックスしたい。今度こそ、逃がさない。あの体は僕だけの物、生まれた時からそう決まっているんだ!
バンっ!
「!?ちょっと、何勝手に入ってきてるのよ!」
ノックもせずに、黙って部屋に押し入ると、麻由お姉ちゃんはスーツを脱いで、下着姿になっていた所であった。
「何なのよ!早く出てって!」
「麻由お姉ちゃん……昨日はごめんね。僕も酷い事しちゃったって、反省してるよ。お茶碗は弁償するし、抜き出した千円も返すよ」
投げつけた枕を手に取り、ゆっくりと近づく。


241:狂依存 311
11/12/09 18:50:55.79 dMUtoX6p
「だからさ……お詫びに、気持ち良い事してあげる……!」
「きゃっ!ちょっと、止めっ!!」
麻由お姉ちゃんをベッドに押し倒し、ブラを乱暴にたくし上げて、久々に見た豊満な乳房を揉みしだく。
(ああ……麻由お姉ちゃんのおっぱいだ……)
「いやっ!!ダメっ!!離してえええっっ!!ん、んくっ!」
「ん、んふっ、ちゅっ、んふう……」
尚も暴れてる麻由お姉ちゃんを黙らせるため、口付けをし、唇を強引に押し付けた。
「ん、んっー!!ん、んふうっ!!」
顔を思いっきり手で抑えて、苦しそうにもがく麻由おねえちゃんの口の中に舌を入れて絡ませ合わせ、麻由お姉ちゃんとのキスを堪能した。
「ん、んっ!ん、ふうっ……ちゅっ、んん……!ふはっ!げほっ!」
「麻由お姉ちゃん……大好きだよ。だから、これからもいっぱいセックスしようね……」
「なっ……いやっ!いたっ!」
一瞬、怯んだ麻由お姉ちゃんをうつ伏せに引っくり返し、腕を後ろに回して手錠を掛けた後、再び仰向けにする。

へへ……これで、動けなくなったぞ……。
「大輝、あんた、こんな事をして……んぐっっ!!」
口に麻由お姉ちゃんの部屋のクローゼットにしまい込んでいた、ギャグボールを嵌め込んで黙らせる。
「んっ!!ん、んふーっ!!」
「あははは……麻由お姉ちゃん、似合ってるよ。こんな物を隠しておくなんて、本当に麻由お姉ちゃんはエッチだねえ」
「ふっ!ふあらせっ!!ん、んんーっ!!」
何を言ってるのか、良くわからないが、もう何日も溜まったままだし、さっさと犯してすっきりするか。
「よっと……」
麻由お姉ちゃんの足を思い切り開き、パンストをビリビリに破いて、ショートパンツを横にずらし、秘部を露にする。
まだ十分に濡れてないが、僕の納まりがつかないのでさっさとぶち込むか……
「ふ……いひゃあっ……ん、んあっ!!」
既にいきり立っていた肉棒を秘所に当てがい、ぐいぐい押し付ける。
「ん、んふっ!!ん、んん……!」
後ろ手に手錠で拘束されているとは言え、体をじたばたさせて抵抗しているので、中々挿入する事が出来なかった。
「大人しくしてよ……ん、一気に……」

「ん、んふうううっっっ!!」
起き上がって逃げようとした麻由お姉ちゃんを無理矢理ベッドに押し倒して、股を開き、肉棒を膣穴に当てて一気に押し込んだ。
「ん、んんっっーーー!!ん、んっ!!」
「ははは……やっと入った……さあ、行くよ」
ようやく、入った事に感激し、腰を動かして麻由お姉ちゃんとのセックスを楽しむ。
まだ十分濡れていなかったせいか、麻由お姉ちゃんはかなり苦しそうな顔をしていたが、それでも久しぶりの麻由お姉ちゃんの膣肉が触れ合う感触は最高であった。
「ん、んんっ!んっ、んふうっ!!んはっ!!」
体を倒し、中で押し込むように麻由お姉ちゃんの子宮を突きまくる。
涙を浮かべながら、僕を睨みつけているが、そんな表情も今の僕には愛おしくて堪らなく感じ、更に欲情を刺激してピストンを速めた。
「ん、んふうっ!!ん、んんっ!ん、んんっ!!!んぐう……」
はあ……麻由お姉ちゃんの膣中はやっぱり、気持ち良い……もう、イってしまいそうだ……。
久しぶりに味わった感激と無理矢理やっているという背徳感からか、僕の中に入れていた男根は早くも限界寸前になった。
「さあ、行くよ、麻由お姉ちゃん……いっぱい、出してあげるからね!」
麻由お姉ちゃんの足を掴み、一気にピストンを加速させ、射精へと追い込む。
「ん、んふうっ……ん、んんっ!ふ、ふーーーっっ!!!」
大きな喘ぎ声を上げたのと、同時に麻由お姉ちゃんの中に思いっきり、精子を解き放つ。
久しぶりの麻由お姉ちゃんへの中出しで、どんどん子宮へと吸い込まれていった。
「はあ……最高だよ、麻由お姉ちゃん……ちゅ……」
ようやく、射精し終わった後、ギャグボールを外し麻由お姉ちゃんにキスをする。
「ん……うっ……」
何故か、悔しそうな顔をして涙ぐむ麻由お姉ちゃん。いつも、自分から嬉しそうに腰を振っていたのに、どうしてこんな顔をするのかな?
「へへ……でも、やっと麻由お姉ちゃんと出来たね」
これで、また二人でラブラブな夫婦生活をそうだ……!
「二人が結ばれた記念に沙耶さんも犯してやろう」
あの人の事だから、きっと喜ぶぞ。はははははっっ!


242:狂依存 312
11/12/09 18:51:56.05 dMUtoX6p
既に薄暗くなった近所の公園の物陰に潜んで、待ち人が来るのを待つ。
「おっ……来たな」
時間通りに来た沙耶さんが視界に入ったと同時に、飛び出す。
「沙耶さん」
「え?あっ!!」
「ま、待ってください!!」
背後から声を掛け、振り向いて僕の姿を見るとすぐに逃げ出そうとしたが、慌てて手を掴み、

「昨日は本当にすみませんでしたっ!!」
「えっ……?」
深々と頭を下げ、大きな声で昨日の事を謝罪すると、沙耶さんも立ち止まって僕の方を振り返った。
「すみません、麻由お姉ちゃんの携帯を使って呼び出して騙すような真似をして……でも、今日の事をどうしても謝りたくて……」
僕の携帯からだと不審がられて来なくなる恐れがあるので、麻由お姉ちゃんの携帯を使い、メールで大事な話があると沙耶さんの携帯に送って呼び出したのだ。
「僕、どうかしてました。実は麻由お姉ちゃんにも別れを突然告げられて、ショックで気がおかしくなってしまったみたいなんです……それで自暴自棄になって……」
「大輝……」
「許してくれなんて言うつもりはありません!でも、どうしても昨日の事だけは謝りたかったんです。本当に申し訳ありませんでした」
「……その……私もごめんね。急にあんな事を言っちゃって……でも、麻由ちゃんにまで別れを告げられたって本当なの?」
「はい。僕も理由がわからないんですけど、いきなりそう言われて気が動転して……でも、良いんです。僕も麻由お姉ちゃんや沙耶さんに酷い事をしていましたから……」
流石に驚いた表情をしたが、真摯に謝罪したのを見て次第に警戒心が薄れたのか、僕の話に黙って耳を傾けていた。
「あの……それで、三人でこれからの事をちゃんと話をつけたいと思ったんです。麻由お姉ちゃんもかなり反省してましたし、会って沙耶さんにも謝りたいって言ってました」
「そ、そうなの?」
「はい。だから、これから僕の家に来て三人で話し合いませんか?僕達の事をよ
「う、うん……良いよ。そうだよね、ちゃんと三人ではっきりさせないといけないよね」
「良かった……じゃあ、今から行きましょう」
よし、まんまと引っかかったぞ。

「お邪魔します……」
沙耶さんを家に上げ、麻由お姉ちゃんの部屋へと案内する。
「麻由お姉ちゃん、沙耶さんを連れてきたよ」
ノックをし、ドアを開けて、沙耶さんと一緒に部屋に入った。
「麻由ちゃん……えっ!?何……きゃっ!!」
沙耶さんを先に部屋へと入れ、バンと背中を押した後、ドアを閉めて鍵を掛ける。
「ただいま、麻由お姉ちゃん。久しぶりに三人でしようか」
「んっ!んん……!」
「ちょっと、何をする気なの!?これは、一体……嫌っ!!」
ベッドに縛られて身動きできない麻由お姉ちゃんを見て、驚愕しているのを見て、強引に押し倒し、コートを剥ぎ取って体をまさぐっていく。
「いやっ!!止めてっ!!ちょっと、ん、んふうっっ!!」


243:狂依存 313
11/12/09 18:53:32.84 dMUtoX6p
騒いでる沙耶さんに口付けをして、黙らせる。二人にキスするのも久しぶりだな。
「ん、んふうっ……ん、れろっ……ん、んちゅ……はあっ!何で、こんな事を……あっ、ひあっ!」
「何でも何もあなたとしたくなったから、するってだけですよ。ほら、さっさと脱いでください」
沙耶さんの履いていたスラックスを無理矢理ずり下ろして、下着越しに秘所を指で撫で回していく。
必死で抵抗しているが、以前の様な力もなく、僕でも容易にねじ伏せられた。
「やめてえっ!もし、怒ってるのならちゃんと謝るから……はんっ!」
何が止めてだ。今まで、僕にしつこく付きまとって強引に誘ってきたのはそっちだろ。
ショートパンツも引きずり下ろして、四つん這いにし、思いっきり足を開く。
「いやあ……もう、ダメだから、ダメっ!!ん、はあああぁぁぁっっ!!」
麻由お姉ちゃんとしたばかりだというのに、何日もしてなかったかのようにいきり立っている肉棒を有無を言わさず、挿入し久方ぶりの沙耶さんの体を堪能する。

「いあっ!!ダメ……あっ、はんっ!!あっ……やだあっっ……!」
泣いて苦しそうな声を出しながら、喘ぎ声を上げる沙耶さんの子宮を突きまくった。
はは……麻由お姉ちゃん程じゃないけど、やっぱりこの人とのセックスも気持ち良いや。
「さあ……行きますよ……!」
「はぐっ……!あっ、はあっっ!!あっ、嫌だ……あっ、はあ……いやあああっっ!!」
足を思いっき掴み、一気にラストスパートをかけて腰を突き動かす。
「ん……んん……」
「麻由お姉ちゃん、待っててね……これが終わったら、またしてあげるから……」
ベッドで呆然とした顔をしながら、見つめる麻由お姉ちゃんに語りかけた後、再び沙耶さんに向き合い、子宮をガンガンと突く。
もうそろそろだな……
「はっ!あぐう……あっ、はふんっ!いやあああぁぁぁっっ!!」
沙耶さんの膣内で思いっきり射精し、子宮に注ぎ込む。
「ああああぁぁぁ……はあ……はあ……えぐ……うっ……」
沙耶さんは膣中で出された事が悔しかったのか、嬉しかったのか僕に顔を背けて、涙を流していた。

ようやく、出し終わった後、肉棒を引き抜き部屋にで倒れている二人を交互に見る。
「は……ははは……」
何やってるんだ、僕は?麻由お姉ちゃんと沙耶さんを無理矢理押し倒して犯したりして……。
「良いんだよね、これで……だって……」
二人とも僕の女なんじゃないか……だから、好きにして良いんだ。喜んでくれてるはずだ。
麻由お姉ちゃんとは運命の赤い糸で結ばれているんだから、これで……良いんだ……!
「はっ……はははっ…あーはははっ、はっ、はははっっ……!!」
何がおかしかったのだろう?ぐったりとしている二人を見つめながら、僕は……ひたすら笑う事しか出来なかった。
そして、笑いながら実感した。
自分の心が音を立てて崩れ落ちていってる事を。

244: ◆wBXWEIFqSA
11/12/09 18:54:53.95 dMUtoX6p
以上です。
ありがとうございました。
長くなってしまいましたが、そろそろ、物語りも終わりに近づいていると思います。


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