少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ6at EROPARO
少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ6 - 暇つぶし2ch95:地獄からの招待状3-2
12/01/05 19:06:42.61 xfJZh2dL
 そう言ってサエは笑うが、一体誰を訴えるというのだろうか。自分達を誘ったレイカ達だろうか、それとも説明し
なかったクルミだろうか。あるいは客席に座っていた協賛者全員だろうか。この場合、訴えるのであればイベントの
主催者になるのだろうが、主催者が誰であるか知る由もない。招待状には知っての通り何も書いていなかったのだ。
 考えを巡らせると余計な疑問しか出て来ない。恐らく考えたところで見出せる事のできない答えなのだ、考えるだ
け無駄だ。二人は自然と早足になる。心の中で「罰ゲームなんかない」と言い聞かせながらも、もしもの事を考える
と不安になったのだ。
 奥に見える扉が随分と大きく見えるようになった。二人は長い廊下の中腹に当たる箇所まで歩いて来ていた。休憩
するように二人は足を止め、恐る恐る後ろを振り返った。誰も―否、何もいない。入って来た階段もまた随分と小さ
く見えるようになっていた。周りを見回しても相変わらず何もなかった。こんな殺風景な廊下にする必要などあった
のだろうか。
 一本の短い糸。エミは丁度それを踏み付ける形で足を止めていた。白い廊下の上に落ちていたそれに気付く由もな
かった。いや、仮に気付いていたところでそれを避けようとは思わなかっただろう。少なくとも見た目はただの毛な
のだから。
 糸はもそもそと独りでに動き出す。エミの靴に挟まれていたが僅かに開いた空間から抜け出し、靴の上へと出た。
糸は動きを止める事なく、彼女の足に張り付いて上へと上り始めた。エミはまだその存在に気付かない。素足を上ら
れているというのに、その感覚が全くなかったのだ。糸は念の為、サエに見付からないように彼女の死角から―脹脛
の方から上っている。
 糸が臀部にまで到達した頃だろうか、二人は歩き出した。糸は既にエミのスカートの中、白いパンツの真下にいた。
糸はまるで振り落とされないようにするかのようにパンツの中に潜り込むと、顕微鏡でしか見えない大きさの小さな
歯を立てた。糸―否、それは小さな小さなミミズのような虫。虫は歯をエミのお尻に押し当てると、皮膚に小さな穴
を開け、その穴から全身をエミの中へと侵入させた。

「―痛っ!?」

 ビクン、とエミの身体が飛び跳ねた。同時に両手で痛みが走ったお尻を押さえるも、そこに何か異物があるような
感触はない。彼女はそのまま大胆にもスカートの後ろを捲り上げ、直にお尻を触った。やはり何もない。恐る恐るお
尻に触れた指を眼前に持って来るが、血は付着していなかった。


96:地獄からの招待状3-3
12/01/05 19:07:44.96 xfJZh2dL
「どうしたの、エミ? お尻がどうかした?」
「きゃっ! ちょ、ちょっとサエ!?」

 サエは更に大胆だった。突然声を上げたエミの背後に回ると、両手でパンツの端を持って膝辺りまでずり下ろし、
そしてスカートを捲り上げたのだ。ぷるんとした形の良いお尻が露になる。まじまじとエミのお尻を凝視するサエ。
何も変わったところはない。

「いっ、いくら双子でも恥ずかしいって、サエ! 息がお尻に当たってくすぐったい……っ!」
「な~んにもなってないよ? 心配なら痛かったところを舐めてあげよっか?」
「いいよそんなのぉっ! は、早く元に戻して!」
「はいはい、今戻すね」

 サエは素早くパンツを上げ、スカートを持っていた手を離した。あっという間に元通りになるが、エミはやはり痛
みを感じたお尻に違和感を感じていた。あの痛みはまるで家庭科の時間に待針を誤って手に刺してしまったそれに似
ていた。だが針や棘が刺さったのであれば血が出ている筈の上、サエに直に見てもらっても何もなかったという事
は、やはり気のせいだったのだろうか。いや、そんな筈はない。
 エミは暫く気恥ずかしさに顔を赤くしながらも、やがて引き続きサエと並んで歩き出した。そうしている間にも
お尻から侵入した小さな虫は動きを止めない。誰にも気付かれないまま、エミの中のとある場所へと神経を掻い潜り
ながら進行していった。
 更に十分程歩いた頃には、エミは先程の痛みの事などすっかり忘れてしまっていた。代わりに下腹部に違和感を覚
え始めた。違和感が痛みへ、そして激痛へと変わっていくのにさほど時間は掛からなかった。自然と額に脂汗が浮き
出し、息遣いが荒くなる。隣のサエが気付かない筈がない。

「エミ、具合悪いの?」
「……お腹、痛い……っ」
「え~っ、困ったなぁ、ここにトイレなんかなさそうだし―……」
「ト、トイレじゃないと思う、この痛み、は……うっ、く……はぁっ、はっ、つ……ぅっ!」

 エミが手で押さえている場所に気付いた時、サエはハッとして自分の下腹部にも手を当てた。下腹部を押さえて痛
みを訴えるとしたら、周期的に訪れる“あの日”しかない。サエとエミはこれまで“あの日”さえも全く同じ周期
だった。だから自分にも訪れると思ったのだが、それは違う。前回“あの日”が来てから、まだ二週間も経っていな
いのだ。エミだけ周期が早くなる筈がない。また、こんなに激しく痛みを訴えるのを見るのも初めてだった。


97:地獄からの招待状3-4
12/01/05 19:08:33.65 xfJZh2dL
「ちょ、ちょっとエミ! しっかりしてよ!」

 とうとう痛みに耐え切れなくなったエミはその場に蹲った。頬や足を伝う脂汗の量から尋常ではない事態だという
事が分かる。鬼ごっこをそっちのけで今すぐにでも救急車を呼びたくなったサエは、何をすれば良いのか思考を巡ら
せる。ここはコンサートホールの地下で、進むにしろ戻るにしろどちらも距離がある。動けないエミを背負って歩く
には時間が掛かり過ぎる。ふと、サエの頭の中にホールで聞いたクルミの言葉が過ぎった。

 ―あちこちに監視カメラがあるから道に迷っても大丈夫だよ。

 サエは慌てて改めて辺りを見回した。監視カメラらしき物は何処にも見当たらない。いや、単純にイベント参加者
に見えないように工夫がしてあるだけで、本当にあちこちにあるのかもしれない。そのカメラにマイクが装着されて
いるかどうかは疑問だったが、彼女はすぐに何もない廊下の天井に向かって、人差指と人差指で“×”を作りながら叫んだ。

「すみません! 私達ここでゲームをやめます! エミの具合が悪いんです! だから迎えに来て下さいっ!!」

 そう叫んだ後、サエの耳に聞こえてきたのは更に激しさを増した背後からのエミの嗚咽だけだった。聞くに堪え
ない、本当に苦しくて辛そうな声だ。鬼ごっこどころではない。サエは一人で鬼ごっこを続けたいとは微塵も思わな
かった。ゲームよりもプレゼントよりも遥かに大事なのは、自分の分身とも言えるエミの身体だ。
 サエは視線をエミへと戻した。エミは仰向けに倒れていて、両手で下腹部を押さえながら悶絶していた。とても周
期的に訪れる生理による痛みだとは思えなかった。彼女の身体の中で“ナニカ”が起きているのだ。
 異変はサエが見守る中で始まった。エミの下腹部がまるで妊婦のように膨れ上がり始めたのだ。見る見る内に大き
くなっていくエミの下腹部。異常な光景にサエは目を丸くし、腰が抜けてぺたんと床に尻餅を付いた。下腹部は着て
いた衣服から飛び出す。直で見ると肌がパンパンに膨れ上がっており、中にサッカーボールでも入っているかのようだった。
 下腹部の膨張は止まった。代わりに膨張した下腹部の内側から“ナニカ”が蠢いているのが外からでも見えた。

「なっ、何コレ……怖い、怖いよぉっ!!」

98:名無しさん@ピンキー
12/01/05 19:10:00.30 xfJZh2dL
ここまで
続きはまた書けたら

99:名無しさん@ピンキー
12/01/05 19:15:38.09 xfJZh2dL
あ、ちなみに分かると思うけど87のアイデアね
思い付きで書いてるから、趣向が違ってたらごめん
でもこういうの好きな人って結構いると思うんだ

100:名無しさん@ピンキー
12/01/05 19:30:41.79 cDWBYew0
87じゃないけど、色々なパターンが楽しめそうなので超期待してます!

101:地獄からの招待状3-5
12/01/07 23:46:32.42 qqZs8Kcy
「ぁ……ぁあ……っ!?」

 サエは言葉を失うしかなかった。あまりにも非現実的な光景だ。以前映画でも同じようなシーンを見たことがあった
が、それはフィクションの世界だからこそ可能なのだ。その映画では性交渉をした直後の女性の下腹部が膨れ上がり、
やがてお腹を突き破ってグロテスクな赤ん坊が飛び出していた。女性はもちろん死に至っていた。
 ―そんな映画通りの事が現実に起きようとしているのか。いや、それとは比較にならない程の惨劇が起きようと
していた。

「熱いよ、痛いよぉ……っ、お腹の中で“ナニカ”が動いてるよぉぉぉっ!!」

 膨らんだお腹の中を“ナニカ”が蠢く。エミは自分のお腹の上に無数の筋のようなものが浮かび、動いては消える
ものを見て、気を失いそうになった。お腹が邪魔して彼女の位置からはサエの姿を見る事ができない。彼女は見えな
いサエに向かって徐に手を伸ばした。自分の身体に何が起きているのか分からない。それが恐怖と化して彼女の身体
を縛りつけようとしていた。それを和らげられるのは、今この場にはサエしかいないのだ。
 どうして良いか分からないサエだったが、伸びてきた手を放っておける筈がない。彼女はすぐにエミの手を握った。
励ますように両手で自分の手の温もりを伝えようとする。エミの手は氷のように冷たく、震えていた。震えていたの
はサエの両手も同じだった。それでも彼女は必死でサエの両手を握る。大丈夫、私がここにいるから大丈夫―と言わ
んばかりに、強く、強く。

「エミ、しっかりして! お願いだからしっかりしてよぉっ!」

 せめて気休めの言葉でも掛けれてあげられるのであれば良いが、この状況でそんな都合の良い言葉は思い付かない。
サエが叫んだ言葉も喉の奥からやっと出てきた言葉だ。何を言ったところで気休めにもなりはしない。サエは何もし
てあげられない自分が歯痒かった。エミの身体の中で起きている異常のため、痛みを分かち合う事もできないのだ。
似た状況で妊婦の出産であれば「頑張れ」で済むが、果たしてこの状況としてその言葉は適切だろうか。答えは断じて
否である。
 エミの身体がビクンと跳ねた。まるで“ナニカ”に身体を支配されているかのように、彼女の両足が自然と広がっ
ていく。膝を立てるとサエの位置からは白いパンツが丸見えだ。パンツは失禁したかのように濡れていた。だがそれ
は決して尿ではない。そして愛液でもない。赤い血が入り混じった透明の液体が何であるか、サエが気付いた時には
もう、“ナニカ”は動き始めていた。



102:地獄からの招待状3-6
12/01/07 23:48:13.39 qqZs8Kcy
「ぅぁあああっ!! ああっ、はぁあああっ!! いっ、いやぁ……“ナニカ”が出て来ちゃう……っ、んっく、
出て来ちゃう、よぉ……っ!!」

 内側から子宮口が開かれる感覚。次いで膣内を“ナニカ”が這う感覚。それは一つ―否、一匹どころではない。
何匹も何匹も膣内で暴れながら出口を目指す。やがて、一匹が出口まで辿り着いた。
 ―出口、それは膣口。ぷくり、とエミのパンツが膨れ上がった。膣口から一匹の“ナニカ”が顔を出したのだ。
“ナニカ”はそのまま真っ直ぐに進もうとするが、薄い布が邪魔をして外へ出られない。“ナニカ”は口を開き、
布に噛み付いた。そして呆気なく噛み千切られたパンツから、それはサエの前に姿を現す。
 おちんちんが生えた―サエはそう思った。パンツの穴から飛び出したそれはまさに男性器だった。現物をさほど
見た事がない彼女だったが、子供の頃にお風呂で見た父親のそれとまるで同じ形状だった。唯一違う箇所はただ一つ、
それには口があった。新鮮な空気を吸い込むかのように開閉を繰り返すその小さな口には鋭く尖った歯が円を描いて
規則的に並んでいる。いや、良く見ると僅かながら百足さながらの足も生えていた。何とも生々しい形状をしたそれ
は蟲なのだ。

「ぎゃっ、あああああっ!! 痛いぃぃぃっ!! 痛いっ、痛い痛い痛いぃぃぃっ!!」

 サエの前に姿を現した一匹が膣口からにゅるりと滑り落ちた後は早かった。エミの膣の奥から次から次へと虫が
這い出てくる。あれだけ膨らんだお腹なのだ、入っていたのが男性器の大きさをした虫一匹だけである筈がない。
 五匹、十匹、二十匹。数えるのが嫌になる程に、ビチャビチャと音を立てながら床に大量の蟲が落ちて行く。恐ら
く全てを排出し終えたのだろう、エミのお腹は元通りの大きさになったが、暫く開きっ放しだった膣口は閉じられる
事なく、ピンク色の穴の中が丸見えとなっていた。エミは口の両端から涎を垂らし、床に突っ伏して微かな嗚咽を漏
らしながら激しい吐息を繰り返している。サエの手の中のエミの手は完全に脱力し、サエが握っていなければ間違い
なく床に落ちるだろう。サエは異様な光景に言葉を失いながらも、それでも手はしっかりと握り続けていた。

 ―ギィ、ギィィ。

 金属と金属を擦り合わせるような嫌な音で、蟲達が合唱する。その鳴き声はまるで母親を呼ぶ赤ん坊のそれのよう
だった。この場合、母親と呼べる存在はエミだ。子宮内で成長させ、産み出した母体。蟲達は一斉にエミへと向き直
り始める。
 生物の中には、産んだ子供のためにその身を捧げるものがいる。文字通り子供達の初めての餌となるという事だ。
母親は喜んで子供達に身体を喰わせ、そして死に至る。遺品というべきか、遺骨というべきか、喰われた後に残るも
のは何もない。まるでその存在が最初からいなかったかのように、跡形も無く姿を消すのだ。


103:地獄からの招待状3-7
12/01/09 23:31:39.41 eDQ2d33c
 ―ギギィ、ギギィ。

 エミの身体から産み出された蟲達もまた、そういった性質を持っていた。母体が望んでいようが望んでいまいが、
蟲達にとっては関係ない。蟲達にとって、産み出してくれたその身体は餌でしかなかった。
 もぞもぞと床を這うように、数匹がエミの顔へと近付いた。薄っすらと開かれた目から、自分がどんな存在を産ん
だのか見る事ができた。見るべきではなかった。歪んだ景色からはまさに、自分に近付いてくる男性器に見えたのだ。
 エミの頭の中が真っ白になり、混乱する。何故こうなってしまったのか、何故こんな蟲が自分から産まれて来たの
か。答えは闇の中にしかなく、答えを導き出したところで末路が変わる訳でもない。やがてエミは何も考えられなく
なった。放心状態で、虚ろな瞳で床で蠢く蟲達を眺めていた。
 サエは動くのが遅かった。エミが出産した直後に彼女の身体をおぶってその場から逃げ出しておけば、あるいは彼
女は助かっていたのかもしれなかった。
 逃げよう―とサエがエミの身体へと手を回そうとした瞬間だった。蟲達は二手に分かれて一斉に動き出した。エミ
の顔の近くにいた蟲達は開かれたままの口の中へと飛び込んでいく。そして残りは同じく開かれたままの膣の中へと
飛び込んでいった。

「―んぶぅっ!? おごっ、ぐぇぁ……おぇぇえ……っ!!?」

 エミの口の中に侵入していく蟲達。一匹だけでも口の中に収まり切れないというのに、何匹も何匹も口の中へと飛
び込んでいく。膣も同じだった。ものの数秒の内にエミの身体の二箇所から磯巾着が飛び出しているかのような状態
となる。口からも膣口からも入り切らない蟲達の尾っぽが無数に飛び出しているのだ。そしてもう一箇所、膣の下に
位置する小さな菊座からもそれは飛び出していた。

「おごぇぇ……っ、ぅぇっ、げぇ……がぼっ、ごぶぅ……っ!!」

 鼻と耳の穴に蟲が入ろうとしないのはせめてもの救いだろうか。いや、いずれにしろエミを襲う苦痛は変わらない。
口を犯され、膣を犯され、果ては肛門まで犯される。レイプされているような錯覚に陥るが、現実はもっとおぞましい
ものだ。犯しているのは自らの子宮から産み出された蟲なのだ。こんな状況では暴漢にレイプされている方が遥かに
マシだろう。
 エミが白目を剥く様を見て、サエはハッとありえない光景に動けずにいた自分に気付いた。目を丸くしている場合
ではない。腰を抜かしている場合ではない。このままでは大切な妹が蟲達に弄ばれ続けてしまう。サエは両手に握っ
ていたエミの手をやや乱暴に床に落とすと、その両手をそのままエミの膣口から出ている一匹の蟲の尾っぽへと伸ばした。


104:地獄からの招待状3-8
12/01/09 23:32:36.29 eDQ2d33c
「エミっ、エミぃぃぃっ!! このっ、エミから出てってよぉっ!!」

 ぐにゃり、と尾っぽを握った両手に伝わる感覚はまるで本物の男性器を握っているかのようだった。生暖かく、そ
して適度に柔らかい。込み上げてくる気持ち悪さに負けている場合ではないと分かっていたサエは、そのまま力一杯
一匹をエミの膣から引き抜いた。思いの他呆気なく抜けたせいで彼女は床に尻餅を付き、その拍子にエミの体液で濡
れていた蟲はサエの両手から滑り落ちた。
 サエは引き抜いた蟲をもう一度手に持ち、壁に投げ付けようとした。だが、危害を加えられた蟲は彼女を敵と見做
してしまっていた。蟲は近付いて来たサエの右手を素早い動きでかわすと、彼女の細く繊細な小指に噛み付いた。

「あぁぁぐっ!!?」

 小指に激痛が走った瞬間、そこには既にもう小指はなかった。付け根から蟲に食い千切られたのだ。小指があった
箇所から噴水のように血が吹き出ると、サエはあまりの痛さに左手で傷口を押さえて悶絶した。彼女の小指を噛み千
切った一匹の蟲は嘲笑うかのように口から小指を飛び出させたまま、じっと彼女の方を向いている。やがて彼女が蟲
を見たところで、蟲はようやく小指を口の中へと放り込み、激しく音を立てながら咀嚼した。もう一度蟲が口を開い
た時、そこには血に濡れた痕があるだけだった。
 サエがそうしている間にも事態は進行していく。蟲はエミの口と膣と肛門を犯しているだけに見えたが、生憎そう
ではない。蟲が欲しているのは彼女の体液ではなく、餌と化す身体そのものなのだ。蟲達はただそれぞれから再び彼女
の体内へと侵入しようとしていた。

「―ッ!!?」

 エミの身体中を声にならない苦痛が駆け巡る。口の中の蟲達が一匹ずつ喉の奥へ侵入していったのだ。狭い食道が
次から次へと押し広げられていき、やがて胃へと到達する。何匹もの蟲達が狭い胃の中で暴れる感覚。それだけでも
耐え難い苦痛だと言うのに、膣と肛門に群がっていた蟲達も同様に中へと侵入していく。気が付けば外に出ている蟲
の姿は一匹もいなくなっていた。全ての蟲が再びエミの中へと入ったのだ。彼女のお腹は再び大きく膨れ上がっている。
 身体の内側で異物に暴れられる不快感は、エミの精神を壊していく。脳や神経までまともに働かなくなっていく。
エミは必死に胃の中の蟲達だけでも吐き出そうと必死だったが、口まで込み上げてきたのは少しばかりの酸味の強い
液体だけで、蟲は一匹も出てきやしない。膣や肛門も同様だった。排泄するかのように力を込めても、膣から出てき
たのは入っていた空気、肛門から出てきたのはおならだけだった。聞こえてきた間抜けな音に恥ずかしさを覚える余
裕はエミにはなかった。

「―エミっ!!!」



105:地獄からの招待状3-9
12/01/09 23:33:43.21 eDQ2d33c
 サエは激痛を我慢しながら、エミの身体を起こそうとした。
 もう自分だけではどうにもならない。助けも来ない。では自ら助けを求めて進む以外に道はない。
 彼女は蟲達がこのままエミの身体の中で何もしない事を祈りながら、エミを負ぶって来た道を戻ろうとしていた。
ホールにいた人間もクルミもこうなる事が分かっていながらも参加させたのであれば、無事に戻れたところでエミを
助けてくれる可能性など皆無だろう。だがそれでも、サエにはそうする事しかできなかった。皆無に等しい可能性に
縋るしかなかった。

「エミ、大丈夫よ! ちょっと蟲が身体の中に入っただけ! こんな蟲なんか、皆でやっつけちゃうんだから……っ!」

 サエの視界は自然と吹き出た涙で歪んでいた。心の奥底で彼女も分かっていたのだ。人間の小指を造作もなく食い
千切るような蟲が、エミの身体の中で何もしない筈がない。即ち、エミはもう助からないという事を。
 だがサエにとってエミは掛け替えのない妹だ。簡単に見捨てられるものか。サエはエミを背中から抱き起こそうと
する。だが一向にエミの身体は一ミリメートルたりとも浮く気配がなかった。彼女は負けじとばかりに歯を食い縛っ
て傷の痛みに耐えながら、全力で力を入れる。だが結果は何も変わらない。まるで床に据え付けられた鉄でも持ち上げ
ようとしている感覚だった。身体の中に大量の蟲が入っている分、体重が重くなるのは至極当然だが、ここまで重く
なるものだろうか。あるいは中で更に繁殖を繰り返しているのかもしれない。それを肯定するかのように、エミのお腹
は先程より大きく膨れ上がっていた。今にも破裂してしまいそうな程に。
 慣れてきたのだろうか、エミは仰向けに倒れたままだったが、瞳に生気が宿った。身体はやはり自分の力で起き上
がれそうにもなく、今してもらっているようにサエに手伝ってもらったところで同じだろう。身体の中では相変わら
ず蟲達が所狭しと暴れている。その感覚もまた、先程に比べると随分とマシになっていた。
 エミは瞳を下へ向けた。大きく膨れ上がったお腹が見える。あまりに非現実的な光景が可笑しくなったのか、エミ
は力なく笑った。

「サエ……もういいよ……」
「何言ってるのよ! ほら、立って……っ、ひぐっ、お願い、だからぁ……立ち上がってよぉ……っ!!」

 ぽたり、とエミの頬にサエの涙が弾ける。

「……ダメだよ、もう。動かないの。それとね、私の身体から産まれたからかな、蟲のキモチが何となくだけど分かるの……」
「えぐっ、何も……っ、何も言わないで……何も聞きたくないっ! 聞きたくなんかないよぉっ!」
「この子達はね、私を食べたがってる……その後はきっと、サエが狙われちゃう……っ、だから、だからね……?」
「何も聞きたくないって言ってるじゃないっ!!」
「―……お願い、サエ。私を放って逃げて。サエだけでも……お姉ちゃんだけでも逃げて……っ! 私の身体から
もう一度蟲が出てくる前に……っ!」

 聞きたくなかった言葉。認めたくなかった現実。
 エミには全てが分かっているようだった。このまま自分が何も言わなければ、きっとサエは自分を助けようとする。
だが決して助ける事はできずに、サエもまた蟲に喰われてしまうのだと。
 死にたくない。死にたくなんて、ない。だけど……きっともうどうにもならない。だからお姉ちゃんだけでも
逃げて。お願いだから逃げてよぉ―。
 ひしひしと伝わってくるエミの気持ちに、サエはまた彼女の頬を涙で濡らした。本当は言葉を交わす必要などな
かった。容姿も考え方も全く同じ、双子なのだから。もしサエがエミと逆の立場だったなら、迷わずにエミを逃がそ
うとしただろう。
 分かっていても、簡単に割り切れる事ではない。サエの中で激しい葛藤が繰り広げられる。
 助けたい、だが助けられない。死にたくない、だがエミを見捨てられない。これは夢だと信じたい、だが夢ではない。
 そうしている間に、エミの中の蟲達が一斉に口を開き始めた。


106:地獄からの招待状3-10
12/01/09 23:34:35.42 eDQ2d33c

「あ―」

 内臓が喰い散らかされていく。血が啜られていく。肉が噛み砕かれていく。
 口、膣、肛門。それぞれからほぼ同時に血が吹き出る。傷付けられた内臓から吹き出た血が逃げ場を求めた結果だ。

「―エミっ、エミぃ……っ!!」
「がふっ、がぁ……はぁっ、にっ、逃げてよぉ……ぎぃっ、あぐ……っ、食べられちゃうところ、なんてぇ……
お姉ちゃんにだけは見られた、く―……」

 エミの言葉のそれ以降は、言葉にならない悲鳴へと変わった。

「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! はぁあ゛あ゛あ゛っ、はっ、ぁあっ、ぎゃあ゛あ゛あ゛っ!!!」

 中の蟲達がそうさせているのだろう、ビクン、ビクンとエミの重い身体が何度も跳ねる。蟲達が本格的にエミの
身体を内側から喰らい始めたのだ。内臓や血肉だけでなく、骨さえも噛み砕かれるくぐもった音が聞こえてくる。
 エミが一際大きな濁った咳をすると、彼女の口から大量の血が吹き出た。サエに付着したその血は赤というよりは
赤黒かった。少々粘り気もあるそれは、紛れもなく普段出血する事のない箇所から溢れ出たものだ。留まる事を知ら
ない出血が彼女の喉を遮ると、もう断末魔に似た悲鳴も発せられなくなった。唯一発せられたのは「ゴポゴポ」と水
の中で息を吐いたような音のみ。
 サエはその光景に後退りし、ようやく踵を返して一目散に走り出した。目指す先は入って来た道。走れば数分で
ホールまで戻れるであろう、その道。彼女はもうこれ以上見ていられなくなったのだ。エミの身体が壊されていき、
喰われていく様を。それはまるで自分の身体がそうされているかのように見えたからだ。
 もうイヤぁ……っ、何なのよコレ! 一体何なのよぉぉぉぉぉ―。
 出血が止まらない小指の付け根から血が垂れて、ポタポタと赤い点を白い床に作っていく。事切れる寸前、エミは
その血の点々を虚ろな瞳で追い、やがてサエが走り去る後姿へと追いついた。そして見てしまう。サエの背中にくっ
ついて離れない“ナニカ”を。
 エミは最期の力を振り絞って声を上げようとした。サエに“それ”を伝えようとした。だが、その瞬間だった。

 ―ブシャアアアアッ。

 血が吹き出る音と共にエミの膨らんでいたお腹の肉と皮膚を噛み千切り、中から大量の蟲が外へと顔を出した。





 僅か数分後、エミが横たわっていた床にあったのは、人の形をした血の痕と、何かが這った痕だけだった。

107:名無しさん@ピンキー
12/01/09 23:41:20.13 eDQ2d33c
展開的に全然エロく書けなかった
次はサエをラプトルに喰わせてみます

108:名無しさん@ピンキー
12/01/10 01:21:12.61 SYFknLbJ
エロじゃなくてもホラーとして表現に迫力があったと思います!
連休の最後に楽しく読ませて頂きました。

109:名無しさん@ピンキー
12/01/10 16:17:07.76 YypzQEHv
サエ以外、誰かまだ生存してたかな?
幻喰ってのを思い付いたんだけど。

悪夢の中で何度も何度も捕食されて、当人は生きてるんだけど覚めない夢の中で喰われ続ける。
学校のトイレで用足し中お尻を喰われたかと思ったら、次は別の生き物にと無限ループしてく。

ちょっと思い付いただけだけど。

110:名無しさん@ピンキー
12/01/10 16:20:18.63 1qVipDxq
映画みたいでwktk

111:名無しさん@ピンキー
12/01/10 16:27:08.13 B8T98MxN
捕食に直接的なエロを求めない俺みたいな純捕食フェチもいるもんで。
GJ

112:名無しさん@ピンキー
12/01/10 18:58:21.75 3mQQghd8
>>109,110
感想ありがとー

>>109
サエ以外だとミナ(←一応主人公的な存在w)、マオ、レイカ、ユリが残ってるね
ネタ投下はありがたいけど、今書いてるのに入れるのは難しいから、
今度短編で書かせてもらうよ
具体的なネタがあればどぞー

>>111
実は俺は捕食というより純丸呑みフェチだから、こんなのでいいのかなって思いながら書いてた
GJ貰えて素直に嬉しい、ありがとう

113:名無しさん@ピンキー
12/01/10 20:06:08.74 eNAu8dV5
サエとユリはリクエスト決まってるみたいだけど、未公開の子の喰われ方も楽しみにしてます

114:名無しさん@ピンキー
12/01/10 21:35:45.77 YypzQEHv
エミのお尻に虫が噛み付く時の描写がツボった自分は異端?

>>112
今回が女子高生だったので、次は小学生の女の子が獲物だったらいいな。
放尿中で無防備なお尻を、不意打ち気味にがぶりと…。

115:111
12/01/10 22:18:19.32 B8T98MxN
>>112
俺も種類としては丸呑みが一番好きだな

虫の群れも、スライムみたいにだんだん体を覆って、やがては外から体が見えなくなる描写だと丸呑みっぽいよね
最後には手だけが見えてて、そしてそれも覆われて消えてゆく、とか
>>106の最後の二行の間にそんな想像したりした

116:名無しさん@ピンキー
12/01/10 22:29:12.08 ccJnLLVA
無理しなくて自分の好きなものを書いてええんよ

117:名無しさん@ピンキー
12/01/10 23:32:39.50 YypzQEHv
でも読む側の嗜好はある程度知っておいても損はしないと思うんだ。

118:名無しさん@ピンキー
12/01/11 02:07:48.44 Vwt4cHbr
自分の場合食材としてじっくり美味しく調理されるのが好きだ
鬼ごっこには合わないがw

119:112
12/01/11 10:03:56.27 pCV5uSv1
おぉ、レスがいっぱいついてて驚いたw
投下だけでなくレスする機会も多いから適当なコテハンでも考えようかな
挙がったネタを元に番外編でクルミを喰わせてみるかも
とりあえずの完結目指して頑張るので、不定期更新ですがよろしくおねがいします

120:名無しさん@ピンキー
12/01/11 20:31:23.97 OO+7MuC7
こちらこそー。
番外編も含めて期待しています。

121:名無しさん@ピンキー
12/01/11 22:43:38.61 elXH+Wtn
食べる側よりも食べられる側にリクエストしたいなあ

122:119
12/01/12 09:24:48.72 Ye2Lo0xi
>>121
書くか書かないかは分からないけど、好きに要望書いていいよ
書き手は俺だけじゃないしね

123:名無しさん@ピンキー
12/01/12 19:46:49.36 2UT5TBvt
それでは、リクエストではなく要望の形で…
URLリンク(www.dotup.org)
URLリンク(www.dotup.org)
こういう、食べごたえの有りそうなあぶらっこい肉付きのめちゃいい女の子を
むしゃむしゃ食べるのが見たい

124:地獄からの招待状4-0
12/01/13 23:03:02.66 bDAikBfQ
第4話 【早瀬サエ】





 視界が激しく上下にぶれる。控え目だが高校生にしては十分な大きさの乳房が揺れる。リズム良く吐き出される
吐息に混じって嗚咽が漏れる。頬を伝う滴は汗か、涙か、あるいはそのどちらもか。
 エミの断末魔と蟲達の大きな鳴き声が聞こえた後、サエは一度も振り返る事なく走っていた。目指す先はこの無駄
に長い廊下に入って来た道―ホールへと繋がる道。視界の奥に広がるのは暗闇だが、照明に照らされて上りの階段が
はっきりと見える。この階段さえ上る事ができれば元の世界へと戻れる。今までずっと過ごしていた、平和だった世界へと。
 サエはこの廊下が別の世界だと感じていた。生まれてからずっと過ごして来た世界に、化け物の蟲が存在する筈が
ない。エミがそれに喰い殺される筈がない。地下だと言え、こんなに長い廊下が存在する筈がない。
 ―それを実感させられたのは、階段に辿り着いた後の事だった。
 精一杯の速さで走っていたサエは途中で何度も足が縺れそうになりながらも、階段へと到達した。走って来た勢い
をそのままに、空気をスゥッと吸い込み、その空気を肺一杯に満たした状態を維持しながら一段飛ばしで階段を駆け
上がって行く。暗闇の向こう側に光が見えた。この元の世界まであと一息だと安堵したのも束の間、彼女の中で違和感
が生じた。
 階段を上り切ったところに、確かに光は見えた。だが、それは遮られた何かから漏れる光だった。光を遮っている
のは縦長の長方形の何か。それが扉だと気付くのにさほど時間は掛からなかった。
 扉の前で立ち止まったサエはノブに手を掛けたものの、ノブを回すのに時間が掛かった。生じた違和感がそうさせ
たのだ。彼女の記憶が正しければホールからここへ降りた時、この場所に扉などなかったのだ。単なる気のせいだろ
うか、それとも―……彼女は躊躇いながらも、やがて勢い良くその扉を開いた。
 扉の向こう側は、サエが今まで走っていた廊下そのものの光景が広がっていた。異様に長く、真っ白なだけの殺風景
な廊下。唯一違うのは廊下の奥に見えるのが扉ではなく、暗闇だという事か。その暗闇までの距離は違えど、彼女は
その光景に見覚えがあった。先の廊下で踵を返した時に見た光景そのままだったのだ。
 サエは混乱する。ホールから降りてきた階段を上っただけだというのに、辿り着いた先はホールではなく先程まで
彼女がいた廊下だという現実に。
 階段を上れば元の世界に戻れる筈だった。サエの中で僅かながら輝いていた希望の光が絶望の闇に包まれて消えて
いく。いずれにしろ絶望と脱力感に身体を支配されている場合ではない。立ち止まると込み上げてくる憤りと哀しみ
を起動力へと無理矢理に昇華させ、ギリリと歯を鳴らしながらサエは再び走り出した。
 人をバカにして……っ! こんな場所、もう一秒だって居たくないのに―。
 サエとエミが足を踏み入れた場所は現実でありながらも非現実な世界。そこは延々と同じ道が続く無限回廊。
走れば走るだけその事実が身に染みて来る。何処まで行っても同じ景色が広がっているだけで、長時間いると本当に
気がおかしくなりそうだ。いや、彼女は既に精神的に限界が近付いて来ていた。双子の妹を目の前で蟲に喰い殺され
たのだから無理もない。そしてこの無限回廊が更に彼女を追い詰めていく。
 ―極め付きは、廊下の中腹付近の床に広がっていた血溜りだった。


125:名無しさん@ピンキー
12/01/13 23:06:03.51 bDAikBfQ
忙しくて全然書けない…

>>123
七人も女の子を登場させるんだったら、一人くらいそんな子を出せば良かったなぁ
気が利かなくてごめんよ

126:名無しさん@ピンキー
12/01/14 02:21:21.11 Jr7Ju94d
今まで無かったから虎やライオンも読みたい

127:名無しさん@ピンキー
12/01/14 18:57:41.56 g5DUMCOh
毎日投稿してくれるのでとても楽しみにしています!
無理せずがんばってください!


128:地獄からの招待状4-1
12/01/14 23:48:53.46 DyBR/ul+
 視界に赤い物が入ってから、サエは走っていた速度を落とし、やがて歩き始める。床一面に広がっていたのは真新
しい血。人の―少女の姿を模った血でできた水溜り。双子の妹であるエミの流した血。
 その床にはもう、大量の血しか残っていなかった。この場を離れてから僅か数分しか経過していないのにも関わ
らず、蟲の姿もなければエミの肉も骨も残っていない。
 こんな所に戻って来る筈ではなかった。こんな所に二度と戻って来たくはなかった。だが、無限回廊という空間に
足を踏み入れてしまっている以上、避けては通れない道でもある。
 サエは血溜りの前でがくんと膝を折ると、その場にへたり込んだ。口の中で何度も最愛の妹の名前を繰り返し呟く。
塞ぎ込んでいた感情が爆発し、それは大粒の涙と化して血溜りへと落ちた。血溜りに生じた小さな波紋はゆっくりと
広がっては消える。それを幾度か繰り返した頃には、サエの身体は無気力感に支配されてしまっていた。腰が抜けて
しまったかのように立ち上がろうにも足に力が入らない。否、そもそも立ち上がろうともしなかった。できるのであ
れば、このまま何事もなくエミがこの場に存在したという唯一の証の前で塞ぎ込んでいたかった。何者にも邪魔さ
れず、ただ一人で蹲っていたかった。
 それは、サエが鬼ごっこというゲームに参加し、そしてここが会場である以上無理な話だ。
 何かの足音が後ろから聞こえてきた。ドスン、ドスンという少々重量感のある足音であり、人が靴を履いて歩いて
出せるような代物ではない事は明らかだった。エミを喰らった化け物のような蟲が存在していた以上、この廊下にど
んな化け物が現れてもおかしくはない。
 サエは振り返るつもりなどこれっぽっちもなかったのだが、無意識の内に首を後ろに向けてしまっていた。そして
足音の主を見てしまう。彼女は絶句するしかなかった。
 化け物と呼ぶべき存在か、それとも恐竜と呼ぶべき存在か。
 足音の主は蜥蜴のような爬虫類に見えた。だがそれは決して蜥蜴である筈がない。二本の足で立っている上、背丈
は恐らくサエよりも高い。加えて大きな口から覗かせている鋭い牙は、狙った獲物を一撃で仕留める威力がありそうだ。
 いつか映画の中で見た事があったその存在は、とても信じられないがサエの記憶が正しければ“ラプトル”という
種類の小型の恐竜だ。ラプトルが鬼ごっこの鬼だというのだろうか。確かに捕まってはいけない存在だと一目で分か
る姿だが、それは同時に捕まる事は死を意味している。
 幸いにもラプトルはサエとまだ距離があり、足元を踏み締めるようにゆっくりと歩いて来ている。
 サエの身体が強張り、やがて全身が恐怖に震える。この場で蹲ったままいればエミと同じ場所で死を迎える事がで
きるだろう。どうせ死ぬのであればここで死にたいと彼女が思う反面、脳裏に過ぎるエミのサエに対する願いが心を
揺さ振る。
 お姉ちゃんだけでも逃げて―エミは最期にそう言った。強くそう願っていた。双子だからこそ伝わるその強い思い
が、サエの心を絶望の淵から掬い上げていく。死にたくないという気持ちが死にたいという気持ちを上回った瞬間、
彼女は立ち上がった。
 ここは無限回廊。進んでも戻っても同じ廊下を行き来するのみ。だがそれでも、サエは鬼から逃げるべく動き出した。
クルミの言う通りであれば制限時間である一時間逃げ切る事ができれば良いのだ。イベントの本質を理解してしまった
今、俄かには信じられない事柄であるが、縋れる可能性はそれしか残されていない。
 そろり、そろりとサエはできるだけ足音を立てないように前へと歩き出す。エミを模った血溜りを何とか過ぎる
事に成功した後は、何度も後ろのラプトルの動きを見ながら足を前へ前へと踏み出していく。ラプトルは相変わらず
ゆっくりと歩いている。このままこの一定の距離を保ったまま時を過ごす事ができれば助かる道はあるかもしれない。

129:地獄からの招待状4-2
12/01/15 00:36:24.05 mjwfkqC9
 ラプトルはサエという餌の姿を鋭い両の目に捉えられているのだろうか。普通の肉食動物であれば獲物を捕らえた
瞬間に走り出しそうなものだが、今のラプトルはまるで何かの合図を待っているようにも見える。そうでなければ直
前に何かを捕食したばかりで満腹なのだろうか。後者であればサエにとって好都合だが、では直前に捕食されたのは
誰なのだろうという疑問が浮かぶ。七人の内の誰かだろうか。
 答えが前者だった事に気付いたのは、サエの背中から一つの鳴き声がした直後の事だった。

 ―ギィィ。

 エミを喰らった蟲の鳴き声が彼女の背中から廊下に響いた直後、ラプトルは突然サエに向かって走り出す。猛スピ
ードだ。虎やライオンより俊敏に、かつ確実に獲物との距離を縮めていく。サエもラプトルが動いた刹那の後に「ひ
ぃっ」と金切り声を上げて走り出したものの、追い付かれるのは時間の問題だ。
 何か武器! 何でもいい、何か―とサエは走りながらスカートや上着のポケットに手を入れて何かを探る。武器に
なりそうな物を女子高生が普段から持ち歩いている筈もなく、見付かったのはせいぜい携帯電話くらいだった。それ
でも何もなく、何もしないよりはマシだ。彼女は意を決して立ち止まり、瞬時に踵を返すと走って来るラプトルに向
かって力一杯携帯電話を投げ付けた。
 携帯電話は一直線を描き、ラプトルの顔へと飛んでいく。サエは携帯電話の末路を確認する間も惜しんで再び走り
出す。少しでも時間稼ぎになれば良いと祈ったのが天に届いたのか、ラプトルは犬のように口で飛んできた携帯電話
を咥えると、立ち止まって携帯電話を噛み砕き始めた。盛大にバリボリと音を立てながら高価な精密機械がバラバラ
に壊されていく。携帯電話が食べ物でないと理解するのにさほど時間は掛からなかったが、彼女にとっては思惑以上
の効果があった。ラプトルが口内の残骸を床に吐き出した頃、ラプトルとサエの距離は最初と同じ程に開いていたのだ。
 血溜りの前で数分間蹲っていたとはいえ、サエの息は既に上がってしまっていた。疲労に心臓と両足が悲鳴を上げ
始める。短距離を走る勢いで長距離を走っているようなものなのだ。陸上選手のように大して鍛えていない彼女が走
り切れるものではないが、そうしなければ喰い殺されるという恐怖が彼女の身体能力を底上げする。
 ラプトルとサエとの距離は再び縮まる。だがサエの視界に光明が差してきた。あと少しで暗闇へ―上りの階段へと
辿り着けるのだ。先程と同じように階段を一つ飛ばして上っていくサエ。それを追うラプトル。鬼ごっこの命運を分
けたのは、サエの素早い動作だった。
 階段を上りきったところにある扉。サエは流れるような動作で瞬き一つする間に扉を開いて身体を向こう側へと押
し込むと、バタンと勢い良く扉を閉めた。扉を閉めた後は扉に凭れ掛かるようにしてその場に座り込んだ。扉は重い
鉄拵えだ。いくら恐竜でもそう簡単には破れないだろう。途端、扉にラプトルがぶつかったのであろう衝撃が走る。
扉に伝わった振動がサエの背中にも伝わると、どれ程の強い力が衝突したのか分かった。
 二回、三回、四回―……サエが祈るようにしながら数えていた衝撃の回数は五回で一旦の終わりを迎えたようだ。
それ以降の衝撃はいくら待っても訪れなかったのだ。恐らくラプトルが扉を破壊できずに獲物を諦めたのだろう。静
寂が訪れた直後、サエの口から重苦しい溜息が漏れた。彼女の視界にはやはり同じ廊下の光景が映っている。先の床
に赤い物が見える事から、三回目の同じ廊下に辿り着いた事が分かる。そうであれば奥に広がる闇からラプトルが姿
を現すかもしれないが、その時はその時だ。この扉を盾とすれば時間は幾らでも稼げる。


130:名無しさん@ピンキー
12/01/15 10:45:01.23 uQYsO3hq
追いかけっこ感がいいなあ

131:名無しさん@ピンキー
12/01/15 11:51:58.22 6P0NHfWA
DS用ソフト「メタルマックス2リローデッド」で
エリーザという女がヒトデの化物(ヒトデロン)の口に吸い込まれるイベントがあった。
ちなみにそのヒトデロンはエリーザの恋人の生まれ変わった姿、らしい。

132:名無しさん@ピンキー
12/01/15 20:42:10.89 uQYsO3hq
みんなは捕食のどういうところに興奮するの?
自分はヒロインが美味しい肉として見られるところに興奮する

133:名無しさん@ピンキー
12/01/15 23:15:41.51 mjwfkqC9
>>132
丸呑みフェチとしては、呑み込まれる様と必死に足とかをジタバタさせてもがく様かな。

134:地獄からの招待状4-3
12/01/16 00:19:25.79 XGX265MW
 ―その時、サエは自分の背中から蟲の鳴き声が聞こえてきた事をすっかり忘れてしまっていた。
 バクバクと激しい鼓動を繰り返す心臓を落ち着かせるため、サエはその場で体育座りをして両膝の間に顔を埋めて
いた。荒立った吐息が口から吐き出される度に両肩が上下する。その肩の上にひょこんと背中から顔を出したのは、
エミを喰らった一匹の蟲。ずっと彼女の背中に張り付いて離れず、動く事もしなかった蟲がようやく動き出したのだ。
 疲労のせいか、サエは肩に乗っかっている存在に気付かなかった。蟲は好機とばかりに口を開き、尺取虫のように
全身を折り曲げると、勢いを付けて彼女の白い首へと飛び掛かった。

「―あうっ!?」

 首筋に楕円形の歯型が付いた瞬間、サエは突然の痛みに反射的に手で蟲を振り払う。蟲は呆気なくその手によって
彼女の身体から叩き落とされた。床に落とされた蟲の姿が視界に映ると、サエはすぐに目の色を変えた。瞬時に込み
上げてくる怒り。目の前にいる蟲は、エミの仇そのものだ。そして同時に彼女の小指を食い千切った張本人でもあった。
 サエは咄嗟に履いていた靴を脱いで右手で握ると、まるでゴキブリを叩くような要領で蟲目掛けて靴を振り下ろ
した。パン、と乾いた音が響いたのもの束の間、すぐに同じ音が響く。床を這う蟲が俊敏に跳躍して靴を避けたのだ。
 このっ、このぉっ! 死ねぇぇぇ―と心の叫びを強張った表情に表しながら、サエは何度も靴を振り下ろす。だが
結果は変わらない。何度振り下ろそうとも、靴が蟲に当たる事はなかった。回数を重ねる度に振り下ろす腕の動きが
鈍くなっている事に気付いたのは、既に十回は繰り返した後の事だった。
 腕に力が入らなくなる。それどころか身体中に力が入らなくなり、サエは靴を持った右手を振り上げたままごろん
と横へと床に倒れた。身体が完全に言う事を聞かなくなる。理由は当人に知る由もないのだが、紛れもない蟲の仕業
だった。蟲が彼女の首に噛み付いた瞬間、歯から彼女の身体に神経毒を注入していたのだ。意識をはっきりと保ちな
がらも、言葉を発する事さえできなくなり、彼女が発する事ができたのはせいぜい獣の唸り声のようなものだけだった。
 蟲が嘲笑うかのようにニッと血で濁った歯を見せる。動けなくなった獲物に何をするのも蟲の自由だ。蟲の身体に
対してこんなに大きな獲物を捕らえ、独り占めできる事が嬉しいのだろう。蟲はどうやらサエにとって良からぬ行動
をとりそうだ。
 嘘……やだっ、せっかく恐竜から逃げられたって言うのに、よりによってエミを食べた蟲に―とサエの目に涙が浮
かぶ。口からか、膣からか、あるいは肛門からか。エミと同じように身体の中から食べられると、彼女はそう思った。
 幸か不幸か、蟲はサエの女性としての身体を弄ぶ事にしたようだ。のそり、のそりと蟲は彼女の想像通りに下半身
へと床を這っていく。すらりと伸びた長く細い足に上り、スカートの中へと潜り込むと、蟲の視界は真っ赤に染まった。スカートの中に潜り込んだ蟲が見える景色の大半は、彼女の履いている赤いパンツだからだ。遊び心だろうか、
エミは白いカチューシャに白いパンツ、サエは赤いカチューシャに赤いパンツを身に付けていたようだ。少しだけ違
うところは、エミのそれと違ってサエのパンツは大人びた際どい物だという事だが、恐らく深い意味はないのだろう。

135:名無しさん@ピンキー
12/01/16 00:21:27.88 XGX265MW
おっと、改行ミスで何かよく分からん表示になってしまったorz
ちょっと陵辱シーンに入ります。
一日に一回以上、この時間帯に投下できたらいいなぁ

136:名無しさん@ピンキー
12/01/16 08:58:55.24 Ii3nGIic
>>133
さらに抵抗が弱まりぐったりする手足がそそる
締め付けられたりする腰や太もももエロい

137:名無しさん@ピンキー
12/01/16 17:13:39.56 c+o+ATqP
毎日の投下を楽しみにしてますよ
生活が潤うよ

138:地獄からの招待状4-4
12/01/16 20:17:31.74 XGX265MW
 蟲はサエの柔らかな太腿を這う。巨大な芋虫が這っているような気持ちの悪い感覚にすぐにそれを払い退けようと
試みるも、やはり手は動かない。金縛りにあったかのように硬直してしまっている。
 やだっ、やだやだやだやだぁ―泣き叫びたくなる衝動はせいぜい表情に表す事しかできず、サエは蟲に対して何一
つ抗う事ができない。されるがままの状態だ。せめて足を閉じて蟲が恥部へと近づけないようにしたかったが、それ
が叶う事はない。蟲は更に這い、やがてパンツの上から彼女の恥部へと身体を乗せた。
 もぞもぞと薄い布地を挟んだ上で蠢く蟲の動きがはっきりと伝わる。陰唇と陰核を同時に擦られると、恐怖とは別
の感情がサエの中に徐々に込み上げてくる。一分程執拗に擦られた頃、それが何なのかサエは理解する。
 ―快楽。蟲に恥部を擦られる事が徐々に気持ち良くなってきてしまっていた。感じたくない、という思いとは裏腹
にサエの頬が紅潮し、パンツには薄らと縦筋の染みが生じ始めている。蟲の身体に付着したパンツから染み出た液体
が、蟲が動く度に糸を引く。クチュクチュといういやらしい音を立てていく。

「ぁ……はっ、はぁ……ん、くぅ……」

 サエの口から熱く甘い吐息の混じった嗚咽が漏れる。神経毒に侵されているのも相俟って、彼女の穴が制御し切れ
ずに緩くなっていく。その結果、彼女は更なる羞恥に晒される事となった。
 膀胱から吐き出される黄金水が管を通り、やがて体外へと飛び出す。開かれた尿道口から溢れる尿は赤かったパン
ツを濡らし変色させ、太腿を伝って床にポタポタと垂れていく。彼女自身に放尿しているという自覚はなかったが、
愛液とは違う別の水音と太腿から伝わってくる生暖かい感覚が彼女にその事実を告げていた。高校生にもなって、そ
れも衣服を身に着けたままお漏らししてしまったという事実に、彼女はこれ以上ない悔しさと恥ずかしさを覚えた。
だが本当の羞恥に晒されるのはここからだ。
 ちょろちょろとパンツの上に染み出てくる尿。それは蟲の腹部にも伝わって、尻尾の部分からポタポタと雫が床に
垂れる。薄い布地の向こう側にある泉は永遠でなく、始まってからものの十秒程で放出が終わった。薄いアンモニア
の臭いがサエの鼻腔を擽る。その臭いが蟲を興奮させたか否かは分からないが、蟲は身体を彼女の恥部に擦り付ける
動作を一旦止めると、身体を下腹部の上へと移動させた。もちろん口先は恥部へと向けたままだ。蟲は口を開き、
胴体をその位置に固定したまま首と思しき部分を伸ばし、開いた口を彼女の恥部へ―丁度陰核に当たる箇所へと押し
付けた。

 ―じゅるっ、じゅるるる。

「はぅ……っ!!?」

 何かを吸うような下品な音が聞こえると同時に、サエは身体の中で最も敏感な箇所に刺激が加わった事に僅かながら
身体をビクンと跳ねさせる。蟲が陰核もろともパンツに染み込んだ尿を吸い上げているのだ。極端に強い力でなく
適度な力で吸い上げられると、陰核へ与えられる刺激は絶妙なものとなる。膣口がヒクヒクと痙攣を繰り返し、陰核
が膨張して硬くなっていく。蟲に弄ばれて気持ちが悪いだけだというのに、その刺激はそれを押し退けて快楽へと
昇華していた。
 そっ、そんなに吸っちゃダメぇ……気持ち良くなっちゃう―と懇願するのを知ってか知らずか、蟲は暫くの間そう
して陰核を吸い上げ続けていた。

139:名無しさん@ピンキー
12/01/16 20:20:26.39 XGX265MW
毎日投下はあくまで目標ね
何日か更新しなくても怒らないで待ってて

140:名無しさん@ピンキー
12/01/18 00:11:54.01 WrDPalZW
>>133
頭から胴体まで二の腕ごと咥え込まれて、くぐもった呻き声をあげながら足をブンブン手首をブルブル揺すって無駄な抵抗をしてる様子を見るとそれだけで絶頂しそう

141:地獄からの招待状4-5
12/01/18 12:46:37.38 sSw8woIg
 女性の臭いと尿の臭いと蟲の唾液の臭いが混じり合い、その場に淫らな異臭が漂い始める。口を小刻み
に開閉し、甘い吐息を漏らしているサエの表情は恍惚としたものへと変化していた。口の端から涎が垂れ
ている。まだ身体は神経毒に侵されて自由が効かない。仮に自由が効いたところで、果たして今の彼女の
表情から蟲を恥部から引き離しただろうか。快楽に溺れてしまわずに理性が働いただろうか。
 蟲はそっと口を離した。サエの陰核は勃起し、パンツの上からでもくっきりとその小さな突起が浮かび
上がっていた。同様に乳首も勃起してしまっているが、さすがにブラジャーを身に着けているため服の上
から浮かび上がる事はない。与えられた快楽はサエを絶頂へ導くにはまだ足りない。彼女は知らず知らず
の内に更なる快楽を蟲に対して求めていた。身体は正直なものだ。
 ずるり、と蟲がパンツの中へと潜り込んだ。目指した先は直の陰核ではなく膣口。蟲は下腹部から潜り
込んだため、蟲の腹部が道中にある陰核に直に擦れて激しく刺激する。

「~~ッ!!」

 陰核への刺激と同時に、蟲の先端が膣口を押し広げると、サエは言葉にならない声を上げた。恥部に直
に触れられただけだというのに彼女の全身に電流に似た衝撃が走る。それは快楽と化して脳に伝わり、膣
内に異物が侵入した際の自己防衛として大量の愛液を分泌する。ドロドロとしたやや粘り気のある透明の
液体は膣壁を伝ってやがて膣口から外へと溢れ出た。パンツに尿とはまた違った染みができていく。
 サエはエミと同様、性交渉の経験がない。まさに男性器そのものの姿形をした蟲に犯されようとしてい
たが、恥部への刺激が続いているせいで恐怖も不安も消え失せていた。膣口を軽く押し広げられただけで
も快楽に繋がったのだ。これから行われる事はそれ以上の快楽が生み出されるものなのだと思うと、期待
に彼女の胸がキュンと熱く高鳴った。
 蟲は引き続き身体の位置をそのままに、胴体を伸ばして膣口に侵入を果たしていく。押し広げられる
膣壁、突き破られる処女膜。裂けた処女膜から血が溢れるも、やはりと言うべきか、サエは痛みを感じる
事なくすんなりと蟲を受け入れた。蟲と膣口の間から体外へと溢れる愛液に赤い血が混じるが、比率で言
えば愛液の方が圧倒的に多い。
 蟲の目的がサエを犯す事かどうかは定かではないが、蟲は彼女の膣に先端を出し入れしてピストン運動
を繰り返す。突き入れる度に膣壁が蟲を圧迫し、サエの口から嬌声が漏れ、彼女の脳を蕩けさせる。

「んぁっ、はんっ……ふゎっ、んく、ぁあっ……あんっ、あはぁ……っ!」


142:名無しさん@ピンキー
12/01/18 12:54:22.50 sSw8woIg
>>140
いいよね、俺もそういうの好きだよ
サエが終わって、レイカを適当に書いて、ユリをリクエストで書いた後は丸呑みメインで書こうかな

143:名無しさん@ピンキー
12/01/19 01:39:41.65 uLT5r2ba
やっほおおぉぉぉ
期待

144:名無しさん@ピンキー
12/01/19 02:51:24.66 jeeSZ1mL
適当なレイカ涙目ww

最後は書き手の趣向全開がいいかもね!

145:名無しさん@ピンキー
12/01/19 05:22:59.93 yWBMgMnB
>>142
期待してますよ。
女子高生でお願いします。

146:142
12/01/21 00:06:28.94 Tyy+E2be
公私ともにバタバタしてて書けんorz
待ってくれてる人ごめんよー

>>144
レイカは多分、実は適当な扱いにならないから大丈夫だと思うw
それどころかゴニョゴニョ

>>145
対象は現役女子高生という設定のミナとマオだからok

147:名無しさん@ピンキー
12/01/21 11:44:57.08 sjkrFh9e
>>146
いつもGJ

もしまだリクさせてもらえるなら
妖艶なレズ少女に痛み止めも無しにカニバられるのが読みたいです

148:147
12/01/21 12:26:35.12 sjkrFh9e
すまん、カニバものはスレチだったか。忘れてください

149:地獄からの招待状4-6
12/01/21 23:49:22.42 KHWWobF+
 神経毒が弱まってきたのだろうか、自然とサエの口から漏れる嬌声が大きくなっていく。毒が弱まって
きたのが事実だとしても、いずれにしろ彼女の身体にその場から動くための力が入る事はない。毒では
なく、それ以上に全身を刺激する快楽がそうさせるのだ。
 背中が仰け反る。足が爪先までピンと伸びる。拳が固く握られる。
 ―サエのその仕草は快楽を否定するものか、それとも堪えようとするものか。あるいは初めての感覚の
受け入れ方を模索しているのか。
 サエはエミを誘い、興味本位でインターネットを通して高校生が見てはいけない動画を見た事があった。
二人ともゴクリと喉を鳴らして男女の肢体が絡み合う様子を見ていたのだが、「女の人って声が出るくら
いにホントに気持ちいいのかな?」と二人は頬を染めながら照れるように笑い合うだけで、姉妹、それも双子
でそれを確かめようとはしなかった。生まれてから今まで自慰行為すらした事がなかったのだ。
 楽しい時、嬉しい時―……人は自然と笑う。それと全く同じ原理のように、快楽という刺激を与えられ
たサエの口からは自然と嬌声が出ている。あの時に二人で笑い合った事を自ら証明していた。そう、いつ
の間にか蟲に膣を貪られる感覚が気持ち良いと認識していたのだ。
 言葉には決して表せない快楽もいつかは上り詰めて弾ける。ピストン運動が繰り返される度に走る刺激
が脳を満たしていく。サエの中で込み上げてくる初めての感覚は、彼女に恐怖を植え付ける。
 なっ、何か来る……っ、何かが来ちゃうぅっ! 何コレ怖い、怖いよエミぃ―とサエが脳裏にエミを思
い浮かべた瞬間、それは爆発する。

「んっ、く、はぁっ、あはぁ…………っ、ふぁあああああっ!!!」

 ビクン、と一際大きくサエの肢体が跳ね、背中が仰け反る。ジェットコースターに乗っている感覚に似
たそれは、彼女の脳を蕩かせて真っ白にする。蟲に犯され、処女を失ってから僅か数分後に初めての絶頂
を迎えたのだ。如何とも言い難い快楽に酔い痴れる少女だが、快楽の絶頂の時間はそう長くない。彼女の
身体は数秒にも満たない内に床に再び突っ伏し、荒立った甘い吐息を吐き出しながらぐったりと横になる。
全身に力が入らずに、腕や足がだらしなく伸びていた。

「…………っ、はぁっ、はぁっ、はっ、はぁぁぁっ、は……っ」

 こ、これがイクって事……? 凄い……気持ち良過ぎておかしくなっちゃいそう―と余韻に浸るサエだ
ったが、蟲がどういった存在なのかを忘れてはいない。蟲はエミを身体の中から喰い荒らしたのだ。彼女
を犯すだけで済むとは到底考えられるものではないが、初めて至った絶頂も相俟って、彼女の身体はまだ
暫く動く事を拒みそうだ。
 にゅるり、と拡がった膣口から口を抜く蟲。ほぼ全身がサエの愛液に濡れて光沢を放っている。蟲はぐ
ったりとしたままのサエの身体を上り始めた。向かう先はもう一つの口。普通であれば順番は下から上で
なく上から下なのだろうが、どうやら蟲は上の口を犯そうとしているようだ。いや、犯すのではなく、エ
ミと同様に胃の中から内臓を貪るつもりなのかもしれない。

150:地獄からの招待状4-6
12/01/21 23:52:25.78 KHWWobF+
 頬まで辿り着いた蟲は徐にサエの様子を窺う。彼女は蟲の存在や体温を間近で感じながらも動けなかった。
絶頂の際に大きく開いた口は相変わらず開いたまま、閉じる気力さえ湧かない。
 蟲はサエの開かれた口へと侵入する。押し広げられる歯、舌に伝わるヌルヌルとした感触。自らの愛液
を舐めているのと同じだが、不思議とそれに対する嫌悪感がなかった。特に味はない。あるのはただ、少
々粘り気のある舌触りのみ。
 サエは脱力感に誘われるように、そっと瞼だけを閉じた。
 もう……いいや、どうなっても……何も考えたくない、何もしたくない……もう、何も―。

 ―お姉ちゃん!

 鼓膜の裏側で直接頭の中に一つの声が響く。エミの声だ。途端、サエは目を見開いた。見えるものは変
わらない白い景色だけで、エミの姿は当然の如く何処にもない。
 瞼を閉じた一瞬の間に目の色が変わっていた。何も語らずとも目を見れば分かる。その目が訴えている
もの、それは絶望の闇ではなく、希望の光。絶望と脱力に抗わんとする強い意志が具現化された眼差し。
 口の奥へと潜り込んでいく蟲。案の定、喉の奥へと向かっているようだ。まだ蟲の胴体が半分彼女の口
から飛び出している。
 彼女は最後の力を振り絞るように、全神経を口の筋肉へと集中させた。
 ブチッ、と音がすると同時に、サエの口内に緑色の液体が迸る。口から飛び出ていた部分が力を失って
床へと落ちる。残された口内の蟲が悲鳴を上げる。彼女の歯がギロチンのように蟲の胴体を噛み千切ったのだ。

「うぇっ、ぉぇぇぇっ! げほっ、はぁっ、うぅぇぇぇっ!!」

 吐瀉物のように床に降り注ぐ緑色の液体と蟲の上半身。蟲はまだ生きており、床の上でもがき始める。
激痛に悶絶しているようだ。口の中に広がる生暖かい蟲の体液に悶絶したかったのはサエも同じだったが、
その隙を彼女は見逃さない。右手に握りっ放しだった靴を振り上げ、蟲目掛けて振り下ろす。何かが潰れ
る音がした後、何も聞こえなくなった。
 サエは振り下ろした靴を床に押しつけたまま、顔を横に向けて口内に残った異物を全て吐き出した。彼
女の口の中は緑一色に染まっている。涎の痕をなぞるように口の端から垂れる緑色の液体。床に勢い良く
弾けたため、頬にもそれは付着している。
 生きる気力と意志を再び取り戻す事に成功し、エミの仇である蟲の一匹を退治したサエだったが、やは
り身体は満足に動かない。暫くはこのまま休む必要があるようだ。
 サエは仰向けになり、長い息を吐いた。少し霞んだ目に天井が映る。その視界にひょこんと顔を出した
のはエミだった。正確には幻覚に相違ないだろうが、彼女は純粋にエミが会いに来てくれたのだと思った。
彼女を覗き込むようにして微笑むエミに向かって、サエは徐に右手を伸ばす。差し伸べた四本の指をエミ
が優しく抱き締めてくれると思ったからだ。
 ありがとう、エミ……エミの声のおかげで、私は―。
 もう一度だけでも瞬きをしていれば、サエはそれに気付いていたのかもしれない。
 エミの姿は幻覚に過ぎないが、手を伸ばした先には別の存在がいた。

「エ、ミぃ―……」

 それが、サエがこの世界に残した最期の言葉だった。
 エミだと思って手を伸ばした先にいたのは、エミではなく鬼―ラプトル。
 ラプトルは大きく口を開いてサエの手を咥えると、手首から先を呆気なく食い千切った。サエは不思議
と痛みは感じなかった。いや、そもそもサエの視界が映っているだけで、現実に何が自らの身体に起こっ
ているのか最期まで理解する事はなかった。
 よほど腹を空かせていたのだろう。ラプトルは豪快にサエの身体を捕食していく。どうやら手は骨ばか
りで肉が少なく物足りなかったのだろう、ラプトルは彼女の腹部に牙を立てた。牙に引っ掛かるように飛
び出す長い小腸。麺を啜っているかのようにラプトルの口の中に入っては消えていく。ラプトルが喰らい
付く度にその腹が膨れていくのと反比例して、サエの腹が萎んでいく。ラプトルによって運び出される内
臓は、瞬く間にその胃の中に収まっていった。

 サエの表情は最期の瞬間―ラプトルが彼女の首を捥ぎ取る瞬間まで、恍惚に似た表情を浮かべていた。


151:名無しさん@ピンキー
12/01/21 23:59:25.18 KHWWobF+
サエ終了のお知らせ

>>147
人外であればOK、という事で実はそれに似たシチュはもともと書くつもりだったりする
ユリが該当するし、多分ミナもそうなるかな
カニバ的なものはユリだけだと思うけど

152:名無しさん@ピンキー
12/01/23 01:21:49.35 3/IfqgyD
小学生を丸呑みってのもお願いします

153:名無しさん@ピンキー
12/01/23 03:54:17.17 9ivT2OtE
>>152
> 小学生を丸呑みってのもお願いします

今の話の流れだと無理だろ。

154:名無しさん@ピンキー
12/01/30 22:40:05.40 phTftKhe
wkwktktk

155:名無しさん@ピンキー
12/02/02 18:26:34.59 VzZlZbde
トイレ捕食好きさんはどんな捕食シチュがベストなの

156:名無しさん@ピンキー
12/02/02 23:58:08.20 x4iTBcIo
>>155
学校の怪談風に、青白い手が便器から伸びて少女のおしりを撫で回す。
びっくりした少女は悲鳴を上げ逃げようとするが鍵が開かず、そのまま便器の中に引き摺り込まれて…

そんなシチュがいい。

157:地獄からの招待状5-0
12/02/07 12:46:36.83 uU5YRYuv
第5話 【歪んだ想い】





「うわぁっ、凄い……バーチャル映像ってヤツかな?」

 コンサートホールの地下に降り立った筈の氷川レイカと柊ユリを包み込んだ景色は、決して屋内では
存在し得る筈のないものだった。
 そこには空があった。青々と澄み切っており、雲一つない快晴で、陽の光が眩しい。
 そこには風があった。爽やかな強い風が二人のスカートを際どく翻らせる。
 そこには大地があった。足が踏み締める度に砂利を弾く音が心地良い。
 そこには川があった。何処からともなく聞こえてくる水のせせらぎに耳を傾ける。
 ―そして、目の前には薄暗い密林が広がっていた。
 レイカが子供のように目をキラキラと輝かせながら空を仰いでいる間、後ろのユリはひたすらに周囲
を見渡していた。何処をどう見ても屋外であり、比較的都会である街の地下にこんな空間が存在する筈
がない。レイカの言うようにバーチャル映像というものだろうか。だとすれば奥行があるように見えて
実際には壁になっているかもしれない、とユリは恐る恐る前に手を伸ばしながら、降りて来た階段があ
った筈の場所へと歩く。だが、そこには壁などなかった。今見えている景色の通りにいくらでも進んで
行けそうだった。
 確かにここは鬼ごっこをするには打って付けの場所なのかもしれない。広い空間の中に隠れられる場
所がいくらでもあるのだ。上手くいけば鬼の姿を見る事もなく制限時間を迎えられそうだ。だが、ユリ
は恐怖を感じ始めていた。こんな得体の知れない空間にいるのはレイカとユリの二人のみ。前を走って
いたミナとマオ、後ろを走っていたサエとエミの姿が見当たらないのも奇妙であったが、何より木々の
奥から禍々しい気配が発せられているような気がしたのだ。暗がりの向こう側は呑み込まれそうな闇が
広がっているだけで、陽の光は殆ど届いていない。それを覗き込むだけで自然とユリの全身に鳥肌が立つ。

「お、お姉様……」

 震える声でユリが口を開く。そっとレイカに近付き、不安を伝えるべく彼女の手を握ろうとするの
だが、レイカはその手に気付きもせずに足を前に踏み出した。その足が目指す先は密林だ。迷いも躊躇
いもないように見えるその足は、まるでレイカが密林に誘われているかのようにも見えるが、そうでは
ない。彼女は自らの意思で密林へ入ろうとしているのだ。

「お姉様、待って下さい!」

 堪らずユリは抱き付くようにしてレイカに縋り付いた。

「どうしたの、ユリちゃん?」

 レイカは口元に微笑を浮かべながら顔を後ろへ向けるが、彼女の背中に顔を埋めるようにしていた
ユリにその表情が見える筈がない。それはレイカも同じで、彼女の視界にはユリの頭がかろうじて見え
ただけだった。

「お姉様は何も感じないんですか? あの森、凄く不気味で……っ!」
「不気味だけどこんな丸見えの場所に立ってたって鬼に見つかるだけじゃない? それにミナちゃん達
は中に入っちゃってるのかもしれないし」
「それは……」
「大丈夫だって、ユリちゃん。何かあっても、一応こんなのを護身用として持ってるから」

158:名無しさん@ピンキー
12/02/07 12:49:51.01 uU5YRYuv
久しぶりの投下
忙しくて本当に書けなくなってきた

159:名無しさん@ピンキー
12/02/08 01:09:46.47 PpEmJGNn
         ,-、            ,.-、
        ./:::::\          /::::::ヽ
       /::::::::::::;ゝ--─-- 、._/::::::::::::::|
       /,.-‐''"´          \:::::::::::|
     /                ヽ、::::|
    /                   ヽ|
     l                         l
    .|    ●                |    んーとね・・
     l  , , ,           ●     l
    ` 、      (_人__丿    、、、   /
      `ー 、__               /
         /`'''ー‐‐─‐‐‐┬'''""´



       / ̄ ̄ ̄ ̄\
      /;;::       ::;ヽ
      |;;:: ィ●ァ  ィ●ァ::;;|
      |;;::        ::;;|
      |;;::   c{ っ  ::;;| よくわかんない
       |;;::  __  ::;;;|
       ヽ;;::  ー  ::;;/
        \;;::  ::;;/
          |;;::  ::;;|
          |;;::  ::;;|
   / ̄ ̄ ̄      ̄ ̄ ̄\
   |;;::              ::;;|
   |;;::              ::;;|



160:名無しさん@ピンキー
12/02/08 01:11:44.06 PpEmJGNn
スマソ、誤爆

161:名無しさん@ピンキー
12/02/08 17:21:23.85 lOlMO/iv
キター!待ってました!
ゆっくりでもいいので完結待ってますよ!


162:地獄からの招待状5-1
12/02/10 12:51:50.99 38cUdWPu
 そう言って肩から提げていたバッグからレイカが取り出したのは、彼女の手の平に収まる大きさの黒い物体―
スタンガンだ。重量感のあるフォルムから突出した二つの金属の電極板。彼女がスイッチを入れてみると、バチ
ッと激しい音を立てて電極間に青白いスパークが発生する。使い方次第では、下手な武器よりも遥かに充分な殺傷
力がある武器だ。
 顔を上げたユリの目の前で弾けるスパークに、彼女は思わず仰け反る。好奇心でスパークに触れてみたいと思
うよりも早く反射的に身体が避けたのだ。レイカは冗談のつもりなのだろうが、こういった武器はただの包丁で
さえ冗談でも人に向けてはいけない。
 スタンガン―即ち武器があるから大丈夫だと安易な考えが果たしてここで通じるかは別として、レイカの笑顔
にユリは胸を撫で下ろした。彼女にとって最も敬愛する人がそう言っている以上、いつまでも不安がっているの
は彼女の望むところではない。ユリは力強く頷くと、彼女もまたレイカに向け笑顔を作った。

 密林へと足を踏み入れると、想像していた以上に薄暗く、気味が悪い光景が広がっていた。まさしくジャング
ルと呼べる光景だ。山に頻繁に赴く趣味など二人ともなかったのだが、それでもとても日本では生息していそう
にない植物が並んでいるのを察する事ができた。時折何処かから聞こえてくる鳴き声は鳥のものだろうか、それ
とも獣のものだろうか。
 先頭に立つレイカは携帯電話のカメラ用のライトで前を照らしながら歩いており、ユリは引き続き彼女の背中
にべったりと貼り付くように歩いている。お姉様が一緒だから大丈夫―とユリは自分にそう言い聞かせているも
のの、怖いものは怖い。進めば進むほどに未知なる空間に呑み込まれていく。そしてそれは同時に元の世界へと
二度と帰れないのではないかという不安を生じさせる。ユリはこんな状況にも全く動じる素振りを見せないレイ
カに静かに胸をときめかせていた。
 ユリの心を魅了して止まない存在、それがレイカ。彼女はレイカと一緒であれば何処へでも付いていくつもり
でいた。年上の人間に憧れる、というのは男女問わず“お年頃”であれば何ら不思議でもないのだが、それが同
性であり、かつ恋愛感情に直結させてしまっているのは珍しい。ユリはレイカが好きだった。いや、彼女自身愛
しているのだと意識していた。レイカを想って枕を濡らした回数は計り知れない。
 ―だが、同性愛という少々歪んだ想いを持つのは決してユリだけではない。対象は異なるもののレイカもまた
同じだった。

「ミナちゃーん! おーい、ミーナーちゃーんっ!!」

 先程からレイカはミナの名前を呼び、その姿を捜している。殆ど同じタイミングでコンサートホールの地下に
降りた筈なのに見当たらない少女の姿。ミナだけでなく、シノ、サエ、エミの名前も時折呼び掛けるのだが、回
数では圧倒的にミナが多い。レイカのミナに対する想いというのは何か特別なものがある。それは学校生活でも
如実に表れており、極力レイカと一緒にいようとするユリにはそれが痛い程に伝わっていた。
 それでも懸命にレイカを自らへと振り返らせようとするユリだったが、結果は依然として変わらず、レイカは
背中にくっ付いて離れない彼女を半ば無視するかのように歩き続けている。彼女が怖がっているのは背中から伝
わる身体の震えから明確だが、レイカは特に彼女に優しい言葉を掛けようとする素振りもなかった。

163:名無しさん@ピンキー
12/02/16 01:21:17.38 +/eueXYL
待ってるよーん

164:名無しさん@ピンキー
12/02/20 22:05:19.39 basgW28p
気長にwktk

165:地獄からの招待状5-2
12/02/21 12:53:44.36 qiO6mIM3
 陽が落ちたかのように二人を暗闇が包む。ユリは真上を見上げるが、生い茂る植物によって陽の光が完全に遮
られていた。頼りになるのはレイカの持つ携帯電話の灯りのみ。暫くすると目が暗闇に慣れ、ぼんやりとだが周
囲の様子が見えるようになってくるものの、反って不気味さを際立たせている。恐怖心を煽るその景色はユリの
心を激しく揺さぶり、不安定にさせていた。

「お、お姉様……ここ、怖いです。暗いですし、何かが出て来そうで……っ」

 甘えるような声でユリが言う。相手が男であればそんな彼女の声に何かしらの感情が揺さぶられるのかもしれ
ないが、レイカはそんな彼女に対してあまりにも素っ気がなかった。

「そう? でもここにミナちゃんがいるかもしれないじゃない。あの子、マオちゃんやシノちゃんが一緒だとそ
うでもないけど、意外と怖がりだったりするのよね。だから私が傍にいてあげないと。そうそう、この前だって
ね―……」

 ミナ、ミナ、ミナ―……レイカは口を開けばすぐにミナの名前を出す。どんな話をするのだってそうだ。「ミ
ナちゃんなら」「ミナちゃんって」と比較するのも話を振るのも全てその名前が出てくる。休日に一日中レイカ
と二人で遊んだ事があったユリだったが、その場にはいない女の子の名前ばかり出されてうんざりした事もあ
った。二人きりの時ぐらい、と彼女は愛想笑いしながらもギリッと奥歯を鳴らしていた。
 例えば、ユリではなくミナがこの場にいて、同じ台詞を言った時、レイカは恐らく全く別の反応を示しただ
ろう。「大丈夫だよ」「心配ないよ」「何があっても守ってあげる」―ミナに対してはそう言ったのではないだ
ろうか。想像するだけでユリの腹の奥底から苛立ちが込み上げてくる。それはやがて黒く染まっていく。ドス
黒い、嫉妬に似た感情に。

「でねー、その時にミナちゃんったら―……」
「あ、今度ミナちゃんとね―……」
「そんなミナちゃんも可愛くって―……」

 レイカが“ミナ”という単語を口にする度にユリの中で黒い炎が燃え上がり、広がっていく。ユリはもうレイ
カに対して相槌を打つ事もなかった。彼女に巻き付けていた両腕から力を抜き、その場に足を止める。さすがに
レイカも背中の感触がなくなった事に気付くと同様に足を止め、振り返った。ユリは俯いており、その表情は彼
女に見えなかった。

166:地獄からの招待状5-3
12/02/23 08:48:19.88 usbDw532
「……どうしたの、ユリちゃん?」

 混沌に塗れたユリの心に渦巻く感情は彼女の身体さえ支配し、動かせる。今までに溜まりに溜まっていた感情
が一気に噴き出したかのように、彼女は自分でもその行動に疑問を抱く事はなかった。他人からすれば我儘で自
分勝手でしかない行動も、内容次第では可愛いものだが、それは決して可愛いと呼べる代物ではなかった。

「……っ!」

 タンッ、とユリは俯いたまま地面を強く蹴り、前方へと飛び出した。彼女の視界に映るのは地面と自分の靴。
その視界の中に別の靴―レイカの靴が入った瞬間、彼女は両手を強く前へと突き出した。走っていた勢いに併せ
て全体重を両手に触れた柔らかい物にぶつけると、レイカの悲鳴が響き渡った。
 ユリに突き飛ばされる形で尻餅を付いたレイカ。その手から携帯電話がすり抜けて地面に落ちると、辺りは急
に暗闇に包まれたような錯覚に陥る。同じく肩から提げていたバッグも地面に落ち、口を開けっ放しにしていた
ため、スタンガンをはじめとする中に入っていた小物が散乱した。

「いったぁい……何するのよ、ユリちゃん!?」

 尻餅を付いたまま、片手で腰を撫でていたレイカが突然の攻撃に憤ってユリを睨み付ける。目はすっかり暗闇
に慣れているため、灯りがなくてもユリの姿がはっきりと見えた。相変わらず俯いており、表情は分からない。
だがそれでも、目の辺りから滴がポロポロと地面に落ちていくのが見えた。気付けば小さな嗚咽が耳に届いて
いる。
 ―ユリは、泣いていた。
 訳も分からず、どうしたらいいのかも分からずに身体を硬直させているレイカを尻目に、ユリはまるで“生け
る屍”のようにゆらり、ゆらりと徐に足を動かすと、レイカのバッグから零れ落ちたスタンガンを拾い上げた。
壊れていないか確かめるようにスイッチを入れると、青白いスパークがユリの表情を照らし出す。その目からは
怒りと悲しみをはじめとするいくつかの感情が読み取る事ができた。だが何を考え、何をしようとしているのか
は読み取る事ができなかった。

「どうして……」
「ユ、ユリちゃん?」
「どうして私を見てくれないんですか? どうして私の気持ちに気付いてくれないんですか? 私は……っ、私
はこんなにお姉様を愛してるのにお姉様はミナの話ばっかり!! 私じゃダメなんですか!? 私の何処がダメ
なんですか!? そんなにあんな地味な女がいいんですか!!?」
「お、落ち着いてっ!! 私、別にそんなつもりなんて―……っ!」

 レイカが慌てたようにユリを宥めようとするが、時既に遅し。ユリの思考回路は短絡してしまっており、暴走
に近いものと化していた。一種のヒステリーを起こしているかのようだ。そうなってしまった女性には言葉を届
けるだけでも一苦労だ。
 ユリは真っ赤に充血した目でレイカを見た。その目も、そして口元も笑っていた。その表情はレイカの背中に
ぞくりと悪寒を走らせる。

「酷いです……酷いですよ、お姉様。でも、もういいです。もう……いい、です」

 バチバチ、バチバチとスタンガンのスパークを弾けさせながらユリはレイカの前に立った。レイカの第六感が
警鐘を鳴らす。こんな状況になってまで、ユリの心の内が曝け出されてまで彼女がこれから行おうとしている事
に気付けない筈がない。やがてスタンガンの矛先が向けられるのは紛れもなく自分。早いか遅いかの違いでしか
ない、避けられそうにない動き。

 ユリは笑いながら、ようやくと言うべきか、徐にスタンガンをレイカに向け、スイッチを入れた。
 ここは二人だけの空間……お姉様が大人しくしてくれれば、お姉様はもう私のもの。ミナなんかに譲らない。
例えお姉様が死んじゃっても……それでもいい、永遠に私の傍にいてくれるのなら―。

 レイカは恐怖に顔を強張らせる―……“演技”をした。内心では呆れたように笑っていた。
 ふぅん、こんな行動に出るんだ……極端なのね。“ヤンデレっぽい女の子”ってリクエストだったけど、こん
なので良かったのかな―。

 二人の心の声が水面下で錯綜する中、ユリは意を決したようにスタンガンのスパークをレイカの左胸に押し当てた。


167:名無しさん@ピンキー
12/02/23 14:27:51.89 ed2VPQOx
保守

168:名無しさん@ピンキー
12/02/23 22:07:19.55 FV7lAHT/
ゆっくりでも全然OKです!
楽しみにしてます

169:名無しさん@ピンキー
12/02/27 19:12:39.23 2V1KU2hM
これまでの三人のシチュも俺のどストライクだったし期待が高まる!

170:地獄からの招待状6-0
12/03/01 08:17:06.66 zzdFqudI
第6話 【氷川レイカ】





 最大出力のスタンガンのスパークの前では、レイカの衣類はまるで導電体のようだった。
 今までに感じた事のない衝撃。絶頂で得る快楽とは全く異なる種類の本物の電撃が心臓の付近を通過すると、
レイカは声を漏らす事もなくその場に崩れ落ちた。下手をすれば死に至るまでの衝撃に、それでも意識がはっき
りとしているのは、彼女の身体もまた異質だからだろうか。
 電撃が脳から発せられる電気信号を麻痺させているのだろう、レイカの身体はビクビクと痙攣するだけだった
。呼吸が極端にし辛くなり、彼女の口から「ひぃ、ひぃ」という風を切るような音が漏れる。例えるなら金縛り
に似た状態なのかもしれない。
 ドスッ、と何かが落ちる音がした。ユリが手に持っていたスタンガンを地面に落としたのだ。地面で僅かなが
ら悶えるレイカを目の前にして、彼女は理性を取り戻してしまった。本当はこんな事をするつもりなどなかった
。暗い不気味な密林の中という状況とミナに対する嫉妬が彼女の心を破壊し、不安定な感情が動かしていただけ
なのだ。ハッと我に返った瞬間、込み上げてくる感情は後悔。そして混乱するユリ。

「ぁ、ぁあ……っ!? わ、私……私、何て事を―……っ!?」

 レイカの介護をしなければならない。だが、原因を作った自分にそれをする資格などない。
 レイカはユリに対してどんな気持ちだろう。謝って許してもらえる事柄でない事は確かだ。
 一歩足を踏み出してはその足を引っ込める。そんな葛藤がユリの心の中で幾度となく繰り返された後、彼女は
やがて全身を震わせ、目から大粒の涙を流しながら文字通りその場から逃げ出した。バクバクと心臓が激しく脈
打つ。まだ思考能力があり、勇気さえあるのであれば、逃げ出すのではなく自らの胸にもスタンガンを押し当て
、レイカを傷付けてしまった自分に罰を与えたかった。例えそれが死に至ったとしても。
 ゴメンナサイ、ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ―ユリの心を叫びは、まるで涙が代弁するかのように
幾度となく零れ落ちていった。彼女の足跡のように地面を濡らすそれは、一分も経たない内に乾いて見えなくな
っていった。

 ユリの足音が聞こえなくなった頃、一人その場に取り残されたレイカは徐に上半身を持ち上げた。まだ全身が
ビリビリと痺れているものの、動けない事はない。彼女は長い、長い溜息を吐きながら地面に落ちているスタン
ガンを眺めていた。
 私の身体にも通用する威力なんだ……護身用どころじゃないね。大丈夫だと思うけど、もう誰かに使われない
ように後でちゃんと壊しとかないと―とレイカは電撃の余韻を愉しんでいるかのように口元に妖しげな笑みを浮かべた。
 だが、その笑みを浮かべたのは刹那の間だけだった。レイカの表情が突如として変わり、鋭い目付きとなる。
片方の眼光の奥には何処かで見覚えのある淡い青色の輝きが見えた。そっと耳を澄ませると、頭上から聞こえて
くる音がある。風が草木を揺らす音ではなく、何かが蠢いているような、そんな音だ。
 この密林にはテリトリーなど存在しない。獲物を見付けたら早いもの勝ちだ。そのためどんな腹を空かせた異
形のモノが現れてもおかしくはない。この場合、獲物は人間の姿をしているレイカ以外に存在しない。
 レイカの身体はまだ満足に動ける状態ではない。だから彼女はすぐに上を見上げて、“ナニカ”に対して動き
を止めるよう命じようとした。だが、既に遅かった。上を見上げた彼女の視界に飛び込んできたのは、重力に引
かれるがままに落下するピンク色の“ナニカ”―固体でも液体でもないスライム状の化け物だ。上半身を持ち上
げた状態のレイカの身体を包み込むには十分な大きさのそれは、彼女に言葉を発する隙も与えなかった。

「―むぐぅっ!!?」

 レイカの身体が一瞬にしてスライムに包み込まれる。ピンク色とは言え半透明のそれは、外からでも彼女の様
子がはっきりと見る事ができた。

「ごぼっ、がっ、ぶぐぅ……っ!!」

 レイカの口から放たれる吐息が気泡となってスライムの体内に生じ、それはゆっくりと上昇してスライムから
飛び出し、外の空気に混じって消える。彼女が口を開けば口内にネバネバとしたスライムが入り込んでくる。
いや、口だけではない。スライムは身体を器用に変化させながら、レイカの口、胸、恥部を中心に執拗に攻め立
て始めた。
 こっ、このぉ……っ、私が誰だか分かって……んんっ!? ちょっ、そこはダメぇ―。

171:名無しさん@ピンキー
12/03/01 22:26:24.70 HAWp6S5x
GJ!ピンク色のスライムで魔神ブウを連想した

172:地獄からの招待状6-1
12/03/12 22:56:44.07 OfZTsKga
 外から見る限り、スライムがレイカに何をしているのか理解する事は適わない。半透明の軟体に包まれているだ
けだが、唯一分かるのは彼女の乳房が不自然に変形を繰り返している事だろうか。実際にはそれだけではない。ス
ライムはどうやら自由に身体の一部の硬度を変化させる事ができるらしく、事実レイカの股間にはまるで勃起した
ペニスのような硬い何かが触れていた。それはやはり外から見る事ができない。
 一分が経過する頃、レイカの表情は息苦しさに青ざめ、同時に全身に与えられる刺激により赤らめ、何とも言え
ないものへとなっていた。スライムの体内に消化されたのか、いつの間にやらレイカの衣服は全て消滅し、彼女は
生まれたままの姿になっていた。この状態では彼女の乳房を貪る様子が分かりやすい。乳房はまるで人間の手によ
って揉まれているかのように、五本の溝を作りながら上下左右に揺れている。口は相変わらず間抜けに開いたまま
で、どうやらスライムが激しく出入りを繰り返しているようだ。そして股間には奇妙なモノが存在していた。
 レイカの股間―割れ目から湧き出る白い愛液がスライムの中を遊泳するかのように漂っている。割れ目からずっ
と白い糸を引いているため明確だった。だが、股間に存在する立派な逸物は、とても同じ少女の身体から生えてい
るモノとは信じ難かった。
 ―ペニスだ。女性に存在する筈のないモノ。レイカにはそれがあった。丁度クリトリスのある個所から真っ直ぐ
にいきり立っている。胸にも股間にも女性特有のモノが存在する以上、女性に間違いはないのだが、彼女はそれと
同時に男性特有のモノも有していたのだ。両性具有者―俗に言う“ふたなり”だ。時折ビクビクと痙攣しているそ
れは今にも怒号を放ちそうだ。
 くぅ……っ、こんなヤツにいいようにされるなんて! 息がもう限界……で、でも、結構気持ちいいかも―とレ
イカが頬を紅潮させながらも苦しそうに肺に残っていた空気を吐き出した頃には既に三分経過しており、普段から
水泳などで鍛えている者でもない限り意識を失ってもおかしくはない時間だ。彼女は別にそういった趣味も特技も
ない事から、股間の逸物も含めてやはり異質な身体である事が伺える。
 レイカの意識も限界に近付くと、スライムはそれを悟ったのか彼女の身体を勢い良く体内から吐き出した。水の
中に重い物を落としたような水音がした直後、彼女の身体が冷たい地面に倒れる音がした。彼女は全身ずぶ濡れ
で、至る所にピンク色の液体が付着している。
 数分振りに新鮮な空気の元へと飛び出したレイカが空気を震わせるような激しい呼吸を繰り返している間、スラ
イムはその場でブヨブヨと身体を動かしながらじっとその様子を伺っていた。体内に残った彼女の愛液を時間を掛
けて消化している。衣服を消化するのはあっという間だったのに対し、愛液の扱いはまるで違う事から、恐らくス
ライムは女性の愛液を搾取してじっくりと味わうのが目的なのだろう。無論、それだけで終わるとは到底思えない事だ。

「はぁっ、はぁっ、はぁ―……あっ!?」

 ビュン、と風を切る音と共に勢い良くスライムから伸びたいくつもの触手。まるで磯巾着のような姿に変形した
スライムは、その触手をレイカの身体に巻き付けて軽々と身体を持ち上げた。レイカの濡れた素肌にはべったりと
土が付着しており、ぶらぶらと空中で身体が揺れる度にボタボタと地面に落ちていく。

173:名無しさん@ピンキー
12/03/12 23:01:20.37 OfZTsKga
ふたなりにしてみた
もうストーリー展開なんてどうでもいいやと思い始めた今日この頃
ここで求められているのは物語じゃない、異質なエロスなんだ!

174:名無しさん@ピンキー
12/03/12 23:37:00.11 xctV09ri
よかったですよ!
個人的にはストーリーも楽しめてるし、エロも楽しめてます!
最後のユリがどんな悲惨な目に遭うのか考えただけでたまりません

175:名無しさん@ピンキー
12/03/13 19:11:15.46 Ae7IRLEl
さすがにふたなりまで行くと俺の守備範囲外だ!
けしからん!もっとやれ!

176:名無しさん@ピンキー
12/03/18 23:59:53.92 tJ35+A63
保守

177:名無しさん@ピンキー
12/03/23 21:04:10.25 5q+N6DTk
わっふるわっふる!

178:名無しさん@ピンキー
12/03/24 21:20:40.53 GJiJtXcT
続きが待ち遠しい

179:地獄からの招待状6-2
12/03/26 01:14:44.63 ZBLfxca6
 彼女の身体は大の字に広げられ、逃れようともがくもののスライムの力は強く、全身に巻き付いた触手はビクとも
しない。彼女がそうしている間にもスライムは身体から新たな触手を伸ばし始める。向かう先は当然と言うべきか、
体内に捕えていた時と同様に口、胸、股間だ。
 窒息死寸前まで追いやられていたレイカの身体は脳に酸素を送る事に精一杯だ。全身に力が入らない。
 本気を出せれば、こんなヤツ―とレイカは歯をギリリと鳴らす。両の目は怒りに満ちているものの、これから何をさ
れるのかに薄らと妙な期待をしている気持ちも否めなかった。彼女も異質な身体を持っているとは言え、人間と同じ女
性だ。得られる性的快楽や性感帯もまた、同じなのだ。いや違う、彼女の股間に逸物があるため、それ以上のものと言
えるだろう。
 殆どの生物は己の欲望に忠実だ。しかし生物の中で最も高い知能指数を持つ人間と同じそれを持つレイカは、スライ
ムをはじめとする他の異形の者のようになれず、もしかしたら今までに味わった事のない快楽を得られる機会だと言う
のに抗おうとする。異形の者からすれば滑稽な姿に見えるかもしれない。理性―否、感情とは厄介なものだ。尤も、全
ての生物が己の欲望に忠実だったなら、少なくとも世の中に秩序が保たれる事はないのだが。
 ミシ、とレイカの腕の骨が悲鳴を上げる。無様にも抗おうとするレイカをスライムが煩わしくなったのだろう、巻き
付けている触手に力を込めたのだ。激痛に声が漏れそうになるのをぐっと堪え、彼女は反撃の機会を伺う。だがやはり
弱った今の身体では無理な話だ。そうしている内にスライムから伸ばされた触手が一斉に彼女を襲い始める。振るわれ
た鞭のように敏捷性の高いそれは、瞬きを一つする間にレイカの口と恥部へと侵入を果たした。

「ぶふっ、んご、もごぁ……っ!? んぐっ、んっ、むぐ……っ!!」

 口内に入った一本の触手が咽喉まで伸びて中を掻き回す。膣内に入った一本の触手が子宮口まで伸びて入口を押し広
げる。いずれの“穴”も触手自体が半液体状のため出し入れを繰り返すのはスムーズだ。触手自体が潤滑油の役割を果
たしているのだ。ヌルヌルと身体の中で蠢く感覚は、レイカにとって意外にも嫌悪感の小さいものだった。激痛や苦痛
に苛まれる事などなかった。それによって生じるのは快楽のみ。その証拠と言うべきか、特に恥部を貪っている触手に
は大量の愛液が伝っている。
 触手によって口を塞がれた今、鼻を使って呼吸をするしかない。何とかして身体を落ち着かせ、五体満足の状態に戻
したいレイカだったが、その荒々しい鼻息に混じって嬌声が漏れ始めていた。快楽に正直な身体が膣内に愛液を大量に
分泌するだけでは飽き足らず、艶めかしい嬌声を上げようとしているのだ。

「んっ、ふぅん……っ、ん~~っ! んんっ、ふっ、ふぅ、んふぅ……っ!」

 恥ずかしい声の混じった吐息が静かな密林に響く。灯りが完全に見失われてから何分も経過しているせいか、目が暗
闇に慣れてきている。見えなかった道も木も薄らと見える。レイカはその暗がりの視界の中にユリの姿を探した。この
状況を作り上げたユリを咎めるためでも、助けを乞うためでもない。もし負い目を感じてこの場に戻ってくれば、彼女
もまたスライムの餌食となってしまう―……それを心配していた。ユリを咎めるのはスライムでも他の異形の者でもな
く、自分しかいないとレイカは既に心に決めていたのだ。
 レイカは耳を澄ましてみた。聞こえるのはスライムが蠢く音と、自らの口と恥部に生じている液体がいやらしく立て
ている音のみ。近くにユリがいる気配もない事に相変わらず嬌声を混じらせた小さな溜息を鼻から吐き出す。

180:名無しさん@ピンキー
12/03/28 00:11:07.99 hJmPdMNq
きてたあ!

181:地獄からの招待状6-3
12/03/28 12:56:53.62 zgs7wgiJ
 まさか私が晒し者にされるなんてね……こんな筈じゃなかったのに。今頃会場は私が辱められてる様を見て盛り上
がってるのかしら? クルミちゃんなんか今頃目を丸くして見てるのかも。とにかく、ユリちゃんには後でお仕置き
しなきゃ。そう、たっぷりとね―。
 スライムに責め続けられているというのに別の事を考えられるのは、レイカの身体に力が戻り始めた証拠だろう。だ
がそれでも鼻から漏れる嬌声は艶めかしく、頬は紅潮している。彼女は自らの力を確かめるように拘束されている手足
を動かしてみた。案の定、軽々とスライムの触手を引き千切れそうだ。
 レイカが考えている通り、自らが辱められる事は想定外であり、その光景を会場で放映されているのを思うと羞恥心
が激しく揺さぶられる。だが、ここで本性を曝け出してしまえば会場が白けてしまう事は目に見えている。いくら彼女
にとって想定外とは言え、余興は必要だ。
 目を閉じながら鼻から吐き出される長い、長い溜息はレイカの心情を露呈する。即ち、このまま晒され者になる事に
諦めたのだ。そう決めてしまえば話は早い。彼女は身体中を駆け巡り、頭を蕩けさせる刺激を正直に受け入れ始めた。
それと同時にもっと会場が盛り上がるように努め始める。

「ふぅ、ん……んっ、んっ、ぅぅんっ! んぶっ、んん、じゅっ、じゅるるる……っ!!」

 できるだけわざとらしくに聞こえないように、レイカは一際大きな嬌声を漏らし始める。口を塞がれながらも漏れる
嬌声とはこれほどまでに艶めかしいものだろうか。加えて激しく口内の触手を吸う音が響き始める。声と音だけであれ
ばまるで裸の男女が“シックスナイン”の体勢で互いに慰め合っているように聞こえてくる。化け物に少女が辱められ
ているなど、誰が想像できるだろう。
 嬌声に気を良くしたのか、スライムは口内と膣内の触手を激しく動かし始める。更に後者の触手に動きがあった。膣
を貪っている触手から新たに触手が形成される。赤ん坊の指のように細いそれは、真っ直ぐに上に伸びていく。伸びた
先―膣口の上部に位置する、女性にとって存在する筈のない立派なモノ―ペニスだ。彼女のペニスはスライムの体内に
取り込まれて以降、ずっと勃起した状態だ。膣内を触手に暴れ回られる刺激に呼応するかのように、ビクビクと震えて
いる。先端部からは白い液体が垂れていた。

「んーっ、んんんーっ!! ずじゅっ、ぢゅるるぅっ、ふぅんっ、んっ、んむぅっ!!」

 細い触手が蛇のようにペニスに巻き付き、触手の先がペニスの先端部を刺激するとレイカは一際大きな嬌声を漏ら
す。意図して漏らした訳ではない、男性として得られる快楽と女性として得られる快楽が同時に押し寄せたためだ。自
然とそんな声を漏らしてしまった事を恥ずかしがるのは今更だ。
 レイカは恍惚とした表情を浮かべる。
 んっふふ、意外と上手なのね……あっ、そう、そうよ、もっと激しくしなさい……私に気付けないおバカさんだけ
ど……んっ、はぁっ、私を満足させる事ができたら、お仕置きはしないであげるわ―。
 磯巾着のような姿をしていたスライムが再び姿を変える。レイカに巻き付けた触手をそのままに、身体全体を大きく
膨張させ始めた。最初の大きさでは人一人を体内に取り込むのが精一杯の大きさだったが、今ではその二倍、否、三倍
は大きくなっている。膨張したスライムに触れた草木が一瞬で吸収され、跡形もなく消える。それを幾度か繰り返す内
に、スライムを中心とした一定範囲内にレイカ以外の動植物の姿は消え失せた。
 触手によって高々と持ち上げられるレイカの身体。十メートルは悠に上がっただろうか、その高さから真っ逆さまに
落とされれば一溜りもないだろう。空中に持ち上げられて犯されるという今までにない感覚が、レイカの心をより昂ぶ
らせていた。

182:名無しさん@ピンキー
12/03/30 00:36:24.58 wy4DFwEC
乙!エロいというか色っぽいね




URLリンク(nicomoba.jp)


冒頭20秒に注目

183:地獄からの招待状6-4
12/03/30 09:22:32.10 TWQNcOfx
 そんな恐怖など微塵も感じていない。口や恥部から垂れるいくつもの滴が遥か下の地面に落ち、小さな波紋
を作る。
 不意に、レイカの身体を貪る触手の動きが止まった。口、恥部に伸ばしていた触手が徐に本体へと戻ってい
く。彼女はまだ絶頂を迎えていない。まるでお預けを命じられた犬のような目線で彼女はスライムの方へと首
を向けた。彼女が見たモノ、それは巨大な口。巨大化したスライムが人の、否、化け物のような口の形に姿を
変えていたのだ。
 あぁ、私を食べるつもりなのね……ほら、早くぅ……あんまり焦らさないでよぉ。もっともっと私を弄ん
で、私をイかせてぇ―とレイカは両手両足を縛られたまま、空中でキュッと引き締まった小振りなお尻を振る。
 スライムもまた、焦らそうというつもりなどなかった。巨大な口を大きく開き、レイカごと触手を口へと引
き寄せていく。彼女はふと、嫌がって抵抗してた方が萌えるのかな、と思ったのだが、身体が快楽と絶頂を求
めている以上、その思考は泡沫のように跡形もなく消えていった。
 ゆっくり、ゆっくりとスライムはレイカの身体を引き寄せる。そしてある程度近付いたところで、大きく口
を動かした。

 ―バクンッ。

 レイカの視界が一瞬にしてピンク色に染まる。それと同時に最初にスライムに取り込まれた時と同様に全身
が生暖かい感触に包まれた。四肢を縛っていた触手の感覚はいつの間にか消えており、代わりに全身を揉み解
されているような感覚が生じ始めた。それは瞬時に快楽へと変換される。彼女は大の字の格好でスライムの体
内に取り込まれている状態だが、彼女自身は動いていないのにも関わらず、乳房と尻肉を中心に激しく柔肌が
脈打っている。スライムがそうさせているのだ。
 全身が性感帯になったかのように、レイカに与えられる快楽が一気に上り詰める。スライムの体内にいるだ
けで、スライムが動いて彼女の身体に触れる度に快楽が生まれる。それは主な性感帯である乳房、膣、ペニス
だけに飽き足らず、背中や腋、指、耳、鼻―つまり全身に衝撃が走っていた。それらが一斉に脳に快楽として
伝わると、プシュッと膣口から大量の愛液がスライムの体内に飛び散った。ちなみに膣口はスライムによって
大きく押し広げられ、膣内の様子がはっきりと見る事ができた。
 んぁあっ、はぁっ、あんっ! う、嘘ぉっ、こんな気持ちイイの初めてぇっ!! ダメっ、ダメぇぇぇ
っ!! こんなにされたらすぐにイっちゃうよぉぉぉ―とレイカは迫り来る快楽の大波に、歯を噛み締めなが
ら首をぶんぶんと左右へ振って堪えようとするが、それはあまりにも意味のない事だ。相変わらず一切呼吸が
できないスライムの体内にいるというのに、そこに危機感を感じられなかった。苦しさよりも遥かに強大な快
楽がそうさせているようだ。

「ぐぼぉっ!!? ごぷぅっ、んぐっ!! ぐぶぅ……っんんんーーーっ!!!」

 気泡と化す声はくぐもり、それでもそれが艶めかしい嬌声だと分かる。押し広げられた穴という穴、そこか
ら体内へと侵入していくスライム。口から、耳から、鼻から、膣から、肛門から。だがそれは決して苦痛に至
る事はなく、レイカの脳内で快楽へと変換されていく。全てが気持ち良かった。子宮内や腸、胃の中さえスラ
イムに満たされてもそれは変わりはしない。

「……っ、~~~~~~っ!!!」

 言葉にならない声を上げながら、やがてビクン、ビクンとレイカが大きく背筋を仰け反らせた。ほぼ同時に
勃起したペニスの先端から白濁色が尿のように勢い良く噴出し、尿道口からは本物の黄色い尿が噴出する。
 ―スライムの体内に取り込まれ、ものの一分足らずで早くも絶頂を迎えたのだ。

184:名無しさん@ピンキー
12/03/30 09:27:25.58 TWQNcOfx
ようやくレイカも終盤
まだ三人ほど残ってる……年内に書き上がるかな

>>182
エロと色っぽいの書き分けが分からなくてごめんよー
その動画、子供が見たらトラウマになりそう

185:名無しさん@ピンキー
12/03/30 10:04:26.08 NkozMp+N
エデンの檻が丸呑み展開
圧死、窒息死、そして消化液と、獲物の末路を語るところを何回も読み返してしまった

186:名無しさん@ピンキー
12/03/30 10:44:38.14 cUTxC3Bj
>>185
女装してるものの少年というのが惜しいよな・・・

187:地獄からの招待状6-5
12/03/30 13:35:42.00 TWQNcOfx
 スライムの半液体状の体内で、まるで波に揺られているかのように動くレイカの体液が、ゆっくりと時間を
掛けて消化されていく。彼女には絶頂の余韻に浸っている暇など与えられなかった。スライムの動きは止まる
事はなく、彼女の全てを貪っていく。
 一体何回絶頂を迎えたのだろうか。窒息に近い状態も相俟って、レイカの視界は真っ白に染まっていた。脳
が蕩けるような錯覚の中、彼女は徐々に身体が熱くなっている事に気が付いた。全身が熱い。身体の内側まで
もだ。不思議と痛みはなかったが、身体に何が起きているのか、考えるまでもなかった。
 スライムがレイカを消化しようとしているのだ。彼女の体液と同様に、ゆっくりと、時間を掛けて。
 強く一度瞬きをして自我を少しばかり取り戻した時、スライムの身体は既に最初と同じ大きさに戻ってい
た。巣へと戻ろうとしているのだろう、レイカを体内に取り込んだままのそのそと動いている。真っ白に近い
視界の中で動いていく景色を見る事ができた。火傷のように爛れて醜くなっていると思っていた、熱いと感じ
ている手足にはまだ何も異変は見られなかった。
 このまま犯され、快楽に溺れながら消化されるのも悪くない死に方だ。いや、激痛に苛まれながら死ぬより
遥かにマシだろう。だがレイカはスライムの肥やしになるつもりなどこれっぽっちもなかった。心の奥底で
「このまま気持ち良く溶かされたい」という気持ちを噛み潰した時、彼女の片目に再び蒼い炎が灯る。
 ―そして、レイカはチカラを解放した。
 体内に異変に気付き、動きを止め身体を強張らせるスライム。体内で見る見る内に姿形が変わっていくレイ
カの姿を確認し、彼女の正体に気付いた時にはもう遅かった。彼女に対し謝罪も何もする暇さえ与えられな
い。慌てて彼女を体外へと排出しようと試みるも、彼女が自ら外へと飛び出す方が早かった。
 辺り一面に飛び散るピンク色の肉片。地面に降り立つ人間に近い姿をした“それ”。だが“それ”は決して
人間の姿ではない。
 背後で赤ん坊の泣き声のような声を上げながら、スライムが飛び散った自らの肉片を集め始めた頃、“そ
れ”―レイカは一歩足を大きく踏み出す。そして地面に落ちていたスタンガンを持ち上げ、スイッチを入れ
る。そのスパークに照らされた彼女の口元は妖しく微笑んでいた。

「あ~気持ち良かった、なかなか満足したわ。でもまだ……ウフフフッ。さてと、まずはユリちゃんにお仕置
きしなきゃね……」

188:名無しさん@ピンキー
12/03/30 19:25:40.45 eDY8pV5l
まるで中学生の時にハリーポッターの新刊を待ちわびてた時の気分になる

189:名無しさん@ピンキー
12/03/30 20:49:27.86 wy4DFwEC
>>184
そんな気にしないで。これは僕好きだよ



いつか、この動画を元に小学生が呑まれちゃうのもお願いします。

190:地獄からの招待状7-0
12/04/10 12:50:58.73 ZR1uxrND
第7話 【柊ユリ】





 闇に染まった心に光が差す。それは時と場合によって吉凶が様々だ。
 ユリは密林の外まで―陽の光が届く場所まで移動すると、上がった息を整えながら空を見上げた。青い空と白い雲
と陽の眩しい光が滲んで見える。瞬きを一つすると、眼球に縋り付いていた液体が瞼によって弾かれ、頬を濡らした。
涙を通さずに届いた陽の光は直視できない程に眩しくて、彼女はそっと目を閉じた。目を閉じると視界は完全に闇色に
染まる事はなく、赤色が混じっている。変わらずに明るい空へと顔を向けている以上、当然だった。
 ユリには闇色に混じる赤色がまるで血の色のように見えた。闇に差す赤い光が記憶を鮮明に掘り起こす。瞼を閉じて
いるのに見える光景、それはまさに数分前、彼女自身が犯してしまった愚行。
 チクチクと心臓が痛み出す。ヒクヒクと表情が歪み出す。シクシクと嗚咽が口から漏れ出す。
 時折強い風が吹き荒れてユリの髪とスカートを揺らす。風が彼女の今の気持ちを何処かへと運び去る事はなく、走
る事によって体温が上がった彼女にとって心地良い筈のものが、煩わしいものでしかなかった。
 膝の力を抜くと、ガクンと膝が折れて両膝が硬い地面に強打した。砂利に擦られたせいで皮膚が破け、出血するも
のの不思議と痛みを感じる事はなかった。そのまま両踵の上にぺたんと形の良いお尻を下ろす。その際に体重を後ろ
に掛けていたせいか、お尻が踵に付いた瞬間に身体のバランスが崩れ、彼女は背中から地面の上にゴロンと転がった。
弾みで折り畳まれていた膝が伸びる。ユリの視界が再び空に染まる頃、彼女は地面の上に大の字になって倒れていた。
 空の中を雲が泳いでいる光景が止め処なく溢れる涙によって滲む。何度瞬きをして涙を流してもそれは変わらない。
ユリは両の掌で顔を覆うようにすると、込み上げてくる衝動を堪え切れずに大声で泣き始めた。
 どうして……っ、どうして私、お姉様にあんな酷い事を―。
 あの時、レイカの胸にスタンガンを押し当てたのは紛れもなく自らの意思。しかしそれは悪意の欠片もない、まるで
子供のように純真無垢な心。そして身勝手で傲慢な自己満足。
 ミナに対する嫉妬心のあまり、晒し出された自らの醜い欲望。ユリはそれを認める事ができなかった。
 レイカに自分を見て欲しかった。ミナにばかり目を向けて欲しくなかった。ミナではなく、ずっと自分の傍にいて
欲しかった。
 ―だが、だからと言ってユリはレイカを傷付けるつもりなどこれっぽっちもなかった。彼女が本当に恐れていた事、
それはミナにレイカを獲られてしまう事ではなく、ユリがレイカに嫌われてしまう事だ。

191:名無しさん@ピンキー
12/04/10 12:52:56.25 ZR1uxrND
久しぶりの更新

192:名無しさん@ピンキー
12/04/10 19:41:51.49 qY/fjN6c
わっふるわっふる!

193:名無しさん@ピンキー
12/04/11 15:48:20.21 C8r5XKej
ユリきたああああ
まさかこんな長期連載になるとは!
楽しみが増えて嬉しい

194:190
12/04/16 12:56:59.65 Pu3j6WYv
>>193
長期連載にする気なんてこれっぽっちもなく、シーズンだったクリスマス前後に
書き終わらそうとしていたのは秘密
一人一人にエロスを加えたのがそもそもの原因か
のんびりまったり待っておくれ

195:名無しさん@ピンキー
12/04/17 05:57:43.44 YX4oKASP
前スレ632の外伝書いてみました。

(背景設定説明用の引用。読み飛ばし可)

西暦20XX年。地球に異星人が来訪した。
その後の様々な混乱や試行錯誤はここでは省略するが、その結果人類は多くのものを得た。
挙げればきりがないが、大きなものの一つにクローン技術がある。
バックアップさえ定期的にとればいつでもその人間のコピーを記憶から意識までコピーして作り出すことができた。
(ただし、女性に限られたが)
いわば命のバックアップ。これができて、定期的なバックアップが習慣化してから
人類の女性から老衰以外の死は無縁のものとなった。

もちろん、それほどの大きな恩恵を何の代償もなしで手に入れられたわけではない。
むしろ、後から考えればその代償に彼らに渡したもののために彼らはこの技術を渡したのかもしれないのだった。

その代償は…地球の女性を食料として提供することだった。

この話は、そうした利害関係が試行錯誤を繰り返した果てに一定の妥協を得て
人類と異星人が共存を果たした時代の話である。

(引用終わり)

その世界にあるひとつの学校。
そこは全寮制のお嬢様学校として有名な学校だった。
この学校はお嬢様学校であるとともに、「奉仕活動」が有名だった。
容姿の一定以上の娘だけが入学でき、学費は免除される。
在学中に、その容姿に磨きをかけることをモットーとしており、卒業後はアイドルや女優になるものも少なくない。
しかし、その代わりに卒業生は「奉仕活動」として自らの体を食肉として提供することが義務付けられている。
女学生たちの「奉仕活動」。その仕上げとして行われる卒業記念解体販売は異星人には人気を集める一大イベントだった。


196:名無しさん@ピンキー
12/04/17 05:58:10.91 YX4oKASP
「やったぁ。自己ベスト更新!」
ストップウォッチを見て大声ではしゃぐ声が聞こえる。
陸上部の部活だそうだ。
すぐ下では、清楚な雰囲気の女子校生が二人仲よさそうに歩いている。
笑い声がここまで聞こえてきていた。

目を遠くにやると、プールでスク水の女子が泳いでいた。
水泳部の部活だそうだ。
時折聞こえるホイッスルと、水しぶきの音。
彼女たちが熱心に青春を謳歌している証だった。

つい視線が窓の外に向いてしまうのを学園長に咎められる
「あの、お話聞いています?」
いけない、と我に帰った男は照れ隠しのように書類を並べた
「そうでした。申し訳ない。では、今年の解体販売の段取りについてですが…」



197:名無しさん@ピンキー
12/04/17 05:58:58.98 YX4oKASP
とりあえず様子見。続きはそう遠くないうちに

198:名無しさん@ピンキー
12/04/18 03:01:14.07 EBz3+SXn
その頃、グラウンドでははしゃいでいた少女を後輩たちが取り囲んでいた
「杏子先輩、すごいなぁ。」
杏子は異口同音に褒め上げる後輩に高いテンションで応じる。
ハイタッチを求める後輩にハイタッチで答える杏子
この学校の体操服のブルマからこぼれる引き締まった太腿が陽光を反射して輝くようだった。
それを聞いて、表情を硬くする少女がいた。
後輩たちはその少女にも声をかける
「でも、唯先輩もいいタイムじゃないですか」
後輩の声にも固い表情は崩さない
「ダメよ。私は杏子に勝ちたいの」
いつもどおりの妙なライバル心に杏子は困った顔を見せた。

プールでは、一人の少女がプール端で声をかけていた。
「ふぅー。どう?タイムは」
プールから上がった少女が声をかける。
自身で手ごたえがあったらしく、表情は明るかった。
プールサイドに立つと、ぽたぽた水滴がしたたり落ちる。
ぴったりはりつく水着がたわわに実った乳房と無駄のない体のラインを強調する。
「すごい、優香先輩。」
後輩の告げるタイムにに表情が弾けた。

プールの横で、二人の少女がたわいもない会話をしながら並んで歩いていた
「ねぇ、昨日のドラマでさ」
しかし、傍目には同級生とはとても見えなかった。
方や制服の上からでも浮かんでくるほどのプロポーションを見せるのに対し、
その少女に犬のようにくっつく少女は年齢より幼く見え、ともすれば先輩後輩のようだった
「ええ?美穂もあのドラマ見てるんですか?今度一緒に見ようよ。どっちかの部屋で」
心の底から嬉しそうな笑顔を見せる少女
「そうね。今度佳恵の部屋にお邪魔させてもらっていい?」
「もちろん!今度の回では那美さんも出るらしいですよ」
彼女はクラスに席はあってもめったに授業に出てこない同級生の名を出した。


199:名無しさん@ピンキー
12/04/18 03:01:45.57 EBz3+SXn
それから半年後


「おはよう、優香」
「おはよう、杏子」
早朝のすがすがしい雰囲気の中挨拶する二人
「優香も走ってきたの?」
「うん、毎日続けてきたことだし、毎日走ってこないと気持ち悪くて。杏子もでしょ?」
「そう、部活はもう終わったけど、クセってやつかな?」
優香は水泳部、杏子は陸上部に所属していて、二人とも早朝に寮のまわりをジョギングし寮の前で会うのが日課になっていたのだ
「でも…あたしたちがこうやって会うのも明日までよね」
そういって杏子は黙り込んだ。
明日は奉仕活動の日。
ふたりの体もバラバラにされて異星人たちに食べられてしまうのだ。
「いやね、しんみりしないでよ。あたしたちのクローンは残るんだし、あたしたちのクローンだからこれからも一緒にいられるわよ」
優香は肩をたたいて励ます。
しかし、心中は複雑だった。
最後の大会で自己ベストを出してからも休むことなくこうして維持してきた体が、明日には異星人の食料として肉になってしまう。
学費無料のこの学校は容姿と学力を満たせば入れるだけに家が貧しい家の娘が入ることも少なくない。
彼女もその一人で、それゆえに家の貧乏な彼女が無料で充実した設備で勉強して好きな水泳に打ちこめたのだ。
そして、その代償は明日異星人の食料となることで支払われる。

200:名無しさん@ピンキー
12/04/18 03:02:04.61 EBz3+SXn
あたし…食べられちゃうんだ…この体も、足も…
ひきしまり無駄のない太腿を見下ろすと、それが切り分けられて肉になる想像をしてしまう。
それを振り払うように首を振って杏子を促した
「さ、朝ご飯食べにいこ」
杏子も同様に複雑な心境をごまかすようにうなづいた。
寮に帰り着く直前、同じ陸上部の唯に会った。
ストイックな性格の彼女は今までおなじ寮であるにもかかわらず杏子と一緒に走ることはなく、一人でジョギングしてきたようだった。



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